説明

車載システムおよび携帯端末装置

【課題】ドライバーにとって適切な情報を適切なタイミングで、運転に支障をきたすことなく安全に提供することを課題とする。
【解決手段】携帯端末10は、当該車載システム1が搭載される車両が位置する位置情報に基づいて、センターからサービス情報を受信すると、車載装置20から受信した車両情報に基づいて、受信されたサービス情報から車載装置20に表示させるサービス情報を特定するとともに、特定したサービス情報を車載装置20に表示させるタイミングを決定し、決定されたタイミングで、特定されたサービス情報と当該サービス情報を表示させる表示指示とを車載装置20に出力する。車載装置20は、携帯端末10から受信した表示指示に従って、携帯端末10から受信したサービス情報を表示部23に表示出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯端末装置と車載装置とが無線通信で接続される車載システムおよび携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System)を利用したカーナビゲーションシステムの普及に伴い、車両には、ナビゲーション機能を有する車載装置が搭載される場合が多くなってきた。また、車載装置の多機能化を求めるユーザニーズに応えるために、車載装置の多機能化も顕著となってきている。
【0003】
たとえば、車載装置には、ナビゲーション機能に加えて、テレビ受信機能、CD(Compact Disc)再生機能、DVD(Digital Versatile Disk)再生機能など、ドライバー(ユーザ)のスキルに関係なく簡単な操作で利用できる機能が多く盛り込まれている。
【0004】
このような利用傾向の高い機能が多く盛り込まれる一方で、ナビゲーション機能にさらに機能を付加させた新たなナビゲーションも多く提案されている。例えば、自車が危険地域(事故多発地域、視界が悪い地域など)に近付いていることをディスプレイに表示する機能や従来の地図情報に加えて広告宣伝情報を表示する機能が提案されている。また、このような車載装置の多機能化は、車載装置の高価格化を招くため、ユーザにとって好ましいものではない。
【0005】
一方で、携帯電話などの携帯端末装置は、低価格でありながら、ナビゲーション機能や音楽再生機能を有するものも普及してきている。また、ブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信機能を搭載する携帯端末装置も普及してきたことから、かかる近距離無線通信機能で携帯端末装置と車載装置とを連携させる取り組みもなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−91273号公報
【特許文献2】特開2002−181564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した従来の技術は、ドライバーにとって適切な情報を適切なタイミングで、運転に支障をきたすことなく安全に提供することができないという課題があった。
【0008】
具体的には、上記した自車が危険地域に近付いていることを表示するナビゲーションは、自車の位置情報をセンターに送信し、センターから危険状態付近を走行しているか否かの情報を受信し、それをディスプレイに表示している。この場合、ナビゲーションは、センターから受信した情報をそのままディスプレイに表示しているだけなので、初めて走行する不慣れな道路ではドライバーにとって有用な情報となるが、頻繁に走行する慣れた道路ではドライバーにとって煩わしい情報となる。
【0009】
また、広告宣伝情報を表示するナビゲーションについても同様に、走行状況に応じてセンターから受信したり、DVDなどの地図情報から読み出したりしているだけである。したがって、初めて走行する道路ではドライバーにとって有用な情報となるが、自宅周辺や過去に頻繁に訪れている目的地周辺など頻繁に走行する道路ではドライバーにとって煩わしい情報でしかない。また、広告宣伝情報を表示するナビゲーションは、広告宣伝できる情報が大手企業・大手飲食店・官公庁管轄の施設などに限られてしまい、目的地周辺の細かな情報を表示することが難しい。
【0010】
他の手法としては、センターと通信して定期的に情報を更新する携帯端末装置などもある。ところが、ドライバーは、運転中に情報が更新された場合、携帯電話装置のディスプレイを見て情報を確認する必要がある。つまり、携帯電話装置は、情報が更新されると、バイブレーションや着信音で更新されたことをドライバーに通知するが、ドライバーは、停車中などでない限り、携帯電話装置を操作することが非常に危険であるので、更新されて直ぐに情報を確認できない場合が多い。したがって、ドライバーは、必要な情報が提供されたとしても、提供されたそのタイミングで情報を閲覧することができない可能性が高く、適切な情報が適切なタイミングで安全に提供されているとは言い難い。
【0011】
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、ドライバーにとって適切な情報を適切なタイミングで、運転に支障をきたすことなく安全に提供することが可能である車載システムおよび携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、携帯端末装置と車載装置とが無線通信で接続される車載システムであって、前記携帯端末装置は、当該車載システムが搭載される車両が位置する位置情報に基づいて、センターからサービス情報を受信するサービス情報受信手段と、前記車載装置から受信した車両情報に基づいて、前記サービス情報受信手段により受信されたサービス情報から前記車載装置に表示させるサービス情報を特定するとともに、特定したサービス情報を前記車載装置に表示させるタイミングを決定する表示制御手段と、前記表示制御手段により決定されたタイミングで、前記特定したサービス情報と当該サービス情報を表示させる表示指示とを前記車載装置に出力する表示指示手段と、前記車載装置は、前記携帯端末装置から受信した表示指示に従って、前記携帯端末装置から受信したサービス情報を所定の表示部に表示出力する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ドライバーにとって適切な情報を適切なタイミングで、運転に支障をきたすことなく安全に提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、実施例1に係る車載システムの全体構成を説明するための図である。
【図2】図2は、実施例1に係る車載システムの構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、実施例1に係る携帯端末における処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】図4は、実施例1に係る車載装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図5は、紫外線情報を提供する車載システムにおけるシーケンス図である。
【図6−1】図6−1は、乗車時における車載装置の画面遷移例を示す図である。
【図6−2】図6−2は、同一地域での情報更新時における車載装置の画面遷移例を示す図である。
【図6−3】図6−3は、駐車時における車載装置の画面遷移例を示す図である。
【図6−4】図6−4は、停車時やエンジンOFF時における車載装置の画面遷移例を示す図である。
【図7】図7は、ゴミ出しお知らせ情報を提供する車載システムにおけるシーケンス図である。
【図8−1】図8−1は、ゴミ収集日当日における車載装置の画面遷移例を示す図である。
【図8−2】図8−2は、運転終了時がゴミ収集日前日であるときの車載装置の画面遷移例を示す図である。
【図8−3】図8−3は、ナビ情報への割り込み画面遷移例を示す図である。
【図9】図9は、運勢情報を提供する車載システムにおけるシーケンス図である。
【図10−1】図10−1は、乗車時における車載装置の画面遷移例(その1)を示す図である。
【図10−2】図10−2は、乗車時における車載装置の画面遷移例(その2)を示す図である。
【図10−3】図10−3は、ユーザ操作による画面遷移例を示す図である。
【図10−4】図10−4は、ユーザ選択による運勢情報表示例を示す図である。
【図11】図11は、サービス情報として防犯ネット情報を提供する場合の例を示す図である。
【図12】図12は、サービス情報として携帯画面表示を提供する場合の例を示す図である。
【図13】図13は、サービス情報としてクーポン情報を提供する場合の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る車載システムおよび携帯端末装置の実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本実施例に係る車載システムの全体構成、車載システムの構成および処理の流れを順に説明し、最後に本実施例に対する種々の変形例を説明する。
【実施例1】
【0016】
[車載システムの全体構成]
まず最初に、図1を用いて、本願が開示する車載システムの全体構成について説明する。図1は、実施例1に係る車載システムの全体構成を説明するための図である。
【0017】
図1に示すように、実施例1に係る車載システムは、自動車に搭載される「Display Audio」(以下、DAという)と呼ばれる車載装置と運転者が携帯する携帯端末とが無線通信で接続されて構成される。
【0018】
ここで、DAとは、表示機能やオーディオ再生機能、携帯端末との通信機能といった基礎的な機能のみを実装し、携帯端末と連携することで多機能化する車載装置のことを指す。したがって、本実施例で用いる車載装置は、近年、車両に搭載される高精度な車載装置などに比べて安価な装置であり、普及が期待できる装置である。なお、本願が開示する車載装置は、必ずしもDAである必要はなく、ナビゲーション機能などを備えた高精度な車載装置であってもよい。
【0019】
また、携帯端末とは、Bluetooth(登録商標)や赤外線通信などの近距離無線通信機能を有するとともに、メール機能、インターネット接続機能(Web接続機能)、音楽プレーヤー機能、動画像再生機能など様々な機能を有する高精度な装置であり、例えば、パーソナルコンピュータやPDA、あるいは携帯電話やPHSの如き移動体通信端末である。
【0020】
このような車載システムは、上記したように、運転者などの乗員が携帯する携帯端末装置と車載装置とが無線通信で接続されて構成され、特に、ドライバーにとって適切な情報を適切なタイミングで、運転に支障をきたすことなく安全に提供することができる。
【0021】
具体的には、携帯端末を携帯する運転者が運転席に乗車すると、携帯端末は、所定の範囲に存在する車載装置を検出し、ペアリング処理などを実行してBluetooth(登録商標)などの無線通信を確立する(図1の(1)参照)。
【0022】
車載システムの携帯端末は、車載システムが搭載される車両が位置する位置情報に基づいて、センターからサービス情報を受信する(図1の(2)参照)。このときに用いられる位置情報は、携帯端末がGPS(Global Positioning System)などから取得してもよいし、車載装置から取得するようにしてもよい。
【0023】
センターからサービス情報を受信した携帯端末は、車載装置から受信した車両情報に基づいて、受信されたサービス情報から車載装置に表示させるサービス情報を特定するとともに、特定したサービス情報を車載装置に表示させるタイミングを決定する(図1の(3)と(4)参照)。
【0024】
例えば、携帯端末は、センターからサービス情報として、サービスA、サービスB、サービスCを受信した場合、車載装置から受信した車載情報(例えば、走行中、停車中、駐車前、車両の位置、目的地など)に基づいて、サービスAについては「即時通知が必要」、サービスBについては「停車してから通知」、サービスCについて「駐車前に通知」などと決定する。
【0025】
その後、携帯端末は、決定されたタイミングで、特定されたサービス情報とサービス情報を表示させる表示指示とを車載装置に出力し(図1の(5)参照)、車載装置は、携帯端末から受信した表示指示に従って、携帯端末から受信したサービス情報をディスプレイなどに表示出力する(図1の(6)参照)。
【0026】
このように、実施例1に係る車載システムは、センターから提供されるサービス情報の内容と車両の走行状態とを判定し、サービス情報ごとにどのタイミングで車載装置に送信することがドライバーにとって有益であり、ドライバーが安全に閲覧することができるかを判断することができる。その結果、実施例1に係る車載システムは、ドライバーにとって適切な情報を適切なタイミングで、運転に支障をきたすことなく安全に提供することが可能である。
【0027】
[車載システムの構成]
次に、図2を用いて、図1に示した車載システムの構成を説明する。図2は、実施例1に係る車載システムの構成を示すブロック図である。図2に示すように、この車載システム1は、携帯端末10と車載装置20とを有して構成される。
【0028】
(携帯端末10の構成)
図2に示すように、車載システム1における携帯端末10は、近距離通信部11と、通信制御I/F部12と、GPS)13と、加速度センサ14と、記憶部15と、制御部17とを有し構成され、さらに、これ以外にも表示部や入力部など様々な機能を有していてもよい。
【0029】
近距離通信部11は、制御部17に接続され、携帯端末10から所定の距離内に存在する装置との間でやり取りする各種情報に関する近距離無線通信を制御する。具体的には、近距離通信部11は、センター30から受信したサービス情報を車載装置20に送信したり、携帯端末10の位置情報や加速度情報を車載装置20に送信したりする。また、近距離通信部11は、車両の車両情報を車載装置20から受信したり、車載装置20のタッチパネルによってサービスが選択されたサービス選択情報などを車載装置20から受信したりする。
【0030】
通信制御I/F部12は、センター30との間でやり取りする各種情報に関する通信を制御し、例えば、車載装置20に提供するサービス情報をセンター30から受信する。GPS13は、記憶部15、制御部17や加速度センサ14に接続され、GPS衛星と通信するGPS送受信機能を有し、携帯端末10の位置情報を取得する。加速度センサ14は、記憶部15や、制御部17やGPS13に接続され、携帯端末10が移動する速度から加速度を算出する。
【0031】
記憶部15は、制御部17による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納するとともに、特に、サービスDB15aを有する。サービスDB15aは、後述するサービス情報受信部17bによって、センター30から取得されたサービス情報を記憶する。
【0032】
制御部17は、OS(Operating System)などの制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有するとともに、無線確立部17aと、サービス情報受信部17bと、車両情報受信部17cと、表示制御部17dと、表示指示部17eとを有する。
【0033】
無線確立部17aは、近距離通信部11や制御部17の各機能部などに接続され、車載装置20との間で無線通信を確立する。具体的には、無線確立部17aは、所定の範囲に存在する車載装置20を検出すると、近距離通信部11を介して、Bluetooth(登録商標)などの無線接続機能を起動してペアリング処理などの接続処理を実行し無線通信を確立する。また、無線確立部17aは、無線通信が確立された車載装置20が携帯端末10から所定の距離離れた場合には、確立した無線通信を切断する。なお、無線確立部17aは、無線通信を確立したり切断したりすると、その旨を制御部17の各機能部に通知する。
【0034】
この手法以外にも、無線確立部17aは、ユーザから無線接続指示を入力部などから受け付けると、Bluetooth(登録商標)などの無線接続機能を起動し、車載装置20に無線通信接続要求を送信する。その後、無線確立部17aは、車載装置20から接続許可応答を受信した場合に、車載装置20との間に無線通信を確立する。
【0035】
サービス情報受信部17bは、通信制御I/F部12、GPS13、加速度センサ14、記憶部15、制御部17の各機能部などに接続され、車載システム1が搭載される車両が位置する位置情報に基づいて、センター30からサービス情報を受信する。具体的には、サービス情報受信部17bは、車載装置20との間に無線通信が確立されたことを無線確立部17aから通知されると、GPS13から自装置の位置情報を取得し、取得した位置情報に対応するサービス情報の取得要求をセンター30に送信する。その後、サービス情報受信部17bは、センターから取得したサービス情報をサービスDB15aに格納し、サービス情報を受信したことを後述する車両情報受信部17cに通知する。
【0036】
車両情報受信部17cは、近距離通信部11や制御部17の各機能部に接続され、車載装置20から車両情報を受信する。具体的には、車両情報受信部17cは、サービス情報を受信したことがサービス情報受信部17bから通知されると、車載装置20に対して車両情報取得要求を送信する。そして、車両情報受信部17cは、車両情報として、車両の位置情報、目的地、速度情報、加速度情報、パーキングブレーキ状態などを取得して、後述する表示制御部17dに出力する。
【0037】
また、車両情報受信部17cは、サービス情報受信部17bから通知されたタイミング以外にも、所定の間隔(例えば、5分ごとや車両情報が更新されたタイミング)で車載装置20から車両情報を受信し、表示指示部17eに出力する。
【0038】
表示制御部17dは、記憶部15や制御部17の各機能部に接続され、車両情報受信部17cにより受信された車両情報に基づいて、サービス情報受信部17bにより受信されたサービス情報から車載装置20に表示させるサービス情報を特定するとともに、特定したサービス情報を車載装置20に表示させるタイミングを決定する。
【0039】
具体的には、表示制御部17dは、車両情報受信部17cから車両の車両情報を受信すると、センター30から受信したサービス情報をサービスDB15aから読み出す。そして、表示制御部17dは、受信した車両情報に基づいて、サービスAについては「即時通知が必要」、サービスBについては「停車してから通知」、サービスCについて「駐車前に通知」などと決定する。そして、表示制御部17dは、決定した内容を後述する表示指示部17eに出力する。
【0040】
例えば、表示制御部17dは、サービス情報が「紫外線情報(紫外線が多いなどの情報)」である場合には、車両が停止したときに表示するように決定したり、サービス情報が「ゴミ出し情報(ごみ収集のお知らせ情報)」である場合には、車両が自宅に駐車したときに表示するように決定したりする。また、表示制御部17dは、サービス情報が「運勢情報(星座占いや血液型占いなど)」である場合には、車両が走行を開始する前に(ACCがONされたときに)表示するように決定したり、サービス情報が「クーポン情報(飲食店やスーパーなどのクーポン情報)」である場合には、ナビ画面にあわせて表示するように決定したりする。
【0041】
表示指示部17eは、記憶部15や制御部の各機能部に接続され、表示制御部17dにより決定されたタイミングで、特定されたサービス情報とサービス情報を表示させる表示指示とを車載装置20に出力する。上記した例で説明すると、表示指示部17eは、「サービス情報、表示タイミング」が「紫外線情報、車両停止時」と決定された場合には、車両情報受信部17cから出力される車両情報に基づいて、車両が停止したと判定した場合(例えば、車速が0km/hでシフトレバーがNかPである場合)に、「紫外線情報」を表示する指示を車載装置20に送信する。
【0042】
また、例えば、表示指示部17eは、「ゴミ出し情報、自宅で駐車」と決定された場合には、車両情報受信部17cから出力される車両情報に基づいて、車両が自宅で駐車したと判定した場合(例えば、車速が0km/hでパーキングブレーキがONであり、位置情報が自宅である場合)に、「ゴミ出し情報」を表示する指示を車載装置20に送信する。また、表示指示部17eは、「運勢情報、走行開始前」と決定された場合には、車両情報受信部17cから出力される車両情報に基づいて、車両が走行を開始すると判定した場合(例えば、パーキングブレーキがOFFになったタイミングや、車速が0km/hである状態)に、「運勢情報」を表示する指示を車載装置20に送信する。また、表示指示部17eは、「クーポン情報、走行時」と決定された場合には、車両情報受信部17cから出力される車両情報に基づいて、ディスプレイの地図情報に表示される店舗にあわせて、「クーポン情報」を表示する指示を車載装置20に送信する。
【0043】
(車載装置20の構成)
図2に示すように、車載システム1における車載装置20は、各種センサ40や通信機器類50に接続され、近距離通信部21と、入力部22と、表示部23と、記憶部24と、制御部26とを有して構成され、さらに、これ以外にも様々な機能を有していてもよい。
【0044】
各種センサ30は、車速を検知する車速センサ、加速度を検知する加速度センサ、ブレーキの状態やパーキングブレーキの状態を検知するブレーキセンサ、シフトレバーの位置を検知するシフトレバーセンサなどから構成されるセンサ類である。また、通信機器類40は、地図情報を用いてナビゲーションを実行するナビゲーション装置、位置情報を取得するGPS送受信機、VICS(Vehicle Information and Communication System)送受信するVICS送受信機、画像を撮像する車外カメラ、車車間通信を行う車車間通信機、路者に設置された通信機を通信する路者間通信機などから構成される通信機器類である。
【0045】
近距離通信部21は、制御部26などに接続され、車載装置20から所定の距離内に存在する装置との間でやり取りする近距離無線通信を制御する。具体的には、近距離通信部21は、無線通信の接続要求、車両情報取得要求やサービス表示指示などを携帯端末10から受信したり、車両情報を携帯端末10に送信したりする。
【0046】
入力部22は、キーボードやマウス、マイクなどを備えて構成され、各種の情報の入力を受付ける。例えば、入力部22は、無線通信の確立指示や切断指示、サービス選択情報などを受け付けて入力する。なお、後述するモニタも、マウスと協働してポインティングディバイス機能を実現する。
【0047】
表示部23は、モニタ(若しくはディスプレイ、タッチパネル)やスピーカを備えて構成され各種の情報を出力し、例えば、無線通信確立完了画面、無線通信切断完了画面、提供されたサービスなどを表示出力する。記憶部24は、制御部27による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する。
【0048】
制御部26は、OS(Operating System)などの制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有するとともに、無線確立部26aと、車両情報送信部26bと、表示制御部26cと、センサ等連結部26dとを有する。
【0049】
無線確立部26aは、近距離通信部21や入力部22などに接続され、携帯端末10との間で無線通信を確立する。具体的には、無線確立部26aは、携帯端末10から無線接続要求を受信した場合に、Bluetooth(登録商標)などの無線接続機能を起動してペアリング処理などの接続処理を実行し無線通信を確立する。これ以外にも、無線確立部26aは、所定の範囲に携帯端末を検出した場合に、近距離通信部11を介して、Bluetooth(登録商標)などの無線接続機能を起動して無線通信を確立するようにしてもよい。また、無線確立部26aは、無線通信が確立された携帯端末10が車載装置20から所定の距離離れた場合や入力部22で切断指示が受付けられた場合には、確立した無線通信を切断する。なお、無線確立部26aは、無線通信を確立したり切断したりすると、その旨を制御部26の各機能部に通知する。
【0050】
車両情報送信部26bは、近距離通信部21、入力部22や制御部26の各機能部に接続され、車両情報を取得して携帯端末10に送信する。具体的には、車両情報送信部26bは、入力部21によって車両情報送信指示が受付けられた場合、携帯端末10から車両取得要求を受信した場合、携帯端末10に送信した車両情報が更新された場合、所定の契機(例えば、1時間ごと)に到達した場合などに、センサ等連結部26dを介して車両情報を取得して携帯端末10に送信する。
【0051】
表示制御部26cは、近距離通信部21、表示部23、記憶部24、制御部26の各機能部に接続され、携帯端末10から受信した表示指示に従って、携帯端末10から受信したサービス情報を表示部23に表示出力する。
【0052】
例えば、表示制御部26cは、携帯端末10からサービス情報を受信すると、すぐに、受信したサービス情報を表示部23に表示出力するようにしてもよい。また、表示制御部26cは、携帯端末10からサービス情報と表示契機を受信した場合、当該サービス情報を記憶部24に一時的に格納しておき、センサ等連結部26dから取得する車両情報に基づいて、指示された表示契機の発生を監視する。そして、表示制御部26cは、指示された表示契機が発生した場合に、サービス情報を記憶部24から読み出して表示部23に表示出力するようにしてもよい。
【0053】
センサ等連結部26eは、各種センサ類30、通信機器類40などから加速度、ブレーキの状態やパーキングブレーキの状態、シフトレバーの位置、地図情報、ナビゲーション情報、位置情報、VICS情報、周辺画像などを受信して、制御部26の各機能部に出力する。
【0054】
[車載システムによる処理]
次に、図3と図4を用いて、車載システムによる処理を説明する。図3は、実施例1に係る携帯端末における処理の流れを示すフローチャートであり、図4は、実施例1に係る車載装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【0055】
(携帯端末10における処理の流れ)
図2に示すように、携帯端末10のサービス情報受信部17bは、車載装置20との間に無線通信が確立されたことを無線確立部17aから通知されて、GPS13から自装置の位置情報を取得すると(ステップS101肯定)、取得した位置情報に対応するサービス情報の取得要求をセンター30に送信し、センターから取得したサービス情報をサービスDB15aに格納する(ステップS102)。このときの位置情報は、車載装置20から取得するようにしてもよい。
【0056】
そして、携帯端末10の車両情報受信部17cは、サービス情報を受信したことがサービス情報受信部17bから通知されると、車載装置20に対して車両情報取得要求を送信し、車両情報として、「車両の位置情報、目的地、速度情報、加速度情報、パーキングブレーキ状態」などを取得する(ステップS103)。
【0057】
その後、携帯端末10の表示制御部17dは、サービス情報受信部17bにより受信されたサービス情報から車載装置20に表示させるサービス情報を特定するとともに、特定したサービス情報を車載装置20に表示させるタイミングを決定する(ステップS104)。
【0058】
続いて、携帯端末10の表示指示部17eは、表示制御部17dにより決定されたタイミングで、特定されたサービス情報と当該サービス情報を表示させる表示指示とを車載装置20に出力する(ステップS105)。
【0059】
(車載装置20における処理の流れ)
図4に示すように、車載装置20の車両情報送信部26bは、ACC(エンジン)がONになったことを検出すると(ステップS201肯定)、GPSから位置情報を取得して携帯端末10に送信する(ステップS202)。これ以降、車両情報送信部26bは、入力部21によって車両情報送信指示が受付けられた場合、携帯端末10から車両取得要求を受信した場合、携帯端末10に送信した車両情報が更新された場合、所定の契機(例えば、1時間ごと)に到達した場合などに、センサ等連結部26dを介して車両情報を取得して携帯端末10に送信する。
【0060】
その後、車載装置20の表示制御部26cは、サービス情報やサービス情報表示指示を携帯端末10から受信すると(ステップS203肯定)、受信した表示指示に従って、受信したサービス情報を表示部23に表示出力する(ステップS204)。なお、位置情報に基づいてサービス情報を取得しているが、時間情報に基づいてサービス情報を取得するようにしてもよい。この場合、携帯端末又は車載装置で所定時間になったことを検知すると、上記した手法でサービス情報を取得する。これにより、ユーザにとって適切なタイミングでサービス情報を取得することができる。
【0061】
[実施例1による効果]
このように、実施例1によれば、センターから提供されるサービス情報の内容と車両の走行状態とを判定し、サービス情報ごとにどのタイミングで車載装置に送信するのが、ドライバーにとって有益であり、ドライバーが安全に閲覧することができるかを判断することができる。その結果、実施例1に係る車載システムは、ドライバーにとって適切な情報を適切なタイミングで、運転に支障をきたすことなく安全に提供することが可能である。
【実施例2】
【0062】
ところで、実施例1では、本願が開示する車載システムについて説明したが、実施例2以降では、具体的なサービス例を挙げて説明する。
【0063】
具体的なサービス例として、実施例2では、図5と図6を用いて、紫外線情報を車載装置20に表示させる例について説明する。まず、図5を用いて、紫外線情報を提供する車載システムにおけるシーケンスを説明し、次に、図6を用いて、車載装置の画面遷移例について説明する。
【0064】
[紫外線情報の表示処理シーケンス]
まず、図5を用いて、紫外線情報を提供する車載システムにおけるシーケンスを説明する。図5は、紫外線情報を提供する車載システムにおけるシーケンス図である。
【0065】
図5に示すように、携帯端末10の無線確立部17aは、所定の範囲に存在する車載装置20を検出すると(ステップS301肯定)、近距離通信部11を介し、Bluetooth(登録商標)などの無線接続機能を起動してペアリング処理などの接続処理を実行し、無線通信を確立する(ステップS302〜ステップS304)。
【0066】
そして、携帯端末10のサービス情報受信部17bは、GPS13から自装置の位置情報を取得し(ステップS305)、取得した位置情報における紫外線情報の取得要求をセンター30に送信し、センターから取得した紫外線情報をサービスDB15aに格納する(ステップS306〜ステップS308)。
【0067】
続いて、携帯端末10の車両情報受信部17cは、車載装置20に対して車両情報取得要求を送信し(ステップS309)、車両情報として「車両の位置情報、目的地、速度情報、加速度情報、パーキングブレーキ状態」などを取得する(ステップS310)。
【0068】
すると、携帯端末10の表示制御部17dは、サービス情報受信部17bにより受信された紫外線情報を車載装置20に表示させるサービス情報として特定するとともに、表示させるタイミングを決定する(ステップS311)。このとき、「紫外線情報」は、例えば、乗員が降車するときに知りたい情報であることから、表示制御部17dは、車両が停止したときが表示させるタイミングであると判定する。
【0069】
その後、携帯端末10の表示指示部17eは、表示制御部17dにより決定されたタイミングに到達すると(ステップS312肯定)、紫外線情報と表示指示とを車載装置20に出力する(ステップS313)。
【0070】
これら紫外線情報と表示指示を受付けた車載装置20の表示制御部26cは、受信した紫外線情報を表示部23に表示出力する(ステップS314)。
【0071】
その後、携帯端末10のサービス情報受信部17bは、GPS13から取得する自装置の位置情報が更新されると、つまり、車両が他の位置に移動すると(ステップS315肯定)、取得した位置情報における紫外線情報の取得要求をセンター30に送信し、センターから取得した紫外線情報をサービスDB15aに格納して、ステップS308以降の処理を実行する(ステップS316〜ステップS318)。
【0072】
一方、GPS13から取得する自装置の位置情報が更新されない場合、つまり、車両が他の位置に移動しなかった場合(ステップS315否定)、携帯端末10の表示制御部17dは、自装置の加速度センサ14や車載装置20から受信する車両情報に基づいて、車両が駐車したか否かを判定する(ステップS319)。
【0073】
そして、携帯端末10の表示指示部17eは、表示制御部17dによって車両が駐車したと判定された場合(ステップS319肯定)、現地点での紫外線情報(位置情報が更新されていないため、ステップS313と同じ情報)の表示指示を車載装置20に出力する(ステップS320)。そうして、これら紫外線情報と表示指示を受付けた車載装置20の表示制御部26cは、紫外線情報を表示部23に表示出力する(ステップS321)。
【0074】
一方、表示制御部17dによって車両が駐車していない、つまり、走行中と判定された場合(ステップS319否定)、携帯端末10は、ステップS315に戻って、以降の処理を実行する。
【0075】
[紫外線情報時の画面遷移]
次に、図6−1〜図6〜4を用いて、紫外線情報を提供する車載装置の画面遷移を説明する。図6−1は、乗車時における車載装置の画面遷移例を示す図であり、図6−2は、同一地域での情報更新時における車載装置の画面遷移例を示す図であり、図6−3は、駐車時における車載装置の画面遷移例を示す図であり、図6−4は、停車時やエンジンOFF時における車載装置の画面遷移例を示す図である。
【0076】
(乗車時)
まず、車載装置20は、携帯端末10と無線通信が確立されて、ACCがONされるとディスプレイ起動画面(図6−1の(1)参照)を表示部23に表示し、その後、携帯端末10から受信した紫外線情報を表示する(図6−1の(2)参照)。そして、車載装置20は、紫外線情報を一度表示してから所定時間経過したり、他の操作がユーザにより実行されたりした場合に、初期画面(図6−1の(3)参照)を表示部23に表示する。
【0077】
(同一地域での情報更新時)
また、車載装置20は、図6−1に示した時点での車両の位置情報が更新されていないも関わらず、紫外線情報が更新された場合、携帯端末10から新たに受信した紫外線情報(図6−2の(2)参照)を表示部23に表示する。その後、車載装置20は、所定時間経過したり、他の操作がユーザにより実行されたりした場合に、初期画面(図6−2の(3)参照)を表示部23に表示する。
【0078】
このように、車載装置20は、紫外線情報を受動的に受信して表示する一方で、目的地に到着した場合などのユーザ更新操作を受付けると、サービス選択画面(図6−2の(4)参照)を表示し、選択画面(図6−2の(5)参照)上で「紫外線」が選択されると、携帯端末10から新たに紫外線情報(図6−2の(6)参照)を受信して表示部23に表示することもできる。
【0079】
(駐車時)
また、車載装置20は、車両が駐車する場合、通常の画面(図6−3の(1)参照)に現地点で携帯端末10から受信済みである紫外線情報(図6−3の(2)参照)を割り込ませて表示部23に表示する。その後、車載装置20は、所定時間経過したり、他の操作がユーザにより実行されたりした場合に、通常の画面(図6−3の(3)参照)を表示部23に表示する。
【0080】
(停車時、運転終了時)
また、車載装置20は、車両が停車する場合(ACCがOFFになった場合)、通常の画面(図6−4の(1)参照)から何も表示することなく画面の電源をOFFにしたり(図6−4の(2)参照)、現地点で携帯端末10から受信済みである紫外線情報(図6−4の(3)参照)を割り込ませて表示部23に表示してから画面の電源をOFFにしたりすることができる。
【0081】
[実施例2による効果]
このように、実施例2によれば、特に女性が気になる紫外線情報についても、運転中にわざわざ携帯端末で調べる必要もなく、状況にあわせて必要なときに情報表示することができる。また、乗車時の紫外線防止用品の忘れもの防止や紫外線指数にあわせた紫外線対策を行うことができる。
【実施例3】
【0082】
[ゴミ出しお知らせ情報]
次に、実施例3では、図7と図8を用いて、ゴミ出しお知らせ情報を車載装置20に表示させる例について説明する。ここでは、図7を用いて、ゴミ出しお知らせ情報を提供する車載システムにおけるシーケンスを説明し、図8を用いて、車載装置の画面遷移例について説明する。
【0083】
[ゴミ出しお知らせ情報の表示処理シーケンス]
まず、図7を用いて、ゴミ出しお知らせ情報を提供する車載システムにおけるシーケンスを説明する。図7は、ゴミ出しお知らせ情報を提供する車載システムにおけるシーケンス図である。なお、センター30は、各市町村からごみ収集日を予め取得しておき、運転者の自宅情報に対応するゴミ収集日をゴミ出しお知らせ情報として、車載システムに提供する。
【0084】
図7に示すように、携帯端末10の無線確立部17aは、所定の範囲に存在する車載装置20を検出すると(ステップS401肯定)、近距離通信部11を介して、Bluetooth(登録商標)などの無線接続機能を起動してペアリング処理などの接続処理を実行し、無線通信を確立する(ステップS402〜ステップS404)。
【0085】
そして、携帯端末10のサービス情報受信部17bは、GPS13から自装置の位置情報を取得し(ステップS405)、取得した位置情報に対応するゴミ出しお知らせ情報の取得要求をセンター30に送信し、センターから取得したゴミ出しお知らせ情報をサービスDB15aに格納する(ステップS406〜ステップS408)。
【0086】
続いて、携帯端末10の車両情報受信部17cは、車載装置20に対して車両情報取得要求を送信し(ステップS409)、車両情報として、「車両の位置情報、目的地、速度情報、加速度情報、パーキングブレーキ状態」などを取得する(ステップS410)。
【0087】
すると、携帯端末10の表示制御部17dは、サービス情報受信部17bにより受信されたゴミ出しお知らせ情報を車載装置20に表示させるサービス情報として特定するとともに、表示させるタイミングを決定する(ステップS411)。このとき、「ゴミ出しお知らせ情報」は、乗員が乗車するとき、または、降車するときに知りたい情報であることから、表示制御部17dは、車両が走行開始(走行開始直前やエンジンON時など)または停止したときが表示させるタイミングであると判定する。
【0088】
その後、携帯端末10の表示指示部17eは、表示制御部17dにより決定されたタイミングに到達すると(ステップS412肯定)、ゴミ出しお知らせ情報と表示指示とを車載装置20に出力する(ステップS413)。
【0089】
これらゴミ出しお知らせ情報と表示指示を受付けた車載装置20の表示制御部26cは、受信したゴミ出しお知らせ情報を表示部23に表示出力する(ステップS414)。
【0090】
その後、携帯端末10の表示制御部17dは、自装置の加速度センサ14や車載装置20から受信する車両情報に基づいて、車両が駐車したか否かを判定する(ステップ415)。携帯端末10の表示制御部17dは、車両が駐車した場合(ステップS415肯定)、さらに、自装置のGPS13や車載装置20から受信する車両情報に基づいて、停車位置が自宅周辺であるか否かを判定する(ステップS416)。
【0091】
そして、携帯端末10の表示指示部17eは、表示制御部17dによって車両が自宅周辺に駐車したと判定された場合(ステップS416肯定)、現地点でのゴミ出しお知らせ情報(位置情報が更新されていないため、ステップS413と同じ情報)と表示指示とを車載装置20に出力する(ステップS417とステップS418)。そうして、これらゴミ出しお知らせ情報と表示指示を受付けた車載装置20の表示制御部26cは、ゴミ出しお知らせ情報を表示部23に表示出力する(ステップS419)。一方、携帯端末10の表示指示部17eは、表示制御部17dによって車両が自宅周辺に駐車したと判定されなかった場合(ステップS416否定)、処理を終了する(ステップS420)。
【0092】
[ゴミ出しお知らせ情報時の画面遷移]
次に、図8−1〜図8〜3を用いて、ゴミ出しお知らせ情報を提供する車載装置の画面遷移を説明する。図8−1は、ゴミ収集日当日における車載装置の画面遷移例を示す図であり、図8−2は、運転終了時がゴミ収集日前日であるときの車載装置の画面遷移例を示す図であり、図8−3は、ナビ情報への割り込み画面遷移例を示す図である。
【0093】
(ゴミ収集日当日)
車載装置20は、携帯端末10と無線通信が確立されて、ACCがONされるとディスプレイ起動画面(図8−1の(1)参照)を表示部23に表示する。その後、車載装置20は、携帯端末10から受信したゴミ出しお知らせ情報が今日(乗車時の曜日と同じ)である場合、「本日はゴミ収集日であることを知らせる内容」を表示する(図8−1の(2)参照)。そして、車載装置20は、ゴミ出しお知らせ情報を一度表示してから所定時間経過したり、他の操作がユーザにより実行されたりした場合に、初期画面(図8−1の(3)参照)を表示部23に表示する。また、ゴミ収集時間以前の場合のみ表示するようにしてもよい。この場合、ゴミ収集日当日であっても、収集時間経過後は表示が行われず、不要な通知を省略することができる。
【0094】
(運転終了時がゴミ収集日前日)
車載装置20は、ACCがOFF、パーキングブレーキがONされるなどして車両が自宅周辺に停車した場合、運転者が運転を終了すると判定する。そして、車載装置20は、携帯端末10から受信したゴミ出しお知らせ情報が明日(乗車時の翌日)である場合、通常の画面(図8−2の(1)参照)に「明日がゴミ収集日であることを知らせる内容」を表示する(図8−2の(2)参照)。
【0095】
(ナビ情報への割り込み画面遷移)
車載装置20は、上記したゴミ出しお知らせ情報を表示する場合、上記した画面に限られるものではなく、例えば、表示部23に表示させるナビ画面(図8−3の(1)参照)に対して割り込み表示(図8−3の(2)参照)させる。その後、車載装置20は、所定時間経過したり、他の操作がユーザにより実行されたりした場合に、元のナビ画面(図8−3の(3)参照)を表示部23に表示させるように制御することもできる。
【0096】
[実施例3による効果]
このように、実施例3によれば、乗車すると、発進前(走行開始直前やエンジンON時など)に自動的にゴミ出し情報がわかり、また、下車する際に翌日がゴミ出し収集日であることを乗員は自動的に知ることができる。これにより、帰宅後に忘れずに自宅のゴミを処理しておくことができる。
【実施例4】
【0097】
[運勢情報]
次に、実施例4では、図9と図10を用いて、運勢情報を車載装置20に表示させる例について説明する。ここでは、図9を用いて、運勢情報を提供する車載システムにおけるシーケンスを説明し、図10を用いて、車載装置の画面遷移例について説明する。
【0098】
[運勢情報の表示処理シーケンス]
まず、図9を用いて、運勢情報を提供する車載システムにおけるシーケンスを説明する。図9は、運勢情報を提供する車載システムにおけるシーケンス図である。
【0099】
図9に示すように、携帯端末10の無線確立部17aは、所定の範囲に存在する車載装置20を検出すると(ステップS501肯定)、近距離通信部11を介して、Bluetooth(登録商標)などの無線接続機能を起動してペアリング処理などの接続処理を実行し、無線通信を確立する(ステップS502〜ステップS504)。
【0100】
その後、車両装置20の車両情報送信部26bは、無線通信が確立されたことを契機に、自装置内に登録されているプロフィール情報(氏名、生年月日、性別、星座、血液型など)を携帯端末10に送信する(ステップS505)。ここで、車両装置20の車両情報送信部26bは、プロフィール情報を送信する契機としては、上記した以外にも、例えば、携帯端末10から受信した取得要求に対する応答であったり、ユーザ操作であったりしてもよい。また、プロフィール情報は、運転者のみの情報だけでなく、例えば、家族全員など複数情報であってもよい。
【0101】
そして、携帯端末10のサービス情報受信部17bは、車載装置20から受信したプロフィール情報に対応する運勢情報の取得要求をセンター30に送信して取得する(ステップS506とステップS507)。
【0102】
続いて、携帯端末10の表示制御部17dは、サービス情報を受信する前に車載装置20から情報を受信していることから、ステップS507で受信されたサービス情報(運勢情報)については即時通知と判断し、受信した運勢情報を車載装置20に送信する(ステップS508)。
【0103】
そして、運勢情報を受付けた車載装置20の表示制御部26cは、受信した運勢情報を表示部23に表示出力する(ステップS509)。
【0104】
その後、携帯端末10のサービス情報受信部17bは、日付が更新されると(ステップS510肯定)、上記ステップS506〜ステップS508と同じ処理であるステップS511〜ステップS513の処理を実行して、更新された運勢情報を車載装置20に送信し、運勢情報を受付けた車載装置20の表示制御部26cは、受信した運勢情報を表示部23に表示出力する(ステップS514)。
【0105】
一方、携帯端末10のサービス情報受信部17bは、日付が更新されない場合(ステップS510否定)、自装置のGPS13や車載装置20から受信する車両情報に基づいて、車両が駐車したか否か(運転を終了するか否か)を判定する(ステップS515)。
【0106】
そして、携帯端末10のサービス情報受信部17bは、車両が駐車した(運転が終了した)と判定した場合(ステップS515肯定)、処理を終了する(ステップS516)。一方、携帯端末10のサービス情報受信部17bは、車両が駐車していない(運転中である)と判定した場合(ステップS515否定)、ステップS510へ戻って、以降の処理を実行する。
【0107】
[運勢情報時の画面遷移]
次に、図10−1〜図10〜4を用いて、運勢情報を提供する車載装置の画面遷移を説明する。図10−1は、乗車時における車載装置の画面遷移例(その1)を示す図であり、図10−2は、乗車時における車載装置の画面遷移例(その2)を示す図であり、図10−3は、ユーザ操作による画面遷移例を示す図であり、図10−4は、ユーザ選択による運勢情報表示例を示す図である。
【0108】
(乗車時(その1))
まず、車載装置20は、携帯端末10と無線通信が確立されて、ACCがONされるとディスプレイ起動画面(図10−1の(1)参照)を表示部23に表示する。その後、車載装置20は、携帯端末10から受信した運勢情報の一部(見出しのみ)を表示する(図10−1の(2)参照)。そして、車載装置20は、運勢情報を一度表示してから所定時間経過したり、他の操作がユーザにより実行されたりした場合に、初期画面(図10−1の(3)参照)を表示部23に表示する。
【0109】
(乗車時(その2))
また、車載装置20は、携帯端末10と無線通信が確立されて、ACCがONされるとディスプレイ起動画面(図10−2の(1)参照)を表示部23に表示し、その後、携帯端末10から受信した運勢情報の詳細を表示する(図10−2の(2)参照)。そして、車載装置20は、運勢情報を一度表示してから所定時間経過したり、他の操作がユーザにより実行されたりした場合に、初期画面(図10−2の(3)参照)を表示部23に表示する。
【0110】
そして、車載装置20は、運勢情報の詳細画面において「詳細表示」ボタンがクリックされると(図10−2の(2)参照)、より詳細な運勢情報画面(図10−2の(3)参照)を表示部23に表示する。この後、車載装置20は、画面の「次へ」ボタンがクリックされるたびに、続きの画面(図10−2の(4)参照)を表示部23に表示する。
【0111】
(ユーザ操作による画面遷移例)
また、車載装置20は、携帯端末10と無線通信が確立されて、ACCがONされるとディスプレイ起動画面(図10−3の(1)参照)を表示部23に表示する。その後、車載装置20は、携帯端末10から受信した運勢情報の一部(見出しのみ)を表示する(図10−3の(2)参照)。そして、車載装置20は、運勢情報を一度表示してから所定時間経過したり、他の操作がユーザにより実行されたりした場合に、初期画面(図10−3の(3)参照)を表示部23に表示する。
【0112】
この後、車載装置20は、運勢情報の詳細画面において(詳細表示)ボタンがクリックされると(図10−2の(2)参照)、より詳細な運勢情報画面(図10−2の(4)参照)を表示部23に表示する。また、車載装置20は、運勢情報の詳細画面において「カラー反映ボタン」がクリックされると(図10−2の(2)参照)、運勢情報のラッキーカラーを画面(図10−2の(5)参照)に反映させて、以降の画面の配色をラッキーカラーで表示する。配色変換後に一定時間経過すると、車載装置20は、「カラーを戻すボタン」を含む運勢情報の詳細画面(図10−2の(6)参照)表示部23に表示して、以降は通常通りの表示制御を行う。
【0113】
(ユーザ選択による運勢情報表示例)
また、車載装置20は、携帯端末10と無線通信が確立されて、ACCがONされるとディスプレイ起動画面(図10−4の(1)参照)を表示部23に表示する。その後、車載装置20は、どのような方法による運勢情報を表示するか、または、どのような方法による運勢情報の取得を携帯端末10に要求するかを選択(クリック)させる画面を表示する(図10−4の(2)参照)。その後、車載装置20は、選択された方法による運勢情報を表示したり、選択された方法による運勢情報の取得を携帯端末10に要求し、選択された方法による運勢情報を携帯端末10から受信して表示部23に表示したりする。
【0114】
[実施例4による効果]
このように、実施例4によれば、乗員たちは車に乗ると、興味のある自分の今日の運勢を知らせてもらえるので、乗車する楽しみが増える。また、ラッキーカラーを車載装置の画面に反映させることができるので、気分良く運転することができる。
【実施例5】
【0115】
実施例2〜4では、紫外線情報、ゴミ出しお知らせ情報、運勢情報を車載装置に提供する場合について説明したが、これ以外にも様々な情報を提供することができる。
【0116】
(防犯ネット情報)
例えば、携帯端末は、図11に示すように、車で外出中に犯罪が発生した情報(防犯ネット情報)をセンターから取得し、犯罪が発生した地域に車両が近付いたときや車両が停車したときに、防犯ネット情報を車載装置に送信する。そうすることで、車載装置は、車両近辺の危険な情報を乗員に通知することができる。このようにすることで、ユーザは、自宅近隣にいる子供の安否を気遣うことができたり、降車後の地域周辺の危険を察知できたりすることができる。なお、車載装置は、走行中はONS表示し、停車時には詳細情報を表示することもでき、ドライバーがディスプレイを注視するのを防止することができる。
【0117】
(携帯画面表示)
また、例えば、携帯端末は、図12の(1)に示すように、自装置内に保存された画像を車載装置に送信・記録することができる。また、車載装置は、図12の(2)に示すように、乗車中、ユーザ操作によって携帯端末から取得した画像を閲覧表示することができる。また、車載装置と無線接続されている携帯端末が別の携帯端末に切り替わった場合、切り替わった携帯端末に保存されている画像を車載装置に送信・記録することができる。また、車載装置は、予め画像と画像の撮影場所とを関連付けて保存しておくことで、車両が撮影場所に接近した場合に、その画像を表示させることもできる。このようにすることで、同乗者の撮影した画像を車内で共有して見ることができる。
【0118】
(クーポン情報)
また、例えば、図13に示すように、携帯端末は、クーポン(安売り情報、割引チケット、クーポンなど)発行店からメールを受信する。そして、乗車時、携帯端末は、取得済みにクーポン情報を車載装置に表示させる。また、乗車中、携帯端末は、新規で受信したクーポン情報を即時で車載装置に表示させたり、ユーザ操作によって車載表示に表示させたりする。また、走行中、携帯端末は、クーポン情報を発行した店舗などに近付いたときに車載装置に表示させたり、クーポン有効時刻に発行店に近付いたときに表示させたりする。
【0119】
さらに、車載装置は、ユーザ操作により購入したい商品を受け付けて買出しリストを作成し、携帯端末に送信する。そして、携帯端末は、買出しリストに載っている商品を購入できる店に近付いた、かつ、当該店がクーポン発行店である場合に、クーポンを車載装置に表示させることもできる。このようにすることで、ユーザは、自車位置付近の安売り情報、割引チケット、クーポン情報を簡単に認識することができる。その結果、店舗に入る前に食事のメニューを考えることができたり、店舗に入る前にクーポンなどを入手することができたり、買い忘れを防止したりすることができる。
【実施例6】
【0120】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下に示すように、車載装置の表示方法、サービス情報取得契機、システム構成等、プログラムにそれぞれ区分けして異なる実施例を説明する。
【0121】
(車載装置の表示方法)
例えば、上記した実施例では、車載装置が携帯端末から受信したサービス情報をディスプレイ等に画像表示させる例について説明したが、これに限定されるものではなく、受信したサービス情報を音声読み上げすることもできる。
【0122】
(サービス情報取得契機)
例えば、携帯端末は、車両の位置情報が更新された場合、センターで最新の情報に更新された場合、車載装置と無線通信が確立された直後など様々な契機でセンターからサービス情報を取得することができる。
【0123】
(システム構成等)
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0124】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合(例えば、携帯端末10の表示制御部17dと表示指示部17eとを統合するなど)して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0125】
(プログラム)
なお、本実施例で説明したサービス情報の表示方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0126】
以上のように、本発明に係る車載システムおよび携帯端末装置は、携帯端末装置と車載装置とが無線通信で接続されるシステムに有用であり、特に、ドライバーにとって適切な情報を適切なタイミングで、運転に支障をきたすことなく安全に提供することに適する。
【符号の説明】
【0127】
1 車載システム
10 携帯端末
11 近距離通信部
12 通信制御I/F部
13 GPS
14 加速度センサ
15 記憶部
15a サービスDB
17 制御部
17a 無線確立部
17b サービス情報受信部
17c 車両情報受信部
17d 表示制御部
17e 表示指示部
20 車載装置
21 近距離通信部
22 入力部
23 表示部
24 記憶部
26 制御部
26a 無線確立部
26b 車両情報送信部
26c 表示制御部
26d センサ等連結部
30 センター
40 各種センサ類
50 通信機器類

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末装置と車載装置とが無線通信で接続される車載システムであって、
前記携帯端末装置は、
当該車載システムが搭載される車両が位置する位置情報に基づいて、センターからサービス情報を受信するサービス情報受信手段と、
前記車載装置から受信した車両情報に基づいて、前記サービス情報受信手段により受信されたサービス情報から前記車載装置に表示させるサービス情報を特定するとともに、特定したサービス情報を前記車載装置に表示させるタイミングを決定する表示制御手段と、
前記表示制御手段により決定されたタイミングで、前記特定したサービス情報と当該サービス情報を表示させる表示指示とを前記車載装置に出力する表示指示手段と、
前記車載装置は、
前記携帯端末装置から受信した表示指示に従って、前記携帯端末装置から受信したサービス情報を所定の表示部に表示出力する表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする車載システム。
【請求項2】
前記携帯端末装置のサービス情報受信手段は、前記表示指示手段により車載装置に送信されたサービス情報が前記センターで最新の情報に更新された場合に、前記センターからサービス情報を受信することを特徴とする請求項1に記載の車載システム。
【請求項3】
前記携帯端末装置のサービス情報受信手段は、前記車載装置と無線通信が確立されると、前記センターからサービス情報を受信することを特徴とする請求項1に記載の車載システム。
【請求項4】
前記車載装置の表示手段は、前記携帯端末装置から受信した表示指示に従って、前記携帯端末装置から受信したサービス情報を音声で車内に出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の車載システム。
【請求項5】
車載装置と無線通信で接続される携帯端末装置であって、
前記車載装置が搭載される車両が位置する位置情報に基づいて、センターからサービス情報を受信するサービス情報受信手段と、
前記車載装置から受信した車両情報に基づいて、前記サービス情報受信手段により受信されたサービス情報から前記車載装置に表示させるサービス情報を特定するとともに、特定したサービス情報を前記車載装置に表示させるタイミングを決定する表示制御手段と、
前記表示制御手段により決定されたタイミングで、前記特定したサービス情報と当該サービス情報を表示させる表示指示とを前記車載装置に出力する表示指示手段と、
を備えたことを特徴とする携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図6−3】
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【図6−4】
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【図7】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図8−3】
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【図9】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図10−3】
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【図10−4】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−193319(P2010−193319A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−37219(P2009−37219)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】