説明

車載オーディオ装置

【課題】予め楽曲紹介用の音声データを記録していなくても、楽曲紹介を音声により出力することができる車載オーディオ装置を提供する。
【解決手段】車載オーディオ装置1は、放送受信部12により音声情報と文字情報を含む放送を受信すると、制御部11により、その放送に含まれる音声情報が楽曲紹介の音声情報であるか否かを判定し、楽曲紹介の音声情報であると判定されたときに、音声情報と文字情報とを対応付けてHDD15に記録する。その後、楽曲の再生時において、制御部11により、HDD15に記録された文字情報に基づいて、HDD15に記録された音声情報から、再生する楽曲に対応する楽曲紹介の音声情報を抽出する。そして、楽曲を再生する際に、抽出された音声情報を合わせて再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されて使用されるオーディオ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、楽曲を再生出力するときに、その楽曲に関する曲名などの紹介を音声により行う車両用の楽曲再生装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−23372号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される楽曲再生装置では、楽曲紹介を音声により出力するために、予め楽曲紹介用の音声データを記録しておく必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明による車載オーディオ装置は、音声情報と文字情報を含む放送を受信する受信手段と、受信手段により受信された放送に含まれる音声情報が楽曲紹介の音声情報であるか否かを判定する判定手段と、判定手段により音声情報が楽曲紹介の音声情報であると判定されたときに、音声情報と文字情報とを対応付けて記録手段に記録する記録制御手段と、楽曲を再生する再生手段と、記録手段に記録された文字情報に基づいて、記録手段に記録された音声情報から、再生手段が再生する楽曲に対応する楽曲紹介の音声情報を抽出する抽出手段とを備え、再生手段は、楽曲を再生する際に、抽出手段により抽出された音声情報を合わせて再生するものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の車載オーディオ装置において、楽曲名のデータベースをさらに備え、判定手段は、受信手段により受信された放送に含まれる文字情報と、データベースとに基づいて、音声情報が楽曲紹介の音声情報であるか否かを判定するものである。
請求項3の発明は、請求項1に記載の車載オーディオ装置において、楽曲名のデータベースと、再生手段が再生する楽曲の楽曲名をデータベースに基づいて特定する楽曲名特定手段とをさらに備え、抽出手段は、記録手段に記録された文字情報と、楽曲名特定手段により特定された楽曲名とに基づいて、記録手段に記録された音声情報から、再生手段が再生する楽曲に対応する楽曲紹介の音声情報を抽出するものである。
請求項4の発明は、請求項1に記載の車載オーディオ装置において、楽曲名のデータベースと、再生手段が再生する楽曲の楽曲名をデータベースに基づいて特定する楽曲名特定手段とをさらに備え、判定手段は、受信手段により受信された放送に含まれる文字情報と、データベースとに基づいて、音声情報が楽曲紹介の音声情報であるか否かを判定し、抽出手段は、記録手段に記録された文字情報と、楽曲名特定手段により特定された楽曲名とに基づいて、記録手段に記録された音声情報から、再生手段が再生する楽曲に対応する楽曲紹介の音声情報を抽出するものである。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の車載オーディオ装置において、受信手段により受信された放送に含まれる音声情報を所定時間だけ記憶保持する記憶保持手段をさらに備え、記録制御手段は、判定手段により音声情報が楽曲紹介の音声情報であると判定されると、記憶保持手段により記憶保持された音声情報を記録手段に記録するものである。
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の車載オーディオ装置において、再生手段は、抽出手段により抽出された音声情報の再生を終了するとき、その音量を徐々に減少させ、同時に、楽曲の再生をその音量を徐々に増加させて開始するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、楽曲紹介用の音声データを有していなくても、楽曲紹介を音声により出力することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の一実施の形態による車載オーディオ装置の構成を図1に示す。図1に示すオーディオ装置1は、制御部11、放送受信部12、リングバッファ13、ディスクドライブ14、HDD(ハードディスク)15、表示部16およびスピーカ17を備えている。
【0008】
制御部11は、オーディオ装置1を動作させるための様々な処理や制御を実行するための部分であり、マイクロプロセッサや各種周辺回路、RAM、ROM等によって構成される。制御部11が行う処理により、たとえば放送受信部12によって受信された放送や、ディスクドライブ14によって読み込まれた音楽データなどを再生した音声信号がスピーカ17へ出力されたり、HDD15に対するデータの読み出しおよび書き込みが制御されたりする。
【0009】
放送受信部12は、ユーザに指定された周波数のFMラジオ放送を受信するための部分であり、アンテナやチューナ等によって構成される。放送受信部12において受信されたFMラジオ放送は、所定の信号形式による受信信号に変換された後、制御部11へ出力される。なお、放送受信部12が受信するFMラジオ放送には、音声情報のみによる通常のFM放送と、音声情報に加えて文字情報を含むFM文字多重放送とがある。FM文字多重放送では、たとえば、放送中の楽曲名やアーティスト名、天気予報、ニュースなどが文字情報により送信される。
【0010】
リングバッファ13は、放送受信部12により受信されたFMラジオ放送に含まれる音声情報を、メモリ容量に応じた所定時間だけ一時的に記憶保持する。このリングバッファ13には、放送受信部12において受信したFMラジオ放送の音声情報が制御部11を介して送信される。なお、リングバッファ13における記憶保持時間が所定時間を経過した音声情報は、リングバッファ13から順次消去される。そして、新たな音声情報が次々とリングバッファ13に記憶される。
【0011】
ディスクドライブ14は、DVDやCD等の記録ディスクに記録された音楽データを読み込み、制御部11へ出力する。こうしてディスクドライブ14によって読み込まれた音楽データに基づいて、制御部11において楽曲の再生が行われ、スピーカ17へ音声信号が出力される。なお、ディスクドライブ14により読み込まれた音楽データをHDD15に記録することとしてもよい。このようにして音楽データをHDD15に記録しておけば、ディスクドライブ14にCD等をセットしなくても、HDD15に記録された音楽データを用いて楽曲の再生を行うことができる。
【0012】
HDD15は、磁気ディスクを用いた不揮発性の記録媒体であり、制御部11の制御によって各種のデータを記録することができる。たとえば、放送受信部12によって受信されたFMラジオ放送のデータや、ディスクドライブ14によってCD等から読み込まれた音楽データなどが、HDD15に記録される。なお、楽曲紹介の音声情報を含むFMラジオ放送が放送受信部12において受信されると、制御部11の制御により、その音声情報がHDD15に自動的に記録される。そして、当該楽曲を再生するときに、HDD15に記録された楽曲紹介の音声情報が自動的に読み出され、楽曲と合わせて再生される。このときの具体的な処理内容については、後で図2および3のフローチャートにより詳しく説明する。
【0013】
さらにHDD15には、楽曲名のデータベースが記録されている。このデータベースには、様々な楽曲の楽曲名やアーティスト名などの情報が、その楽曲が収録されているCD等のTOC(Table Of Contents)情報と関連付けて検索可能に収録されている。なお、TOCとは、CD等に記録されている音楽データ以外の管理用データのことであり、楽曲の再生時間情報などを表している。
【0014】
表示部16は、放送受信部12により受信されたFMラジオ放送に含まれる文字情報を表示するための部分であり、たとえばLED(Light Emitting Diode)パネルや液晶ディスプレイなどによって構成される。なお、これ以外の情報を表示部16において表示することとしてもよい。たとえば、再生中の楽曲の楽曲名、アーティスト名、トラック番号、再生時間などを表示部16に表示することができる。
【0015】
スピーカ17は、制御部11から出力される音声信号に基づいて音声の出力を行う。これにより、制御部11において再生された楽曲や音声情報などが音声出力される。
【0016】
次に、FMラジオ放送の受信時に実行される処理について説明する。放送受信部12においてFMラジオ放送が受信されると、図2のフローチャートに示す処理が制御部11において実行される。
【0017】
ステップS10では、放送受信部12から制御部11へと出力される受信信号を取得する。これにより、受信されたFMラジオ放送に含まれる音声情報が制御部11において取得され、さらにFM文字多重放送である場合は、音声情報に加えて文字情報も制御部11において取得される。
【0018】
ステップS20では、ステップS10で取得した受信信号に基づく音声情報の再生を行う。ここで再生された音声情報は、制御部11からスピーカ17へ音声信号として出力される。これにより、受信したFMラジオ放送の音声がスピーカ17から出力される。
【0019】
ステップS30では、ステップS20で再生した音声情報をリングバッファ13に一時的に記憶させる。この処理により、放送受信部12によって受信された放送に含まれる音声情報が所定時間だけリングバッファ13において記憶保持される。ステップS35では、ステップS10で取得した受信信号に文字情報があるか否かを判定する。文字情報がある場合はステップS40へ進み、ない場合はステップS10へ戻る。
【0020】
ステップS40では、ステップS10で取得した受信信号に基づく文字情報の表示を行う。このとき、制御部11から所定の表示制御信号が表示部16に出力されることにより、表示部16において文字情報が表示される。なお、受信した放送がFM文字多重放送でない場合は、文字情報が含まれていないため、ステップ40を省略して文字情報の表示を行わないようにする。
【0021】
ステップS50では、ステップ20で再生した音声情報が楽曲紹介の音声情報であるか否かを判定する。すなわち、放送受信部12によって受信された放送に含まれる音声情報が、楽曲紹介の音声情報であるか否かを判定する。この判定処理により、楽曲紹介の音声情報であると判定された場合は、ステップS60へと進む。一方、楽曲紹介の音声情報ではないと判定された場合は、ステップS10へ戻って前述のような処理を繰り返す。
【0022】
ここで、ステップS50の判定処理は、放送受信部12により受信された放送に含まれる文字情報と、HDD15に記録されている楽曲名のデータベースとに基づいて行うことができる。すなわち、FM文字多重放送において楽曲紹介を行うときには、同時に楽曲名の文字情報も送信されることが多いため、これを利用した楽曲紹介の音声情報の判定が可能である。
【0023】
具体的には、ステップS10で取得した受信信号によりステップS40で表示した文字情報と一致する楽曲名が、HDD15の楽曲名のデータベースにおいて記録されているか否かを、ステップS50において判定する。その結果、文字情報と一致する楽曲名がデータベースに記録されていれば、その文字情報と一緒に取得された音声情報は、楽曲紹介の音声情報であると判定する。反対に、文字情報と一致する楽曲名がデータベースに記録されていなければ、その文字情報と一緒に取得された音声情報は、楽曲紹介の音声情報ではないと判定する。このようにして、放送受信部12により受信された放送に含まれる文字情報と、HDD15に記録されている楽曲名のデータベースとに基づいて、ステップ20で再生した音声情報が楽曲紹介の音声情報であるか否かを判定する。
【0024】
ステップS60では、ステップS10で取得した受信信号に基づく音声情報と文字情報をHDD15に記録する。このとき音声情報については、リングバッファ13に記憶保持されている音声情報を読み出し、それをHDD15に記録する。これにより、ステップS50の判定時点から遡って音声情報を記録できるため、楽曲紹介の音声情報を漏れなく記録することができる。
【0025】
なお、上記のステップS60において、音声情報と文字情報とは対応付けてHDD15に記録される。これにより、後で説明する図3のステップS130において、文字情報に基づいて音声情報を抽出できるようにする。
【0026】
ステップS60を実行したらステップ10へ戻り、前述のような処理を繰り返す。FMラジオ放送の受信時には、以上説明したような処理が実行される。
【0027】
なお、図2のフローチャートにおいて、ステップS60の処理を実行するか否かをユーザの操作に応じて決定するようにしてもよい。すなわち、ステップS50において楽曲紹介の音声情報であると判定され、かつ、ユーザが所定の操作をオーディオ装置1に対して行ったときに、ステップS60を実行して音声情報と文字情報をHDD15に記録するようにする。このときの操作を楽曲の録音操作と兼用してもよい。すなわち、楽曲紹介の音声情報が出力されているときに、ユーザがオーディオ装置1に対して楽曲の録音操作を行うと、オーディオ装置1は、リングバッファ13に記録された音声情報を用いて、そこから所定時間前に遡って楽曲紹介の音声情報を記録すると共に、FMラジオ放送で出力した楽曲をHDD15に録音する。
【0028】
続いて、楽曲の再生時に実行される処理について説明する。ディスクドライブ14にセットされたCD等の音楽データや、HDD15に記録された音楽データなどに基づく楽曲の再生がユーザによって指示されると、図3のフローチャートに示す処理が制御部11において実行される。
【0029】
ステップS110では、これから再生する楽曲名の特定を行う。この楽曲名の特定は、HDD13に記録された楽曲名のデータベースに基づいて行われる。すなわち、ディスクドライブ14にセットされたCD等やHDD15から音楽データを読み出して再生する場合は、その音楽データと共に記録されているTOC情報の内容に基づいて楽曲名のデータベースを検索し、再生する楽曲名を特定する。なお、HDD15に記録された音楽データを読み出して再生する場合は、このような楽曲名の特定を音楽データの記録時に予め行っておき、再生時にはこれを読み出すこととしてもよい。
【0030】
ステップS120では、ステップS110で特定した楽曲名と一致する文字情報がHDD15において記録されているか否かを判定する。前述の図2のステップS60により楽曲紹介の音声情報と対応付けて記録された文字情報の中に、ステップS110で特定した楽曲名と一致するものがある場合は、ステップS130へ進む。一方、一致する文字情報がHDD15において記録されていない場合は、ステップS150へ進む。
【0031】
ステップS130では、HDD15に記録された音声情報から、これから再生する楽曲に対応する楽曲紹介の音声情報を抽出する。このとき、HDD15に記録された文字情報と、ステップS110で特定した楽曲名とに基づいて、楽曲紹介の音声情報を抽出する。すなわち、ステップS110で特定した楽曲名に対して、その楽曲名と一致する文字情報に対応付けてHDD15に記録されている音声情報を抽出する。このようにすることで、これから再生する楽曲に対応する楽曲紹介の音声情報が抽出される。
【0032】
ステップS140では、ステップS130で抽出した楽曲紹介の音声情報を再生する。次のステップS150では、楽曲の再生を行う。これにより、ディスクドライブ14にセットされたCD等の音楽データや、HDD15に記録された音楽データなどに基づく楽曲を再生する際に、抽出された楽曲紹介の音声情報が合わせて再生される。なお、ステップS120において、ステップS110で特定した楽曲名と一致する文字情報がHDD15において記録されていないと判定された場合は、ステップS130およびS140の処理が実行されない。したがって、楽曲紹介の音声情報は再生されず、楽曲の再生のみが行われる。
【0033】
ステップS150を実行したら、図3のフローチャートを終了する。楽曲の再生時には、以上説明したような処理が実行される。
【0034】
図4は、上記のようにして楽曲の再生時にその楽曲紹介の音声情報を抽出し、楽曲の再生に合わせて抽出した音声情報を再生する際の、出力音声の変化の様子を示している。ここでは、楽曲Aに続けて楽曲Bを再生するときに、楽曲Bについての楽曲紹介の音声情報を再生する場合の例を示している。たとえば、楽曲Aの再生を終了するときには、図4に示すように、楽曲Aの音量を徐々に減少させ、同時に、抽出された次の楽曲Bについての楽曲紹介の音声情報の再生を、その音量を徐々に増加させて開始する。同様に、楽曲Bの楽曲紹介の音声情報を終了するときにはその音量を徐々に減少させ、同時に、楽曲Bの再生をその音量を徐々に増加させて開始する。このような再生方法は、クロスフェード再生と呼ばれている。
【0035】
以上説明した実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)オーディオ装置1は、放送受信部12により音声情報と文字情報を含む放送を受信すると、制御部11により、その放送に含まれる音声情報が楽曲紹介の音声情報であるか否かを判定し(ステップS50)、楽曲紹介の音声情報であると判定されたときに、音声情報と文字情報とを対応付けてHDD15に記録する(ステップS60)。その後、楽曲の再生時において、制御部11により、HDD15に記録された文字情報に基づいて、HDD15に記録された音声情報から、再生する楽曲に対応する楽曲紹介の音声情報を抽出する(ステップS130)。そして、楽曲を再生する際に、ステップ130で抽出された音声情報を合わせて再生する(ステップS140、S150)こととした。このようにしたので、楽曲紹介用の音声データを有していなくても、楽曲紹介を音声により出力することができる。
【0036】
(2)オーディオ装置1は、HDD15に記録された楽曲名のデータベースを有している。ステップS50では、放送受信部12により受信された放送に含まれる文字情報と、このデータベースとに基づいて、放送に含まれる音声情報が楽曲紹介の音声情報であるか否かを判定することとした。このようにしたので、楽曲紹介の音声情報であるか否かを確実に判定することができる。
【0037】
(3)また、オーディオ装置1は、制御部11により、ステップS150で再生する楽曲の楽曲名を上記のデータベースに基づいて特定する(ステップS110)。ステップS130では、HDD15に記録された文字情報と、このステップ110で特定された楽曲名とに基づいて、HDD15に記録された音声情報から、ステップS150で再生する楽曲に対応する楽曲紹介の音声情報を抽出することとした。このようにしたので、HDD15に記録された様々な音声情報の中から、再生する楽曲に対応する楽曲紹介の音声情報を正しく抽出することができる。
【0038】
(4)さらに、オーディオ装置1は、放送受信部12により受信された放送に含まれる音声情報を所定時間だけ記憶保持するリングバッファ13を有している。受信放送の音声情報が楽曲紹介の音声情報であるとステップS50において判定されると、ステップS60では、このリングバッファ13により記憶保持された音声情報をHDD15に記録することとした。このようにしたので、ステップS50の判定時点から遡って、楽曲紹介の音声情報を漏れなく記録することができる。
【0039】
(5)ステップS140およびS150では、クロスフェード再生を行うことにより、ステップS130で抽出された楽曲紹介の音声情報の再生を終了するとき、その音量を徐々に減少させ、同時に、楽曲の再生をその音量を徐々に増加させて開始することとした。このようにしたので、効果的に楽曲紹介の音声情報の再生を行うことができる。
【0040】
なお、上記の実施の形態では、FMラジオ放送における文字多重放送を受信する例を説明したが、これ以外の放送を受信してもよい。たとえば、衛星放送、デジタル放送などを受信する場合にも適用可能である。音声情報と文字情報を含む放送であれば、どのような放送であってもよい。
【0041】
また、上記の実施の形態では、オーディオ機能のみを有する車載オーディオ装置の例を説明したが、これをナビゲーション機能とオーディオ機能を有するナビゲーション装置などに適用してもよい。前述したような動作を行う車載装置であれば、どのようなものであってもよい。
【0042】
上記の実施の形態では、リングバッファ13により、受信放送に含まれる音声情報を所定時間だけ記憶保持することとしたが、これをHDD15において行うようにしてもよい。このようにした場合、リングバッファ13は無くても良い。
【0043】
以上説明した実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されない。
【0044】
以上説明した実施の形態では、特許請求の範囲に記載された手段のうち、受信手段を放送受信部12、記憶保持手段をリングバッファ13、記録手段をHDD15によってそれぞれ実現し、それ以外の各手段を制御部11が実行する処理によりそれぞれ実現することとした。すなわち、制御部11は、判定手段、記録制御手段、再生手段、抽出手段および楽曲名特定手段として機能することができる。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係には何ら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態による車載オーディオ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】FMラジオ放送の受信時に実行される処理のフローチャートである。
【図3】楽曲の再生時に実行される処理のフローチャートである。
【図4】楽曲の再生時にその楽曲紹介の音声情報を抽出し、楽曲の再生に合わせて抽出した音声情報を再生する際の、出力音声の変化の様子を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1:車載オーディオ装置、11:制御部、12:放送受信部、13:リングバッファ、
14:ディスクドライブ、15:HDD、16:表示部、17:スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声情報と文字情報を含む放送を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記放送に含まれる前記音声情報が楽曲紹介の音声情報であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記音声情報が楽曲紹介の音声情報であると判定されたときに、前記音声情報と前記文字情報とを対応付けて記録手段に記録する記録制御手段と、
楽曲を再生する再生手段と、
前記記録手段に記録された文字情報に基づいて、前記記録手段に記録された音声情報から、前記再生手段が再生する前記楽曲に対応する楽曲紹介の音声情報を抽出する抽出手段とを備え、
前記再生手段は、前記楽曲を再生する際に、前記抽出手段により抽出された音声情報を合わせて再生することを特徴とする車載オーディオ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載オーディオ装置において、
楽曲名のデータベースをさらに備え、
前記判定手段は、前記受信手段により受信された前記放送に含まれる前記文字情報と、前記データベースとに基づいて、前記音声情報が楽曲紹介の音声情報であるか否かを判定することを特徴とする車載オーディオ装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車載オーディオ装置において、
楽曲名のデータベースと、
前記再生手段が再生する前記楽曲の楽曲名を前記データベースに基づいて特定する楽曲名特定手段とをさらに備え、
前記抽出手段は、前記記録手段に記録された文字情報と、前記楽曲名特定手段により特定された楽曲名とに基づいて、前記記録手段に記録された音声情報から、前記再生手段が再生する前記楽曲に対応する楽曲紹介の音声情報を抽出することを特徴とする車載オーディオ装置。
【請求項4】
請求項1に記載の車載オーディオ装置において、
楽曲名のデータベースと、
前記再生手段が再生する前記楽曲の楽曲名を前記データベースに基づいて特定する楽曲名特定手段とをさらに備え、
前記判定手段は、前記受信手段により受信された前記放送に含まれる前記文字情報と、前記データベースとに基づいて、前記音声情報が楽曲紹介の音声情報であるか否かを判定し、
前記抽出手段は、前記記録手段に記録された文字情報と、前記楽曲名特定手段により特定された楽曲名とに基づいて、前記記録手段に記録された音声情報から、前記再生手段が再生する前記楽曲に対応する楽曲紹介の音声情報を抽出することを特徴とする車載オーディオ装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の車載オーディオ装置において、
前記受信手段により受信された前記放送に含まれる前記音声情報を所定時間だけ記憶保持する記憶保持手段をさらに備え、
前記記録制御手段は、前記判定手段により前記音声情報が楽曲紹介の音声情報であると判定されると、前記記憶保持手段により記憶保持された音声情報を前記記録手段に記録することを特徴とする車載オーディオ装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の車載オーディオ装置において、
前記再生手段は、前記抽出手段により抽出された音声情報の再生を終了するとき、その音量を徐々に減少させ、同時に、前記楽曲の再生をその音量を徐々に増加させて開始することを特徴とする車載オーディオ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−93546(P2010−93546A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−261648(P2008−261648)
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】