説明

車載カメラ用ウォッシャノズル

【課題】汎用性を向上させることが可能な車載カメラ用ウォッシャノズルを提供する。
【解決手段】車載カメラ用ウォッシャノズル20は、導入口23aと、該導入口23aから導入された洗浄液Wを案内する流通路23bとを有する固定側部材21を備える。また、車載カメラ用ウォッシャノズル20は、流通路23bと連通された連通路41aを有し、その連通状態を保持したまま固定側部材21に対して摺動可能に設けられた摺動部41と、摺動部41と一体に動作可能であり、連通路41aを介して送給された洗浄液Wを噴射する噴射口42aを有するノズル部42とを有する可動ノズル部材22とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載カメラ用ウォッシャノズル及び車載カメラ洗浄システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両周囲の状況を撮像する車載カメラを搭載した車両には、車載カメラで撮像した外部映像をナビゲーション用のモニタに表示することにより、運転者の車両周囲の確認を支援するものがある。この車載カメラは、車両の外部に備えられることが多く、車載カメラの前面に雨滴、泥、塵埃等の異物が付着することがある。そして、車載カメラの撮像面に異物が付着すると、当該車載カメラにて撮像した外部映像にその異物が映り込むため、鮮明な外部映像を得られなくなるという問題がある。そこで、例えば特許文献1に記載されているように、車載カメラの撮像面を清掃する洗浄システムを備えることが考えられている。
【0003】
特許文献1の洗浄システムでは、車載カメラの上部にウォッシャノズルが設けられ、そのウォッシャノズルの吐出口をカメラの撮像面(特許文献1中、前面ガラス)に向けるべく、該撮像面近傍まで延出させている。そして、ウォッシャノズルの吐出口から洗浄液を撮像面に吹き付けてその撮像面の汚れを除去するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−171491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の洗浄システムでは、洗浄液を撮像面に好適に供給するためにウォッシャノズルの吐出口を撮像面に対して極めて近く設定する必要があるため、車種による車載カメラの全長等の違いに応じて専用のウォッシャノズルをそれぞれ設計しなければならず、汎用性を欠くものとなっていた。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、汎用性を向上させることが可能な車載カメラ用ウォッシャノズル及び車載カメラ洗浄システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、導入口から導入された洗浄液を、車体に取り付けられる車載カメラの撮像面に噴射する車載カメラ用ウォッシャノズルであって、前記導入口と、該導入口から導入された洗浄液を案内する流通路とを有する固定側部材と、前記流通路と連通する連通路を有し、その連通状態を保持したまま前記固定側部材に対して摺動可能に設けられた摺動部と、前記摺動部と一体に動作可能であり、前記連通路を介して送給された洗浄液を噴射する噴射口を有するノズル部とを有する可動ノズル部材とを備えていることを特徴とする。
【0008】
この発明では、可動ノズル部材は、摺動部とノズル部とが一体に動作可能に構成され、その摺動部は固定側部材に対して摺動可能に組み付けられるため、洗浄液を噴射するノズル部の噴射口の向きが車載カメラの撮像面を向くように調整することが可能となる。これにより、形状、サイズ又は取付角度等によって撮像面の位置や向きが異なる種々の車載カメラに対して、可動ノズル部材の位置調整を行って洗浄液の噴射方向を変更することで、同一のウォッシャノズルを適用可能となり、汎用性を向上させることが可能となる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車載カメラ用ウォッシャノズルにおいて、前記ノズル部は、前記摺動部から前記撮像面に向けて延出され先端部に前記噴射口を有するパイプ状に形成されていることを特徴とする。
【0010】
この発明では、可動ノズル部材の噴射口の向きを変えるとき、パイプ状のノズル部を摘んで動かすことが可能となり、その結果、洗浄液の噴射方向を容易に変更することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の車載カメラ用ウォッシャノズルにおいて、前記ノズル部は、前記摺動部とは別部材で構成されていることを特徴とする。
この発明では、例えば、車載カメラの形状やサイズ等によって洗浄液を撮像面に好適に噴射できない場合に、ノズル部だけを変更し、固定側部材や摺動部は共用して利用することが可能となるため、設計変更の手間を省くことができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載カメラ用ウォッシャノズルにおいて、前記固定側部材は、その少なくとも一部が前記車体に設けられたガーニッシュと前記車体との間に形成される空間に配置されていることを特徴とする。
【0013】
この発明では、ウォッシャノズルの少なくとも一部がガーニッシュにて覆われる構成となるため、機能的で意匠性に乏しくなりがちなウォッシャノズルが視認されにくくなり、車体の外観意匠が損なわれることを抑制することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の車載カメラ用ウォッシャノズルにおいて、前記固定側部材は、前記ガーニッシュに固定されていることを特徴とする。
この発明では、固定側部材がガーニッシュに固定されるため、車体側に固定する構成と比べて固定側部材を容易に組み付けることができる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の車載カメラ用ウォッシャノズルにおいて、前記摺動部は球状をなし、前記固定側部材に設けられた球状凹部に摺動可能に嵌め合わされていることを特徴とする。
【0016】
この発明では、固定側部材に対する摺動部の摺動方向(即ち、可動ノズル部材の調整方向)が1つの方向に縛られないため、より多種の車載カメラに対応した可動ノズル部材の噴射方向の調整が可能となる。
【発明の効果】
【0017】
従って、上記記載の発明によれば、車載カメラ用ウォッシャノズルの汎用性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態の車載カメラ洗浄システムの概略構成図。
【図2】車体後部の部分断面図。
【図3】車載カメラ及び車載カメラ用ウォッシャノズルの分解斜視図。
【図4】車載カメラ用ウォッシャノズルの作用を説明するための部分断面図。
【図5】別例の車載カメラ用ウォッシャノズルを説明するための部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の車載カメラ洗浄システム1のウォッシャタンク3は、車両2のエンジンルーム内に設置されている。ウォッシャタンク3には、その内部に洗浄液Wが貯留されるとともに、ウォッシャタンク3の側壁には、筒状のインレット(図示略)がウォッシャタンク3内に挿入された状態でポンプ装置4が装着されている。ポンプ装置4には、車両2のフロントガラス2aに洗浄液Wを噴射するフロントウォッシャノズル(フロントノズル)5と、車両2のリヤガラス2bに洗浄液Wを噴射するリヤウォッシャノズル(リヤノズル)6とがそれぞれホース7a,7bを介して接続されている。そして、車室内に配置された操作スイッチ8の操作に基づいてポンプ装置4が作動され、ポンプ装置4のインレットから吸入された洗浄液Wがフロントノズル5からフロントガラス2aに、若しくはリヤノズル6からリヤガラス2bに向けて択一的に噴射されるようになっている。
【0020】
また、車両2には、カーナビゲーション装置が搭載され、地図等の表示がなされるナビゲーション用のモニタ9が車室内に備えられるとともに、車両2の後部に備えられる車載カメラ(以下、単にカメラと言う)10にて撮影された車両後方の外部映像が、例えば車両後進時にそのモニタ9に表示されるようになっている。
【0021】
図2に示すように、本実施形態のカメラ10は、車体P(ボディパネル)のカメラ固定部Paに固定されたベース部11と、ベース部11に固定された略立方体状をなすハウジング12とを有している。ハウジング12の前面には、内部の撮像素子がレンズ(ともに図示略)を介して臨む円形状の撮像面13が構成されている。車体Pのカメラ固定部Paは、カメラ10が固定される固定面が車体後方下側に向くように傾斜しており、そのカメラ固定部Paに固定されたカメラ10のハウジング12は、前面の撮像面13が後方下部を撮像するように傾斜配置されている。
【0022】
また、車体Pの後部において、カメラ10の上側位置には、該カメラ10の撮像面13に付着した雨滴や泥等の異物を除去すべく洗浄液Wを吐出する車載カメラ用ウォッシャノズル(以下、単にカメラ用ノズルと言う)20が配置されている。カメラ用ノズル20は、図2及び図3に示すように、カメラ10の根本部分を覆うように車体Pの後部に設けられたガーニッシュGに対してねじSとナットNにて締結固定された固定側部材21と、固定側部材21に組み付けられた可動ノズル部材22とを備えている。
【0023】
固定側部材21は、洗浄液Wを送給するホース7cと接続される接続筒部23が形成された第1挟持部材24を有している。第1挟持部材24は、基部25と、基部25から延びる接続筒部23とを有している。接続筒部23の先端部は、ホース7cからの洗浄液Wを導入する導入口23aとなっており、接続筒部23の内側は洗浄液Wを案内する流通路23bとなっている。基部25の反接続筒部側の端面25aには、流通路23bと連通する略半球状の保持凹部26が凹設されている。また、第1挟持部材24には、基部25から車幅方向両側にそれぞれ延出された固定片27が形成され、各固定片27にはねじ挿通孔27aが形成されている。この第1挟持部材24の基端側端面(基部25の端面25a及び固定片27の端面)は平面状をなしており、この端面に第2挟持部材31が当接されている。
【0024】
第2挟持部材31は、第1挟持部材24の基端側端面の形状に対応する形状をなしており、第1挟持部材24の一対の固定片27とそれぞれ当接する一対の固定片32を有している。第1挟持部材24の固定片27と同様に、各固定片32にはねじ挿通孔32aが形成されている。第2挟持部材31の車幅方向中央には延出部33が形成され、この延出部33の第1挟持部材24側の端面には、略半球状の保持凹部34が形成されている。この延出部33は、基部25の端面25aと当接しており、その保持凹部34は、第1挟持部材24側の保持凹部26とで可動ノズル部材22の球状の摺動部41を挟持している。この各保持凹部26,34が合わさってできる空間は、球状の摺動部41を保持すべく略球状に形成された凹部(球状凹部)となっており、各保持凹部26,34は、摺動部41を摺動可能に保持している。また、延出部33の反第1挟持部材側の端面には、保持凹部34と連通する開口部33aが形成されている。
【0025】
第2挟持部材31の反第1挟持部材側の端面は、ガーニッシュGと当接されている。そして、一対のねじSがガーニッシュGと各ねじ挿通孔32a,27aに挿通されるとともに、そのねじSに第1挟持部材24の反第2挟持部材側からナットNが螺着される。これにより、第1及び第2挟持部材24,31がガーニッシュGの内側に締結固定され、これにより、カメラ用ノズル20が車体Pの後部に設けられたガーニッシュGと車体Pとの間の空間に配置されるようになっている。また、カメラ10は、そのベース部11を含む根本部分がガーニッシュGにて覆われるとともに、撮像面13を含む先端部分がガーニッシュGの開口部Gaから突出するように構成されている。このように、ガーニッシュGによってカメラ用ノズル20が覆い隠されることで、カメラ用ノズル20が視認されにくくなっている。
【0026】
このような固定側部材21に対し、可動ノズル部材22は、前記摺動部41と、摺動部41に組み付けられたパイプ状のノズル部42とを有している。摺動部41は、前述のように、第1及び第2挟持部材24,31の各保持凹部26,34にて摺動可能に挟持されている。この摺動部41には、該摺動部41を貫通する連通路41aが形成されており、該連通路41aには、ノズル部42の基端部が挿入固定されている。
【0027】
ノズル部42は、第2挟持部材31の開口部33a及びガーニッシュGの切り欠き部Gbを介してガーニッシュGの外部に延出されるとともに、そのノズル部42の先端部は、カメラ10の撮像面13に向けて略直角に屈曲形成されている。そして、この撮像面13を向くノズル部42の先端部は、洗浄液Wを噴射する噴射口42aとなっている。
【0028】
このようなカメラ用ノズル20において、固定側部材21の接続筒部23には、前記リヤノズル6に向かうホース7bの途中でTジョイントなどにより分岐して接続されたホース7cの一端(図1参照)が差し込まれて洗浄液Wが導入されるようになっている。尚、ホース7cは、車体Pにおいてカメラ固定部Paの上側に形成されたホース挿通孔Pbを介してガーニッシュGと車体Pとの間の空間に導入され、接続筒部23と接続されている。
【0029】
次に、上記実施形態の作用について説明する。
ポンプ装置4の作動により、洗浄液Wがホース7cを介して接続筒部23の導入口23aに導入されると、その洗浄液Wは、接続筒部23の流通路23b及び摺動部41の連通路41aを通ってノズル部42内に導入される。そして、ノズル部42の噴射口42aからカメラ10の撮像面13に向かって噴射され、その洗浄液Wによって撮像面13の雨滴や泥等の異物が洗い流されるようになっている。
【0030】
ここで、可動ノズル部材22は、摺動部41とノズル部42とが一体に動作可能に固定側部材21に組み付けられているため、噴射口42aの向き(洗浄液Wの噴射方向)が調整可能となっている。この可動ノズル部材22の調整可能範囲は、開口部33a内でのノズル部42の可動範囲であり、その調整可能範囲内において摺動部41の連通路41aは常に接続筒部23の流通路23bと連通するようになっている。
【0031】
このような構成によれば、図4に示すように、図2のカメラ10とは形状、サイズ又は組み付け角度等が異なるカメラ10aにカメラ用ノズル20を適用する場合に、可動ノズル部材22を動かして噴射口42aの向きをカメラ10aの撮像面13に向かせるように調整することが可能となっている。尚、図4では、図2に示す構成に対して、摺動部41を軸として可動ノズル部材22を反カメラ方向に回動調整した構成を一例として示している。このような構成によれば、形状、サイズ又は取付角度等によって撮像面13の位置や向きが異なる種々の車載カメラに対して、同一のカメラ用ノズル20を適用可能となり、汎用性を向上させることが可能となっている。
【0032】
尚、可動ノズル部材22の摺動部41は、ねじSとナットNの締結力にて第1及び第2挟持部材24,31に挟持されており、車体P側からの振動や洗浄液Wの噴射の勢い等によって容易に位置ずれが生じないように設定されている。
【0033】
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)カメラ用ノズル20は、洗浄液Wが導入される導入口23aと、該導入口23aから導入された洗浄液Wを案内する流通路23bとを有する固定側部材21を備える。また、カメラ用ノズル20は、流通路23bと連通された連通路41aを有し、その連通状態を保持したまま固定側部材21に対して摺動可能に設けられた摺動部41と、摺動部41と一体に動作可能であり、連通路41aを介して送給された洗浄液Wを噴射する噴射口42aを有するノズル部42とを有する可動ノズル部材22とを備える。即ち、可動ノズル部材22は、摺動部41とノズル部42とが一体に動作可能に構成され、その摺動部41は固定側部材21に対して摺動可能に組み付けられるため、洗浄液Wを噴射するノズル部42の噴射口42aの向きが車載カメラ10の撮像面13を向くように調整することが可能となる。これにより、形状やサイズ等によって撮像面13の位置が異なる種々の車載カメラ10に対して、可動ノズル部材22の位置調整を行って洗浄液Wの噴射方向を変更することで、同一のカメラ用ノズル20を適用可能となり、汎用性を向上させることが可能となる。
【0034】
(2)ノズル部42は、摺動部41から撮像面13に向けて延出され先端部に噴射口42aを有するパイプ状に形成される。このため、可動ノズル部材22の噴射口42aの向きを変えるとき、パイプ状のノズル部42を摘んで動かすことが可能となり、その結果、洗浄液Wの噴射方向を容易に変更することができる。
【0035】
(3)ノズル部42は、摺動部41とは別部材で構成されるため、例えば、車載カメラ10の形状やサイズ等によって洗浄液Wを撮像面13に好適に噴射できない場合に、ノズル部42だけを変更し、固定側部材21や摺動部41は共用して利用することが可能となり、その結果、設計変更の手間を省くことができる。
【0036】
(4)固定側部材21は、その少なくとも一部が車体Pに設けられたガーニッシュGと車体Pとの間に形成される空間に配置される。これにより、カメラ用ノズル20の少なくとも一部がガーニッシュGにて覆われる構成となるため、機能的で意匠性に乏しくなりがちなカメラ用ノズル20が視認されにくくなり、車体Pの外観意匠が損なわれることを抑制することができる。
【0037】
(5)固定側部材21がガーニッシュGに固定されるため、車体P側に固定する構成と比べて固定側部材21を容易に組み付けることができる。
(6)摺動部41は球状をなし、固定側部材21に設けられた球状凹部(各保持凹部26,34)に摺動可能に嵌め合わされるため、固定側部材21に対する摺動部41の摺動方向(即ち、可動ノズル部材22の調整方向)が1つの方向に縛られず、向き調整の自由度が向上されるため、より多種の車載カメラ10に対応した可動ノズル部材22の噴射方向の調整が可能となる。
【0038】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・ガーニッシュGに対するカメラ用ノズル20の固定構造を、例えば図5に示すように変更してもよい。図5に示す構成では、固定側部材51は、ガーニッシュGに固定された固定部52と、固定部52の内側に形成された球状凹部53と、固定部52からガーニッシュG内側に延出され、内部の流通路23bが球状凹部53と連通する接続筒部23とを有している。固定部52には、ガーニッシュGの端部が嵌め込まれるスリット部52aが形成されており、そのスリット部52aに嵌め込まれたガーニッシュGと固定部52とは、ガーニッシュGの内側から締結されたねじ54にて固定されている。一方、可動ノズル部材22は、上記実施形態と同様の構成であり、その摺動部41は、固定側部材51の球状凹部53に摺動可能に組み付けられており、これにより、可動ノズル部材22の位置調整が可能となっている。
【0039】
このような構成では、上記実施形態と略同様の作用及び効果を得ることができる。更に同構成では、ねじ54がガーニッシュGの内部に配置されるため、ねじ54が視認されないように構成でき、更には、ガーニッシュGにねじ54の挿通のための挿通孔をもうけなくてもよく、その結果、カメラ用ノズル20付近の外観意匠性を向上させることが可能となる。
【0040】
・上記実施形態では、第1挟持部材24と第2挟持部材31とが別部材で構成されたが、これに特に限定されるものではなく、同一部材で一体形成してもよい。
・上記実施形態では、カメラ用ノズル20の固定側部材21がガーニッシュGに固定されたが、これ以外に例えば、車体P(ボディパネル)に固定してもよい。
【0041】
・上記実施形態の可動ノズル部材22では、摺動部41とノズル部42とが別部材で構成されているが、これに特に限定されるものではなく、摺動部41とノズル部42とを同一部材により一体形成してもよい。
【0042】
・固定側部材51に対する可動ノズル部材22の動作態様は上記実施形態のものに限定されるものではなく、例えば、固定側部材に対して可動ノズル部材を接続筒部23の長手方向にスライド可能として伸縮調整可能な構成としてもよい。
【0043】
・上記実施形態の撮像面13は、レンズで構成されていてもよいし、レンズで構成されていなくてもよい。
・上記実施形態では、カメラ10は、撮像面13が後方下部を撮像するように傾斜配置されたが、これに特に限定されるものではなく、例えば、撮像面13が上方を向くように構成してもよい。
【0044】
・上記実施形態のカメラ用ノズル20において、ポンプ装置4の停止状態で噴射口42aからの洗浄液Wの漏れを防止するためのチェックバルブを設けてもよい。
・上記実施形態では、リヤノズル6側に向かうホース7bから単にホース7cを分岐させてカメラ用ノズル20に接続し、リヤノズル6での洗浄液Wの噴射と同時にカメラ用ノズル20での洗浄液Wの噴射が実施される構成としたが、これに特に限定されるものではない。例えば、リヤノズル6とカメラ用ノズル20とでポンプ装置4を個々に設けたり、リヤノズル6とカメラ用ノズル20との流路を切り替える切替バルブ等を用いて、それぞれ独立して作動するようにしてもよい。
【0045】
・上記実施形態では、後方視認用のカメラ10を洗浄するカメラ用ノズル20に適用したが、側方視認用のサイドビューカメラや前方視認用のフロントビューカメラ等、その他の車載カメラを洗浄するカメラ用ノズルに適用してもよい。
【符号の説明】
【0046】
10…車載カメラ、13…撮像面、20…車載カメラ用ウォッシャノズル、21,51…固定側部材、22…可動ノズル部材、23a…導入口、23b…流通路、26,34…球状凹部を構成する保持凹部、41…摺動部、41a…連通路、42…ノズル部、42a…噴射口、53…球状凹部、G…ガーニッシュ、P…車体、W…洗浄液。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導入口から導入された洗浄液を、車体に取り付けられる車載カメラの撮像面に噴射する車載カメラ用ウォッシャノズルであって、
前記導入口と、該導入口から導入された洗浄液を案内する流通路とを有する固定側部材と、
前記流通路と連通する連通路を有し、その連通状態を保持したまま前記固定側部材に対して摺動可能に設けられた摺動部と、前記摺動部と一体に動作可能であり、前記連通路を介して送給された洗浄液を噴射する噴射口を有するノズル部とを有する可動ノズル部材と
を備えていることを特徴とする車載カメラ用ウォッシャノズル。
【請求項2】
請求項1に記載の車載カメラ用ウォッシャノズルにおいて、
前記ノズル部は、前記摺動部から前記撮像面に向けて延出され先端部に前記噴射口を有するパイプ状に形成されていることを特徴とする車載カメラ用ウォッシャノズル。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車載カメラ用ウォッシャノズルにおいて、
前記ノズル部は、前記摺動部とは別部材で構成されていることを特徴とする車載カメラ用ウォッシャノズル。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載カメラ用ウォッシャノズルにおいて、
前記固定側部材は、その少なくとも一部が前記車体に設けられたガーニッシュと前記車体との間に形成される空間に配置されていることを特徴とする車載カメラ用ウォッシャノズル。
【請求項5】
請求項4に記載の車載カメラ用ウォッシャノズルにおいて、
前記固定側部材は、前記ガーニッシュに固定されていることを特徴とする車載カメラ用ウォッシャノズル。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の車載カメラ用ウォッシャノズルにおいて、
前記摺動部は球状をなし、前記固定側部材に設けられた球状凹部に摺動可能に嵌め合わされていることを特徴とする車載カメラ用ウォッシャノズル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−18404(P2013−18404A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154139(P2011−154139)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】