説明

車車間通信装置および車載ナビゲーション装置

【課題】任意の地点に到達するまでに要する走行時間を予測するために必要な情報を、目的地が定まっていなかったり異なったりする車両間でやり取りすることのできる車車間通信装置を提供する。
【解決手段】取得情報解析部6は、車両状態情報取得部5が取得する情報に基づき、車両が停止(または一定速度以下)になると、その地点の位置情報と到達した時刻情報とを情報蓄積部7へ蓄積する。情報抽出部9および情報合成部10は、情報蓄積部7の情報から任意の2地点の位置、通過時刻、および当該2地点の走行時間を含む区間情報を生成する。情報提供部4は、この走行時間が通常走行より長時間のとき渋滞と判断し、区間情報を車車間通信部2を介して他車両へ発信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、渋滞等の判断に用いる情報を車車間通信により他車両との間で送受信する車車間通信装置、およびこれを搭載した車載ナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車車間で通信する方法としては、例えばETCシステム(Electronic Toll Collection system)の通信装置を利用し、個人認証用のID情報に基づいて特定の車両に対してのみ限定して車車間通信を行う方法がある(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、渋滞情報のように秘匿する必要のない情報を通信する場合、特許文献1の方法で特定車両とのみ通信することに意味はない。また、特定の地点までの走行時間を知りたいような要求に応えるための技術は示唆も開示もない。
【0003】
また例えば、広域無線通信網を利用して車両とセンタサーバの間で情報を送受信するテレマティクスサービスなどにおいて、車車間通信を補助的に利用する例がある(例えば、特許文献2参照)。特許文献2にかかる車載情報収集装置は、車車間通信を介して、他車両がセンタサーバへ送出したデータを取得して、同じデータは送出せず異なるデータのみセンタサーバへ送出する。そして、車両から送出されたデータを元にセンタサーバで渋滞発生等を判定し、各車両へ通知する。ただし、この特許文献2では、車車間でどのようにデータを保持するかという点に関して示唆も開示もされておらず、また、車両側で渋滞の発生等を判断することもできない。
【0004】
これに対し、車両側で渋滞発生などの道路状況を判断する方法として、例えば特許文献3〜5がある。
特許文献3に係る車車間通信システムは、車車間通信を利用して、駐車場入り口から始まる渋滞の先頭車両から自車両まで間の車両で目的地情報をリレーし、ホップ数などに応じて目的地までの渋滞を判定する。このシステムは駐車場という特性上、駐車場入り口に到達までに要する時間が分かるわけではなく、自車両が先頭から何台目かという情報しか分からない。また、車両がシステムに目的地を設定している場合に限り、車車間通信での情報伝播が可能である。そのため、車両側で目的地までの走行時間を知ることはできず、また、目的地設定などがされていない場合はそもそも渋滞などの情報を知ることができない。さらに、目的地に到る経路上の途中の任意地点までの走行時間を知ることもできない。
【0005】
また、特許文献4に係る車両運行管理装置は、予め決まった経路を通る車両間で、車車間通信を利用して先行車両の情報を後続車両に伝播することにより、渋滞有無など道路の状況を周知する。この方法は、バスおよびトラックなど決まった経路を走る車両には有効な手法であるが、目的地もばらばらで経路を設定しているかどうかも分からないような一般の車両にどう対応するかについては何ら示唆も開示もされていない。よって、上記特許文献3と同様の問題がある。
【0006】
また、特許文献5に係るナビゲーション装置は、すれちがい通信を使って、対向車線を走る車両を中継して自車両後方の車両に対して渋滞情報を送信する。こうすることにより、情報を受け取った車両が各方面で情報をばらまき、後方の様々な車両に配布できる特徴がある。しかし、すれちがう都度、通信を行っていたのでは通信量が増えてしまうことになりかねない。また、違う車両から同じ情報を受け取った場合、および車両毎に違う情報を受け取った場合に、それらの情報をどのように扱うかまでは示唆も開示もされていない。
【0007】
その他にも、車車間通信のための技術として、例えば、複数の車両から同時に通信を要求された場合に、情報送信元の種別、通信方法、通信速度、自車両との位置関係、移動状態などによって、通信相手を適切に選択する例がある(例えば、特許文献6参照)。また、車車間通信の受信可能範囲にある車両同士でグループを形成してしまうことにより、グループ内の代表車両のみがGPS(Grobal Positioning System)等の位置情報取得の装置を備えれば足りるようにして、コストを安く実現する例がある(例えば、特許文献7参照)。ただし、これらの特許文献6,7は車車間通信で送受信した情報の使い方などに関しては何ら示唆も開示もされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−244928号公報
【特許文献2】特開2007−249473号公報
【特許文献3】特開2009−175956号公報
【特許文献4】特開2003−6785号公報
【特許文献5】米国特許公開第5428544号
【特許文献6】特開2007−318353号公報
【特許文献7】特表2001−523871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の車車間通信装置は以上のように構成されているので、目的地および経路が同じ車車間であれば、車車間通信を利用して得た情報からその目的地に到達するまでに要する時間を予測することは可能であるが、目的地途中の任意の地点に到達するまでに要する時間を予測することができないという課題があった。
また、車両がすれ違う都度通信しては、通信量が増大するという課題もあった。
【0010】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、任意の地点に到達するまでに要する走行時間を予測するために必要な情報を、目的地が定まっていなかったり異なったりする車両間でやり取りすることのできる車車間通信装置を提供することを目的とする。また、この車車間通信装置が取得した情報を用いて任意の地点に到達するまでに要する走行時間を予測する車載ナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係る車車間通信装置は、自車両の周辺に存在する他車両を特定する近接車両認識部と、近接車両認識部が特定した他車両との間で通信する車車間通信部と、車車間通信部を介して他車両より情報を取得する情報取得部と、自車両の位置情報および当該位置を通過した時刻情報を取得する車両状態情報取得部と、情報取得部が他車両より取得した情報から任意の2地点の位置情報および当該2地点を通過した時刻情報を抽出すると共に、車両状態情報取得部が取得した情報から任意の2地点の位置情報および当該2地点を通過した時刻情報を抽出する取得情報解析部と、取得情報解析部が抽出した任意の2地点の位置情報および時刻情報をペアにして記憶する情報蓄積部と、情報蓄積部から任意の2地点の位置および当該2地点を走行するのに要した走行時間の情報を生成する情報抽出部と、情報抽出部が生成した情報を他車両に提供するフォーマット形式にした区間情報を生成する情報合成部と、情報合成部が生成した区間情報を車車間通信部を介して他車両へ提供する情報提供部とを備えるようにしたものである。
【0012】
この発明に係る車載ナビゲーション装置は、上記車車間通信装置を搭載し、他車両から受信した区間情報を複数組み合わせて、任意の地点に到達するまでに要する時間を予測するものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、自車両が取得した任意の2地点の位置と時刻の情報と、他車両より車車間通信で受信した任意の2地点の位置と時刻の情報とに基づいて、任意の2地点の走行時間を含む区間情報を生成して他車両へ提供するようにしたので、任意の地点に到達するまでに要する走行時間を予測するために必要な情報を、目的地が定まっていなかったり異なったりする車両間でやり取りできる車車間通信装置を提供することができる。
【0014】
この発明によれば、車車間通信装置が他車両から受信した区間情報を複数組み合わせることにより、任意の地点に到達するまでに要する走行時間を予測する車載ナビゲーション装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の実施の形態1に係る車車間通信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係る渋滞情報周知システムの概要を説明する図である。
【図3】実施の形態1に係る車車間通信装置の情報生成の動作を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態1に係る車車間通信装置の情報提供の動作を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1に係る車車間通信装置の情報取得の動作を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1に係る車車間通信装置の情報解析の動作を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態1に係る車車間通信装置が取得する区間情報、および情報蓄積部に蓄積した特定地点情報の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施の形態1.
図1に示す車車間通信装置(車両間通信装置、車々間通信装置とも言う)1は、車両に搭載され、自車両と他車両との間で車車間通信を実施する装置であり、車車間通信部2、情報取得部3、情報提供部4、車両状態情報取得部5、取得情報解析部6、情報蓄積部7、周期管理部8、情報抽出部9、情報合成部10、近接車両認識部11から構成される。
この車車間通信装置1はナビゲーション装置などの車載情報機器に適用され、この車載情報機器が、車車間でやり取りした情報を用いて渋滞等の道路状況および目的地到着の予測時刻をユーザに提示する。なお、図1では図示を省略するが、車載情報機器は、通常のカーナビゲーション装置のように、タッチパネルおよびディスプレイのような入出力装置、ならびに地図情報記憶装置などを具備する。
【0017】
自車両の車車間通信装置1と他車両の車車間通信装置1との間で行う車車間通信の方式としては、例えば700MHz帯の通信帯域を用いて車車間通信装置1,1の間で直接通信する方式、路側上のDSRC(Dedicated Short Range Communications)方式の通信路を経由して他車両の車車間通信装置1と通信する方式、無線LAN(Local Area Network)を用いて複数の車車間通信装置1を中継(ホップ)して通信する方式など、様々な方式があり、どのような方式を利用してもよい。また、車車間の通信路を実現するプロトコルは、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)上のFTP(File Transfer Protocol)のように情報を転送できるものであればよい。
【0018】
上述した車車間通信機能を実現するために、車車間通信装置1は下位レイヤのハードウェアである車車間通信部2と、上位レイヤのソフトウェアモジュールである情報取得部3および情報提供部4とからなる階層構造を有する。車車間通信を実際に行う下位レイヤの車車間通信部2により上記プロトコルが動作し、情報取得部3および情報提供部4は情報送受信の要求に応じて他車両の車車間通信装置1との間で区間情報を送受信する。区間情報の詳細は後述する。他車両から取得した区間情報は、情報取得部3によって車車間通信装置1の内部に取り込まれる。また、自車両が生成した区間情報は、情報提供部4が車車間通信部2を通じて他車両へ送信する。
【0019】
車両状態情報取得部5は、例えば自車両の速度情報、GPSの位置情報といった車両状態情報を、車載機器から取得するためのインタフェースモジュールである。この車両状態情報取得部5は、自車両の位置情報、その位置情報を取得した時刻情報、速度情報より算出した平均車速情報などを車両状態情報として取得情報解析部6へ出力する。
【0020】
取得情報解析部6は、情報取得部3を通じて他車両より取得した区間情報、および車両状態情報取得部5を通じて取得した自車両の車両状態情報を解析して、特定の地点についてその位置情報とその地点を通過した時刻情報とをペアにした特定地点情報を生成し、情報蓄積部7へ出力する。
情報蓄積部7は、取得情報解析部6が生成した特定地点情報を蓄積する。周期管理部8は、情報蓄積部7が蓄積している特定地点情報を周期的または定期的に確認して、一定時間を超えて古くなった情報、および現在地より一定距離以上離れた地点に関する情報のいずれか一方、またはその両方を、時間的および位置的に意味をなさなくなった不要な情報と判断して削除する。
【0021】
情報抽出部9は、情報蓄積部7に蓄積されている特定地点情報の中から、他車両に提供する情報を抽出する。例えば、特定の2地点に関して特定地点情報を抽出し、この地点から別の地点までの走行に要した時間(以下、走行時間)を求める。情報合成部10は、情報抽出部9が抽出した特定の2地点とその走行時間との情報を複数合成し、さらに合成時(または送信時)の時刻情報(タイムスタンプ)を付与して、車車間通信用のフォーマット形式にする。この情報は、区間情報として、情報提供部4を通じて他車両へ送信される。
【0022】
一般に無線通信では通信相手となる他車両が自車両に対してどの位置にいるか分かりにくいことが多いが、本実施の形態1の車車間通信においては、後述するように、通信相手となる他車両の位置を特定する必要がある。そこで、近接車両認識部11により通信相手となる車両の位置を確認して、区間情報を送受信できるようにする。
この近接車両認識部11は、例えば、カメラ等のセンサにより構成され、自車両周辺に他の車両が存在しないことを確認したり、カメラで撮像した周辺画像からナンバプレートなど固有の車両情報を読み取って通信時に他車両との間でナンバを交換することにより通信相手の車両を確認したりすればよい。
または、近接車両認識部11は、通信時に位置情報を交換することにより自車両との位置関係を確認してもよい。
さらに近接車両認識部11は、車両の位置情報とナンバ、車両固有のID等の車両識別情報とを関係付けて、自車両から最も近い位置に存在する車両を特定してもよい。
【0023】
ここで、本実施の形態1に係る渋滞情報周知システムの概要を説明する。
図2は、車車間通信装置1を搭載した車両同士の通信により実現する、渋滞情報周知システムの概要を説明する図である。車両100〜104はそれぞれ車車間通信装置1を搭載しており、車両100,101、車両102,103、車両102,104の間の各通信路111,113,114上に上述したようなプロトコルが動作し、それぞれの車車間で通信が行われることになる。例えば、車両100が地点C(交差点)に到達した時点で、この車両100が辿った経路A→B→Cに沿って、地点Aから地点B(交差点)、および地点Bから地点Cに到達するまでに要した走行時間等の区間情報を、後方の車両101に対して通信路111により発信する。
車両101は、前方の車両100から受け取った区間情報と自車両101で蓄積した情報とに基づき作成した区間情報を、後方の車両に対して発信する。間の車両を中継して、通信路112より区間情報を受信すると、車両102は、同じように区間情報を作成して斜め後方の車両103に対して通信路113より発信する。また、この車両102は、対向車線側の車両104との間で通信路114により区間情報をやり取りする。
これにより、車両100が後方車両101〜104に対して区間情報を周知することができる。
【0024】
以下、図3に示すフローチャートを用いて、車車間通信装置1の情報生成フローを説明する。
取得情報解析部6は、車両状態情報取得部5が取得する速度情報に基づいて、自車両が停止(または一定速度以下)になるまで待機し(ステップST1)、自車両が停止(または一定速度以下)になると車両状態情報取得部5が出力する現在位置、現在時刻などの情報から特定地点情報を生成し、情報蓄積部7に蓄積する(ステップST2)。
図2の例であれば、車両100が地点A〜Cでそれぞれ停車するので、地点Aで停車したときに地点Aを示す位置情報と停車した時刻の情報をペアにした特定地点情報を生成し、また、地点Bで停車したときに地点Bを示す位置情報と停車した時刻の情報をペアにした特定地点情報を生成して、さらに、地点Cで停車したときに地点Cを示す位置情報と停車した時刻の情報をペアにした特定地点情報を生成し、それぞれ情報蓄積部7に蓄積する。
【0025】
ステップST3にて、情報抽出部9が情報蓄積部7に既に蓄積されていた特定地点情報を解析し、他車両へ発信すべき情報を抽出する。
例えば、車両100が地点Bで停車している場合には既に情報蓄積部7に蓄積されている地点A,Bの各特定地点情報が抽出されることになり、車両100が地点Cで停車している場合には地点A〜Cの各特定地点情報が抽出されることになる。
【0026】
ただし、周期管理部8の周期的または定期的な動作により、一定時間を超えた古い情報は情報蓄積部7から削除される。そのため、例えば地点Aの特定地点情報に含まれる時刻情報が古くなれば、この特定地点情報は情報蓄積部7から削除され、地点Bおよび地点Cの特定地点情報が残ることになる。
これに代えて、またはこれに加え、周期管理部8の周期的または定期的な動作により、一定距離以上離れた情報は情報蓄積部7から削除される。そのため、例えば地点Aの特定地点情報に含まれる位置情報が現在地から離れれば、この特定地点情報は情報蓄積部7から削除され、地点Bおよび地点Cの特定地点情報が残ることになる。
【0027】
ステップST4にて、情報合成部10が、情報抽出部9の抽出した情報を所定フォーマット化し、他車両に発信すべき区間情報を生成する。
例えば、車両100が地点Bで停車している場合には地点A,Bの各特定地点情報より、自車両が地点Aから地点Bへ到達するのに要した走行時間がX時間であり、地点B到達時刻が時刻Yであったという区間情報が生成されることになる。また、車両100が地点Cで停車している場合には地点A〜Cの各特定地点情報より、地点Aから地点Bへ到達するのに要した走行時間がX時間であり、地点B到達時刻が時刻Yであったという情報に加えて、地点Aから地点Cへ到達するのに要した時間と、地点Bから地点Cへ到達するのに要した走行時間と、地点C到達時刻とが含まれた区間情報が生成されることになる。
ただし、後述する処理(図4に示すステップST14)により他の複数車両から得た区間情報と比較して特定地点へ到達するのに要する時間がかかりすぎている場合には、この区間情報を削除する。これは例えば車両が一定時間駐車場に停車するなどして、渋滞は発生していないが停車していたような場合に該当する。この削除処理は、情報提供部4が行ってもよいし、周期管理部8が行ってもよい。
【0028】
ステップST5にて、情報提供部4は、区間情報を他車両へ発信する前に、特定地点間を走行するのに要した走行時間が通常の走行状態で要する時間と同じ程度か否か確認し、他車両に発信すべき情報か否かを判定する。
例えば、車両100が地点Aから地点Bに到達するのに要した時間を、地点AB間の距離と平均的な時速などの情報から通常の走行状態時に要する走行時間と比較して、時間がかかりすぎているような場合には渋滞の可能性があるため、他車両へ区間情報を発信すると判定する(ステップST5“YES”)。この場合、情報提供部4は、続くステップST6にて情報提供フローを実施する。情報提供フローの詳細は後述する。
一方、通常の走行状態とみなすことができれば、渋滞の可能性が低いため、他車両へ区間情報を発信する必要はないと判定する(ステップST5“NO”)。この場合、ステップST1に戻り、次の停止(または一定速度以下)を待つ。
【0029】
なお、上記説明では、ステップST1にて自車両が停止(または一定速度以下)になるまで情報生成フローを待機するようにしたが、これに限定されるものではなく、ステップST1を省略しステップST2〜ST5の処理を繰り返し行ってもよい。
【0030】
次に、図4に示すフローチャートを用いて、自車両の車車間通信装置1から他車両への情報提供フローを説明する。
近接車両認識部11は先ず、自車両の周辺に他車両が存在するか否かを確認する(ステップST11)。この処理は、例えば、近接車両認識部11がカメラ等のセンサを利用して他車両の存在を確認してもよいし、車車間通信の電波を利用してやり取りされるハローパケットのような仕組みを利用して他車両の存在を確認してもよい。
【0031】
近接車両認識部11は続いて、他車両存在確認の結果に基づき、自車両の前方に他車両が存在するか否かを判定する(ステップST12)。なお、近接車両認識部11がハローパケットのような仕組みを利用する場合には、ハローパケット中に位置情報も含めておくことにより、他車両が前方にあるか後方にあるか判定できる。もちろん、カメラ等のセンサを利用しても位置関係を判定できる。
【0032】
他車両が自車両前方にあれば(ステップST12“YES”)、続いて情報取得部3が、この他車両から受信要求があるか否かを確認する(ステップST13)。受信要求がある場合には(ステップST13“YES”)、情報取得部3は、前方の他車両からの区間情報を優先して受信し(ステップST14)、後述する情報解析フローにより区間情報を解析した結果を情報蓄積部7に蓄積する(ステップST15)。
【0033】
そして、図3に示したステップST3に戻り、上記説明と同様に情報抽出部9が情報蓄積部7から各地点の特定地点情報を抽出し、情報合成部10がこれら特定地点情報から区間情報を生成し(ステップST4)、再びステップST5,ST6へと進む。このとき抽出された特定地点情報には、前方の車両より取得した新たな特定地点情報も含まれることとなる。
【0034】
一方、自車両前方に他車両が存在しない場合(ステップST12“NO”)、または、自車両前方に存在する他車両から受信要求がない場合(ステップST13“NO”)、近接車両認識部11は続いて、他車両存在確認の結果に基づき、自車両の前方以外の方向(例えば斜め前方、両側方、後方および斜め後方)に他車両が存在するか否かを判定する(ステップST16)。他車両の位置は上記ステップST12と同様の方法で判定すればよい。
【0035】
他車両が自車両の周囲に存在すれば(ステップST16“YES”)、続いて情報提供部4は、その他車両に対して一定時間内に区間情報を送信済みか否か確認する(ステップST17)。例えば1分前に区間情報を送信しているのであれば、同じ情報を再度送信することになるので意味がないためである。一定時間内に送信済みであれば(ステップST17“YES”)、区間情報を送信することなく情報提供フローを終了し、一定時間内に送信していなければ(ステップST17“NO”)、情報提供部4は車車間通信部2を通じて他車両へ情報提供の要求を出し、区間情報を送信する(ステップST18)。
なお、情報提供部4は、近接車両認識部11が取得した車両のナンバプレートまたはIDなどの車両識別情報を使用して、所定位置に存在する他車両を一意に決定する。
また、自車両の周囲に複数の他車両が存在する場合、情報提供部4はステップST16〜ST18を他車両の数だけ繰り返し、後方および両側方それぞれの他車両に区間情報を送信する。このとき、特に自車両に対して斜め右前方または斜め左前方に位置する対向車への区間情報提供を優先して行う。
【0036】
一方、他車両が自車両の周囲に存在しない場合(ステップST16“NO”)、区間情報を送信することなく情報提供フローを終了する。あるいは再びステップST11から処理を繰り返すことにより、自車両が停止(または一定速度以下)の期間に別の車両が近くに来るのを待って区間情報を送信してもよい。
【0037】
次に、図5に示すフローチャートを用いて、他車両の車車間通信装置1から自車両の車車間通信装置1へ提供された情報の取得フローを説明する。この情報取得フローは、自車両の走行状態によらず、即ち上述の情報生成・提供フローのように自車両の停止(または一定速度以下)を待たずに、常時、一定周期で行うものとする。
情報取得部3が他車両からの送信要求を待ち(ステップST21)、送信要求があると続いて近接車両認識部11がその送信要求を発した他車両を特定し、車車間通信部2を介して区間情報を受信する(ステップST22)。車両の特定は、図4に示したステップST11,ST12等と同様の方法で行えばよく、例えば周囲の車両をハローパケットの位置情報と固有の車両識別情報から特定する。
なお、本実施の形態1では、特定した他車両が、自車両の前方(斜め前方を含む)に存在するか左右側方に存在する場合にその車両から区間情報を受信することとし、後方(斜め後方を含む)に存在する場合は受信しない。
【0038】
続いて取得情報解析部6が、受信した区間情報の解析を行い、解析結果を情報蓄積部7へ蓄積する(ステップST23)。他車両から取得した区間情報の解析例は後述する。そして、再びステップST21に戻り、次の送信要求がくるのを待つ。
【0039】
次に、図6に示すフローチャートを用いて、他車両から受信した区間情報の解析フローを説明する。
取得情報解析部6は、情報取得部3が他車両から受信した区間情報を取得すると共に、情報蓄積部7に既に蓄積されている特定地点情報を読み出し(ステップST31)、両情報を比較する(ステップST32)。
【0040】
図7(a)に他車両から受信した区間情報の一例を示す。この情報によれば、他車両は地点Aに10:00に到着、地点Bに10:20に到着、地点Cに10:40に到着し、この区間情報を生成および送信した10:43でもまだ地点Cにいることを示している。なお、図7(a)では、地点と時刻をペアにした区間情報の例を示し走行時間は暗示的であるが、これに限定されるものではなく、地点と時刻に加えて地点間の走行時間を明示的に含んだ区間情報であってもよい。
また、図7(b)に情報蓄積部7に蓄積されている特定地点情報の一例を示す。この情報によれば、自車両または他の他車両は地点Aに10:10に到着し、地点Bに10:28に到着し、地点Cに10:45に到着し、現時刻である10:46にもまだ地点Cにいることを示している。
取得情報解析部6は、図7(a)および図7(b)の時刻情報を比較して、図7(b)の情報のほうがより時間的に新しい情報と判断する。
【0041】
また、図7(c)に情報蓄積部7に蓄積されている特定地点情報の別の例を示す。この情報は、図7(a)に示す区間情報と同じ情報であり、別経路で(例えば、別の車両をホップして、または路面上の通信機器を経由して)同じ情報が既に自車両に届いていたと判断できる。
同じ情報か否かの判断は、区間情報の送信時刻を示すタイムスタンプおよびデータサイズのいずれか一方、またはその両方を情報蓄積部7に蓄積された特定地点情報の生成時刻を示すタイムスタンプおよびデータサイズのいずれか一方、またはその両方と比較すればよい。
なお、受信した区間情報により情報蓄積部7を更新するか否かを判断する前の段階で、受信した区間情報の取捨選択を行っても良い。取得情報解析部6は、例えば、受信した区間情報に含まれる地点が自車両の現在地から所定の範囲内か否かを判断すると共に、この区間情報に含まれる地点とペアの時刻の情報(または、この区間情報を生成した時刻の情報、送信時刻の情報などでもよい)と現在時刻の差が所定の範囲内か否かを判断し、どちらも範囲内と判断した場合に更新の候補とし、候補と判断した区間情報のみ、情報蓄積部7に蓄積されている情報か否か、時間的に新しい情報か否かなどの条件を判断して、情報蓄積部7を更新するようにしてもよい。
【0042】
取得情報解析部6は、受信した区間情報が、情報蓄積部7に蓄積されていない新たな情報か、または情報蓄積部7に蓄積されている特定地点情報より時間的に新しい情報と判断すると(ステップST32“YES”)、その区間情報を情報蓄積部7に蓄積する(ステップST33)。なお、区間情報を情報蓄積部7に蓄積する場合、差分のみ追加してもよいし、情報蓄積部7の情報全てを置き換えてもよい。
一方、受信した区間情報が、情報蓄積部7に蓄積されている情報と同じ情報か、または情報蓄積部7に蓄積されている特定地点情報より時間的に古い情報と判断すると(ステップST32“NO”)、その区間情報を廃棄する(ステップST34)。
【0043】
このように、自他車両から得たある地点とその到達時刻の情報を区間毎に区切った区間情報にして通信するため、目的地および経路の異なる車両から得た区間情報であってもこの情報を用いて自車両の情報蓄積部7を更新できる。そのため、情報蓄積部7の情報を最新の情報に保つことができる。また、区間情報は、複数の車両が停止したときに送受信されるため、特定の地点として交差点を表す区間情報が多くなり、交差点毎の特定地点情報が作成されやすくなる。また、車両が少なく区間情報が発生しない場合は渋滞がないことを示し、車両が多くても渋滞がない場合は区間情報の発生量が少なくなる。
【0044】
また、たまたま複数の車両が、同時に路側の駐車帯に停止した場合は、車両が動かないため、それ以上の区間情報の送受信がない。よって、それら各車両の情報蓄積部7に蓄積された特定地点情報は古くなって消える。一方、それら停止中の車両を追い抜いていく車両があれば追い抜いていく車両同士で車車間通信して区間情報を前方車両または後方車両へ送受信していくので、停車中の車両から時間的に誤った内容の区間情報を伝播することはない。
【0045】
さらに、周期管理部8が周期的に、情報蓄積部7から特定地点情報を読み出し、時刻を参照して一定時間より古い情報を廃棄するので、古い情報を信頼することがなくなる。古い情報を廃棄するのは、渋滞しているのであれば区間情報が発生するので情報蓄積部7が更新されるはずで、更新されず情報が古くなるということは区間情報が新たに発生していないと考えられるからである。
【0046】
また、車車間通信装置1は、車両が停止(または一定速度以下)のときにのみ区間情報を発信するため、通常走行に近い状態では発信せず、通信量を抑制できる。また、区間情報が通信されている状態は渋滞発生を表すことになる。そのため、この車車間通信装置1を搭載したナビゲーション装置は、例えば経路案内中に目的地までの経路上の地点に関して区間情報を受信した場合、ユーザへ、経路上に渋滞が発生していることを提示すればよい。これにより、各車両が車車間通信により渋滞情報を周知できる。
また、情報蓄積部7に蓄積した情報を用いて目的地到達までに要する時間または到着時刻を予測することもできる。例えば、ナビゲーション装置は、他車両から受信した区間情報を用いて更新される情報蓄積部7から、経路上にある各地点に相当する特定地点情報を抽出し、それらの走行時間を積算していくことにより時間または時刻を予測できる。
さらに、目的地までの時間予測に限らず、その途中の地点までの時間予測なども可能であり、特定地点情報を自由に活用することができる。
【0047】
このように、車車間通信装置1を搭載したカーナビゲーション装置は、広域網などを使うことなく、車車間通信で区間情報を取得して特定の地点までの移動時間の予測を正確に行うことができる。
【0048】
以上より、実施の形態1によれば、車車間通信装置1は、自車両の周辺に存在する他車両を特定する近接車両認識部11と、近接車両認識部11が特定した他車両との間で通信する車車間通信部2と、車車間通信部2を介して他車両より区間情報を取得する情報取得部3と、自車両の位置情報および当該位置を通過した時刻情報を取得する車両状態情報取得部5と、情報取得部3が他車両より取得した情報から任意の2地点の位置情報および当該2地点を通過した時刻情報を抽出すると共に、車両状態情報取得部5が取得した情報から任意の2地点の位置情報および当該2地点を通過した時刻情報を抽出する取得情報解析部6と、取得情報解析部6が抽出した任意の2地点の位置情報および時刻情報をペアにして記憶する情報蓄積部7と、情報蓄積部7から任意の2地点の位置および当該2地点を走行するのに要した走行時間の情報を生成する情報抽出部9と、情報抽出部9が生成した情報を他車両に提供するフォーマット形式にした区間情報を生成する情報合成部10と、情報合成部10が生成した区間情報を車車間通信部2を介して他車両へ提供する情報提供部4とを備えるように構成した。このため、任意の地点に到達するまでに要する走行時間を予測するために必要な情報を、目的地が定まっていなかったり異なったりする車両間でやり取りできる。
【0049】
また、実施の形態1によれば、情報提供部4は、生成された区間情報に含まれる2地点の走行時間が、正常な走行状態のときに要する走行時間の範囲を超える場合、渋滞が発生していると判断して当該区間情報を他車両へ提供するように構成した。このため、目的地が定まっていなかったり異なったりする車両間で区間情報を送受信することで渋滞を周知できる。
【0050】
また、実施の形態1によれば、車両状態情報取得部5が自車両の車速情報を取得し、情報抽出部9および情報合成部10が、車両状態情報取得部5の取得した車速情報に基づいて、自車両が所定速度以下(即ち、停止または一定速度以下)になると、区間情報を生成するように構成した。このため、通常走行中は区間情報を送受信せず、通信量を抑制できる。
【0051】
また、実施の形態1によれば、車載ナビゲーション装置が車車間通信装置1を搭載したので、渋滞が発生した区間をユーザに提示することができ、さらに、他車両から車車間通信により受信した区間情報を複数組み合わせて任意の地点に到達するまでに要する時間を予測してユーザに提示することもできる。
【0052】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 車車間通信装置、2 車車間通信部、3 情報取得部、4 情報提供部、5 車両状態情報取得部、6 取得情報解析部、7 情報蓄積部、8 周期管理部、9 情報抽出部、10 情報合成部、11 近接車両認識部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、他車両との間で情報を送受信する車車間通信装置において、
自車両の周辺に存在する他車両を特定する近接車両認識部と、
前記近接車両認識部が特定した他車両との間で通信する車車間通信部と、
前記車車間通信部を介して他車両より情報を取得する情報取得部と、
自車両の位置情報および当該位置を通過した時刻情報を取得する車両状態情報取得部と、
前記情報取得部が他車両より取得した情報から任意の2地点の位置情報および当該2地点を通過した時刻情報を抽出すると共に、前記車両状態情報取得部が取得した情報から任意の2地点の位置情報および当該2地点を通過した時刻情報を抽出する取得情報解析部と、
前記取得情報解析部が抽出した任意の2地点の位置情報および時刻情報をペアにして記憶する情報蓄積部と、
前記情報蓄積部から任意の2地点の位置および当該2地点を走行するのに要した走行時間の情報を生成する情報抽出部と、
前記情報抽出部が生成した情報を他車両に提供するフォーマット形式にした区間情報を生成する情報合成部と、
前記情報合成部が生成した区間情報を前記車車間通信部を介して他車両へ提供する情報提供部とを備えることを特徴とする車車間通信装置。
【請求項2】
前記情報提供部は、生成された区間情報に含まれる2地点の走行時間が、正常な走行状態のときに要する走行時間の範囲を超える場合、渋滞が発生していると判断して当該区間情報を他車両へ提供することを特徴とする請求項1記載の車車間通信装置。
【請求項3】
前記車両状態情報取得部は、自車両の車速情報を取得し、
前記情報抽出部および前記情報合成部は、前記車両状態情報取得部が取得した車速情報に基づいて、前記自車両が所定速度以下になると、区間情報を生成することを特徴とする請求項1記載の車車間通信装置。
【請求項4】
前記近接車両認識部は、前記情報取得部が受信した他車両からの送受信要求に含まれる位置情報と、他車両特定用に取得した一意に車両を識別できる識別情報とを対応付けて、自車両に最も近い位置に存在する他車両を特定することを特徴とする請求項1記載の車車間通信装置。
【請求項5】
前記近接車両認識部は、自車両周辺の撮像画像よりナンバプレートを認識して、自車両に最も近い位置に存在する他車両を特定することを特徴とする請求項1記載の車車間通信装置。
【請求項6】
前記情報取得部は、自車両の前方または側方にある他車両であって前記近接車両認識部が特定した他車両より送信要求を受けた場合、前記車車間通信部を介して当該他車両から区間情報を取得することを特徴とする請求項1記載の車車間通信装置。
【請求項7】
前記取得情報解析部は、他車両より取得した情報が既に前記情報蓄積部に記憶された情報と同じか否かを判断し、同じでない場合に前記情報蓄積部に記憶することを特徴とする請求項1記載の車車間通信装置。
【請求項8】
前記取得情報解析部は、他車両より取得した情報が送信された時刻およびデータサイズのいずれか一方、またはその両方に基づいて、既に前記情報蓄積部に記憶された情報と同じか否かを判断することを特徴とする請求項7記載の車車間通信装置。
【請求項9】
前記取得情報解析部は、他車両より取得した情報に含まれる位置情報が自車両の現在地から所定の範囲内か否か、および当該情報に含まれる時刻情報の時刻と現在時刻との差が所定の範囲内か否かを判断し、どちらも範囲内と判断した場合に前記情報蓄積部に記憶する候補とすることを特徴とする請求項1記載の車車間通信装置。
【請求項10】
前記取得情報解析部は、他車両より取得した情報であって前記情報蓄積分に記憶する候補と判断した情報を、既に前記情報蓄積部に記憶された情報と比較して、前記情報蓄積部の情報をより新しい情報に更新することを特徴とする請求項9記載の車車間通信装置。
【請求項11】
前記情報蓄積部に記憶された情報が一定時間を経過した場合、当該情報を消去する周期管理部を備えることを特徴とする請求項1記載の車車間通信装置。
【請求項12】
前記周期管理部は、前記経過時間の判断に加えてまたは代えて、前記情報蓄積部に記憶された情報に含まれる位置情報が自車両の現在地を含む所定範囲外になった場合、当該情報を消去することを特徴とする請求項11記載の車車間通信装置。
【請求項13】
前記車車間通信部は、他車両に搭載された車車間通信装置と直接通信することを特徴とする請求項1記載の車車間通信装置。
【請求項14】
前記車車間通信部は、路面上の通信機器を中継して、他車両に搭載された車車間通信装置と通信することを特徴とする請求項1記載の車車間通信装置。
【請求項15】
前記車車間通信部は、複数の車両をホップして、他車両に搭載された車車間通信装置と通信することを特徴とする請求項1記載の車車間通信装置。
【請求項16】
請求項1から請求項15のうちのいずれか1項記載の車車間通信装置を搭載した車載ナビゲーション装置であって、他車両から受信した区間情報を複数組み合わせて、任意の地点に到達するまでに要する時間を予測することを特徴とする車載ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−173930(P2012−173930A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34554(P2011−34554)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】