説明

車体後部の下部構造

【課題】本発明の目的は、車両後方からの荷重が加えられた場合に、スペアタイヤハウスの変形及びスペアタイヤの回動動作がよりスムーズに行われ、荷重の吸収効果を高めることが可能な車体後部の下部構造を提供することにある。
【解決手段】本発明は、車体後部1の下部構造において、リヤサイドメンバ2が、車両前後方向でリヤサイドメンバ前部10とリヤサイドメンバ後部11とに分割され、スペアタイヤハウス下部のクロスメンバ26が、リヤサイドメンバ後部11に連結され、スペアタイヤハウス下部のクロスメンバ26の車幅方向中央部26aが、車両後方に向かって延在するとともに斜め下方向に向かって湾曲している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体後部のリヤフロアに形成されるスペアタイヤハウスを備える車体後部の下部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な車両では、車体後部のリヤフロアにスペアタイヤを収納するためのスペアタイヤハウスが設けられている。このような構造の車両において、車両後方からの荷重が加えられた場合、スペアタイヤハウスが変形し、かつ車両前方に移動することがある。特に、スペアタイヤハウスの車両前方には燃料タンクが配置されているので、変形したスペアタイヤハウスが燃料タンクに接触するおそれがある。
【0003】
このような場合に、スペアタイヤハウスと燃料タンクとの間の距離を確保することによって、スペアタイヤハウス周辺で荷重を吸収する対策が考えられる。
一方、スペアタイヤハウス及び燃料タンク以外の部品を配置するスペースも確保する必要があり、かつ車体部品のレイアウトには制限が多いため、スペアタイヤハウスと燃料タンクとの間の距離を十分に確保できないことが多い。しかも、小型車の場合は、スペアタイヤハウスの周辺に十分な空間を確保することが難しい。
【0004】
そこで、特許文献1に開示された構造では、変形したスペアタイヤハウスがリヤデファレンシャル装置や燃料タンクと接触するのを避けるために、スペアタイヤハウスの底面が、前部から後部に向けて斜め後ろ下がりに傾斜して形成されている。そして、スペアタイヤハウスの底面の下側には、車両前後方向に延在するレインフォースが配設され、このレインフォースには、スロープ状のガイド面が形成されている。このスロープ状のガイド面は、スペアタイヤハウスがリヤデファレンシャル装置の上側へ乗り上げるのをガイドするようになっている。
したがって、特許文献1に開示された構造では、車両後方からの荷重が加えられた場合、スペアタイヤハウスが、レインフォースのガイド面によってリヤデファレンシャル装置の上側へガイドされながら変形し、リヤデファレンシャル装置や燃料タンクへの干渉を防ぐようになっている。また、スペアタイヤハウスが変形する際、スペアタイヤは、上端部が車両後方に向かって回動するので、スペアタイヤが後席シートに接触しにくくなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−316050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の構成では、スペアタイヤハウスの下面にレインフォースが設けられているので、スペアタイヤハウスの面剛性が高く、車両後方からの荷重が加えられた場合、スペアタイヤハウスが変形しにくく、車両後方からの荷重を効率良く吸収できていないという問題があった。
【0007】
また、特許文献1の構成では、スペアタイヤハウスが変形する際、スペアタイヤハウスの下面のレインフォースのガイド面が、リヤデファレンシャル装置に接触するので、前方に配置されたリヤデファレンシャル装置などの構造物に車両後方から受けた荷重が伝達されてしまうという問題もあった。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、車両後方からの荷重が加えられた場合に、スペアタイヤハウスの変形及びスペアタイヤの回動動作がよりスムーズに行われ、荷重の吸収効果を高めることが可能な車体後部の下部構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明によれば、車体後部のリヤフロアに形成され、スペアタイヤを収納するスペアタイヤハウスと、前記スペアタイヤハウスの下側に配設され、左右両側の前記リヤサイドメンバに連結するスペアタイヤハウス下部のクロスメンバと、前記リヤフロアの後端部に配設されたリヤバンパメンバとを備え、前記スペアタイヤハウスの底面後部が、車両後方に向かって延在するとともに斜め下方向に向かって傾斜する傾斜部を有し、前記スペアタイヤは、前部が後部より上方に位置するような傾斜状態で配置されている車体後部の下部構造において、前記リヤサイドメンバが、車両前後方向でリヤサイドメンバ前部とリヤサイドメンバ後部とに分割され、前記スペアタイヤハウス下部のクロスメンバが、前記リヤサイドメンバ後部に連結され、前記スペアタイヤハウス下部のクロスメンバの車幅方向中央部が、車両後方に向かって延在するとともに斜め下方向に向かって湾曲している。
【0010】
また、本発明の別の実施態様によれば、前記リヤサイドメンバ前部が、前記リヤサイドメンバ後部よりも高い剛性を有している。
【0011】
また、本発明の別の実施態様によれば、前記リヤサイドメンバ前部と前記リヤサイドメンバ後部との分割箇所には、前記リヤサイドメンバ前部及び前記リヤサイドメンバ後部よりも剛性が低い脆弱部が設けられている。
【0012】
また、本発明の別の実施態様によれば、前記スペアタイヤハウス下部のクロスメンバの車幅方向中央部には、車両前後方向に延在する牽引フック用ブラケットが設けられ、前記牽引フック用ブラケットの前端部が、前記スペアタイヤハウス下部のクロスメンバに連結されるとともに、前記牽引フック用ブラケットの後端部が、前記リヤフロアの後端部に連結されている。
【0013】
また、本発明の別の実施態様によれば、前記スペアタイヤハウスの底面前部は、平坦部を有し、前記スペアタイヤハウスの底面後部の前記傾斜部は、前記平坦部から車両後方に向かって延在するとともに斜め下方向に向かって傾斜しており、前記平坦部及び前記傾斜部の境目部分は、車幅方向に略直線状に形成されており、前記平坦部及び前記傾斜部の境目部分と前記リヤサイドメンバ前部及び前記リヤサイドメンバ後部の分割位置とが、車両前後方向で一致している。
【0014】
また、本発明の別の実施態様によれば、前記スペアタイヤハウス下部のクロスメンバが、前記リヤサイドメンバ前部及び前記リヤサイドメンバ後部の分割位置の近傍に連結されている。
【0015】
また、本発明の別の実施態様によれば、前記スペアタイヤハウスの底面後部の前記傾斜部には、スペアタイヤブラケットが設置され、前記スペアタイヤは、前記スペアタイヤブラケットを介して前記スペアタイヤハウスに取付けられている。
【0016】
また、本発明の別の実施態様によれば、収納状態にある前記スペアタイヤの前端部が、前記リヤバンパメンバの中心を通る軸線よりも高い位置に配置され、収納状態にある前記スペアタイヤの後端部が、前記リヤバンパメンバの中心を通る軸線よりも低い位置に配置されている。
【0017】
また、本発明の別の実施態様によれば、前記スペアタイヤハウスの車両前方に配設され、左右両側の前記リヤサイドメンバに連結するスペアタイヤハウス前方のクロスメンバを更に備え、前記第1のリヤクロスメンバが、前記リヤサイドメンバ前部に連結されている。
【0018】
また、本発明の別の実施態様によれば、前記スペアタイヤハウス前方のクロスメンバと前記リヤサイドメンバ前部とに連結され、前記スペアタイヤハウスの前部の周辺に沿って延在する補強部材を備えている。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る車体後部の下部構造によれば、車体後部のリヤフロアに形成され、スペアタイヤを収納するスペアタイヤハウスと、前記スペアタイヤハウスの下側に配設され、左右両側の前記リヤサイドメンバに連結するスペアタイヤハウス下部のクロスメンバと、前記リヤフロアの後端部に配設されたリヤバンパメンバとを備え、前記スペアタイヤハウスの底面後部が、車両後方に向かって延在するとともに斜め下方向に向かって傾斜する傾斜部を有し、前記スペアタイヤは、前部が後部より上方に位置するような傾斜状態で配置されている車体後部の下部構造において、前記リヤサイドメンバが、車両前後方向でリヤサイドメンバ前部とリヤサイドメンバ後部とに分割され、前記スペアタイヤハウス下部のクロスメンバが、前記リヤサイドメンバ後部に連結され、前記スペアタイヤハウス下部のクロスメンバの車幅方向中央部が、車両後方に向かって延在するとともに斜め下方向に向かって湾曲しているので、車両後方から荷重が車体後部に掛かった際に、当該荷重は、バンパ取付部を経てリヤサイドメンバに伝わるとともに、車両後方に向かって延在するスペアタイヤハウス下部のクロスメンバの車幅方向中央部にも伝わる。この際、リヤサイドメンバは、荷重によって分割位置で折れ曲がる。それと共に、スペアタイヤハウス下部のクロスメンバの車幅方向中央部が、荷重によって回転モーメントを得て、スペアタイヤハウスの下側からスペアタイヤハウスの変形を促進する。その結果、スペアタイヤハウスの底面後部が下方に向かって折れ曲がる。このように、荷重によってスペアタイヤハウスが変形すると、傾斜状態で配置されたスペアタイヤの前部が車両後方側に向かうように縦方向に大きく回動することになる。
さらに、リヤサイドメンバが分割位置で折れ曲がり易く構成されるとともに、スペヤタイヤハウスの底面も、傾斜部の位置で折れ曲がり易く構成されている。しかも、リヤサイドメンバ及びスペヤタイヤハウスが同方向に折れ曲がるので、スムーズなリヤサイドメンバの変形及びスペアタイヤハウスの変形が起こり、車体後部に掛かった荷重を確実に吸収することができる。
また、車両後方から荷重が車体後部に掛かった際に、スペアタイヤの前部が車両後方側に向かうように縦方向に大きく回動するので、スペアタイヤの回動の際にスペアタイヤの前端が、前方に配置された燃料タンク等の構造物に接触することもない。
また、車両後方から荷重が車体後部に掛かった際に、スペアタイヤハウスの底面後部が下方に向かって折れ曲がるようになっているので、スペアタイヤハウスが前方に向かって移動することが抑えられ、スペアタイヤハウスの底面が、前方に配置された燃料タンク等の構造物に接触することもない。
【0020】
また、本発明に係る車体後部の下部構造によれば、前記リヤサイドメンバ前部が、前記リヤサイドメンバ後部よりも高い剛性を有しているので、車両後方から荷重が車体後部に掛かった際に、リヤサイドメンバの変形が、剛性の小さいリヤサイドメンバ後部から進み、ある程度リヤサイドメンバ後部が変形した後に、リヤサイドメンバが分割位置で折れ曲がることになる。したがって、車両後方から荷重が車体後部に掛かる際に、リヤサイドメンバ後部の変形により、荷重をより効果的に吸収することができる。
【0021】
また、本発明に係る車体後部の下部構造によれば、前記リヤサイドメンバ前部と前記リヤサイドメンバ後部との分割箇所には、前記リヤサイドメンバ前部及び前記リヤサイドメンバ後部よりも剛性が低い脆弱部が設けられているので、リヤサイドメンバが、分割位置でより折れ曲がり易くなる。これにより、よりスムーズなリヤサイドメンバの変形及びスペアタイヤハウスの変形が起こり、車体後部に掛かった荷重をより効果的に吸収することができる。
【0022】
また、本発明に係る車体後部の下部構造によれば、前記スペアタイヤハウス下部のクロスメンバの車幅方向中央部には、車両前後方向に延在する牽引フック用ブラケットが設けられ、前記牽引フック用ブラケットの前端部が、前記スペアタイヤハウス下部のクロスメンバに連結されるとともに、前記牽引フック用ブラケットの後端部が、前記リヤフロアの後端部に連結されているので、車両後方から荷重が車体後部に掛かった際に、当該荷重が、牽引フック用ブラケットを経てスペアタイヤハウス下部のクロスメンバの車幅方向中央部に伝わることになる。つまり、車両後方からの荷重が、スペアタイヤハウス下部のクロスメンバの車幅方向中央部に伝わり易くなり、スペアタイヤハウスの変形を促進することができる。これにより、スペアタイヤハウスの変形をより確実に、早く起こすことができる。その結果、車体後部に掛かった荷重をより効果的に吸収することができ、スペアタイヤの回動動作も確実に起こすことができる。
【0023】
また、本発明に係る車体後部の下部構造によれば、前記スペアタイヤハウスの底面前部は、平坦部を有し、前記スペアタイヤハウスの底面後部の前記傾斜部は、前記平坦部から車両後方に向かって延在するとともに斜め下方向に向かって傾斜しており、前記平坦部及び前記傾斜部の境目部分は、車幅方向に略直線状に形成されており、前記平坦部及び前記傾斜部の境目部分と前記リヤサイドメンバ前部及び前記リヤサイドメンバ後部の分割位置とが、車両前後方向で一致しているので、車両後方から荷重が車体後部に掛かった際に、スペアタイヤハウスの底面は前記境目部分で直線状に折れることになる。しかも、リヤサイドメンバの折れ曲がる位置とスペアタイヤハウスの折れ曲がる位置とが車両前後方向で一致するので、車両後方から荷重が車体後部に掛かった際に、リヤサイドメンバ及びスペアタイヤハウスが互いに同方向に折れ易くなる。これにより、リヤサイドメンバの変形及びスペアタイヤハウスの変形をより確実に、早く起こすことができる。その結果、車体後部に掛かった荷重をより効果的に吸収することができ、スペアタイヤの回動動作も確実に起こすことができる。
【0024】
また、本発明に係る車体後部の下部構造によれば、前記スペアタイヤハウス下部のクロスメンバが、前記リヤサイドメンバ前部及び前記リヤサイドメンバ後部の分割位置の近傍に連結されているので、車両後方から荷重が車体後部に掛かった際に、スペアタイヤハウス下部のクロスメンバの車幅方向中央部に伝わった荷重が、リヤサイドメンバ前部及びリヤサイドメンバ後部の分割位置に伝わり、リヤサイドメンバの分割位置での折れ曲がりがより促進されることになる。これにより、よりスムーズなリヤサイドメンバの変形が起こり、車体後部に掛かった荷重をより効果的に吸収することができる。
【0025】
また、本発明に係る車体後部の下部構造によれば、前記スペアタイヤハウスの底面後部の前記傾斜部には、スペアタイヤブラケットが設置され、前記スペアタイヤは、前記スペアタイヤブラケットを介して前記スペアタイヤハウスに取付けられているので、スペアタイヤが、スペアタイヤハウスにおいて下方に折れ曲がる側(傾斜部)に取付けられることになる。したがって、リヤフロアからスペアタイヤブラケットへの荷重が効率よく伝わることになり、スペアタイヤの前部を車両後方側に向かって回動させる動作をより促進することができる。
【0026】
また、本発明に係る車体後部の下部構造によれば、収納状態にある前記スペアタイヤの前端部が、前記リヤバンパメンバの中心を通る軸線よりも高い位置に配置され、収納状態にある前記スペアタイヤの後端部が、前記リヤバンパメンバの中心を通る軸線よりも低い位置に配置されている。これにより、車両後方からの荷重が最初に掛かる位置(リヤバンパメンバ)と、スペアタイヤの回動の中心とが、車両前後方向でほぼ一致するようになるので、スペアタイヤに回転モーメントが生じ易くなり、スペアタイヤの回動動作をより促進することができる。
【0027】
また、本発明に係る車体後部の下部構造によれば、前記スペアタイヤハウスの車両前方に配設され、左右両側の前記リヤサイドメンバに連結するスペアタイヤハウス前方のクロスメンバを更に備え、前記第1のリヤクロスメンバが、前記リヤサイドメンバ前部に連結されている。したがって、スペアタイヤハウス前方のクロスメンバよりも前方側の変形を抑えることができると共にリヤフロアの変形を促進し、スペアタイヤの前部を車両後方側に向かって回動させる動作をより促進することができる。
【0028】
また、本発明に係る車体後部の下部構造によれば、前記スペアタイヤハウス前方のクロスメンバと前記リヤサイドメンバ前部とに連結され、前記スペアタイヤハウスの前部の周辺に沿って延在する補強部材を備えているので、スペアタイヤハウスの底面前部の剛性が高くなり、車両後方から荷重が車体後部に掛かった際に、スペアタイヤハウスの底面前部が折れ曲がりにくくなる。したがって、スペアタイヤハウスの底面前部が変形せずに保持される一方、スペアタイヤハウスの底面後部だけが綺麗に折れ曲がることになるので、スペアタイヤに回転モーメントが生じ易くなり、スペアタイヤの回動動作をより促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態に係る車体後部を上方から見た斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る車体後部を上方から見た拡大斜視図であり、リヤフロアパネルが省略された図である。
【図3】本発明の実施形態に係る車体後部を下方から見た斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る車体後部を下方から見た平面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る車体後部を側方から見た図である。
【図6】本発明の実施形態に係る車体後部の車両前後方向における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態に係る車体後部の下部構造を、図面を参照しながら説明する。図1〜図6は、本発明の実施形態に係る車体後部の下部構造を示すものである。
【0031】
本発明の実施形態に係る車両の車体後部1の下部には、図2〜図5に示すように、車両前後方向に沿って延びる一対のリヤサイドメンバ2が配設されている。また、図1、図3及び図4に示すように、一対のリヤサイドメンバ2の上側には、リヤフロア3が配設されており、リヤフロア3の両側部は、左右両側に配置されたリヤサイドメンバ2にそれぞれ連結されている。また、リヤフロア3の略中央部には、スペアタイヤ4を収納するためのスペアタイヤハウス5が設けられており、このスペアタイヤハウス5は、車両下方に凹んで形成されている。
【0032】
図3〜図6に示すように、リヤフロア3は、スペアタイヤハウス5から更に車両後方側に延在しており、リヤフロア3の後端部3aには、バックパネル6及びリヤバンパメンバ7が配設されている。図3及び図4に示すように、このリヤバンパメンバ7は、左右両側のバンパ取付部8を介してリヤフロア3の後端部3aに取付けられており、リヤサイドメンバ2の後端部2aとバンパ取付部8とは、車両前後方向に沿ってほぼ一直線に配置されている。
【0033】
本実施形態において、図2〜図5に示すように、リヤサイドメンバ2は、車両前後方向の分割位置9でリヤサイドメンバ前部10とリヤサイドメンバ後部11とに分割されている。ここで、リヤサイドメンバ前部10は、リヤサイドメンバ後部11よりも高い剛性を有している。リヤサイドメンバ前部10の剛性を高める方法としては、リヤサイドメンバ前部10の板厚を増加させたり、リヤサイドメンバ前部10の断面を増加させる方法がある。
【0034】
また、本実施形態において、図3及び図4に示すように、リヤサイドメンバ前部10及びリヤサイドメンバ後部11の分割位置9には、リヤサイドメンバ前部10及びリヤサイドメンバ後部11よりも剛性が低い脆弱部12が設けられている。この脆弱部12は、車両後方からの荷重が加えられた場合に、上方に凸形状に折れる変形(山形折れ)が生じるように構成されている。脆弱部12の構成としては、リヤサイドメンバ前部10及びリヤサイドメンバ後部11の分割位置9をあらかじめ若干上向きに湾曲して形成したり、あるいは、リヤサイドメンバ前部10及びリヤサイドメンバ後部11の分割位置9に上方に折れるようにビード部分を形成する方法がある。
【0035】
図2及び図4に示すように、スペアタイヤハウス5の車両前方位置には、左右両側のリヤサイドメンバ前部10に連結する第1のリヤクロスメンバ(スペアタイヤハウス前方のクロスメンバ)13が配設されており、この第1のリヤクロスメンバ13は、車幅方向に沿って延在している。また、第1のリヤクロスメンバ13は、車幅方向の中央の位置に配置されたセンタクロスメンバ14と、リヤサイドメンバ前部10に接続し且つセンタクロスメンバ14の左右両側に配置された2つのサイドクロスメンバ15とから構成されている。したがって、第1のリヤクロスメンバ13は、車幅方向に3分割の構成となっている。
【0036】
図3に示すように、リヤフロア3の下側には、第1のリヤクロスメンバ13の位置に燃料タンク16が配設されている。この燃料タンク16は、第1のリヤクロスメンバ13とリヤフロア3との間を懸架するように配置された懸架用ベルト(図示せず)によって下側から支持されている。また、リヤフロア3の下側には、エンジン(図示せず)から排気系熱交換器(図示せず)などを経由して車両後方側まで延びる排気管17が配設されている。この排気管17には、排気音を低減するためのマフラ18が設けられており、このマフラ18は、スペアタイヤハウス5の下方の位置でブラケット(図示せず)等を介して懸架されている。
【0037】
図6に示すように、本実施形態において、スペアタイヤハウス5の底面19は、底面前部に位置する平坦部20と、底面後部に位置する傾斜部21とを備えている。傾斜部21は、平坦部20から車両後方に向かって延在するとともに斜め下方向に向かって傾斜している。
図4に示すように、本実施形態において、平坦部20及び傾斜部21の境目部分22は、車幅方向に略直線状に形成されており、平坦部20及び傾斜部21の境目部分22とリヤサイドメンバ前部10及びリヤサイドメンバ後部11の分割位置9とが、車両前後方向で一致している。
【0038】
図6に示すように、スペアタイヤハウス5の底面後部の傾斜部21には、スペアタイヤ4の中心部を取付けるためのスペアタイヤブラケット23が上方に突出して設けられている。また、スペアタイヤブラケット23の周囲には、スペアタイヤスペーサ24が配設されている。
【0039】
図6に示すように、スペアタイヤ4は、スペアタイヤブラケット23及びスペアタイヤスペーサ24を介してスペアタイヤハウス5に取付けられており、スペアタイヤ4は、収納状態で、前部が後部より上方に位置するような傾斜状態で配置されている。特に、本実施形態においては、図6に示すように、収納状態にあるスペアタイヤ4の前端部4aが、リヤバンパメンバ7の中心を通る軸線Cよりも高い位置に配置され、収納状態にあるスペアタイヤ4の後端部4bが、リヤバンパメンバ7の中心を通る軸線Cよりも低い位置に配置されるようになっている。
【0040】
また、図2及び図4に示すように、スペアタイヤハウス5の車両前方位置には、第1のリヤクロスメンバ13とリヤサイドメンバ前部10とに連結された補強部材25が配設されている。補強部材25は、リヤフロア3の下側においてスペアタイヤハウス5の前部を挟んで左右両側に取付けられている。補強部材25は、第1のリヤクロスメンバ13とリヤサイドメンバ前部10との間を斜めに架け渡すように形成されており、スペアタイヤハウス5の前部の周辺に沿って延在している。
【0041】
図2〜図5に示すように、スペアタイヤハウス5の下側には、左右両側のリヤサイドメンバ後部11に連結する第2のリヤクロスメンバ(スペアタイヤハウス下部のクロスメンバ)26が配設されており、この第2のリヤクロスメンバ26は、スペアタイヤハウス5の下側を架け渡すように車幅方向に沿って延在している。本実施形態において、図2〜図4に示すように、第2のリヤクロスメンバ26の左右両端部は、リヤサイドメンバ前部10及びリヤサイドメンバ後部11の分割位置9の近傍に連結されている。
【0042】
図3〜図5に示すように、第2のリヤクロスメンバ26の車幅方向中央部26aは、車両後方に向かって延在するとともに斜め下方向に向かって湾曲している。また、図6に示すように、第2のリヤクロスメンバ26の車幅方向中央部26aは、スペアタイヤハウス5の傾斜部21の後端部21aに沿うように形成されている。
また、図5及び図6に示すように、第2のリヤクロスメンバ26の車幅方向中央部26aには、車両前後方向に延在する牽引フック用ブラケット27が配設されている。図6に示すように、牽引フック用ブラケット27の前端部27aは、第2のリヤクロスメンバ26に連結されるとともに、牽引フック用ブラケット27の後端部27bは、リヤフロア3の後端部3aに連結されている。また、後方からの荷重を受け易いように、牽引フック用ブラケット27の後端部27bは、リヤサイドメンバ後部11の後端よりも後方に位置している。
【0043】
また、図6に示すように、この牽引フック用ブラケット27は、取付けられた状態では、第2のリヤクロスメンバ26及びリヤフロア3とともに閉断面を形成している。また、図5に示すように、牽引フック用ブラケット27には、溶接により牽引フック28が取付けられている。牽引フック28の前端部は、牽引フック用ブラケット27に取付けられ、牽引フック28の後端部は、牽引フック用ブラケット27から車両後方へ向かって斜め下方に突出させた状態で配置されている。
【0044】
次に、本実施形態に係る車体後部1の下部構造において、車両後方から車両前方に向かって荷重が加えられた場合の各部材の変形について説明する。
【0045】
車両後方から車両前方へ向かって荷重がリヤバンパメンバ7より入力された場合、当該荷重は、バンパ取付部8を経てバックパネル6、リヤフロア3、リヤサイドメンバ2、及び第2のリヤクロスメンバ26に伝わる。
リヤサイドメンバ2における分割位置9には、脆弱部12が設けられているので、リヤサイドメンバ2は、分割位置9のリヤサイドメンバ前部10の後端及びリヤサイドメンバ後部11の前端が上がり、上方へ向かう凸形状に折れ曲がる。それと共に、第2のリヤクロスメンバ26の車幅方向中央部26aは、荷重によって回転モーメントを得て、スペアタイヤハウス5の下側からスペアタイヤハウス5の変形を促進する。その結果、スペアタイヤハウス5の平坦部20及び傾斜部21の境目部分22が、下方に向かって折れ曲がる(上方へ向かう凸形状に折れ曲がる)。
これらリヤサイドメンバ2及びスペヤタイヤハウス5が同方向に折れ曲がる際には、車両後方から車体後部1にかかった荷重が吸収されることになる。また、荷重によってスペアタイヤハウス5が変形すると、傾斜状態で配置されたスペアタイヤ4の前部が車両後方側に向かうように縦方向に大きく回動することになる。
【0046】
このように本実施形態に係る車体後部1の下部構造によれば、リヤサイドメンバ2が、車両前後方向でリヤサイドメンバ前部10とリヤサイドメンバ後部11とに分割され、第2のリヤクロスメンバ26が、リヤサイドメンバ後部11に連結され、第2のリヤクロスメンバ26の車幅方向中央部26aが、車両後方に向かって延在するとともに斜め下方向に向かって湾曲しており、スペアタイヤハウス5の底面19が、底面前部に位置する平坦部20と、底面後部に位置する傾斜部21とを備え、スペアタイヤハウス5の底面後部の傾斜部21は、平坦部20から車両後方に向かって延在するとともに斜め下方向に向かって傾斜しており、スペアタイヤ4は、前部が後部より上方に位置するような傾斜状態で配置されているので、リヤサイドメンバ2が分割位置9で折れ曲がり易く構成されるとともに、スペヤタイヤハウス5の底面19も、傾斜部21の位置で折れ曲がり易く構成されている。しかも、リヤサイドメンバ2及びスペヤタイヤハウス5が同方向(上方に凸形状)に折れ曲がるので、スムーズなリヤサイドメンバ2の変形及びスペアタイヤハウス5の変形が起こり、車体後部1に掛かった荷重を確実に吸収することができる。
【0047】
さらに、車両後方から荷重が車体後部1に掛かった際に、スペアタイヤ4の前部が、車両後方側に向かうように縦方向に大きく回動するので、スペアタイヤ4の回動の際にスペアタイヤ4の前端部4aが、前方に配置された燃料タンク16等の構造物に接触することもない。
また、車両後方から荷重が車体後部1に掛かった際に、スペアタイヤハウス5の底面後部が下方に向かって折れ曲がるようになっているので、スペアタイヤハウス5が前方に向かって移動することが抑えられ、スペアタイヤハウス5の底面19が、前方に配置された燃料タンク16等の構造物に接触することもない。
【0048】
また、本実施形態に係る車体後部1の下部構造によれば、リヤサイドメンバ前部10が、リヤサイドメンバ後部11よりも高い剛性を有しているので、車両後方から荷重が車体後部1に掛かる際に、リヤサイドメンバ2の変形が、剛性の小さいリヤサイドメンバ後部11から進み、ある程度リヤサイドメンバ後部11が変形した後に、リヤサイドメンバ2が分割位置9で折れ曲がることになる。したがって、車両後方から荷重が車体後部1に掛かる際に、リヤサイドメンバ後部11の変形により、荷重をより効果的に吸収することができる。
【0049】
また、本実施形態に係る車体後部1の下部構造によれば、リヤサイドメンバ前部10とリヤサイドメンバ後部11との分割箇所には、リヤサイドメンバ前部10及びリヤサイドメンバ後部11よりも剛性が低い脆弱部12が設けられているので、リヤサイドメンバ2が、分割位置9でより折れ曲がり易くなる。これにより、よりスムーズなリヤサイドメンバ2の変形及びスペアタイヤハウス5の変形が起こり、車体後部1に掛かった荷重をより効果的に吸収することができる。
【0050】
また、本実施形態に係る車体後部1の下部構造によれば、第2のリヤクロスメンバ26の車幅方向中央部26aには、車両前後方向に延在する牽引フック用ブラケット27が設けられ、牽引フック用ブラケット27の前端部27aが、第2のリヤクロスメンバ26に連結されるとともに、牽引フック用ブラケット27の後端部27bが、リヤフロア3の後端部3aに連結されているので、車両後方から荷重が車体後部1に掛かった際に、当該荷重が、牽引フック用ブラケット27を経て第2のリヤクロスメンバ26の車幅方向中央部26aに伝わることになる。つまり、車両後方からの荷重が、第2のリヤクロスメンバ26の車幅方向中央部26aに伝わり易くなり、スペアタイヤハウス5の変形を促進することができる。これにより、スペアタイヤハウス5の変形をより確実に、早く起こすことができる。その結果、車体後部1に掛かった荷重をより効果的に吸収することができ、スペアタイヤ4の回動動作も確実に起こすことができる。
【0051】
また、本実施形態に係る車体後部1の下部構造によれば、スペアタイヤハウス5の平坦部20及び傾斜部21の境目部分22は、車幅方向に略直線状に形成されており、平坦部20及び傾斜部21の境目部分22とリヤサイドメンバ前部10及びリヤサイドメンバ後部11の分割位置9とが、車両前後方向で一致しているので、車両後方から荷重が車体後部1に掛かった際に、スペアタイヤハウス5の底面19は境目部分22で直線状に折れることになる。しかも、リヤサイドメンバ2の折れ曲がる位置とスペアタイヤハウス5の折れ曲がる位置とが車両前後方向で一致するので、車両後方から荷重が車体後部1に掛かった際に、リヤサイドメンバ2及びスペアタイヤハウス5が互いに同方向に折れ易くなる。これにより、リヤサイドメンバ2の変形及びスペアタイヤハウス5の変形をより確実に、早く起こすことができる。その結果、車体後部1に掛かった荷重をより効果的に吸収することができ、スペアタイヤ4の回動動作も確実に起こすことができる。
【0052】
また、本実施形態に係る車体後部1の下部構造によれば、第2のリヤクロスメンバ26が、リヤサイドメンバ前部10及びリヤサイドメンバ後部11の分割位置9の近傍に連結されているので、車両後方から荷重が車体後部1に掛かった際に、第2のリヤクロスメンバ26の車幅方向中央部26aに伝わった荷重が、リヤサイドメンバ前部10及びリヤサイドメンバ後部11の分割位置9に伝わり、リヤサイドメンバ2の分割位置9での折れ曲がりが、より促進されることになる。これにより、よりスムーズなリヤサイドメンバ2の変形が起こり、車体後部1に掛かった荷重をより効果的に吸収することができる。
【0053】
また、本実施形態に係る車体後部1の下部構造によれば、スペアタイヤハウス5の底面後部の傾斜部21には、スペアタイヤブラケット23が設置され、スペアタイヤ4は、スペアタイヤブラケット23を介してスペアタイヤハウス5に取付けられているので、スペアタイヤ4が、スペアタイヤハウス5において下方に折れ曲がる側(傾斜部21)に取付けられることになる。したがって、リヤフロア3からスペアタイヤブラケット23への荷重が効率よく伝わることになり、スペアタイヤ4の前部を車両後方側に向かって回動させる動作をより促進することができる。
【0054】
また、本実施形態に係る車体後部1の下部構造によれば、収納状態にあるスペアタイヤ4の前端部4aが、リヤバンパメンバ7の中心を通る軸線Cよりも高い位置に配置され、収納状態にあるスペアタイヤ4の後端部4bが、リヤバンパメンバ7の中心を通る軸線Cよりも低い位置に配置されている。この構造によれば、車両後方からの荷重が最初に掛かる位置(リヤバンパメンバ7)と、スペアタイヤ4の回動の中心とが、車両前後方向でほぼ一致するようになるので、スペアタイヤ4に回転モーメントが生じ易くなり、スペアタイヤ4の回動動作をより促進することができる。
【0055】
また、本実施形態に係る車体後部1の下部構造によれば、スペアタイヤハウス5の車両前方に配設され、左右両側のリヤサイドメンバ2に連結する第1のリヤクロスメンバ13を更に備え、第1のリヤクロスメンバ13が、リヤサイドメンバ前部10に連結されている。したがって、スペアタイヤハウス前方の第1のリヤクロスメンバ13よりも前方側の変形を抑えることができると共にリヤフロア3の変形を促進し、スペアタイヤ4の前部を車両後方側に向かって回動させる動作をより促進することができる。
【0056】
また、本実施形態に係る車体後部1の下部構造によれば、第1のリヤクロスメンバ13とリヤサイドメンバ前部10とに連結され、スペアタイヤハウス5の前部の周辺に沿って延在する補強部材25を備えているので、スペアタイヤハウス5の底面前部の剛性が高くなり、車両後方から荷重が車体後部1に掛かった際に、スペアタイヤハウス5の底面前部が折れ曲がりにくくなる。したがって、スペアタイヤハウス5の底面前部が変形せずに保持される一方、スペアタイヤハウス5の底面後部だけが綺麗に折れ曲がることになるので、スペアタイヤ4に回転モーメントが生じ易くなり、スペアタイヤ4の回動動作がより促進されることになる。
【0057】
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものでなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
【0058】
上述の実施形態では、リヤサイドメンバ前部10は、リヤサイドメンバ後部11よりも高い剛性を有しているが、リヤサイドメンバ前部10の剛性を高める方法としては、リヤサイドメンバ前部10に補強部材を取付けることにより剛性を高めてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 車体後部
2 リヤサイドメンバ
3 リヤフロア
4 スペアタイヤ
5 スペアタイヤハウス
6 バックパネル
7 リヤバンパメンバ
8 バンパ取付部
9 リヤサイドメンバの分割位置
10 リヤサイドメンバ前部
11 リヤサイドメンバ後部
12 脆弱部
13 第1のリヤクロスメンバ(スペアタイヤハウス前方のクロスメンバ)
14 センタクロスメンバ
15 サイドクロスメンバ
16 燃料タンク
17 排気管
18 マフラ
19 スペアタイヤハウスの底面
20 平坦部
21 傾斜部
22 平坦部及び傾斜部の境目部分
23 スペアタイヤブラケット
24 スペアタイヤスペーサ
25 補強部材
26 第2のリヤクロスメンバ(スペアタイヤハウス下部のクロスメンバ)
27 牽引フック用ブラケット
28 牽引フック


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体後部のリヤフロアに形成され、スペアタイヤを収納するスペアタイヤハウスと、
前記スペアタイヤハウスの下側に配設され、左右両側の前記リヤサイドメンバに連結するスペアタイヤハウス下部のクロスメンバと、
前記リヤフロアの後端部に配設されたリヤバンパメンバと
を備え、
前記スペアタイヤハウスの底面後部が、車両後方に向かって延在するとともに斜め下方向に向かって傾斜する傾斜部を有し、前記スペアタイヤは、前部が後部より上方に位置するような傾斜状態で配置されている車体後部の下部構造において、
前記リヤサイドメンバが、車両前後方向でリヤサイドメンバ前部とリヤサイドメンバ後部とに分割され、前記スペアタイヤハウス下部のクロスメンバが、前記リヤサイドメンバ後部に連結され、前記スペアタイヤハウス下部のクロスメンバの車幅方向中央部が、車両後方に向かって延在するとともに斜め下方向に向かって湾曲していることを特徴とする車体後部の下部構造。
【請求項2】
前記リヤサイドメンバ前部が、前記リヤサイドメンバ後部よりも高い剛性を有していることを特徴とする請求項1に記載の車体後部の下部構造。
【請求項3】
前記リヤサイドメンバ前部と前記リヤサイドメンバ後部との分割箇所には、前記リヤサイドメンバ前部及び前記リヤサイドメンバ後部よりも剛性が低い脆弱部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の車体後部の下部構造。
【請求項4】
前記スペアタイヤハウス下部のクロスメンバの車幅方向中央部には、車両前後方向に延在する牽引フック用ブラケットが設けられ、前記牽引フック用ブラケットの前端部が、前記スペアタイヤハウス下部のクロスメンバに連結されるとともに、前記牽引フック用ブラケットの後端部が、前記リヤフロアの後端部に連結されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の車体後部の下部構造。
【請求項5】
前記スペアタイヤハウスの底面前部は、平坦部を有し、前記スペアタイヤハウスの底面後部の前記傾斜部は、前記平坦部から車両後方に向かって延在するとともに斜め下方向に向かって傾斜しており、前記平坦部及び前記傾斜部の境目部分は、車幅方向に略直線状に形成されており、前記平坦部及び前記傾斜部の境目部分と前記リヤサイドメンバ前部及び前記リヤサイドメンバ後部の分割位置とが、車両前後方向で一致していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の車体後部の下部構造。
【請求項6】
前記スペアタイヤハウス下部のクロスメンバが、前記リヤサイドメンバ前部及び前記リヤサイドメンバ後部の分割位置の近傍に連結されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の車体後部の下部構造。
【請求項7】
前記スペアタイヤハウスの底面後部の前記傾斜部には、スペアタイヤブラケットが設置され、前記スペアタイヤは、前記スペアタイヤブラケットを介して前記スペアタイヤハウスに取付けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の車体後部の下部構造。
【請求項8】
収納状態にある前記スペアタイヤの前端部が、前記リヤバンパメンバの中心を通る軸線よりも高い位置に配置され、収納状態にある前記スペアタイヤの後端部が、前記リヤバンパメンバの中心を通る軸線よりも低い位置に配置されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の車体後部の下部構造。
【請求項9】
前記スペアタイヤハウスの車両前方に配設され、左右両側の前記リヤサイドメンバに連結するスペアタイヤハウス前方のクロスメンバを更に備え、
前記第1のリヤクロスメンバが、前記リヤサイドメンバ前部に連結されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の車体後部の下部構造。
【請求項10】
前記スペアタイヤハウス前方のクロスメンバと前記リヤサイドメンバ前部とに連結され、前記スペアタイヤハウスの前部の周辺に沿って延在する補強部材を備えていることを特徴とする請求項9に記載の車体後部の下部構造。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−245960(P2011−245960A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−120359(P2010−120359)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】