説明

車体上部構造

【課題】車両転覆時にルーフの折れモードをコントロールすることにより、車両転覆時における乗員保護性能を向上させることができる車体上部構造を得る。
【解決手段】ルーフセンタリインフォース22の長手方向の端部22Aの近傍には凹溝26が形成されており、更にその内側には連結ピン28の先端部28Cが取り付けられている。連結ピン28の頭部28Aはルーフヘッドライニング24の車両幅方向外側の端部24A近傍の対向部位に係止されている。従って、車両転覆時になると、低剛性化された凹溝26を起点としてルーフセンタリインフォース22及びルーフパネル14がキャビン12の外側へ屈曲され、それに伴って連結ピン28に引っ張られてルーフヘッドライニング24の凹溝対向部位24Bも同方向へ屈曲される。その結果、乗員の頭部との接触を回避又は緩和でき、乗員保護性能を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体上部を構成するルーフ本体と、このルーフ本体の車両下方側に離間して配置された天井内装材と、を含んで構成された車体上部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、車両転覆時にルーフの変形を抑制するための技術が開示されている。
【0003】
簡単に説明すると、特許文献1に開示された技術では、ルーフパネルに左側のフロントピラーの上端部と右側のセンタピラーの上端部とを湾曲形状に結ぶ第1補強部材と、右側のフロントピラーの上端部と左側のセンタピラーの上端部とを湾曲形状に結ぶ第2補強部材とを中央部でクロスするように配置している。これにより、第1補強部材と第2補強部材とが交差する部分に発生する曲げモーメントをキャンセルするようになっている。
【特許文献1】特開2005−263019号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記先行技術による場合、以下に説明する点において改良の余地がある。
【0005】
すなわち、近年、意匠上の理由からルーフの位置を低く設定した車両が市場に投入される傾向がある。その一方で、近年、ルーフを含む周辺部にサンルーフや側面衝突時にルーフサイドレール部の下方にエアバッグがカーテン状に膨張展開する頭部保護エアバッグ装置等の取付部品が設置される車両が増加する傾向にある。
【0006】
このため、上記先行技術のようなルーフ構造を採り得ない場合も当然出てくる。その場合、車両転覆時にルーフ及び窓枠が変形したり、天井やサンルーフ等が押出されて乗員と接触する可能性がある。
【0007】
本発明は上記事実を考慮し、車両転覆時にルーフの折れモードをコントロールすることにより、車両転覆時における乗員保護性能を向上させることができる車体上部構造を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、車体上部を構成するルーフ本体と、このルーフ本体の車両下方側に離間して配置された天井内装材と、を含んで構成された車体上部構造であって、前記ルーフ本体又は当該ルーフ本体の下面側に車両幅方向に沿って掛け渡されたルーフ構造部材におけるルーフサイドレール側の所定位置に、ルーフサイドレール側からキャビン側へ向けて所定値以上の荷重が入力されることによりルーフ本体又はルーフ骨格部材をキャビン外側へ向けて屈曲させる脆弱部を設けた、ことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1記載の車体上部構造において、前記ルーフ本体又は前記ルーフ構造部材における脆弱部の近傍部位と天井内装材又は当該天井内装材に取付けられた天井側取付部材とを略車両上下方向に連結する連結部材を設けた、を有することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2記載の車体上部構造において、前記連結部材は、所定値以上の荷重が入力されることにより荷重作用方向へ変形可能とされている、ことを特徴とする。
【0011】
請求項1記載の本発明によれば、横転等により車両が転覆すると、車体上部を構成するルーフ本体の車両幅方向外側の端部付近(ルーフサイドレール側)に、キャビン側への荷重が入力される。この入力荷重が所定値以上の場合、ルーフ本体又はルーフ本体の下面側に車両幅方向に沿って掛け渡されたルーフ骨格部材が、これらのルーフサイドレール側の所定位置に設定された脆弱部から屈曲される(折れ曲がるように変形する)。ルーフ本体又はルーフ構造部材の屈曲された部分はこのときの屈曲によりキャビンの外側へ変位する(膨らむ)ため、逆に当該屈曲部位の内側には新たなスペースが形成される。従って、乗員の頭部がルーフ本体やルーフ構造部材といったボディー側構成部材と当接するのを回避又は緩和することができる。すなわち、本発明によれば、ルーフ又はルーフ骨格部材の折れモードをコントロールすることにより、乗員の頭部がこれらの部材から反力を受けるのを回避又は低減することができる。
【0012】
請求項2記載の本発明によれば、ルーフ本体又はルーフ構造部材における脆弱部の近傍部位と天井内装材又は当該天井内装材に取付けられた天井側取付部材とが連結部材によって略車両上下方向に連結されているため、ルーフ本体又はルーフ構造部材が脆弱部を起点として屈曲すると、天井内装材、天井側取付部材が設置されている場合には天井側取付部材が、連結部材によってルーフ本体又はルーフ構造部材の変形方向へ引っ張られる。従って、天井内装材又は天井側取付部材もルーフ本体又はルーフ構造部材と同様の変形モードで変形し、乗員の頭部が天井内装材又は天井側取付部材に当接するのを回避又は緩和することができる。
【0013】
請求項3記載の本発明によれば、連結部材は所定値以上の荷重が入力されることにより荷重作用方向へ変形可能とされているので、仮にルーフ本体又はルーフ構造部材及び天井内装材及び天井側取付部材が、予定した変形モードで変形した状態で、尚も乗員の頭部が天井内装材又は天井側取付部材に当接した場合には連結部材が荷重作用方向に変形することにより所定のエネルギー吸収がなされる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る車体上部構造は、車両転覆時にルーフの折れモードをコントロールすることにより、車両転覆時における乗員保護性能を向上させることができるという優れた効果を有する。
【0015】
請求項2記載の本発明に係る車体上部構造は、ルーフ本体又はルーフ骨格部材といったボディー側構成部材だけでなく、天井内装材又は天井側取付部材といった内装側構成要素をも同様の折れモードにすることにより、車両転覆時における乗員保護性能をより一層向上させることができるという優れた効果を有する。
【0016】
請求項3記載の本発明に係る車体上部構造は、連結部材が変形可能に構成されているので、車両転覆時における乗員保護性能を更に向上させることができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図3を用いて、本発明に係る車体上部構造の第1実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示しており、矢印OUTは車両幅方向外側を示している。
【0018】
図1には、本発明に係る車体上部構造が適用された車体上部10を車両幅方向に沿って切断した状態が示されている。この図に示されるように、キャビン12の上端部を構成する車体上部10の最外側には、ルーフ本体としてのルーフパネル14が配設されている。ルーフパネル14の両サイドには、車両前後方向に沿ってルーフサイドレール16が配設されている。なお、ルーフサイドレール16は、ルーフサイドレールアウタパネル18とルーフサイドレールインナパネル20とによって閉断面構造に構成されており、その車両幅方向内側に位置するフランジ部16Aにルーフパネル14の車両幅方向外側の端部14A(の端末部)がスポット溶接により接合されている。
【0019】
上述したルーフパネル14の車両前後方向の中間部付近の下方側には、ルーフ構造部材としてのルーフセンタリインフォース22が車両幅方向に沿って延在されている。ルーフセンタリインフォース22は断面ハット形状に形成された長尺状の部材として構成されており、図示しない前後のフランジ部がマスチックでルーフパネル14の下面に接着されることにより取り付けられている。なお、図1には、ルーフセンタリインフォース22の底部が図示されている。また、ルーフセンタリインフォース22の長手方向の端部22A(の端末部)は、ルーフサイドレールインナパネル20にスポット溶接により接合されている。なお、この第1実施形態では、ルーフセンタリインフォース22を断面ハット形状の長尺状の部材として構成したが、これに限らず、後述する第2実施形態のような帯板状のものでもよく、更にはパイプ状のものやロッド状のものでもよく、どのような構造及び断面形状のルーフ構造部材を適用するかは、ルーフ構造部材に求められる要求特性に応じて適宜変更される。
【0020】
さらに、上記ルーフセンタリインフォース22よりも車両下方側には、天井内装材としのルーフヘッドライニング(成形天井又は内装トリムということもある)24が略平行に配設されている。ルーフヘッドライニング24は、一例として基材層と基材層に被覆される表皮層とを含んで構成されている。
【0021】
ここで、上述したルーフセンタリインフォース22の長手方向の端部22Aの近傍下面には、脆弱部としての凹溝26が車両前後方向に沿って形成されている。従って、凹溝26が形成された部位ではルーフセンタリインフォース22の板厚が薄くなっており、ルーフセンタリインフォース22の一般部22Bに比べて低剛性化されている。
【0022】
さらに、上記ルーフセンタリインフォース22の凹溝26の近傍(車両幅方向内側)部位(以下、「凹溝近傍部位22C」と称す)とルーフヘッドライニング24の車両幅方向外側の端部24Aの近傍部位(以下、「凹溝対向部位24B」と称す)とは、連結部材としての連結ピン28によって車両上下方向に連結されている。
【0023】
連結ピン28は、頭部28A、とその軸芯部に配置された軸部28Bと、軸部28Bの先端部に形成された球状の先端部28Cと、によって構成されている。ルーフヘッドライニング24には連結ピン挿通孔30が形成されており、連結ピン28はルーフヘッドライニング24の下方側から連結ピン挿通孔30内へ挿通され、先端部28Cがルーフセンタリインフォース22の凹溝近傍部位22Cに溶接等されることにより取り付けられている。なお、連結ピン28に替えて、クリップ等を使ってもよい。
【0024】
なお、ルーフパネル14の前端部の下面側に車両幅方向に沿って延在するフロントヘッダリインフォース(第1実施形態では図示を省略しているが、後述する第2実施形態では図示されているので、そちらを参照されたい)にも同様の構成が付加されている。
【0025】
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0026】
図3に示されるように、車両32が転覆すると、車両32の上側角部(図3のQ線矢視部)に相当するルーフサイドレール16からキャビン12側へ向けて荷重Fが入力される。なお、この場合の荷重Fは、例えば、路面34等から入力される荷重である。
【0027】
ここで、本実施形態に係る車体上部構造では、ルーフセンタリインフォース22の長手方向の端部22Aの近傍に脆弱部(又は低剛性部)としての凹溝26を設定したので、車両転覆時の入力荷重Fが所定値以上であれば、図2に示されるように、ルーフセンタリインフォース22の長手方向の端部22Aが、剛性が急変する凹溝26を起点としてキャビン12側へ屈曲される。なお、この屈曲挙動に呼応してルーフパネル14の車両幅方向外側の端部14Aもキャビン12側へ折れ曲がる。
【0028】
ルーフセンタリインフォース22の凹溝近傍部位22Cとルーフヘッドライニング24の凹溝対向部位24Bとは連結ピン28によって相互に連結されているため、上記の如く、ルーフセンタリインフォース22の長手方向の端部22Aがキャビン12の外側へ屈曲されると、これに伴って連結ピン28の頭部28Aによってルーフヘッドライニング24の車両幅方向外側の端部24Aが同方向へ強制的に引っ張られる。このため、ルーフヘッドライニング24の車両幅方向外側の端部24Aもルーフセンタリインフォース22の長手方向の端部22Aと同様にキャビン12の外側へ屈曲される。
【0029】
その結果、キャビン12における当該屈曲部位の内側には、新たなスペースS(図2に二点鎖線で示すエリア)が形成されてキャビン12が拡張される。従って、乗員の頭部(図2に矢印Pで示す)が、ルーフヘッドライニング24を間に介してルーフセンタリインフォース22やルーフパネル14といったボディー側構成部材と当接するのを回避又は緩和することができる。すなわち、本実施形態に係る車体上部構造によれば、車両転覆時のルーフセンタリインフォース22更にはルーフパネル14の折れモードをコントロールすることにより、乗員の頭部がこれらの部材から反力を受けるのを回避又は低減することができる。その結果、本実施形態によれば、車両転覆時における乗員(頭部の)保護性能を向上させることができる。
【0030】
また、本実施形態に係る車体上部構造では、上記の如く、連結ピン28によってルーフセンタリインフォース22の凹溝近傍部位22Cとルーフヘッドライニング24の凹溝対向部位24Bとを連結し、ルーフセンタリインフォース22の長手方向の端部22Aの屈曲動作を利用してルーフヘッドライニング24の車両幅方向外側の端部24Aも同じ屈曲動作をするようにしたので、乗員の頭部Pがルーフヘッドライニング24に当接して反力を受けることをも回避又は緩和することができる。従って、本実施形態によれば、車両転覆時における乗員(頭部の)保護性能をより一層向上させることができる。
【0031】
〔第2実施形態〕
次に、図4を用いて、本発明に係る車体上部構造の第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0032】
図4に示されるように、この第2実施形態では、ルーフパネル14の車両幅方向外側の端部14Aの近傍に車両前後方向に沿って延在する脆弱部としてのビード40が形成されている。なお、ビード40の断面形状は上下逆向きの略U字状とされている。
【0033】
また、ルーフセンタリインフォース41の長手方向の端部41A及びルーフパネル14の前端部の下方側に配置される帯板状のフロントヘッダリインフォース42の長手方向の端部42Aには、ビード40と対向する位置に別のビード44が形成されている。このビード44の断面形状も上下逆向きの略U字状とされている。
【0034】
また、ルーフヘッドライニング24の車両幅方向外側の端部24Aとルーフセンタリインフォース41のビード近傍部位41B及びフロントヘッダリインフォース42の長手方向の端部42Aのビード近傍部位42Bとは、連結ピン46によって車両上下方向に連結されている。なお、この第2実施形態の連結ピン46は、例えば、ルーフセンタリインフォース41のビード近傍部位41B及びフロントヘッダリインフォース42の長手方向の端部42Aのビード近傍部位42Bの上面にウエルドナットを設定するのであれば、ボルトを使えばよいし、リベット等も使用可能である。
【0035】
(作用・効果)
上記構成によっても、前述した第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。すなわち、車両横転時には、ルーフセンタリインフォース41の長手方向の端部41A及びフロントヘッダリインフォース42の長手方向の端部42Aがビード44を起点としてキャビン12の外側へ折れ、ルーフパネル14もビード40を起点としてキャビン12の外側へ折れ曲がる。つまり、ルーフパネル14及びルーフセンタリインフォース22及びフロントヘッダリインフォース42の折れモードをコントロールすることができる。その結果、車両転覆時における乗員(頭部の)保護性能を向上させることができる。
【0036】
〔第3実施形態〕
次に、図5を用いて、本発明に係る車体上部構造の第3実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0037】
図5(A)に示されるように、この第3実施形態では、連結ピン50に脆弱部(低剛性部)を設けた点に特徴がある。具体的には、連結ピン50は頭部50A、軸部50B、先端部50Cによって構成されている点は前述した第1実施形態の連結ピン28と同様であるが、軸部50Bの軸方向中間部に縮径された縮径部52が形成されている点で前述した第1実施形態の連結ピン28とは異なる構成となっている。この縮径部52が形成されたことにより、連結ピン50は縮径部52の形成部位で低剛性化されている。
【0038】
(作用・効果)
上記構成によれば、図5(A)に示される状態から、図5(B)に示されるように、車両転覆時になると、前述した第1実施形態で説明したのと同じ過程を経てルーフセンタリインフォース22の長手方向の端部22A及びルーフパネル14の車両幅方向外側の端部14Aが凹溝26を起点として屈曲される。また、これに伴い、連結ピン50で連結されたルーフヘッドライニング24の車両幅方向外側の端部24Aも連結ピン50の頭部50Aに引っ張られて、キャビン12の外側へ向けて屈曲される。これにより、キャビン12の上側角部にスペースSが形成され、乗員の頭部(矢印P)がルーフヘッドライニング24を介してルーフセンタリインフォース22の長手方向の端部22Aに当接して反力を受けるのを回避又は低減することができる。
【0039】
さらにここで、本実施形態では、連結ピン50の軸部50Bの軸方向中間部に縮径部52を設けたので、仮に乗員の頭部が連結ピン50の頭部50Aに当接してきたとしても、図5(C)に示されるように、連結ピン50が縮径部52で折れてエネルギー吸収すると共にルーフヘッドライニング24のキャビン12の外側への変形を容易にする(図5(C)の二点鎖線図示位置から実線図示位置までルーフヘッドライニング24は容易に変形して移動する)。その結果、本実施形態によれば、車両転覆時における乗員(頭部の)保護性能を更に向上させることができる。
【0040】
なお、上記構成では、連結ピン50の軸部50Bの軸方向中間部に縮径部52を形成したが、これに限らず、所定値以上の荷重が連結ピン50の軸方向に入力されることにより変形し、底付き荷重の発生を抑止又は抑制する働きをする構成であればよい。例えば、連結ピン50を二重管構造にして所定値以上の軸力が入力されることにより、連結ピン50が軸方向に縮むようにしてもよい。また、上記構成では、連結ピン50の軸部50Bが縮径部52から折れて分断するように描かれているが、分断しないように単に折れ曲がるようにしてもよい。例えば、連結ピンを予め二分割しておいて、分割端部同士をヒンジピンで相対回転可能に連結するようにしてもよい。
【0041】
〔本実施形態の補足説明〕
なお、上述した各実施形態では、連結ピン28、46、50を設定したが、請求項1記載の本発明には連結ピンが存在しない構成も含まれる。この場合においても、ボディー側構成部材であるルーフセンタリインフォース22やルーフパネル14をキャビン12の外側へ屈曲させる作用・効果は得られるので、乗員(頭部の)保護性能は向上される。
【0042】
また、上述した各実施形態では、連結ピン28、46、50の連結相手は天井内装材であるルーフヘッドライニング24であったが、これに限らず、ルーフヘッドライニング24に取り付けられる天井側取付部材であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第1実施形態に係る車体上部構造の全体構成を変形前の状態で示す横断面図である。
【図2】図1に示される状態から車両転覆時にルーフパネル等が変形した状態を示す横断面図である。
【図3】横転した車両を示す概略正面図である。
【図4】第2実施形態に係る車体上部構造を示す分解斜視図である。
【図5】第3実施形態に係る車体上部構造を示す横断面図であり、(A)は変形前の状態、(B)はルーフパネル等が変形した状態、(C)は更に連結ピンが折れた状態をそれぞれ示している。
【符号の説明】
【0044】
10 車体上部
12 キャビン
14 ルーフパネル(ルーフ本体)
14A 車両幅方向外側の端部
16 ルーフサイドレール
22 ルーフセンタリインフォース(ルーフ構造部材)
22A 長手方向の端部
22C 凹溝近傍部位(脆弱部の近傍部位)
24 ルーフヘッドライニング(天井内装材)
24A 車両幅方向外側の端部
26 凹溝(脆弱部)
28 連結ピン(連結部材)
32 車両
40 ビード(脆弱部)
41 ルーフセンタリインフォース(ルーフ構造部材)
41A 長手方向の端部
41B ビード近傍部位
42 フロントヘッダリインフォース(ルーフ構造部材)
42A 長手方向の端部
42B ビード近傍部位
44 ビード(脆弱部)
46 連結ピン(連結部材)
50 連結ピン(連結部材)
52 縮径部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体上部を構成するルーフ本体と、
このルーフ本体の車両下方側に離間して配置された天井内装材と、
を含んで構成された車体上部構造であって、
前記ルーフ本体又は当該ルーフ本体の下面側に車両幅方向に沿って掛け渡されたルーフ構造部材におけるルーフサイドレール側の所定位置に、ルーフサイドレール側からキャビン側へ向けて所定値以上の荷重が入力されることによりルーフ本体又はルーフ骨格部材をキャビン外側へ向けて屈曲させる脆弱部を設けた、
ことを特徴とする車体上部構造。
【請求項2】
前記ルーフ本体又は前記ルーフ構造部材における脆弱部の近傍部位と天井内装材又は当該天井内装材に取付けられた天井側取付部材とを略車両上下方向に連結する連結部材を設けた、
を有することを特徴とする請求項1記載の車体上部構造。
【請求項3】
前記連結部材は、所定値以上の荷重が入力されることにより荷重作用方向へ変形可能とされている、
ことを特徴とする請求項2記載の車体上部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−37318(P2008−37318A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−216104(P2006−216104)
【出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】