説明

車体構造

【課題】車体構造部材の車体骨格への取付強度を確保しつつ該車体構造部材を小型化することができる車体構造を得る。
【解決手段】車体構造としてのエプロン取付構造10では、車幅方向外側を向く開口部の両端からそれぞれフランジ24A、24Bが延設された断面ハット形状のサイドメンバインナパネル24に、サイドメンバアウタパネル26の骨格形成部28が接合されて閉断面構造のフロントサイドメンバ12が形成されている。サイドメンバアウタパネル26は、サイドメンバアウタパネル26とは異なる方向を向けて設けられた横フランジ30、32と、骨格形成部28に沿って設けられた上フランジ34とを有している。エプロン部材18は、そのサイドメンバ接合壁36、フランジ接合壁38が横フランジ30、32、骨格形成部28にそれぞれ接合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体骨格に車体構造部材を接合する車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
互いに接合されて車体骨格形成部材を構成するサイドメンバ及びクロージングプレートの上側のフランジ間に、ストラットタワーハウジングパネルの下端部を挟み込んで接合した車体構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平5−178091号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の如き従来の構造では、サイドメンバ及びクロージングプレートのフランジに沿った同一面でストラットタワーハウジングパネルがサスペンションからの荷重を支持する構造であるため、スポット溶接打点の削減すなわち接合部の小型化について改善の余地があった。
【0004】
本発明は、上記事実を考慮して、車体構造部材の車体骨格への取付強度を確保しつつ該車体構造部材を小型化することができる車体構造を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る車体構造は、開口部の両端からそれぞれフランジが延設された断面ハット形状の第1骨格形成部材と、前記第1骨格形成部材の各フランジに接合されて該第1骨格形成部材とで閉断面構造を成す骨格形成部と、該骨格形成部とは異なる方向を向けて設けられた接合壁部とを有する第2骨格形成部材と、前記第2骨格形成部材の骨格形成部又は該骨格形成部に沿って設けられた接合部、及び前記接合壁部にそれぞれ接合されて車体を構成する車体構造部材と、を備えている。
【0006】
請求項1記載の車体構造では、第1骨格形成部材の一対のフランジに第2骨格形成部材の骨格形成部が接合されることで、第1骨格形成部材の開口部が閉止されて閉断面構造の車体骨格が形成されている。そして、車体構造部材は、この車体骨格における第2骨格形成部材の骨格形成部又は骨格形成部に沿って設けられた接合部(以下、単に骨格形成部という)、及び接合壁部に接合されて、車体構造を構成している。
【0007】
ここで、第2骨格形成部材の骨格形成部と接合壁部とは、互いに異なる方向を向いてそれぞれ車体構造部材との接合面を形成するため、小さなスペースで車体骨格と車体構造部材との接合面積すなわち取付強度を確保することができる。これにより、車体構造部材と車体骨格との接合面積を確保するために、車体構造部材を特定方向に大型化する必要がなくなる。
【0008】
このように、請求項1記載の車体構造は、車体構造部材の車体骨格への取付強度を確保しつつ該車体構造部材を小型化することができる。また、車体構造部材は、車体骨格(第2骨格形成部材)における互いに異なる方向を向く骨格形成部と接合壁部とにそれぞれ接合されているため、剛性が向上する。
【0009】
請求項2記載の発明に係る車体構造は、請求項1記載の車体構造において、前記接合壁部は、前記骨格形成部における前記第1骨格形成部材の各フランジに接合される部分間を連結している。
【0010】
請求項2記載の車体構造では、接合壁部が骨格形成部におけるフランジとの接合部間を連結して(架け渡して)いるため、換言すれば、閉断面の対向面を繋ぐ両端支持構造とされているため、車体構造部材の剛性(支持剛性)を一層向上することができる。
【0011】
請求項3記載の発明に係る車体構造は、請求項1又は請求項2記載の車体構造において、前記第2骨格形成部材は、板状材の折り曲げによって端部に接合壁部が形成された前記骨格形成部を含む複数の骨格形成部に分割されて構成されている。
【0012】
請求項3記載の車体構造では、第2骨格形成部材が複数の骨格形成部に分割されており、該複数の骨格形成部のうち少なくとも一部の骨格形成部の端部を折り曲げることで接合壁部が形成されている。これにより、簡単な構造で接合壁部を設けることができる。
【0013】
請求項4記載の発明に係る車体構造は、請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の車体構造において、前記第1骨格形成部材は、車体前後方向に長手とされたサイドメンバを構成するサイドメンバインナパネルであり、前記第2骨格形成部材は、前記骨格形成部が前記サイドメンバインナパネルの前記フランジに接合されて前記サイドメンバを閉断面構造とするサイドメンバアウタパネルであり、前記車体構造部材は、サスペンション取付部を前記サイドメンバに連結するエプロン部材である。
【0014】
請求項4記載の車体構造では、車体におけるサスペンションを支持するサスペンション取付部がエプロン部材を介してサイドメンバに連結されている。エプロン部材は、サスペンションから車体上下方向の荷重に加え、車体前後方向、車幅方向の荷重が入力されるが、サイドメンバアウタパネルにおける骨格形成部及び接合壁部のそれぞれに接合されているので、各方向の剛性が高く変形が抑制される。しかも、小さな接合スペースで接合面積を確保することができるので、車体の小型化に寄与する。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明に係る車体構造は、車体構造部材の車体骨格への取付強度を確保しつつ該車体構造部材を小型化することができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の第1の実施形態に係る車体構造が適用されたエプロン取付構造10について、図1乃至図5に基づいて説明する。エプロン取付構造10は車幅方向(左右)対称に構成されるので、以下、車幅方向一方側についてのみ説明することとする。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印IN、及び矢印OUTは、それぞれエプロン取付構造10が適用された自動車Sの前方向(進行方向)、上方向、車幅方向の内側、及び外側を示している。
【0017】
図5には、エプロン取付構造10が適用された自動車Sの前部における車幅方向外側部分が斜視図にて示されている。この図に示される如く、自動車Sは、車体前後方向に長手とされた車体骨格としてのフロントサイドメンバ12を備えている。フロントサイドメンバ12の車幅方向外側には、図示しないフロントサスペンションを収容・保持するためのサスペンションタワー14が配設されている。
【0018】
サスペンションタワー14は、その頂部を構成しフロントサスペンションが取り付けられるサスペンション取付部としてのサスペンションアッパサポート16と、サスペンションアッパサポート16の下方にフロントサスペンションの上部を収容する空間を形成するエプロン部材18とを含んで構成されている。サスペンションアッパサポート16は、その車幅方向外端16Aがフロントフェンダ20の上部に位置するエプロンアッパメンバ(カウルサイド)15に固定されており、エプロン部材18は、サスペンションアッパサポート16における車幅方向外端16Aを除く周縁部16Bを囲むように該周縁部16Bに固定されている。
【0019】
また、エプロン部材18は、そのサスペンションタワー14の上部を構成する部分の車幅方向外端がフロントフェンダ20に接合されており、サスペンションタワー14の下部を構成する部分の車幅方向外側部分がホイールハウスを形成するホイルハウスインナ22に接合されている。
【0020】
そして、エプロン取付構造10では、サスペンションタワー14を構成し本発明における車体構造部材に相当するエプロン部材18の下部が、フロントサイドメンバ12に接合されている。以下、このエプロン取付構造10について、該エプロン取付構造10を模式的に示す図1乃至図4を参照して、具体的に説明する。
【0021】
図1には、エプロン取付構造10が模式的な分解斜視図にて示されており、図2には、エプロン取付構造10が模式的な斜視図にて示されており、図3には、エプロン取付構造10が模式的な平面断面図にて示されている。これらの図に示される如く、フロントサイドメンバ12は、車幅方向外向きに開口するハット形状に形成された第1骨格形成部材としてのサイドメンバインナパネル24と、サイドメンバインナパネル24の開口端を閉止する第2骨格形成部材としてのサイドメンバアウタパネル26とで、長手方向に直交する断面が閉断面構造とされている。
【0022】
サイドメンバアウタパネル26は、車体前後方向及び上下方向に略沿って延在する平板状に形成された骨格形成部28を有し、該骨格形成部28の上下端がサイドメンバアウタパネル26の上下のフランジ24A、24Bに接合されることで、上記の通りサイドメンバアウタパネル26とで閉断面構造のフロントサイドメンバ12を構成している。なお、各図に適宜示す「×」印は、スポット溶接による接合点(打点)を示す。
【0023】
そして、この実施形態では、サイドメンバアウタパネル26は、前側パネル26Fと、前側パネル26Fの後側に位置する後側パネル26Rとに分割されている。前側パネル26Fは、略平板の後端が車幅方向外側に折り曲げられることで形成され、骨格形成部28の後端に全高に亘り連続する接合壁部としての横フランジ30を有する。
【0024】
一方、後側パネル26Rは、略平板の前端が車幅方向外側に折り曲げられることで形成され、骨格形成部28の前端に全高に亘り連続する接合壁部としての横フランジ32を有する。さらに、後側パネル26Rは、その骨格形成部28の前端から所定範囲に亘り上方に延設された接合部としての上フランジ34を有する。上フランジ34の設置長さ(車体前後方向の寸法)は、エプロン部材18における(フロントサイドメンバ12への接合部長さ)に略対応している。
【0025】
サイドメンバアウタパネル26は、前側パネル26F及び後側パネル26Rの各骨格形成部28の上下端がサイドメンバインナパネル24の上下のフランジ24A、24Bに接合された状態で、前後の横フランジ30、横フランジ32を重ね合わせている。また、上フランジ34は、サイドメンバインナパネル24の上フランジ24Aよりも上方に突出している。
【0026】
エプロン部材18の下部18Aには、車幅方向内側を向くサイドメンバ接合壁36と、車体前後方向の前側を向くフランジ接合壁38とが形成されている。そして、エプロン取付構造10では、図2及び図4(A)に示される如く、エプロン部材18は、サイドメンバ接合壁36がサイドメンバアウタパネル26(後側パネル26R)の上フランジ34に接合されると共に、フランジ接合壁38が前後の横フランジ30、32に3枚重ね合わせ状態で接合されている。サイドメンバ接合壁36と上フランジ34との接合、フランジ接合壁38と前後の横フランジ30、32との接合は、何れもスポット溶接とされている。
【0027】
また、エプロン取付構造10では、サスペンションアッパサポート16とエプロン部材18とが互いに接合されてエプロンアッパメンバ15、フロントフェンダ20に一体化(アセンブリ化)されたサスペンションタワー14を構成した状態で、サイドメンバインナパネル24とサイドメンバアウタパネル26とを接合して構成(アセンブリ化)したフロントサイドメンバ12の上フランジ34・横フランジ30、32に、サイドメンバ接合壁36・フランジ接合壁38をそれぞれ接合するようになっている。サスペンションタワー14(エプロン部材18)に接合される前のフロントサイドメンバ12では、前後の横フランジ30、32をスポット溶接にて仮止めしておいても良い。
【0028】
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
【0029】
上記構成のエプロン取付構造10では、サスペンションタワー14がエプロン部材18の下部18Aにおいてフロントサイドメンバ12に連結されており、換言すればサスペンションアッパサポート16がエプロン部材18を介してフロントサイドメンバ12に連結されており、フロントサスペンションからサスペンションアッパサポート16(サスペンションタワー14)に入力される荷重が車体骨格であるフロントサイドメンバ12に支持される。
【0030】
ここで、エプロン取付構造10では、エプロン部材18は、フロントサイドメンバ12における互いに異なる面を向く上フランジ34と前後の横フランジ30、32とにそれぞれ接合されるため、車体前後方向の長さを小さく保ちながら、所要の接合強度を得るためのフロントサイドメンバ12との接合面積すなわちスポット溶接の打点数を確保することができる。
【0031】
図8(A)及び図8(B)に示す比較例との比較しながら説明すると、比較例に係るエプロン取付構造100では、車幅方向外向きのサイドメンバ接合壁102Aにおいてのみフロントサイドメンバ104と接合されるエプロン部材102は、フロントサイドメンバ104との接合面積(エプロン取付構造10と同等の取付強度)を確保するために車体前後方向に大型化しており、フロントサイドメンバ104に対する車幅方向外側の空間を占有してしまう。これに対してエプロン取付構造10では、サイドメンバ接合壁36において上フランジ34に接合されるのに加え、フランジ接合壁38において前後の横フランジ30、32に接合されるので、車体前後方向に大型化することなく、上記の通りスポット溶接の打点数を確保することができる。
【0032】
この実施形態に係るエプロン取付構造10では、エプロン取付構造100に対して図3に示される長さLだけエプロン部材18を小型化することができた。これにより、自動車Sの設計上の制約が減って設計自由度が増し、例えば自動車Sの小型化や、フロントサイドメンバ12の車幅方向外側におけるエプロン部材18の前後の空間への部品配置等が可能となる。
【0033】
また、エプロン取付構造10では、サイドメンバ接合壁36と上フランジ34との接合面と、フランジ接合壁38と前後の横フランジ30、32との接合面とが異なる方向を向くため、エプロン部材18すなわちサスペンションタワー14の剛性が向上する。さらに、エプロン取付構造10では、上記各接合面が互いに略直角を成すので、車体前後方向、車幅方向に荷重が入力されるサスペンションタワー14の剛性向上効果が高く、サスペンションタワー14の変形を効果的に抑制することができる。特に、車幅方向に延在するフランジ接合壁38と前後の横フランジ30、32との接合面を有する10では、エプロン取付構造100と比較して車幅方向の剛性が高い。
【0034】
しかも、エプロン取付構造10では、フロントサイドメンバ12の略全高に亘り延在する(サイドメンバインナパネル24の上下のフランジ24Aを架け渡すように連結する)前後の横フランジ30、32にエプロン部材18のフランジ接合壁38が接合されているので、エプロン部材18の車体上下方向の支持スパンが確保され、図4(B)に示す如くエプロン部材102が車体上下方向の同じ位置(下端に位置するサイドメンバ接合壁102A)でのみフロントサイドメンバ104に接合されているエプロン取付構造100に対し、エプロン部材18(サスペンションタワー14)の車幅方向内向きへの倒れに対する剛性が著しく向上している。これにより、エプロン取付構造10では、エプロン取付構造100においては要求される補強部材の設定等が不要となり、設計上の制約が一層少なくなる。
【0035】
さらにここで、エプロン取付構造10では、サイドメンバアウタパネル26を前側パネル26Fと後側パネル26Rとの分割構造とすることで、単に骨格形成部28の端部を折り曲げる簡単な構造で、上記した各作用効果を奏する前後の横フランジ30、32を設けることができた。また、エプロン取付構造10では、車体前後方向の前側を向く前後の横フランジ30、32をエプロン部材18のフランジ接合壁38との接合面としたため、上記の如く互いにサスペンションタワー14、フロントサイドメンバ12としてアセンブリ化された状態での接合作業に制約を与えることなく、スポット溶接の打点数を確保する構成が実現された。
【0036】
次に、本発明の他の実施形態を説明する。なお、上記第1の実施形態又は前出の構成と基本的に同一の部品については、上記第1の実施形態又は前出の構成と同一の符号を付して説明を省略し、また図示を省略する場合がある。
【0037】
(第2の実施形態)
図6には、本発明の第2の実施形態に係るエプロン取付構造50が図3に対応する模式的な断面図にて示されている。この図に示される如く、エプロン取付構造50では、フロントサイドメンバ12を構成するサイドメンバアウタパネル26の前側パネル26Fが骨格形成部28のみで構成され横フランジ30を有しない点で、第1の実施形態に係るエプロン取付構造10とは異なる。
【0038】
エプロン取付構造50では、前側パネル26Fを構成する骨格形成部28の後端と、後側パネル26Rを構成する骨格形成部28の前端とが互いに重ね合わされており、該重ね合わせ部の前端に横フランジ32が位置している。エプロン部材18のフランジ接合壁38は、横フランジ32に接合されている。エプロン取付構造50における他の構成は、エプロン取付構造10の対応する構成と同じである。
【0039】
したがって、第2の実施形態に係るエプロン取付構造50によっても、第1の実施形態に係るエプロン取付構造10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。
【0040】
(第3の実施形態)
図7には、本発明の第3の実施形態に係るエプロン取付構造60が図3に対応する模式的な断面図にて示されている。この図に示される如く、エプロン取付構造60では、エプロン部材18が車体前後方向の後ろ側を向きフランジ接合壁38と対向するフランジ接合壁40を有し、前後のフランジ接合壁38においてそれぞれフロントサイドメンバ12と接合される点で、第1の実施形態に係るエプロン取付構造10とは異なる。
【0041】
エプロン取付構造60では、前側パネル26Fと後側パネル26Rとが車体前後方向に離間しており、横フランジ30と横フランジ32との対向面間にエプロン部材18の下部18Aが配設されている。そして、エプロン部材18は、フランジ接合壁38において横フランジ30に接合されると共に、フランジ接合壁40において横フランジ32に接合されている。サイドメンバ接合壁36は、前側パネル26Fと後側パネル26Rとの間で、サイドメンバインナパネル24とで閉断面構造を成す骨格形成部28としても機能している。したがって、サイドメンバ接合壁36の下端部は、サイドメンバインナパネル24の上下のフランジ24A、24Bのそれぞれに接合することが好ましい。エプロン取付構造60における他の構成は、エプロン取付構造10の対応する構成と同じである。
【0042】
したがって、第3の実施形態に係るエプロン取付構造60によっても、第1の実施形態に係るエプロン取付構造10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。
【0043】
なお、上記した各実施形態では、サイドメンバ接合壁36が上フランジ34に接合される例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、サイドメンバ接合壁36を骨格形成部28の上端部、サイドメンバインナパネル24の上フランジ24Aとの3枚重ね合わせ状態で接合するようにしても良い。
【0044】
また例えば、第1及び第2の実施形態において、サイドメンバ接合壁36の下端部を、骨格形成部28の下端部、サイドメンバインナパネル24の下フランジ24Bとの3枚重ね合わせ状態で接合する構成(骨格形成部28のから延設された接合部を有しない構成)としても良い。さらに例えば、第1及び第2の実施形態において、サイドメンバアウタパネル26を3分割構造とすることで、フランジ接合壁40に接合される横フランジを形成することも可能である。
【0045】
また、上記した各実施形態では、フロントサイドメンバ12とエプロン部材18との接合に本発明の車体構造が適用された例を示したが、本発明はこれに限定されず、各種の車体骨格と車体構造部材との接合に本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るエプロン取付構造を模式的に示す分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るエプロン取付構造を模式的に示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るエプロン取付構造を模式的に示す平面断面図である。
【図4】(A)は、本発明の第1の実施形態に係るエプロン取付構造を模式的に示す正面図、(B)は被比較例に係るエプロン取付を模式的に示す正面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る車体構造が適用された自動車の斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るエプロン取付構造を模式的に示す平面断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係るエプロン取付構造を模式的に示す平面断面図である。
【図8】本発明の実施形態との比較例に係るエプロン取付構造を示す図であって、(A)は分解斜視図、(B)は平面断面図である。
【符号の説明】
【0047】
10 エプロン取付構造(車体構造)
12 フロントサイドメンバ(閉断面構造)
16 サスペンションアッパサポート(サスペンション取付部)
18 エプロン部材(車体構造部材)
24 サイドメンバインナパネル(第1骨格形成部材)
24A・24B フランジ
26 サイドメンバアウタパネル(第2骨格形成部材)
28 骨格形成部
30・32 横フランジ(接合壁部)
32 横フランジ
34 上フランジ(骨格形成部に沿って設けられた接合部)
50・60 エプロン取付構造(車体構造)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部の両端からそれぞれフランジが延設された断面ハット形状の第1骨格形成部材と、
前記第1骨格形成部材の各フランジに接合されて該第1骨格形成部材とで閉断面構造を成す骨格形成部と、該骨格形成部とは異なる方向を向けて設けられた接合壁部とを有する第2骨格形成部材と、
前記第2骨格形成部材の骨格形成部又は該骨格形成部に沿って設けられた接合部、及び前記接合壁部にそれぞれ接合されて車体を構成する車体構造部材と、
を備えた車体構造。
【請求項2】
前記接合壁部は、前記骨格形成部における前記第1骨格形成部材の各フランジに接合される部分間を連結している請求項1記載の車体構造。
【請求項3】
前記第2骨格形成部材は、板状材の折り曲げによって端部に接合壁部が形成された前記骨格形成部を含む複数の骨格形成部に分割されて構成されている請求項1又は請求項2記載の車体構造。
【請求項4】
前記第1骨格形成部材は、車体前後方向に長手とされたサイドメンバを構成するサイドメンバインナパネルであり、
前記第2骨格形成部材は、前記骨格形成部が前記サイドメンバインナパネルの前記フランジに接合されて前記サイドメンバを閉断面構造とするサイドメンバアウタパネルであり、
前記車体構造部材は、サスペンション取付部を前記サイドメンバに連結するエプロン部材である請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の車体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−290510(P2007−290510A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−119787(P2006−119787)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】