説明

車体前部構造

【課題】フロントサイドフレームに入力される衝突荷重をトンネル部に分散させて効果的に衝撃吸収を図り、フロアパネルの車体前後方向の剛性向上を図り、衝突時のフロアパネルの潰れ変形を防止する車体前部構造を提供する。
【解決手段】エンジンルーム1下方において車体前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム32,32を設け、フロントサイドフレーム32に前部が結合され、かつ、ダッシュパネル3とフロアパネル4との結合部に形成されたトンネル部5,6の車室外側下端角部39に沿って車体後方に延びるセンタ側フレーム部材40を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エンジンルームの下方に車体前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレームを備えたような車体前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンルームの下方に車体前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレームを備えた車体前部構造において、上記左右一対のフロントサイドフレームと、トンネル部の車外側上部とを略直線状に連結するブレースを設けた連結構造がある(特許文献1参照)。
この従来構造によれば、フロントサイドフレームに入力される衝突荷重をトンネル部の上部に伝達して、荷重分散を図ることができる。上述の特許文献1に記載された構造を前部機関後輪駆動車(いわゆるFRタイプの車両)に適用する場合には、特に問題はないが、前部機関前輪駆動車(いわゆるFFタイプの車両)において排気効率を考慮した排気系レイアウトを採用した車両に適用する場合には、次のような問題点があった。
【0003】
すなわち、エンジンルーム内にエンジンを横置き配置し、エンジン後方側に配設した排気ポートから排出される排出ガスを排気管で排出する場合、エンジンの排気効率を考慮して、上記排気管をエンジン上部の排気ポートから車両後方側下方に、所定の傾斜角で略直線状に延びるように形成すると、トンネル部の前部には、排気系に沿って上方に大きく突出して、該排気系の傾斜角に対応するように傾斜した上壁面を備える大きいトンネル部が形成される。
【0004】
このように、トンネル部内に排気系をレイアウトする場合、トンネル開口部が大きくなり、トンネル部の前端上面位置がフロントサイドフレームの主要部の高さ位置よりも高い位置となるので、この構造に対して上記特許文献1の構造を採用すると、上述のブレースはフロントサイドフレームからトンネル部上面の高い位置に接続される一方で、該トンネル部は、車室内において、センタコンソール等の配設の関係上、後方に向けて急傾斜する構造となるので、衝突荷重の伝達効率が悪化するばかりでなく、ブレースと排気系とが干渉する問題点があった。
【特許文献1】特開2004−230984号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、この発明は、フロントサイドフレームに前部が結合され、かつ、ダッシュパネルとフロアパネルとの結合部に形成されたトンネル部の車室外側下端角部に沿って車体後方に延びるセンタ側フレーム部材を備えることで、フロントサイドフレームに入力される衝突荷重をトンネル部に分散させて効果的に衝撃吸収を図ることができると共に、フロアパネルの車体前後方向の剛性向上を図り、衝突時のフロアパネルの潰れ変形を防止することができる車体前部構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明による車体前部構造は、エンジンルーム下方において車体前後方向に延設される左右一対のフロントサイドフレームが設けられた車体前部構造であって、上記フロントサイドフレームに前部が結合され、かつ、ダッシュパネルとフロアパネルとの結合部に形成されたトンネル部の車室外側下端角部に沿って車体後方に延びるセンタ側フレーム部材を備えたものである。
上述のセンタ側フレーム部材は、トンネルパスメンバなどの前側フレーム部と、トンネルサイドメンバなどの後側フレーム部とに前後2分割してもよく、非分割構造のフレーム部材であってもよい。
【0007】
上記構成によれば、センタ側フレーム部材を設け、このセンタ側フレーム部材の前部をフロントサイドフレームに結合すると共に、該センタ側フレーム部材がトンネル部の車室外側下端角部に沿って車体後方に延びるように構成したので、フロントサイドフレームに入力される衝突荷重をセンタ側フレーム部材を介してトンネル部に伝達し、荷重分散させて効果的に衝撃吸収を図ることができる。
また、上述のセンタ側フレーム部材にてフロアパネルの車体前後方向の剛性向上を図り、かつ、衝突時のフロアパネルの潰れ変形を防止することができる。
【0008】
この発明の一実施態様においては、上記センタ側フレーム部材は、フロントサイドフレームに前部が結合され、後部がダッシュパネル下方に結合される前側フレーム部と、該前側フレーム部に結合されフロアパネルのトンネル部の車室外側下端角部に沿って車体後方に延びる後側フレーム部と、から構成されたものである。
上述の前側フレーム部は、丸パイプ製または角パイプ製のトンネルパスメンバで構成してもよく、また、上述の後側フレーム部は、略ハット断面構造のトンネルサイドメンバで構成してもよい。
【0009】
上記構成によれば、センタ側フレーム部材を、前側フレーム部と、後側フレーム部と、に分割したので、車室前部のフレーム部分と、車室部分と、を各ユニットとして構成することができ、生産性(輸送コストを含む)の悪化を防止することができ、非分割構造のセンタ側フレーム部材を用いる構成と比較して、車体への組付け性向上を図ることができる。
【0010】
この発明の一実施態様においては、上記前側フレーム部の前後両部はサスペンションクロスメンバの車体に対する前後の取付け部に結合されたものである。
上記構成によれば、サスペンションクロスメンバの車体に対する取付け部は、衝突荷重を受止めるのに充分な支持強度を有しているので、より一層確実な衝突荷重の分散効果が得られる。
【0011】
この発明の一実施態様においては、上記フロントサイドフレームの後部が、ダッシュパネルの下部から車幅方向外側に傾斜してサイドシルに結合されるように構成されたものである。
上記構成によれば、フロントサイドフレームの後部が、サイドシルインナとサイドシルアウトとから成り、サイドシル閉断面をもった車体剛性部材としてのサイドシルに結合されるので、フロントサイドフレームに入力された衝突荷重をセンタ側フレーム部材を介してトンネル部に伝達するのみならず、上記サイドシルにも荷重伝達することができる。この結果、衝突荷重を効果的に吸収することができ、従来から用いられているフロアパネル下部のフロアフレームなどの他のフレーム部材を省略することができる。
【0012】
この発明の一実施態様においては、上記フロントサイドフレームとフロントピラーとを結合するピラー側フレーム部材を備えたものである。
上記構成によれば、ピラー側フレーム部材で、フロントピラーインナとフロントピラーアウタとからなり閉断面構造の車体剛性部材としてのフロントピラーと、上記フロントサイドフレームとを結合するので、フロントサイドフレームに入力される衝突荷重をセンタ側フレーム部材を介してトンネル部に伝達し、またサイドシルに荷重伝達するのみならず、ピラー側フレーム部材を介して衝突荷重をフロントピラーにも分散させて、効果的な荷重吸収を行なうことができる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、フロントサイドフレームに前部が結合され、かつ、ダッシュパネルとフロアパネルとの結合部に形成されたトンネル部の車室外側下端角部に沿って車体後方に延びるセンタ側フレーム部材を備えたので、フロントサイドフレームに入力される衝突荷重をトンネル部に分散させて効果的に衝撃吸収を図ることができると共に、フロアパネルの車体前後方向の剛性向上を図り、衝突時のフロアパネルの潰れ変形を防止することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
フロントサイドフレームに入力される衝突荷重をトンネル部に分散して衝撃吸収を図り、フロアパネルの剛性向上と、衝突時の潰れ変化防止と、の両立を図るという目的を、エンジンルーム下方において車体前後方向に延設される左右一対のフロントサイドフレームが設けられた車体前部構造において、フロントサイドフレームに前部が結合され、かつ、ダッシュパネルとフロアパネルとの結合部に形成されたトンネル部の車室外側下端角部に沿って車体後方に延びるセンタ側フレーム部材を備えるという構成にて実現した。
【実施例1】
【0015】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車体前部構造を示し、図1に示す概略側面図において、エンジンルーム1と車室2とを前後方向に仕切るダッシュパネルとしてのダッシュロアパネル3を設け、このダッシュロアパネル3の後部には、後方に向けて略水平に延びるフロアパネル4を一体的に連設している。
【0016】
上述のダッシュロアパネル3およびフロアパネル4の車幅方向中央部には、車室2内に突出して、車体前後方向に延びるダッシュロアパネル3のトンネル部5と、フロアパネル4のトンネル部6とを車体前後方向に連続するように一体形成している。
【0017】
一方、エンジンルーム1内には、シリンダブロック7と、シリンダヘッド8と、シリンダヘッドカバー9と、オイルパン10とを備えたエンジン11を横置きに配置し、このエンジン11の一方側には図示しない変速機を配置して、エンジン11と変速機との両者でパワートレイン12を構成して、FF車と成している。
なお、図面ではレシプロエンジンを例示したが、これはロータリエンジンであってもよい。
【0018】
エンジン11の前方には、気筒に吸気を導入する吸気マニホルド13(いわゆるインテーク・マニホルド)を取付け、エンジン11の後方には、気筒の排気を排出する排気マニホルド14(いわゆるエキゾースト・マニホルド)を取付けている。ここで、上述の吸気マニホルド13は気筒列方向に延びるサージタンク15を取囲むように湾曲形成されており、それぞれ所定の吸気通路長さを確保している。
【0019】
一方、排気マニホルド14は、仮想垂直線(VER)に対して所定の角度θ(約15度)だけ後方側に傾斜したエンジン11のシリンダヘッド8における排気ポートから側面視でほぼ直線状に後方側斜め下方に延びるように形成されている。
【0020】
上述の排気マニホルド14の下流側には直キャタリスト16、排気管17、フレキシブルジョイント18、アンダーフットキャタリスト19をこの順に接続して、これらの各要素14,16〜19にて排気系20を構成している。
【0021】
上述の排気マニホルド14の前端部(上流部)から排気管17の中間部までは側面視でほぼ直線状に後方側斜め下方に延びるように形成されているので、上述のダッシュロアパネル3のトンネル部5は、フロアパネル4のトンネル部6の前部位置で、排気マニホルド14、直キャタリスト16、排気管17に沿って上方に大きく突出して、これら各要素14,16,17の傾斜角に対応するように傾斜拡大された上壁面を備えるトンネル拡大部21が形成されており、上述の排気系20の略直線化により、エンジン11の排気効率を高めるように構成している。上述のトンネル拡大部21の前部は後述するフロントサイドフレーム32の主要部よりも高い位置になるように形成されている。
【0022】
ここで、上述の直キャタリスト16、排気管17およびフレキシブルジョイント18の一部は、トンネル拡大部21を含むダッシュロアパネル3のトンネル部5の車外側に配設されており、フレキシブルジョイント18の下流側過半部およびアンダーフットキャタリスト19は、フロアパネル4のトンネル部6の車外側に配設されている。
また、上述のトンネル拡大部21は傾斜角度が大きい前部21aと、傾斜角度が小さい後部21bとを車体前後方向に連続して形成したものである。
【0023】
図2は車体前部構造をエンジンルーム1下方から見上げた状態で示す斜視図、図3は車体前部構造を示す正面図、図4は要部の分解斜視図、図5は組付けた状態で示す斜視図(但し、図4、図5においては車両左側のトンネルパスメンバを省略しているが、本実施例の車体前部構造は、左右略対称に構成される)である。
【0024】
図2、図3に示すように、上述のダッシュロアパネル3は、車体の上下方向に延びる縦壁3aと、この縦壁3aの下部から後方に向けて傾斜状に延びるスラント壁3bと、該スラント壁3bの後端から略水平に延びてフロアパネル4と面一状になる下壁3cとを備えている。
【0025】
また、図2、図3に示すように、フロアパネル4およびダッシュロアパネル3の下部における車幅方向の両サイド部には、サイドシルインナ22と、サイドシルアウタ23とを接合して、車体前後方向に延びるサイドシル閉断面24を備えた左右一対のサイドシル25,25を接合固定している。このサイドシル25は車体前後方向に延びる車体剛性部材であって、必要に応じてサイドシルインナ22とサイドシルアウタ23との間には、サイドシルレインフォースメントが介設される。
【0026】
さらに、図3に示すように、ダッシュロアパネル3の車幅方向側部には、ヒンジピラーインナ26と、ヒンジピラーアウタ27とを接合して、車体上下方向に延びるピラー閉断面を備えた左右一対のヒンジピラー28を接合固定している。このヒンジピラー28はフロントドア(図示せず)を開閉可能に支持する車体剛性部材であって、必要に応じてヒンジピラーインナ26とヒンジピラーアウタ27との間には、ヒンジピラーレインフォースメントが介設される。
【0027】
図3に示すように、上述のヒンジピラー28の上部には、フロントピラーインナ29と、フロントピラーアウタ30とを接合して、斜め上方かつ後方に延びるピラー閉断面を備えた左右一対のフロントピラー31を接合固定している。このフロントピラー31は車体剛性部材であって、必要に応じてフロントピラーインナ29とフロントピラーアウタ30との間には、フロントピラーレインフォースメントが介設される。
【0028】
一方、図2、図3に示すように、エンジンルーム1の下方両サイドにおいて車体前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム32,32を設けている。該フロントサイドフレーム32は図3に示すように、フロントサイドフレームインナ33と、フロントサイドフレームアウタ34とを接合して構成した車体剛性部材であって、上述のフロントサイドフレームインナ33と、フロントサイドフレームアウタ34との間には、閉断面35が形成されている。
【0029】
図2、図3から明らかなように、フロントサイドフレーム32の主要部(車体前後方向に延びる部分)は、トンネル拡大部21の前端の高さ位置に対して、低い位置になるように設定されている。換言すれば、トンネル拡大部21の前端の高さ位置が、フロントサイドフレーム32の主要部の高さ位置に対して、高い位置となるように設定されたものである。
【0030】
図2、図3に示すように、左右一対のフロントサイドフレーム32の後部32Rは、ダッシュロアパネル3の下部からそれぞれ車幅方向外側に滑らかに傾斜して、サイドシル25を構成するサイドシルインナ22の車幅方向の内側面に結合され、フロントサイドフレーム32に入力される衝突荷重を、その後部32Rを介して、サイドシル25に伝達して、荷重分散を図るように構成している。
【0031】
また、同図に示すように、左右一対のフロントサイドフレーム32と、左右一対のフロントピラー31とを結合するピラー側フレーム部材36を設けている。このピラー側フレーム部材36は、フロントサイドフレーム32の中で剛性が高いサスペンションクロスメンバ取付け部位に溶接固定され、かつコ字状断面構造のフレーム部材37と、前部が該フレーム部材37に接合固定され、前後方向の中間部乃至後部がヒンジピラー26内の閉断面を介して、フロントピラー31の閉断面内に配設されて、該後部38aがフロントピラーインナ29またはフロントピラーレインフォースメントに接合固定された丸パイプ38と、を備えている。
【0032】
上述のピラー側フレーム部材36でフロントサイドフレーム32と、フロントピラー31とを連結することにより、フロントサイドフレーム32に入力される衝突荷重を、該ピラー側フレーム部材36を介して、フロントピラー31に伝達して、荷重分散を図るように構成している。ここで、ピラー側フレーム部材36の丸パイプ38とヒンジピラーインナ26との境界部αは、その全周が溶接手段にて接合されるものである。
【0033】
しかも、図2、図3に示すように、フロントサイドフレーム32にその前部が結合され、かつダッシュロアパネル3とフロアパネル4との結合部に形成されたトンネル部5,6の車室外側下端角部39に沿って車体後方に延びるセンタ側フレーム部材40を備えている。
【0034】
このセンタ側フレーム部材40は、フロントサイドフレーム32にその前部が結合され、後部がダッシュロアパネル下方に結合される前側フレーム部としてのトンネルパスメンバ41と、このトンネルパスメンバ41に結合され、かつ、ダッシュロアパネル3のトンネル部5の車室外側下端角部39およびフロアパネル4のトンネル部6の車室外側下端角部39に沿って車体後方に延びる後側フレーム部としてのトンネルサイドメンバ42と、から構成されている。
【0035】
図4、図5を参照して、上述のトンネルパスメンバ41およびトンネルサイドメンバ42の構成について、さらに詳述する。
上述のトンネルサイドメンバ42は略ハット状の断面構造を有し、各トンネル部5,6の車室外側下端角部39に沿って車体前後方向に延びる剛性部材(強度部材)であって、これら両者42,39間には車体前後方向に延びる閉断面43が形成されている。
【0036】
一方、上述のフロントサイドフレーム32のサスペンションクロスメンバ取付け部と、トンネルサイドメンバ42前部のサスペンションクロスメンバ取付け部とには、下方に延びるサスクロス取付けボルト44,45が設けられている。
【0037】
これら前後のサスクロス取付けボルト44,45には、図4に示すサスペンションクロスメンバ46が取付けられる。なお、図4では図示の便宜上、サスペンションクロスメンバ46の右半部のみを示しているが、このサスペンションクロスメンバ46は左右略対称に形成される。
上述のサスペンションクロスメンバ46の前後両位置には取付け孔47,48がそれぞれ形成されている。一方、トンネル部5の開口部が大きいことに起因する該トンネル部5の前後左右方向へのねじりを防止するトランスバースメンバ49を設けている。なお、このトランスバースメンバ49についても図示の便宜上、右半分のみを示しているが、このトランスバースメンバ49も左右略対称に形成されるものである。
【0038】
そして、丸パイプ製のトランスバースメンバ49の端部を偏平に加工して、取付け部49aを形成し、この取付け部49aには車幅方向に離間すべく2つの取付け孔50,51を形成している。また、サスペンションクロスメンバ46の取付け孔48の横方向には、トランスバースメンバ49の取付け孔51と対応すべく取付け孔52を形成している。
【0039】
また、上述のトンネルパスメンバ41は、フロントサイドフレーム32のサスペンションクロスメンバ取付け部からトンネルサイドメンバ42のサスペンションクロスメンバ取付け部に向けて滑らか、かつ曲率形状に湾曲形成されており、該トンネルパスメンバ41の前後両端部を偏平に加工して、取付け部41a,41bを形成し、これらの各取付け部41a,41bにはそれぞれ取付け孔53,54を形成している。
【0040】
組付けに際しては、まず、トランスバースメンバ49をサスペンションクロスメンバ46にサブアセンブリする。すなわち、トランスバースメンバ49の取付け孔50,51を、サスペンションクロスメンバ46の取付け孔48,52に一致させた後に、各取付け孔51,52に挿通するボルト55と、ナット56とを用いて、トランスバースメンバ49をサスペンションクロスメンバ46に組付ける。
【0041】
次に、サスペンションクロスメンバ46を車体に組付けるが、この際、車体とサスペンションクロスメンバ46との間に、トンネルパスメンバ41を介設する。
すなわち、フロントサイドフレーム32のサスクロス取付けボルト44に、トンネルパスメンバ41の取付け孔53と、サスペンションクロスメンバ46の取付け孔47とを装着して、ナット57をサスクロス取付けボルト44に締付けると共に、トンネルサイドメンバ42のサスクロス取付けボルト45に、トンネルパスメンバ41の取付け孔54と、トランスバースメンバ49の取付け孔50と、サスペンションクロスメンバ46の取付け孔48とを装着して、ナット58をサスクロス取付けボルト45に締付ける。
【0042】
この組付け完了時には、フロントサイドフレーム32のサスペンションクロスメンバ取付け部と、トンネルサイドメンバ42のサスペンションクロスメンバ取付け部との間に、トンネルパスメンバ41が張架されると共に、トンネル拡大部21の開口部が大きいトンネル開口部下端相互間には、車幅方向に延びるトランスバースメンバ49が取付けられる。
【0043】
ここで、上述のトランスバースメンバ49はトンネル部5のねじりを防止するもので、該トランスバースメンバ49が回動しないように片側2点(各ボルト45,55参照)で取付けられている。
【0044】
しかも、上述のトンネルパスメンバ41を取付けることにより、フロントサイドフレーム32に入力される衝突荷重を、該トンネルパスメンバ41およびトンネルサイドメンバ42を介して、トンネル部5,6に伝達して、荷重分散を図ることができる。
【0045】
さらに、トンネルパスメンバ41の後側の取付け部41bを1点締結構造と成しているので、衝突後期のフロントサイドフレーム32の車幅方向外側への変形を阻害しない。すなわち、上述のフロントサイドフレーム32は、サイドシル25に結合された後部32Rと、ピラー側フレーム部材36と、センタ側フレーム部材40とで支持されているので、衝突初期においてはフロントサイドフレーム32に入力される衝突荷重を、これら各要素32R,36,40、換言すれば、サイドシル25,フロントピラー31,トンネル部5,6で支持して、フロントサイドフレーム32の軸圧縮を誘発することができ、軸圧縮後の衝突後期においては、フロントサイドフレーム32の車幅方向外側への変形(フロントサイドフレーム32を折ることで、エネルギ吸収を図る)を許容して、衝突性能の向上を図ることができる。
なお、図中、59は制動倍力装置としてのブレーキブースタ、60はステアリングシャフトの貫通孔である。また、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示す。
【0046】
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下作用を説明する。
車両が正面衝突すると、フロントサイドフレーム32に衝突荷重が入力される。フロントサイドフレーム32に入力された衝突荷重は、センタ側フレーム部材40を構成するトンネルパスメンバ41を介して、トンネルサイドメンバ42およびトンネル部5,6伝達されて、荷重分散される。また、トンネルパスメンバ41からトランスバースメンバ49にも荷重伝達、荷重分散される。
【0047】
さらに、フロントサイドフレーム32の後部32Rを、ダッシュロアパネル3の下部から車幅方向外側に傾斜してサイドシル25に結合しているので、衝突荷重は車体剛性部材としてのサイドシル25にも伝達されて、荷重分散される。
加えて、フロントサイドフレーム32とフロントピラー31とを結合するピラー側フレーム部材36を設けているので、衝突荷重は車体剛性部材としてのフロントピラー31にも伝達されて、荷重分散を図ることができる。
【0048】
このように、図1〜図5で示した実施例の車体前部構造は、エンジンルーム1下方において車体前後方向に延設される左右一対のフロントサイドフレーム32,32が設けられた車体前部構造であって、上記フロントサイドフレーム32,32にその前部が結合され、かつ、ダッシュロアパネル3とフロアパネル4との結合部に形成されたトンネル部5,6の車室外側下端角部39に沿って車体後方に延びるセンタ側フレーム部材40を備えたものである(図2参照)。
【0049】
この構成によれば、センタ側フレーム部材40を設け、このセンタ側フレーム部材40の前部をフロントサイドフレーム32に結合すると共に、該センタ側フレーム部材40がトンネル部5,6の車室外側下端角部39に沿って車体後方に延びるように構成したので、フロントサイドフレーム32に入力される衝突荷重をセンタ側フレーム部材40を介してトンネル部5,6に伝達し、荷重分散させて効果的に衝撃吸収を図ることができる。
また、上述のセンタ側フレーム部材40にてフロアパネル4の車体前後方向の剛性向上を図り、かつ、衝突時のフロアパネル4の潰れ変形を防止することができる。
【0050】
さらに、上記センタ側フレーム部材40は、フロントサイドフレーム32に前部が結合され、後部がダッシュロアパネル3下方に結合される前側フレーム部(トンネルパスメンバ41参照)と、該前側フレーム部(トンネルパスメンバ41参照)に結合されフロアパネル4のトンネル部6の車室外側下端角部39に沿って車体後方に延びる後側フレーム部(トンネルサイドメンバ42参照)と、から構成されたものである(図2参照)。
【0051】
この構成によれば、センタ側フレーム部材40を、前側フレーム部(トンネルパスメンバ41参照)と、後側フレーム部(トンネルサイドメンバ42参照)と、に分割したので、車室2前部のフレーム部分と、車室2部分と、を各ユニットとして構成することができ、生産性(輸送コストを含む)の悪化を防止することができ、非分割構造のセンタ側フレーム部材を用いる構成と比較して、車体への組付け性向上を図ることができる。
【0052】
加えて、上記前側フレーム部(トンネルパスメンバ41参照)の前後両部はサスペンションクロスメンバ46の車体に対する前後の取付け部(サスクロス取付けボルト44,45の位置に相当)に結合されたものである(図4参照)。
【0053】
この構成によれば、サスペンションクロスメンバ46の車体に対する取付け部は、衝突荷重を受止めるのに充分な支持強度を有しているので、より一層確実な衝突荷重の分散効果が得られる。
【0054】
また、上記フロントサイドフレーム32の後部32Rが、ダッシュロアパネル3の下部から車幅方向外側に傾斜してサイドシル25に結合されるように構成されたものである(図3参照)。
【0055】
この構成によれば、フロントサイドフレーム32の後部32Rが、サイドシルインナ22とサイドシルアウト23とから成り、サイドシル閉断面24をもった車体剛性部材としてのサイドシル25に結合されるので、フロントサイドフレーム32に入力された衝突荷重をセンタ側フレーム部材40を介してトンネル部5,6に伝達するのみならず、上記サイドシル25にも荷重伝達することができる。この結果、衝突荷重を効果的に吸収することができ、従来から用いられているフロアパネル下部のフロアフレームなどの他のフレーム部材を省略することができる。
【0056】
さらに、上記フロントサイドフレーム32とフロントピラー31とを結合するピラー側フレーム部材36を備えたものである(図3参照)。
この構成によれば、ピラー側フレーム部材36で、フロントピラーインナ29とフロントピラーアウタ30とからなり閉断面構造の車体剛性部材としてのフロントピラー31と、上記フロントサイドフレーム32とを結合するので、フロントサイドフレーム32に入力される衝突荷重をセンタ側フレーム部材40を介してトンネル部5,6に伝達し、またサイドシル25に荷重伝達するのみならず、ピラー側フレーム部材36を介して衝突荷重をフロントピラー31にも分散させて、より一層効果的な荷重吸収を行なうことができる。
【0057】
図6は車体前部構造の他の実施例を示し、図4で示した実施例においては車体に対してサスペンションクロスメンバ46を取付けるように構成したが、図6に示すこの実施例においては車体に対してぺリメータフレーム61を取付けるように構成している。
【0058】
すなわち、フロントサイドフレーム32には、上述のボルト44よりも前方位置において下方に延びるぺリメータフレーム取付け用のボルト62を設け、このボルト62と対応して上記ペリメータフレーム61の前部には取付け孔63を形成し、ペリメータフレーム61の前部を、ボルト62およびナット64を用いて、フロントサイドフレーム32に取付けたものである。なお、その他の取付け構造については図4で示した実施例と同様である。
このように構成すると、衝突荷重がフロントサイドフレーム32からトンネルパスメンバ41に伝達される経路と、ペリメータフレーム61からトンネルパスメンバ41に伝達される経路と、を確保することができる。
【0059】
図6に示すこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については、図1〜図5で示した先の実施例とほぼ同様であるから、図6において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【実施例2】
【0060】
図7〜図10は車体前部構造のさらに他の実施例を示し、図7は車体前部構造を、エンジンルーム下方から見上げた状態で示す斜視図、図8はトンネルパスメンバ41の前側の取付け構造を示す平面図、図9はトンネルパスメンバ41の後側の取付け構造を示す側面図、図10は図9の矢印A方向から見た状態で示す部分底面図である。但し、図7においても車体前部構造の特にトンネルパスメンバ41およびトンネルサイドメンバ42については、図示の便宜上、車両右側の構成についてのみ示しているが、これらは左右略対称に構成される。
【0061】
まず、図9を参照して、トンネルサイドメンバ42の前部の構造について述べると、該トンネルサイドメンバ42の前部には、ダッシュロアパネル3の下面に接合される取付けフランジ部42aと、該取付けフランジ部42aから下方に延びる縦壁42bと、この縦壁42bの下端から後方に延びる取付け座42cと、この取付け座42cの後端から下方に延びる連接片42dとを備えており、取付け座42cの上面にはナット65を溶接固定している。
【0062】
図8に示すように、トンネルパスメンバ41の前部には、丸パイプ製の該トンネルパスメンバ41を偏平に加工して、取付け部41aを形成し、この取付け部41aを、ボルト66およびナット67を用いて、フロントサイドフレーム32の車幅方向内側の面に結合固定している。
【0063】
図8に示すように、上述のボルト66はサスクロス取付けボルト44に所定のクリアランス(約5mm程度)を介してその車両後方側に位置し、車両の正面衝突時にサスクロス取付けボルト44がクリアランスに相当する距離だけ後退した時、両ボルト44,67が係合するように構成している。
【0064】
図7に示すように、トンネルパスメンバ41の中間部は、ステアリングシャフトの貫通孔60から下方に延びるステアリンフシャフト(図示せず)を車幅方向内方に迂回するように湾曲形成されると共に、該トンネルパスメンバ41の後部は図9に示すように、トンネルサイドメンバ42の取付け座42cに結合されている。
【0065】
すなわち、このトンネルパスメンバ41の後端部には、偏平な取付け部を形成することなく、丸パイプ形状をそのまま残しており、このトンネルパスメンバ41の後端部を、段付き形状のボルト68とナット65とを用いて、上述の取付け座42cに結合固定している。このように、トンネルパスメンバ41の後端部については、丸パイプ形状をそのまま残すことで、衝撃荷重入力時に不要な折曲りが生ずるのを防止すると共に、衝撃荷重をトンネルサイドメンバ42の連接片42dに伝達する面積が大となるので、偏平な取付け部を設ける構造に対して、荷重伝達性能の向上を図ることができる。
【0066】
一方、図8に示すトンネルパスメンバ41の前部において、取付け部41aの後端側41cは、衝突荷重入力に対して反力(折れ曲がろうとする力に対して、これを阻止しようとする力)が生じるので、折れ曲がりにくい構造になっており、衝突荷重を該トンネルパスメンバ41それ自体を介して、その後端側へ伝達することができる。
【0067】
また、図7に示すように、上述のトンネルサイドメンバ42における取付けフランジ部42aの前端位置は、ステアリングシャフトブーツ69に近接し、かつ干渉しない位置に設定されている。
【0068】
さらに、図10にトンネルパスメンバ41の後部形状を底面図で示すように、該メンバ41後端の車外側コーナ部をアール形状に丸めており、衝突後期におけるフロントサイドフレーム32の車幅方向外側への変形を許容すべく構成している。
加えて、図9に示すように、トンネルパスメンバ41を1点固定するボルト68の後方には、強固なサスクロス締結部が存在するので、充分な支持強度を確保することができる。
【0069】
このように、図7〜図10に示すこの実施例においても、エンジンルーム1下方において車体前後方向に延設される左右一対のフロントサイドフレーム32,32が設けられた車体前部構造であって、上記フロントサイドフレーム32に前部が結合され、かつ、ダッシュロアパネル3とフロアパネル4(前図参照)との結合部に形成されたトンネル部5,6の車室2外側下端角部39に沿って車体後方に延びるセンタ側フレーム部材40を備えたものである(図7参照)。
【0070】
この構成によれば、センタ側フレーム部材40を設け、このセンタ側フレーム部材40の前部をフロントサイドフレーム32に結合すると共に、該センタ側フレーム部材40がトンネル部5,6の車室外側下端角部39に沿って車体後方に延びるように構成したので、フロントサイドフレーム32に入力される衝突荷重をセンタ側フレーム部材40を介してトンネル部5,6に伝達し、荷重分散させて効果的に衝撃吸収を図ることができる。
また、上述のセンタ側フレーム部材40にてフロアパネル4の車体前後方向の剛性向上を図り、かつ、衝突時のフロアパネル4の潰れ変形を防止することができる。
【0071】
さらに、上記センタ側フレーム部材40は、フロントサイドフレーム32にその前部が結合され、後部がダッシュロアパネル3下方に結合される前側フレーム部(トンネルパスメンバ41参照)と、該前側フレーム部(トンネルパスメンバ41)に結合されフロアパネル4のトンネル部6の車室外側下端角部39に沿って車体後方に延びる後側フレーム部(トンネルサイドメンバ42参照)と、から構成されたものである。
【0072】
この構成によれば、センタ側フレーム部材40を、前側フレーム部(トンネルパスメンバ41)と、後側フレーム部(トンネルサイドメンバ42)と、に分割したので、車室前部のフレーム部と、車室部分と、を各ユニットとして構成することができ、生産性(輸送コストを含む)の悪化を防止することができ、非分割構造のセンタ側フレーム部材を用いる構成と比較して、車体への組付け性向上を図ることができる。
【0073】
しかも、この実施例においては、トンネルパスメンバ41の中間が、ステアリングシャフトを車幅方向内方に迂回するように湾曲形成したので、トンネルパスメンバ41と、ステアリングシャフトと、スタビライザ(ねじり剛性の抵抗により片輪のみのバンプ・リバウンド時にロール角を抑制する部材)と、のレイアウト成立性の容易化を図ることができる。
【0074】
なお、図7〜図10で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については先の実施例とほぼ同様であるから、図7〜図10において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略するが、図中、矢印INは車両内方を示し、矢印OUTは車両外方を示すものである。
【実施例3】
【0075】
図11は車体前部構造のさらに他の実施例を示すものである。この実施例3においては実施例2(図7参照)の丸パイプ製のトンネルパスメンバ41を、角パイプ製のトンネルパスメンバ41に変更したものである。但し、トンネルパスメンバ41の前部は角パイプ形状のまま残して、ボルト66を用いて、該トンネルパスメンバ41の前部を、フロントサイドフレーム32におけるサスクロス取付けボルト44の後部に対応する車幅方向内側の面に結合固定してものである。
このように構成すると、図7で示した実施例2と比較して、トンネルパスメンバ41の前部に偏平な取付け部を形成しない分、その加工工数の低減を図ることができる。
【0076】
なお、図11で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については実施例2と同様であるから、図11において前図(特に、図7)と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【実施例4】
【0077】
図12は車体前部構造のさらに他の実施例を示すものである、上述の各実施例1〜3においては、センタ側フレーム部材40を、前側フレーム部(トンネルパスメンバ41参照)と、後側フレーム部(トンネルサイドメンバ42参照)と、に前後2分割したが、図12に示すこの実施例では、前側フレーム部40Fと後側フレーム部40Rとを一体形成したセンタ側フレーム部材40を設け、このセンタ側フレーム部材40の前部をフロントサイドフレーム32のサスペンションクロスメンバ46(前図参照)取付け部に結合固定し、その後部をトンネル部5,6の車室外側下端角部39に沿って車体後方に延びるように構成したものである。
【0078】
このように構成すると、部品点数の削減を図ることができる。
なお、図12で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については先の各実施例と略同様であるから、図12において前図(特に、図5)と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0079】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のダッシュパネルは、実施例のダッシュロアパネル3に対応し、
以下同様に、
前側フレーム部は、実施例1〜3のトンネルパスメンバ41、実施例4の前側フレーム部40Fに対応し、
後側フレーム部は、実施例1〜3のトンネルサイドメンバ42、実施例4の後側フレーム部40Rに対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の車体前部構造を概略的に示す側面図
【図2】車体前部構造をエンジンルーム下方から見上げた状態で示す斜視図
【図3】車体前部構造を示す正面図
【図4】車体前部構造を示す分解斜視図
【図5】図4のトランスパスメンバを車体に組付けた状態で示す斜視図
【図6】サスペンションクロスメンバに代えてペリメータフレームを用いる際の分解斜視図
【図7】車体前部構造の他の実施例をエンジンルーム下方から見上げた状態で示す斜視図
【図8】トランスパスメンバ前部の結合構造を示す平面図
【図9】トランスパスメンバ後部の結合構造を示す側面図
【図10】図9の矢印A方向から見た状態で示す部分底面図
【図11】車体前部構造のさらに他の実施例をエンジンルーム下方から見上げた状態で示す斜視図
【図12】車体前部構造のさらに他の実施例を示す斜視図
【符号の説明】
【0081】
1…エンジンルーム
3…ダッシュロアパネル(ダッシュパネル)
4…フロアパネル
5,6…トンネル部
25…サイドシル
31…フロントピラー
32…フロントサイドフレーム
36…ピラー側フレーム部材
39…車室外側下端角部
40…センタ側フレーム部材
40F…前側フレーム部
40R…後側フレーム部
41…トンネルパスメンバ(前側フレーム部)
42…トンネルサイドメンバ(後側フレーム部)
46…サスペンションクロスメンバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンルーム下方において車体前後方向に延設される左右一対のフロントサイドフレームが設けられた車体前部構造であって、
上記フロントサイドフレームに前部が結合され、かつ、ダッシュパネルとフロアパネルとの結合部に形成されたトンネル部の車室外側下端角部に沿って車体後方に延びるセンタ側フレーム部材を備えた
車体前部構造。
【請求項2】
上記センタ側フレーム部材は、フロントサイドフレームに前部が結合され、後部がダッシュパネル下方に結合される前側フレーム部と、
該前側フレーム部に結合されフロアパネルのトンネル部の車室外側下端角部に沿って車体後方に延びる後側フレーム部と、から構成された
請求項1記載の車体前部構造。
【請求項3】
上記前側フレーム部の前後両部はサスペンションクロスメンバの車体に対する前後の取付け部に結合された
請求項2記載の車体前部構造。
【請求項4】
上記フロントサイドフレームの後部が、ダッシュパネルの下部から車幅方向外側に傾斜してサイドシルに結合されるように構成された
請求項1〜3の何れか1に記載の車体前部構造。
【請求項5】
上記フロントサイドフレームとフロントピラーとを結合するピラー側フレーム部材を備えた
請求項4記載の車体前部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−202615(P2009−202615A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−43832(P2008−43832)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】