説明

車載カメラ洗浄装置

【課題】車両後進状態において、車載カメラの洗浄及びリアウィンドの洗浄を同時に行うことができる車載カメラ洗浄装置を提供する。
【解決手段】バックランプBLに流れ同バックランプBLは点灯すると、バルブ駆動制御回路30に、後進信号BSGが出力される。この状態からウォッシャスイッチSW1がオン操作されると、ポンプモータM2が回転するとともに、ウォッシャ信号WSGがバルブ駆動制御回路30に出力される。バルブ駆動制御回路30は、このウォッシャ信号WSGに応答して予め定めた時間だけ電磁切替バルブBの励磁コイルBcを通電する。従って、ウォッシャスイッチSW1がオン操作されると、リアワイパ装置及び電動ポンプ18が駆動するとともに、第2配管8bは連通状態となり、電動ポンプ18が主配管8に供給する洗浄液がリア・ウォッシャノズルN1及びカメラ・ウォッシャノズルN2に供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載カメラ洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両を後退させる際に、車両後方の状況を車両後部に配置した車載カメラにて撮影して、その撮影映像をカーナビゲーション用のモニタに表示させて確認できるようにしたものが知られている。この車載カメラは、車両の外部に配置されるためにレンズに泥等が付着して車両の後方状況が十分に撮影できず、確認し難いといった問題がある。
【0003】
そこで、車載カメラのレンズに洗浄液を吹き付けて付着物を除去するノズルを設けるとともに、同ノズルに洗浄液を送るポンプを設けた車載カメラ洗浄装置が提案されている(特許文献1)。この車載カメラ洗浄装置では、車両後進走行時に作動するバックアラームやバックランプの電源回路の電源を利用してバックアラーム及びバックランプと同期して電動モータを駆動させてポンプを回転させる。これによって、ドライバは洗浄操作しなくても車両後進時に自動的に車載カメラを洗浄することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−255018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記車載カメラ洗浄装置は、車載カメラのレンズを洗浄する際、車載カメラのレンズを洗浄することができるものの、同時にリアウィンドの洗浄はできなかった。従って、ドライバは、車載カメラのレンズの洗浄した後に、リアウィンドの洗浄を行うか、反対に、リアウィンドの洗浄をした後に、車載カメラのレンズの洗浄を行うようにしていた。即ち、ドライバは、後進する時に、車載カメラとリアウィンドの洗浄を行う際には2つの操作を強いられる。
【0006】
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、車両後進状態において、車載カメラの洗浄及びリアウィンドの洗浄を同時に行うことができる車載カメラ洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、タンクに貯留された洗浄液を給送する電動ポンプと、前記電動ポンプの駆動を指令するウォッシャスイッチと、車両後部に配設されて、前記タンクの前記洗浄液を、リアウィンドに噴射するウィンド洗浄ノズルと、前記タンクの洗浄液を、車両後部に配置された車載カメラの撮像面に向けて噴射するカメラ洗浄ノズルと、前記電動ポンプからの前記洗浄液を、前記ウィンド洗浄ノズル側と前記カメラ洗浄ノズル側とに分岐する分岐部材と、前記カメラ洗浄ノズル側の配管に接続され、前記車両が後進状態であることを示す電気信号が入力され、前記ウォッシャスイッチが操作されたとき、前記配管を前記カメラ洗浄ノズルに連通する切替手段とを設けた車載カメラ洗浄装置。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、ウィンド洗浄のための既設のシステムを活用して車両後進状態で運転手がウォッシャスイッチを操作して電動ポンプを駆動することで、車載カメラの洗浄をも行うことができる。
【0009】
また、切替手段よりも上流側に分岐部材が接続されていることから、電動ポンプからウィンド洗浄ノズルへの流路は連通している。従って、車載カメラ洗浄時に同時にウィンド洗浄ノズルからも洗浄液が噴射されて、ワイパでリアウィンドを払拭することでリアウィンドを通した視界も確保できる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車載カメラ洗浄装置において、前記車両が後進状態であることを示す電気信号は、前記車両の変速装置を構成するシフトレバーの各ポジションのうち、後進ポジションの電気信号である。
【0011】
請求項2の発明によれば、ドライバが自らの意思で車両を後進させるべくシフトレバーを後進ポジションに操作されたことを電気信号として切替手段は入力して、その切替手段によってカメラ洗浄ノズルへの流路を連通又は遮断する。
【0012】
この状態でさらに、ドライバが自らの意思でウォッシャスイッチを操作することで、カメラ洗浄ノズルから洗浄液が直ちに噴射され、車両後部を確認する車載カメラを迅速に洗浄できる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の車載カメラ洗浄装置において、前記ウォッシャスイッチは、前記リアウィンドを払拭するワイパを駆動するリアワイパモータの駆動を指令するための指令信号を生成し、前記ウォッシャスイッチからの指令信号と前記車両が後進状態であることを示す電気信号とに基づいて、前記切替手段を開閉制御する駆動制御装置とを備えた。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、車両が後進状態でウォッシャスイッチが操作され指令信号が生成されると、電動ポンプとリアワイパモータの両方が駆動されることから、カメラ洗浄ノズルとウィンド洗浄ノズルから洗浄液が同時に噴射される。この時、リアウィンドに供給された洗浄液はリアワイパモータにより駆動されるワイパによって直ちに払拭される。これにより、車載カメラの視界確保だけでなくリアウィンドを介して後方視界の確保も、ドライバの操作を煩わせことなく迅速に行える。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の車載カメラ洗浄装置において、
前記後進ポジションの電気信号は、前記シフトレバーを前記後進ポジションとしたときに点灯する前記車両後部に配設されたバックランプへの電源供給であって、前記切替手段は、前記バックランプへの前記電源供給の一部が前記後進ポジションの電気信号として入力される。
【0016】
請求項4の発明によれば、車両後部に配設されたバックランプはシフトレバーを後進ポジションにしたときに点灯することを活用して、その電源の一部を後進ポジションの電気信号とすることで、シフトレバーから車両後部までの信号線を大幅に短くすることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の車載カメラ洗浄装置において、前記分岐部材は、車両前部に設けられた電動ポンプから車両後部位置まで配設された主配管の後端部に設けられ、前記分岐部材に対し、該分岐部材の下流側にウィンド洗浄ノズルと接続される第1配管と、該分岐部材の下流側にカメラ洗浄ノズルと接続される第2配管を配設し、前記第2配管に前記切替手段を設けた。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、切替手段を設けた第2配管は、車両の後部の主配管に設けた分岐部材に接続した。従って、タンク及び電動ポンプからカメラ洗浄ノズル専用の長い配管を別途構成して取り回す必要がなく、車載カメラ洗浄装置の配管は非常に簡単な構成にすることができる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の車載カメラ洗浄装置において、前記切替手段は、前記車両後部のリアウィンドを払拭するリアワイパの駆動用のリアワイパモータに電源を供給する電源回路に接続されており、前記リアワイパモータへ供給される前記電源の一部が、前記切替手段の駆動電源として供給される。
【0020】
請求項6の発明によれば、リアワイパを払拭駆動するリアワイパモータが、車両後部に配設されていることに着目し、そのリアワイパモータを駆動するための電源回路から切替手段の駆動電源が供給される。これにより、車両前部に配設されるバッテリなどの電源から車両後部に配設される車載カメラまでの電源線を、大幅に短くできる。しかも、電源線は、信号線よりも比較的太いので、重量をも低減できる。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の車載カメラ洗浄装置において、前記切替手段は、電磁切替バルブである。
請求項7に記載の発明によれば、電磁切替バルブの励磁コイルを通電することにより、同時にカメラ洗浄ノズル及びウィンド洗浄ノズルに洗浄液が供給される。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項3〜7のいずれか1項に記載の車載カメラ洗浄装置において、前記駆動制御装置は、前記車両が後進状態であることを示す電気信号が入力され、前記ウォッシャスイッチが操作されたとき、前記切替手段を予め定めた時間が経過するまで、前記カメラ洗浄ノズル側の前記配管を前記カメラ洗浄ノズルに連通する。
【0023】
請求項8に記載の発明によれば、車両が後進状態であってウォッシャスイッチが操作されたとき、予め定めた時間が経過するまでの間だけで、カメラ洗浄ノズルに洗浄液を供給するようにした。従って、無用に長いウォッシャスイッチの操作によって不必要に洗浄液がカメラ洗浄のために消費されることはない。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、車両後進状態において、車載カメラの洗浄及びリアウィンドの洗浄を同時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施形態の車載カメラ洗浄装置を備えた車両の概略構成図。
【図2】車載カメラ洗浄装置の電気的構成を説明するための電気回路図。
【図3】車載カメラ洗浄装置の電気的構成を説明するためのタイムチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の車載カメラ洗浄装置の一実施形態を図1〜図3に従って説明する。
図1に示すように、車両1には、運転席の横に変速装置2のシフトレバー3が設けられ、同シフトレバー3を操作することによって車両1は変速する。シフトレバー3を1速位置に操作すると、変速装置2は車両1の変速比を1速にシフトチェンジさせる。シフトレバー3を2速位置に操作すると、変速装置2は車両1の変速比を2速にシフトチェンジさせる。また、シフトレバー3を中立位置に操作すると、変速装置2は車両1の変速比を中立にシフトチェンジさせる。
【0027】
さらに、シフトレバー3を後進位置(リバース位置)に操作すると、変速装置2は車両1を後進させる。この時、シフトレバー3が後進位置(リバース位置)にシフトされている間、車両1の後部に設けられたバックランプBLが点灯されるようになっている。
【0028】
また、車両1のコンソールパネルには、ナビゲーション装置において現在位置やその他地図表示等に利用される表示装置DSPが設置されている。
車両1の後部中央位置であってリアウィンド4の下側には、リアワイパ装置6が設けられている。リアワイパ装置6は、リアワイパモータM1が駆動されることによって回動し、リアワイパ装置6のワイパブレード7がリアウィンド4の外側面を払拭動作する。
【0029】
車両1の後部中央位置であってリアウィンド4の上側には、リア・ウォッシャノズルN1が設けられている。リア・ウォッシャノズルN1は、そのノズル口が下方のリアウィンド4に向けられ、そのノズル口から洗浄液がリアウィンド4の払拭面に噴射されるようになっている。
【0030】
車両1の後部外側であって、本実施形態ではリアワイパ装置6よりもさらに後部位置には、バックモニタ用の車載カメラ10が設置されている。車載カメラ10は、本実施形態では、後方視認用のリアビューカメラであって、車載カメラ10が撮像した画像は、画像データとして車両1のコンソールパネルに設けた表示装置DSPに出力される。表示装置DSPは、その画像データに基づいて車載カメラ10が撮像した画像を画面に表示するようになっている。
【0031】
なお、車載カメラ10は、変速装置2のシフトレバー3を後進位置(リバース位置)に操作したとき、撮像動作を開始しその画像データを表示装置DSPに出力する。また、シフトレバー3が後進位置(リバース位置)からそれ以外の位置にシフトされたとき、車載カメラ10は撮像動作を終了する。
【0032】
車載カメラ10に隣接した位置に設けられ、車載カメラ10の後方撮像視野角から外れた位置には、カメラ・ウォッシャノズルN2が設けられている。カメラ・ウォッシャノズルN2は、そのノズル口が車載カメラ10のレンズを泥、埃、塵等から保護するために設けられたガラス窓10a(図2参照)に向けられ、そのノズル口から洗浄液が車載カメラ10のガラス窓10aに向けて噴射されるようになっている。
【0033】
リア・ウォッシャノズルN1及びカメラ・ウォッシャノズルN2は、車両1の前部エンジンルームに設けられたウォッシャポンプPと主配管8を介して接続されている。ウォッシャポンプPは、同じくエンジンルームに設けられた洗浄液を貯留したタンクTから洗浄液を、主配管8を介してリア・ウォッシャノズルN1及びカメラ・ウォッシャノズルN2に給送するポンプである。
【0034】
詳述すると、基端部がウォッシャポンプPに接続された主配管8は、車両1の後部位置まで配管され、その後端部においてT字管よりなる分岐管Jが連結されている。分岐管Jは、第1配管8aと第2配管8bが接続されている。第1配管8aはリア・ウォッシャノズルN1と接続され、第2配管8bはカメラ・ウォッシャノズルN2に接続されている。
【0035】
従って、リア・ウォッシャノズルN1は、ウォッシャポンプPからの洗浄液が主配管8、分岐管J及び第1配管8aを介して供給される。一方、カメラ・ウォッシャノズルN2は、ウォッシャポンプPからの洗浄液が主配管8、分岐管J及び第2配管8bを介して供給される。
【0036】
第2配管8bには、電磁切替バルブBが設けられている。電磁切替バルブBは、ウォッシャポンプPから主配管8を介してリア・ウォッシャノズルN1に供給される洗浄液の一部を、分岐管J及び第2配管8bを介してカメラ・ウォッシャノズルN2に供給するバルブである。
【0037】
詳述すると、電磁切替バルブBの励磁コイルBc(図2参照)が通電されていないとき、電磁切替バルブBは第2配管8bの連通を遮断する。即ち、主配管8からの洗浄液がカメラ・ウォッシャノズルN2に供給されないようになっている。反対に、電磁切替バルブBの励磁コイルBcが通電されているとき、電磁切替バルブBは第2配管8bを連通する。即ち、主配管8からの洗浄液がリア・ウォッシャノズルN1とカメラ・ウォッシャノズルN2とに供給されるようになっている。
【0038】
次に、上記のように構成した車載カメラ洗浄装置の電気的構成について図2に従って説明する。
図2において、車両後部1bに設けられたバックランプBLは、一端(マイナス端子)が接地され、他端(プラス端子)がランプ用ハーネスL1を介して車両前部1aのエンジンルームに設けたバックランプリレー11と直列に接続されている。
【0039】
バックランプリレー11は、リードスイッチ11aと励磁コイル11bを有したリードリレーである。リードスイッチ11aは、そのプラス端子がフューズF1を介してプラスの電源線L0に接続され、そのマイナス端子がランプ用ハーネスL1を介してバックランプBLに接続されている。そして、リードスイッチ11aは、励磁コイル11bが通電し励磁されるとオンし、バックランプBLに電流を供給し、バックランプBLを点灯させる。
【0040】
バックランプリレー11の励磁コイル11bは、一端がリードスイッチ11aのプラス端子側に接続され、他端が位置検出センサ12に接続されている。
位置検出センサ12は、変速装置2のシフトレバー3の後進位置(リバース位置)を検出するセンサである。位置検出センサ12は、シフトレバー3が後進位置(リバース位置)に位置しているかどうかを検知する検知素子よりなる検知部12aと、検知部12aからの検知信号に応答してオン・オフするスイッチングトランジスタよりなる開閉スイッチ12bとから構成されている。
【0041】
検知部12aは、シフトレバー3が後進位置にあるとき、開閉スイッチ12bをオン(閉路)させる検出信号を開閉スイッチ12bに出力する。また、検知部12aは、シフトレバー3が後進位置以外の位置にあるとき、検出信号を消失し、開閉スイッチ12bをオフ(開路)させる。
【0042】
開閉スイッチ12bは、一端がバックランプリレー11の励磁コイル11bに接続され、他端が接地されている。開閉スイッチ12bは、シフトレバー3が後進位置にあることを検知部12aが検知した時、オンして励磁コイル11bを通電させる。つまり、リードスイッチ11aをオンさせ、ランプ用ハーネスL1を介してバックランプBLに電流を流してバックランプBLを点灯させる。
【0043】
一方、開閉スイッチ12bは、シフトレバー3が後進位置以外にあることを検知部12aが検知している時、オフして励磁コイル11bを非通電にする。つまり、リードスイッチ11aをオフさせ、ランプ用ハーネスL1への電流を遮断してバックランプBLが点灯しないようにしている。
【0044】
ところで、バックランプBLの端子間電圧は、後進信号BSGとして出力される。つまり、バックランプBLが点灯されることによって、同バックランプBLに電流が流れる。その結果、図3に示すハイレベルの後進信号BSGが、バックランプBLのプラス端子側から出力される。反対に、バックランプBLが消灯されることによって、同バックランプBLに電流が流れない。その結果、図3に示すロウレベルの後進信号BSGが、バックランプBLのプラス端子側から出力される。
【0045】
リアワイパ装置6を駆動するリアワイパモータM1は、一端がリア・ワイパスイッチLWSに接続され、このワイパスイッチLWSの+B端子が車両1の前部エンジンルームに設けたフューズF2を介してプラス電源線L0に接続されている。一方、リアワイパモータM1の他端は接地されている。
【0046】
また、リアワイパモータM1の内部には、リアワイパ装置6の自動定位置停止装置(ワイパブレード7がホームポジション以外にある時にリア・ワイパスイッチLWSを「OFF」にしても、ワイパブレード7をホームポジションまで移動させて停止する装置)を構成するカムスイッチ14が組み込まれている。
【0047】
カムスイッチ14は、a接点14a、b接点14b、共通接点14c及び可動接点14dを有している。a接点14aは、モータ用ハーネスL2を介してワイパスイッチLWSの+B端子に接続されている。b接点14bは、リアワイパモータM1の他端に接続されると共に接地されている。可動接点14dは、一端がリア・ワイパスイッチLWSのS端子に接続されている共通接点14cと接続され、リアワイパモータM1の回動とともに可動する。可動接点14dは、可動することによって、他端がa接点14aとb接点14bのいずれか一方と接続するようになっている。
【0048】
詳述すると、ワイパブレード7がホームポジション以外にある時、可動接点14dはa接点14aと接続される。従って、リアワイパモータM1は、リア・ワイパスイッチLWSが「OFF」であっても、カムスイッチ14を介してプラス電源線L0から電源供給が維持される。
【0049】
そして、ワイパブレード7がホームポジションに位置すると、可動接点14dはa接点14aから切り離されb接点14bと接続される。これにより、リアワイパモータM1の両端が閉回路となると共に接地され、発電制動がかかり停止する。
【0050】
リア・ワイパスイッチLWSは、リアワイパモータM1を駆動させるためのスイッチであって、ステアリングコラムから延びたレバースイッチであって、ドライバによって「ON」又は「OFF」に操作される。リア・ワイパスイッチLWSは、+B端子、S端子、+1端子を有している。
【0051】
+1端子は、リアワイパモータM1の一端(正極側)と接続されている。S端子は、カムスイッチ14の共通接点14cと接続されている。+B端子は、フューズF2を介してプラス電源線L0に接続されると共に、車両後部1bに延びるモータ用ハーネスL2を介してカムスイッチ14のa接点14aに接続されている。
【0052】
リア・ワイパスイッチLWSは、リアワイパモータM1を駆動させたいとき(リアワイパ装置6を駆動させたいとき)、ドライバにて「OFF」から「ON」に操作される。すなわち、電源線L0からの電流を、カムスイッチ14の状態に関係なくリア・ワイパスイッチLWSの+B端子→+1端子→リアワイパモータM1を経由して流すことで、リアワイパモータM1は駆動する。
【0053】
また、リアワイパモータM1を停止させたいとき(リアワイパ装置6を停止させたいとき)、リア・ワイパスイッチLWSが「ON」から「OFF」に操作される。すると、リアワイパモータM1は、カムスイッチ14に依存して電源供給がなされる。すなわち、上述したように、ワイパブレード7がホームポジション以外にある時は、カムスイッチ14を介してプラス電源線L0から電源供給が維持され、ホームポジションに位置すると電源供給が遮断されて停止される。
【0054】
ウォッシャポンプPを駆動するポンプモータM2は、一端がフューズF2を介して電源線L0に接続され、他端がウォッシャスイッチSW1を介して接地されている。ウォッシャスイッチSW1は、本実施形態では前記レバースイッチよりなるリア・ワイパスイッチLWSの先端部に付加された自動復帰型のスイッチである。従って、ウォッシャスイッチSW1をオン操作に保持している間、ポンプモータM2は、電源線L0から電源が供給されて駆動し、ウォッシャポンプPを駆動させる。これによって、ウォッシャポンプPが駆動しタンクTからの洗浄液が主配管8に給送される。
【0055】
つまり、ポンプモータM2とウォッシャポンプPとで電動ポンプ18が構成される。そして、電動ポンプ18はウォッシャスイッチSW1のオン操作に基づいて、駆動しタンクTから洗浄液を主配管8に給送する。主配管8に給送された洗浄液は、分岐管J及び第1配管8aを介してリア・ウォッシャノズルN1に供給されるとともに、分岐管J及び第2配管8bを介してカメラ・ウォッシャノズルN2に供給される。
【0056】
また、ウォッシャスイッチSW1のプラス側端子は、抵抗R1を介してインバータ回路INVに接続されている。そして、ウォッシャスイッチSW1がオン操作されると、ウォッシャスイッチSW1のプラス側端子の電位はロウレベルとなり、インバータ回路INVは、図3に示すハイレベルのウォッシャ信号WSGを出力する。また、ウォッシャスイッチSW1がオフ操作されると、ウォッシャスイッチSW1のプラス側端子の電位はハイレベルとなり、インバータ回路INVはロウレベルのウォッシャ信号WSGを出力する。
【0057】
このウォッシャ信号WSGは、リアワイパモータM1を駆動させるためのワイパモータ駆動回路20と第2配管8bに設けられた電磁切替バルブBを開閉制御するバルブ駆動制御回路30に出力される。
【0058】
ワイパモータ駆動回路20は、抵抗R2、スイッチングトランジスタQ1、モータ駆動リレー21を有している。
モータ駆動リレー21は、リードスイッチ21aと励磁コイル21bを有したリードリレーである。リードスイッチ21aは、そのプラス端子がフューズF2を介してプラスの電源線L0に接続され、そのマイナス端子がワイパスイッチLWSの+1端子に接続されている。励磁コイル21bは、そのプラス端子がフューズF2を介してプラスの電源線L0に接続され、そのマイナス端子がスイッチングトランジスタQ1のコレクタ端子に接続されている。
【0059】
また、スイッチングトランジスタQ1は、そのエミッタ端子が接地されていて、ベース端子に抵抗R2を介してウォッシャ信号WSGが入力される。そして、ベース端子にハイレベルのウォッシャ信号WSGが入力されると、スイッチングトランジスタQ1はオンし、励磁コイル21bを通電し励磁する。励磁コイル21bが励磁されるとリードスイッチ21aはオンし、リアワイパモータM1に電流を供給しリアワイパモータM1を駆動させる。
【0060】
従って、リア・ワイパスイッチLWSが「OFF」の状態であっても、ワイパモータ駆動回路20にハイレベルのウォッシャ信号WSGが入力されると、電源線L0から電流をワイパスイッチLWSの+1端子からリアワイパモータM1を経由して流すことができ、リアワイパモータM1を駆動させることができる。
【0061】
換言すれば、リア・ワイパスイッチLWSが「OFF」の状態であっても、ウォッシャスイッチSW1をオン操作している間、リアワイパモータM1を駆動させることができる。
【0062】
バルブ駆動制御回路30は、第1及び第2アンド回路31,32、タイマ33、抵抗R3及びスイッチングトランジスタQ2とから構成されている。
第1アンド回路31は、2入力端子のアンド回路であって、一方の入力端子にはウォッシャ信号WSGが入力され、他方の入力端子にはタイマ33を介してウォッシャ信号WSGが入力される。つまり、第1アンド回路31の一方の入力端子は、インバータ回路INVに接続されている。一方、第1アンド回路31の他方の入力端子は、タイマ33を介してインバータ回路INVに接続されている。
【0063】
タイマ33は、ハイレベルのウォッシャ信号WSGを入力したとき、そのハイレベルに立ち上がった時から予め定めた時間tk経過すると、図3に示すようにハイレベルからロウレベルとなるタイマ信号TSGを出力する。つまり、タイマ33は、ハイレベルのウォッシャ信号WSGを入力する毎に予め定めた時間tkだけハイレベルのタイマ信号TSGを第1アンド回路31の他方の入力端子に出力する。
【0064】
従って、第1アンド回路31は、ウォッシャスイッチSW1がオン操作されてハイレベルのウォッシャ信号WSGが出力されると、予め定めた時間tkが経過するまで、ハイレベルの出力信号SG1を出力する。そして、第1アンド回路31は、予め定めた時間tkが経過すると、ハイレベルの出力信号SG1を消失させロウレベルにする。
【0065】
第1アンド回路31の出力信号SG1は、第2アンド回路32に出力される。第2アンド回路32は、2入力端子のアンド回路であって、一方の入力端子には第1アンド回路31からの出力信号SG1が入力され、他方の入力端子には後進信号BSGが入力される。つまり、第2アンド回路32の一方の入力端子は、第1アンド回路31の出力端子に接続され、第1アンド回路31からの出力信号SG1を入力する。一方、第2アンド回路32の他方の入力端子は、バックランプBLの一端プラス端子に接続され、バックランプBLの一端から後進信号BSGを入力する。
【0066】
従って、第2アンド回路32は、ハイレベルの後進信号BSG及びハイレベルの出力信号SG1が入力されると、図3に示すハイレベルの励磁制御信号CSGが抵抗R3を介してスイッチングトランジスタQ2のベース端子に出力される。
【0067】
スイッチングトランジスタQ2は、そのコレクタ端子が電磁切替バルブBの励磁コイルBcを介して車両後部1bに配線され、リア・ワイパスイッチLWSの+B端子とカムスイッチ14のa接点14aとを繋ぐ、モータ用ハーネスL2に接続されている。また、スイッチングトランジスタQ2のエミッタ端子は、接地されている。従って、スイッチングトランジスタQ2のベース端子には、ハイレベルの励磁制御信号CSGが抵抗R2を介して入力されると、スイッチングトランジスタQ2は、オンしモータ用ハーネスL2から電磁切替バルブBの励磁コイルBcに駆動電源が供給される。そして、励磁コイルBcは通電される。電磁切替バルブBは、励磁コイルBcが通電されると、第2配管8bを連通させる。
【0068】
詳述すると、第2アンド回路32は、ハイレベルの後進信号BSGが出力されていて、ウォッシャスイッチSW1がオン操作され、予め定めた時間tk、ハイレベルの出力信号SG1が出力されている間、電磁切替バルブBにて第2配管8bを連通させる。
【0069】
詳述すると、電磁切替バルブBの励磁コイルBcが通電されていないとき、電磁切替バルブBは第2配管8bの連通を遮断する。そして、主配管8からの洗浄液がカメラ・ウォッシャノズルN2に供給されないようになっている。反対に、電磁切替バルブBの励磁コイルBcが通電されているとき、電磁切替バルブBは第2配管8bを連通する。そして、主配管8からの洗浄液がリア・ウォッシャノズルN1とカメラ・ウォッシャノズルN2とに供給されるようになっている。
【0070】
つまり、シフトレバー3が後進位置に操作された状態で、ウォッシャスイッチSW1がオン操作されると、ウォッシャスイッチSW1に応答し電動ポンプ18が駆動し洗浄液のリア・ウォッシャノズルN1及びカメラ・ウォッシャノズルN2への供給が開始される。そして、予め定めた時間tk経過後、カメラ・ウォッシャノズルN2への洗浄液の供給が遮断され、リア・ウォッシャノズルN1だけの洗浄液の供給となる。このリア・ウォッシャノズルN1への洗浄液の供給は、ウォッシャスイッチSW1がオフ操作されて電動ポンプ18が停止するまで持続する。この時、ワイパブレード7がホームポジションに位置したとき、自動定位置停止装置により、リアワイパモータM1は停止する。
【0071】
次に上記のように構成した車載カメラ洗浄装置の作用について説明する。
今、図2に示すように、シフトレバー3が後進位置以外の位置にあって、ウォッシャスイッチSW1がオフ、リア・ワイパスイッチLWSは操作されず「OFF」位置としている。
【0072】
このとき、シフトレバー3が後進位置以外の位置にあるため、バックランプリレー11のリードスイッチ11aはオフであってバックランプBLを点灯させないとともに、バックランプBLのプラス端子から出力される後進信号BSGはロウレベルである。
【0073】
従って、バルブ駆動制御回路30は、電磁切替バルブBの励磁コイルBcを通電させない。また、ウォッシャスイッチSW1がオフであることから、ポンプモータM2は駆動せず、ウォッシャポンプPによる主配管8への洗浄液の給送を行わない。さらに、リア・ワイパスイッチLWSが操作されず「OFF」位置としていることから、リアワイパモータM1は駆動されず、リアワイパ装置6は作動していない。
【0074】
(リアワイパ装置6の作動とリアウィンド4の洗浄)
この上記状態(以下、これを初期状態という)から、リア・ワイパスイッチLWSを操作して「OFF」から「ON」すると、カムスイッチ14の状態に関係なくリア・ワイパスイッチLWSを介して電源が供給され、リアワイパモータM1が回転する。リアワイパモータM1の回転によって、リアワイパ装置6が駆動しワイパブレード7がリアウィンド4を払拭する。
【0075】
このワイパブレード7の払拭動作中に、ウォッシャスイッチSW1がオン操作されると、ポンプモータM2が回転する。ポンプモータM2の回転によって、ウォッシャポンプPが駆動しタンクTの洗浄液を主配管8に供給する。
【0076】
この時、バルブ駆動制御回路30は、ロウレベルの後進信号BSGを入力してロウレベルの励磁制御信号CSGを出力していることから、電磁切替バルブBは第2配管8bの連通を遮断している。そのため、洗浄液はリア・ウォッシャノズルN1だけに供給され、リア・ウォッシャノズルN1のノズル口からリアウィンド4に噴射される。
【0077】
その後、ウォッシャスイッチSW1がオフ操作されると、ポンプモータM2は回転を停止するため、リア・ウォッシャノズルN1への洗浄液の供給が停止する。そして、リアワイパ装置6のみがリア・ワイパスイッチLWSが「ON」操作されていることから駆動した状態となる。
【0078】
なお、上記の場合、リアワイパ装置6を作動した後(リア・ワイパスイッチLWSを操作した後)にウォッシャスイッチSW1をオンさせて、ワイパブレード7の払拭動作中に洗浄液を噴射させた。
【0079】
これを、ウォッシャスイッチSW1をオンさせて、洗浄液をリアウィンド4に噴射させた後に、リア・ワイパスイッチLWSを操作して洗浄液が吹き付けられたリアウィンド4をワイパブレード7で払拭動作させるようにしてもよいが、ウォッシャスイッチSW1がオン操作されると、ポンプモータM2が回転するとともに、インバータ回路INVからハイレベルのウォッシャ信号WSGがワイパーモータ駆動回路20に出力されてリア・ワイパスイッチLWSを操作しなくてもリアワイパモータM1も連動して駆動される。これによって、リアウィンド4に噴射された洗浄液がワイパーブレード7で払拭される。
(シフトレバー3の後進位置操作とウォッシャスイッチSW1の操作)
初期状態において、シフトレバー3が後進位置に操作されると、位置検出センサ12はこれを検知しバックランプリレー11の励磁コイル11bを励磁させてリードスイッチ11aをオンさせる。これによって、ランプ用ハーネスL1からの電流がバックランプBLに流れ同バックランプBLは点灯する。
【0080】
このとき、バックランプBLのプラス端子からバルブ駆動制御回路30に、ハイレベルの後進信号BSGが出力される。
この状態からウォッシャスイッチSW1がオン操作されると、ポンプモータM2が回転するとともに、インバータ回路INVからハイレベルのウォッシャ信号WSGがワイパモータ駆動回路20に出力されてリアワイパモータM1が駆動する。また、このウォッシャ信号WSGはバルブ駆動制御回路30に出力される。バルブ駆動制御回路30は、このハイレベルのウォッシャ信号WSGに応答して予め定めた時間tkだけハイレベルとなる励磁制御信号CSGを生成し、電磁切替バルブBの励磁コイルBcを通電するトランジスタQ1に出力する。
【0081】
従って、ウォッシャスイッチSW1がオン操作されると、リアワイパ装置6及び電動ポンプ18が駆動するとともに、第2配管8bは連通状態となる。つまり、電動ポンプ18が主配管8に供給する洗浄液の全ての供給量は、図3に示すように、第1配管8aを介してリア・ウォッシャノズルN1に供給される供給量Qwと第2配管8bを介してカメラ・ウォッシャノズルN2に供給される供給量Qcとで2分される。
【0082】
その結果、洗浄液はカメラ・ウォッシャノズルN2に供給され、カメラ・ウォッシャノズルN2のノズル口から車載カメラ10のガラス窓10aに噴射される。これによって、車載カメラ10のガラス窓に付着したレンズの泥、埃、塵等が除去される。
【0083】
やがて、時間tkが経過すると、バルブ駆動制御回路30は、ハイレベルの励磁制御信号CSGを消失し、電磁切替バルブBの励磁コイルBcを非通電にする。以後、ウォッシャスイッチSW1をオン操作に保持している間、第2配管8bは遮断状態となる。つまり、電動ポンプ18が主配管8に給送する洗浄液の供給量の全てが、図3に示すように、第1配管8aを介してリア・ウォッシャノズルN1に供給される供給量Qwとなる。
【0084】
その後、ウォッシャスイッチSW1がオフ操作されると、ポンプモータM2が停止しリア・ウォッシャノズルN1への洗浄液の供給が停止するとともに、リアワイパモータM1が停止しリアワイパ装置6の駆動が停止する。
【0085】
次に、上記実施形態の効果を以下に記載する。
(1)本実施形態によれば、シフトレバー3を後進位置にシフトし、ウォッシャスイッチSW1を操作するだけで、車載カメラ10の洗浄を行うことができる。しかも、車載カメラ10の洗浄時には、リア・ウォッシャノズルN1にも洗浄液が供給されるとともに、リアワイパ装置6が駆動される。その結果、車載カメラ10の洗浄と同時に、リアウィンド4の洗浄も行うことができる。つまり、車載カメラの視界確保だけでなくリアウィンドを介して後方視界の確保も、ドライバの操作を煩わせことなく迅速に行える。
【0086】
(2)本実施形態によれば、リア・ウォッシャノズルN1への供給量Qw及びカメラ・ウォッシャノズルN2への供給量Qcがそれぞれ少量となるが、主配管8に設けた分岐管Jとカメラ・ウォッシャノズルN2とを接続する第2配管8bに設けた電磁切替バルブBを制御するだけで、リアウィンド4の洗浄と車載カメラ10の洗浄を同時に行うことができる。
【0087】
(3)本実施形態によれば、シフトレバー3を後進位置にシフトし、ウォッシャスイッチSW1を操作した後、予め定めた時間tkが経過するまでの間だけで、カメラ・ウォッシャノズルN2に洗浄液を供給するようにした。従って、無用に長いウォッシャスイッチSW1の操作によって不必要に洗浄液がカメラ洗浄のために消費されることはない。
【0088】
(4)本実施形態によれば、電磁切替バルブBを設けた第2配管8bは、車両後部1bの主配管8に設けた分岐管Jを接続した。従って、タンクT及び電動ポンプ18からカメラ・ウォッシャノズルN2専用の長い配管を別途構成して取り回す必要がなく、車載カメラ洗浄装置の配管は非常に簡単な構成にすることができる。
【0089】
(5)本実施形態によれば、シフトレバー3が後進位置にシフトされたことを示す後進信号BSGを、バックランプBLに流れる電流によって同バックランプBLにかかる端子間電圧を利用した。
【0090】
従って、シフトレバー3から車両後部1bまでの信号線を大幅に短くすることができる。
(6)本実施形態によれば、電磁切替バルブBの励磁コイルBcを、リアワイパモータM1に電流を供給するためのモータ用ハーネスL2と車両1の後部において接続した。そして、リアワイパモータM1に供給される電流の一部を励磁コイルBcの通電に利用した。
【0091】
従って、車両1の前部エンジンルームに配設されるバッテリなどの電源から車両後部1bに配設される電磁切替バルブBまでの電源線を、大幅に短くできる。しかも、電源線は、信号線よりも比較的太いので、重量をも低減できる。
【0092】
上記実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、車載カメラ洗浄装置は、リアウィンド4に洗浄液を供給するためのタンクT、ポンプモータM2及びウォッシャポンプPを利用した。これを、フロントウィンドに洗浄液を供給するためのタンク、ポンプモータ及びウォッシャポンプを利用して実施してもよい。また、タンクは、フロント用とリア用とを兼用するとスペース的に有利である。
【0093】
・上記実施の形態では、シフトレバー3を後進位置に操作としたときに点灯するバックランプBLの点灯とともに、後進信号BSGを生成し出力した。これを例えば、後方に走行する旨の警報ブザーが車両に設けられているとき、シフトレバー3を後進位置に操作としたときに、警報ブザーを鳴動させるとともに、後進信号BSGを警報ブザーにて生成し出力するようにしてもよい。
【0094】
後進信号BSGの代わりに、位置検出センサ12の検知部12aからの検知信号を利用してもよい。
【符号の説明】
【0095】
1…車両、1a…車両前部、1b…車両後部、2…変速装置、3…シフトレバー、4…リアウィンド、6…リアワイパ装置、7…ワイパブレード、8…主配管、8a…第1配管、8b…第2配管、10…車載カメラ、10a…ガラス窓(撮像面)、11…バックランプリレー、11a…リードスイッチ、11b…励磁コイル、12…位置検出センサ,12a…検知部、12b…開閉スイッチ、14…カムスイッチ、14a…a接点、14b…b接点、14c…共通接点、14d…可動接点、18…電動ポンプ、20…ワイパモータ駆動回路、21…モータ駆動リレー、21a…リードスイッチ、21b…励磁コイル、30…バルブ駆動制御回路(駆動制御装置)、J…分岐管(分岐部材)、B…電磁切替バルブ(切替手段)、Bc…励磁コイル、P…ウォッシャポンプ、T…タンク、BL…バックランプ、F1,F2…フューズ、L0…電源線、L1…ランプ用ハーネス、L2…モータ用ハーネス、M1…リアワイパモータ、M2…ポンプモータ、R1〜R3…抵抗、N1…リア・ウォッシャノズル(ウィンド洗浄ノズル)、N2…カメラ・ウォッシャノズル(カメラ洗浄ノズル)、Q1,Q2…スイッチングトランジスタ、DSP…表示装置、LWS…リア・ワイパスイッチ、SW1…ウォッシャスイッチ、WSG…ウォッシャ信号、BSG…後進信号、TSG…タイマ信号、CSG…励磁制御信号、SG1…出力信号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクに貯留された洗浄液を給送する電動ポンプと、
前記電動ポンプの駆動を指令するウォッシャスイッチと、
車両後部に配設されて、前記タンクの前記洗浄液を、リアウィンドに噴射するウィンド洗浄ノズルと、
前記タンクの洗浄液を、車両後部に配置された車載カメラの撮像面に向けて噴射するカメラ洗浄ノズルと、
前記電動ポンプからの前記洗浄液を、前記ウィンド洗浄ノズル側と前記カメラ洗浄ノズル側とに分岐する分岐部材と、
前記カメラ洗浄ノズル側の配管に接続され、前記車両が後進状態であることを示す電気信号が入力され、前記ウォッシャスイッチが操作されたとき、前記配管を前記カメラ洗浄ノズルに連通する切替手段と
を設けたことを特徴とする車載カメラ洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載カメラ洗浄装置において、
前記車両が後進状態であることを示す電気信号は、前記車両の変速装置を構成するシフトレバーの各ポジションのうち、後進ポジションの電気信号であることを特徴とする車載カメラ洗浄装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車載カメラ洗浄装置において、
前記ウォッシャスイッチは、前記リアウィンドを払拭するワイパを駆動するリアワイパモータの駆動を指令するための指令信号を生成し、
前記ウォッシャスイッチからの指令信号と前記車両が後進状態であることを示す電気信号とに基づいて、前記切替手段を開閉制御する駆動制御装置と
を備えたことを特徴とする車載カメラ洗浄装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の車載カメラ洗浄装置において、
前記後進ポジションの電気信号は、前記シフトレバーを前記後進ポジションとしたときに点灯する前記車両後部に配設されたバックランプへの電源供給であって、
前記切替手段は、前記バックランプへの前記電源供給の一部が前記後進ポジションの電気信号として入力されることを特徴とする車載カメラ洗浄装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の車載カメラ洗浄装置において、
前記分岐部材は、車両前部に設けられた電動ポンプから車両後部位置まで配設された主配管の後端部に設けられ、
前記分岐部材に対し、該分岐部材の下流側にウィンド洗浄ノズルと接続される第1配管と、該分岐部材の下流側にカメラ洗浄ノズルと接続される第2配管を配設し、前記第2配管に前記切替手段を設けたことを特徴とする車載カメラ洗浄装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の車載カメラ洗浄装置において、
前記切替手段は、前記車両後部のリアウィンドを払拭するリアワイパの駆動用のリアワイパモータに電源を供給する電源回路に接続されており、
前記リアワイパモータへ供給される前記電源の一部が、前記切替手段の駆動電源として供給されることを特徴とする車載カメラ洗浄装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の車載カメラ洗浄装置において、
前記切替手段は、電磁切替バルブであることを特徴とする車載カメラ洗浄装置。
【請求項8】
請求項3〜7のいずれか1項に記載の車載カメラ洗浄装置において、
前記駆動制御装置は、前記車両が後進状態であることを示す電気信号が入力され、前記ウォッシャスイッチが操作されたとき、前記切替手段を予め定めた時間が経過するまで、前記カメラ洗浄ノズル側の前記配管を前記カメラ洗浄ノズルに連通することを特徴とする車載カメラ洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−6480(P2013−6480A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139643(P2011−139643)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】