説明

車室内のマイクアレイ配置構造

【課題】 音の分解性能を向上可能な車室内のマイクアレイ配置構造等を提供する。
【解決手段】 車室150内のマイクアレイ配置構造100は、複数のマイク11,12,13,14を備えている。複数のマイク11,12,13,14が凸曲線状LMに配置され、複数のマイク11,12,13,14は、第1のマイク11を有し、第1のマイク11の軸の方向DR1は、運転手170の口元171を向いている。マイクアレイ配置構造100は、複数のマイク11,12,13,14を収納し、且つ複数の孔21,22,23,24を有するカバー30,31,33を更に備えている。カバー30,31,33の表面は、凸曲線状LCを形成し、複数のマイク11,12,13,14の各々は、複数の孔21,22,23,24のうちの1つの孔に対応するようにカバー31,33の内側に固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のマイクを列として自動車等の車両の車室内に配置する際の構造(構成)等に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、エンジン音、ロードノイズ等のノイズが車室内に進入しても、カーナビゲーション装置等に設けられる車室内の音声認識部は、認識率の向上が求められている。
【0003】
例えば特許文献1の図1は、マイクロホン11,12をサンバイザー13(平面ないし直線状)に配置し、マイクロホン11の指向性を話者10の方向に一致させる一方、マイクロホン12の指向性を話者10の方向と角度θだけ異なる方向に一致させている。特許文献1の図1の適応信号処理部3は、適応型(減算型)であり、概して、マイクロホン11で得られる音声からマイクロホン11で得られるノイズを減算して、SN比を高めて、認識率の向上に寄与することができる。
【0004】
また、例えば特許文献2の図1は、マイクロホン11〜15を円弧状(平面ないし凹曲線状)に配置し、マイクロホン11〜15の指向性を音源10の方向に一致させている。特許文献2の図1の信号加算手段16は、加算型であり、マイクロホン11〜15で得られる音声(音源10からマイクロホン11〜15までの距離が一定である。)及びノイズ(ノイズ源からマイクロホン11〜15までの距離が一定でない。)を加算して、音声を強調する一方でノイズを相殺させて、SN比を高めて、認識率の向上に寄与することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−312395号公報
【特許文献2】特開2000−188795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本発明者らが、特許文献1及び特許文献2の技術を検討した結果、車室内の音声認識部としては、更なる認識率の更なる向上が必要であることを認識した。
【0007】
加えて、本発明者らが、車室内の音声認識部をカーナビゲーション装置だけでなく、エアコン、室内照明装置等の様々な装置への適用を検討した結果、特に、車室内の乗員として、運転手だけでなく、助手も存在し、複数の乗員による音声操作を可能にするためには認識率の更なる向上が必要であることを認識した。言い換えれば、特許文献1においては、助手の音声をマイクロホン12でノイズとして認識してしまい、特許文献2においては、助手の音声が音源10と一致せず、マイクロホン11〜15で助手の音声を効果的に強調することができない。
【0008】
本発明の1つの目的は、音の分解性能を向上可能な車室内のマイクアレイ配置構造等を提供することである。本発明の他の目的は、以下に述べる複数の形態及び好ましい実施形態、並びに添付の図面を参照することによって、当業者に明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下に、本発明の概要を容易に理解するために、本発明に従う態様を例示する。
【0010】
本発明に従う第1の態様は、複数のマイクを備え、
前記複数のマイクが凸曲線状に配置され、
前記複数のマイクは、第1のマイクを有し、前記第1のマイクの軸の方向は、運転手の口元を向いていることを特徴とする車室内のマイクアレイ配置構造に関係する。
【0011】
複数のマイクが凸曲線状に配置されるので、例えば第1のマイクに到達する音波の時間と比べて、他のマイクに到達する音波の時間は、例えば直線で配置する時と比べて、より遅くなる。従って、マイクアレイ配置構造の分解能が向上する。
【0012】
第1の態様において、車室内のマイクアレイ配置構造は、
前記複数のマイクを収納し、且つ複数の孔を有するカバーを
更に備えてもよく、
前記カバーの表面は、凸曲線状を形成してもよく、
前記複数のマイクの各々は、複数の孔のうちの1つの孔に対応するように前記カバーの内側に固定されてもよい。
【0013】
カバーの表面を凸曲線状に形成することで、その表面に到達した音波が分離又は干渉し難くなり、その結果として、マイクアレイ配置構造の分解能が向上する。
【0014】
第1の態様において、前記複数の孔は、車室の中心線を基準として、左右対称の1組の孔を有してもよく、
前記複数のマイクは、第2のマイクを更に有してもよく、
前記第1のマイクの前記軸の方向は、前記左右対称の1組の孔の一方を介して前記運転手の口元を向いてもよく、
前記第2のマイクの軸の方向は、前記左右対称の1組の孔の他方を介して助手の口元を向いてもよい。
【0015】
マイクアレイ配置構造は、第1のマイクの方向の運転手からの音声及び第2のマイクの方向の助手からの音声の双方を均一に取得することができる。さらに、運転手は、車両200の運転に専念することができる。
【0016】
第1の態様において、マイクアレイ配置構造は、
前記複数のマイクと前記複数の孔との間に複数のシール材を
更に備えてもよく、
前記複数のシール材のうちの1つのシール材は、前記複数の孔のうちの前記1つの孔に対応し、前記1つの孔以外からの音の前記複数のマイクのうちの1つのマイクへの進入を防いでもよい。
【0017】
シール材でノイズの進入を防ぎ、マイクで得られる信号のSN比を向上させることができる。
【0018】
第1の態様において、前記複数のマイクは、遅延和ビームフォーミングに利用されてもよい。
【0019】
複数のマイクで得られる信号を加算して、例えば運転手からの音声を強調することができる。
【0020】
当業者は、例示した本発明に従う態様が、本発明の精神を逸脱することなく、さらに変更され得ることを容易に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に従うマイクアレイ配置構造の適用例を示す。
【図2】図1のA−A断面を含む車両200の断面図を示す。
【図3】図3(A)は、マイクアレイ配置構造の分解斜視図の1例を示し、図3(B)は、B−B断面を示し、図3(C)は、C−C断面を示し、図3(D)は、マイク11の外観例を示す。
【図4】マイクに到達する音を示す入力信号の処理例を示す。
【図5】図5(A)は、マイクでの遅延時間の説明図を示し、図5(B)は、図3(B)の凸曲線LC,LMを示し、図5(C)は、凸曲線LC,LMの変形例を示し、図5(D)は、凸曲線LC,LMのもう1つの変形例を示す。
【図6】マイクアレイ配置構造を入力部として利用する車載装置の機能ブロック図の1例を示す。
【図7】本発明に従う車室内のマイクアレイ配置構造の他の適用例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に説明する好ましい実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
【0023】
図1は、本発明に従う車室内のマイクアレイ配置構造の適用例を示す。自動車等の車両200は、車室を備え、図1の例において、車室には、例えば、ルーフライニング110、右側前方のドアラニング120、左側前方のドアラニング121、インストルメントパネル130及びフロントガラス140等が設けられている。インストルメントパネル130は、車室内のエアコンの通風口132,132,132,132、カーナビゲーション装置134及びメータ180等を有する。
【0024】
本願発明に従う車室内のマイクアレイ配置構造100は、図1の例において、例えばルーフライニング110に設けられた室内照明装置に適用されている。図1の例において、マイクアレイ配置構造100は、室内照明装置を兼ねており、マイクアレイ配置構造100のマイクアレイは、マイクアレイ配置構造100又は室内照明装置のカバー30,31,32,33の内側に設けられている。マイクアレイを構成する例えば4つのマイクは、カバー31,32の孔21,22,23,24を介して4つの方向DR1,DR2,DR3,DR4を向いている。なお、マイクアレイを格納するマイクアレイ配置構造100のカバー30は、例えば3つの部材31,32,33で構成されているが、1つの部材で構成してもよく、2つ又は4つ以上の部材で構成してもよい。
【0025】
なお、図1の例を変形して、マイクアレイ配置構造100は、例えば、インストルメントパネル130の中央部(車室の中心線0Bに対応する。)の下側190等の内装部材に適用して、内装部材の表面(カバー)の内側にマイクアレイを設けることができる。
【0026】
図2は、図1のマイクアレイ配置構造100のA−A断面を含む車両200の断面図を示す。図2の例において、車室150には、例えば、第1列の運転手側のシート160、第2列(後部)のシート160'及びセンターコンソール193だけでなく、マイクアレイ配置構造100と同一又は類似のマイクアレイ配置構造100'が、さらに設けられている。シート160に運転手としての乗員170(又は標準乗員)が座り、マイクアレイ配置構造100の1つのマイク11は、孔21を介して乗員170の口元171付近を向いている。言い換えれば、マイク11の軸(マイク11の振動板に垂直である。)の方向DR1は、乗員170の口元171付近を向いている。
【0027】
なお、マイクアレイ配置構造100を構成するマイク11の車室150内の高さは、マイクアレイ配置構造100を構成する他のマイクの車室150内の高さと実質的に等しく、言い換えれば、マイクアレイ配置構造100を構成するマイク11を含む複数のマイクは、水平状に位置することができる。
【0028】
マイクアレイ配置構造100'は、室内照明装置を兼ねてもよく、室内照明装置を兼ねなくてもよく、マイクアレイ配置構造100'(又は室内照明装置)のカバーの内側にマイクアレイ配置構造100'のマイク11'が設けられている。マイク11'又はマイク11'の軸の方向DR1'は、孔21'を介して、シート160'に座る乗員170' (又は標準乗員)の口元171付近を向いている。
【0029】
図3(A)は、マイクアレイ配置構造100の分解斜視図の1例を示し、図3(B)は、マイクアレイ配置構造100のB−B断面を示し、図3(C)は、マイクアレイ配置構造100のC−C断面を示し、図3(D)は、マイク11の外観例を示す。マイクアレイ配置構造100のマイクアレイは、例えば4つのマイク11,12,13,14で構成され、4つのマイク11,12,13,14は、それぞれ、孔21,22,23,24に対応するように、組み立てることができる。
【0030】
例えばマイク11の主面P(マイク11の軸の方向DR1に垂直である。)は、運転手側のシート160を向くように設定されて(図3(D)、図2参照)、マイク11が乗員170(運転手)の口元171付近を向くように設定される時、マイク12は、第1列の助手側のシートに座る助手としての乗員(又は標準乗員)の口元付近を向くように設定される。マイク13,14は、乗員170(運転手)の口元171と乗員(助手)の口元との間を向くように設定される。
【0031】
例えばマイク11(集音部)は、基材41に取り付けられており、基材41とカバー31との間にスペーサ61を挟み込むように、且つマイク11とカバー31(孔21周辺)との間に中空部を有するスペーサ71を挟み込むように、固定具51を介して基材41をカバー31側に固定することができる。なお、固定具51とカバー31とは、図示せぬネジ、接着剤等の結合剤で結合させることができるとともに、マイク11の主面P又は軸の方向DR1を調整することができる。同様に、孔22に対応するマイク12は、基材42及び固定具52を介してカバー31側に固定することができる。孔23,24に対応するマイク13,14も、基材43,44及び固定具55を介してカバー31側に固定することができる。
【0032】
カバー31の凹部(窪み部)には、マイク13,14に対応する貫通孔が設けられるとともに、光源36も設けられている。カバー33とカバー31との間にスペーサ73,74及びパッキン34を挟み込むように、カバー33とカバー31とは、図示せぬ結合剤で結合させることができる。カバー33は、光源36からの光が透過するように透明部材又は半透明部材で構成され、例えば拡散レンズとしても機能する。乗員170からマイク13,14又はスペーサ73,74が見えないように、カバー33(レンズ)の裏面の領域35に非透明材料で塗装することができる。カバー31は、ルーフライニング110に固定することができ、カバー32,32とカバー31とは、図示せぬ結合剤で結合させることができる。
【0033】
図3(B)に示されるように、マイクアレイ配置構造100のカバー31,32,33の表面は、凸曲線LCを形成し、マイク11,12,13,14の主面P(図3(D)参照)は、凸曲線LMに実質的に接し、或いは、マイク11,12,13,14の集音点は、凸曲線LMを形成する。カバー31,32,33は、例えば、プラスチック、金属等の音波を吸収しない部材で構成することができ、凸曲線LCで音波の流れをスムーズにさせることができる。図3(C)を考慮すれば、例えばマイク14は、孔24(入力孔)からの音を拾うことができる一方、スペーサ74は、孔24以外からの音のマイク14への進入を防ぐことができる。スペーサ74は、シール材として機能するとともに、パッキン34と同様にクッション材としても機能することができる。
【0034】
図4は、マイク11,12,13,14に到達する音を示す入力信号の処理例を示す。図4の例において、例えば乗員170(運転手)の口元171が音源である場合、乗員170の声を表す波形は、マイク11に最も早く到達し、その後、マイク13,14,12の順で、マイク12,13,14に到達する。乗員170の声を表す波形は、マイク11と比べて、マイク12,13,14に遅延して到達し、マイク12に最も遅く到達する。マイク12での入力信号を基準として、マイク11,13,14での入力信号に遅延補正を実行し、マイク11,12,13,14での入力信号の位相を一致させることができる。その後、遅延補正後の入力信号(遅延補正信号)を加算することで、出力信号を得ることができる。このような処理は、遅延を利用した加算型であり、遅延和ビームフォーミングとして知られている。図4の例において、ノイズは省略されているが、遅延和ビームフォーミングでは、遅延補正信号中のノイズの位相はほとんど一致せず、SN比が高められた出力信号を得ることができる。このような出力信号を音声認識処理することで、例えば、実際の運転手に座高のばらつき等があっても、認識率を向上させることができる。
【0035】
図5(A)は、マイク11,12,13,14での遅延時間の説明図を示し、図5(B)は、図3(B)の凸曲線LC,LMを示し、図5(C)は、凸曲線LC,LMの変形例を示し、図5(D)は、凸曲線LC,LMのもう1つの変形例を示す。
【0036】
図5(A)に示すように、例えば乗員170(運転手)の口元171が音源である場合、乗員170の声を表す波形は、同心円状に進行する。マイク11の集音点とマイク12の集音点との距離がd1である場合、仮に、マイク11の集音点から距離d1だけ離してマイク99の集音点を例えば特許文献1のように直線上に配置することを想定する。仮のマイク99の集音点での遅延時間(又は到達時間)よりも、マイク12の集音点での遅延時間の方が大きくなる。従って、入力信号の遅延時間又は遅延補正信号の補正時間の分解能が向上し、マイク11,12,13,14を凸曲線LMに配置することで、特許文献1のような直線状に配置することに比べて、SN比がより一層高められた出力信号を得ることができる。
【0037】
なお、マイク11,12,13,14を特許文献2のような凹曲線状に配置すると、入力信号又は遅延補正信号の分解能が低下し、出力信号のSN比も低下してしまう。
【0038】
図5(B)に示すように、マイクアレイ配置構造100のカバー31,32,33の表面は、その表面に到達した音波が分離又は干渉し難いように、凸曲線LCを形成することが好ましい。言い換えれば、ある程度の分離又は干渉は許容され、図5(C)に示すように、カバー31,32,33の表面が2つの直線を形成しても、2つの直線の境界部での交差角θを鈍角に設定して、凸曲線状LCを形成してもよい。マイク11,12,13,14を凸曲線状LMに配置しても、マイク11,12,13,14の集音点は、凸曲線LM'に配置することができる。また、図5(D)に示すように、カバー31,32,33の表面が2つの直線を形成しても、2つの直線の境界部に曲率半径Rの大きい凸曲線を設定して、凸曲線状LCを形成してもよい。マイク11,12,13,14を凸曲線状LMに配置しても、マイク11,12,13,14の集音点は、凸曲線LM'に配置することができる。
【0039】
ところで、図1を参照すると、断面視(例えば図3(B))で凸曲線LCを形成する孔21,22,23,24は、平面視で直線状Lを形成している。中心線0Bを基準として、左右対称の1組の孔21,22(マイク11,12)と左右対称のもう1組の孔23,24(マイク13,14)とを形成することで、方向DR1の運転手からの音声及び方向DR2の助手からの音声の双方を均一に取得することができるとともに、両方向DR1,DR2からの声を表す入力信号又は遅延補正信号の分解能を高めることができる。
【0040】
図6は、マイクアレイ配置構造100,100'を入力部として利用するカーナビゲーション装置134の機能ブロック図の1例を示す。図6の例において、制御部300は、カーナビゲーション装置134の処理部として機能し、制御部300は、音声認識部210,210'の判定結果に従って、図示せぬ表示パネルを駆動して、カーナビゲーション装置134の表示を制御することができる。音声認識部210は、例えば遅延和ビームフォーミングを実行するための補正部及び加算部を備え、所定の音声入力があったか否かを判定することができる。音声認識部210は、第1列のシート160の乗員170(運転手及び助手)からの音声を主として認識し、音声認識部210'は、第2列のシート160'の乗員170'からの音声を主として認識することができる。
【0041】
なお、制御部300は、カーナビゲーション装置134の制御部に適用するだけでなく、車両200の運転に支障がない車載機器(例えば、エアコン、室内照明装置等)に適用してもよい。運転手以外の助手や乗員170'も、音声入力装置100,100',210,210'に接続される制御部300を備える車載装置を操作することができる。これにより、運転手は、車両200の運転に専念することができる。
【0042】
例えば図2において、マイクアレイ配置構造100,100'は、車室150の最上部に位置するが、乗員170,170'は、下方を向いてしゃべる確率が比較的多いので、マイクアレイ配置構造100,100'は、車室150の下部に位置させて、音声を拾い易くしてもよい。例えば、前方のマイクアレイ配置構造100は、例えば、インストルメントパネル130の中央部の下側190、センターコンソール193の前方192に位置してもよい。また、後方のマイクアレイ配置構造100'は、例えば、センターコンソール193の後部195に位置してもよい。
【0043】
図7は、本発明に従う車室内のマイクアレイ配置構造の他の適用例を示す。図7の例において、マイクアレイ配置構造100は、インストルメントパネル130の中央部の下側190に適用されている。マイク11又はマイク11の軸の方向DR1は、乗員170(運転手)の口元171付近を向き、マイク12の方向DR2は、乗員170(助手)の口元171付近を向き、マイク13の方向DR3は、後部の右側の乗員170'の口元171'付近を向き、マイク14の方向DR4は、後部の左側の乗員170'の口元171'付近を向いている。
【0044】
本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。
【符号の説明】
【0045】
11,12,13,14,11',12',13',14'・・・マイク、21,22,23,24・・・孔、30,31,32,33・・・カバー、34・・・パッキン、35・・・塗装領域(裏面)、36・・・光源、41,42,43,44・・・基材、51,52,55・・・固定具、61,62,63,64・・・スペーサ、71,72,73,74・・・スペーサ(シール材)、100・・・マイクアレイ配置構造、110・・・ルーフライニング、120,121・・・ドアラニング、130・・・インストルメントパネル、132・・・通風口、134・・・カーナビゲーション装置、140・・・フロントガラス、150・・・車室、160,160'・・・シート、170,170'・・・乗員、171,171'・・・口元、180・・・メータ、193・・・センターコンソール、200・・・車両、210,210'・・・音声認識部、300・・・制御部、0B・・・中心線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のマイクを備え、
前記複数のマイクが凸曲線状に配置され、
前記複数のマイクは、第1のマイクを有し、前記第1のマイクの軸の方向は、運転手の口元を向いていることを特徴とする車室内のマイクアレイ配置構造。
【請求項2】
前記複数のマイクを収納し、且つ複数の孔を有するカバーを
更に備え、
前記カバーの表面は、凸曲線状を形成し、
前記複数のマイクの各々は、複数の孔のうちの1つの孔に対応するように前記カバーの内側に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の車室内のマイクアレイ配置構造。
【請求項3】
前記複数の孔は、車室の中心線を基準として、左右対称の1組の孔を有し、
前記複数のマイクは、第2のマイクを更に有し、
前記第1のマイクの前記軸の方向は、前記左右対称の1組の孔の一方を介して前記運転手の口元を向き、
前記第2のマイクの軸の方向は、前記左右対称の1組の孔の他方を介して助手の口元を向いていることを特徴とする請求項2に記載の車室内のマイクアレイ配置構造。
【請求項4】
前記複数のマイクと前記複数の孔との間に複数のシール材を
さらに備え、
前記複数のシール材のうちの1つのシール材は、前記複数の孔のうちの前記1つの孔に対応し、前記1つの孔以外からの音の前記複数のマイクのうちの1つのマイクへの進入を防ぐことを特徴とする請求項2又は3に記載の車室内のマイクアレイ配置構造。
【請求項5】
前記複数のマイクは、遅延和ビームフォーミングに利用されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の車室内のマイクアレイ配置構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−102268(P2013−102268A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243535(P2011−243535)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(390005430)株式会社ホンダアクセス (205)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】