説明

車体前部構造

【課題】大幅な構造変更を伴うことなく、車両の前面衝突に対する車体前部のエネルギー吸収性能を向上させることを目的とする。
【解決手段】車両28の前面衝突時にフロントサイドメンバ10から脱落可能に構成されたサスペンションメンバ12と、衝突荷重Fが作用した際にフロントサイドメンバ10を車体上方へ凸に屈曲変形させる延長部14及び突出部16(モーメント付与手段)とを有している。車両28の前面衝突時に車体前方からの衝突荷重Fが作用した際に、延長部14及び突出部16によりフロントサイドメンバ10に対してモーメントMが付与され、該モーメントMによってフロントサイドメンバ10が車体上方に凸に屈曲変形する。またこのとき、サスペンションメンバ12がフロントサイドメンバ10から脱落するため、該フロントサイドメンバ10は、サスペンションメンバ12に妨げられることなく車体上方に凸に屈曲変形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
フロントサイドメンバ(フロントフレーム)の下方に設けたサスペンションクロスメンバを、エンジンルーム内のパワートレインの前方部まで延長し、その延長した先端部をフロントサイドメンバに接続した構造が開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−268881号公報
【特許文献2】特開2005−335442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記した従来例では、車両の前面衝突時に、フロントサイドメンバに加えてサスペンションクロスメンバでも衝突荷重を受けることができるように構成されている。しかしながら、近年エンジンルーム内の搭載部品が大型化する傾向にあり、前面衝突に対する車体前部のエネルギー吸収性能を高めるべく、フロントサイドメンバの変形領域をより一層確保するためには、未だ改善の余地がある。
【0004】
本発明は、上記事実を考慮して、大幅な構造変更を伴うことなく、車両の前面衝突に対する車体前部のエネルギー吸収性能を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、車体前部の左右において夫々車体前後方向に延設されたフロントサイドメンバと、該フロントサイドメンバの下方に連結されると共に、車両の前面衝突時に前記フロントサイドメンバから脱落可能に構成されたサスペンションメンバと、前記フロントサイドメンバに連結され、車体前方からの衝突荷重が作用した際に前記フロントサイドメンバが車体上方へ凸に屈曲変形するように該フロントサイドメンバに対してモーメントを付与するモーメント付与手段と、を有することを特徴としている。
【0006】
請求項1に記載の車体前部構造では、車両の前面衝突時に車体前部に対して車体前方からの衝突荷重が作用した際に、モーメント付与手段によりフロントサイドメンバに対してモーメントが付与され、該モーメントによってフロントサイドメンバが車体上方に凸に屈曲変形する。またこのとき、サスペンションメンバがフロントサイドメンバから脱落するため、フロントサイドメンバは、サスペンションメンバに妨げられることなく車体上方に凸に屈曲変形する。このため、フロントサイドメンバの変形領域をより一層確保することができ、大幅な構造変更を伴うことなく、車両の前面衝突に対する車体前部のエネルギー吸収性能を向上させることができる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の車体前部構造において、前記モーメント付与手段は、前記フロントサイドメンバの前端から車体下方に延設された延長部と、該延長部のうち前記前端よりも車体下方において、車体前方に突出して設けられた突出部と、を有して構成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の車体前部構造では、車両の前面衝突時に、車体前方からの衝突荷重が、フロントサイドメンバの前端と、モーメント付与手段における突出部とに作用する。この突出部は、フロントサイドメンバの前端から車体下方に延設された延長部のうち、フロントサイドメンバの前端よりも車体下方において車体前方に突出して設けられているので、衝突荷重は、フロントサイドメンバの前端よりも比較的早いタイミングで突出部に作用する。衝突荷重が突出部に作用することで、フロントサイドメンバの前端には、該フロントサイドメンバを車体上方へ凸に屈曲変形させるモーメントが生じる。このように、請求項2に記載の車体前部構造では、簡素な構成でフロントサイドメンバの変形を制御して、該フロントサイドメンバの変形領域をより一層確保することができる。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2に記載の車体前部構造において、前記突出部は、前記延長部と別体で構成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の車体前部構造では、突出部が延長部と別体で構成されているので、フロントサイドメンバ等の車体骨格が共通でフロントオーバーハングが異なる複数の車種にも、突出部を変更するだけで対応することが可能である。このため、車体重量及びコストの増加を抑制することができる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3に記載の車体前部構造において、前記突出部の少なくとも下部には、前記延長部と係合可能な係合部が設けられていることを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の車体前部構造では、突出部の少なくとも下部には、フロントサイドメンバの延長部と係合可能な係合部が設けられているので、車体前方からの衝突荷重が突出部に作用した際に、該突出部と延長部との間での相対変位を抑制できる。このため、衝突態様にばらつきがあっても、突出部から延長部へ効率的に荷重を伝達することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載の車体前部構造によれば、大幅な構造変更を伴うことなく、車両の前面衝突に対する車体前部のエネルギー吸収性能を向上させることができる、という優れた効果が得られる。
【0014】
請求項2に記載の車体前部構造によれば、簡素な構成でフロントサイドメンバの変形を制御して、該フロントサイドメンバの変形領域をより一層確保することができる、という優れた効果が得られる。
【0015】
請求項3に記載の車体前部構造によれば、車体重量及びコストの増加を抑制することができる、という優れた効果が得られる。
【0016】
請求項4に記載の車体前部構造によれば、衝突態様にばらつきがあっても、突出部から延長部へ効率的に荷重を伝達することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1において、本実施の形態に係る車体前部構造Sは、フロントサイドメンバ10と、サスペンションメンバ12と、モーメント付与手段の一例たる延長部14及び突出部16とを有している。
【0018】
フロントサイドメンバ10は、車体前部の左右において夫々車体前後方向に延設された車体骨格部材であり、エンジンコンパートメント搭載部品の一例たるトランスミッション18の上部の左右に配置されている。フロントサイドメンバ10の後端には、車体後方に向かうに従って車体下方に延びる傾斜部20が連なっており、該傾斜部20の後端から車体後方に、車体における車室部位の下部左右において夫々車体前後方向に延びるサイドメンバ22が連なっている。
【0019】
サスペンションメンバ12は、フロントサイドメンバ10の下方に連結され、図示しないサスペンション装置が組み付けられる部材である。このサスペンションメンバ12は、例えば車体前方側のマウント部12A及び車体後方側のマウント部12Bにおいて、例えばフロントサイドメンバ10の後部及び傾斜部20の後部に夫々ボルト締結されている。サスペンションメンバ12は、車両の前面衝突時に、マウント部12A,12Bにおいてボルトが破断したり、該マウント部12A,12B自体が破断することにより、フロントサイドメンバ10及び傾斜部20から夫々脱落可能に構成されている。
【0020】
フロントサイドメンバ10の前端10Aから車体前方には、クラッシュボックス24が連結され、該クラッシュボックス24の前端には、バンパリインフォース26が車幅方向に延設されている。ここで、クラッシュボックス24とは、予め脆弱部24Aを設けておくことで、例えば車体前後方向の軸圧縮力に対して潰れ易いようにした部材であって、車体前部構造Sを有する車両28が前面衝突してバンパリインフォース26から衝突荷重が入力された際に、車体前後方向に潰れて、ある程度の衝突エネルギーを吸収できるようになっている。
【0021】
延長部14は、フロントサイドメンバ10の前端10Aから車体下方に延設された車体の骨格部材であり、左右の延長部14は、クロスメンバ30により車幅方向に連結されている。図3に示されるように、クロスメンバ30と延長部14とは、該クロスメンバ30の上壁部30Aに設けられた貫通孔30Bにボルト38(図5)を車体下方から挿通し、延長部14に予め設けられているナット40(図5)に締結することにより連結されている。またクロスメンバ30とサスペンションメンバ12とは、例えばアンダーメンバ32により車体前後方向に連結されている。なお、フロントサイドメンバ10の前端10Aにも、車体前後方向の軸圧縮荷重に対して該前端10Aを潰れ易くするための脆弱部10Bが設けられている。
【0022】
図3,図4に示されるように、延長部14における突出部16の取り付け部位には、例えば階段状に形成された上側前面14A及び下側前面14Bが設けられており、該下側前面14Bは上側前面14Aよりも車体前方へ突出している。
【0023】
図1に示されるように、フロントサイドメンバ10、サスペンションメンバ12及びアンダーメンバ32に囲まれた領域に、トランスミッション18が配設されている。このトランスミッション18からは、例えばドライブシャフト34が車幅方向両側に延び、図示しないハブに夫々連結されている。このハブには、車輪36が取り付けられている。そしてこの車輪36を懸架するサスペンション装置(図示せず)がサスペンションメンバ12に組み付けられている。
【0024】
図1から図5において、突出部16は、延長部14のうちフロントサイドメンバ10の前端10Aよりも車体下方において、車体前方に突出して設けられた部材であって、例えば延長部14と別体で構成されている。この突出部16は、例えば合成樹脂を、車体正面視で略四角形のボックス状に成形したものであって、升目上に配列された多数の肉抜き穴16Aが車体前方側に開口している。突出部16では、この肉抜き穴16Aの周囲の壁部が格子状のリブ16Bとなって車体前後方向に延びている。これにより、突出部16は、軽量でありながら、車体前後方向の軸圧縮荷重に対する強度が高く設定されている。
【0025】
突出部16の少なくとも下部には、延長部14と係合可能な係合部16Cが一体的に設けられており、該係合部16Cは例えば格子状のリブ16Eにより補強されている。図5に示されるように、本実施形態では、例えば突出部16の車幅方向両側の側部にも、延長部14と係合可能な係合部16Dが一体的に設けられており、リブ16Fにより補強されている(図2,図3も参照)。なお、この係合部16Dは、例えば突出部16の車幅方向の一方、例えば車幅方向外側のみに設けるようにしてもよい。
【0026】
図4に示されるように、本実施形態では、係合部16Cは、延長部14の下面14Cに連結されるクロスメンバ30を介して該延長部14に係合可能に構成されている。クロスメンバ30の上壁部30Aの前縁30Cは、例えば延長部14からわずかに車体前方に突出しており、係合部16Cとの係合長がより大きくなるように構成されている。なお、係合部16C,16Dは、図示されるように、通常時はクロスメンバ30の前縁30Cや延長部14と係合していないが、これに限られず、通常時から係合させておいてもよい。また突出部16が、クロスメンバ30を介さずに、延長部14と直接的に係合するように構成してもよい。
【0027】
図4に示されるように、突出部16には、延長部14の上側前面14A及び下側前面14Bに対応して階段状に形成された、上側背面16H及び下側背面16Jが設けられている。このうち上側背面16Hは、延長部14の上側前面14Aに当接又は近接対向するように設定されている。一方下側背面16Jは、上側背面16Hよりも車体前方に位置しており、延長部14の下側前面14Bに近接対向するように設定されている。このように延長部14の前面と突出部16の背面とを、互い違いに組み合わされる階段状に形成することにより、例えば車両28の前面衝突時に、突出部16が延長部14に対して車体下方へ相対変位しようとしても、該突出部16と延長部14とが係合することで、該突出部16の相対変位を抑制できるようになっている。
【0028】
突出部16の上側背面16Hには、延長部14の上側前面14Aの貫通孔14G(図3)に差し込まれる位置決め用のピン部16Gが設けられている。また突出部16の下側背面16Jには、延長部14の下側前面14Bに例えば点状に当接し突出部16の姿勢をより安定させる当接部16Kが形成されている。
【0029】
突出部16は、延長部14と別体で構成されているので、フロントサイドメンバ10等の車体骨格が共通でフロントオーバーハングが異なる複数の車種に、該突出部16を変更するだけで対応することができる。図6に示されるように、例えばフロントオーバーハングが長い車種の場合には、図4に示される突出部16よりも前後長の大きい突出部16を取り付けることで対応することが可能である。図6に示される例では、肉抜き穴16Aからボルト42を差し込み、突出部16の上側背面16H及び延長部14の上側前面14Aに挿通して、該上側前面14Aの裏面に例えば溶接されているナット44に締結することにより、突出部16が延長部14に取り付けられている。図4に示される例でも、同様のボルト締結により突出部16が延長部14に取り付けられている。
【0030】
図7に示されるように、上記した延長部14及び突出部16は、車体前方からの衝突荷重Fが作用した際にフロントサイドメンバ10が車体上方へ凸に屈曲変形するように該フロントサイドメンバ10に対してモーメントM(図7)を付与できるように構成されている。
【0031】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図7において、車体前部構造Sを有する車両28に対して衝突体50が前面衝突すると、該車両28の車体前部に車体前方からの衝突荷重Fが作用する。このとき、衝突荷重Fのうち例えば荷重F1が、クラッシュボックス24に入力される。クラッシュボックス24は、該荷重F1により軸圧縮変形することで、衝突エネルギーを適度に吸収しつつ、該荷重F1をフロントサイドメンバ10に伝達する。本実施形態では、フロントサイドメンバ10の前端10Aも適度に脆弱に構成されているので、該前端10Aが軸圧縮変形することにより、更に衝突エネルギーが吸収される。
【0032】
またこのとき、衝突荷重Fのうち例えば荷重F2が、突出部16を介して延長部14に入力される。この突出部16は、フロントサイドメンバ10の前端10Aから車体下方に延設された延長部14のうち、フロントサイドメンバ10の前端10Aよりも車体下方において車体前方に突出して設けられているので、荷重F2は、フロントサイドメンバ10の前端10Aに作用する荷重F1よりも比較的早いタイミングで突出部16に作用する。また突出部16の下部及び両側部には、フロントサイドメンバ10の延長部14と係合可能な係合部16C,16D(図4,図5を参照)が設けられているので、荷重F2が突出部16に作用した際に、該突出部16と延長部14との間での相対変位を抑制できる。更に延長部14の前面と突出部16の背面とが、互い違いに組み合わされる階段状に形成されているので、突出部16が延長部14に対して車体下方へ相対変位しようとしても、該突出部16と延長部14とが係合することで、該突出部16の相対変位を抑制できる。車体前部構造Sでは、このように延長部14と突出部16との相対変位を抑制することで、衝突態様にばらつきがあっても、突出部16から延長部14へ効率的に荷重を伝達することができる。
【0033】
突出部16から延長部14へ荷重F2が入力されることで、車体上下方向におけるフロントサイドメンバ10の前端10Aと突出部16との距離に荷重F2を乗じたモーメントMが、フロントサイドメンバ10の前端10Aに作用する。このようにしてモーメントMがフロントサイドメンバ10に付与されることにより、フロントサイドメンバ10が車体上方に凸に屈曲変形する。
【0034】
更にこのとき、延長部14に連結されたクロスメンバ30及びアンダーメンバ32を介して、サスペンションメンバ12にも衝突荷重Fの一部が入力される。このサスペンションメンバ12への荷重入力と、フロントサイドメンバ10の車体上方への屈曲変形とにより、マウント部12A,12Bにおける締結ボルトが破断したり、また該マウント部12A,12B自体が破断して、サスペンションメンバ12がフロントサイドメンバ10及び傾斜部20から脱落する。このため、フロントサイドメンバ10は、サスペンションメンバ12に妨げられることなく車体上方に凸に屈曲変形することができる。
【0035】
フロントサイドメンバ10が上記のように変形し、かつサスペンションメンバ12が脱落することで、トランスミッション18が該フロントサイドメンバ10とサスペンションメンバ12との間をすり抜けるように、即ち該サスペンションメンバ12と干渉せずに矢印A方向へ移動することができる。このため、フロントサイドメンバ10の変形領域をより増大させることが可能である。このように、車体前部構造Sでは、大幅な構造変更を伴わない簡素な構成により、フロントサイドメンバ10の変形を制御して、該フロントサイドメンバ10の変形領域をより一層確保することができる。またこれによって、車両28の前面衝突に対する車体前部のエネルギー吸収性能を向上させることができる。
【0036】
更に車体前部構造Sでは、突出部16が延長部14と別体で構成されているので、フロントサイドメンバ10等の車体骨格が共通でフロントオーバーハングが異なる複数の車種にも、突出部16を変更するだけで対応することが可能である。このため、車体重量及びコストの増加を抑制することができる。
【0037】
なお、上記実施形態では、モーメント付与手段の一例として延長部14及び突出部16を挙げたが、請求項1に記載の発明については、モーメント付与手段はこれに限られるものではなく、例えば車体前方への突出部を延長部14に一体的に設けるようにしてもよい。この場合、延長部14はフロントサイドメンバ10と別体に構成してもよい。延長部14を変更することで、フロントオーバーハングが異なる複数の車種に対応できるからである。
【0038】
また突出部16を合成樹脂の成形品としたが、突出部16の材質はこれに限られるものではなく、例えば鋼板をボックス状に加工したものであってもよい。突出部16は、車両28の重量増を抑制する観点から、できるだけ軽量であり、かつ車体前後方向の軸圧縮力に対する十分な強度を有することが望ましい。フロントサイドメンバ10に十分なモーメントMを付与する観点から、突出部16は衝突荷重Fにより軸圧縮変形し難い構造であることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】車体前部構造を示す側面図である。
【図2】延長部、突出部及びクロスメンバを示す拡大斜視図である。
【図3】延長部、突出部及びクロスメンバを示す拡大分解斜視図である。
【図4】車体側面視において、延長部、突出部及びクロスメンバを示す拡大断面図である。
【図5】車体平面視において、延長部、突出部及びクロスメンバを示す拡大断面図である。
【図6】図5において、突出部の変形例を示す拡大断面図である。
【図7】車両が前面衝突した際に、突出部及び延長部によりフロントサイドメンバにモーメントが付与されると共に、サスペンションメンバが脱落し、該フロントサイドメンバが車両上方に凸に屈曲変形した状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0040】
10 フロントサイドメンバ
10A 前端
12 サスペンションメンバ
14 延長部(モーメント付与手段)
16 突出部(モーメント付与手段)
16C 係合部
16D 係合部
28 車両
F 衝突荷重
M モーメント
S 車体前部構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体前部の左右において夫々車体前後方向に延設されたフロントサイドメンバと、
該フロントサイドメンバの下方に連結されると共に、車両の前面衝突時に前記フロントサイドメンバから脱落可能に構成されたサスペンションメンバと、
前記フロントサイドメンバに連結され、車体前方からの衝突荷重が作用した際に前記フロントサイドメンバが車体上方へ凸に屈曲変形するように該フロントサイドメンバに対してモーメントを付与するモーメント付与手段と、
を有することを特徴とする車体前部構造。
【請求項2】
前記モーメント付与手段は、
前記フロントサイドメンバの前端から車体下方に延設された延長部と、
該延長部のうち前記前端よりも車体下方において、車体前方に突出して設けられた突出部と、
を有して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
【請求項3】
前記突出部は、前記延長部と別体で構成されていることを特徴とする請求項2に記載の車体前部構造。
【請求項4】
前記突出部の少なくとも下部には、前記延長部と係合可能な係合部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の車体前部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−273411(P2008−273411A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−120145(P2007−120145)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】