説明

車体移載装置

【課題】簡素な構成でありながら、下側搬送手段に沿って搬送されてくる車体を上側搬送手段に正確に移載可能とする。
【解決手段】車体2を載置した状態で搬送する下側搬送手段3に沿って搬送されてくる車体2を、上側搬送手段7に移載するための車体移載装置1である。下側搬送手段3を構成するスラッド板4に設けられた車体載置部材5に対して係脱可能に設けられ、車体載置部材5に係止することによって下側搬送手段3と同期移動する同期手段10と、昇降可能に設けられ、下側搬送手段3に沿って搬送されてくる車体2をリフトアップして上側搬送手段7に移載するリフト手段20とを備える。リフト手段20は、車体2が搬送方向所定位置まで搬送されるまでの間、同期手段10と連結して同期手段10と同期移動し、搬送方向所定位置において、同期手段10からの分離を伴って車体2をリフトアップするように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体の移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、自動車の車体組立ライン(部品組付けライン)においては、組付け部品の種類や部品の組付け位置に応じて種々の搬送装置が使用される。例えば、座席等の内装部品の組付け工程では、スラッドコンベア等、車体を載置した状態で搬送する搬送装置(下側搬送手段)が使用され、サスペンション等の足回り部品の組付け工程では、オーバーヘッドコンベア等、車体を吊り下げ状態で搬送する搬送装置(上側搬送手段)が使用されるのが一般的である。
【0003】
自動車の部品組付けラインは、上記のスラッドコンベアやオーバーヘッドコンベア等を適宜連設して構成されるのが一般的である。そのため、スラッドコンベアとオーバーヘッドコンベアとの間には移載装置が設けられており、この移載装置により、スラッドコンベアの搬送方向所定位置(オーバーヘッドコンベアに対する移載位置)まで搬送された車体がオーバーヘッドコンベアに移載される。この種の移載装置としては、例えば下記の特許文献1に記載されているようなリフト装置を使用することができる。具体的には、昇降移動可能に設けられた左右一対のリフトアームを備えるものであり、一対のリフトアームで車体の車幅方向一端及び他端を夫々保持し、その状態でリフトアームを上昇移動させることによって車体を移載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−60052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、スラッドコンベアに沿って搬送される車体をリフト装置でリフトアップするとき、種々の要因(スラッドコンベアの動作態様・動作特性等)により、必ずしも車体を搬送方向所定位置でリフトアップできるとは限らず、むしろ位置ずれした状態で車体がリフトアップされる場合が多い。このような場合、車体をオーバーヘッドコンベアに正確に移載することが(車体の全長方向所定位置をオーバーヘッドコンベアのハンガーで保持することが)できず、車体の移載完了後、オーバーヘッドコンベアに沿って車体が搬送されるときに車体が落下等する危険性が高まる。そこで、このような問題が生じるのを可及的に防止すべく、上記搬送方向所定位置よりも上流側で車体を一旦リフトアップしてから車体の位置補正を実行し、位置補正の完了後、車体をさらにリフトアップするように構成された移載装置を用いることが検討されている。しかし、このような構成では、移載装置が著しく複雑化する(大掛かりになる)ため、多大な投資が必要となるばかりか、メンテナンスにも多大な手間を要する。
【0006】
例えば、リフト装置が搬送方向に沿ってスラッドコンベアと同期して駆動するように構成されていれば、上記のような構成を採用せずとも、車体のリフトアップ時における位置ずれを可及的に防止し得るものと考えられる。しかしながら、リフト装置をスラッドコンベアと同期して駆動させるための駆動源を別途設けると、設備の複雑化を招く。また、この種のリフト装置を用いて車体をリフトアップする際には、車体をリフトアップさせるのに伴って車体が回転等するのを防止するため、左右一対のリフトアームを同時に、しかも車体の全長方向(搬送方向)略同一位置で上昇移動させる必要がある。このような要請を満たすための手段として、左右一対のリフトアームを連結部材等で連結することが考えられるが、設備が大掛かりになる。
【0007】
このような実情に鑑み、本発明は、簡素な構成でありながら、下側搬送手段に沿って搬送されてくる車体を上側搬送手段に正確に移載することのできる移載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成すべく創案された本発明に係る車体移載装置は、車体を載置した状態で搬送する下側搬送手段に沿って搬送されてくる車体を、車体を吊り下げ状態で搬送する上側搬送手段に移載するためのものであって、下側搬送手段に設けられた車体載置部材に対して係脱可能に設けられ、車体載置部材に係止することにより下側搬送手段と同期移動する同期手段と、昇降可能に設けられ、下側搬送手段に沿って搬送されてくる車体をリフトアップして上側搬送手段に移載するリフト手段とを備え、リフト手段は、車体が下側搬送手段の搬送方向所定位置まで搬送されるまでの間、同期手段と連結して同期移動し、上記搬送方向所定位置において、同期手段からの分離を伴って車体をリフトアップするように構成されていることを特徴とする。なお、ここでいう「搬送方向所定位置」とは、上側搬送手段に対して車体が移載される搬送方向位置のことを意味する。
【0009】
このように、本発明に係る車体移載装置では、車体が下側搬送手段の搬送方向所定位置まで搬送されるまでの間、車体を載置する車体載置部材に同期手段が係止(連結)され、この同期手段にはさらにリフト手段が連結される。車体載置部材は、車体を適切な態様で載置(支持)すべく、車体の全長方向に対する相対位置が適切に設定されているのが通例である。そのため、上記のように、車体載置部材に同期手段が係止(連結)され、この同期手段にリフト手段が連結されていれば、下側搬送手段に沿って搬送される車体の全長方向に対する同期手段及びリフト手段の相対的な位置決め、さらに言えば、搬送方向所定位置における車体とリフト手段との車体全長方向における相対的な位置決めを正確に行うことができる。しかも、同期手段は、下側搬送手段に設けられた車体載置部材に係止することにより下側搬送手段(移載対象である車体)と同期移動可能であり、この同期手段と連結することによってリフト手段も下側搬送手段と同期移動可能となる。すなわち、同期手段、さらにはリフト手段を下側搬送手段と同期移動させる際の動力として、下側搬送手段を駆動させる駆動源の動力を利用可能としたことから、同期手段やリフト手段を下側搬送手段と同期移動させるための駆動源や連結部材を別途設ける必要がなくなる。従って、本発明に係る車体移載装置によれば、使用電力量やメンテナンスコストを低減することができる簡素な構成でありながら、下側搬送手段に沿って搬送されてくる車体を、上側搬送手段に正確に移載することができる。
【0010】
上記構成の車体移載装置において、リフト手段が、同期手段と連結した状態となるか、若しくは同期手段から分離した状態となるかは、リフト手段の高さ位置に応じて切り換え可能とすることができる。このように、昇降移動するリフト手段の高さ位置に応じて同期手段との連結、又は同期手段からの分離が切り換えられるようにしておけば、リフト手段が昇降可能である構成上、両状態の切り換えを容易に実行することができる。一例を挙げると、同期手段と、下降位置にあるリフト手段とが車体の搬送方向に沿った方向で互いに係合することによって両者が連結した状態となり、この連結状態からリフト手段が所定量上昇移動することにより、分離状態に切り換わるように構成することができる。
【発明の効果】
【0011】
以上に示すように、本発明に係る車体移載装置によれば、使用電力量やメンテナンスコストを低減することができる簡素な構成でありながら、下側搬送手段に沿って搬送されてくる車体を上側搬送手段に正確に移載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る車体移載装置が設置される車体組立ラインの要部を模式的に示す側面図である。
【図2】本発明に係る車体移載装置の概略正面図である。
【図3】図2に示す車体移載装置を模式的に示す平面図であり、同車体移載装置が原点位置にある状態を示す平面図である。
【図4】図2に示す車体移載装置が下側搬送手段と同期移動している状態を模式的に示す平面図である。
【図5】図2に示す車体移載装置が車体をリフトアップしている状態を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本発明に係る車体移載装置1が設置される車体組立ラインの要部を模式的に示す側面図である。車体移載装置1は、上流側(図1中右側)から下流側(図1中左側)に向けて車体2を載置した状態で搬送する下側搬送手段3と、上流側から下流側に向けて車体2を吊り下げ状態で搬送する上側搬送手段7との間に設けられている。
【0015】
ここで、下側搬送手段3は、車幅方向(車体2の全長方向、すなわち車体2の搬送方向と直交する方向。以下同様。)に沿って延びるスラッド板4を車体2の搬送方向に沿って並べて(無端に連設して)構成されるいわゆるスラッドコンベアであり、床下に設けられたモータ6により駆動される。図2に示すように、任意に選択されたスラッド板4の長手方向二箇所には車体載置部材(アタッチメント)5が鉛直上方に向けて突設されており、この車体載置部材5に車体2が載置される。本実施形態において、車体2は、その前方下部の車幅方向二箇所及びその後方下部の車幅方向二箇所が車体載置部材5によって支持された状態で上流側から下流側に搬送される。一方、上側搬送手段7は、車体2を吊り下げ状態で支持するハンガー9を備え、該ハンガー9が床面の上方に設置されたレール8に沿って移動するいわゆるオーバーヘッドコンベアである。
【0016】
そして、車体移載装置1は、下側搬送手段3に沿って車体2が搬送方向所定位置まで搬送されてくると、この車体2をリフトアップして上側搬送手段7のハンガー9に移載する。本実施形態の車体移載装置1は、車体2の全長方向所定部位が下側搬送手段3の下流端近傍の矢印Aで示す位置に到達した時点で、車体2をハンガー9に移載するように構成されている。
【0017】
以下、車体移載装置1の構成について詳述する。
【0018】
図2〜図5に示すように、車体移載装置1は、車体載置部材5に対して係脱可能に設けられ、車体載置部材5に係止することによって下側搬送手段3と同期移動する同期手段10と、下側搬送手段3に沿って搬送方向所定位置まで搬送されてきた車体2をリフトアップしてハンガー9に移載するリフト手段20とを備える。同期手段10及びリフト手段20は、対をなすようにして車体2の車幅方向両側に夫々配設されている。なお、車体2の車幅方向一端側に配設された同期手段10及びリフト手段20と、車体2の車幅方向他端側に配設された同期手段10及びリフト手段20とは全くの同一構造で、かつ同一のタイミングで動作するように構成されている。
【0019】
同期手段10は、ベース部11と、係止機構部12とを備える。ベース部11は、係止機構部12を支持する部材であり、下側搬送手段3の延在方向、すなわち車体2の搬送方向と平行に延びるようにして床面上に設置されたレール部R1に沿って移動可能とされている。図3に示す、車体移載装置1が原点位置にある状態において、ベース部11は、レール部R1の上流端に位置するように構成されている。係止機構部12は、車体載置部材5に対して係脱可能の係止爪14と、この係止爪14を、下側搬送手段3に沿って搬送されてくる車体2に対して接近及び離反移動させる係止爪支持部13とを備えている。なお、ベース部11をレール部R1に沿って下流側に移動させるための駆動源(モータ等)は設けられていない。但し、レール部R1の下流端にベース部11が移動した後、ベース部11をレール部R1の上流端(原点)に復帰させるため、図示外の原点復帰装置(例えば、エアーシリンダ)がレール部R1の下流端のさらに下流側に設けられている。
【0020】
リフト手段20は、下側搬送手段3の側方(車体2の側部外方)に立設された支柱Pに外嵌され、当該リフト手段20全体を昇降移動させるモータが内蔵されたモータ内蔵部21と、モータ内蔵部21の内側面の上下二箇所に設けられ、車体2の搬送方向と平行に延びたガイドレール22,22と、ガイドレール22,22に沿って平行移動可能に設けられたアーム支持部23と、アーム支持部23にて支持され、下側搬送手段3に沿って搬送されてくる車体2に対して接近及び離反移動するリフトアーム24,24とを備えている。なお、アーム支持部23、及びこれに支持されているリフトアーム24,24(以下、「アーム支持部等」という)は、ガイドレール22,22に沿ってフリーに平行移動するように構成されており、アーム支持部等をガイドレール22,22に沿って下流側に移動させるための駆動源(モータ等)は設けられていない。
【0021】
リフト手段20は、これを構成するアーム支持部等が同期手段10と同期移動可能な連結状態と、同期手段10から分離して独立移動可能な分離状態とに切り換え可能となっている。これら連結状態と分離状態との切り換えは、リフト手段20の高さ位置に応じて切り換えられる。具体的には、下降位置にあるリフト手段20と同期手段10とを車体2の搬送方向に沿った方向で互いに係合させることによって上記連結状態となり、この連結状態からリフト手段20が所定量上昇移動することによって上記分離状態に切り換わる。
【0022】
本実施形態では、同期手段10のベース部11上に2本のコの字アングル16,16を立設することによって上部、さらには車体2の搬送方向前方側及び後方側の壁部が開口した被連結部15を形成し、この被連結部15に対してリフト手段20のアーム支持部23に設けた連結部25を嵌入させ、被連結部15と連結部25とを車体2の搬送方向で互いに係合させると、リフト手段20のアーム支持部等が同期手段10と同期移動可能な連結状態となる。また、図5に示すように、被連結部15から連結部25が離脱することによって、リフト手段20が独立移動可能な分離状態となる。
【0023】
なお、図5に示すように、連結部25は、アーム支持部23の搬送方向前方側の端面に設けられたL字アングル26と、このL字アングル26の下端に取り付けられたローラ体27とで構成される。従って、被連結部15に対して連結部25が嵌入するとき、及び被連結部15から連結部25が離脱するときの双方において、ローラ体27が被連結部15(コの字アングル16,16)の内壁面に沿って転送可能となっている。そのため、被連結部15に対する連結部25の嵌入(同期手段10とリフト手段20の連結)、及び被連結部15からの連結部25の離脱(同期手段10からのリフト手段20の分離)は円滑に行われる。また、被連結部15を構成する各コの字アングル16の側面には補強アングル17の一端(上端)が溶接等によって固定されており、補強アングル17の他端(下端)はベース部11に固定されている。これにより、ベース部11に対する被連結部15の傾倒が可及的に防止される。
【0024】
以下、以上の構成を備えた車体移載装置1の動作説明を行う。
【0025】
下側搬送手段3に沿って車体2が上流側から下流側に搬送され、車体2の全長方向所定部位(車体移載装置1の動作基準となる部位)が図3中の矢印L1地点に到達すると、リフト手段20のリフトアーム24,24が前進移動を開始する。リフトアーム24,24が前進限まで移動したときには、その先端部が車体2の下方に潜り込み、車体2をリフトアップ可能な状態となる。車体2の下流側への搬送がさらに進行し、車体2の全長方向所定部位が図3中の矢印L2地点に到達すると、同期手段10の係止爪支持部13が前進移動し、これが前進限に到達すると係止爪支持部13の先端部に設けられた係止爪14が車体載置部材5に係止される。これにより、下側搬送手段3と同期手段10とが結合一体化され、以降、下側搬送手段3に沿って車体2がさらに下流側へと搬送される際、同期手段10は、下側搬送手段3、さらに言えば車体載置部材5に載置された車体2と同期移動する。
【0026】
このとき、同期手段10の被連結部15に対してリフト手段20の連結部25が嵌入することによって同期手段10とリフト手段20とが連結しており、かつ、連結部25が設けられたアーム支持部等は、ガイドレール22,22に沿ってフリーに平行移動可能とされていることから、同期手段10が下側搬送手段3と同期移動する際、リフト手段20のアーム支持部等も下側搬送手段3と同期移動する。
【0027】
そして、車体2の下流側への搬送がさらに進行し、車体2の全長方向所定部位が図4中の矢印A地点に到達すると、車体載置部材5に係止していた係止部14が車体載置部材5から離脱し、これによって下側搬送手段3と同期手段10の連結が解除される。これと同時に、同期手段10の被連結部15からリフト手段20の連結部25が離脱する。これにより、リフト手段20のアーム支持部等は独立移動可能な分離状態となる。そして、リフト手段20を構成する駆動源内蔵部21が支柱Pに沿って上昇移動すると、これに伴って、車体2はその下部に潜り込んでいたリフトアーム24によってリフトアップされ、上側搬送手段7に移載される(矢印A地点の鉛直上方で待機している上側搬送手段7のハンガー9に受け渡される)。
【0028】
なお、リフト手段20の連結部25が同期手段10の被連結部15から離脱した後、図示しない原点復帰装置が作動し、これによって同期手段10が原点復帰される(ベース部11がレール部R1の上流端に押し戻される)。また、リフトアップした車体2を上側搬送手段7に移載した後、リフト手段20のアーム支持部等は図示しないエアーシリンダ等の原点復帰装置によってガイドレール22,22の上流端に押し戻され、さらにその後、駆動源内蔵部21が支柱Pに沿って下降移動する。駆動源内蔵部21が支柱Pに沿って所定量下降移動すると、これよりも先に原点復帰していた同期手段10の被連結部15にリフト手段20の連結部25が嵌入する。これにより、車体移載装置1の原点復帰が完了する。
【0029】
以降、上記した一連の動作が繰り返し行われることにより、下側搬送手段3に沿って搬送されてくる車体2が、上側搬送手段7に順次移載される。
【0030】
以上で説明したように、本発明に係る車体移載装置1では、車体2の所定部位が下側搬送手段3の所定位置まで搬送されるまでの間、車体載置部材5に同期手段10の係止爪14が係止し、さらに同期手段10にリフト手段20が連結される。車体載置部材5は、車体2を適切な態様で載置(支持)すべく、車体2の全長方向に対する相対位置が適切に設定されているのが通例である。そのため、上記のように、車体載置部材5に同期手段10の係止爪14が係止し、しかも同期手段10にリフト手段20が連結されていれば、下側搬送手段3に沿って搬送される車体2の全長方向に対する同期手段10及びリフト手段20の相対的な位置決め、さらに言えば、搬送方向所定位置(リフトアップ位置)における車体2とリフト手段20との車体全長方向における相対的な位置決めを正確に行うことができる。また、同期手段10は、下側搬送手段3に設けられた車体載置部材5に係止することにより下側搬送手段3(移載対象である車体2)と同期移動可能であり、この同期手段10と連結することによってリフト手段20も下側搬送手段3と同期移動可能となる。すなわち、同期手段10、さらにはリフト手段20を下側搬送手段3と同期移動させる際の動力として、下側搬送手段3を駆動させるモータ6の駆動力を利用可能としたことから、同期手段10やリフト手段20を下側搬送手段3(車体2)と同期移動させるための駆動源や連結部材を別途設ける必要がなくなる。以上のことから、本発明に係る車体移載装置1は、使用電力量やメンテナンスコストを低減することができる簡素な構成でありながら、車体2を上側搬送手段7に正確に移載することができる。
【0031】
以上、本発明の一実施形態に係る車体移載装置1について説明を行ったが、本発明の実施の形態はこれに限定されず、車体移載装置1には、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことが可能である。例えば、以上で示した実施形態では、下側搬送手段3をいわゆるスラッドコンベアとしたが、同期手段10,10が車体載置部材5に係止した状態で下側搬送手段3と同期移動できるのであれば、下側搬送手段3をスラッドコンベア以外の搬送手段で構成した場合にも本発明は好ましく適用することができる。
【符号の説明】
【0032】
1 車体移載装置
2 車体
3 下側搬送手段(スラッドコンベア)
5 車体載置部材
7 上側搬送手段(オーバーヘッドコンベア)
10 同期手段
12 係止機構部
13 係止爪支持部
14 係止爪
15 被連結部
20 リフト手段
23 リフトアーム支持部
24 リフトアーム
25 連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体を載置した状態で搬送する下側搬送手段に沿って搬送されてくる前記車体を、前記車体を吊り下げ状態で搬送する上側搬送手段に移載するための移載装置であって、
前記下側搬送手段に設けられた車体載置部材に対して係脱可能に設けられ、前記車体載置部材に係止することにより前記下側搬送手段と同期移動する同期手段と、昇降可能に設けられ、前記下側搬送手段に沿って搬送されてくる前記車体をリフトアップして前記上側搬送手段に移載するリフト手段とを備え、
前記リフト手段は、前記車体が前記下側搬送手段の搬送方向所定位置まで搬送されるまでの間、前記同期手段と連結して同期移動し、前記搬送方向所定位置において、前記同期手段からの分離を伴って前記車体をリフトアップするように構成されていることを特徴とする車体移載装置。
【請求項2】
前記リフト手段の高さ位置に応じて、前記同期手段と前記リフト手段とが連結した状態、若しくは、前記同期手段から前記リフト手段が分離した状態に切り換えられる請求項1に記載の車体移載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−76558(P2012−76558A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−222462(P2010−222462)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【Fターム(参考)】