説明

車体前部構造

【課題】キャブオーバ型車両の対前面衝突性能を向上した車体前部構造を提供する。
【解決手段】運転席が前輪の上部に設けられたキャブオーバ型車両1の車体前部構造を、サイドドア開口11の前縁部に沿って設けられた左右一対のフロントピラー12と、サイドドア開口の後縁部に沿って設けられた左右一対のリアピラー13と、左右のフロントピラーの間にわたして設けられ、中間部においてステアリングコラムを支持するステアリングサポートビーム17と、サイドドア開口に開閉可能に設けられたサイドドア20と、サイドドアの内部に設けられ、車両前後方向にほぼ沿って延びたドアビーム23と、サイドドアが閉じた状態においてステアリングサポートビーム及びドアビームを連結し、ステアリングサポートビームから前記ドアビームへ車両前後方向の荷重を伝達する荷重伝達部材24とを備える構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャブオーバ型車両の車体前部構造に関し、特にはドアビームを利用して対前面衝突性能を向上した車体前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両は、主に側面衝突時にドアが車室内へ侵入することを防止する目的で、ドアの内部に前後方向に延びたドアビーム(サイドインパクトビーム)を設けることが一般的である。
従来、側面衝突時の衝撃荷重を車体側へ効率よく伝達させることを目的として、サイドインパクトビームの前端部とステアリングサポートビームとを車両の側面視において交差するように配置したものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2002−114038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
運転席が前輪の上部に設けられたキャブオーバ型の車両の場合、車体前面部から搭乗者の居住スペースまでの距離が短いことから、前面衝突時にキャビンの変形を抑制するためには、前面部からの衝撃荷重を効果的に車体後方側へ伝達することが求められる。
本発明の課題は、キャブオーバ型車両の対前面衝突性能を向上した車体前部構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1の発明は、運転席が前輪の上部に設けられたキャブオーバ型車両の車体前部構造であって、サイドドア開口の前縁部に沿って設けられた左右一対のフロントピラーと、前記サイドドア開口の後縁部に沿って設けられた左右一対のリアピラーと、左右の前記フロントピラーの間にわたして設けられ、中間部においてステアリングコラムを支持するステアリングサポートビームと、前記サイドドア開口に開閉可能に設けられたサイドドアと、前記サイドドアの内部に設けられ、車両前後方向にほぼ沿って延びたドアビームと、前記サイドドアが閉じた状態において前記ステアリングサポートビーム及び前記ドアビームを連結し、前記ステアリングサポートビームから前記ドアビームへ車両前後方向の荷重を伝達する荷重伝達部材とを備えることを特徴とする車体前部構造である。
【0005】
請求項2の発明は、請求項1に記載の車体前部構造において、前記ステアリングサポートビームは、側端部が前記フロントピラーよりも車幅方向外側に突き出して配置され、前記荷重伝達部材は、前記ドアビームの前端部に固定され、前記サイドドアを閉じた状態で前記ステアリングサポートビームの端部が係合する係合部を有することを特徴とする車体前部構造である。
請求項3の発明は、請求項1に記載の車体前部構造において、前記荷重伝達部材は、前記ステアリングサポートビームの側端部に固定された第1の部材と、前記ドアビームの前端部に固定された第2の部材と、前記サイドドアが閉じた状態で前記第1の部材と第2の部材とを係合させる係合手段とを有することを特徴とする車体前部構造である。
請求項4の発明は、請求項1に記載の車体前部構造において、前記荷重伝達部材は、前記ドアビームの前端部に固定されるとともに、前記サイドドアを閉じた状態で前記ステアリングサポートビームの側端部に挿入される係合突起を有することを特徴とする車体前部構造である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、車両の前面衝突によってステアリングサポートビームに入力された荷重が、荷重伝達部材を介してドアビームに伝達され、ドアビームを経由してリアピラー等の車体後方側へ効率よく伝達される。これによって、車体前部で吸収しなければならないエネルギ量が低減され、車体前部の変形を抑制して対前面衝突性能を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、キャブオーバ型車両の対前面衝突性能を向上した車体前部構造を提供する課題を、ステアリングサポートビームからドアビームに前後方向荷重を伝達する荷重伝達部材を設けることによって解決した。
【実施例1】
【0008】
以下、本発明を適用した車体前部構造の実施例1について説明する。実施例1の車体前部構造は、例えば、前輪の上部に運転席が設けられたキャブオーバ型の軽貨物自動車に適用されるものである。
図1は、実施例1における車両前部の側面図である。
図2は、図1のII−II部の模式的断面図である。
車両1は、キャビン10、サイドドア20等を備えて構成されている。
キャビン10は、運転者等の乗員が収容される部分であって、ドア開口11、フロントピラー12、リアピラー13、フロントパネル14、ヘッドランプ15、サイドパネル16、ステアリングサポートビーム17等を備えて構成されている。
【0009】
ドア開口11は、運転席及び助手席の乗降用のサイドドア20が開閉可能に装着される部分である。ドア開口11は、キャビン10の左右にそれぞれ設けられ、前輪FWの上部に配置されている。
フロントピラー12は、ドア開口11の前縁部に沿って、上下方向に延びて形成された構造部材である。フロントピラー12は、図2に示すように、例えば鋼板をプレス加工して形成されたアウタパネル12a及びインナパネル12bをモナカ状に接合することによって、水平面で切って見た断面が閉断面となるように形成されている。
リアピラー13は、ドア開口11の後縁部に沿って、上下方向に延びて形成された構造部材である。リアピラー13は、図2に示すように、例えば鋼板をプレス加工して形成されたアウタパネル13a、及び、インナパネル13bを、モナカ状に接合することによって、水平面で切って見た断面が閉断面となるように形成されている。
【0010】
フロントパネル14は、車両1の前面に配置された車両外板である。フロントパネル14は、フロントガラスの下端部からフロントバンパまでの領域に設けられている。
ヘッドランプ15は、バルブ、リフレクタ、レンズ等を、樹脂製のハウジング内に収容してユニット化した異形ヘッドランプであり、フロントパネル14の車幅方向における両端部に配置されている。
サイドパネル16は、フロントパネル14及びヘッドランプ15の側端部と、サイドドア20の前端部との間に設けられた車両外板である。
ここで、フロントパネル14及びサイドパネル16は、例えば鋼板をプレス加工してそれぞれ形成されている。
【0011】
ステアリングサポートビーム17は、左右のフロントピラー12の間にわたして設けられた梁状の部材である。ステアリングサポートビーム17は、例えば鋼製の丸パイプによって形成され、ほぼ直線状に車幅方向に沿って配置されている。ステアリングサポートビーム17は、車幅方向における中間部において、図示しないステアリングコラムを支持している。
ステアリングサポートビーム17の側端部(車幅方向における両端部)は、フロントピラー12のアウタパネル12a及びインナパネル12bにそれぞれ形成された開口に挿入され、フロントピラー12から車幅方向外側に突き出して配置されている。
【0012】
また、ステアリングサポートビーム17とフロントピラー12との接合部には、リンホースメント18a,18bが設けられている。
リンホースメント18a,18bは、それぞれステアリングサポートビーム17が挿入されるリング状の部材であって、ステアリングサポートビーム17が挿入される筒状部と、この筒状部の外周面からつば状に張り出したフランジ部とを備えている。
リンホースメント18a,18bは、フロントピラー12の車幅方向外側、内側の面部にそれぞれ設けられ、これらは各リンホースメント18a,18bのフランジ部、及び、フロントピラー12を車幅方向に貫通するボルトBによって、フロントピラー12に対し締結されている。
【0013】
サイドドア20は、キャビン10のドア開口11に開閉可能に設けられている。サイドドア20は、前端部に設けられた図示しないヒンジによって、フロントピラー12に対して、ほぼ鉛直に設けられた回転軸回りに揺動可能となっている。また、サイドドア20の後端部は、ドアハンドル等の開閉操作部と連動する図示しないラッチ機構によって、リアピラー13と係合する。
サイドドア20は、アウタパネル21、インナパネル22、ドアビーム23を備え、ドアビーム23は、前側延長部24及び後側延長部25を備えている。
【0014】
アウタパネル21は、サイドドア20における車体外側の面部を構成する車体外板である。
インナパネル22は、サイドドア20における車体内側の面部を構成する部分であって、アウタパネル21に対して車幅方向内側に設けられ、間隔を隔てて対向して配置されている。
アウタパネル21及びインナパネル22は、その外周縁部において相互に接合されている。これらのアウタパネル21及びインナパネル22は、例えば、鋼板をプレス加工して形成されている。
また、インナパネル22には、ステアリングサポートビーム17の側端部が挿入される開口22aが形成されている。
【0015】
ドアビーム23は、アウタパネル21とインナパネル22の間に収容されるとともに、サイドドア20の前端部から後端部にわたして設けられた梁状の構造部材である。
図1に示すようにドアビーム23は、前端部のほうが後端部よりもやや高くなるように緩やかな傾斜をつけて直線状に配置されている。ここで、ドアビーム23の中心軸は、車両1の側面視において、ステアリングサポートビーム17の中心近傍を通過するように配置されている。
また、ドアビーム23は、例えば鋼、アルミニウム合金等の金属材料によって、車両前方側から見た断面形状が閉断面となるように形成されている。
【0016】
前側延長部24は、ドアビーム23の前端部に固定され、ここからドアビーム23の中心軸にほぼ沿って、車両前方側に延びて形成されたプレート状の部材である。前側延長部24は、中間部分を平面視においてクランク状に屈曲させて形成され、前方側の部分ではドアビーム23の中心軸に対して車幅方向外側にオフセットして配置され、また後方側(ドアビーム23側)の部分ではドアビーム23の車幅方向内側の面部に固定されている。
また、前側延長部24の前端部付近には、サイドドア20を閉じた状態において、ステアリングサポートビーム17の側端部が挿入され係合する開口(係合部)24aが形成されている。
この前側延長部24は、ステアリングサポートビーム17とドアビーム23とを連結し、ステアリングサポートビーム17からの前後方向荷重をドアビーム23に伝達する本発明の荷重伝達部材である。
【0017】
後側延長部25は、ドアビーム23の後端部に固定され、ここからドアビーム23の中心軸にほぼ沿って、車両後方側に延びて形成されたプレート状の部材である。後側延長部25は、中間部分を平面視においてクランク状に屈曲させて形成され、後方側の部分ではドアビーム23の中心軸に対して車幅方向外側にオフセットして配置され、また前方側(ドアビーム23側)の部分ではドアビーム23の車幅方向内側の面部に固定されている。
また、後側延長部25は、その後端部近傍に、車幅方向内側へ突き出した突出部25aが形成されている。突出部25aは、インナパネル22に形成された開口から車幅方向内側へ突出して配置されている。
また、キャビン10のリアピラー13には、突出部25aが挿入され係合する凹部を有し、突出部25aからの前後方向荷重をリアピラー13に伝達するキャッチャCが設けられている。
【0018】
以下、上述した実施例1の効果を、以下説明する本発明の比較例と対比して説明する。なお、以下説明する比較例、実施例2、実施例3において、従前の実施例と実質的に共通する箇所には同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
図3は、比較例におけるサイドドア部の模式的断面図であって、実施例1における図2に相当する断面を示すものである。
比較例の車体前部構造は、実施例1の車体前部構造に対して、ステアリングサポートビーム17の端部をフロントピラー12のインナパネル12bに突き当てた状態で固定し、前側延長部24の開口24a、インナパネル22の開口22a、後側延長部25の突出部25a、リアピラー13のキャッチャC等を設けていない点で相違する。
【0019】
比較例の車体前部構造においては、前面衝突時にステアリングサポートビーム17に入力された荷重は、フロントピラー12から図示しないヒンジを介してサイドドア20のインナパネル22に伝達され、その後前側延長部24を介してドアビーム23に入力されることになる。しかし、フロントピラー12及びインナパネル22は、通常薄板によって形成され、ステアリングサポートビーム17やドアビーム23に対して比較的強度が小さいことから、これらの部分が変形、破壊することによって、ステアリングサポートビーム17からの荷重がドアビーム23に伝達されにくい。このように荷重が車体後方側に伝達されにくいと、車体前部で吸収しなければならないエネルギが増大し、車体前部の変形量が大きくなってしまう。
【0020】
これに対し、実施例1の場合には、ステアリングサポートビーム17がフロントピラー12の車幅方向外側まで延長され、その先端部がサイドドア20内部でドアビーム23の前側延長部24に形成された開口24aに挿入されていることから、ステアリングサポートビーム17からの荷重は、前側延長部24を介してより直接的にドアビーム23に伝達される。そして、ドアビーム23に入力された荷重は、後側延長部25からキャッチャCを介してリアピラー13に伝達される。
以上のように、実施例1においては、車体の前面からステアリングサポートビーム17に入力された荷重が、効率よく車体の後方側のリアピラー13等に伝達されるため、車体前部の変形を抑制し、対全面衝突性能を向上することができる。
【実施例2】
【0021】
次に、本発明を適用した車体前部構造の実施例2について説明する。
図4は、実施例2の車体前部構造の模式的側面図である。なお、図4においては、サイドドア20のアウタパネル21及びインナパネル22は図示を省略している。
実施例2においては、ドアビーム23の中心軸が、ステアリングサポートビーム17に対して、車両側面視における下側にオフセットされており、ステアリングサポートビーム17からドアビーム23の前側延長部24に荷重を伝達するため、以下説明するアダプタ19を用いている。
図5は、サイドドア部の模式的断面図であって、図5(a)は、図4のA−A部矢視断面を示し、図5(b)は、図4のB−B部矢視断面を示している。
図6は、ステアリングサポートビームとドアビームとの連結部周辺の模式的分解斜視図である。
【0022】
実施例2においては、ステアリングサポートビーム17の端部は、フロントピラー12のインナパネル12bの車幅方向内側の側面部に突き当てられた状態で固定されている。ここで、インナパネル12bには、外径がステアリングサポートビーム17の内径とほぼ等しく、かつステアリングサポートビーム17とほぼ同心に配置された開口が形成されている。
また、ステアリングサポートビーム17の端部には、外径側につば状に張り出して形成されたフランジ部17aが形成されている。
図6に示すように、フランジ部17aは、ほぼ矩形状の平板として形成され、その長辺方向が上下方向にほぼ沿って配置されている。また、フランジ部17aは、その側面視における中心(重心)が、ステアリングサポートビーム17の中心軸よりも下側に配置されている。
【0023】
アダプタ19は、ブラケット19a、筒状部19b、係合突起19cを備えている。
ブラケット19aは、ステアリングサポートビーム17のフランジ部17aと実質的に同様の形状を有し、側面視においてほぼ重なって配置される矩形状の平板である。ブラケット19aは、フロントピラー12のアウタパネル12aの車幅方向外側の側面部に固定される。
ここで、ブラケット19a、フロントピラー12、フランジ部17aは、これらを車幅方向に貫通して設けられるボルトBと、このボルトBに螺合するナットとによって締結され固定されている。
【0024】
筒状部19bは、ブラケット19aから車幅方向内側に突出した状態で固定された丸パイプ状の部材である。筒状部19bは、図5(a)に示すように、フロントピラー12に形成された開口12cを介してフロントピラー12内を貫通し、ステアリングサポートビーム17の内径側へ挿入される。
【0025】
係合突起19cは、ブラケット19aから車幅方向外側へ突出した例えば円柱状の突起である。係合突起19cは、上述した筒状部19bよりも下側に配置されている。図5(b)に示すように、サイドドア20を閉じた状態においては、係合突起19bは、サイドドア20のインナパネル22に設けられた開口22aを介してサイドドア20の内部へ挿入される。そして、係合突起19cの先端部は、ドアビーム23の前側延長部24の開口24aに挿入され係合する。これら係合突起19c及び開口24aは、本発明にいう係合手段として機能する。
【0026】
実施例2においては、このアダプタ19も、ドアビーム23の前側延長部24とともに、荷重伝達部材として機能する。
以上説明した実施例2によれば、上述した実施例1と同様の効果に加えて、ドアビームの中心軸の位置がステアリングサポートビームよりも上下にずれた車両であっても適用することができる。
【実施例3】
【0027】
次に、本発明を適用した車体前部構造の実施例3について説明する。
図7は、実施例3におけるサイドドア部の模式的断面図であって、実施例1における図2に相当する断面を示している。
実施例3においても、実施例2と同様にステアリングサポートビーム17は、フロントピラー12の車幅方向内側の側面部に突き当てられた状態で固定される。
そして、実施例3においては、ドアビーム23の前側延長部24の前端部から車幅方向内側へ突出し、ステアリングサポートビーム17の内径側へ挿入される係合突起26を設けている。
【0028】
係合突起26は、前側延長部24に固定され、サイドドア20を閉じた際に、インナパネル22の開口22a、フロントピラー12に形成された開口12dを介して、ステアリングサポートビーム17の内径側へ挿入され係合する。係合突起26の車両前方側の部分は直線状に形成され、サイドドア20を閉じた際に車幅方向にほぼ沿って配置される。この部分は、車両の前面衝突時にステアリングサポートビーム17によって押される受け面となる。一方、係合突起26の車両後方側の部分は、サイドドア20の開閉時に各開口22a、12d等との干渉を防止するため、ほぼ円弧状に形成され、その結果係合突起26は、先端部に近づくにつれて細くなるように形成されている。
実施例3においては、この係合突起26も、ドアビーム23の前側延長部24とともに、荷重伝達部材として機能する。
以上説明した実施例3においても、上述した実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0029】
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
例えば、荷重伝達部材の形状、構造等は上述した各実施例に限定されず、適宜変更することができる。例えば、実施例2では車体側に設けられた突起をドア側の係合部に挿入する構成としたが、これとは逆に車体側に設けられステアリングサポートビームに固定された部材に対して、ドア側から突出した係合部材を係合させるようにしてもよい。
また、各実施例では、荷重伝達部材はステアリングサポートビーム及びドアビームと別部品によって構成しているが、これに限らず、各ビームの一部としてビームと一体的に形成してもよい。すなわち、ステアリングサポートビーム、ドアビームの一部が荷重伝達部材として機能する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明を適用した車体前部構造の実施例1が適用される車両前部の側面図である。
【図2】図1のII−II部の模式的断面図である。
【図3】本発明の比較例におけるサイドドア部の模式的断面図である。
【図4】本発明を適用した車体前部構造の実施例2における模式的側面図である。
【図5】実施例2のサイドドア部の模式的断面図である。
【図6】実施例2におけるステアリングサポートビームとドアビームとの連結部周辺の模式的分解斜視図である。
【図7】本発明を適用した車体前部構造の実施例3におけるサイドドア部の模式的断面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 車両 10 キャビン
11 ドア開口 12 フロントピラー
12a アウタパネル 12b インナパネル
12c,12d 開口
13 リアピラー 13a アウタパネル
13b インナパネル 14 フロントパネル
15 ヘッドランプ 16 サイドパネル
17 ステアリングサポートビーム 17a フランジ部
18a,18b リンホースメント
19 アダプタ 19a ブラケット
19b 筒状部 19c 係合突起
20 サイドドア 21 アウタパネル
22 インナパネル 22a 開口
23 ドアビーム 24 前側延長部
24a 開口 25 後側延長部
25a 突出部 26 係合突起
B ボルト C キャッチャ FW 前輪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席が前輪の上部に設けられたキャブオーバ型車両の車体前部構造であって、
サイドドア開口の前縁部に沿って設けられた左右一対のフロントピラーと、
前記サイドドア開口の後縁部に沿って設けられた左右一対のリアピラーと、
左右の前記フロントピラーの間にわたして設けられ、中間部においてステアリングコラムを支持するステアリングサポートビームと、
前記サイドドア開口に開閉可能に設けられたサイドドアと、
前記サイドドアの内部に設けられ、車両前後方向にほぼ沿って延びたドアビームと、
前記サイドドアが閉じた状態において前記ステアリングサポートビーム及び前記ドアビームを連結し、前記ステアリングサポートビームから前記ドアビームへ車両前後方向の荷重を伝達する荷重伝達部材と
を備えることを特徴とする車体前部構造。
【請求項2】
請求項1に記載の車体前部構造において、
前記ステアリングサポートビームは、側端部が前記フロントピラーよりも車幅方向外側に突き出して配置され、
前記荷重伝達部材は、前記ドアビームの前端部に固定され、前記サイドドアを閉じた状態で前記ステアリングサポートビームの端部が係合する係合部を有すること
を特徴とする車体前部構造。
【請求項3】
請求項1に記載の車体前部構造において、
前記荷重伝達部材は、
前記ステアリングサポートビームの側端部に固定された第1の部材と、
前記ドアビームの前端部に固定された第2の部材と、
前記サイドドアが閉じた状態で前記第1の部材と第2の部材とを係合させる係合手段とを有すること
を特徴とする車体前部構造。
【請求項4】
請求項1に記載の車体前部構造において、
前記荷重伝達部材は、前記ドアビームの前端部に固定されるとともに、前記サイドドアを閉じた状態で前記ステアリングサポートビームの側端部に挿入される係合突起を有すること
を特徴とする車体前部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−73330(P2009−73330A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−243935(P2007−243935)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】