説明

車種判別装置

【課題】二輪車をその前輪の重量だけで判別する車種判別装置において、確実に車種を判別できるようにする。
【解決手段】車種判別装置は、床面100に設けられ、二輪車の前輪を載置する載置台11aと、載置台11aに載置された車輪の重量を検出する重量計11とを含み、載置台11aは床面100よりも高い部分を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車種判別装置に関し、特に、誤判定の生じない車種判別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駐輪場において、自転車かバイクかを自動で判別する車種判別装置が使用されている。従来の車種判別装置が、たとえば、特開2006−307517号公報(特許文献1)や、特開2006−144487号公報(特許文献2)に開示されている。特許文献1によれば、ゲートを通過する二輪車のタイヤの厚さをセンサにより測定し、二輪車が自転車かバイクかを判別している。また、特許文献2によれば、二輪車の重量を測定して判別している。
【0003】
また、上記以外に、二輪車の前輪の重量のみをロードセルを内蔵した重量計で計測し、車種判別を行っている判別装置も存在する。
【特許文献1】特開2006−307517号公報(要約)
【特許文献2】特開2006−144487号公報(要約)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図6は、従来の車種判別装置のうち、二輪車の前輪の重量のみを重量計で計測する装置における重量計の設置状態を示す図である。図6を参照して、このような従来の車種判別装置においては、重量計103を床面100との間に設けられた凹部101内に設けているため、重量計103と床面との間に溝104が形成される。本来、駐輪場へ入ったときは、バイクまたは自転車の前輪を重量計103の上に載せる必要があるにも拘わらず、利用者の中には次のような行為をすることにより、誤判定させるものがいる。
【0005】
(1)前輪を床面100と重量計103との間にまたがるように置くことによって、軽量化で誤判定させようとする。
【0006】
(2)バイクの前輪を重量計に載せず、たとえば、軽いかばんを重量計の上に置き、軽量化することによって誤判定させる。
【0007】
(3)バイクの前輪を重量計に載せたままスタンドを立て、軽量化させて誤判定させる。
【0008】
この発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたもので、二輪車をその前輪の重量だけで判別する車種判別装置において、確実に車種を判別できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る車種判別装置は、床面に設けられ、二輪車の一方の車輪を載置する載置台と、載置台に載置された車輪の重量を検出する重量検出手段とを含み、載置台は床面よりも高い部分を有する。
【0010】
二輪車の一方の車輪の重量を検出して車種を判別する際に、車輪を床面よりも高い部分を有する載置台に載置させるようにしたため、一方の車輪の重量を確実に測定できる。 その結果、確実に車種を判別できる。
【0011】
載置台の全面が床面よりも高い位置に設けられてもよいし、載置台はその周縁部に立上がり部を有し、立上がり部の上端部が床面よりも高い位置に設けられてもよい。
【0012】
さらに好ましくは、二輪車の他方の車輪の有無を検出する車輪検出センサを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に図面を参照して、この発明の一実施の形態について説明する。図1は、この発明の一実施の形態に係る、駐輪場に設けられた車種判別装置の模式図であり、図2は、図1において、II−IIで示す部分の断面図である。この実施の形態においても、従来と同様に、車種判別装置10は二輪車の前輪の重さのみを測定して車種を判別する。また、重量計(重量検出手段)は、床面100に設けられた凹部101に設けられている。
【0014】
図1および図2を参照して、車種判別装置10は、二輪車の前輪の重量を測定する重量計11と、二輪車の後輪を載置するマット20とを含む。マット20にはセンサ(車輪検出センサ)21が内蔵されている。重量計11の前輪を載置する部分11aは、床面100より高い位置に設けられている。そのため、実際の測定時には、二輪車の前輪は図2に示すように、重量計11の前輪を載置する部分11aの上に載置される。従来のように、重量計11の前輪を載置する部分11aと床面100との間の溝104をまたがるように前輪が位置することはできない。その結果、確実に二輪車の前輪の重量を測定できる。また、センサ21が後輪を検出した状態でのみ前輪の重量を測定するようにすれば、より確実に二輪車を前輪の重量のみで判別できる。
【0015】
図3は、この実施の形態における、車種判別装置の要部を示すブロック図である。図3を参照して、車種判別装置は、装置全体を制御するCPUを有する制御部30を含み、重量計11、センサ21、および、判別結果等を表示する出力部25が制御部30によって制御される。図4は、制御部30の制御内容を示すフローチャートである。図4を参照して、まず、センサ21によって後輪がマット20上に載置されているか否かを判断する(ステップS11、以下、ステップを省略する)。載置されていれば(S11でYES)、載置されてから所定の時間(たとえば0.5秒)以内に前輪の重量が検出されたか否かを判断する(S12)。所定の時間内に重量計11が前輪の重量を検出したときは(S12でYES)、その重量が所定の重量(たとえば、20kg、この値は駐輪場の管理者が任意に設定可能)以上か否かを判別する(S13)。所定の重量以上であれば(S13でYES)、バイクと判別し(S14)、それ以下であれば(S13でNO)、自転車であると判別する(S15)。このように判別された結果は、出力部25の図示のない表示器等に表示される。
【0016】
このように、この実施の形態によれば、後輪と前輪とが所定の時間内に所定の位置にあることを確認した後で、前輪の重量を検出しているため、上記の、発明が解決しようとする課題の項目(2)および(3)のような不正利用者に対しても効果を有する。
【0017】
なお、上記実施の形態においては、後輪を検出後、前輪を検出した場合について説明したが、これを逆にしてもよい。
【0018】
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。図5は、この実施の形態における、図2に対応する図である。この実施の形態においては、先の実施の形態と異なり、重量計11の前輪を載置する部分12は、床面100と同じレベルにあるが、その周縁部13のみが立上がって、床面100より高い壁を形成している。
【0019】
この場合においても、図5に示すように、前輪は壁の上、または、前輪を載置する部分12の上に位置する。その結果、確実に二輪車の前輪の重量を測定できる。
【0020】
なお、上記実施の形態においては、後輪を検出するために、センサを設けたが、このセンサは無くてもよい。
【0021】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の一実施の形態に係る、車種判別装置の模式図である。
【図2】図1において、II-IIで示す部分の矢視図である。
【図3】車種判別装置の制御部周りのブロック図である。
【図4】制御部の動作を示すフローチャートである。
【図5】この発明の他の実施の形態における図2に対応する図である。
【図6】従来の車種判別装置の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
【0023】
10 車種判別装置、11 重量計、20 マット、21 センサ、25 出力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に設けられ、二輪車の一方の車輪を載置する載置台と、
前記載置台に載置された車輪の重量を検出する重量検出手段とを含み、
前記載置台は前記床面よりも高い部分を有する、車種判別装置。
【請求項2】
前記載置台の全面が前記床面よりも高い位置に設けられる、請求項1に記載の車種判別装置。
【請求項3】
前記載置台はその周縁部に立上がり部を有し、前記立上がり部の上端部が前記床面よりも高い位置に設けられる、請求項1または2に記載の車種判別装置。
【請求項4】
さらに、前記二輪車の他方の車輪の有無を検出する車輪検出センサを含む、請求項1から3のいずれかに記載の車種判別装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−231783(P2008−231783A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−73180(P2007−73180)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(502189270)株式会社テクノ・ワン (8)