説明

車体強度部材構造

【課題】主に、緊急入力荷重への対応力を高め得るようにする。
【解決手段】車室前部34に車体強度部材41が配設され、車体強度部材41が、少なくとも、ほぼ車幅方向31へ延びる車体強度部材本体42と、車体強度部材本体42を車室床部36に支持可能なステー44と、車体強度部材本体42を車室前壁35に支持可能なポストブラケット45とを備えた車体強度部材41構造であって、車体強度部材本体42とステー44とを別部材として構成し、車体強度部材本体42と、ステー44との間に、両者を取付可能な取付構造部46を設けると共に、取付構造部46を、緊急入力荷重Fによって、車体強度部材本体42とステー44とが分離可能な緊急時分離可能取付構造部47とされるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車体強度部材構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両には、車室内の前部に樹脂製のインストルメントパネル(車室前部内装パネル)が設けられている。このインストルメントパネルの内部には、金属製の車体強度部材が設けられている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
まず、図6に示すように、車室の前部(車室前部1)は、車室前壁2と、車室床部3と、車室側壁4とを備えている。
【0004】
そして、この車室前部1に配設された車体強度部材5は、ほぼ車幅方向6へ延びる車体強度部材本体7を備えている。車体強度部材5は、車体強度部材本体7の両端部を左右の車室側壁4に取付けるためのサイドブラケット8を備えている。また、車体強度部材5は、車体強度部材本体7を車室床部3に支持可能なステー9を備えている。更に、車体強度部材5は、車体強度部材本体7を車室前壁2に支持可能なポストブラケット11を備えている。
【0005】
上記した、車体強度部材5は、図7に示すように、車体強度部材本体7に図示しないステアリングコラムを保持可能なコラムブラケット13を備えている。
【0006】
また、車体強度部材5は、図8に示すように、車体強度部材本体7やステー9に空調ユニット14を固定するための、空調ユニット取付部15を備えている。
【0007】
更に、図10に示すように、車体強度部材5は、車体強度部材本体7に、緊急時に乗員の膝を受けると共に、膝入力荷重16を吸収可能なニープロテクタ18が取付けられている。
【0008】
ここで、上記した車体強度部材本体7は、図6、図7に示すように、通常、金属製の丸パイプによって構成されている。また、車体強度部材本体7は、要求される強度の違いにより、運転席側が太径パイプ21とされると共に、助手席側が細径パイプ22とされている。そして、太径パイプ21と細径パイプ22とは、連結部材24を介して一体化されている。連結部材24は、テーパ状の短管部材などとされている。太径パイプ21と連結部材24との間および連結部材24と細径パイプ22との間は、溶接固定(全周溶接)されている。
【0009】
また、上記したステー9は、金属製のものとされている。ステー9は、車体強度部材本体7の車幅方向6の中間部(ほぼ中央部)に取付けられている。ステー9は、通常は、1本または2本設けられる。ステー9は、ほぼ上下方向25に延設されている。ステー9は、その上端部を車体強度部材本体7の下部に固定されている。ステー9の上端部と車体強度部材本体7の下部との間は、溶接固定またはボルト固定とされている。図6の場合には、車幅方向6にボルト固定されている。この場合のボルト固定は、緊急時に外れない程度の強固なものとされている。また、ステー9は、その下端部を車室床部3に固定されている。ステー9の下端部と車室床部3との間は、ボルト固定とされている。図6の場合には、車幅方向6にボルト固定されている。
【0010】
上記したポストブラケット11は、金属製のものとされている。ポストブラケット11は、車体強度部材本体7の運転席側の部分(太径パイプ21)に取付けられている。ポストブラケット11は、ほぼ車両前後方向26に延設されている。ポストブラケット11は、その先端部を車室前壁2に固定されている。ポストブラケット11は、その後端部を車体強度部材本体7の前側に直接、または、コラムブラケット13を介して間接的に固定されている。ポストブラケット11の後端部と車体強度部材本体7またはコラムブラケット13との間は、溶接固定とされている。なお、ポストブラケット11は、図9に示すように、緊急時に、潰れることによって、車体強度部材本体7の後方への移動量を低減したり、緊急入力荷重27を吸収したり、することができるように構成されている。そのために、ポストブラケット11には、脆弱部28が設けられている。
【0011】
上記したコラムブラケット13は、金属製のものとされている。コラムブラケット13は、車体強度部材本体7の運転席側の部分(太径パイプ21)に取付けられている。ポストブラケット11は、ステアリングコラムの前後2箇所の部分を固定できるように、車体強度部材本体7の前後に設けられている。ポストブラケット11は、車体強度部材本体7に対して溶接固定されている。
【0012】
上記した空調ユニット取付部15は、車体強度部材本体7の車幅方向6の中間部(ほぼ中央部)や、ステー9などに取付けられている。空調ユニット14は、大部分が樹脂製のものとされている。
【0013】
上記したニープロテクタ18は、車体強度部材本体7の運転席側の部分(太径パイプ21)や、助手席側の部分(細径パイプ22)に取付けられている。図10の場合、ニープロテクタ18は、平均的体格の乗員の膝と対応するアッパブラケット18aと、小柄な乗員の膝と対応するロワブラケット18bとを、それぞれ別個に備えている。そして、アッパブラケット18aとロワブラケット18bとは、膝受部材18cによって連結されている。
【0014】
このような構成によれば、緊急時に、車両(車体)に前方からの緊急入力荷重27が作用すると、車室前壁2や左右の車室側壁4が、後方へ移動され、これに伴って、ポストブラケット11やサイドブラケット8などを介して車体強度部材本体7が後方へ移動されることとなる。この際、ポストブラケット11は、図9に示すように、脆弱部28が潰れることによって、車体強度部材本体7の後方への移動量を低減したり、緊急入力荷重27を吸収したりするように機能する。
【0015】
また、緊急時に、車室前壁2が後方へ移動されると、車室前壁2によって、大部分が樹脂製とされている空調ユニット14が潰れることになる。これによって、車体強度部材本体7やステー9の後方への移動量を低減したり、緊急入力荷重27を吸収したりすることができる。
【0016】
更に、図10に示すように、車体強度部材本体7に備えられたニープロテクタ18では、緊急時に、膝受部材18cが乗員の膝を受けると共に、アッパブラケット18aやロワブラケット18bが屈曲変形する(潰れる)ことにより、膝入力荷重16を吸収するように機能する。
【0017】
なお、膝受部材18cに対する膝当り高さの違いによって、平均的体格の乗員の場合には、主にアッパブラケット18aが屈曲変形する(潰れる)ことにより、その膝入力荷重16(図10中上側のもの)を吸収し、小柄な乗員の場合には、主にロワブラケット18bが屈曲変形する(潰れる)ことにより、その膝入力荷重16(図10中下側のもの)を吸収するように機能する。これにより、例えば、乗員が車外へ飛出すことなどが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2002−2744333号
【特許文献2】特開2005−112078号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、上記車体強度部材構造には、以下のような問題があった。
【0020】
即ち、緊急時には、ポストブラケット11が潰れることによって、車体強度部材本体7の後方への移動量を低減したり、緊急入力荷重27を吸収したりするようにしているが、このようなことを、主にポストブラケット11によって行わせるようにするのは、構造的に不利である。
【0021】
また、近年、燃費改善のニーズなどによって、自動車などの車両の軽量化が求められており、空調ユニット14も小型化や軽量化を図る必要が生じている。そのため、空調ユニット14は、内部が密になって、緊急時における潰れ代が小さくなってしまい、車体強度部材本体7やステー9の後方への移動量を低減したり、緊急入力荷重27を吸収したりする機能を空調ユニット14に持たせることが困難になっている。
【0022】
更に、ニープロテクタ18は、図10に示すように、車体強度部材本体7から下方へ延びるように構成されているため(アーム長L)、緊急時にニープロテクタ18が乗員の膝を受けて膝入力荷重16を吸収する際に、車体強度部材本体7には、捩れ方向のモーメントMや、前方へ向かう荷重F1や、上方へ向かう荷重F2などが作用されることになる。
【0023】
そして、乗員からの膝入力荷重16に対するニープロテクタ18の作動状態(潰れ方など)を予測して、予測通りに正確に作動させ得るようにするためには、上記したモーメントMや荷重F1,F2などによる車体強度部材本体7の変形をできるだけ小さくする必要がある。
【0024】
この車体強度部材本体7の変形を小さくするためには、
A.車体強度部材本体7の強度を高くする、
B.ポストブラケット11やステー9の強度を高くして、これらによって車体強度部材本体7の変形を抑止させるようにする、
などの手段が考えられるが、
Bの(間接的な)手段を採用する場合、ポストブラケット11は、上記したように、車体強度部材本体7の移動や折曲がりなどを防止するために、前方からの緊急入力荷重27に対して屈曲変形すると共に、後方からの乗員の膝入力荷重16に対しても屈曲変形する程度の強度を有するように構成されているので、即ち、ポストブラケット11は意図的に強度を弱められているので、ポストブラケット11よって車体強度部材本体7の変形を抑止させるようにするのは難しい。
【0025】
同様に、ステー9は、車載用オーディオ装置や制御ボックスなどを配置するために、インストルメントパネルの後面部の近くに位置するように、後方に取り回された側面視ほぼ「く」字状の後方取回形状を有しているので、即ち、ステー9は、強度確保を最優先にした構成を備えていないので、ステー9によって車体強度部材本体7の変形を抑止させるようにするのは難しい。
【0026】
よって、Aの(直接的な)手段を採用するのが最も効果が高くしかも現実性があるということになる。しかし、インストルメントパネルの内部は混み合っていてスペースに余裕がないため、車体強度部材本体7の断面係数を大きくして車体強度部材本体7の強度を高くするのは難しい。また、車体強度部材本体7の断面係数を大きくする代りに高張力鋼などの高強度の(高価な)材料を使用するのはコストがかかるので難しいという問題がある。
【0027】
また、上記以外にも、ニープロテクタ18を、車体強度部材本体7の変形を考慮した設計とすることなども考えられるが、乗員の膝の入力方向(膝入力荷重16の方向)には個人差や状況によるバラ付きなどがあるため、性能予測を正確に行うことが難しく、また、車体強度部材本体7の変形を考慮した設計をするには、多くの複雑な工程が必要になることなどが予測されることから、余り現実的な手段であるとは言えなかった。
【0028】
なお、上記した以外にも、本発明に至る過程で新たな問題やその他の問題などが発生することも考えられる。このような新たな問題やその他の問題などについては、この欄で記載する代りに本発明の実施例の中で説明するものとする。但し、この欄に記載する必要が生じた場合には、実施例中の当該記載をこの欄にも加えることができるものとする。また、その場合には、この欄の記載として適した表現に修正することができるものとする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、車室前部に車体強度部材が配設され、該車体強度部材が、少なくとも、ほぼ車幅方向へ延びる車体強度部材本体と、該車体強度部材本体を車室床部に支持可能なステーと、前記車体強度部材本体を車室前壁に支持可能なポストブラケットとを備えた車体強度部材構造において、車体強度部材本体とステーとを別部材として構成し、車体強度部材本体と、ステーとの間に、両者を取付可能な取付構造部を設けると共に、該取付構造部を、緊急入力荷重によって、車体強度部材本体とステーとが分離可能な緊急時分離可能取付構造部としたことを特徴としている。
【0030】
請求項2に記載された発明は、上記において、前記取付構造部が、車体強度部材本体とステーとに対し、互いに対応させてそれぞれ設けられた取付面部と、両取付面部間を固定可能な固定部とを備えると共に、前記緊急時分離可能取付構造部として、前記取付面部が、互いにほぼ車両前後方向へ移動可能な緊急時前後移動可能部を有すると共に、前記緊急時分離可能取付構造部として、前記固定部が、緊急入力荷重によって、車体強度部材本体とステーとの間の固定状態を解除可能な緊急時解除可能固定部とされたことを特徴としている。
【0031】
請求項3に記載された発明は、上記において、前記緊急時解除可能固定部が、車体強度部材本体とステーとが分離する際に、荷重吸収可能な荷重吸収部を備えたことを特徴としている。
【0032】
なお、上記は、それぞれ、所要の作用効果を発揮するための必要最小限の構成であり、上記構成の詳細や、上記されていない構成については、それぞれ自由度を有しているのは勿論である。そして、上記構成の記載から読取ることが可能な事項については、特に具体的に記載されていない場合であっても、その範囲内に含まれるのは勿論である。また、上記以外の構成を追加した場合には、追加した構成による作用効果が加わることになるのは勿論である。
【発明の効果】
【0033】
請求項1の発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、別部材として構成された車体強度部材本体と、ステーとは、取付構造部にて取付けられて一体化される。そして、車体強度部材は、車室前部に配設される。車室前部に配設された車体強度部材では、車体強度部材本体が、ほぼ車幅方向に延設される。また、車体強度部材本体は、ステーによって車室床部に支持される。そして、車体強度部材本体は、ポストブラケットによって車室前壁に支持される。そして、緊急入力荷重が作用した時には、車体強度部材本体とステーとの取付構造部に設けられた緊急時分離可能取付構造部によって、車体強度部材本体とステーとを分離させることができる。このように、緊急時に、車体強度部材本体とステーとが分離されて、それぞれ、必要量だけ移動し得るようにすることにより、車体強度部材本体やステーの変形を低減することが可能となる。また、必要に応じて、車体強度部材本体やステーの強度アップなどを図ることなども可能となる。
【0034】
請求項2の発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、車体強度部材本体の下部と、ステーの上端部との取付構造部(緊急時分離可能取付構造部)は、取付面部(緊急時前後移動可能部)どうしを合わせて、固定部(緊急時解除可能固定部)にて固定することにより、取付けられるようになっている。そして、ステーなどに緊急入力荷重が作用した時に、緊急時分離可能取付構造部は、緊急時解除可能固定部が、車体強度部材本体とステーとの間の固定状態を解除する。そして、緊急時前後移動可能部が、車体強度部材本体とステーとを、ほぼ車両前後方向へ相対的にスライドさせるように機能する。
【0035】
請求項3の発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、車体強度部材本体とステーとが分離する際に、緊急時解除可能固定部に備えられた荷重吸収部によって、緊急入力荷重やモーメントなどの荷重を吸収することができる。これにより、車体強度部材本体やステーの強度を上げることなく、緊急入力荷重やモーメントなどによる車体強度部材本体やステーの変形などを効果的に防止することが可能となる。また、車体強度部材本体やステーの移動量なども低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施例にかかる車体強度部材の斜視図である。
【図2】図1のステー部分の側面図である。
【図3】図2のステー取付部分の底面図である。
【図4】ステー取付部分の他の例を示す図である。
【図5】図2と同様の部分の作動図である。
【図6】従来例にかかる車室前部の斜視図である。
【図7】別の従来例にかかる車体強度部材の斜視図である。
【図8】車体強度部材のステー部分の側面図である。
【図9】車体強度部材のポストブラケット部分の平面図である。
【図10】車体強度部材のニープロテクタ部分の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は、主に、緊急入力荷重への対応力を高め得るようにすることを目的としている。
【0038】
以下、本発明を具体化した実施例について、図示例と共に説明する。
【0039】
なお、以下の実施例は、上記した背景技術や発明が解決しようとする課題などと密接な関係があるので、必要が生じた場合には、互いに、記載を流用したり、必要な修正を伴って流用したりすることができるものとする。
【実施例】
【0040】
図1〜図5は、この発明の実施例およびその変形例を示すものである。
【0041】
<構成>まず、構成について説明する。
【0042】
自動車などの車両には、車室内の前部に樹脂製のインストルメントパネル(車室前部内装パネル)が設けられている。このインストルメントパネルの内部には、金属製の車体強度部材が設けられている。
【0043】
まず、図1中、符号31は車幅方向、符号32は車両前後方向、符号33は上下方向である。
【0044】
また、図2に示すように、車室の前部(車室前部34)は、車室前壁35と、車室床部36と、車室側壁37とを備えている。
【0045】
そして、図1に示すように、この車室前部34に配設された車体強度部材41は、ほぼ車幅方向31へ延びる車体強度部材本体42を備えている。車体強度部材41は、車体強度部材本体42の両端部を左右の車室側壁37に取付けるためのサイドブラケット43を備えている。また、車体強度部材41は、車体強度部材本体42を車室床部36に支持可能なステー44を備えている。更に、車体強度部材41は、車体強度部材本体42を車室前壁35に支持可能なポストブラケット45を備えている。
【0046】
そして、以上のような基本構成に対し、この実施例のものでは、以下のような構成を備えるようにしている。
【0047】
(1)先ず、車体強度部材本体42とステー44とを別部材として構成する。そして、車体強度部材本体42と、ステー44との間に、両者を取付可能な取付構造部46を設ける。更に、この取付構造部46を、緊急入力荷重Fによって、車体強度部材本体42とステー44とが分離可能な緊急時分離可能取付構造部47とする。
【0048】
(2)上記において、取付構造部46が、図2に示すように、車体強度部材本体42とステー44とに対し、互いに対応させてそれぞれ設けられた取付面部48,49と、図3に示すように、両取付面部48,49間を固定可能な固定部51とを備えるようにする。そして、緊急時分離可能取付構造部47として、図2の取付面部48,49が、互いにほぼ車両前後方向32へ移動可能な緊急時前後移動可能部52,53を有するものとする。また、緊急時分離可能取付構造部47として、図3の固定部51が、緊急入力荷重Fによって、車体強度部材本体42とステー44との間の固定状態を解除可能な緊急時解除可能固定部54となるようにする。
【0049】
ここで、取付面部48,49、または、緊急時前後移動可能部52,53は、ほぼ水平且つ平坦で、且つ、互いに摺接可能な面(水平面部、摺接面部)とされている。但し、取付面部48,49、または、緊急時前後移動可能部52,53は、車体強度部材本体42およびステー44のどちらかの、車両前後方向32のどちらか一方への移動を規制可能なストッパ部50を設けることもできる。このストッパ部50については、後述する。
【0050】
固定部51は、例えば、図3に示すように、ネジ55とネジ孔56とを用いた締結固定部57とすることができる。そして、固定部51を緊急時解除可能固定部54とするために、例えば、上記したネジ孔56を車両前後方向32へ延びる長孔58などとすることにより、移動可能締結固定部59とすることもできる。
【0051】
また、固定部51は、例えば、特に図示しないが、リベットなどを用いたカシメ固定部とすることができる。このリベットは、その強度を最適に設定することにより、そのまま緊急時解除可能固定部54として利用することができる(破断可能カシメ固定部)。
【0052】
或いは、固定部51は、例えば、図4に示すように、フック部65と図示しないフック係止孔部とを有する係止固定部67とすることができる。このフック部65は、その強度を最適に設定することにより、そのまま緊急時解除可能固定部54として利用することができる(変形可能係止固定部68)。この場合、フック部65とフック係止孔部とは、それぞれ車体強度部材本体42とステー44とのどちらかに設けるようにする。
【0053】
(3)上記において、緊急時解除可能固定部54が、車体強度部材本体42とステー44とが分離する際に、荷重吸収可能な荷重吸収部71を備えるようにする。
【0054】
ここで、荷重吸収可能部71が吸収する緊急入力荷重Fには、例えば、前方からのもの(一次荷重Fa)や、後方からのもの(二次荷重Fb)などがある。このうち、後方からの緊急入力荷重Fには、例えば、乗員による膝入力荷重などがある。
【0055】
なお、緊急時解除可能固定部54としての上記移動可能締結固定部59は、その長孔58の幅を、中央のネジ55を通す部分を除いて、ネジ55の径よりも細い細溝部72として、ネジ55が細溝部72を押し広げることで、荷重吸収部71とすることができる。
【0056】
また、緊急時解除可能固定部54としての上記リベットなどの破断可能カシメ固定部は、その破断荷重を、荷重吸収にとって最適となるように設定することで荷重吸収部71を備えたものとすることができる。
【0057】
或いは、緊急時解除可能固定部54としての上記係止固定部67は、そのフック部65の変形荷重を、荷重吸収にとって最適となるように設定することで荷重吸収部71を備えたものとすることができる。
【0058】
(4)ここで、上記した車体強度部材本体42は、図1に示すように、少なくとも高剛性構造部分81を備えている。高剛性構造部分81は、車体強度部材本体42に対し、全体的に設けるようにしても良いが、この場合には、車体強度部材本体42の最も強度・剛性を必要とする部位に対して部分的に設けるようにしている。この場合には、高剛性構造部分81は、運転席側の中核部分に設けられている。
【0059】
高剛性構造部分81は、複数の閉断面部82を有するものとされている(図2参照)。この場合、高剛性構造部分81は、ほぼ車幅方向31へ延びる3つの閉断面部82を、ほぼ車両前後方向32へ一体に連接したものとされている。3つの閉断面部82は、車両前後方向32の前側のもの程大きく、後側のもの程小さくなるように構成されている。
【0060】
なお、閉断面部82の数および配置は、上記したようにするのが最もシンプルで合理的なものとなるが、これに限るものではない。高剛性構造部分81は、例えば、軽金属製や軽合金製のものとされている。このような軽金属製や軽合金製の高剛性構造部分81は、押出加工によって製造することができる。この押出加工による高剛性構造部分81は、車幅方向31に対して均一断面のものとなる。
【0061】
そして、車体強度部材本体42における、高剛性構造部分81の両側には、金属製のパイプ状部材84が設けられている。金属製のパイプ状部材84は、この場合には、同径のものとされている。金属製のパイプ状部材84は、高剛性構造部分81の閉断面部82(この場合には、最も前側に位置する最も大きな閉断面部82)に嵌合固定されている。
【0062】
この場合、高剛性構造部分81は、上記したように、複数の閉断面部82をほぼ車両前後方向32へ一体に連接することにより、車両前後方向32の寸法が比較的大きく(長く)、上下方向23の寸法が比較的小さい(厚みが薄く)なるように構成されている。これにより、高剛性構造部分81は、車両前後方向32の緊急入力荷重Fに対して強度、剛性が高い構造とされている。
【0063】
そして、高剛性構造部分81は、その下面側のほぼ全面または大部分を、水平な平坦面とすることにより、上記した取付面部48,49、または、緊急時前後移動可能部52,53が形成されている。
【0064】
これに対し、高剛性構造部分81の下面側の後端部分には、後上がりの傾斜部85が形成されている。この後上がりの傾斜部85は、図示しないステアリングコラムが、後上がりに傾斜されていることから、ステアリングコラムとほぼ対応する傾斜を有して、ステアリングコラム(の後側固定部)を取付可能なコラム後部取付部として使用可能なように構成されている。
【0065】
また、上記した後上がりの傾斜部85は、車体強度部材本体42(高剛性構造部分81)に対するステー44の相対的な前方への移動を規制可能な上記したストッパ部50のストッパ面87として使用可能なように構成されている。これに対し、ステー44の上端部の後側部分には、ストッパ部50として、上記したストッパ面87と対応するストッパ面88が設けられる。
【0066】
なお、例えば、車体強度部材本体42(高剛性構造部分81)に対するステー44の相対的な後方への移動を規制する必要がある場合には、上記したストッパ部50は、高剛性構造部分81の下面側の前端部分に対して設けるようにする。
【0067】
(5)また、上記したステー44は、金属製のものとされている。このステー44は、一枚の金属板材を、平面視ほぼコ字状の断面を有するように曲げ加工するなどによって構成されている。ステー44は、車体強度部材本体42における高剛性構造部分81の車幅方向31の中間部(ほぼ中央部)に取付けられている。この場合、ステー44は、1本とされている。ステー44は、ほぼ上下方向33に延設されている。ステー44は、その上端部を車体強度部材本体42の下部(下面部分)に固定される。このステーの上端部には、上記した取付面部49(緊急時前後移動可能部53)が一体に形成される。また、ステー44は、その下端部を車室床部36に対して固定されている。ステー44の下端部と車室床部36との間は、ネジ固定とされている。ここでは、車幅方向31にネジ固定されている。
【0068】
ステー44は、その下端側部分よりも、その上端側部分の方が断面が大きくなるように構成されている。そのために、ステー44の上端側部分には、上方へ進むに従い断面が拡大する断面拡大部91を有している。この断面拡大部91の上端部は、高剛性構造部分81の車両前後方向32の(幅)寸法とほぼ等しくなるように構成されている。この場合、ステー44は、その後縁部がほぼ上下方向に直線的に延びるものとされると共に、その前縁部がほぼ上下方向に「く」字状に延びるものとされている。
【0069】
(6)上記したポストブラケット45は、金属製のものとされている。このポストブラケット45は、側面視ほぼ三角形状のものとされている。側面視三角形状のポストブラケット45は、緊急入力荷重Fによって潰れない程度の強度を有するものとして構成されている。
【0070】
また、上記した車体強度部材41は、車体強度部材本体42の高剛性構造部分81に、ステアリングコラム(の前側固定部)を取付可能なコラムブラケット95を備えている。そして、このコラムブラケット95は、高剛性構造部分81の前側部分に固定されている。
【0071】
そして、高剛性構造部分81およびコラムブラケット95に対し、上記したポストブラケット45は、車体強度部材本体42(の高剛性構造部分81)と、ステー44との関係と同じ、取付構造を備えている。
【0072】
簡単に説明すると、(a)高剛性構造部分81およびコラムブラケット95とポストブラケット45とは、別部材で構成されると共に、両者間の取付構造部に、緊急時分離可能取付構造部が設けられている。(b)緊急時分離可能取付構造部が、緊急時解除可能固定部を有している。(c)緊急時解除可能固定部が荷重吸収部71を備えている。なお、その詳細(構成および作用効果)については、ステー44をポストブラケット45と読み替えることによって知ることができる。但し、高剛性構造部分81およびコラムブラケット95に対し、上記したポストブラケット45は、車両前後方向32で且つ、後上がりの方向に対して相対的に移動可能となるように構成されている。即ち、ステー44とは移動方向が完全に一致しないように意図的に構成されている。
【0073】
(7)また、図2に示すように、車体強度部材41における、車体強度部材本体42のほぼ下方で、ステー44のほぼ前側の位置には、空調ユニット97が配置される。この空調ユニット97は、大部分が樹脂製のものとされている。
【0074】
(8)更に、図1に示すように、車体強度部材41は、車体強度部材本体42(の高剛性構造部分81)に、緊急時に乗員の膝を受けると共に、緊急入力荷重F(乗員の膝入力荷重などの二次荷重Fb)を吸収可能なニープロテクタ98が取付けられている。このニープロテクタ98については、図10のものと同様なので、ここでは、詳細は省略する。但し、必要な場合には、図10およびそれに対する記載を流用することができる。
【0075】
<作用>次に、この実施例の作用について説明する。
【0076】
緊急時に、図5に示すように、車両(車体)に前方からの緊急入力荷重F(一次荷重Fa)が作用すると、車室前壁35や左右の車室側壁37が、後方へ移動され、これに伴って、ポストブラケット45やサイドブラケット43などを介して車体強度部材本体42が後方へ向かう力を受けることとなる。この際、特に図示しないが、車体強度部材本体42(高剛性構造部分81)およびコラムブラケット95に対し、ポストブラケット45が分離して、車両前後方向32の後方で且つ、後上がりの方向へ相対的に移動することによって、車体強度部材本体42の後方への移動量を低減したり、緊急入力荷重Fを吸収したりするように機能する。
【0077】
また、緊急時に、車室前壁35が後方へ移動されると、車室前壁35によって、大部分が樹脂製とされている空調ユニット97が後方へ移動する。この際、車体強度部材本体42(高剛性構造部分81)に対し、ステー44が分離して、車両前後方向32の後方へ相対的に移動することによって、車体強度部材本体42の後方への移動量を低減したり、緊急入力荷重Fを吸収したりするように機能する。
【0078】
更に、車体強度部材本体42に備えられたニープロテクタ98では、緊急時に、緊急入力荷重F(乗員の膝入力荷重などの二次荷重Fb)を吸収するように機能する。これにより、例えば、乗員が車外へ飛出すことなどが防止される。
【0079】
このように、この実施例によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
【0080】
(1)別部材として構成された車体強度部材本体42と、ステー44とは、取付構造部46にて取付けられて一体化される。そして、車体強度部材41は、車室前部34に配設される。車室前部34に配設された車体強度部材41では、車体強度部材本体42が、ほぼ車幅方向31に延設される。また、車体強度部材本体42は、ステー44によって車室床部36に支持される。そして、車体強度部材本体42は、ポストブラケット45によって車室前壁35に支持される。
【0081】
そして、緊急入力荷重Fが作用した時には、車体強度部材本体42とステー44との取付構造部46に設けられた緊急時分離可能取付構造部47によって、車体強度部材本体42とステー44とを分離させることができる。
【0082】
これにより、例えば、車体強度部材本体42に後方へ向かう緊急入力荷重Fが作用された場合に、ステー44に対して車体強度部材本体42のみを後方へ移動させるようにすることができる。反対に、車体強度部材本体42に前方へ向かう緊急入力荷重Fが作用された場合に、ステー44に対して車体強度部材本体42のみを前方へ移動させるようにすることができる。以て、車体強度部材本体42への緊急入力荷重Fによって、ステー44が受ける影響を、低減させることができる。よって、ステー44は、緊急時においても、その機能を継続して発揮し続けることが可能となる。なお、ステー44は、例えば、車載用オーディオ装置や制御ボックスなどを支持したり、インストルメントパネルを取付けたりするなどの機能を有している。
【0083】
或いは、ステー44に後方へ向かう緊急入力荷重Fが作用された場合に、車体強度部材本体42に対してステー44のみを後方へ移動させるようにすることができる。反対に、ステー44に前方へ向かう緊急入力荷重Fが作用された場合に、車体強度部材本体42に対してステー44のみを前方へ移動させるようにすることができる。以て、ステー44への緊急入力荷重Fによって、車体強度部材本体42が受ける影響を、低減させることができる。よって、車体強度部材本体42は、緊急時においても、その機能を継続して発揮し続けることが可能となる。なお、車体強度部材本体42は、ステアリングコラムを支持するなどの機能を有している。
【0084】
ここで、後方へ向かう緊急入力荷重Fは、車室前壁35の後退などによって、車体強度部材本体42に取付けられたポストブラケット45やサイドブラケット43や空調装置などを介して、間接的に車体強度部材本体42やステー44に作用されることとなる。
【0085】
また、前方へ向かう緊急入力荷重Fは、車体強度部材本体42に取付けられたニープロテクタ98への乗員の膝入力などによって、間接的に車体強度部材本体42やステー44に作用されることとなる。
【0086】
更に、緊急時に、車体強度部材本体42とステー44との取付構造部46に設けられた緊急時分離可能取付構造部47によって、車体強度部材本体42とステー44とが分離されることで、車体強度部材本体42またはステー44の一方に作用されたモーメントなどの影響を、他方へ伝え難くすることができる。
【0087】
このように、緊急時に、車体強度部材本体42とステー44とが分離されて、それぞれ、必要量だけ移動し得るようにすることにより、車体強度部材本体42やステー44の変形を低減することが可能となる。また、必要に応じて、車体強度部材本体42やステー44の強度アップなどを図ることなども可能となる。
【0088】
(2)車体強度部材本体42の下部と、ステー44の上端部との取付構造部46(緊急時分離可能取付構造部47)は、取付面部48,49(緊急時前後移動可能部52,53)どうしを合わせて、固定部51(緊急時解除可能固定部54)にて固定することにより、取付けられるようになっている。
【0089】
そして、ステー44などに緊急入力荷重Fが作用した時に、緊急時分離可能取付構造部47は、緊急時解除可能固定部54が、車体強度部材本体42とステー44との間の固定状態を解除する。そして、緊急時前後移動可能部52,53が、車体強度部材本体42とステー44とを、ほぼ車両前後方向32へ相対的にスライドさせるようにガイドする。
【0090】
なお、取付面部48,49、または、緊急時前後移動可能部52,53にストッパ部50を設けることにより、車体強度部材本体42およびステー44のどちらかの、車両前後方向32のどちらか一方への移動を規制させることができる。この実施例では、車体強度部材本体42に対するステー44の前方への移動を規制するようにしている。
【0091】
なお、緊急時解除可能固定部54は、ネジ55と車両前後方向32へ延びる長孔58とを有する移動可能締結固定部59や、リベットなどのカシメ固定部(破断可能カシメ固定部)や、フック部65とフック係止孔部とを有する係止固定部67(変形可能係止固定部68)などとすることができる。
【0092】
(3)車体強度部材本体42とステー44とが分離する際に、緊急時解除可能固定部54に備えられた荷重吸収部71によって、緊急入力荷重Fやモーメントなどの荷重を吸収することができる。
【0093】
これにより、車体強度部材本体42やステー44の強度を上げることなく、緊急入力荷重Fやモーメントなどによる車体強度部材本体42やステー44の変形などを効果的に防止することが可能となる。また、車体強度部材本体42やステー44の移動量なども低減することが可能となる。
【0094】
なお、緊急時解除可能固定部54としての上記移動可能締結固定部59は、その長孔58をネジ55の径よりも細い細溝部72として、ネジ55に細溝部72を押し広げるようにすることで荷重吸収部71とすることができる。また、緊急時解除可能固定部54としての上記リベットなどの破断可能カシメ固定部は、その破断荷重を、荷重吸収にとって最適に設定することで荷重吸収部71とすることができる。或いは、緊急時解除可能固定部54としての上記係止固定部67は、そのフック部65の変形荷重を、荷重吸収にとって最適に設定することで荷重吸収部71とすることができる。
【0095】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
【産業上の利用可能性】
【0096】
緊急入力荷重への対応力を高めることができる構造を実現している。
【符号の説明】
【0097】
31 車幅方向
32 車両前後方向
34 車室前部
35 車室前壁
36 車室床部
41 車体強度部材
42 車体強度部材本体
44 ステー
45 ポストブラケット
46 取付構造部
47 緊急時分離可能取付構造部
48 取付面部
49 取付面部
51 固定部
52 緊急時前後移動可能部
53 緊急時前後移動可能部
54 緊急時解除可能固定部
71 荷重吸収部
F 緊急入力荷重

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室前部に車体強度部材が配設され、
該車体強度部材が、少なくとも、ほぼ車幅方向へ延びる車体強度部材本体と、該車体強度部材本体を車室床部に支持可能なステーと、前記車体強度部材本体を車室前壁に支持可能なポストブラケットとを備えた車体強度部材構造において、
車体強度部材本体とステーとを別部材として構成し、車体強度部材本体と、ステーとの間に、両者を取付可能な取付構造部を設けると共に、
該取付構造部を、緊急入力荷重Fによって、車体強度部材本体とステーとが分離可能な緊急時分離可能取付構造部としたことを特徴とする車体強度部材構造。
【請求項2】
前記取付構造部が、車体強度部材本体とステーとに対し、互いに対応させてそれぞれ設けられた取付面部と、両取付面部間を固定可能な固定部とを備えると共に、
前記緊急時分離可能取付構造部として、前記取付面部が、互いにほぼ車両前後方向へ移動可能な緊急時前後移動可能部を有すると共に、
前記緊急時分離可能取付構造部として、前記固定部が、緊急入力荷重によって、車体強度部材本体とステーとの間の固定状態を解除可能な緊急時解除可能固定部とされたことを特徴とする請求項1記載の車体強度部材構造。
【請求項3】
前記緊急時解除可能固定部が、車体強度部材本体とステーとが分離する際に、荷重吸収可能な荷重吸収部を備えたことを特徴とする請求項2記載の車体強度部材構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−179662(P2010−179662A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22080(P2009−22080)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】