説明

車体前部構造

【課題】小さな部材を用いた簡単な改良を施すだけで、車両が衝突した際の修理費用を低く抑えることができ、その改良コストを低く抑えることができるとともに、改良による車両の重量の増大を抑制できる車体前部構造を提供する。
【解決手段】フェンダーパネル4の車両前方側Frにヘッドランプ3を配置し、ヘッドランプ3の前面21を車両前方側Frほど車幅方向内側D1に位置する傾斜面に形成し、フェンダーパネル4を、上下両端部間が車幅方向外側D2に膨出した外膨らみ状に形成し、ヘッドランプ3の車幅方向外側D2の後面部に被受け止め部45を設けるとともに、ヘッドランプ3が車両後方側に移動したときに、被受け止め部45を車両後方側から受け止めて、ヘッドランプ3の車両後方側への移動を阻止する受け止め部材20をフェンダーパネル4の膨出空間27内に配設してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
フェンダーパネルの車両前方側にヘッドランプを配置し、前記ヘッドランプの前面を車両前方側ほど車幅方向内側に位置する傾斜面に形成してある車体前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の車体前部構造を備えた車両が軽微な衝突をした場合、ヘッドランプが後退してフェンダーパネルを車両後方側に押圧し、フェンダーパネルの後端縁がその後方のフロントドアの前端縁を車両後方側に押圧したり、フロントドアの前端縁の車幅方向内側に入り込んだりして、フロントドアの修理が必要になっていた。その結果、修理費用が高くなるという問題があった。
この問題を解消する手段として、従来、フェンダーパネルの車両後方側の端部をリーンフォースを介してフロントピラー等の車体に強く固定することで、フェンダーパネルの後端部の後退を防止するという手段があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、近年の車両では、フェンダーパネルを車幅方向外側に膨出した外膨らみ状に形成してあり、フロントピラーからフェンダーパネルのパネル面が車幅方向外側に離れていることから、上記従来の手段によれば、補強用のリーンフォースが大型化していた。その結果、リーンフォースに要するコストが増大するだけでなく、車両の重量が増大するという新たな問題が生じていた。また、リーンフォースをフロントドア側からフロントピラーやフェンダーパネルに連結しなければならず、作業空間が狭くて組付け作業に手間がかかっていた。
本発明は上記実状に鑑みて成されたもので、その目的は、小さな部材を用いた簡単な改良を施すだけで、車両が衝突した際の修理費用を低く抑えることができ、その改良コストを低く抑えることができるとともに、改良による車両の重量の増大を抑制できる車体前部構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の特徴は、
フェンダーパネルの車両前方側にヘッドランプを配置し、前記ヘッドランプの前面を車両前方側ほど車幅方向内側に位置する傾斜面に形成してある車体前部構造であって、
前記フェンダーパネルを、上下両端部間が車幅方向外側に膨出した外膨らみ状に形成し、前記ヘッドランプの車幅方向外側の後面部に被受け止め部を設けるとともに、前記ヘッドランプが車両後方側に移動したときに、前記ヘッドランプの被受け止め部を車両後方側から受け止めて、前記ヘッドランプの車両後方側への移動を阻止する受け止め部材を前記フェンダーパネルの膨出空間内に配設してある点にある。(請求項1)
【0005】
この構成によれば、車両が他物に衝突してヘッドランプが車両後方側に移動すると、ヘッドランプの被受け止め部を受け止め部材が車両後方側から受け止めて、ヘッドランプの車両後方側への移動を阻止する。
また、ヘッドランプの前面を車両前方側ほど車幅方向内側に位置する傾斜面に形成し、前記被受け止め部をヘッドランプの車幅方向外側の後面部に設け、この被受け止め部を受け止める受け止め部材を、フェンダーパネルの膨出空間内に配設してあるから、他の部品との干渉問題が発生せず配置が容易となるとともに、フェンダーパネルの変形を減少させることができる。さらに、車両の前方側からヘッドランプに作用する衝突力を車幅方向内側に作用させることができ、ヘッドランプの被受け止め部をよりヘッドランプの車幅方向外側に配置することができるので、受け止め部材がヘッドランプの後方移動を受け止めたときに、ヘッドランプが被受け止め部を中心として車幅方向内側に回転しやすくなる。これにより、ヘッドランプの周りの部材を変形しやすくすることができて、衝突力を吸収することができるとともに、車両後方側に向かう衝突力を小さくすることができる。
従って、ヘッドランプがフェンダーパネルを車両後方側に移動させにくくなり、フェンダーパネルの後端縁がその後方のフロントドアの前端縁を車両後方側に押圧したりフロントドアの前端縁の車幅方向内側に入り込んだりする不具合を防止することができて、車両の軽微な衝突の際にフロントドアを修理しなくても済む。
このような効果を得る手段として、ヘッドランプに前記被受け止め部を設け、フェンダーパネルの前記膨出空間内に受け止め部材を配設するだけでよく、これらの部材を小型の部材で構成することができて、改造構造を簡素化することができる。
そして、フェンダーパネルを車体に組付ける前に受け止め部材を車体に組付けておくことができ、フェンダーパネルの組付け後に組付け作業を行う場合に比べると、広い作業空間内で作業を行うことができて、作業を簡単化することができる。
前記被受け止め部はヘッドランプに設けられていることから、被受け止め部の専用の組付け工程は不要となって、専用の組付け作業が不要になる。
また、受け止め部材をフェンダーパネルの膨出空間内に配設してあるから、受け止め部材の収容空間を確保しやすくて、他の部材の配置を変更させなくても済む。(請求項1)
【0006】
本発明において、
前記受け止め部材を、車両前後方向に沿うエプロンサイドアッパメンバに車両後方側から支持させてあると、次の作用を奏することができる。(請求項2)
【0007】
エプロンサイドアッパメンバは剛性のある部品であり、この部品で受け止め部材を車両後方側から支持することで、車両後方側に向かう衝突力を受けた受け止め部材を車両後方側に、より移動させにくくすることができる。従って、ヘッドランプの車両後方側への移動をより阻止しやすくすることができる。(請求項2)
【0008】
本発明において、
前記エプロンサイドアッパメンバの車両前方側の端部と、前記エプロンサイドアッパメンバよりも車両前方側で車幅方向に沿うフードロックメンバの左右一端部との間にランプサポートメンバを介在させ、
前記ランプサポートメンバの車両後方側の端部に前記受け止め部材を固着してあると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
【0009】
受け止め部材をエプロンサイドアッパメンバで安定支持することができ、請求項2の構成による効果を得やすくすることができる。また、ランプサポートメンバを車体に組付ける前に、このランプサポートメンバに受け止め部材を組付けておくことで、その組付け作業を広い作業空間で行なうことができて、受け止め部材の組付け作業をより簡単化することができる。(請求項3)
【0010】
本発明において、
前記受け止め部材が前記ランプサポートメンバの車両後方側の端部から車幅方向外側に張り出すように、前記受け止め部材の車幅方向内側の端部を前記ランプサポートメンバの車両後方側の端部に溶接固着してあると、受け止め部材の車両前方側にヘッドランプ側の被受け止め部を配置するための空間を確保しやすくすることができる。その結果、受け止め部材を設けたことによる他の部材の配置の変更を不要にしやすくすることができる。(請求項4)
【0011】
本発明において、
前記ランプサポートメンバの車両前方側の端部から下方に延びるランプサポートブレースに、前記ヘッドランプの車幅方向内側に設けた第1取付け部を取付け、
前記エプロンサイドアッパメンバに取付けられて前記フェンダーパネルが固定されるフェンダブラケットに、前記ヘッドランプの車幅方向外側の上端部に設けた第2取付け部を取付け、
前記フェンダーパネルに取付けられてフロントバンパを係止させるバンパホルダに、前記ヘッドランプの車幅方向外側の下端部に設けた第3取付け部を取付けてあると、ヘッドランプを安定支持することができる。(請求項5)
【0012】
本発明において、
前記ヘッドランプの被受け止め部を受け止める前記受け止め部材の受け部の車幅方向外側の端部から車両前方側に突出するフランジを設けてあると、ヘッドランプの被受け止め部が車幅方向外側に向かうことを阻止することができる。
これにより、受け止め部材がヘッドランプの被受け止め部を介して車両前方側からの衝突力を受けたときに、ヘッドランプが被受け止め部を中心として、車幅方向内側に回転しやすくなって、上記請求項1の効果をより得やすくすることができる。(請求項6)
【0013】
本発明において、
前記ヘッドランプの被受け止め部を受け止める前記受け止め部材の受け部の受け面を、車幅方向外側ほど車両前方側に位置する傾斜面に構成してあると、ヘッドランプの被受け止め部が車幅方向外側に向かうことをより確実に阻止することができる。
これにより、受け止め部材が車両前方側からの衝突力を受けたときに、ヘッドランプが被受け止め部を中心として、車幅方向内側に回転しやすくなって、上記請求項1の効果をより得やすくすることができる。(請求項7)
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、
小さな部材を用いた簡単な改良を施すだけで、車両が衝突した際の修理費用を低く抑えることができ、その改良コストを低く抑えることができるとともに、改良による車両の重量の増大を抑制できる車体前部構造を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3に自動車の車体前部構造を示してある。図7,図8にも示すように、車幅方向Dに沿うラジエータサポートロアメンバ22と、その上方の車幅方向Dに沿うフードロックメンバ23との左右中央部同士の間に、上下方向に沿うフードロックブレース24を架け渡し、ラジエータサポートロアメンバ22とフードロックメンバ23との左右の端部同士の間に、上下方向に沿うランプサポートブレース25を架け渡してある。
【0016】
また、フロントドア2の車両前方側Frに位置するフェンダーパネル4の車幅方向内側D1で車両前後方向に沿うエプロンサイドアッパメンバ6の車両前方側Frの端部と、フードロックメンバ23の左右の端部との間に、車両後方側ほど車幅方向外側D2に位置するランプサポートメンバ5を介在させてある。エプロンサイドアッパメンバ6は、その下方に配置されるエプロンサイドメンバ1とともに、衝突時の車両前方側Frからの衝撃荷重をフロントピラー26等の車体構造部材に伝える働きをする。
【0017】
図2,図4,図5に示すように、フェンダーパネル4の車両前方側Frにヘッドランプ3を配置してある。このヘッドランプ3は、車両前方側Frが開放したランプハウジング10と、ランプ(図示せず)と、ランプハウジング10の開口を覆うレンズ9とを備えている。左右一対のヘッドランプ3と両ヘッドランプ3間の構造は左右対称であり、本実施形態ではヘッドランプ3等については、右側のヘッドランプ3とその周りの構造について説明する。
【0018】
図5に示すように、ランプサポートメンバ5の車両前方側Frの端部から下方に延びる前記ランプサポートブレース25に、ランプハウジング10の後面部の車幅方向内側D1の下部に設けた第1取付けブラケット11(第1取付け部に相当)を、前記第1取付けブラケット11及びランプサポートブレース25の各スクリュー孔11S,25Sに挿入したスクリューSで車両前方側Frから取付け、第1取付けブラケット11に設けたボスをランプサポートブレース25の係合孔25Hに車両前方側Frから係合させてある。
【0019】
さらに、前記エプロンサイドアッパメンバ6に取付けられてフェンダーパネル4が固定される断面L字形のフェンダブラケット14に、ランプハウジング10の後面部の車幅方向外側D2の上端部に設けた第2取付けブラケット12(第2取付け部に相当)を、前記第2取付けブラケット12及びフェンダブラケット14の各スクリュー孔12S,14Sの挿入したスクリューSで上方から取付け、第2取付けブラケット12の後端部に設けたボスをフェンダブラケット14の係合孔14Hに上方から係合させてある。
【0020】
また、図6に示すように、フェンダーパネル4に取付けられてフロントバンパを係止させるバンパホルダ15に、ランプハウジングの後面部の車幅方向外側D2の下端部に設けた第3取付けブラケット13(第3取付け部に相当)を、前記第3取付けブラケット13及びバンパホルダ15のスクリュー孔13S,15Sに挿入したスクリューSで車幅方向外側から取付け、第3取付けブラケット13に設けたボスをバンパホルダ15の係合部15Hに車幅方向内側D1から係合させてある。ランプハウジングの裏面部の後面部には後述の縦に長い被受け止め部45を膨出形成してある。
【0021】
そして、車体の右側前部を上方から見た図4に示すように、ヘッドランプ3の前面21を車両前方側Frほど車幅方向内側D1に位置する傾斜突曲面に形成するとともに、図2,図4に示すように、ヘッドランプ3の前面21の後端縁21Bをフェンダーパネル4の前端縁4Aに近接させて間隔(一例として1.5mm)を空けて対向させてある。このようにヘッドランプ3を車体の側面に回り込ませてある。
【0022】
車体の右側前部を車両前方側Frから見た図3に示すように、前記フェンダーパネル4を、上下両端部間が車幅方向外側D2に膨出した外膨らみ状に形成してある。また、図4,図6に示すように、ランプハウジング10の車幅方向外側D2の後面部に被受け止め部45を設けるとともに、車両の衝突でヘッドランプ3が車両後方側に移動したときに、ランプハウジング10の被受け止め部45を車両後方側から受け止めて、ヘッドランプ3の車両後方側への移動を阻止する受け止め部材20をフェンダーパネル4の膨出空間27内に配設してある。
【0023】
この受け止め部材20は、ランプサポートメンバ5の車両後方側の端部に溶接固着されており、図4,図8に示すように、車両前後方向に沿うエプロンサイドアッパメンバ6に車両後方側から支持されている。詳しくは、受け止め部材20がランプサポートメンバ5の車両後方側の端部から車幅方向外側D2に張り出すように、受け止め部材20の車幅方向内側D1の端部をランプサポートメンバ5の車両後方側の端部に溶接固着してある。
【0024】
前記受け止め部材20は、車両前方側Frから見て、前記スクリューSが挿通される第2取付けブラケット12のスクリュー孔12Sの中心と、前記スクリューSが挿通される第3取付けブラケット13のスクリュー孔13Sの中心とを結ぶ仮想線よりも車幅方向外側D2に位置している。
【0025】
前記受け止め部材20は一枚の金属板をプレス加工して形成されており、図9,図10に示すように、平面視で車両後方側に窄まる台形状の上壁30を備えている。この上壁30の車幅方向内側D1の第1上壁部31がランプサポートメンバ5の車両後方側の上壁部分に上方から重ね合わせられて溶接固着され、第1上壁部31に連なる第2上壁部32がランプサポートメンバ5から車幅方向外側D2に張り出している。
【0026】
前記上壁30からは縦壁40が下方に延び、上壁30のうちの車幅方向内側D1の第1上壁部31から下方に延びる前記縦壁40の第1縦壁部41は、ランプサポートメンバ5の側壁18の車両後方側の端部に対応して、車両後方側ほど車幅方向外側D2に位置するように傾斜している。そして、第1縦壁部41を車両前方側Frからランプサポートメンバ5の側壁18の後端部に重ね合わせて溶接固着してある。
【0027】
前記第2上壁部32から下方に延びる前記縦壁40の第2縦壁部42は、ヘッドランプ3の被受け止め部45を受け止める受け部に相当し、被受け止め部45に対する第2縦壁部42の受け面42Mを、車幅方向外側D2ほど車両前方側Frに位置する傾斜面に構成してある(図9参照)。
【0028】
そして、第2縦壁部42の車幅方向外側の端部に、この端部から車両前方側Frに突出するフランジ35を設けてある。第2縦壁部42の下端部からは、第1折曲片51が車両後方側に延び、前記フランジ35の下端部からは、第1折曲片51に連なる第2折曲片52が車幅方向外側D2に延びている。第1折曲片51と第2折曲片52はいずれも縦壁40を補強するために設けられている。第1折曲片51の車両前後方向の長さと第2折曲片52の車幅方向の長さは同一で、これらの長さは、フランジ35の縦壁40からの突出長さに比べて短くなっている。
【0029】
図6に示すように、ランプハウジング10の裏面部に設けた前記被受け止め部45は、断面長方形状の縦長に形成され、その上下方向の長さは、受け止め部材20の縦壁40よりも長くなっている。そして、被受け止め部45の上端部が受け止め部材20の上端部よりも上方に位置するとともに、被受け止め部45の下端部が受け止め部材20の下端部よりも下方に位置する状態で、被受け止め部45の後端面が縦壁40の第2縦壁部42に間隔(一例として5mm)を空けて対向している。
【0030】
ヘッドランプ3の前面21の後端縁21Bと、フェンダーパネル4の前端縁4Aとの間隔(対向隙間)は前述のように1.5mmであり、ランプハウジング10の裏面部の被受け止め部45と受け止め部材20の縦壁40の第2縦壁部42との間隔(対向隙間)を、前記1.5mmよりも長い5mmにして、ヘッドランプ3の組付け時に受け止め部材20や被受け止め部45が組付け作業の邪魔にならないようにしてある。
【0031】
上記の構造により、
(1) 自動車が軽微な衝突をすると、衝突物に押圧されて車体前部が変形し始める。
(2) そして衝突物がヘッドランプ3に当接すると、ヘッドランプ3が衝突物に車両後方側に押圧されて、ヘッドランプ3の前端縁(ヘッドランプ3の車幅方向内側D1の端部)が車両後方側に押圧され、ランプハウジング10に一体成形された取付けブラケットやランプサポートメンバ5の変形によってヘッドランプ3が車両後方側に移動する。
(3) 次に、ランプハウジング10の裏面部の被受け止め部45が受け止め部材20の縦壁40の第2縦壁部42に当接してランプハウジング10の後退が阻止される。これにより、フェンダーパネル4の後退を阻止する。ヘッドランプ3はフェンダーパネル4をそれ以上車両後方側に向けて押圧することができず、フェンダーパネル4の後退が阻止される。
(4) さらに、ヘッドランプ3が車両後方側に押圧されると、ヘッドランプ3が、受け止め部材20に当接したヘッドランプ3の被受け止め部45を中心として回転し、ヘッドランプ3よりも車両前方側Frの車体部分の変形を妨げない。従って、衝突の衝撃力が吸収される。
【0032】
[別実施形態]
(1) 上記の実施形態では前記受け止め部材20をランプサポートメンバ5の車両後方側の端部に設けたが、これに換えて前記受け止め部材20を別の部材に設けてあってもよい。別の部材としては、例えば前記エプロンサイドアッパメンバ6を挙げることができる。
(2) 上記の実施形態で挙げた数値は一例であり、別の数値を採用することもできる。
(3) ランプハウジング10の後面部に設けた前記被受け止め部45は、断面長方形状の縦長に形成されているが、第2縦壁部42の受け面42Mよりも上下に長く形成するとともにその上下方向の端部に、第2上壁部32および第1折曲片51または第2折曲片52に当接するフランジや突起を設けても良い。ランプハウジング10の後面部の被受け止め部45と受け止め部材20の係合がより確実となるとともに、上下への移動をも規制抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】車体前部構造の斜視図
【図2】車体前部構造の側面図
【図3】車体前部構造の正面図(車両前方側から見た図)
【図4】車体前部構造の一部切欠き平面図
【図5】車体前部構造の分解斜視図(1)
【図6】車体前部構造の分解斜視図(2)
【図7】フードロックメンバ等の正面図
【図8】フードロックメンバ等の平面図
【図9】受け止め部材の平面図
【図10】受け止め部材の斜視図
【符号の説明】
【0034】
3 ヘッドランプ
4 フェンダーパネル
4A フェンダーパネルの前端縁
5 ランプサポートメンバ
6 エプロンサイドアッパメンバ
11 第1取付け部(第1取付けブラケット)
12 第2取付け部(第2取付けブラケット)
13 第3取付け部(第3取付けブラケット)
14 フェンダブラケット
15 バンパホルダ
20 受け止め部材
21 ヘッドランプの前面
21B ヘッドランプの前面の後端縁
23 フードロックメンバ
25 ランプサポートブレース
27 膨出空間
35 フランジ
42 第2縦壁部(受け部)
42M 受け面
45 被受け止め部
D 車幅方向
D1 車幅方向内側
D2 車幅方向外側
Fr 車両前方側

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェンダーパネルの車両前方側にヘッドランプを配置し、前記ヘッドランプの前面を車両前方側ほど車幅方向内側に位置する傾斜面に形成してある車体前部構造であって、
前記フェンダーパネルを、上下両端部間が車幅方向外側に膨出した外膨らみ状に形成し、前記ヘッドランプの車幅方向外側の後面部に被受け止め部を設けるとともに、前記ヘッドランプが車両後方側に移動したときに、前記ヘッドランプの被受け止め部を車両後方側から受け止めて、前記ヘッドランプの車両後方側への移動を阻止する受け止め部材を前記フェンダーパネルの膨出空間内に配設してある車体前部構造。
【請求項2】
前記受け止め部材を、車両前後方向に沿うエプロンサイドアッパメンバに車両後方側から支持させてある請求項1記載の車体前部構造。
【請求項3】
前記エプロンサイドアッパメンバの車両前方側の端部と、前記エプロンサイドアッパメンバよりも車両前方側で車幅方向に沿うフードロックメンバの左右一端部との間にランプサポートメンバを介在させ、
前記ランプサポートメンバの車両後方側の端部に前記受け止め部材を固着してある請求項2記載の車体前部構造。
【請求項4】
前記受け止め部材が前記ランプサポートメンバの車両後方側の端部から車幅方向外側に張り出すように、前記受け止め部材の車幅方向内側の端部を前記ランプサポートメンバの車両後方側の端部に溶接固着してある請求項3記載の車体前部構造。
【請求項5】
前記ランプサポートメンバの車両前方側の端部から下方に延びるランプサポートブレースに、前記ヘッドランプの車幅方向内側に設けた第1取付け部を取付け、
前記エプロンサイドアッパメンバに取付けられて前記フェンダーパネルが固定されるフェンダブラケットに、前記ヘッドランプの車幅方向外側の上端部に設けた第2取付け部を取付け、
前記フェンダーパネルに取付けられてフロントバンパを係止させるバンパホルダに、前記ヘッドランプの車幅方向外側の下端部に設けた第3取付け部を取付けてある請求項3又は4記載の車体前部構造。
【請求項6】
前記ヘッドランプの被受け止め部を受け止める前記受け止め部材の受け部の車幅方向外側の端部から車両前方側に突出するフランジを設けてある請求項1〜5のいずれか一つに記載の車体前部構造。
【請求項7】
前記ヘッドランプの被受け止め部を受け止める前記受け止め部材の受け部の受け面を、車幅方向外側ほど車両前方側に位置する傾斜面に構成してある請求項1〜6のいずれか一つに記載の車体前部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−61996(P2009−61996A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−233350(P2007−233350)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】