車載システム及び車載端末
【課題】本発明は、電源の投入から起動が完了するまでの待ち時間によるユーザの不快感を解消することができる車載システムを提供することを課題とする。
【解決手段】車両に搭載された車載端末1と、車載端末と情報通信ネットワークを介して接続され、車載端末1を操作するユーザから要求された情報を車載端末に配信可能な情報サーバ30とを備えた車載システムであって、車載端末1は、ユーザが所望する情報を選択する情報選択手段6と、情報選択手段で選択した選択情報を情報サーバから受信する通信手段9と、通信手段で受信した選択情報を予め車載端末の起動前に記憶しておく記憶手段5と、車載端末の起動状態を検出し、その検出結果に基づいて、記憶手段に記憶された選択情報の読み出しを行わせる制御手段2と、制御手段によって読み出された選択情報を提示する提示手段7とを備えている。
【解決手段】車両に搭載された車載端末1と、車載端末と情報通信ネットワークを介して接続され、車載端末1を操作するユーザから要求された情報を車載端末に配信可能な情報サーバ30とを備えた車載システムであって、車載端末1は、ユーザが所望する情報を選択する情報選択手段6と、情報選択手段で選択した選択情報を情報サーバから受信する通信手段9と、通信手段で受信した選択情報を予め車載端末の起動前に記憶しておく記憶手段5と、車載端末の起動状態を検出し、その検出結果に基づいて、記憶手段に記憶された選択情報の読み出しを行わせる制御手段2と、制御手段によって読み出された選択情報を提示する提示手段7とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された車載端末における起動画面の表示処理技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される車載端末は、カーナビゲーションシステムやオーディオシステム等が搭載されており、運転者を含む搭乗者(以下ユーザと称する)は走行中前記システムを多用している。
ところで、この車載端末を含む各種情報処理装置では、初期化処理や動作確認といった電力投入時の起動処理に関して、ユーザに待ち時間を意識させない等の目的で、予め用意された起動画像(オープニング画面)をディスプレイに表示することが多い。
【0003】
しかし、予め用意された起動画像では、何度も繰り返して装置を起動するうちにユーザを飽きさせてしまうといった問題があった。そこで、例えば特許文献1に記載のように、装置の起動時毎に起動画像データを生成し、起動画像の表示内容を毎回変化させることにより、ユーザに飽きさせない工夫をした技術も提案されている。
【0004】
また、電力投入後の起動画像の表示処理に要する時間の短縮及び毎回異なる起動画像を表示するために、起動画像データの生成時にその都度異なるパラメータを用いて生成した画像データを記憶手段に格納しておき、装置の再起動時に記憶手段から画像データを取り出して表示する技術が特許文献2に記載されている。
【特許文献1】特開2001−79262号公報
【特許文献2】特開2004−145120号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1や特許文献2に記載の技術は、情報処理装置の再起動時に、毎回異なる起動画像を表示できるものの、ユーザが知りたい情報を表示しているわけではないため、ユーザは待たされていると感じる不快感があった。特に、カーナビゲーションシステムを搭載した車載端末では、例えば目的地付近及び行程中の交通情報等はシステム起動後に取得することになるため、その情報取得時間が必要であり、この点からもユーザは待たされていると感じる不快感があった。
【0006】
よって、本発明は、電源投入からシステムの起動が完了するまでの待ち時間によるユーザの不快感を解消することができると共に、システム起動に要する時間を有効活用することができる車載システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、前述の技術的課題を解決するために以下の手段を採用した。
本発明は、車両に搭載された車載端末と、前記車載端末と情報通信ネットワークを介して接続され、車載端末を操作するユーザから要求された情報を車載端末に配信可能な情報サーバと、を備えた車載システムであって、前記車載端末は、前記ユーザが所望する情報を選択する情報選択手段と、前記情報選択手段で選択した選択情報を前記情報サーバから受信する通信手段と、前記通信手段で受信した選択情報を予め前記車載端末の起動前に記憶しておく記憶手段と、前記車載端末の起動状態を検出し、その検出結果に基づいて、前記記憶手段に記憶された選択情報の読み出しを行わせる制御手段と、前記制御手段によって読み出された選択情報を提示する提示手段とを備えている。ここで、提示手段による選
択情報の提示方法としては、画像情報及び音声情報(音楽等)の両方を出力する場合と、画像情報及び音声情報の何れかを出力する場合とを含む。
【0008】
本発明によれば、車載端末の記憶手段には、ユーザの選択操作によって情報サーバから取得した選択情報が記憶されており、制御手段が車載端末の起動状態を検出すると、選択情報を読み出して提示手段により提示する。従来では、車載端末の電源投入から起動完了までに一定の待ち時間が発生しており、ユーザが不快感を感じる時間となっていたが、本発明では、車載端末の電源投入時から起動完了までの間の待ち時間を有効活用することで、ユーザが「待たされている」という感覚を感じさせないシステムを実現している。これにより、ユーザの利便性向上を図るとともに、合理的かつスピーディーな車載システムとすることができる。
【0009】
本発明において、前記車載端末は、車載端末に電力を供給する電源のオン・オフ信号を含む車両情報を取得して前記提示手段に出力する車両情報出力手段を更に備え、前記制御手段は、前記車両情報出力手段からの電源オフ信号を検出したときに、前記情報サーバからユーザが選択した選択情報を受信するとともに、その選択情報を記憶手段に記憶させる処理を実行する構成とすることが望ましい。
【0010】
このように構成すれば、車載端末の電源オフ時に、情報サーバにアクセスし、当該情報サーバからユーザが予め設定した各種情報を取得することが可能となる。従来では車載端末の起動後に交通情報等を取得していたため待ち時間が生じていたが、本発明の車載端末では、これらの情報がすでに取得済みとなっているため、効率的に情報取得を実現できるため好ましい。
【0011】
本発明では、車載端末の起動時刻を設定する起動時刻設定手段を更に備え、前記制御手段が、車載端末の起動完了後に前記通信手段を介して情報サーバから選択情報を取得して記憶手段に記憶させる処理を実行する構成とすることもできる。
【0012】
このように構成した場合、起動時刻設定手段がユーザが設定された車載端末の起動時刻に車載端末を起動する。起動完了後に通信手段が情報サーバから選択情報を取得して記憶手段に記憶する。例えば、車両を使用しない時間帯を設定しておけば、その間に選択情報を取得することができる。したがって、情報取得にかかる時間効率を良好にし、ユーザの待ち時間によって発生する不快感の低減に寄与する。
【0013】
本発明において、前記車載端末は、道路地図を表示すると共に音声の出力を行うナビゲーション装置を含み、そのナビゲーション装置は、ユーザが目的地の設定を行ったことを検知した場合に、前記制御手段が目的地付近の情報を通信手段を介して前記情報サーバから取得して記憶手段に記憶させ、目的地が近づいたことを検知した場合に、取得した目的地付近の情報を提示手段により提示する処理を実行する構成とすることが望ましい。
【0014】
このように構成すれば、ユーザがナビゲーション装置を用いて目的地を設定すると、制御手段はその設定を検知して情報サーバから目的地付近の情報を自動取得する。また、目的地に近接したことを検知すると、取得した目的地付近の情報を提示手段により提示する。取得する情報としては、目的地付近の交通情報および天気情報などである。
すなわち、目的地の設定動作によって必要であろう目的地付近の情報を取得し、必要時に提示するようにしているので、情報の提示スピードを向上させ、ユーザにとっての待ち時間によって発生する不快感の低減に寄与する。
【0015】
本発明において、前記車両情報出力手段は、前記電源の電力残量情報を出力する電源監視回路を含み、前記制御手段は、前記電源監視回路から出力される電力残量情報に基づい
て、電源の電力残量が所定値以上であることを検出したとき、前記情報サーバから選択情報を受信して記憶手段に記憶させる処理を実行する構成とすることが望ましい。
【0016】
このように構成した場合、制御手段は、電源監視回路の電力残量情報を取得し、その電力残量が所定値以上であれば、情報サーバから選択情報の取得を行う。電力残量とは、車載端末の動作に要する供給源である車両用バッテリーなどが該当する。
すなわち、電力残量が所定値以下であれば、電源保護のために情報サーバとの通信を行わないので、ユーザは電力残量に配慮する必要性がなくなり、優れたユーザビリティなシステムが実現可能となる。
【0017】
本発明において、前記通信手段は、前記情報サーバとの通信品質状態を示す品質情報を出力する品質情報出力手段を含み、前記制御手段は、前記品質情報出力手段から出力される品質情報に基づいて、通信品質状態が良好であることを検出したとき、前記情報サーバから選択情報を受信して記憶手段に記憶させる処理を実行する構成とすることが望ましい。
【0018】
このように構成した場合、通信手段が情報サーバとの通信品質状態を取得し、通信品質状態が良好である場合にのみ情報サーバから選択情報を取得する。なお、通信品質状態とは、インターネット接続回線のほか、FM電波なども含まれる。通信品質の状態に応じて通信の可否を選択することで、合理的なシステムを構築することができる。
【0019】
本発明において、前記制御手段は、前記車両情報出力手段から出力され、時間軸に応じて可変する車両情報を検出するとともに、検出した車両情報の変化に基づいて、車載端末で取得すべき情報を選択する取得情報選択手段を含む構成とすることもできる。
【0020】
このように構成した場合、制御手段が車両情報の変化を検出すると、取得情報選択手段が車載端末で取得すべき情報を選択する。代表的な車両情報としては、タイヤ空気圧やガソリン残量などの時間軸に応じて変化する情報などである。車両情報の中でもリアルタイムに変化する情報を取得可能となっているので、ユーザの利便性がさらに向上する点で好ましい。
【0021】
本発明は、前記通信手段の通信時間を計時する計時手段を更に備え、前記制御手段は、予め設定された通信時間を超えたことを検出したとき、通信手段による通信を終了する処理を実行する構成とすることもできる。
【0022】
このように構成した場合、計時手段が通信手段の通信時間を計時し、予め設定された通信時間を超えた場合には、通信処理を終了する。情報サーバとの通信状況によって、一定時間経過しても通信処理が完了しない場合には、一旦処理を終了するようにしているので、通信エラー等の不測の事態にも対応可能にすることができる。
【0023】
本発明において、前記情報サーバからユーザに配信すべき通知情報があるとき、前記制御手段は、前記通信手段を介して情報サーバから選択情報を受信する際に、前記通知情報も取得してそれらの情報を記憶手段に記憶させる処理を実行する構成とすることもできる。
【0024】
このように構成した場合、ユーザに配信すべき通知情報があれば、選択情報とともに情報サーバから受信する。なお、通知情報としては交通規制情報などが該当する。すなわち、ユーザは予め選択情報を設定しているが、これ以外のユーザにとっての重要情報と想定される情報は、選択情報とともに自動受信させることができる。
【0025】
本発明において、前記情報選択手段は、前記情報サーバからの通知情報の種別を選択する種別選択手段を含み、前記制御手段は、その種別選択手段で選択した種別選択情報を記憶手段に記憶させ、前記通信手段を介して情報サーバから情報を受信する際に、前記種別選択情報も取得する処理を実行する構成とすることもできる。
【0026】
このように構成すれば、自動配信される通知情報をユーザが任意に選択する設定が可能になる。なお、種別選択情報としては、帰省渋滞予測情報や工事予定情報などの各種情報である。車載端末の使用上、ユーザの選択肢が広がるため好ましい。
【0027】
本発明において、前記選択情報が記憶手段に複数記憶されている場合、前記制御手段は、前記複数の選択情報のうちの一つを前記提示手段により提示した後、前記計時手段の計時結果に基づいて、一定時間経過後に他の選択情報を前記提示手段により提示する処理を実行する構成とすることもできる。
【0028】
この構成では、ユーザが設定した選択情報が複数あることに対応したものであり、複数の選択情報を提示手段に順次提示させる。なお、提示間隔は計時手段によって適宜設定可能となっている。複数の選択情報を一画面上に順次提示させていけば、ユーザが情報提示のための選択操作を無くすことができ、また、時間効率を向上させることができる。
【0029】
本発明において、前記選択情報の取得が複数設定されている場合に、その複数の選択
情報の提示種別を設定可能な提示種別設定手段を備えた構成とすることもできる。
【0030】
この構成では、複数の選択情報の提示バリエーションに対応したものであり、提示種別設定手段が選択情報の提示種別を設定する。提示種別としては、例えば画像情報の場合、選択情報をランダムに表示していくランダム表示、および上下または左右方向に選択情報がスクロールするスクロール表示などが該当する。ユーザの趣向に応じて選択情報の設定を可能としているので、利便性に優れる。
【0031】
本発明は、車両に搭載された車載端末を操作するユーザから要求された情報を配信可能な情報サーバと情報通信ネットワークを介して接続される車載端末であって、前記ユーザが所望する情報を選択する情報選択手段と、前記情報選択手段で選択した選択情報を前記情報サーバから受信する通信手段と、前記通信手段で受信した選択情報を予め車載端末の起動前に記憶しておく記憶手段と、前記車載端末の起動状態を検出し、その検出結果に基づいて、前記記憶手段に記憶された選択情報の読み出しを行わせる制御手段と、前記制御手段によって読み出された選択情報を提示する提示手段とを備えている。
【0032】
本発明の車載端末によれば、ユーザの選択操作によって情報サーバから取得した選択情報が記憶手段に記憶されており、制御手段が車載端末の起動状態を検出すると、選択情報を読み出して提示手段により提示する。従来では、車載端末の電源投入から起動完了までに一定の待ち時間が発生しており、ユーザが不快感を感じる時間となっていたが、本発明では、車載端末の電源投入時から起動完了までの間の待ち時間を有効活用することで、ユーザが「待たされている」という感覚を感じさせないようにすることができる。これにより、ユーザの利便性向上を図るとともに、合理的かつスピーディーな車載端末とすることができる。
【0033】
本発明のコンピュータプログラムは、車両に搭載された車載端末を操作するユーザから要求された情報を配信可能な情報サーバと情報通信ネットワークを介して接続される車載端末の制御プログラムであって、前記ユーザが所望する情報を選択する情報選択機能と、前記情報選択機能で選択した選択情報を前記情報サーバから受信する通信機能と、前記受信機能で受信した選択情報を予め車載端末の起動前に記憶しておく記憶機能と、前記車載
端末の起動状態を検出し、その検出結果に基づいて、前記記憶機能に記憶された選択情報の読み出しを行わせる制御機能と、前記制御機能によって読み出された選択情報を提示する提示機能とを備えることを特徴とする。
【0034】
本発明によれば、ユーザの選択操作によって情報サーバから取得した選択情報を記憶手段に記憶し、制御手段が車載端末の起動状態を検出すると、選択情報を読み出して提示手段により提示する。これにより、車載端末の電源投入時から起動完了までの間の待ち時間を有効活用し、ユーザが「待たされている」という感覚を感じさせないようにすることができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、電源投入からシステムの起動が完了するまでの待ち時間によるユーザの不快感を解消することができると共に、システム起動に要する時間を有効活用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係る車載システムの機能ブロック図である。尚、本実施形態の車載システムは、車輌に搭載するカーナビゲーション装置に適用するものとして説明するが、本発明の車載システムはその他にもカーオーディオや車載型ではない各種の機器に適用することができる。
【0037】
(ハードウエア構成)
この車載システムは、図1に示すように、車両に搭載された車載端末1と、その車載端末1を操作するユーザから要求された情報を、情報通信ネットワーク等の通信回線を介して接続される情報サーバ30とを含む。情報サーバ30は、車載端末1を介してユーザが要求する各種情報や情報サーバ30からユーザに通知すべき各種情報等を格納した記憶装置31を備えている。この情報サーバ30は、情報センタ32側に配置されたサーバであり、記憶装置31に格納された各種情報を、アンテナ33を介して車載端末1へ配信する処理を行うことができる。
【0038】
前記車載端末1は、タイマ回路22を内蔵するCPU(Central Processing Unit)
21等から構成され、システム全体の制御機能及び各種データ処理機能等を有する制御部(制御手段)2、CPUの処理に伴う情報を記憶するRAM(Random Access Memory)3、システムの起動に関するプログラムや各種のアプリケーションに関するプログラム等を格納すると共に各種情報を記憶可能なハードディスク(HDD)4、この情報端末1の電源投入からシステムの起動が完了するまでの間に出力される各種情報を格納しておく不揮発なメモリとしてのFLASHROM5、タッチパネル又はリモコン等から構成され、各種データの入力が可能な入力装置6、液晶ディスプレイ及びスピーカ等から構成され、各種データの出力が可能な表示装置(提示手段)7、GPSシステムを利用したナビゲーションユニット8、情報サーバ30と情報の送受信を行う通信装置9、制御部2に車両情報を出力する車両情報ECU10、電源(バッテリー)の状態(電圧等)を監視してその情報を車両情報ECUに出力する電源監視回路11、定常的に時を刻みその時刻情報をCPU21に供給するリアルタイムクロック(RTC)12、RAM3のバックアップ電源13を備えている。制御部2、RAM3、HDD4、FLASHROM5、表示蔵置7、及びナビゲーションユニット8はCPU−BUS15によって接続されている。
【0039】
この車載端末1は、DVD、CD、MD等の再生も可能であり、DVD−ROM等を利用したGPSナビゲーションシステムを兼用している。
【0040】
表示装置7は、ユーザが知りたい情報、例えば、天気予報や交通情報、買い物情報等の
各種情報の少なくとも一つを選択するための選択項目情報を表示可能な表示領域を有している。この表示領域は、タッチパネル等のグラフィックユーザインタフェースとして機能する。ハードディスク4には、ユーザが知りたい情報、例えば、天気予報や交通情報、買い物情報等の各種情報を、通信装置9を介して情報サーバ2から取得するために必要な指示データが格納されており、制御部2はその指示データを読み出す制御を実行する。
【0041】
CPU2は、本システムの起動状態を検知し、その検知結果に基づいて、FLASHROM5又はRAM3に格納されている起動表示データを読み出して表示装置7に表示する制御を実行する。また、車載端末1には、図示しないバッテリーからイグニッションスイッチを介して電力が供給されるように構成されている。イグニッションスイッチオフによる電源オフ信号(ACC−OFF信号)は電源監視回路11、車両情報ECU10を介して出力され、CPU2で検知される。車両情報ECU10から出力される各種車両情報は入力装置6によって選択することができる。従って、入力装置6は情報選択手段を兼ねている。
【0042】
入力装置6としては、表示装置7に表示される画面上で入力可能なタッチパネル等のグラフィックユーザインタフェースの他、画面の周囲等に配置された押しボタンスイッチ、音声認識入力装置等も利用することができる。また、RAM3は、記憶したデータをACC−OFF後も保持できるよう、バックアップ電源13によって電力供給され続けるメモリで構成されている。
【0043】
本実施形態の車載システムは、情報選択手段によってユーザが所望する情報を選択し、その選択情報を情報サーバから取得して予めメモりに記憶しておき、例えばシステムの電源投入時から起動完了までの間に、メモリに記憶した選択情報を表示装置に表示することで、ユーザは欲しい情報をシステムの電源立ち上げ時に得ることができる。なお、表示装置に表示される選択情報としては、画像情報及び音声情報(音楽等)を含む場合と、画像情報のみ、あるいは音声情報のみの場合とがあり、何れの場合も表示装置により提示(画像情報を表示、音声情報を出力)することができる。
【0044】
以下、本実施形態の車載システム1の有する機能に伴う各種処理について説明する。
(ユーザが所望する選択情報の設定)
まず、図2(b)に示すように、表示装置7に出力された表示画面Aの情報選択項目より、ユーザが取得したい情報選択項目を入力装置6を操作して選択する。画面Aには、例として天気予報、交通情報、車両情報、買い物情報、・・・などの情報選択項目がチェックボックスと共に表示されている。例えば情報選択項目として天気予報(選択情報a)を選択すると、制御部2のCPU21は、その選択情報aに関する項目設定データをRAM3またはFLASHROM5に保存する処理を実行する。なお、画面Aがタッチパネルの場合、天気予報(選択情報a)を選択(タッチ)する操作となる。
【0045】
(選択情報をACC−OFF時に取得)
図2(a)に、車載端末1の電源オフ時にユーザが所望する選択情報を取得して記憶手段に記憶する処理フローを示す。
車載端末1の電源が遮断(ACC−OFF)されると、電源監視回路11及び車両情報ECUを介してACC−OFF信号が出力される。制御部2のCPU21はACC−OFF信号を検知すると、システムの終了処理を開始し、その際、選択情報のユーザ設定があるか否かを判断する(ステップS1)。CPU21がユーザ設定ありと判断した場合にはステップS2に進み、ユーザ設定なしと判断した場合には処理を終了する。ステップS2において、CPU21はRAM3またはFLASHROM5から項目設定データを読み出し、通信装置9を介して情報サーバ30と送受信し、選択情報aに関するデータを受信して、RAM3またはFLASHROM5に保存する。ステップS3において、CPU21
は情報サーバ30との通信が完了したか否かを判断し、未完了の場合にはステップS2に戻り、完了の場合にはシステムを終了する。
【0046】
このように、車載端末1の電源オフ時に、情報サーバ30にアクセスし、情報サーバ30からユーザが予め設定した各種情報を取得することができる。従来では車載端末1の起動後に天気予報や交通情報等を取得していたため待ち時間が生じていたが、本発明の車載端末1では、これらの情報がすでに取得済みとなるため、ユーザが知りたい情報を効率的に取得することができる。
【0047】
(ACC−ON時の表示処理)
車載端末1の電源が投入(ACC−ON)されると、CPU21はRAM3またはFLASHROM5(以下これらを記憶手段という)に記憶しておいた選択情報を読み出して表示装置7に表示する処理を実行する。したがって、この表示処理は電源投入の直後に実行されることになる。このように、本システムでは、車載端末1の記憶手段に、ユーザの選択操作によって情報サーバ30から取得した選択情報を予め記憶しておき、制御手段2が車載端末1の起動状態を検出すると、選択情報を読み出して表示手段7に表示する。従来では、車載端末1の電源投入から起動完了までに一定の待ち時間が発生しており、ユーザが不快感を感じる時間となっていたが、本発明では、車載端末1の立ち上げ時にユーザが所望する選択情報を表示することができる。これにより、電源投入時から起動完了までの間の待ち時間を有効活用することが可能となり、ユーザが「待たされている」という感覚を感じさせないシステムを実現することができる。
【0048】
(起動時刻設定による選択情報の取得)
図3に、ユーザが予めシステムの起動時刻を設定して選択情報を取得しメモリに保存する処理フローを示す。この場合、まず、入力装置6により車載端末1のリアルタイムクロック12にアラーム時刻(起動時刻)をセットする。この際、上述の選択情報設定手段によって取得すべき選択情報の設定がなされており(S21)、車両情報ECU10からACC−OFF信号が出力され(S22)システムが終了しているとする。システム起動時刻になり、RTC12から起動信号が出力されるとシステムが起動し、その起動信号をCPU21が検知し、S24において情報サーバ30から選択情報を受信し、記憶手段に保存する処理を実行する。次に、S25においてCPU21は通信完了(情報取得完了)か否かを判断し、通信完了の場合は処理を終え、システムを終了する。
【0049】
この例では、例えば、起動時刻について車両を使用しない時間帯を設定しておけば、その間に選択情報を取得することができる。したがって、情報取得にかかる時間効率を良好にし、ユーザの待ち時間によって発生する不快感を低減することができる。
【0050】
(ナビゲーションシステムでの目的地設定による情報取得)
図4に、車載端末1のナビゲーションユニット8を使用して目的地までのルート設定を行った際に選択情報を取得して記憶手段に記憶する処理フローを示す。この処理では、CPU21はナビユニット8において目的地の設定を完了したか否かを判断し(S31)、設定完了であればS32に進む。S32において、CPU21は通信装置9を介して情報サーバ30と送受信し、目的地付近の情報を自動取得し、記憶手段に記憶する。そして、CPU21は位置情報等により車両が目的地に近接したことを検知すると(S33)、取得した目的地付近の情報を読み出し表示装置7に表示する。取得する情報としては、目的地付近の交通情報および天気情報などである。
【0051】
この例によれば、目的地の設定動作によって必要となる目的地付近の情報を取得し、必要時に表示するようにしているので、情報の表示スピードを向上させ、ユーザにとっての待ち時間によって発生する不快感を低減することができる。
【0052】
(車両状態による情報取得前処理)
図5に、バッテリー残量が十分にある場合のみ選択情報を取得して記憶手段に記憶する処理フローを示す。この処理では、ACC−OFF時に予め情報取得処理が設定されている場合に有効な制御である。CPU21は、車両情報ECU10から出力される車両情報に基づいて、バッテリー残量が十分であるか否か、例えば電圧12V以上か否かを判断し(S41)、十分であると判断するとS42へ進み、十分でない場合は処理を終える。S42において、CPU21は通信装置9を介して情報サーバ30と送受信し、予め設定されている選択情報を受信して記憶手段に保存してシステムを終了する。
【0053】
この例では、電力残量が所定値以下であれば、電源保護のために情報サーバとの通信を行わないので、あるいは起動後すぐに終了するので、ユーザは電力残量に配慮する必要性がなくなり、優れたユーザビリティなシステムを実現することができる。
【0054】
(通信品質状態による情報取得前処理)
図6に、車両情報サーバと通信品質状態が良い場合のみ選択情報を取得して記憶手段に記憶する処理フローを示す。この処理では、情報サーバ30から情報取得処理を行う際、CPU21はその通信品質状態(S/N比等)を通信装置9から取得して判断し(S51)、通信品質が良好と判断すると、S52へ進み、十分でない場合は処理を終える。S52において、CPU21は通信装置9を介して情報サーバ30と送受信し、予め設定されている選択情報を受信して記憶手段に保存してシステムを終了する。
【0055】
この例では、通信品質の状態に応じて通信の可否を選択することで、合理的なシステムを構築することができる。
【0056】
(車両情報に応じた情報取得処理)
図7に、車両情報ECU10からの車両情報に応じて選択情報を取得し記憶手段に記憶する処理フローを示す。CPU21は、車両情報ECU10から出力され、時間軸に応じて変化する車両情報に基づいて取得すべき車両情報を選択することができる。例えば車両情報に関しその下限値や上限値によって選択するか否かを予め設定しておく。したがってこの処理では、車両情報ECU10から出力される各種車両情報(タイヤの空気圧やガソリン残量情報等)に応じて、CPU21は、選択すべき車両情報があるか否かを判断する(S61)。CPU21が、選択すべき車両情報ありと判断した場合、S62へ進む。S62において、CPU21は通信装置9を介して情報サーバ30と送受信し、その関連情報を受信して記憶手段に保存してシステムを終了する。関連情報とは、例えばタイヤの空気圧低下を検知(選択)した場合、ナビユニット8の位置情報に基づいて取得する最寄りのディーラー情報であり、ガソリン残量低下を検知した場合、最寄りのガソリンスタンド情報等を意味する。
【0057】
この例では、車両情報の中でもリアルタイムに変化する情報を取得可能となっているので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0058】
(通信時間制限による情報取得処理)
図8に、車両情報サーバとの通信を行う際に通信時間制限を行う処理フローを示す。この処理では、情報サーバ30から情報取得処理を行う際、CPU21に内蔵されたタイマー回路22等により一定時間内に情報取得処理が完了しなかった場合、情報取得処理を中断し、システムを終了する処理を行うものである。通信時間については予め設定される。即ち、CPU21は、S71において通信装置9によって情報サーバ30から情報を取得する処理を行う際、その情報取得処理が完了したか否かを判断し(S72)、未完了の場合にはS73に進む。S73において、CPU21はS71での情報取得処理開始から一
定時間が経過したか否かを判断し、一定時間以内であればS71に戻り、情報取得処理を続け、一定時間を経過した場合、情報取得処理を終了する。S72において、CPU21が情報取得処理完了と判断した場合にはS74に進み、その取得情報を記憶手段に格納して処理を終了する。
【0059】
この例では、情報サーバ30との通信状況によって、一定時間経過しても通信処理が完了しない場合には、一旦処理を終了するようにしているので、通信エラー等の不測の事態にも対応可能にすることができる。
【0060】
(センター通知情報取得処理)
図9に、車両情報サーバとの通信を行う際にセンター通知情報がある場合の処理フローを示す。この処理では、ACC−OFF時に情報サーバ30と通信して選択情報等を取得する際、情報サーバ30からユーザに通知する情報(道路規制情報等)がある場合に、同時にその通知情報も取得して記憶手段に格納する処理を行うものである。即ち、CPU21は通信装置9によって情報サーバ30から情報取得処理を行う際、情報サーバ30からセンター通知情報があるか否かを判断し(S81)、通知情報がある場合S82に進み、その通知情報及び選択情報等を取得して記憶手段に格納し、処理を終了する。CPU21がS81において通知情報がないと判断した場合にも処理を終了する。このセンター通知情報取得処理では、CPU21は通信装置9によって定期的に情報サーバ30と通信して情報取得する設定とすることが望ましい。そうすれば早めに通知情報を取得することができるからである。
【0061】
この例では、ユーザに配信すべき通知情報があれば、選択情報とともに情報サーバから受信することができる。すなわち、ユーザは予め選択情報を設定しているが、これ以外のユーザにとっての重要情報と想定される情報は、選択情報とともに自動受信させることができる。
【0062】
(センター通知情報の設定取得処理)
図10に、車両情報サーバからの通知情報に関し、ユーザが予め設定した情報のみ取得する処理フローを示す。この処理では、図9で説明したように、ACC−OFF時に情報サーバ30と通信して選択情報等を取得する際、情報サーバ30からユーザに通知する情報(帰省渋滞予測情報や工事情報等)がある場合に、その通知情報の種別をユーザが設定したものを取得して記憶手段に格納する処理を行うものである。この場合、ユーザは入力装置6を操作し情報センタからの通知情報で、ユーザが取得したい情報の分類(種別)、例えば図2(b)で示すような「交通情報、気象情報、買い物情報」等の種別を選択し、その項目を記憶手段に格納しておく。ここでは、ユーザが設定した通知情報の種別を「交通情報及び気象情報」として説明する。CPU21は通信装置9によって情報サーバ30から情報取得処理を行う際、情報サーバ30からセンター通知情報があるか否かを判断し(S91)、通知情報がある場合S92に進む。S92において、CPU21はその通知情報がユーザが設定した種別(交通情報)であるか否かを判断し、そうであればS93に進み、そうでない場合にはS94へ進む。S93において、CPU21はその交通情報を取得し、記憶手段に格納する。S94において、CPU21はセンター通知情報が気象情報か否かを判断し、そうであればS95に進み、そうでない場合には処理を終了する。S95において、CPU21はその気象情報を取得し、記憶手段に格納して処理を終了する。
【0063】
この例では、自動配信される通知情報をユーザが任意に選択する設定が可能になる。したがって、車載端末の使用上、ユーザの選択肢を広げることができる。
【0064】
(選択情報の起動時表示処理)
図11に、表示すべき情報が複数のある場合、ユーザが選択した情報を表示装置に表示し、CPUに内蔵したタイマー回路により一定時間経過後に他の選択情報を表示する処理フローを示す。この処理では、ACC−OFF時に情報取得が行われた場合、次回起動時に記憶手段に格納された取得情報を読み出し、表示装置7に表示する。即ち、CPU21は、S101において、表示装置7に表示する選択情報が複数あるか否かを判断し、複数でない場合上述したような通常処理を行い、複数ある場合にはS102に進み、まず第1の選択情報を表示し、S103へ進む。S103において、CPU21は第1の選択情報の表示時間が一定時間経過したか否かを判断し、未経過の場合S102に戻り表示処理を続け、一定時間経過の場合S104に進み、第2の選択情報を表示してS101へ戻る。この処理を繰り返すことで、複数ある選択情報を一定の時間間隔で表示装置7に順次表示する。
【0065】
この例では、ユーザが設定した選択情報が複数あることに対応したものであり、複数の選択情報を表示装置7に順次表示させる。なお、表示間隔はタイマー回路22によって適宜設定可能となっている。複数の選択情報を一画面上に順次表示させていけば、ユーザが情報表示のための選択操作を無くすことができ、また、時間効率を向上させることができる。
【0066】
(ユーザ設定表示処理)
図12は、図11の起動時表示処理において、ユーザにより複数の情報取得が設定されている場合、その表示装置での表示態様をユーザにより設定可能にした場合の処理フローを示すものである。表示態様としては、例えばランダム表示、スクロール表示、…等であり、入力装置(表示種別設定手段)6を操作して表示の方法(表示態様)を設定し、記憶手段に格納しておく。この処理では、表示すべき複数の選択情報について、CPU21は、表示態様のユーザ設定ありか否かを判断し(S111)、ユーザ設定ありの場合S112に進み、ユーザ設定なしの場合S114に進み、通常表示を行う。S112において、CPU21はその表示態様がスクロール表示か否かを判断し、そうである場合スクロール表示して処理を終了し、そうでない場合S113へ進む。S113において、CPU21はその表示態様がランダム表示か否かを判断し、そうである場合ランダム表示して処理を終了し、そうでない場合、図中仮想線で示す次の表示態様を判断するステップに進む。
【0067】
この例では、ユーザの趣向に応じて選択情報の設定を可能としているので、利便性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本実施形態の車載システムのハードウェア構成図である。
【図2】本実施形態を示すもので、(a)は車載システムのACC−OFF時の処理を示すフローチャート、(b)は入力画面を示す図である。
【図3】本実施形態の車載システムの時刻設定時起動処理を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態の車載システムの目的地設定時処理を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態の車載システムの情報取得前処理を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態の車載システムの情報取得前処理を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態の車載システムの情報取得前処理を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態の車載システムの通信時間制限による情報取得処理を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態の車載システムのセンター通知情報がある場合の処理を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態の車載システムのセンター通知情報設定取得処理を示すフローチャートである。
【図11】本実施形態の車載システムの起動表示処理を示すフローチャートである。
【図12】本実施形態の車載システムのユーザ設定表示処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0069】
1 車載端末
2 制御部(制御手段)
3 RAM(記憶手段)
4 HDD(記憶手段)
5 FLASHRAM(記憶手段)
6 入力装置(情報選択手段)(設定手段)
7 表示装置(提示手段)
8 ナビゲーションユニット
9 通信装置
10 車両情報ECU
11 電源監視回路
12 RTC
21 CPU
22 タイマ回路
30 情報サーバ
15 バスライン
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された車載端末における起動画面の表示処理技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される車載端末は、カーナビゲーションシステムやオーディオシステム等が搭載されており、運転者を含む搭乗者(以下ユーザと称する)は走行中前記システムを多用している。
ところで、この車載端末を含む各種情報処理装置では、初期化処理や動作確認といった電力投入時の起動処理に関して、ユーザに待ち時間を意識させない等の目的で、予め用意された起動画像(オープニング画面)をディスプレイに表示することが多い。
【0003】
しかし、予め用意された起動画像では、何度も繰り返して装置を起動するうちにユーザを飽きさせてしまうといった問題があった。そこで、例えば特許文献1に記載のように、装置の起動時毎に起動画像データを生成し、起動画像の表示内容を毎回変化させることにより、ユーザに飽きさせない工夫をした技術も提案されている。
【0004】
また、電力投入後の起動画像の表示処理に要する時間の短縮及び毎回異なる起動画像を表示するために、起動画像データの生成時にその都度異なるパラメータを用いて生成した画像データを記憶手段に格納しておき、装置の再起動時に記憶手段から画像データを取り出して表示する技術が特許文献2に記載されている。
【特許文献1】特開2001−79262号公報
【特許文献2】特開2004−145120号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1や特許文献2に記載の技術は、情報処理装置の再起動時に、毎回異なる起動画像を表示できるものの、ユーザが知りたい情報を表示しているわけではないため、ユーザは待たされていると感じる不快感があった。特に、カーナビゲーションシステムを搭載した車載端末では、例えば目的地付近及び行程中の交通情報等はシステム起動後に取得することになるため、その情報取得時間が必要であり、この点からもユーザは待たされていると感じる不快感があった。
【0006】
よって、本発明は、電源投入からシステムの起動が完了するまでの待ち時間によるユーザの不快感を解消することができると共に、システム起動に要する時間を有効活用することができる車載システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、前述の技術的課題を解決するために以下の手段を採用した。
本発明は、車両に搭載された車載端末と、前記車載端末と情報通信ネットワークを介して接続され、車載端末を操作するユーザから要求された情報を車載端末に配信可能な情報サーバと、を備えた車載システムであって、前記車載端末は、前記ユーザが所望する情報を選択する情報選択手段と、前記情報選択手段で選択した選択情報を前記情報サーバから受信する通信手段と、前記通信手段で受信した選択情報を予め前記車載端末の起動前に記憶しておく記憶手段と、前記車載端末の起動状態を検出し、その検出結果に基づいて、前記記憶手段に記憶された選択情報の読み出しを行わせる制御手段と、前記制御手段によって読み出された選択情報を提示する提示手段とを備えている。ここで、提示手段による選
択情報の提示方法としては、画像情報及び音声情報(音楽等)の両方を出力する場合と、画像情報及び音声情報の何れかを出力する場合とを含む。
【0008】
本発明によれば、車載端末の記憶手段には、ユーザの選択操作によって情報サーバから取得した選択情報が記憶されており、制御手段が車載端末の起動状態を検出すると、選択情報を読み出して提示手段により提示する。従来では、車載端末の電源投入から起動完了までに一定の待ち時間が発生しており、ユーザが不快感を感じる時間となっていたが、本発明では、車載端末の電源投入時から起動完了までの間の待ち時間を有効活用することで、ユーザが「待たされている」という感覚を感じさせないシステムを実現している。これにより、ユーザの利便性向上を図るとともに、合理的かつスピーディーな車載システムとすることができる。
【0009】
本発明において、前記車載端末は、車載端末に電力を供給する電源のオン・オフ信号を含む車両情報を取得して前記提示手段に出力する車両情報出力手段を更に備え、前記制御手段は、前記車両情報出力手段からの電源オフ信号を検出したときに、前記情報サーバからユーザが選択した選択情報を受信するとともに、その選択情報を記憶手段に記憶させる処理を実行する構成とすることが望ましい。
【0010】
このように構成すれば、車載端末の電源オフ時に、情報サーバにアクセスし、当該情報サーバからユーザが予め設定した各種情報を取得することが可能となる。従来では車載端末の起動後に交通情報等を取得していたため待ち時間が生じていたが、本発明の車載端末では、これらの情報がすでに取得済みとなっているため、効率的に情報取得を実現できるため好ましい。
【0011】
本発明では、車載端末の起動時刻を設定する起動時刻設定手段を更に備え、前記制御手段が、車載端末の起動完了後に前記通信手段を介して情報サーバから選択情報を取得して記憶手段に記憶させる処理を実行する構成とすることもできる。
【0012】
このように構成した場合、起動時刻設定手段がユーザが設定された車載端末の起動時刻に車載端末を起動する。起動完了後に通信手段が情報サーバから選択情報を取得して記憶手段に記憶する。例えば、車両を使用しない時間帯を設定しておけば、その間に選択情報を取得することができる。したがって、情報取得にかかる時間効率を良好にし、ユーザの待ち時間によって発生する不快感の低減に寄与する。
【0013】
本発明において、前記車載端末は、道路地図を表示すると共に音声の出力を行うナビゲーション装置を含み、そのナビゲーション装置は、ユーザが目的地の設定を行ったことを検知した場合に、前記制御手段が目的地付近の情報を通信手段を介して前記情報サーバから取得して記憶手段に記憶させ、目的地が近づいたことを検知した場合に、取得した目的地付近の情報を提示手段により提示する処理を実行する構成とすることが望ましい。
【0014】
このように構成すれば、ユーザがナビゲーション装置を用いて目的地を設定すると、制御手段はその設定を検知して情報サーバから目的地付近の情報を自動取得する。また、目的地に近接したことを検知すると、取得した目的地付近の情報を提示手段により提示する。取得する情報としては、目的地付近の交通情報および天気情報などである。
すなわち、目的地の設定動作によって必要であろう目的地付近の情報を取得し、必要時に提示するようにしているので、情報の提示スピードを向上させ、ユーザにとっての待ち時間によって発生する不快感の低減に寄与する。
【0015】
本発明において、前記車両情報出力手段は、前記電源の電力残量情報を出力する電源監視回路を含み、前記制御手段は、前記電源監視回路から出力される電力残量情報に基づい
て、電源の電力残量が所定値以上であることを検出したとき、前記情報サーバから選択情報を受信して記憶手段に記憶させる処理を実行する構成とすることが望ましい。
【0016】
このように構成した場合、制御手段は、電源監視回路の電力残量情報を取得し、その電力残量が所定値以上であれば、情報サーバから選択情報の取得を行う。電力残量とは、車載端末の動作に要する供給源である車両用バッテリーなどが該当する。
すなわち、電力残量が所定値以下であれば、電源保護のために情報サーバとの通信を行わないので、ユーザは電力残量に配慮する必要性がなくなり、優れたユーザビリティなシステムが実現可能となる。
【0017】
本発明において、前記通信手段は、前記情報サーバとの通信品質状態を示す品質情報を出力する品質情報出力手段を含み、前記制御手段は、前記品質情報出力手段から出力される品質情報に基づいて、通信品質状態が良好であることを検出したとき、前記情報サーバから選択情報を受信して記憶手段に記憶させる処理を実行する構成とすることが望ましい。
【0018】
このように構成した場合、通信手段が情報サーバとの通信品質状態を取得し、通信品質状態が良好である場合にのみ情報サーバから選択情報を取得する。なお、通信品質状態とは、インターネット接続回線のほか、FM電波なども含まれる。通信品質の状態に応じて通信の可否を選択することで、合理的なシステムを構築することができる。
【0019】
本発明において、前記制御手段は、前記車両情報出力手段から出力され、時間軸に応じて可変する車両情報を検出するとともに、検出した車両情報の変化に基づいて、車載端末で取得すべき情報を選択する取得情報選択手段を含む構成とすることもできる。
【0020】
このように構成した場合、制御手段が車両情報の変化を検出すると、取得情報選択手段が車載端末で取得すべき情報を選択する。代表的な車両情報としては、タイヤ空気圧やガソリン残量などの時間軸に応じて変化する情報などである。車両情報の中でもリアルタイムに変化する情報を取得可能となっているので、ユーザの利便性がさらに向上する点で好ましい。
【0021】
本発明は、前記通信手段の通信時間を計時する計時手段を更に備え、前記制御手段は、予め設定された通信時間を超えたことを検出したとき、通信手段による通信を終了する処理を実行する構成とすることもできる。
【0022】
このように構成した場合、計時手段が通信手段の通信時間を計時し、予め設定された通信時間を超えた場合には、通信処理を終了する。情報サーバとの通信状況によって、一定時間経過しても通信処理が完了しない場合には、一旦処理を終了するようにしているので、通信エラー等の不測の事態にも対応可能にすることができる。
【0023】
本発明において、前記情報サーバからユーザに配信すべき通知情報があるとき、前記制御手段は、前記通信手段を介して情報サーバから選択情報を受信する際に、前記通知情報も取得してそれらの情報を記憶手段に記憶させる処理を実行する構成とすることもできる。
【0024】
このように構成した場合、ユーザに配信すべき通知情報があれば、選択情報とともに情報サーバから受信する。なお、通知情報としては交通規制情報などが該当する。すなわち、ユーザは予め選択情報を設定しているが、これ以外のユーザにとっての重要情報と想定される情報は、選択情報とともに自動受信させることができる。
【0025】
本発明において、前記情報選択手段は、前記情報サーバからの通知情報の種別を選択する種別選択手段を含み、前記制御手段は、その種別選択手段で選択した種別選択情報を記憶手段に記憶させ、前記通信手段を介して情報サーバから情報を受信する際に、前記種別選択情報も取得する処理を実行する構成とすることもできる。
【0026】
このように構成すれば、自動配信される通知情報をユーザが任意に選択する設定が可能になる。なお、種別選択情報としては、帰省渋滞予測情報や工事予定情報などの各種情報である。車載端末の使用上、ユーザの選択肢が広がるため好ましい。
【0027】
本発明において、前記選択情報が記憶手段に複数記憶されている場合、前記制御手段は、前記複数の選択情報のうちの一つを前記提示手段により提示した後、前記計時手段の計時結果に基づいて、一定時間経過後に他の選択情報を前記提示手段により提示する処理を実行する構成とすることもできる。
【0028】
この構成では、ユーザが設定した選択情報が複数あることに対応したものであり、複数の選択情報を提示手段に順次提示させる。なお、提示間隔は計時手段によって適宜設定可能となっている。複数の選択情報を一画面上に順次提示させていけば、ユーザが情報提示のための選択操作を無くすことができ、また、時間効率を向上させることができる。
【0029】
本発明において、前記選択情報の取得が複数設定されている場合に、その複数の選択
情報の提示種別を設定可能な提示種別設定手段を備えた構成とすることもできる。
【0030】
この構成では、複数の選択情報の提示バリエーションに対応したものであり、提示種別設定手段が選択情報の提示種別を設定する。提示種別としては、例えば画像情報の場合、選択情報をランダムに表示していくランダム表示、および上下または左右方向に選択情報がスクロールするスクロール表示などが該当する。ユーザの趣向に応じて選択情報の設定を可能としているので、利便性に優れる。
【0031】
本発明は、車両に搭載された車載端末を操作するユーザから要求された情報を配信可能な情報サーバと情報通信ネットワークを介して接続される車載端末であって、前記ユーザが所望する情報を選択する情報選択手段と、前記情報選択手段で選択した選択情報を前記情報サーバから受信する通信手段と、前記通信手段で受信した選択情報を予め車載端末の起動前に記憶しておく記憶手段と、前記車載端末の起動状態を検出し、その検出結果に基づいて、前記記憶手段に記憶された選択情報の読み出しを行わせる制御手段と、前記制御手段によって読み出された選択情報を提示する提示手段とを備えている。
【0032】
本発明の車載端末によれば、ユーザの選択操作によって情報サーバから取得した選択情報が記憶手段に記憶されており、制御手段が車載端末の起動状態を検出すると、選択情報を読み出して提示手段により提示する。従来では、車載端末の電源投入から起動完了までに一定の待ち時間が発生しており、ユーザが不快感を感じる時間となっていたが、本発明では、車載端末の電源投入時から起動完了までの間の待ち時間を有効活用することで、ユーザが「待たされている」という感覚を感じさせないようにすることができる。これにより、ユーザの利便性向上を図るとともに、合理的かつスピーディーな車載端末とすることができる。
【0033】
本発明のコンピュータプログラムは、車両に搭載された車載端末を操作するユーザから要求された情報を配信可能な情報サーバと情報通信ネットワークを介して接続される車載端末の制御プログラムであって、前記ユーザが所望する情報を選択する情報選択機能と、前記情報選択機能で選択した選択情報を前記情報サーバから受信する通信機能と、前記受信機能で受信した選択情報を予め車載端末の起動前に記憶しておく記憶機能と、前記車載
端末の起動状態を検出し、その検出結果に基づいて、前記記憶機能に記憶された選択情報の読み出しを行わせる制御機能と、前記制御機能によって読み出された選択情報を提示する提示機能とを備えることを特徴とする。
【0034】
本発明によれば、ユーザの選択操作によって情報サーバから取得した選択情報を記憶手段に記憶し、制御手段が車載端末の起動状態を検出すると、選択情報を読み出して提示手段により提示する。これにより、車載端末の電源投入時から起動完了までの間の待ち時間を有効活用し、ユーザが「待たされている」という感覚を感じさせないようにすることができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、電源投入からシステムの起動が完了するまでの待ち時間によるユーザの不快感を解消することができると共に、システム起動に要する時間を有効活用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係る車載システムの機能ブロック図である。尚、本実施形態の車載システムは、車輌に搭載するカーナビゲーション装置に適用するものとして説明するが、本発明の車載システムはその他にもカーオーディオや車載型ではない各種の機器に適用することができる。
【0037】
(ハードウエア構成)
この車載システムは、図1に示すように、車両に搭載された車載端末1と、その車載端末1を操作するユーザから要求された情報を、情報通信ネットワーク等の通信回線を介して接続される情報サーバ30とを含む。情報サーバ30は、車載端末1を介してユーザが要求する各種情報や情報サーバ30からユーザに通知すべき各種情報等を格納した記憶装置31を備えている。この情報サーバ30は、情報センタ32側に配置されたサーバであり、記憶装置31に格納された各種情報を、アンテナ33を介して車載端末1へ配信する処理を行うことができる。
【0038】
前記車載端末1は、タイマ回路22を内蔵するCPU(Central Processing Unit)
21等から構成され、システム全体の制御機能及び各種データ処理機能等を有する制御部(制御手段)2、CPUの処理に伴う情報を記憶するRAM(Random Access Memory)3、システムの起動に関するプログラムや各種のアプリケーションに関するプログラム等を格納すると共に各種情報を記憶可能なハードディスク(HDD)4、この情報端末1の電源投入からシステムの起動が完了するまでの間に出力される各種情報を格納しておく不揮発なメモリとしてのFLASHROM5、タッチパネル又はリモコン等から構成され、各種データの入力が可能な入力装置6、液晶ディスプレイ及びスピーカ等から構成され、各種データの出力が可能な表示装置(提示手段)7、GPSシステムを利用したナビゲーションユニット8、情報サーバ30と情報の送受信を行う通信装置9、制御部2に車両情報を出力する車両情報ECU10、電源(バッテリー)の状態(電圧等)を監視してその情報を車両情報ECUに出力する電源監視回路11、定常的に時を刻みその時刻情報をCPU21に供給するリアルタイムクロック(RTC)12、RAM3のバックアップ電源13を備えている。制御部2、RAM3、HDD4、FLASHROM5、表示蔵置7、及びナビゲーションユニット8はCPU−BUS15によって接続されている。
【0039】
この車載端末1は、DVD、CD、MD等の再生も可能であり、DVD−ROM等を利用したGPSナビゲーションシステムを兼用している。
【0040】
表示装置7は、ユーザが知りたい情報、例えば、天気予報や交通情報、買い物情報等の
各種情報の少なくとも一つを選択するための選択項目情報を表示可能な表示領域を有している。この表示領域は、タッチパネル等のグラフィックユーザインタフェースとして機能する。ハードディスク4には、ユーザが知りたい情報、例えば、天気予報や交通情報、買い物情報等の各種情報を、通信装置9を介して情報サーバ2から取得するために必要な指示データが格納されており、制御部2はその指示データを読み出す制御を実行する。
【0041】
CPU2は、本システムの起動状態を検知し、その検知結果に基づいて、FLASHROM5又はRAM3に格納されている起動表示データを読み出して表示装置7に表示する制御を実行する。また、車載端末1には、図示しないバッテリーからイグニッションスイッチを介して電力が供給されるように構成されている。イグニッションスイッチオフによる電源オフ信号(ACC−OFF信号)は電源監視回路11、車両情報ECU10を介して出力され、CPU2で検知される。車両情報ECU10から出力される各種車両情報は入力装置6によって選択することができる。従って、入力装置6は情報選択手段を兼ねている。
【0042】
入力装置6としては、表示装置7に表示される画面上で入力可能なタッチパネル等のグラフィックユーザインタフェースの他、画面の周囲等に配置された押しボタンスイッチ、音声認識入力装置等も利用することができる。また、RAM3は、記憶したデータをACC−OFF後も保持できるよう、バックアップ電源13によって電力供給され続けるメモリで構成されている。
【0043】
本実施形態の車載システムは、情報選択手段によってユーザが所望する情報を選択し、その選択情報を情報サーバから取得して予めメモりに記憶しておき、例えばシステムの電源投入時から起動完了までの間に、メモリに記憶した選択情報を表示装置に表示することで、ユーザは欲しい情報をシステムの電源立ち上げ時に得ることができる。なお、表示装置に表示される選択情報としては、画像情報及び音声情報(音楽等)を含む場合と、画像情報のみ、あるいは音声情報のみの場合とがあり、何れの場合も表示装置により提示(画像情報を表示、音声情報を出力)することができる。
【0044】
以下、本実施形態の車載システム1の有する機能に伴う各種処理について説明する。
(ユーザが所望する選択情報の設定)
まず、図2(b)に示すように、表示装置7に出力された表示画面Aの情報選択項目より、ユーザが取得したい情報選択項目を入力装置6を操作して選択する。画面Aには、例として天気予報、交通情報、車両情報、買い物情報、・・・などの情報選択項目がチェックボックスと共に表示されている。例えば情報選択項目として天気予報(選択情報a)を選択すると、制御部2のCPU21は、その選択情報aに関する項目設定データをRAM3またはFLASHROM5に保存する処理を実行する。なお、画面Aがタッチパネルの場合、天気予報(選択情報a)を選択(タッチ)する操作となる。
【0045】
(選択情報をACC−OFF時に取得)
図2(a)に、車載端末1の電源オフ時にユーザが所望する選択情報を取得して記憶手段に記憶する処理フローを示す。
車載端末1の電源が遮断(ACC−OFF)されると、電源監視回路11及び車両情報ECUを介してACC−OFF信号が出力される。制御部2のCPU21はACC−OFF信号を検知すると、システムの終了処理を開始し、その際、選択情報のユーザ設定があるか否かを判断する(ステップS1)。CPU21がユーザ設定ありと判断した場合にはステップS2に進み、ユーザ設定なしと判断した場合には処理を終了する。ステップS2において、CPU21はRAM3またはFLASHROM5から項目設定データを読み出し、通信装置9を介して情報サーバ30と送受信し、選択情報aに関するデータを受信して、RAM3またはFLASHROM5に保存する。ステップS3において、CPU21
は情報サーバ30との通信が完了したか否かを判断し、未完了の場合にはステップS2に戻り、完了の場合にはシステムを終了する。
【0046】
このように、車載端末1の電源オフ時に、情報サーバ30にアクセスし、情報サーバ30からユーザが予め設定した各種情報を取得することができる。従来では車載端末1の起動後に天気予報や交通情報等を取得していたため待ち時間が生じていたが、本発明の車載端末1では、これらの情報がすでに取得済みとなるため、ユーザが知りたい情報を効率的に取得することができる。
【0047】
(ACC−ON時の表示処理)
車載端末1の電源が投入(ACC−ON)されると、CPU21はRAM3またはFLASHROM5(以下これらを記憶手段という)に記憶しておいた選択情報を読み出して表示装置7に表示する処理を実行する。したがって、この表示処理は電源投入の直後に実行されることになる。このように、本システムでは、車載端末1の記憶手段に、ユーザの選択操作によって情報サーバ30から取得した選択情報を予め記憶しておき、制御手段2が車載端末1の起動状態を検出すると、選択情報を読み出して表示手段7に表示する。従来では、車載端末1の電源投入から起動完了までに一定の待ち時間が発生しており、ユーザが不快感を感じる時間となっていたが、本発明では、車載端末1の立ち上げ時にユーザが所望する選択情報を表示することができる。これにより、電源投入時から起動完了までの間の待ち時間を有効活用することが可能となり、ユーザが「待たされている」という感覚を感じさせないシステムを実現することができる。
【0048】
(起動時刻設定による選択情報の取得)
図3に、ユーザが予めシステムの起動時刻を設定して選択情報を取得しメモリに保存する処理フローを示す。この場合、まず、入力装置6により車載端末1のリアルタイムクロック12にアラーム時刻(起動時刻)をセットする。この際、上述の選択情報設定手段によって取得すべき選択情報の設定がなされており(S21)、車両情報ECU10からACC−OFF信号が出力され(S22)システムが終了しているとする。システム起動時刻になり、RTC12から起動信号が出力されるとシステムが起動し、その起動信号をCPU21が検知し、S24において情報サーバ30から選択情報を受信し、記憶手段に保存する処理を実行する。次に、S25においてCPU21は通信完了(情報取得完了)か否かを判断し、通信完了の場合は処理を終え、システムを終了する。
【0049】
この例では、例えば、起動時刻について車両を使用しない時間帯を設定しておけば、その間に選択情報を取得することができる。したがって、情報取得にかかる時間効率を良好にし、ユーザの待ち時間によって発生する不快感を低減することができる。
【0050】
(ナビゲーションシステムでの目的地設定による情報取得)
図4に、車載端末1のナビゲーションユニット8を使用して目的地までのルート設定を行った際に選択情報を取得して記憶手段に記憶する処理フローを示す。この処理では、CPU21はナビユニット8において目的地の設定を完了したか否かを判断し(S31)、設定完了であればS32に進む。S32において、CPU21は通信装置9を介して情報サーバ30と送受信し、目的地付近の情報を自動取得し、記憶手段に記憶する。そして、CPU21は位置情報等により車両が目的地に近接したことを検知すると(S33)、取得した目的地付近の情報を読み出し表示装置7に表示する。取得する情報としては、目的地付近の交通情報および天気情報などである。
【0051】
この例によれば、目的地の設定動作によって必要となる目的地付近の情報を取得し、必要時に表示するようにしているので、情報の表示スピードを向上させ、ユーザにとっての待ち時間によって発生する不快感を低減することができる。
【0052】
(車両状態による情報取得前処理)
図5に、バッテリー残量が十分にある場合のみ選択情報を取得して記憶手段に記憶する処理フローを示す。この処理では、ACC−OFF時に予め情報取得処理が設定されている場合に有効な制御である。CPU21は、車両情報ECU10から出力される車両情報に基づいて、バッテリー残量が十分であるか否か、例えば電圧12V以上か否かを判断し(S41)、十分であると判断するとS42へ進み、十分でない場合は処理を終える。S42において、CPU21は通信装置9を介して情報サーバ30と送受信し、予め設定されている選択情報を受信して記憶手段に保存してシステムを終了する。
【0053】
この例では、電力残量が所定値以下であれば、電源保護のために情報サーバとの通信を行わないので、あるいは起動後すぐに終了するので、ユーザは電力残量に配慮する必要性がなくなり、優れたユーザビリティなシステムを実現することができる。
【0054】
(通信品質状態による情報取得前処理)
図6に、車両情報サーバと通信品質状態が良い場合のみ選択情報を取得して記憶手段に記憶する処理フローを示す。この処理では、情報サーバ30から情報取得処理を行う際、CPU21はその通信品質状態(S/N比等)を通信装置9から取得して判断し(S51)、通信品質が良好と判断すると、S52へ進み、十分でない場合は処理を終える。S52において、CPU21は通信装置9を介して情報サーバ30と送受信し、予め設定されている選択情報を受信して記憶手段に保存してシステムを終了する。
【0055】
この例では、通信品質の状態に応じて通信の可否を選択することで、合理的なシステムを構築することができる。
【0056】
(車両情報に応じた情報取得処理)
図7に、車両情報ECU10からの車両情報に応じて選択情報を取得し記憶手段に記憶する処理フローを示す。CPU21は、車両情報ECU10から出力され、時間軸に応じて変化する車両情報に基づいて取得すべき車両情報を選択することができる。例えば車両情報に関しその下限値や上限値によって選択するか否かを予め設定しておく。したがってこの処理では、車両情報ECU10から出力される各種車両情報(タイヤの空気圧やガソリン残量情報等)に応じて、CPU21は、選択すべき車両情報があるか否かを判断する(S61)。CPU21が、選択すべき車両情報ありと判断した場合、S62へ進む。S62において、CPU21は通信装置9を介して情報サーバ30と送受信し、その関連情報を受信して記憶手段に保存してシステムを終了する。関連情報とは、例えばタイヤの空気圧低下を検知(選択)した場合、ナビユニット8の位置情報に基づいて取得する最寄りのディーラー情報であり、ガソリン残量低下を検知した場合、最寄りのガソリンスタンド情報等を意味する。
【0057】
この例では、車両情報の中でもリアルタイムに変化する情報を取得可能となっているので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0058】
(通信時間制限による情報取得処理)
図8に、車両情報サーバとの通信を行う際に通信時間制限を行う処理フローを示す。この処理では、情報サーバ30から情報取得処理を行う際、CPU21に内蔵されたタイマー回路22等により一定時間内に情報取得処理が完了しなかった場合、情報取得処理を中断し、システムを終了する処理を行うものである。通信時間については予め設定される。即ち、CPU21は、S71において通信装置9によって情報サーバ30から情報を取得する処理を行う際、その情報取得処理が完了したか否かを判断し(S72)、未完了の場合にはS73に進む。S73において、CPU21はS71での情報取得処理開始から一
定時間が経過したか否かを判断し、一定時間以内であればS71に戻り、情報取得処理を続け、一定時間を経過した場合、情報取得処理を終了する。S72において、CPU21が情報取得処理完了と判断した場合にはS74に進み、その取得情報を記憶手段に格納して処理を終了する。
【0059】
この例では、情報サーバ30との通信状況によって、一定時間経過しても通信処理が完了しない場合には、一旦処理を終了するようにしているので、通信エラー等の不測の事態にも対応可能にすることができる。
【0060】
(センター通知情報取得処理)
図9に、車両情報サーバとの通信を行う際にセンター通知情報がある場合の処理フローを示す。この処理では、ACC−OFF時に情報サーバ30と通信して選択情報等を取得する際、情報サーバ30からユーザに通知する情報(道路規制情報等)がある場合に、同時にその通知情報も取得して記憶手段に格納する処理を行うものである。即ち、CPU21は通信装置9によって情報サーバ30から情報取得処理を行う際、情報サーバ30からセンター通知情報があるか否かを判断し(S81)、通知情報がある場合S82に進み、その通知情報及び選択情報等を取得して記憶手段に格納し、処理を終了する。CPU21がS81において通知情報がないと判断した場合にも処理を終了する。このセンター通知情報取得処理では、CPU21は通信装置9によって定期的に情報サーバ30と通信して情報取得する設定とすることが望ましい。そうすれば早めに通知情報を取得することができるからである。
【0061】
この例では、ユーザに配信すべき通知情報があれば、選択情報とともに情報サーバから受信することができる。すなわち、ユーザは予め選択情報を設定しているが、これ以外のユーザにとっての重要情報と想定される情報は、選択情報とともに自動受信させることができる。
【0062】
(センター通知情報の設定取得処理)
図10に、車両情報サーバからの通知情報に関し、ユーザが予め設定した情報のみ取得する処理フローを示す。この処理では、図9で説明したように、ACC−OFF時に情報サーバ30と通信して選択情報等を取得する際、情報サーバ30からユーザに通知する情報(帰省渋滞予測情報や工事情報等)がある場合に、その通知情報の種別をユーザが設定したものを取得して記憶手段に格納する処理を行うものである。この場合、ユーザは入力装置6を操作し情報センタからの通知情報で、ユーザが取得したい情報の分類(種別)、例えば図2(b)で示すような「交通情報、気象情報、買い物情報」等の種別を選択し、その項目を記憶手段に格納しておく。ここでは、ユーザが設定した通知情報の種別を「交通情報及び気象情報」として説明する。CPU21は通信装置9によって情報サーバ30から情報取得処理を行う際、情報サーバ30からセンター通知情報があるか否かを判断し(S91)、通知情報がある場合S92に進む。S92において、CPU21はその通知情報がユーザが設定した種別(交通情報)であるか否かを判断し、そうであればS93に進み、そうでない場合にはS94へ進む。S93において、CPU21はその交通情報を取得し、記憶手段に格納する。S94において、CPU21はセンター通知情報が気象情報か否かを判断し、そうであればS95に進み、そうでない場合には処理を終了する。S95において、CPU21はその気象情報を取得し、記憶手段に格納して処理を終了する。
【0063】
この例では、自動配信される通知情報をユーザが任意に選択する設定が可能になる。したがって、車載端末の使用上、ユーザの選択肢を広げることができる。
【0064】
(選択情報の起動時表示処理)
図11に、表示すべき情報が複数のある場合、ユーザが選択した情報を表示装置に表示し、CPUに内蔵したタイマー回路により一定時間経過後に他の選択情報を表示する処理フローを示す。この処理では、ACC−OFF時に情報取得が行われた場合、次回起動時に記憶手段に格納された取得情報を読み出し、表示装置7に表示する。即ち、CPU21は、S101において、表示装置7に表示する選択情報が複数あるか否かを判断し、複数でない場合上述したような通常処理を行い、複数ある場合にはS102に進み、まず第1の選択情報を表示し、S103へ進む。S103において、CPU21は第1の選択情報の表示時間が一定時間経過したか否かを判断し、未経過の場合S102に戻り表示処理を続け、一定時間経過の場合S104に進み、第2の選択情報を表示してS101へ戻る。この処理を繰り返すことで、複数ある選択情報を一定の時間間隔で表示装置7に順次表示する。
【0065】
この例では、ユーザが設定した選択情報が複数あることに対応したものであり、複数の選択情報を表示装置7に順次表示させる。なお、表示間隔はタイマー回路22によって適宜設定可能となっている。複数の選択情報を一画面上に順次表示させていけば、ユーザが情報表示のための選択操作を無くすことができ、また、時間効率を向上させることができる。
【0066】
(ユーザ設定表示処理)
図12は、図11の起動時表示処理において、ユーザにより複数の情報取得が設定されている場合、その表示装置での表示態様をユーザにより設定可能にした場合の処理フローを示すものである。表示態様としては、例えばランダム表示、スクロール表示、…等であり、入力装置(表示種別設定手段)6を操作して表示の方法(表示態様)を設定し、記憶手段に格納しておく。この処理では、表示すべき複数の選択情報について、CPU21は、表示態様のユーザ設定ありか否かを判断し(S111)、ユーザ設定ありの場合S112に進み、ユーザ設定なしの場合S114に進み、通常表示を行う。S112において、CPU21はその表示態様がスクロール表示か否かを判断し、そうである場合スクロール表示して処理を終了し、そうでない場合S113へ進む。S113において、CPU21はその表示態様がランダム表示か否かを判断し、そうである場合ランダム表示して処理を終了し、そうでない場合、図中仮想線で示す次の表示態様を判断するステップに進む。
【0067】
この例では、ユーザの趣向に応じて選択情報の設定を可能としているので、利便性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本実施形態の車載システムのハードウェア構成図である。
【図2】本実施形態を示すもので、(a)は車載システムのACC−OFF時の処理を示すフローチャート、(b)は入力画面を示す図である。
【図3】本実施形態の車載システムの時刻設定時起動処理を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態の車載システムの目的地設定時処理を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態の車載システムの情報取得前処理を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態の車載システムの情報取得前処理を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態の車載システムの情報取得前処理を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態の車載システムの通信時間制限による情報取得処理を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態の車載システムのセンター通知情報がある場合の処理を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態の車載システムのセンター通知情報設定取得処理を示すフローチャートである。
【図11】本実施形態の車載システムの起動表示処理を示すフローチャートである。
【図12】本実施形態の車載システムのユーザ設定表示処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0069】
1 車載端末
2 制御部(制御手段)
3 RAM(記憶手段)
4 HDD(記憶手段)
5 FLASHRAM(記憶手段)
6 入力装置(情報選択手段)(設定手段)
7 表示装置(提示手段)
8 ナビゲーションユニット
9 通信装置
10 車両情報ECU
11 電源監視回路
12 RTC
21 CPU
22 タイマ回路
30 情報サーバ
15 バスライン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された車載端末と、
前記車載端末と情報通信ネットワークを介して接続され、車載端末を操作するユーザから要求された情報を車載端末に配信可能な情報サーバと、を備えた車載システムであって、
前記車載端末は、前記ユーザが所望する情報を選択する情報選択手段と、
前記情報選択手段で選択した選択情報を前記情報サーバから受信する通信手段と、
前記通信手段で受信した選択情報を予め前記車載端末の起動前に記憶しておく記憶手段と、
前記車載端末の起動状態を検出し、その検出結果に基づいて、前記記憶手段に記憶された選択情報の読み出しを行わせる制御手段と、
前記制御手段によって読み出された選択情報を提示する提示手段と、を備えた車載システム。
【請求項2】
前記車載端末は、車載端末に電力を供給する電源のオン・オフ信号を含む車両情報を取得して前記提示手段に出力する車両情報出力手段を更に備え、前記制御手段は、前記車両情報出力手段からの電源オフ信号を検出したときに、前記情報サーバからユーザが選択した選択情報を受信するとともに、その選択情報を記憶手段に記憶させる処理を実行することを特徴とする、請求項1に記載の車載システム。
【請求項3】
車載端末の起動時刻を設定する起動時刻設定手段を更に備え、前記制御手段は、車載端末の起動完了後に前記通信手段を介して情報サーバから選択情報を取得して記憶手段に記憶させる処理を実行することを特徴とする、請求項1又は2記載の車載システム。
【請求項4】
前記車載端末は、道路地図を表示すると共に音声の出力を行うナビゲーション装置を含み、そのナビゲーション装置は、ユーザが目的地の設定を行ったことを検知した場合に、前記制御手段が目的地付近の情報を通信手段を介して前記情報サーバから取得して記憶手段に記憶させ、目的地が近づいたことを検知した場合に、取得した目的地付近の情報を提示手段により提示する処理を実行することを特徴とする、請求項1乃至3の何れかに記載の車載システム。
【請求項5】
前記車両情報出力手段は、前記電源の電力残量情報を出力する電源監視回路を含み、前記制御手段は、前記電源監視回路から出力される電力残量情報に基づいて、電源の電力残量が所定値以上であることを検出したとき、前記情報サーバから選択情報を受信して記憶手段に記憶させる処理を実行することを特徴とする、請求項2に記載の車載システム。
【請求項6】
前記通信手段は、前記情報サーバとの通信品質状態を示す品質情報を出力する品質情報出力手段を含み、前記制御手段は、前記品質情報出力手段から出力される品質情報に基づいて、通信品質状態が良好であることを検出したとき、前記情報サーバから選択情報を受信して記憶手段に記憶させる処理を実行することを特徴とする、請求項2に記載の車載システム。
【請求項7】
前記制御手段は、前記車両情報出力手段から出力され、時間軸に応じて変化する車両情報を検出すると共に、検出した車両情報の変化に基づいて、車載端末で取得すべき情報を選択する取得情報選択手段を含むことを特徴とする、請求項2乃至6の何れかに記載の車載システム。
【請求項8】
前記通信手段の通信時間を計時する計時手段を更に備え、前記制御手段は、予め設定された通信時間を超えたことを検出したとき、通信手段による通信を終了する処理を実行す
ることを特徴とする、請求項1乃至7の何れかに記載の車載システム。
【請求項9】
前記情報サーバからユーザに配信すべき通知情報ががあるとき、前記制御手段は、前記通信手段を介して情報サーバから選択情報を受信する際に、前記通知情報も取得してそれらの情報を記憶手段に記憶させる処理を実行することを特徴とする、請求項1乃至8の何れかに記載の車載システム。
【請求項10】
前記情報選択手段は、前記情報サーバからの通知情報の種別を選択する種別選択手段を含み、前記制御手段は、その種別選択手段で選択した種別選択情報を記憶手段に記憶させ、前記通信手段を介して情報サーバから情報を受信する際に、前記種別選択情報も取得する処理を実行することを特徴とする、請求項1乃至9の何れかに記載の車載システム。
【請求項11】
前記選択情報が記憶手段に複数記憶されている場合、前記制御手段は、前記複数の選択情報のうちの一つを前記提示手段により提示した後、前記計時手段の計時結果に基づいて、一定時間経過後に他の選択情報を前記提示手段により提示する処理を実行することを特徴とする、請求項1乃至10の何れかに記載の車載システム。
【請求項12】
前記選択情報の取得が複数設定されている場合に、その複数の選択情報の表示種別を設定可能な表示種別設定手段を更に備えていることを特徴とする、請求項11に記載の車載システム。
【請求項13】
車両に搭載された車載端末を操作するユーザから要求された情報を配信可能な情報サーバと情報通信ネットワークを介して接続される車載端末であって、
前記ユーザが所望する情報を選択する情報選択手段と、
前記情報選択手段で選択した選択情報を前記情報サーバから受信する通信手段と、
前記受信手段で受信した選択情報を予め車載端末の起動前に記憶しておく記憶手段と、
前記車載端末の起動状態を検出し、その検出結果に基づいて、前記記憶手段に記憶された選択情報の読み出しを行わせる制御手段と、
前記制御手段によって読み出された選択情報を提示する提示手段と、を備えたことを特徴とする車載端末。
【請求項14】
車両に搭載された車載端末を操作するユーザから要求された情報を配信可能な情報サーバと情報通信ネットワークを介して接続される車載端末の制御プログラムであって、
そのプログラムは、前記ユーザが所望する情報を選択する情報選択機能と、
前記情報選択機能で選択した選択情報を前記情報サーバから受信する通信機能と、
前記受信機能で受信した選択情報を予め車載端末の起動前に記憶しておく記憶機能と、
前記車載端末の起動状態を検出し、その検出結果に基づいて、前記記憶機能に記憶された選択情報の読み出しを行わせる制御機能と、
前記制御機能によって読み出された選択情報を提示する提示機能と、を備えたことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項1】
車両に搭載された車載端末と、
前記車載端末と情報通信ネットワークを介して接続され、車載端末を操作するユーザから要求された情報を車載端末に配信可能な情報サーバと、を備えた車載システムであって、
前記車載端末は、前記ユーザが所望する情報を選択する情報選択手段と、
前記情報選択手段で選択した選択情報を前記情報サーバから受信する通信手段と、
前記通信手段で受信した選択情報を予め前記車載端末の起動前に記憶しておく記憶手段と、
前記車載端末の起動状態を検出し、その検出結果に基づいて、前記記憶手段に記憶された選択情報の読み出しを行わせる制御手段と、
前記制御手段によって読み出された選択情報を提示する提示手段と、を備えた車載システム。
【請求項2】
前記車載端末は、車載端末に電力を供給する電源のオン・オフ信号を含む車両情報を取得して前記提示手段に出力する車両情報出力手段を更に備え、前記制御手段は、前記車両情報出力手段からの電源オフ信号を検出したときに、前記情報サーバからユーザが選択した選択情報を受信するとともに、その選択情報を記憶手段に記憶させる処理を実行することを特徴とする、請求項1に記載の車載システム。
【請求項3】
車載端末の起動時刻を設定する起動時刻設定手段を更に備え、前記制御手段は、車載端末の起動完了後に前記通信手段を介して情報サーバから選択情報を取得して記憶手段に記憶させる処理を実行することを特徴とする、請求項1又は2記載の車載システム。
【請求項4】
前記車載端末は、道路地図を表示すると共に音声の出力を行うナビゲーション装置を含み、そのナビゲーション装置は、ユーザが目的地の設定を行ったことを検知した場合に、前記制御手段が目的地付近の情報を通信手段を介して前記情報サーバから取得して記憶手段に記憶させ、目的地が近づいたことを検知した場合に、取得した目的地付近の情報を提示手段により提示する処理を実行することを特徴とする、請求項1乃至3の何れかに記載の車載システム。
【請求項5】
前記車両情報出力手段は、前記電源の電力残量情報を出力する電源監視回路を含み、前記制御手段は、前記電源監視回路から出力される電力残量情報に基づいて、電源の電力残量が所定値以上であることを検出したとき、前記情報サーバから選択情報を受信して記憶手段に記憶させる処理を実行することを特徴とする、請求項2に記載の車載システム。
【請求項6】
前記通信手段は、前記情報サーバとの通信品質状態を示す品質情報を出力する品質情報出力手段を含み、前記制御手段は、前記品質情報出力手段から出力される品質情報に基づいて、通信品質状態が良好であることを検出したとき、前記情報サーバから選択情報を受信して記憶手段に記憶させる処理を実行することを特徴とする、請求項2に記載の車載システム。
【請求項7】
前記制御手段は、前記車両情報出力手段から出力され、時間軸に応じて変化する車両情報を検出すると共に、検出した車両情報の変化に基づいて、車載端末で取得すべき情報を選択する取得情報選択手段を含むことを特徴とする、請求項2乃至6の何れかに記載の車載システム。
【請求項8】
前記通信手段の通信時間を計時する計時手段を更に備え、前記制御手段は、予め設定された通信時間を超えたことを検出したとき、通信手段による通信を終了する処理を実行す
ることを特徴とする、請求項1乃至7の何れかに記載の車載システム。
【請求項9】
前記情報サーバからユーザに配信すべき通知情報ががあるとき、前記制御手段は、前記通信手段を介して情報サーバから選択情報を受信する際に、前記通知情報も取得してそれらの情報を記憶手段に記憶させる処理を実行することを特徴とする、請求項1乃至8の何れかに記載の車載システム。
【請求項10】
前記情報選択手段は、前記情報サーバからの通知情報の種別を選択する種別選択手段を含み、前記制御手段は、その種別選択手段で選択した種別選択情報を記憶手段に記憶させ、前記通信手段を介して情報サーバから情報を受信する際に、前記種別選択情報も取得する処理を実行することを特徴とする、請求項1乃至9の何れかに記載の車載システム。
【請求項11】
前記選択情報が記憶手段に複数記憶されている場合、前記制御手段は、前記複数の選択情報のうちの一つを前記提示手段により提示した後、前記計時手段の計時結果に基づいて、一定時間経過後に他の選択情報を前記提示手段により提示する処理を実行することを特徴とする、請求項1乃至10の何れかに記載の車載システム。
【請求項12】
前記選択情報の取得が複数設定されている場合に、その複数の選択情報の表示種別を設定可能な表示種別設定手段を更に備えていることを特徴とする、請求項11に記載の車載システム。
【請求項13】
車両に搭載された車載端末を操作するユーザから要求された情報を配信可能な情報サーバと情報通信ネットワークを介して接続される車載端末であって、
前記ユーザが所望する情報を選択する情報選択手段と、
前記情報選択手段で選択した選択情報を前記情報サーバから受信する通信手段と、
前記受信手段で受信した選択情報を予め車載端末の起動前に記憶しておく記憶手段と、
前記車載端末の起動状態を検出し、その検出結果に基づいて、前記記憶手段に記憶された選択情報の読み出しを行わせる制御手段と、
前記制御手段によって読み出された選択情報を提示する提示手段と、を備えたことを特徴とする車載端末。
【請求項14】
車両に搭載された車載端末を操作するユーザから要求された情報を配信可能な情報サーバと情報通信ネットワークを介して接続される車載端末の制御プログラムであって、
そのプログラムは、前記ユーザが所望する情報を選択する情報選択機能と、
前記情報選択機能で選択した選択情報を前記情報サーバから受信する通信機能と、
前記受信機能で受信した選択情報を予め車載端末の起動前に記憶しておく記憶機能と、
前記車載端末の起動状態を検出し、その検出結果に基づいて、前記記憶機能に記憶された選択情報の読み出しを行わせる制御機能と、
前記制御機能によって読み出された選択情報を提示する提示機能と、を備えたことを特徴とするコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−293901(P2006−293901A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−116969(P2005−116969)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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