説明

車体前部構造およびカバー

【課題】フロントフードの撓み込み量を大きくしつつもメンテナンスコストの低減を図る。
【解決手段】フロントフード15と車両搭載部品19との間に配置されたカバー23は、車体に固定され且つ開口部26を有するカバー本体25と、カバー本体25の開口部26を覆う蓋35と、カバー本体25の開口部26の周縁に一体に形成された支持部31と、蓋35の周縁に一体に形成され且つカバー本体25の支持部31と係合することで当該支持部31に支持される被支持部41と、蓋35からフロントフード15に向けて上方に突設され且つフロントフード15の下面に直接または間接的に当接する当接部47と、を備える。支持部31および被支持部41の少なくとも一方が、蓋35の当接部47に上方からの所定値以上の荷重が加わると弾性変形して他方との係合から離脱することで、蓋35がカバー本体25の開口部26内に脱落することを許容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体前部構造およびそれに用いるカバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車体前部のフロントコンパートメント(一般にエンジンルームと呼ばれる)には例えばエンジンやバッテリーなどの車両搭載部品が配置され、フロントコンパートメントの上部開口はフロントフードで開閉自在に覆われている。
【0003】
車両走行時に車両前端に障害物などが衝突してフロントフード上に乗り上げると、フロントフードが下方に撓む。このとき、フロントフードの下方に剛性の高い車両搭載部品が配置されていると、撓んだフロントフードを介して当該衝突物が当該車両搭載部品に強く衝突することとなるため、この衝突力を緩和できる構造が求められる。
【0004】
特許文献1には、車両搭載部品に雨水などがかからないようにするために当該車両搭載部品を覆う箱が開示されている。この箱は、衝突物の荷重によりフロントフードが下方に撓んで箱の上面に衝突すると、当該箱が破断して、フロントフードの下方への撓み量を大きくできるようになっている。より具体的には、箱は、アッパカバーとケース本体とロアカバーとを備え、ロアカバーの周壁に全周方向に断続的に横方向にスリットを設けた構造となっている。そのため、アッパカバーに衝撃が負荷された時にロアカバーがスリットの位置で破断し、該スリットから上部側のロアカバーが下方へと落ち込みむことで、該ロアカバーに結合されたケース本体およびアッパカバーも下方への落ち込み、フロントフードの下方への撓み量を大きくできるようになっている。
【特許文献1】特開2005−53269号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来技術にあっては、箱が破壊されることでフロントフードの撓み量を大きくできるようになっているため、箱が一度破壊されると箱を取り替える必要があり、メンテナンスコストが高くついてしまう。
【0006】
本発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、フロントフードの下方への撓み込み量を大きくしつつもメンテナンスコストを低減できる車両前部構造およびそれに用いるカバーの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、車両前部構造であって、車両のフロントコンパートメントの上部開口を覆うフロントフードと、当該フロントフードの下方に配置された車両搭載部品と、の間に配置され且つ当該車両搭載部品を上方から覆うカバーを備え、前記カバーは、前記車両搭載部品に上方からアクセス可能とする開口部を有するカバー本体と、前記カバー本体の開口部を覆う蓋と、前記カバー本体の前記開口部の周縁に一体に形成された支持部と、前記蓋の周縁に一体に形成され且つ前記カバー本体の支持部と係合することで当該支持部に支持される被支持部と、前記蓋から前記フロントフードに向けて上方に突設され、前記フロントフードの下面に直接または間接的に当接する当接部と、を備え、前記支持部および前記被支持部の少なくとも一方は、前記蓋の当接部に上方からの所定値以上の荷重が加わると弾性変形して他方との係合から離脱することで、前記蓋が前記カバー本体の開口部内に脱落することを許容することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両前部構造であって、前記蓋の当接部の上端に取り付けられ、前記当接部の上端と前記フロントフード下面との間を塞ぐシールリップを更に備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、車両のフロントコンパートメントの上部開口を覆うフロントフードと、当該フロントフードの下方に配置された車両搭載部品と、の間に配置され且つ当該車両搭載部品を上方から覆うカバーであって、前記車両搭載部品に上方からアクセス可能とする開口部を有するカバー本体と、前記カバー本体の開口部を覆う蓋と、前記カバー本体の前記開口部の周縁に一体に形成された支持部と、前記蓋の周縁に一体に形成され且つ前記カバー本体の支持部と係合することで当該支持部に支持される被支持部と、前記蓋から前記フロントフードに向けて上方に突設され、少なくとも前記フロントフードが下方に撓んだときに前記フロントフードからの荷重を受ける当接部と、を備え、前記支持部および前記被支持部の少なくとも一方は、前記蓋の当接部に上方からの所定値以上の荷重が加わると弾性変形して他方との係合から離脱することで、前記蓋が前記カバー本体の開口部内に脱落することを許容することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、当接部があるため、蓋がカバー本体から上方に外れてしまうことを防止できる。また、フロントフードに障害物が乗り上げてフロントフードが下方に撓むことで所定値以上の荷重が当接部に加わると、蓋がカバー本体の開口部内に脱落することとなるため、フロントフードの下方への撓み量を大きくでき、障害物への衝撃力を和らげることができる。このとき、カバー(カバー本体および蓋)は破壊されるわけではないので、次回の使用時にはカバー本体に蓋を組み付け直すだけで良く、メンテナンスコストを低減できる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、シールリップを備えることで、フロントフードに障害物が乗り上げて当該フロントフードが下方に撓んだ際に、フロントフードがシールリップを介して蓋の当接部に衝突することで、蓋の被支持部とカバー本体の支持部との間に急激な衝撃力が加わりにくくなり、蓋およびカバー本体の破損がより起こりにくくなる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1と同様の作用効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0014】
(第1実施形態)
まず、図1〜図8を参照しつつ本発明の第1実施形態について説明する。
【0015】
図1は車体前部の骨格構造を示す図であり、図2は車体前部のフロントフードを開いた状態を示すフロントコンパートメント内を示す図であり、図3は図2中のII部に使用されるカバーの斜視図であり、図4はカバーのカバー本体と蓋との支持構造を示す分解斜視図であり、図5は図4中のC−C断面でみたカバー本体と蓋との組み付け状態を示す部分断面図であり、図6は図4中のD−D断面でみたカバー本体と蓋との組み付け状態を示す部分断面図であり、図7は図3中の図B−B断面でみた車体前部構造の断面図であり、図8はフロントフードに対して障害物が乗り上げ際のカバー本体と蓋との関係を示す断面図である。
【0016】
図1は、車体前部の骨格構造を示す。図1に示すように、車両1の室内空間3とフロントコンパートメント5としてのエンジンルームはダッシュパネル7で区画されている。
【0017】
エンジンルーム5は、前記ダッシュパネル7と、ダッシュパネル7の車幅方向両端部から前方に延在する一対のフロントサイドメンバ9、9と、両フロントサイドメンバ9、9の前端部を連結するラジエタコアサポート11と、により画成されており、このエンジンルーム5内に、車両駆動源としてのエンジン13やその補機類が搭載され、当該エンジンルーム5の上部開口部がフロントフード15(図1中図示せぬ)により開閉自在に覆われる。
【0018】
エンジンルーム5内には、ダッシュパネル7の前側にサブダッシュパネル17が設けられており、このサブダッシュパネル17は、ダッシュパネル7との間に水分を嫌う電子部品19(この例ではバッテリー)を収容する電子部品収容室21を画成している。この電子部品収容室21はその上部開口部が図2に示すようにカバー23で覆われる。
【0019】
次にカバー23について図3〜図8を参照しつつ説明する。
【0020】
このカバー23は、車両搭載部品19の上方で且つエンジンルーム5の上部開口部を覆うフロントフード15の下方に位置し(図7参照)、カバー本体25と、カバー本体25に形成された開口部26を覆う蓋35と、を備えて構成されている。
【0021】
カバー本体25は、図示せぬネジなどの締結手段によりブラケットを介してまたは介さずに車体に固定されており、当該カバー本体25の開口部26から蓋35を取り外すことで、開口部26を通じて電子部品搭載室21内の車両搭載部品19にアクセスできるようになっている。
【0022】
図4、7に示すように、カバー本体25の各辺の断面形状は、断面略コ字形になっている。つまりカバー本体25の各辺の断面形状は、上壁25aと、上壁25aの外側端から下方に延びる外壁25bと、上壁25aの内側端から下方に延びる内壁25cと、を備えて断面略コ字形に形成されている。この内壁25cには、一対のスリット29、29が所定間隔をあけて複数設けられており、当該一対のスリット29、29間に支持部としての可撓片31が形成されるようになっている。可撓片31の下端部には、開口部26の中央側に向けて湾曲した棚部31bが形成されており、このカバー本体25の可撓片31の棚部31bに、蓋35を載置できるようになっている(図6参照)。つまり、カバー本体25の開口部26に蓋35をはめ込むと、可撓片31の棚部31bに蓋35が支持されることとなる(図6参照)。
【0023】
図4、7に示すように、蓋35は、天板部37と、天板部37の周縁から下方に延在する周壁部39と、周壁部39の下端からL字状に突設した脚部41と、を備えて構成され、この脚部41が前記カバー本体25の棚部31bに支持される(図6参照)。
【0024】
蓋35の脚部41の下端からは、図4に示すように、可撓片43が突設されており、この可撓片43の下端部にカバー本体25側に突出する脱落防止用の爪部45が形成されている。この爪部45は、カバー本体25の内壁25cの下端と係合し(図5参照)、これにより、カバー本体25から蓋35が上方に外れてしまうことを防止している。
【0025】
図4、7に示すように、蓋35からはフロントフード15に向けて上方に突設された当接部47が一体に形成されている。この当接部47は、弾性部材で形成されたシールリップ49を介してフロントフード15の下面に当接している。そのため、カバー本体25の開口部26から蓋35が上方にはずれようとしても、当接部47がフロントフード15の下面につかえることで、蓋35が上方に外れ落ちないようになっている。
【0026】
なお、当接部47の上端に取り付けられた前記シールリップ49は、当接部47の上面とフロントフード15の下面との間を塞ぐことで、エンジンルーム5の熱や臭いがエンジンルーム後端のカウルボックスに流れ込んでしまうことを防止している。
【0027】
この実施形態では、図7→図8に示すように、フロントフード15に障害物Pが乗り上げてフロントフード15が下方に向けて変形することで、蓋35の当接部47に上方から所定値以上の荷重が加わわると、支持部31が弾性変形して被支持部41との係合から離脱して、蓋35がカバー本体25の開口部26内に脱落することとなる。そのため、フロントフード15の下方への撓み量を大きくでき、障害物Pへの衝撃力を和らげることができる。このとき、カバー23(カバー本体25および蓋35)は破壊されるわけではないので、次回の使用時にはカバー本体25に蓋35を組み付け直すだけで良く、メンテナンスコストを低減できる。
【0028】
以下、本実施形態の効果を列挙する。
【0029】
(1)本実施形態によれば、フロントフード15と車両搭載部品19との間に配置されたカバー23は、車体に固定され且つ前記車両搭載部品19に上方からアクセス可能とする開口部26を有するカバー本体25と、前記カバー本体25の開口部26を覆う蓋35と、前記カバー本体25の開口部26の周縁に一体に形成された支持部31と、前記蓋35の周縁に一体に形成され且つ前記カバー本体25の支持部31と係合することで当該支持部31に支持される被支持部41と、前記蓋35から前記フロントフード15に向けて上方に突設され且つ前記フロントフード15の下面に直接または間接的に当接する当接部47と、を備える。そして、前記支持部31および前記被支持部41の少なくとも一方(この例では支持部31)が、前記蓋35の当接部47に上方からの所定値以上の荷重が加わると弾性変形して他方(この例では被支持部41)との係合から離脱することで、前記蓋35が前記カバー本体25の開口部26内に脱落することを許容するものである。
【0030】
そのため、フロントフード15に障害物Pが乗り上げてフロントフード15が下方に向けて変形すると、蓋35がカバー本体25の開口部26内に脱落することとなり、そのため、フロントフード15の下方への撓み量を大きくでき、フロントフード15に乗り上げた障害物Pへの衝撃力を緩和できる。このとき、カバー(カバー本体25および蓋35)は破壊されるわけではないので、次回の使用時にはカバー本体25に蓋35を組み付け直すだけで良く、メンテナンスコストを低減できる効果がある。
【0031】
(2)また本実施形態によれば、前記蓋35の当接部47の上端に取り付けられ且つ前記当接部47の上端と前記フロントフード15下面との間を塞ぐ弾性部材からなるシールリップ49を備える。
【0032】
そのため、フロントフード15に障害物Pが乗り上げて当該フロントフード15が下方に撓んだ際に、フロントフード15がシールリップ49を介して蓋35の当接部47に衝突することで、蓋35の被支持部41とカバー本体25の支持部31との間に急激な衝撃力が加わりにくくなり、蓋35およびカバー本体25の破損が起こりにくくなる。また、シールリップ49は、当接部47の上端とフロントフード15下面との間を塞ぐため、エンジンルーム5の熱や臭いがエンジンルーム後端のカウルボックスに流れ込んでしまうことが防止されることとなる。
【0033】
次にその他の実施形態について説明する。なお、上述の実施形態と同様の構成については同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0034】
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態のカバーを示す。
【0035】
第1実施形態のカバー23では、蓋35の当接部47が一枚構造であったが、第2実施形態のカバー23では、蓋35の当接部47が二重壁構造となっている点で、第1実施形態と異なる。
【0036】
具体的には、第2実施形態では、蓋35の当接部47が、互いに略平行に設けられた内壁47aおよび外壁47bと、これら内壁47aおよび外壁47bの上端同士を連結する上壁47cと、を備えて2重壁構造となっている。内壁47aと外壁47bとの間には、これら内壁および外壁に直交しこれらに連結するリブ47dが間欠的に設けられている。上壁47cには、その上面から上方に向けて突設されたリブ47eが設けられており、当該リブ47eにシールリップ49が取り付けられている。
【0037】
このような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果が得られ、特に当接部47の剛性を高めたいときに有効である。
【0038】
(第3実施形態)
図10は第3実施形態のカバーを示す。
【0039】
第1実施形態のカバー23では、蓋35の当接部47が蓋35の周壁部39の延長線上に形成されていたが、第3実施形態のカバー23では、蓋35の当接部47が蓋35の周壁部39の延長線上から外れている点で第1実施形態と異なっている。
【0040】
具体的には、第3実施形態のカバー23では、蓋35の天板部37が周壁部39よりも外周側に延長成形されており、この天板部37の外縁から当接部47が上方に向けて突設されることで、当該当接部47が周壁部39からオフセットしている。
【0041】
このような第3実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果が得られ、特に当接部47の位置を自由に設定できる利点がある。
【0042】
以上のように、本発明によれば、フロントフード15に障害物Pが乗り上げてフロントフード15が下方に撓んだ際に、所定値以上の荷重が当接部47を介して蓋35に加わると、蓋35がカバー本体25の開口部26内に脱落することとなるため、フロントフード15の下方への撓み量を大きくでき、障害物Pへの衝撃力を和らげることができる。このとき、カバー23(カバー本体25および蓋35)は破壊されるわけではないため、次回の使用時にはカバー本体25に蓋35を組み付け直すだけで良く、メンテナンスコストを低減できることとなる。
【0043】
なお、本発明は、上述の実施形態を用いて本発明を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定解釈されるものではない。
【0044】
例えば、上述の実施形態では、蓋35に荷重が加わった際にカバー本体25の支持部31が弾性変形することで、蓋35の被支持部41との係合から離脱するようになっているが、逆に、蓋35の被支持部41が弾性変形することで、カバー本体25の支持部31との係合から離脱するようになって構成されていてもよい。
【0045】
また、上述の実施形態では、蓋35の脱落防止構造は、蓋35の周壁部39から下方に突設された可撓片43に設けられた爪部45と、カバー本体25の内壁25cの下端と、との係合により構成されているが、例えば図11、12に示す第1変形例のように、蓋35の周壁部39から突設された半球状の突起部53と、カバー本体25の内壁25cにおいて当該突起部53に対向する位置に穿孔された孔部55と、の係合により構成することもできるし、また、図13、14に示す第2変形例のように蓋35の周壁部39内に形成された可撓片51の爪部51aと、カバー本体25の内壁25cの下端と、の係合により構成することもでき、その他の構造により形成されていても良い。
【0046】
また、その他、本発明の技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1実施形態に係るカバーを適用する車体前部の骨格構造を示す図。
【図2】同車体前部のフロントフードを開いた状態を示す図。
【図3】第1実施形態の車体前部構造に用いられるカバーの斜視図。
【図4】同カバーの分解図の部分拡大図。
【図5】図4中のC−C断面でみたカバーの組立状態の部分断面図。
【図6】図4中のD−D断面でみたカバーの組立状態の部分断面図。
【図7】図3中のB−B断面図であって、通常状態を示す図。
【図8】図3中のB−B断面図であって、フロントフードに障害物が乗り上げた状態を示す図。
【図9】第2実施形態のカバーの部分断面図。
【図10】第3実施形態のカバーの部分断面図。
【図11】カバーの脱落防止構造の第1変形例を示す断面図。
【図12】同第1変形例の蓋の爪部を示す斜視図。
【図13】カバーの脱落防止構造の第2変形例を示す断面図。
【図14】同第2変形例の蓋部の爪部を示す斜視図。
【符号の説明】
【0048】
1…車両
5…エンジンルーム(フロントコンパートメント)
15…フロントフード
19…車両搭載部品
21…電子部品収容室
23…カバー
25…カバー本体
26…開口部
31…可撓片(支持部)
35…蓋
41…脚部(被支持部)
47…当接部
47e…リブ
49…シールリップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前部構造であって、
車両のフロントコンパートメントの上部開口を覆うフロントフードと、当該フロントフードの下方に配置された車両搭載部品と、の間に配置され且つ当該車両搭載部品を上方から覆うカバーを備え、
前記カバーは、
前記車両搭載部品に上方からアクセス可能とする開口部を有するカバー本体と、
前記カバー本体の開口部を覆う蓋と、
前記カバー本体の前記開口部の周縁に一体に形成された支持部と、
前記蓋の周縁に一体に形成され且つ前記カバー本体の支持部と係合することで当該支持部に支持される被支持部と、
前記蓋から前記フロントフードに向けて上方に突設され、前記フロントフードの下面に直接または間接的に当接する当接部と、
を備え、
前記支持部および前記被支持部の少なくとも一方が、前記蓋の当接部に上方から所定値以上の荷重が加わると弾性変形して他方との係合から離脱することで、前記蓋が前記カバー本体の開口部内に脱落することを許容することを特徴とする車両前部構造。
【請求項2】
請求項1に記載の車両前部構造であって、
前記蓋の当接部の上端に取り付けられ、前記当接部の上端と前記フロントフード下面との間を塞ぐ弾性部材からなるシールリップを更に備えることを特徴とする車両前部構造。
【請求項3】
車両のフロントコンパートメントの上部開口を覆うフロントフードと、当該フロントフードの下方に配置された車両搭載部品と、の間に配置され且つ当該車両搭載部品を上方から覆うカバーであって、
前記車両搭載部品に上方からアクセス可能とする開口部を有するカバー本体と、
前記カバー本体の開口部を覆う蓋と、
前記カバー本体の前記開口部の周縁に一体に形成された支持部と、
前記蓋の周縁に一体に形成され且つ前記カバー本体の支持部と係合することで当該支持部に支持される被支持部と、
前記蓋から前記フロントフードに向けて上方に突設され、少なくとも前記フロントフードが下方に撓んだときに前記フロントフードからの荷重を受ける当接部と、
を備え、
前記支持部および前記被支持部の少なくとも一方は、前記蓋の当接部に上方からの所定値以上の荷重が加わると弾性変形して他方との係合から離脱することで、前記蓋が前記カバー本体の開口部内に脱落することを許容することを特徴とするカバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−83637(P2009−83637A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−255323(P2007−255323)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000229955)日本プラスト株式会社 (740)
【Fターム(参考)】