説明

車体前部構造

【課題】ポールのように車幅方向に広がりを備えていない障害物に対して車幅方向中央部分が激突したときに衝突荷重をフロントサイドフレームに伝達して、フロントサイドフレームによる衝突荷重吸収機能を使うことでパワープラントの後退を抑制する。
【解決手段】ミッションケース36の端面36aにボルト止めされた第2マウント部材54は、その垂直部分72の上端から車幅方向外方に向けて延びる水平部分74を有する。水平部分74はブッシュ78を介して外筒80に収容されている。外筒80はフロントサイドフレーム22の両側壁の開口22aに挿通され、外筒80の車幅方向内端の全周フランジ82がフロントサイドフレーム22の側壁にボルト止めされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体前部構造に関し、より詳しくは、ポール状の障害物に対して車幅方向中央部分が前面衝突したときの安全性を向上することのできるものに関する。
【背景技術】
【0002】
車体前部は、一般的に、車体前端において車幅方向に延びるバンパーレインフォースメントの左右の端部を夫々左右一対のフロントサイドフレームの前端に連結する、より詳しくはクラッシュカンを介して連結する構造が採用されている。すなわち、車体前部構造として、左右のフロントサイドフレームは前面衝突の際の主なる衝撃吸収部材として機能する構造が採用されている。
【0003】
前面衝突に関する衝撃安全性能試験は二つの態様で行われている。第一の態様がフルラップ前面衝突であり、第二の態様がオフセット前面衝突である。フルラップ前面衝突試験では、車両を所定速度でコンクリート製の障壁に衝突させることにより行われる。オフセット前面衝突試験では、車両の一方の側部(オーバーラップ率40%)をハニカム状の障壁に前面衝突させることにより行われる。
【0004】
特許文献1は、フルラップ前面衝突及びオフセット前面衝突において、衝突初期で、フロントサイドフレームの前端部の座屈により衝突エネルギを吸収すると共に衝突後期における乗員の減速度を緩和する発明を提案している。具体的には、特許文献2は、矩形断面の左右のフロントサイドフレームの後端部間に亘って車幅方向に延びるパイプを設け、このパイプの左右の各端をフロントサイドフレームの内側側面に連結する構造を提案している。この発明によれば、衝突によりパワープラントが後退すると、この後退するパワープラントにより、車幅方向に延びる連結パイプが後方に屈曲し、この連結パイプの屈曲によって左右のフロントサイドフレームの後端部を車幅方向内方側に屈曲させることで、衝突後期の乗員の減速度を緩和することができる。
【0005】
特許文献2は、エンジン出力軸を車幅方向に向けてエンジンルームに搭載した、いわゆる横置きエンジンとこれに連結したトランスアクスルに関して、トランスアクスル側をこれに隣接するフロントサイドフレームに搭載する吊り下げ式マウント部材について、その問題点を指摘して、その改善案を提案している。ここに、吊り下げ式マウント部材は、トランスアクスルの端面とフロントサイドフレームとの間の空間にブッシュを配設する構成が採用されている。
【0006】
【特許文献1】特開2002−120752号公報
【特許文献2】特開2000−168624号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述したように前面衝突の態様として典型的にはフルラップ衝突及びオフセット衝突を挙げることができるものの、実際の前面衝突事故では種々様々な態様があるのは勿論である。その一つに、道路脇に植設された電柱や道路標識の支柱などに激突した場合がある。このポール状の障害物に対して、車両の車幅方向中央部分がポール状の障害物に激突した場合、バンパーレインフォースメントは、一般的に設計上これを受け止める強度を備えていないため、その車幅方向中央部分で折れ曲がってしまい、この結果、エンジンを含むパワープラントにポールが衝突してマウント部材を破壊してしまう虞がある。
【0008】
本発明の目的は、ポールのように車幅方向に広がりを備えていない障害物に対して車幅方向中央部分が激突したときに衝突荷重をフロントサイドフレームに伝達して、フロントサイドフレームによる衝突荷重吸収機能を使うことでパワープラントの後退を抑制することのできる車体前部構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の技術的課題は、本発明によれば、
車体前部に位置するエンジンルームと、
該エンジンルームを車体前後方向に延び且つ矩形の閉断面構造の左右のフロントサイドフレームと、
前記エンジンルーム内に収容され、出力軸を車幅方向に向けた横置きエンジンと該エンジンの出力軸に連結されたトランスアクスルとが車幅方向に並んで一体化されたパワープラントと、
該パワープラントを前記左右のフロントサイドフレームに、夫々、搭載する第1、第2のマウント部材とを有する車体前部構造において、
前記パワープラントのトランスアクスルを、これに隣接するフロントサイドフレームに搭載する前記第2マウント部材が、
前記矩形の閉断面構造の前記フロントサイドフレームの車幅方向内方側の側壁に形成された開口の形状と相補的な外形形状を有し且つ該開口を通じて前記フロントサイドフレームの中に挿入された外筒と、
該外筒に収容された弾性体と、
一端が前記弾性体に包囲された支持軸とを有し、
該支持軸の他端が、前記トランスアクスルのケースに締結されていることを特徴とする車体前部構造を提供することにより達成される。
【0010】
本発明の車体前部構造によれば、マウント部材に含まれる弾性体がフロントサイドフレームの内部に収容された状態にあるため、ポール衝突のような前面衝突の際の衝撃によってパワープラントに衝突荷重が加わったとしても、これにより弾性体が破壊してしまうことなくパワープラントに加わった衝突荷重を直にフロントサイドフレームに伝達して、フロントサイドフレームの衝突エネルギ吸収機能を使って、その衝撃を緩和することができる。また、従来の吊り下げ式マウント部材は、トランスアクスルの上方域に弾性体などの部材を含んでいるが、本発明によれば、この弾性体をフロントサイドフレームの内部に収容した形態であるため、トランスアクスルの上方域を補機類やバッテリなどの設置空間として利用することができる。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態によれば、
前記支持軸が、前記エンジンと前記トランスアクスルの並び方向に一致して車幅方向に延びている。具体的には、前記支持軸が、上下方向に延びる垂直部分と、該垂直部分の上端から車幅方向外方に向けて延びる水平部分とを有し;前記支持軸の垂直部分の下端が、前記トランスアクスルのケースの端面に締結され;前記前記支持軸の水平部分が、前記弾性体に包囲されて前記外筒内に収容されている。このように、マウント部材が、エンジンとトランスアクスルの並び方向に一致して車幅方向に延びる支持軸を含むことで、パワープラントの質量を無理なく支えることができ、また、パワープラントを後退させようとする車体後方に向けての衝突荷重を、そのままフロントサイドフレームに伝達することができ、フロントサイドフレームの軸圧縮による衝突エネルギ吸収機能を活用することができる。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態によれば、
前記外筒の車幅方向内端にフランジを有し;該外筒のフランジが、前記フロントサイドフレームの車幅方向内方側の側壁の開口の周縁部に当接した状態で固定される。この実施の形態によれば、エンジンルーム側からアクセスすることで第2マウント部材をフロントサイドフレームに締結する作業を行うことができる。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態によれば、
前記フロントサイドフレームの車幅方向内方側の側壁と車幅方向外方側の側壁の両側壁に、前記車幅方向内方側の側壁の開口と車幅方向に整列した開口が車幅方向外方側の側壁に形成され;該車幅方向外方側の側壁の開口が前記外筒の外形形状と相補的な形状を有し;前記外筒の車幅方向外端部が、前記フロントサイドフレームの車幅方向外方側の側壁の開口を貫通している。この実施の形態によれば、第2マウント部材に含まれる外筒をフロントサイドフレームに対して位置決めするのが容易であり、また、パワープラントを後退させようとする車体後方に向けての衝突荷重をフロントサイドフレームの両方の側壁を使ってフロントサイドフレームに伝達することができる。
【0014】
本発明の他の目的及び作用効果は、以下の好ましい実施例の詳細な説明から明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。
【0016】
図1は実施例の車体前部構造の平面図であり、図2は側面視した実施例の車体前部構造である。先ず図2を参照して、参照符号10はダッシュパネルを示し、ダッシュパネル10によって車室12とエンジンルーム14とが区画されている。車室12には、インスツルメントパネル16、ブレーキペダル18やアクセルペダル等が設けられている。参照符号20はフロントウインドウである。
【0017】
図1、図2を参照して、エンジンルーム14の下方域には、車体前後方向にエンジンルーム14の全域に亘って延在する左右のフロントサイドフレーム22が配設されており、フロントサイドフレーム22は矩形の閉断面構造を有している。既知のように、左右のフロントサイドフレーム22の前端には、車幅方向に延びるバンパーレインフォースメント24がクラッシュカン26を介して連結されている。エンジンルーム14の下方域には、更に、フロントサイドフレーム22よりも下方に位置するサブフレーム28が配設されている。参照符号30は前輪である。
【0018】
パワープラントとしてエンジンルーム14には内燃多気筒エンジン32が搭載されている。エンジン32は、水冷式の直列四気筒エンジンであり、図1から最も良く分かるようにエンジン出力軸を車幅方向に向けてエンジンルーム14内に搭載されている。すなわち、エンジンルーム14に搭載されたエンジン32は横置きのレシプロエンジンであり、エンジン32は、その後端に連結されたトランスアクスル34と一体化されている。換言すると、パワープラントを構成するエンジン32とトランスアクスル34とは車幅方向に並んで配設されて一体化されている。
【0019】
トランスアクスル34は、エンジン出力軸に連結されたトランスミッションを収容するミッションケース36と、その後方に配設されてデファレンシャルギアを内蔵したデフケース38とを有し、このデフケース38から車幅方向に延出する左右の駆動軸で左右の前輪30が駆動される。この自動車は前輪駆動形式の車両であるが、4輪駆動形式の車両に対しても本発明を適用することができる。
【0020】
エンジン32は水冷式エンジンであり、このエンジン32の冷却水は、左右のフロントサイドフレーム22の前端部の間のシュラウドパネル(図示せず)に固設されたラジエータ40によって冷却される。横置きのエンジン32は前方吸気、後方排気の形式が採用されており、エンジン32のシリンダヘッドには、その前面に吸気管42が連結され、後面に排気管44が連結されている(図2)。
【0021】
サブフレーム28は、クラッシュカン26の後方且つ近傍で車幅方向に延びるメンバ28aを備えた平面視略矩形の枠形状のペリメータフレームで構成され、その左右の前端の各々がロングボルト46によって、対応するフロントサイドフレーム22の前端部に固定されている。前輪サスペンション機構48は、これを構成するロアアームのピボット点が、サブフレーム28の後部の左右の両端部に設けられている。図中、参照符号50は前輪ステアリングリンク機構を示す。
【0022】
エンジンルーム14に配設されているエンジン32などのパワープラントは、左右のフロントサイドフレーム22に第1、第2のマウント部材52、54を介して搭載され、また、エンジン32の後端は、第3のマウント部材56を介して、サブフレーム28の後端部において車幅方向に延びる本体部分28aに連結されている。
【0023】
第1のマウント部材52は、エンジン32の端部と、これに隣接するフロントサイドフレーム22(図示の例では右側フロントサイドフレーム)との間に配設される。他方、第2のマウント部材54は、トランスアクスル34の端部と、これに隣接するフロントサイドフレーム22(図示の例では左側フロントサイドフレーム)との間に配設され、これら第1、第2のマウント部材52、54は、共に左右のサスペンションタワー58に隣接して且つその近傍に配設されている。
【0024】
図3はエンジン32側の第1マウント部材52の近傍の平面図である。この図3を参照して、エンジン32側の第1マウント部材52は、エンジン32に固定されたブラケット60を有し、ブラケット60がブッシュ62を介してフロントサイドフレーム22の上面に締結される。このブラケット60はフロントサイドフレーム22を超えて車幅方向外方に延びるブラケット延長部64を有し、このブラケット延長部64は、これに隣接するサスペンションタワー58の前壁58aに対向している。好ましくは、このサスペンションタワー58の前壁58aにブラケット受け部材66を設けるのがよく、また、このブラケット受け部材66は、前方に開放した横方向に延びる溝66aを有し、この横溝66aにブラケット延長部64の後端縁部が収容されるのがよい。
【0025】
図4は第2マウント部材54及びこれに関連したトランスアクスル34(ミッションケース36)、フロントサイドフレーム22の部分を斜め前方から斜視図であり、図5は、第2マウント部材54の縦断面図である。なお、図5の参照符号68はエプロンパネルを示す。
【0026】
図4、図5を参照して、第2マウント部材54は、支持軸を構成する逆L字状部材70を有する。逆L字状部材70は、上下に延びる垂直部分72と、この垂直部分72の上端から車幅方向外方に向けて延びる水平部分74と有し、垂直部分72の下端部に複数のボルト挿通孔72aが形成されている。この逆L字状部材70は、垂直部分72のボルト挿通孔72aに挿通したボルト76を使ってミッションケース36の端面36aに締結される。これにより、逆L字状部材70の水平部分74は、エンジン32とトランスアクスル34からなるパワープラントの並び方向である車幅方向に一致して車幅方向外方に延びており、これによりパワープラントの質量を無理なくフロントサイドフレーム22によって支えることができる。
【0027】
逆L字状部材70の水平部分74は、その回りが弾性体であるブッシュ78で包囲されており、ブッシュ78は矩形断面の外筒80に収容されている。すなわち、外筒80はその軸線を車幅方向に向けて配設され、この外筒80の内部に弾性体であるブッシュ78が収容されている。この車幅方向の内外に向けて開放された外筒80は、その車幅方向内端に全周フランジ82を有し、この全周フランジ82には複数のボルト挿通孔82aが形成されている(図4)。
【0028】
フロントサイドフレーム22には、その両側壁に、矩形の開口22aを有し、この内方側及び外方側の両側壁の開口22aに矩形断面の外筒80が挿通される。すなわち、断面矩形の外筒80の外端部は車幅方向外方側の矩形の開口22aを貫通しており、これにより、パワープラントに衝突荷重が加わったときに、矩形の外筒80の回転を矩形の開口22aで規制しつつ衝突荷重をフロントサイドフレーム22に対して、その軸線方向に伝達することができる。ここに、矩形断面の外筒80は、フロントサイドフレーム22の矩形の開口22aの形状と相補的な外形形状を有しており、開口22aの周縁部に上記全周フランジ82が当接される。フロントサイドフレーム22において、外筒80を受け入れる部分を、フロントサイドフレーム22の内部に配設されたスティフナ84(図6)によって補強するのが好ましく、また、スティフナ84に予めナット86を溶接しておくのがよい。
【0029】
第2マウント部材54をフロントサイドフレーム22に設置する作業は、横方向に開放した開口22aを通じてフロントサイドフレーム22に外筒80を挿入することで位置決めすることができ、また、外筒80の全周フランジ82のボルト挿通孔82aに挿通したボルト88をナット86に螺着させることによって行うことができるため、パワープラント側からアクセスすることで第2マウント54をフロントサイドフレーム22に締結することができる。
【0030】
第2マウント部材54をフロントサイドフレーム22に締結することで、支持軸を構成する逆L字状部材70は、その一端がフロントサイドフレーム22内のブッシュ78を介して固定され、他端がミッションケース36の端面36aに固定され、これによりパワープラントがフロントサイドフレーム22に弾性的に支持される。
【0031】
バンパーレインフォースメント24の車幅方向中央部分にポールなどが激突してバンパーレインフォースメント24が車幅方向中央部分で屈曲し、そしてエンジンルーム14内に侵入してエンジン32、トランスアクスル34を含むパワープラントに衝突荷重が加わったときには、この衝突荷重の一部が第2マウント部材54を介してフロントサイドフレーム22に伝達され、そして、フロントサイドフレーム22に伝達される衝突荷重はフロントサイドフレーム22の軸線方向であるため、フロントサイドフレーム22の衝突エネルギ吸収機能を使って衝突エネルギを緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施例の車体前部構造を平面視した図である。
【図2】実施例の車体前部構造を側面視した図である。
【図3】横置きエンジンを含むパワープラントのエンジン側を、これに隣接するフロントサイドフレームに搭載する第1マウント部材と、これに隣接する要素を拡大して示す部分平面図である。
【図4】横置きエンジンを含むパワープラントのトランスアクスル側を、これに隣接するフロントサイドフレームに搭載する第2マウント部材と、これに隣接する要素を拡大して示す分解斜視図である。
【図5】フロントサイドフレームに締結した第2マウント部材の縦断面図である。
【図6】フロントサイドフレームにおいて、第2マウント部材を受け入れる部位を補強するためのスティフナの斜視図である。
【図7】横置きエンジンを含むパワープラントのトランスアクスルを第2マウント部材を使ってフロントサイドフレームに搭載した部位を拡大して示す部分平面図である。
【符号の説明】
【0033】
14 エンジンルーム
22 フロントサイドフレーム
22a フロントサイドフレームの両側壁の開口
32 エンジン(パワープラント)
34 トランスアクスル(パワープラント)
36 ミッションケース
36a ミッションケースの端面
52 エンジン側の第1マウント部材
54 ミッションケース側の第2マウント部材
70 第2マウント部材の逆L字状部材(支持軸)
72 逆L字状部材の垂直部分
74 逆L字状部材の水平部分
78 第2マウント部材のブッシュ(弾性体)
80 第2マウント部材の外筒
82 外筒の車幅方向内端の全周フランジ
84 スティフナ(補強部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体前部に位置するエンジンルームと、
該エンジンルームを車体前後方向に延び且つ矩形の閉断面構造の左右のフロントサイドフレームと、
前記エンジンルーム内に収容され、出力軸を車幅方向に向けた横置きエンジンと該エンジンの出力軸に連結されたトランスアクスルとが車幅方向に並んで一体化されたパワープラントと、
該パワープラントを前記左右のフロントサイドフレームに、夫々、搭載する第1、第2のマウント部材とを有する車体前部構造において、
前記パワープラントのトランスアクスルを、これに隣接するフロントサイドフレームに搭載する前記第2マウント部材が、
前記矩形の閉断面構造の前記フロントサイドフレームの車幅方向内方側の側壁に形成された開口の形状と相補的な外形形状を有し且つ該開口を通じて前記フロントサイドフレームの中に挿入された外筒と、
該外筒に収容された弾性体と、
一端が前記弾性体に包囲された支持軸とを有し、
該支持軸の他端が、前記トランスアクスルのケースに締結されていることを特徴とする車体前部構造。
【請求項2】
前記支持軸が、前記エンジンと前記トランスアクスルの並び方向に一致して車幅方向に延びている、請求項1に記載の車体前部構造。
【請求項3】
前記支持軸が、上下方向に延びる垂直部分と、該垂直部分の上端から車幅方向外方に向けて延びる水平部分とを有し、
前記支持軸の垂直部分の下端が、前記トランスアクスルのケースの端面に締結され、
前記前記支持軸の水平部分が、前記弾性体に包囲されて前記外筒内に収容されている、請求項1又は2に記載の車体前部構造。
【請求項4】
前記外筒の車幅方向内端にフランジを有し、
該外筒のフランジが、前記フロントサイドフレームの車幅方向内方側の側壁の開口の周縁部に当接した状態で固定される、請求項3に記載の車体前部構造。
【請求項5】
前記フロントサイドフレームの車幅方向内方側の側壁と車幅方向外方側の側壁の両側壁に、前記車幅方向内方側の側壁の開口と車幅方向に整列した開口が車幅方向外方側の側壁に形成され、
該車幅方向外方側の側壁の開口が前記外筒の外形形状と相補的な形状を有し、
前記外筒の車幅方向外端部が、前記フロントサイドフレームの車幅方向外方側の側壁の開口を貫通している、請求項3又は4に記載の車体前部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−83259(P2010−83259A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−252942(P2008−252942)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】