説明

車側灯及びそれを用いた列車ドア開閉検知装置

【課題】列車の車両に設けられているドアの開閉状態を示す車側灯の点灯,消灯を確実に検出できるようにする。
【解決手段】列車の車側に設けられ、その列車のドアが開かれたときに点灯するとともに、その列車のドアが閉じられたときに消灯する車側灯1a、1bの点灯周期をホーム側光源と異なる周期で変調し、前記列車の停車するホーム側に設けられ、その列車がそのホームの所定位置に停車したときの車側灯と対向する位置よりもその列車の走行方向に沿って所定距離保って設けられ、かつその車側灯から照射される変調された光線を受光する受光器10a、10bと、その受光器が光線を受光したときに列車のドアが開かれていると判定し、その受光器が光線を受光しなくなったときにその列車のドアが閉じられたと判定する判定手段とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランプを点灯または消灯させて列車のドアの開閉状態を報知する車側灯に関するとともに、その車側灯を用いた列車ドア開閉検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、列車(電車を含む)の両車を構成する筐体の側面上部には、その列車のドアが開かれたときに点灯し、その列車のドアが閉じられたときに消灯する車側灯が設けられている。したがって、列車の乗務員又はホームの駅員等の係員は、車側灯の点滅状態により列車のドアの開閉状態を確認することができ、列車の安全運転に資することができる。また、ホームドア装置においては、車側灯が点灯したことを画像処理して検知し、又は受光センサにより検知してホームドアの開閉制御を行うことが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−203320号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、車側灯は、列車のドアの開閉状態を確実に報知できる特長を有しているので、この特長を他の制御装置に応用したいという要望があった。本発明の実施の形態の項で用いる図8を用いてさらに説明すると、列車Tの停止する甲駅の進行方向近傍に踏切Xがある場合で、その甲駅のホームHの所定位置に列車Tが位置したときからその踏切Xに設置されている警報機Y1及び踏切しゃ断機Y2が駆動を開始するように制御されている場合は、列車Tが甲駅に停車している間も踏切Xが閉止されるので踏切Xにおける待ち時間が長くなり、列車Tの出発に合わせた踏切機器制御が望まれていた。
【0005】
また、車側灯の点滅状態を受光センサで検知して、その検知信号を利用する装置において、受光センサには駅のホームに設けられている照明器具や列車の照明器具から照射される光線等も入力されるので、車側灯以外の光線の影響を受けない車側灯の出現も待たれていた。
【0006】
そこで本発明は、上記要望に応えるためになされたもので、その目的は、駅のホームや列車で用いられているさまざまな光線と区別できる光線を照射することのできる車側灯を提供するとともに、その車側灯を用いた列車ドア開閉検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る車側灯は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、列車のドアが開かれたときにランプを点灯させてドア開を報知するとともに、その列車のドアが閉じられたときにランプを消灯させてドア閉を報知する、その列車の側面に設けられる車側灯であって、前記ランプには、そのランプの点灯周期を変調処理する変調回路が組込まれていることを特徴としている。
本発明の請求項2に記載の車側灯は、前記変調回路が、前記ランプの光源の周波数を前記列車が停車するホームで用いられる他の光源の周波数と異なる周波数に変調するものであることを特徴としている。
本発明に係る列車ドア開閉検知装置は、上記の目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、前記列車の車側に設けられ、その列車のドアが開かれたときに点灯するとともに、その列車のドアが閉じられたときに消灯する車側灯と、前記列車の停車するホーム側に設けられ、その列車がそのホームの所定位置に停車したときの前記車側灯と対向する位置よりもその列車の走行方向に沿って所定距離保って設けられ、かつその車側灯から照射される光線を受光する受光器と、前記受光器が光線を受光したときに前記列車のドアが開かれていると判定し、その受光器が光線を受光しなくなったときにその列車のドアが閉じられたと判定する判定手段とからなることを特徴としている。
本発明の請求項4に記載の列車ドア開閉検知装置は、前記車側灯のランプには、そのランプの点灯周期を変調処理する変調回路が組込まれていることを特徴としている。
本発明の請求項5に記載の列車ドア開閉検知装置は、前記変調回路が、前記ランプの光源の周波数を前記列車が停車するホームで用いられる他の光源の周波数と異なる周波数に変調するものであることを特徴としている。
本発明の請求項6に記載の列車ドア開閉検知装置は、前記車側灯が、前記列車が複数の車両編成からなるときに各車両毎にそれぞれ設けられ、前記受光器は、各車両毎にそれぞれ設けられた車側灯に対応して設けられることを特徴としている。
本発明の請求項7に記載の列車ドア開閉検知装置は、前記車側灯が、前記列車が複数の車両編成からなるときに各車両毎にそれぞれ設けられるとともに、各車両毎にそれぞれ設けられる車側灯から照射される光線を同時に受光する受光器を設け、さらに各車両毎にそれぞれ設けられる車側灯のランプの点灯周期は互いに異なるように変調処理されていることを特徴としている。
本発明の請求項8に記載の列車ドア開閉検知装置は、前記車側灯が、前記列車が複数の車両編成からなるときに各車両毎にそれぞれ設けられ、前記判定手段は、受光器の受光数が減少したときに前記列車のドア閉扱いが開始されたと判定することを特徴としている。
本発明の請求項9に記載の列車ドア開閉検知装置は、前記受光器が、さらに列車がホームの所定位置に停車したときに車側灯と対向する位置にも設けられることを特徴としている。
本発明の請求項10に記載の列車ドア開閉検知装置は、前記判定手段の判定結果の出力が、踏切しゃ断機等の踏切機器を駆動制御する踏切機器制御器に入力されるものであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の請求項1に記載の車側灯は、ランプに変調回路が組込まれているので、ランプを交換するのみで、すなわち車上装置をそのままにして他の光線と区別できる特徴ある光線を照射することができる。
本発明の請求項2に記載の車側灯は、変調回路でランプの光源の周波数を列車が停車するホームで用いられる他の光源の周波数と異なる周波数に変調するので、簡単に他の光線と区別できる光線を作り出すことができる。
本発明の請求項3に記載の列車ドア開閉検知装置は、列車の車側に設けられ、その列車のドアが開かれたときに点灯するとともに、その列車のドアが閉じられたときに消灯する車側灯と、前記列車の停車するホーム側に設けられ、その列車がそのホームの所定位置に停車したときの前記車側灯と対向する位置よりもその列車の走行方向に沿って所定距離保って設けられ、かつその車側灯から照射される光線を受光する受光器と、前記受光器が光線を受光したときに前記列車のドアが開かれていると判定し、その受光器が光線を受光しなくなったときにその列車のドアが閉じられたと判定する判定手段とからなるので、列車のドアの開閉状態を容易に検知することができ、特に列車が所定の停車位置よりもズレて停車した場合であっても検知することができる。
本発明の請求項4に記載の列車ドア開閉検知装置は、ランプに変調回路が組込まれているので、ランプを交換するのみで、すなわち車上装置をそのままにして他の光線と区別できる特徴ある光線を照射することができる。
本発明の請求項5に記載の列車ドア開閉検知装置は、変調回路でランプの光源の周波数を列車が停車するホームで用いられる他の光源の周波数と異なる周波数に変調するので、簡単に他の光線と区別できる光線を作り出すことができる。
本発明の請求項6に記載の列車ドア開閉検知装置は、車側灯が、列車が複数の車両編成からなるときに各車両毎にそれぞれ設けられ、受光器は、各車両毎にそれぞれ設けられた車側灯に対応して設けられるので、各車両毎のドアの開閉状態を確実に検知することができる。
本発明の請求項7に記載の列車ドア開閉検知装置は、車側灯が、列車が複数の車両編成からなるときに各車両毎にそれぞれ設けられるとともに、各車両毎にそれぞれ設けられる車側灯から照射される光線を同時に受光する受光器を設け、さらに各車両毎にそれぞれ設けられる車側灯のランプの点灯周期は互いに異なるように変調処理されているので、受光器は単一ですみ、各車両毎のドアの開閉状態を低コストに確実に検知することができる。
本発明の請求項8に記載の列車ドア開閉検知装置は、列車が複数の車両編成からなるときに車側灯を各車両毎にそれぞれ設け、判定手段の受光数が減少したときに列車のドア閉扱いが開始されたことを検出するので、車上側においてドア閉め扱いが行われていることを容易に検出することができ、その検出信号の有効利用を図ることができる。
本発明の請求項9に記載の列車ドア開閉検知装置は、受光器が、さらに列車がホームの所定位置に停車したときに車側灯と対向する位置にも設けられているので、地上側において列車が所定位置に停車したことを検出することができる。
本発明の請求項10に記載の列車ドア開閉検知装置は、判定手段の判定結果の出力が、踏切しゃ断機等の踏切機器を駆動制御する踏切機器制御器に入力されるので、列車のドアの開閉状態に基づいて踏切機器を効果的に駆動制御することができ、例えば、列車のドアの開閉検知タイミングに基づいて所定時間経過後に踏切機器駆動信号を出力できるので、踏切の待ち時間を短縮することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。図1(a)は、本発明に係る列車ドア開閉検知装置を適用した列車の側面図、同図(b)は、その平面図である。レールRを走行する列車Tは、複数(図示の例では2両)の車両T1,T2の編成からなり、ここでは、列車Tは、甲駅のホームHの所定の停車位置に停車している状態が示されている。また、この列車Tは、ここでは矢印で示されるように左側から右側へ進行するように決められている。なお、列車Tの車両編成は1両でもよく、又は3両以上であってもよいが、ここでは説明を簡単にするために、2両編成としている。
【0010】
図中1a,1bは車側灯であって、各車両T1,T2のドアDが設けられている側面の中程の上部にそれぞれ設けられている。また、図中10a,10bは受光器であって、ホームHの図示しないフレームに固定して設けられている。すなわち、これら受光器10a,10bは、地上側であるホームH側にそれぞれ設けられ、列車TがホームHの所定の停車位置(図2(b)の一点鎖線参照)に停車したときの各車側灯1a,1bとそれぞれ対向する位置よりも列車Tの走行方向(図示の例では、列車Tの進行方向)に沿って所定の間隔を保ってそれぞれ設けられ、かつ、これら車側灯1a,1bから照射される光線をそれぞれ受光できる位置に設けられている。もちろん、これら受光器10a,10bの設置高さは、ホームH上の乗客の通行に支障とならないように決められている。
【0011】
上記車側灯1a,1bは、同一構成なので、車側灯1aを例に図2(a),(b)を用いて説明する。図2(a)は車側灯の斜視図、同図(b)は、同図(a)の矢視A−Aより見た縦断面図である。この車側灯1aは、周知の車側灯と同様に、直方体の筐体2を有していて、その筐体2の一つの面が車両T1の側面に接合する形で着脱自在に取り付けられている。そして、その筐体2の車両T1の車側面と並行する左右両側の面(車両T1の進行する方向の面及びその方向と反対側の面)は、ダイヤモンドカットされた透光面3,3にそれぞれ形成されている。
【0012】
図2(b)中、4は筐体2内に設けられるランプであって、このランプ4は、筐体2の取付けられる車両T1の側面壁に設けられているソケット5に螺合により取付けられている。このランプ4は、図3に示されるように、本発明の変調回路を含んで構成される駆動回路6とランプ4の発光体をなすLED(発光ダイオード)6とが組込まれている。
【0013】
図4には、ランプ4及び受光器10aの電気的構成を示すブロック図が示されている。なお、受光器10bも同一構成であるので、その受光器10bの説明は省略する。このランプ4には、駆動回路7として光出力を所定の周波数に変調させる発振回路7aと、その発振回路7aの出力を増幅処理する増幅回路7bとを含み、増幅回路7bの出力でLED6が点灯されるように構成されている。したがってLED6は、所定の点灯周期で点灯することができる。なお、点灯周期は、ホームHで用いられている照明器具の点灯周期や列車Tで用いられる電灯の周期と異なるように決められており、例えば、1025Hzとされる。
【0014】
受光器10aは、LED6から照射される光線のみを選択的に透過させるとともに、半導体からなる受光素子11の受光面を保護する光学フィルタ12と、受光素子11の出力信号を増幅処理する増幅回路13と、増幅回路13の出力のうちLED6側から送出された信号のみを通過させるバンドパスフィルタからなるフィルタ14と、フィルタ14からの出力信号を所定のしきい値で処理してON,OFF(1,0)の信号を図示しない地上装置(後述する図8の20参照)に出力する出力回路15とから構成されている。すなわち、この受光器10aは、ランプ4側からの信号を復調処理して、ランプ4以外の外乱光に伴なう信号を除去できるように構成されている。
【0015】
次に、上記構成からなる車側灯1a,1bを備えた列車ドア開閉検知装置の動作について図5(a),(b)のフローチャートを用いて説明する。先ず、列車T側(車上側)から説明すると、今、列車Tが甲駅に接近し、ホームHの所定位置(図1(b)の一点鎖線位置を参照)に停車すると(ステップ100肯定。以下、ステップを「S」とする。)、列車Tは、乗務員によってドアDの開扱いが行われる(S102肯定)。
【0016】
各車両T1,T2の各ドアD,D…には、ドアの開閉状態を検出する図示しないセンサが設けられているので、そのセンサの検出によりランプ4が点灯し、2つの車側灯1a,1bが点灯状態に保たれる(S104)。この点灯状態は、列車Tの出発が許可されて乗務員によってドアDの閉扱いが行われ、ドアDの閉状態がセンナによって検出されるまで継続される(S106肯定、S108肯定、S110)。
【0017】
地上側においては、車側灯1a,1bが点灯すると、それら車側灯1a,1b(ランプ4)から照射された光線が受光器10a,10bに受入れられて、車側灯1a,1bが点灯したこと、すなわちドアDが開けられたことを示す信号が、出力回路15から地上装置に出力される(S200肯定、S202)。この信号は、受光器10a,10bが列車Tの走行方向(進行方向)に設けられているので、列車Tが所定の停車位置から多少ずれた位置に停車しても確実に出力される特長がある。そして、この出力される信号は、図示しない地上装置に入力されて、例えば、ホームHの乗客案内に利用される。その案内例としては、ドアDの前で立ち塞がらないこと、降車客が降車終了後に乗車するよう等の放送案内のスタート信号に用いられる。また、このドア開の検出信号は、後述するように踏切制御装置に入力されて踏切しゃ断機等の踏切機器の駆動信号として用いることができる(S202の鎖線矢印参照)。
【0018】
列車Tの出発が許可されて乗務員によりドア閉扱いが行われると、ドアDは閉じられて、車側灯1a,1bが消灯される。しかし、各ドアDの機械的なバラツキにより一斉に消灯することが稀であり、いずれか一方が先に消灯することとなる(S204肯定)。地上装置は、例えば受光器10aからの出力信号がOFFになったときは、車上側でドア閉扱いが開始されたと判定し、この判定信号に基づいて所定の処理を行うことができる(S206)。例えば、その判定信号に基づいて、ドアが閉っているので、列車から離れるようにとの案内放送をスタートさせたり、あるいは後述する踏切制御装置を駆動させることができる(S206の鎖線矢印参照)。地上装置は、受光器10a,10bの出力が全てOFFとなったことをもって、列車TのドアDが全て閉じられたと判定することができる(S208肯定、S210)。
【0019】
図6は、車側灯1a,1bの他の例を示したもので、筐体2の正面側(車両T1,T2の側面と平行する面側)もダイヤモンドカットされた透光面3に形成されている。そして、この筐体2の正面側に対向するホームH側には、受光器10a,10bと同種の受光器10cが車側灯1a又は車側灯1bのいずれか一方に設けられている。このように、受光器10cがさらに設けられると、図示しない地上装置は、受光器10aと受光器10c(受光器10cが車側灯1b側に設けられているときに、受光器10bと受光器10c)の両方で車側灯1aの光線を受光できたときは、列車Tは所定の停車位置に停車したと判定することができる。なお、車側灯1a,1bの筐体2全体が透光面で形成されている場合、受光器10cは、車側灯1a,1bの正面側の光線のみを入力できるフードが設けられる。
【0020】
図7は、本発明の他の実施の形態を示したもので、受光器10により2つの車側灯1a,1bの光線を受光できるようにしている。この場合、車側灯1a,1bで用いられる点灯周期は互いに異なるように設定されるとともに、受光器10には、それら2つの点灯周期を分別して受信できるように構成されている。すなわち、図4に示されるフィルタ回路14及び出力回路15は、車側灯1a,1bに対応させて並設される。なお、1個の受光器で3両以上の列車に対向することができるが、列車の編成が6両のような場合は、2車両毎に1個の受光器とすることができる。本発明では、このような場合も「受光器は単一である」という範囲に含めている。また、受光器10の設置場所は、車両T1の前方のホームHではなく、車両T1,T2の接続部に対応するホームHに設けるようにしてもよい。
【0021】
図8は、本発明に係る列車ドア開閉装置を踏切機器制御に応用した例を示している。この図8に示される甲駅と踏切Xとの関係についは、発明が解決しようとする課題の項で説明してあるので、その説明は省略する。
【0022】
図8中、20は地上装置であり、受光器10a,10bの出力信号(出力回路15の出力信号)を入力し、警報機Y1及びしゃ断機Y2からなる踏切機器を駆動制御する踏切制御装置30に駆動信号を出力できるように構成されていて、図示しないCPU(中央処理装置)を中心に構成されている。すなわち、この地上装置20は、受光器10a又は受光器10bのいずれか一方からの出力信号がOFFになったことをもって列車Tが甲駅から出発しようとしていると判定し、その判定に基づく駆動信号を踏切制御装置30に出力できるように構成されている。
【0023】
踏切制御装置30では、地上装置20から駆動信号を受信すると、警報機Y1を鳴動させるとともに、しゃ断機Y2のしゃ断かんを降下させて踏切Xを遮断させる。踏切Xは、列車Tの実際の出発に合わせて遮断されるので、踏切の待ち時間の適正化を図ることができる。
【0024】
上述の例では、ドアDの閉の検出信号に基づいて踏切機器を制御したが、ドアDの開の検出信号に基づいて踏切機器を制御する場合は、ドアDが開かれてから所定時間経過後に、すなわち、列車Tの停止位置と踏切Xとの位置関係から踏切Xにおける待ち時間が最適となるように決められた所定の時間経過後に踏切機器の駆動を開始させるようにしてもよい。
【0025】
なお、本発明に係る列車ドア開閉検知装置を踏切機器制御に適用する場合は、受光器10cのみの出力信号を用いることも可能である。すなわち、車側灯1a又は車側灯1bに対向して設けられた受光器10c(この場合の受光器10cは、列車Tが所定の停車位置に停車したことを検知するものでなく、単にドアDが閉じられたことを検知するものでもよい。)がドアDの開又は閉を検知したときに、その検知信号に基づいて警報機Y1等の踏切機器に対して所定の駆動信号を出力して踏切の待ち時間の適正化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】(a)は本発明に係る列車ドア開閉検知装置を適用した列車の側面図、(b)はその平面図である。
【図2】(a)は車側灯の斜視図、(b)はそのA−A縦断面図である。
【図3】車側灯のランプの正面図である。
【図4】ランプ及び受光器の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】列車ドア開閉検知装置の制御動作を示すフローチャートである。
【図6】車側灯の他の例を示す断面図である。
【図7】本発明に係る列車ドア開閉検知装置の他の例を示す平面図である。
【図8】本発明に係る列車ドア開閉検知装置を踏切制御に適用したときの平面図である。
【符号の説明】
【0027】
1a,1b 車側灯
2 筐体
3 透光面
4 ランプ
5 ソケット
6 LED
7 駆動回路(変調回路)
10a,10b,10c 受光器
20 地上装置
30 踏切制御装置
T 列車
1,T2 車両
R レール
X 踏切
1 警報機
2 踏切しゃ断機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
列車のドアが開かれたときにランプを点灯させてドア開を報知するとともに、その列車のドアが閉じられたときにランプを消灯させてドア閉を報知する、その列車の側面に設けられる車側灯であって、
前記ランプには、そのランプの点灯周期を変調処理する変調回路が組込まれていることを特徴とする車側灯。
【請求項2】
請求項1に記載の車側灯において、前記変調回路は、前記ランプの光源の周波数を前記列車が停車するホームで用いられる他の光源の周波数と異なる周波数に変調するものであることを特徴とする車側灯。
【請求項3】
列車の車側に設けられ、その列車のドアが開かれたときに点灯するとともに、その列車のドアが閉じられたときに消灯する車側灯と、
前記列車の停車するホーム側に設けられ、その列車がそのホームの所定位置に停車したときの前記車側灯と対向する位置よりもその列車の走行方向に沿って所定距離保って設けられ、かつその車側灯から照射される光線を受光する受光器と、
前記受光器が光線を受光したときに前記列車のドアが開かれていると判定し、その受光器が光線を受光しなくなったときにその列車のドアが閉じられたと判定する判定手段と、
からなることを特徴とする列車ドア開閉検知装置。
【請求項4】
請求項3に記載の列車ドア開閉検知装置において、前記車側灯のランプには、そのランプの点灯周期を変調処理する変調回路が組込まれていることを特徴とする列車ドア開閉検知装置。
【請求項5】
請求項4に記載の列車ドア開閉検知装置において、前記変調回路は、前記ランプの光源の周波数を前記列車が停車するホームで用いられる他の光源の周波数と異なる周波数に変調するものであることを特徴とする列車ドア開閉検知装置。
【請求項6】
請求項3から5のいずれかに記載の列車ドア開閉検知装置において、前記車側灯は、前記列車が複数の車両編成からなるときに各車両毎にそれぞれ設けられ、前記受光器は、各車両毎にそれぞれ設けられた車側灯に対応して設けられることを特徴とする列車ドア開閉検知装置。
【請求項7】
請求項3から5のいずれかに記載の列車ドア開閉検知装置において、前記車側灯は、前記列車が複数の車両編成からなるときに各車両毎にそれぞれ設けられるとともに、各車両毎にそれぞれ設けられる車側灯から照射される光線を同時に受光する受光器を設け、さらに各車両毎にそれぞれ設けられる車側灯のランプの点灯周期は互いに異なるように変調処理されていることを特徴とする列車ドア開閉検知装置。
【請求項8】
請求項3から5のいずれかに記載の列車ドア開閉検知装置において、前記車側灯は、前記列車が複数の車両編成からなるときに各車両毎にそれぞれ設けられ、前記判定手段は、前記受光器の受光数が減少したときに列車のドア閉扱いが開始されたと判定することを特徴とする列車ドア開閉検知装置。
【請求項9】
請求項3から8のいずれかに記載の列車ドア開閉検知装置において、前記受光器は、さらに列車がホームの所定位置に停車したときに前記車側灯と対向する位置にも設けられることを特徴とする列車ドア開閉検知装置。
【請求項10】
請求項3から9のいずれかに記載の列車ドア開閉検知装置において、前記判定手段の判定結果の出力は、踏切しゃ断機等の踏切機器を駆動制御する踏切機器制御器に入力されるものであることを特徴とする列車ドア開閉検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−232037(P2006−232037A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−47948(P2005−47948)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)