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車体骨格構造
説明

車体骨格構造

【課題】軽量な構造で、側突時の内折れを効果的に抑制できる車体骨格構造を得る。
【解決手段】サイドレール16を構成するインナーチャンネル22には、車両の乗員PSの着座位置から見て車幅方向外側の位置に、リインフォース30が取り付けられて補強部位32とされる。クロスメンバ18Aの連結部位20とリ補強部位32との間において、アウターチャンネル24が前後に分割され、分割部分は、サイドレール16が局所的に脆弱とされた脆弱部位34とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車体の骨格をなす車体骨格構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車体骨格構造の例として、センターピラーレインフォースメントをサイドシル内に延設すると共に、延設部からサイドシル及びホイールパネルハウスに沿って延びるサイドシルレインフォースメントを設けて、側突時の内折れを防止した自動車の車体側部構造が示されている。
【0003】
しかし、特許文献1の構造では、サイドシルレインフォースメントが延説部(センターピラーの近傍)からリヤのホイールハウスまで延びる大型の部材であるため、重量増を招く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−69859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、軽量な構造で、側突時の内折れを効果的に抑制できる車体骨格構造を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明では、車幅方向両側において車両前後方向に延在され車体の骨格を構成する一対のサイドレールと、車幅方向に延在されて前記サイドレールを連結し、車両前後方向に複数配置されたクロスメンバと、前記サイドレールを前記クロスメンバの間の特定の部位において局所的に補強する補強手段と、前記サイドレールを前記クロスメンバとの連結部位と前記補強手段との間の特定の部位において局所的に脆弱とする脆弱化手段と、を有する。
【0007】
この車両骨格部材に対し、側突による荷重が、補強手段によるサイドレールの補強部位に対し車幅方向外側から作用した場合、この補強部位では補強手段によりサイドレールが補強されているので、過度の変形を抑制できる。しかも、サイドレールは、クロスメンバとの連結部位と補強手段との間の特定の部位で脆弱化手段により局所的に脆弱にされているため、脆弱部位ではサイドレールが変形して側突のエネルギーを吸収できる。加えて、一対のサイドレールは複数のクロスメンバで連結されているので、一方のサイドレールに作用した荷重はクロスメンバにより他方のサイドレールにも作用する。
【0008】
このようにして、本発明の車両骨格部材では、側突時の内折れを効果的に抑制できる。しかも、従来のサイドシルレインフォースメント等のような大型の部材を配置する必要がないので、軽量な構造となる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記脆弱化手段が、前記補強手段から相対的に近い位置にある前記クロスメンバとの前記連結部位と補強手段との間に設けられている。
【0010】
すなわち、請求項1に記載の発明において、サイドレールの補強部位から、その前後のクロスメンバのそれぞれの連結部位のうち、相対的に遠い連結部位までの間に脆弱化手段を設けても効果はあるが、相対的に近い位置にある連結部との間に脆弱化手段を設けることで、脆弱部位でのサイドレールの変形量を確保して、より確実なエネルギー吸収が可能になる。脆弱部位でのサイドレールの変形量が大きくなる分、補強部位におけるサイドレールの変形量は小さくなるので、結果的に側突時の内折れを抑制する効果は大きくなる。
【0011】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記補強手段が、前記サイドレールに取り付けられる補強部材を含んでいる。
【0012】
このように、サイドレールに補強部材を取り付ける簡単な構造で補強手段を構成しサイドレールを局所的に補強できる。補強部材と併用して、たとえば、他の補強手段(たとえばサイドレール自体の断面積を局所的に大きくする)を適用してもよいが、このような他の補強手段を必ずしも設ける必要はなく、サイドレールとしては、一般的なものを用いることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記サイドレールの一部が車両前後方向において分割され、前記脆弱化手段が、前記サイドレールの分割部位として構成されている。
【0014】
このように、一部が前後に分割されたサイドレールの分割部位を用いることで、簡単な構造で脆弱化手段を構成し、サイドレールを局所的に脆弱化できる。
【0015】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記補強手段が、車両内で想定される乗員の位置の車幅方向外側で前記サイドレールを補強している。
【0016】
乗員から見て車幅方向外側のサイドレールが補強されているので、側突時に乗員をより確実に保護できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上記構成としたので、軽量な構造で、側突時の内折れを効果的に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態の車両骨格構造が適用された車体フレームを部分的に示す平面図である。
【図2】車体フレームに側方から衝突体が衝突したときの変形の状態を示し、(A)は比較例、(B)は第1実施形態の場合である。
【図3】本発明の第2実施形態の車両骨格構造が適用された車体フレームを部分的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1には、本発明の一実施形態の車両骨格構造12が示されている。図1において、車両骨格構造12を備えた車両の前方を矢印FRで、車幅方向右方を矢印RIでそれぞれ示す。
【0020】
この車両骨格構造12は、車両前後方向に延在する左右一対のサイドレール16を有している。左右のサイドレール16は、車幅方向に延在する複数のクロスメンバ18によって連結部位20において連結されており、これにより、略梯子状の車体フレーム14が構成されている。また、サイドレール16は、相対的に車幅方向外側に位置するアウターチャンネル24と、車幅方向内側に位置するインナーチャンネル22とを接合して構成されている。アウターチャンネル24及びインナーチャンネル22は、たとえば、車幅方向の断面において、略U字状の断面形状を有する鋼材等の金属材料で形成されている。そして、このU字状の断面の開放部分が互いに対向するようにアウターチャンネル24とインナーチャンネル22とが接合されて、全体として中空の閉断面を有するサイドレール16が構成されている。
【0021】
サイドレール16には、車両前後方向の前方寄りの位置において、互いに接近するように車幅方向内側に傾斜された傾斜部16Sが形成されている。そして、傾斜部16Sよりも車両後方側が、相対的に間隔が広い幅広部16W、車両前方側が幅狭部16Nとなっている。幅狭部16Nよりも車幅方向外側の位置には、たとえば前輪やサスペンション等が配置される。
【0022】
サイドレール16の所定位置には、自動車を構成するための他の部材を連結支持するためのブラケットが取り付けられている。図1に示した例では、幅狭部16Nに、サスペンションブラケット26が取り付けられ、さらに、傾斜部16Sには、キャブマウントブラケット28が取り付けられている。
【0023】
サイドレール16を構成するインナーチャンネル22には、車両の乗員PSの着座位置(車両において乗員着座用のシートが配置される位置)から見て車幅方向外側の位置に、リインフォース30が取り付けられている。このリインフォース30は車両前後方向で局所的(乗員PSの近傍のみ)に配置されており、リインフォース30が配置されている部分は、サイドレール16が局所的に補強された補強部位32となっている。リインフォース30の具体的な構造としては、サイドレール16を補強することができれば特に限定されず、たとえば、単なる板状の鋼板等であってもよいが、たとえば、断面略U字状あるいはH字状に形成すれば、後述するように、側突時のサイドレール16の内折れを効果的に抑制できる。
【0024】
図1から分かるように、本実施形態では、リインフォース30と、その前後のクロスメンバ18の連結部位20との距離は、前方側のクロスメンバ18Aとの距離D1の方が、後方側のクロスメンバ18Bとの距離D2よりも短くなっている。そして、距離が相対的に短い前方側のクロスメンバ18Aの連結部位20と補強部位32との間において、アウターチャンネル24が車両前方側の前部アウターチャンネル24Aと車両後方側の後部アウターチャンネル24Bとに分割されている。
【0025】
この分割部分では、インナーチャンネル22は分割されておらず、前部アウターチャンネル24Aと車両後方側の後部アウターチャンネル24Bとは、インナーチャンネル22により接合されており、さらに溶接等によっても接合されている。しかしながら、この分割部分(接合部分)では、サイドレール16が脆弱となっており、本発明の脆弱部位34が構成されている。
【0026】
次に、本実施形態の車両骨格構造12の作用を説明する。
【0027】
図2に示すように、乗員PS(図1参照)の着座位置から見て車幅方向外側から、衝突体CBが想定的に車両に衝突(側突)し、その荷重が一方のサイドレール16に対し車幅方向内側に作用した場合を考える。図2(B)には、このように衝突体CBが衝突した場合の車両骨格構造12の変形の様子が模式的に示されている。また、図2(A)には、比較例の車両骨格部材102において、同様に衝突体CBが側突した場合の変形の様子が模式的に示されている。この比較例の車両骨格構造102では、一対のサイドレール104に、本発明の補強手段(補強部位32)や脆弱化手段(脆弱部位34)は設けられていない。
【0028】
本実施形態の車両骨格構造12では、衝突体CBが側突した位置において、サイドレール16がリインフォース30によって補強されており、衝突体CBが衝突したときのサイドレール16の内折れが抑制されている。しかも、補強部位32から距離D1の位置(相対的に補強部位32に近い位置)において、クロスメンバ18Aが左右のサイドレール16を連結しているので、一方のサイドレール16に作用した荷重の一部が、主にクロスメンバ18Aによって、他方のサイドレール16に伝わる(図1における矢印F1参照)。すなわち、衝突体CBから作用した荷重による変形が、一方のサイドレール16だけでなく、他方のサイドレール16にも分散し、他方のサイドレールも僅かに変形(外折れ)することになる。
【0029】
加えて、本実施形態の車両骨格構造12では、補強部位32とクロスメンバ18Aの連結部位20との間でサイドレール16に脆弱部位34が構成されている。したがって、サイドレール16は、衝突体CBからの荷重によって脆弱部位34で折れるように変形する。すなわち、変形が補強部位32のみで生じる構造と比較して、サイドレール16の車幅方向内側への内折れ量BLが小さくなっている。
【0030】
これに対し、比較例の車両骨格構造102では、側突時に衝突体CBが衝突した部位が特に補強されていないため、サイドレール16が衝突部位において車幅方向内側へ大きく変形している。また、比較例の車両骨格構造102では、このようにサイドレール16の変形によって衝突の荷重(エネルギー)を吸収し、クロスメンバ18A、18Bも全体的に撓んでしまっているため、反対側のサイドレール16は変形していない。したがって、衝突体CBからの荷重が作用した側のサイドレール16の内折れ量BLが大きくなっている。
【0031】
このように、本実施形態の車両骨格構造12では、側突時のサイドレール16の内折れ量BLを小さくすることができ、しかも、従来のサイドシルレインフォースメントのような大型の部材が不要なので、軽量な構造となる。
【0032】
なお、上記では、本発明の脆弱化手段(脆弱部位34)を、補強部位32と、これに近い側のクロスメンバ18Aの連結部位20との間に設けているが、たとえば、図3に示す第2実施形態の車両骨格構造52のように、補強部位32と、これから遠い側のクロスメンバ18Bの連結対との間に設けてもよい。なお、第2実施形態の車両骨格構造52では、これ以外は、第1実施形態の車両骨格構造12と同一の構成とされる。
【0033】
このように、脆弱部位34を設ける部位を変更することで、車体フレーム14の設計の自由度が大きくなる。これに対し、第1実施形態のように、脆弱部位34を、補強部位32と、これに近い側のクロスメンバ18Aの連結部位20との間に設けた構造では、側突時の衝突体CBからの荷重による、サイドレール16の脆弱部位34での変形量を大きく確保できる分、補強部位32でのサイドレール16の内折れ量BLを小さくして、サイドレール16全体での内折れ量を少なくする効果が高くなる。
【0034】
また、上記では、本発明の補強手段として、サイドレール16に取り付けられるリインフォース30を挙げているが、補強手段はこれに限定されない。たとえば、リインフォース30以外の補強手段として、サイドレール16自体の断面積を増大させることも考えられる。ただし、この場合には、サイドレール16の設計変更等を伴うことになる。これに対し、上記実施形態のように、リインフォース30をサイドレール16に取り付けると、サイドレール16の構造や形状を変更する必要はなく、サイドレール16として一般的なものを用いることが可能になる。なお、補強手段として、リインフォース30と、これ以外の補強手段(上記したサイドレール16の断面積を大きくする構成)とを併用することも可能である。
【0035】
補強手段による補強部位32としても、側突時の衝突体CBからの荷重に対し、サイドレール16の過度の変形を抑制できる部位であれば限定されないが、上記したように、車両の乗員PSの着座位置から見て車幅方向外側の位置を補強すると、側突時に乗員を効果的に保護できる。
【0036】
本発明の脆弱化手段としても、上記では、アウターチャンネル24を前部アウターチャンネル24Aと後部アウターチャンネル24Bとに分割することで、分割部位(接合部位)として脆弱化手段を構成したものを挙げているが、これに限定されない。たとえば、アウターチャンネル24を前後に分割することなく、アウターチャンネル24自体の断面積を小さくすることで脆弱化手段を構成してもよい。実際には、たとえばサイドレール16(アウターチャンネル24)の製造上の都合等により、前後に分割して形成されることがあるので、これを利用すれば、脆弱化手段を簡単な構造で構成できることになる。さらに、サイドレール16に、切れ込みを入れる等により、車幅方向(長手方向と直交する方向)の断面積を局所的に小さくし、本発明の脆弱化手段を構成してもよい。
【符号の説明】
【0037】
12 車両骨格構造
14 車体フレーム
16 サイドレール
18 クロスメンバ
20 連結部位
22 インナーチャンネル
24 アウターチャンネル
30 リインフォース
32 補強部位
34 脆弱部位
52 車両骨格構造
BL 内折れ量
CB 衝突体
PS 乗員

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車幅方向両側において車両前後方向に延在され車体の骨格を構成する一対のサイドレールと、
車幅方向に延在されて前記サイドレールを連結し、車両前後方向に複数配置されたクロスメンバと、
前記サイドレールを前記クロスメンバの間の特定の部位において局所的に補強する補強手段と、
前記サイドレールを前記クロスメンバとの連結部位と前記補強手段との間の特定の部位において局所的に脆弱とする脆弱化手段と、
を有する車体骨格構造。
【請求項2】
前記脆弱化手段が、前記補強手段から相対的に近い位置にある前記クロスメンバとの前記連結部位と補強手段との間に設けられている請求項1に記載の車体骨格構造。
【請求項3】
前記補強手段が、前記サイドレールに取り付けられる補強部材を含んでいる請求項1又は請求項2に記載の車体骨格構造。
【請求項4】
前記サイドレールの一部が車両前後方向において分割され、
前記脆弱化手段が、前記サイドレールの分割部位として構成されている請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車体骨格構造。
【請求項5】
前記補強手段が、車両内で想定される乗員の位置の車幅方向外側で前記サイドレールを補強している請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車体骨格構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−42256(P2011−42256A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191841(P2009−191841)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】