説明

車体

【課題】サイドアウタ部材の上端がインナ骨格部から離れて車体の外側へ開くことを防止し、サイドアウタ部材の位置決めができる車体を提供する。
【解決手段】車体12は、ルーフ21の外面を有するルーフアウタ部材(ルーフアウタパネル)32を備え、ルーフアウタ部材32は、ルーフ上面板部38の左右のルーフ上面端部41から垂下した左右のルーフ側部垂下壁42と後端部43から垂下したルーフ後部垂下壁44とが交差することで形成されたコーナー壁部45を備え、サイドアウタ部材37は、インナ骨格部にルーフアウタ部材32とともに仮組付けされた状態のときに、コーナー壁部45の内側に配置されてコーナー壁部45に近接又は矢印a4のように当接する係止部46を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のサイドボデーを溶接工程前に仮保持する車体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車体には、サイドボデーのサイドパネルインナをフロアに組付けることでインナフレームボデー(インナ骨格)を形成し、その次に、このインナフレームボデー(インナ骨格)にサイドパネルアウタを組付けているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、従来技術(特許文献1)は、インナ骨格にサイドパネルアウタおよびルーフのルーフアウタパネルを載せ、この載せた状態で次の工程エリアに搬送するときに、サイドパネルアウタが倒れる恐れがある。例えば、インナ骨格からサイドパネルアウタ(サイドアウタ部材)の上端が離れて開く恐れがあり、開かないように保持機構で押さえる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−16451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、サイドアウタ部材の上端がインナ骨格部から離れて車体の外側へ開くことを防止し、サイドアウタ部材の位置決めができる車体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、車両のインナ骨格部と、インナ骨格部の外方に設けられ側面表面を形成している側面パネル部を有するサイドアウタ部材と、インナ骨格部の天部に設けられルーフの外面を有するルーフアウタ部材と、を備えた車体であって、ルーフアウタ部材は、インナ骨格部に重なり上方へ面を向けたルーフ上面板部と、ルーフ上面板部の端部のうち車両の前後方向へ延びる左右のルーフ上面端部からそれぞれ下方に垂下した左右のルーフ側部垂下壁と、ルーフ上面板部の端部のうち車両の幅方向へ延びる後端部から下方に垂下したルーフ後部垂下壁と、ルーフ側部垂下壁にルーフ後部垂下壁が交差することで形成されたコーナー壁部と、を備え、サイドアウタ部材は、インナ骨格部にルーフアウタ部材とともに仮組付けされた状態のときに、コーナー壁部の内側に配置されてコーナー壁部に近接又は当接する係止部を備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、コーナー壁部は、ルーフ側部垂下壁よりも外方へ膨出させた膨出部を備え、係止部は、膨出部に向かって入る位置に形成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、サイドアウタ部材は、側面パネル部の後縁から折り曲げて車両の後方へ面を向け、且つ車体の後部開口部の後部開口縁を形成しているガーター後面パネル部を備え、係止部は、ガーター後面パネル部の上部に連続して上方に突出形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、サイドアウタ部材は、側面パネル部の上部に連ねルーフへ向け延び上方へ面を向けたサイドレール上部と、サイドレール上部の縁を折り曲げ垂下するサイドレール垂下壁部と、サイドレール垂下壁部の下端に連ねルーフへ向け延び上方へ面を向けたサイドレールフランジ部と、を備え、ルーフアウタ部材は、ルーフ側部垂下壁の下端からサイドアウタ部材へ向け延びて、サイドレールフランジ部上に重なるルーフサイドフランジ部を備え、係止部は、サイドレールフランジ部を延ばしたサイドフランジ延長部を車両の後方へ向け切り起こすことによって形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明では、車体は車両のインナ骨格部と、サイドアウタ部材と、ルーフアウタ部材と、を備え、ルーフアウタ部材は、上方へ面を向けたルーフ上面板部と、左右のルーフ側部垂下壁と、ルーフ後部垂下壁と、ルーフ側部垂下壁にルーフ後部垂下壁が交差することで形成されたコーナー壁部と、を備え、サイドアウタ部材は、インナ骨格部にルーフアウタ部材とともに仮組付けされた状態のときに、コーナー壁部の内側に配置されてコーナー壁部に近接又は当接する係止部を備えているので、インナ骨格部に立て掛けるように立てた状態にしたサイドアウタ部材を仮保持し、インナ骨格部に上からほぼ水平な状態にしたルーフアウタ部材を仮組付けするときに、ルーフアウタ部材のコーナー壁部の内側に係止部が接触もしくは近接し、且つルーフアウタ部材の自重でルーフアウタ部材の浮き上がりが防止されることによって、サイドアウタ部材の上端がインナ骨格部から離れて車体の外側へ開くことを防止することができる。
【0011】
また、コーナー壁部の内側に係止部が当接することによって、サイドアウタ部材とルーフアウタ部材との車両前後方向の互いの位置を位置決めすることができる。
【0012】
請求項2に係る発明では、コーナー壁部は、ルーフ側部垂下壁よりも外方へ膨出させた膨出部を備え、係止部は、膨出部に向かって入る位置に形成されているので、膨出部によって、係止部が車両前後方向へ移動せず、車両前後方向に対する係止部の位置をより正確に位置決めすることができる。
【0013】
請求項3に係る発明では、サイドアウタ部材は、側面パネル部の後縁から折り曲げて車両の後方へ面を向け、且つ車体の後部開口部の後部開口縁を形成しているガーター後面パネル部を備え、係止部は、ガーター後面パネル部の上部に連続して上方に突出形成されているので、係止部は、ガーター後面パネル部と同様に車両の後方へ面が向き、この面によって、サイドアウタ部材とルーフアウタ部材との車両前後方向の互いの位置を位置決めすることができる。
【0014】
また、インナ骨格部にサイドアウタ部材を仮組付けしたときに、サイドアウタ部材が外方へ倒れ始めてサイドアウタ部材の上端が開く方向に対して、係止部の面を沿って配置することができ、開いて係止部がルーフアウタ部材のコーナー壁部(膨出部)に当接したときに、係止部に入力される荷重を係止部の面に平行に入力させることができるため、係止部の変形を抑制することができる。従って、係止部によって、仮組付け時のサイドアウタ部材の上端の開きを確実に防止することができる。
【0015】
請求項4に係る発明では、サイドアウタ部材は、サイドレール上部と、サイドレール上部の縁を折り曲げ垂下するサイドレール垂下壁部と、サイドレール垂下壁部の下端に連ねルーフへ向け延び上方へ面を向けたサイドレールフランジ部と、を備え、ルーフアウタ部材は、ルーフ側部垂下壁の下端からサイドアウタ部材へ向け延びて、サイドレールフランジ部上に重なるルーフサイドフランジ部を備え、係止部は、サイドレールフランジ部を延ばしたサイドフランジ延長部を車両の後方へ向け切り起こすことによって形成されているので、サイドアウタ部材のサイドレールフランジ部とルーフアウタ部材のルーフサイドフランジ部との互いの位置決め精度が向上するという利点がある。
すなわち、仮組付けのとき、ルーフサイドフランジ部を載置するサイドレールフランジ部に係止部を一体的に形成しているので、サイドレールフランジ部に対して係止部の精度が高く、係止部で自動的にサイドレールフランジ部に対する位置が定まるルーフサイドフランジ部の位置精度も向上する。
その結果、仮組付け(仮保持)後に次のステーション(溶接工程)へ搬送して、サイドアウタ部材とルーフアウタ部材とを結合(スポット溶接)する際に互いの位置精度が向上するとともに、互いを位置合わせする組み合わせ作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例に係る車体の側面図である。
【図2】図1の2矢視図である。
【図3】図1の3矢視図である。
【図4】実施例に係る車体の車体後部の分解図である。
【図5】図2の5−5線断面図である。
【図6】図2の6−6線断面図である。
【図7】実施例に係る車体の車体後部とテールゲートヒンジの関係を示す分解図である。
【図8】実施例に係る係止部材を備えた補強延長ブラケットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、実施例で詳細に説明する。
【実施例】
【0018】
車両11は、図1〜図3に示すように、実施例に係る車体12を用いたもので、後部13にテールゲート14を備える。
車体12は、車室16の床をなすアンダボデー17と、側壁をなすサイドボデー18と、ルーフ21と、後部開口部22と、を備える。
後部開口部22の左右の上部23にテールゲート14がテールゲートヒンジ24(図7)で取付けられている。
【0019】
サイドボデー18は、図4に示す通り、車両11側面の外面を形成するサイドアウタパネル26と、サイドアウタパネル26を内側(車室16側)で支持しているサイドボデーインナ骨格部27を備える。
【0020】
ルーフ21は、図4に示す通り、ルーフインナ骨格部28およびサイドボデーインナ骨格部27の上部レール部31にルーフアウタパネル32を接合している。
【0021】
次に、実施例に係る車体12の主要構成を図1〜図8で説明する。
車体12は、インナ骨格部35と、インナ骨格部35の外方に設けられ側面表面を形成している側面パネル部36を有するサイドアウタ部材37(サイドアウタパネル26を含む)と、インナ骨格部35に設けられルーフ21の外面を有するルーフアウタ部材(ルーフアウタパネル)32と、を備える。
【0022】
なお、サイドアウタ部材37がサイドアウタパネル26を含み、サイドアウタパネル26が側面パネル部36を含み、この順に下位となる。
【0023】
ルーフアウタ部材32は、インナ骨格部35に重なり上方へ面を向けたルーフ上面板部38と、ルーフ上面板部38の端部のうち車両11の前後方向(X軸方向)へ延びる左右のルーフ上面端部41からそれぞれ下方に垂下した左右のルーフ側部垂下壁42と、ルーフ上面板部38の端部のうち車両11の幅方向(Y軸方向)へ延びる後端部43から下方に垂下したルーフ後部垂下壁44と、ルーフ側部垂下壁42にルーフ後部垂下壁44が交差することで形成されたコーナー壁部45と、を備える。
【0024】
サイドアウタ部材37は、インナ骨格部35にルーフアウタ部材32とともに仮組付けされた状態のときに、コーナー壁部45の内側に配置されてコーナー壁部45に近接又は当接する係止部46を備えている。
【0025】
コーナー壁部45は、ルーフ側部垂下壁42よりも外方へ膨出させた膨出部47(図3、図5)を備える。
係止部46は、膨出部47に向かって入る位置に形成されている。
【0026】
サイドアウタ部材37は、側面パネル部36の後縁48から折り曲げて車両11の後方(矢印a1の方向)へ面を向け、且つ車体12の後部開口部22の後部開口縁51を形成しているガーター後面パネル部52を備える。
係止部46は、ガーター後面パネル部52の上部53に連続して上方に突出形成されている。
【0027】
サイドアウタ部材37は、側面パネル部36の上部54に連ねルーフ21へ向け延び上方へ面を向けたサイドレール上部55と、サイドレール上部55の縁を折り曲げ垂下するサイドレール垂下壁部57と、サイドレール垂下壁部57の下端に連ねルーフ21へ向け延び上方へ面を向けたサイドレールフランジ部61(図7)と、を備える。
【0028】
ルーフアウタ部材32は、ルーフ側部垂下壁42の下端からサイドアウタ部材37へ向け延びて、サイドレールフランジ部61上に重なるルーフサイドフランジ部63を備える。
【0029】
係止部46は、サイドレールフランジ部61を延ばしたサイドフランジ延長部64を車両11の後方へ向け矢印a2(図4、図8)のように切り起こすことによって形成されている。
【0030】
次に、インナ骨格部35、ルーフ21およびサイドアウタ部材37を詳しく説明していく。
インナ骨格部35は、図4に示す通り、サイドボデー18に含まれるサイドボデーインナ骨格部27と、後部開口部22の一部を形成しているリアインナ骨格部35aと、ルーフ21に含まれるルーフインナ骨格部28と、を備える。
【0031】
ルーフアウタ部材(ルーフアウタパネル)32は、ルーフ上面板部38とルーフ後部垂下壁44とが交差することで形成された角部67に、車室16の内方へ向けて凹形状に形成したビード68を備える。ビード68の左右のビード端部71はコーナー壁部45の上部に連続している。
【0032】
コーナー壁部45は、車両11後面視(図2の視点)、一端(左)と他端(右)とでハの字を形成するように傾斜している。言い換えると、下方へ向け広がる形状である。そして、コーナー壁部45の下部72(図4、図7)がルーフアウタ部材32のルーフサイドフランジ部63に連続している。
ルーフサイドフランジ部63にはテールゲートヒンジ24を取り付けるためのヒンジ取付け穴73を開けている。
【0033】
サイドアウタ部材37は、既に述べたサイドアウタパネル26と、ガーター後面パネル部52と、サイドフランジ延長部64を形成するためのサイド延長部材76と、を備える。サイド延長部材76のうち、重ならない部位を示している場合、重ならない部位を点模様で示している(図2、図3、図4、図7)。
【0034】
サイド延長部材76は、図8に示す通り、サイドレールフランジ部61に結合されるレール重ねベース部81を備え、このレール重ねベース部81にテールゲートヒンジ24を取り付けるためのヒンジ取付け穴82が開けられている。
【0035】
レール重ねベース部81に連ね起立部83が形成されて、サイドレール垂下壁部57に接合される。レール重ねベース部81に連ね後端接合部84が形成されて、予めガーター後面パネル部52、サイドレール上部55に一体的に接合され、仮組後、ルーフ21(ルーフ後部垂下壁44)、リアインナ骨格部35aに接合される。
【0036】
また、サイド延長部材76は、後端接合部84に連ね開口縁コーナー接合部85が形成されて、ガーター後面パネル部52、ルーフ後部垂下壁44に連続したルーフアウタ最後端部86(図3、図6)、後部開口部22のリアインナ骨格部35aに接合される。
リアインナ骨格部35aには(図4)、テールゲートヒンジ24を取り付けるためのヒンジ取付け穴87が開けられている。
【0037】
さらに、後端接合部84に連ね上方へ延ばして係止部46が形成されている。
係止部46は、係止部46の上部91がルーフアウタ部材(ルーフアウタパネル)32の後に設けたビード68に近接している。
【0038】
また、係止部46は、車両11後面視(図2の視点)、コーナー壁部45へ向く傾斜縁92が左と右とでハの字を形成するように傾斜している。言い換えると、上方へ向け左の傾斜縁92から右の傾斜縁92までの距離が小さくなる(狭まる)形状である。
その結果、溶接前仮組付け工程では、左右のサイドアウタ部材37を起こした状態(図4、図7)で左右のサイドアウタ部材37にルーフアウタ部材(ルーフアウタパネル)32を上方から下降させて、ルーフアウタ部材32の左右に設けたコーナー壁部45に左右の係止部46を嵌める作業(溶接前仮組付け作業)は容易になる。
【0039】
次に、実施例に係る車体12の作用を説明する。
車体12では、図2〜図4に示す通り、インナ骨格部35に立て掛けるように立てた状態にしたサイドアウタ部材37を仮保持し、インナ骨格部35に上からほぼ水平な状態にしたルーフアウタ部材32を仮組付けするときに、ルーフアウタ部材32のコーナー壁部45の内側に係止部46(の傾斜縁92)が接触もしくは近接して嵌り、且つルーフアウタ部材32の自重でルーフアウタ部材32の浮き上がりが防止されるので、サイドアウタ部材37の上端(サイドレール上部55)がインナ骨格部35から矢印a3のように離れ始めると、コーナー壁部45の内側に係止部46(の傾斜縁92)が矢印a4のように当接する。その結果、サイドアウタ部材37の上端(サイドレール上部55)がインナ骨格部35から離れて車体12の外側へ開くことを防止することができる。
【0040】
また、図6に示す通り、コーナー壁部45の内側に係止部46が当接することによって、サイドアウタ部材37とルーフアウタ部材32との車両11の前後方向(X軸方向)の互いの位置を位置決めすることができる。
【0041】
係止部46は、図6に示す通り、ガーター後面パネル部52と同様に車両11の後方へ面が向き、この面によって、サイドアウタ部材37とルーフアウタ部材32との車両11の前後方向の互いの位置を位置決めすることができる。
【0042】
また、車体12では、インナ骨格部35にサイドアウタ部材37を仮組付けしたときに、サイドアウタ部材37が外方へ倒れ始めてサイドアウタ部材37の上端(サイドレール上部55)が開く方向(矢印a3の方向、X軸方向)に対して、係止部46の面93を沿って配置することができる。その結果、サイドアウタ部材37の上端(サイドレール上部55)が開いて、サイドアウタ部材37の係止部46がルーフアウタ部材32のコーナー壁部45(膨出部47)に当接すると、荷重は係止部46へ係止部46の面93に平行に入力されるので、係止部46の変形を抑制することができる。従って、係止部46によって、仮組付け時のサイドアウタ部材37の上端の開きを確実に防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の車体は、自動車に好適である。
【符号の説明】
【0044】
12…車体、21…ルーフ、22…後部開口部、32…ルーフアウタ部材、35…インナ骨格部、36…側面パネル部、37…サイドアウタ部材、38…ルーフ上面板部、41…ルーフ上面端部、42…ルーフ側部垂下壁、43…ルーフアウタ部材の後端部、44…ルーフ後部垂下壁、45…コーナー壁部、46…係止部、47…膨出部、48…側面パネル部の後縁、51…後部開口縁、52…ガーター後面パネル部、53…ガーター後面パネル部の上部、54…側面パネル部の上部、55…サイドレール上部、57…サイドレール垂下壁部、61…サイドレールフランジ部、63…ルーフサイドフランジ部、64…サイドフランジ延長部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のインナ骨格部と、該インナ骨格部の外方に設けられ側面表面を形成している側面パネル部を有するサイドアウタ部材と、前記インナ骨格部の天部に設けられルーフの外面を有するルーフアウタ部材と、を備えた車体であって、
前記ルーフアウタ部材は、インナ骨格部に重なり上方へ面を向けたルーフ上面板部と、該ルーフ上面板部の端部のうち車両の前後方向へ延びる左右のルーフ上面端部からそれぞれ下方に垂下した左右のルーフ側部垂下壁と、前記ルーフ上面板部の端部のうち車両の幅方向へ延びる後端部から下方に垂下したルーフ後部垂下壁と、前記ルーフ側部垂下壁に前記ルーフ後部垂下壁が交差することで形成されたコーナー壁部と、を備え、
前記サイドアウタ部材は、前記インナ骨格部に前記ルーフアウタ部材とともに仮組付けされた状態のときに、前記コーナー壁部の内側に配置されて前記コーナー壁部に近接又は当接する係止部を備えていることを特徴とする車体。
【請求項2】
前記コーナー壁部は、前記ルーフ側部垂下壁よりも外方へ膨出させた膨出部を備え、
前記係止部は、前記膨出部に向かって入る位置に形成されていることを特徴とする請求項1記載の車体。
【請求項3】
前記サイドアウタ部材は、前記側面パネル部の後縁から折り曲げて車両の後方へ面を向け、且つ前記車体の後部開口部の後部開口縁を形成しているガーター後面パネル部を備え、
前記係止部は、前記ガーター後面パネル部の上部に連続して上方に突出形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車体。
【請求項4】
前記サイドアウタ部材は、前記側面パネル部の上部に連ね前記ルーフへ向け延び上方へ面を向けたサイドレール上部と、該サイドレール上部の縁を折り曲げ垂下するサイドレール垂下壁部と、該サイドレール垂下壁部の下端に連ね前記ルーフへ向け延び上方へ面を向けたサイドレールフランジ部と、を備え、
前記ルーフアウタ部材は、前記ルーフ側部垂下壁の下端から前記サイドアウタ部材へ向け延びて、前記サイドレールフランジ部上に重なるルーフサイドフランジ部を備え、
前記係止部は、前記サイドレールフランジ部を延ばしたサイドフランジ延長部を車両の後方へ向け切り起こすことによって形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の車体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−112040(P2013−112040A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257393(P2011−257393)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】