説明

車載システム

【課題】ディスプレイの注視が運転の妨げとならないようにユーザへの情報提示を継続的に行う「車載システム」を提供する。
【解決手段】メータクラスタ(計器盤)内に配置されたメータクラスタディスプレイ1と、フロントウインドウのメータクラスタ上方の領域に画像を投影するヘッドアップディスプレイ2とを設ける。メータクラスタディスプレイ1の表示画面200(a1)の所定時間以上のユーザの注視の継続が検出されたならば、メータクラスタディスプレイ1の表示を停止し、メータクラスタディスプレイ1の表示に表示していた内容をメータクラスタディスプレイ1に表示する(a2)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイを備えた車載システムにおいて、ユーザの運転の妨げとなるディスプレイの注視を抑止する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイを備えた車載システムにおいて、ユーザの運転の妨げとなるディスプレイの長時間の注視を抑止する技術としては、ユーザの視線を検知し、所定時間ユーザがディスプレイを注視し続けている場合に、ディスプレイへの表示を停止する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
また、自動車に搭載されるディスプレイとしては、メータクラスタ内に配置されたディスプレイや(たとえば、特許文献2)、フロントウインドウに画像を表示するヘッドアップディスプレイが知られている(たとえば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許3614346号公報
【特許文献2】特開2007-93284号公報
【特許文献3】特開2011-07004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した、所定時間ユーザがディスプレイを注視し続けている場合に、ディスプレイへの表示を停止する技術によれば、ディスプレイの注視により運転が妨げられることを抑止することはできるが、所定時間ユーザがディスプレイを注視し続けた後は、ディスプレイを用いたユーザへの情報提示が全く行えなくなってしまうため、ユーザの利便性が損なわれることとなる。
【0006】
そこで、本発明は、ディスプレイの注視が運転の妨げとならないようにユーザへの情報提示を継続的に行うことのできる車載システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題達成のために、本発明は、自動車に搭載される車載システムに、ダッシュボードに配置された第1のディスプレイと、フロントウィンドウの運転者前方位置への投影によって画像を表示する第2のディスプレイと、前記自動車の運転者の注視点を検出する注視点検出部と、前記第1のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースを提供するユーザインタフェース制御部とを備え、前記ユーザインタフェース制御部において、前記自動車の走行中、前記第1のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースを提供しているときに、前記注視点検出部が検出した前記運転者の注視点が前記第1のディスプレイの表示画面上の位置である時間が所定時間長以上継続した場合に、前記第1のディスプレイの表示を停止し、前記第1のディスプレイの表示に代えて前記第2のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースの提供を開始するようにしたものである。
【0008】
このような車載システムによれば、運転者であるユーザが、ダッシュボードに配置された第1のディスプレイを所定時間長以上見続けた場合には、第1のディスプレイの表示を停止し、ユーザが長時間、第1のディスプレイを注視することによって運転が妨げられるのを抑止することができる。一方で、第1のディスプレイの表示を停止すると共に、フロントウィンドウの運転者前方位置への投影によって画像を表示する第2のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースの提供を開始する。ここで、第2のディスプレイへの表示は、画像が運転者から見てフロントウィンドウ方向に通常半透明に表示されるものであるため、運転者の自動車前方の周辺確認を大きく妨げることはない。
【0009】
よって、本発明によれば、ディスプレイの注視が運転の妨げとならないようにユーザへの情報提示を継続的に行うことができるようになる。
ここで、このような車載システムは、前記ユーザインタフェース制御部において、前記第2のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースの提供を開始する際に、前記第1のディスプレイの表示の停止前に前記第1のディスプレイに表示していた表示画面と同じ表示画面を前記第2のディスプレイに表示するように構成してもよい。
【0010】
または、このような車載システムは、前記ユーザインタフェース制御部において、前記第2のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースの提供を開始する際に、前記第1のディスプレイの表示の停止前に前記第1のディスプレイに表示していた情報を、前記第1のディスプレイの当該情報の表示の形態とは異なる形態で前記第2のディスプレイに表示するように構成してもよい。
【0011】
または、このような車載システムは、前記ユーザインタフェース制御部において、前記第2のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースの提供を開始する際に、前記第1のディスプレイの表示の停止前に前記第1のディスプレイに表示していた内容の一部のみを前記第2のディスプレイに表示するように構成してもよい。
【0012】
または、この場合には、前記ユーザインタフェース制御部において、前記第2のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースの提供を開始する際に、前記第1のディスプレイの表示の停止前に当該第1のディスプレイに第1の表示形態で表示していた情報を、前記第1の表示形態よりも簡略化した第2の表示形態で、前記第2のディスプレイに表示するようにしてもよい。
【0013】
または、この場合には、前記ユーザインタフェース制御部において、前記第2のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースの提供を開始する際に、前記第1のディスプレイの表示画面内の、当該第1のディスプレイの表示の停止直前に前記運転者の注視点が位置していた部分に、当該第1のディスプレイの表示の停止前に表示していた内容を、前記第2のディスプレイに表示するようにしてもよい。
【0014】
または、この場合には、前記ユーザインタフェース制御部において、前記第2のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースの提供を開始する際に、前記第1のディスプレイの表示の停止前に当該第1のディスプレイに表示していた情報のうちの、最後に内容が変化した情報を前記第2のディスプレイに表示するようにしてもよい。
【0015】
または、この場合には、車載システムに、前記運転者の前記第1のディスプレイに表示された表示オブジェクト、および、前記第2のディスプレイに表示された表示オブジェクトに対する操作を受け付ける入力装置を備え、前記ユーザインタフェース制御部において、前記第2のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースの提供を開始する際に、前記第1のディスプレイの表示の停止前に当該第1のディスプレイに表示されていた表示オブジェクトのうちの、前記入力装置が当該表示の停止前に最後に操作を受け付けた表示オブジェクトを前記第2のディスプレイに表示するようにしてもよい。
【0016】
または、この場合には、車載システムに、前記運転者の前記第1のディスプレイに表示された表示オブジェクト、および、前記第2のディスプレイに表示された表示オブジェクトに対する操作を受け付ける入力装置を備え、前記ユーザインタフェース制御部において、前記第2のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースの提供を開始する際に、前記第1のディスプレイの表示の停止前に当該第1のディスプレイに表示されていた表示オブジェクトのうちの、当該表示の停止時に前記入力装置が操作の受け付けを行っていた表示オブジェクトを前記第2のディスプレイに表示するようにしてもよい。
【0017】
これらのようにすることにより、第2のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースの提供開始時に、それまで、第1のディスプレイに表示していた内容のうちの、当該時点において運転者であるユーザが注視する蓋然性の高い表示オブジェクトを含む内容のみを前記第2のディスプレイに表示し、ユーザの利便性を確保することができる。また、このように第2のディスプレイの表示内容を絞り込むことにより、第1のディスプレイに比べ表示品質の低い第2のディスプレイを用いる場合においても、表示内容の視認性を良好に確保することができる。
【0018】
また、以上の各車載システムは、前記ユーザインタフェース制御部において、前記自動車の走行中、前記第1のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースを提供しているときに、前記注視点検出部が検出した前記運転者の注視点が前記第1のディスプレイの表示画面上の位置である時間が所定時間長以上継続した場合に、前記第1のディスプレイの表示を停止することに代えて、前記第1のディスプレイに前記第2のディスプレイの利用を促す表示を行うように構成してもよい。
【0019】
または、以上の各車載システムは、前記ユーザインタフェースを、前記自動車に搭載されたAV装置もしくはナビゲーション装置のユーザインタフェースとし、前記ユーザインタフェース制御部において、前記自動車の走行中、前記第1のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースを提供しているときに、前記注視点検出部が検出した前記運転者の注視点が前記第1のディスプレイの表示画面上の位置である時間が所定時間長以上継続した場合に、前記第1のディスプレイの表示を停止することに代えて、前記第1のディスプレイの表示を、前記自動車の状態の情報の表示に切り替えるように構成してもよい。
【0020】
また、以上の各車載システムは、前記ユーザインタフェース制御部において、前記自動車の走行中、前記第1のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースを提供しているときに、前記注視点検出部が検出した前記運転者の注視点が前記第1のディスプレイの表示画面上の位置である時間が所定時間長以上継続した場合に、前記第2のディスプレイに前記第1のディスプレイの表示内容が前記第2のディスプレイの画像表示位置の方向に向かって移動するアニメーションを表示した上で、前記第1のディスプレイの表示を停止するように構成してもよい。
【0021】
また、以上の各車載システムにおいて、前記第1のディスプレイは、自動車のメータクラスタ内に配置されているものとしてよい。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明によれば、ディスプレイの注視が運転の妨げとならないようにユーザへの情報提示を継続的に行うことのできる車載システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る車載システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る車載システムの表示例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るGUI制御処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係る車載システムの表示例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る車載システムの表示例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る車載システムの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1aに、本実施形態に係る車載システムの構成を示す。
車載システムは、自動車に搭載されるシステムであり、図示するように、メータクラスタディスプレイ1、ヘッドアップディスプレイ2、入力装置3、GUI制御部4、視線検出センサ5、車両状態検出部6、車載機器7とを備えている。
ここで、車両状態検出部6は、自動車の走行/駐停車状態や、操舵状態などの車両状態を検出する。なお、車両状態検出部6は、自動車のECUより車両状態を取得するものあってもよい。
また、図1b、cに示すように、メータクラスタディスプレイ1はダッシュボードのメータクラスタ(計器盤)内に配置されたディスプレイであり、ヘッドアップディスプレイ2は、フロントウインドウのメータクラスタ上方の領域21に画像を投影するディスプレイである。また、入力装置3は、ステアリングホイールに配列されたボタン31によりユーザ操作を受け付ける装置であり、視線検出センサ5は、カメラ51で撮影した運転者であるユーザの頭部の画像を解析してユーザの視線方向を検出するセンサである。
【0025】
そして、車載機器7は、AV装置やナビゲーション装置などのカーアクセサリ装置であり、GUI制御部4は、これらの車載機器7の、メータクラスタディスプレイ1とヘッドアップディスプレイ2と入力装置3を用いたGUI(Graphical User Interface)を制御する。ここで、GUI制御部4は、CPUやメモリなどの周辺デバイスを備えたコンピュータを用いて構成されるものであってよく、この場合、GUI制御部4の各処理は、所定のプログラムをコンピュータが実行することにより実現される。
【0026】
ここで、本実施形態では、ユーザに提供するGUIのモードであるGUIモードとして、メータクラスタディスプレイ表示モードと、ヘッドアップディスプレイ表示モードとを設けている。
メータクラスタディスプレイ1の表示画面を符号100、ヘッドアップディスプレイ2の表示画面を符号200で表すものとして、メータクラスタディスプレイ表示モードは、図2a1に示すように、ヘッドアップディスプレイ2への表示を行わずに、メータクラスタディスプレイ1の表示と入力装置3を用いたGUIを提供するモードである。
【0027】
また、ヘッドアップディスプレイ表示モードは、図2a2に示すように、メータクラスタディスプレイ1への表示を行わずに、ヘッドアップディスプレイ2の表示と入力装置3を用いたGUIを提供するモードである。
以下、このような車載システムにおいてGUI制御部4が、前記車両状態検出部6によって自動車の走行中であることが検出されている期間中行うGUI制御処理について説明する。
図3に、このGUI制御処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、まず、メータクラスタディスプレイ表示モードを設定し(ステップ302)、メータクラスタディスプレイ1の表示と入力装置3を用いたユーザインタフェースを提供を開始する。
そして、視線検出センサ5が検出するユーザの視線方向より算出されるユーザの注視点が、メータクラスタディスプレイ1の表示画面上の位置となるのを待つ(ステップ304)。
そして、ユーザの注視点がメータクラスタディスプレイ1の表示画面上の位置となったならば、所定のタイムアウト時間(たとえば、1.5秒)を持つタイマをスタートする(ステップ306)。
そして、ユーザの注視点のメータクラスタディスプレイ1の表示画面外への移動の発生(ステップ308)と、タイマのタイムアウトの発生(ステップ310)とを監視し、タイマのタイムアウトの発生(ステップ310)前に注視点のメータクラスタディスプレイ1の表示画面外への移動が発生したらならば(ステップ308)、ステップ304に戻り、次に、ユーザの注視点がメータクラスタディスプレイ1の表示画面上の位置となるのを待つ。
【0028】
一方、ユーザの注視点のメータクラスタディスプレイ1の表示画面外への移動の発生(ステップ308)前に、タイマのタイムアウトが発生した場合(ステップ310)、すなわち、ユーザがメータクラスタディスプレイ1をタイムアウト時間以上注視し続けている場合には、ヘッドアップディスプレイ表示アイテムを設定する(ステップ312)。ここで、設定するヘッドアップディスプレイ表示アイテムについては後述する。
【0029】
そして、ヘッドアップディスプレイ表示モードを設定して、メータクラスタディスプレイ1の表示を停止し、設定されているヘッドアップディスプレイ表示アイテムの表示をヘッドアップディスプレイ2の初期表示として、ヘッドアップディスプレイ2の表示と入力装置3を用いたユーザインタフェースを提供を開始する。(ステップ314)。
【0030】
そして、所定のGUIモード復帰イベントが発生するのを待ち(ステップ316)、GUIモード復帰条件が満たされたならばステップ302に戻って、メータクラスタディスプレイ表示モードを設定し、ステップ304以降の処理を上述のように行う。
ここで、ステップ316で用いるGUIモード復帰イベントとしては、ヘッドアップディスプレイ表示モードの設定から所定時間(たとえば、1秒)の経過時におけるユーザの注視点がヘッドアップディスプレイ2及びメータクラスタディスプレイ1の表示画面外の位置であることや、ヘッドアップディスプレイ2の表示画面上の位置からヘッドアップディスプレイ2の表示画面外の位置への移動などを用いることができる。
【0031】
以上、GUI制御部4が行うGUI制御処理について説明した。
以下、このようなGUI制御処理の処理例を、ステップ312で設定するヘッドアップディスプレイ表示アイテムの例と共に示す。
いま、図2aは、ヘッドアップディスプレイ表示アイテムとして、GUIモードのヘッドアップディスプレイ表示モードへの切り替え時のメータクラスタディスプレイ1の表示内容の全てを設定する場合のGUI制御処理の処理例を示したものである。
この場合、図2a1に示すようにメータクラスタディスプレイ表示モードにおいて、ヘッドアップのディスプレイの表示を停止し、メータクラスタディスプレイ1に、自動車の状態(車速、エンジン回転数)の表示画面110と、車載機器7であるAV装置のGUI画面120を表示している状態において、ユーザのメータクラスタディスプレイ1の表示画面の所定時間以上の注視の継続が検知されると、GUIモードはヘッドアップディスプレイ表示モードに切り替えられる。
【0032】
そして、GUIモードがヘッドアップディスプレイ表示モードに切り替えられると、図2a2に示すようにメータクラスタディスプレイ1の表示は停止され、ヘッドアップディスプレイ表示モードへの切替時にヘッドアップディスプレイ表示アイテムとして設定されている、図2a1のメータクラスタディスプレイ1の表示内容の全てがヘッドアップディスプレイ2に表示される。
【0033】
次に、図2bは、ヘッドアップディスプレイ表示アイテムとして、GUIモードのヘッドアップディスプレイ表示モードへの切り替え時のメータクラスタディスプレイ1の表示内容を、たとえば、その一部のみを抽出することにより簡略化した内容を設定する場合のGUI制御処理の処理例を示したものである。
【0034】
この場合、図2b1に示すようにメータクラスタディスプレイ表示モードにおいて、ヘッドアップのディスプレイの表示を停止し、メータクラスタディスプレイ1に、自動車の状態(車速、エンジン回転数)の表示画面110と、車載機器7であるAV装置のGUI画面120を表示している状態において、ユーザのメータクラスタディスプレイ1の表示画面の所定時間以上の注視の継続が検知されると、GUIモードはヘッドアップディスプレイ表示モードに切り替えられる。
【0035】
そして、GUIモードがヘッドアップディスプレイ表示モードに切り替えられると、図2b2に示すように、メータクラスタディスプレイ1の表示は停止され、ヘッドアップディスプレイ表示モードへの切替時にヘッドアップディスプレイ表示アイテムとして設定されている、図2b1のメータクラスタディスプレイ1の表示内容を簡略して表す内容がヘッドアップディスプレイ2に表示される。
【0036】
ここで、図2b2は、ヘッドアップディスプレイ表示モードへの切替時にヘッドアップディスプレイ表示アイテムとして、図2b1のメータクラスタディスプレイ1の表示内容のうちの、自動車の状態の表示画面110の表示内容と、AV装置のGUI画面120に含まれる再生中の楽曲のタイトルとアートワーク(ジャケット写真)を設定した場合を示している。
【0037】
なお、図2bに示すようにGUI制御処理を行う場合には、メータクラスタディスプレイ1の表示画面毎に、当該表示画面においてユーザが注視している蓋然性の大きいと考えられる部分を、当該表示画面が表示されていたときにヘッドアップディスプレイ表示モードへの切替が行われた場合に、ヘッドアップディスプレイ表示アイテムとして選定する部分として予め設定しておく。そして、当該設定に従って、メータクラスタディスプレイ1の表示内容のうちのいずれの項目を、ヘッドアップディスプレイ表示アイテムとして選定するかを決定するようにする。
【0038】
次に、図4aは、ヘッドアップディスプレイ表示アイテムとして、GUIモードのヘッドアップディスプレイ表示モードへの切り替え時のメータクラスタディスプレイ1の表示内容のうちの、ユーザが注視していた部分を設定する場合のGUI制御処理の処理例を示したものである。なお、ヘッドアップディスプレイ2の表示内容のうちの、ユーザが注視していた部分は、視線検出センサ5が検出するユーザの視線方向より算出されるユーザの注視点より算定する。
【0039】
この場合、図4a1に示すようにメータクラスタディスプレイ表示モードにおいて、ヘッドアップのディスプレイの表示を停止し、メータクラスタディスプレイ1に、車載機器7であるナビゲーション装置の、目的地までの距離と目的地到着予想時刻を表す目的地情報画面130と、地図上で現在位置や目的地を表した案内画面140を表示している状態において、ユーザのメータクラスタディスプレイ1の表示画面の所定時間以上の注視の継続が検知されると、GUIモードはヘッドアップディスプレイ表示モードに切り替えられる。
【0040】
そして、GUIモードがヘッドアップディスプレイ表示モードに切り替えられると、メータクラスタディスプレイ1の表示は停止され、ヘッドアップディスプレイ表示モードへの切替時にヘッドアップディスプレイ表示アイテムとして設定されている、図4a1のメータクラスタディスプレイ1の表示内容のうちのユーザが注視していた部分を表す内容がヘッドアップディスプレイ2に表示される。
【0041】
すなわち、ユーザが、ヘッドアップディスプレイ表示モードへの切替前に、図4a1のメータクラスタディスプレイ1の表示内容のうちの目的地情報画面130上の位置を注視していた場合には、たとえば、図4a1のメータクラスタディスプレイ1の表示内容のうちの、目的地情報画面130がヘッドアップディスプレイ表示アイテムとして設定され、ヘッドアップディスプレイ表示モードへの切替後は、図4a2に示すように、目的地情報画面130の内容がヘッドアップディスプレイ2に表示される。
【0042】
また、ユーザが、ヘッドアップディスプレイ表示モードへの切替前に、図4a1のメータクラスタディスプレイ1の表示内容のうちの案内画面140上の位置を注視していた場合には、たとえば、図4a1のメータクラスタディスプレイ1の表示内容のうちの、案内画面140がヘッドアップディスプレイ表示アイテムとして設定され、ヘッドアップディスプレイ表示モードへの切替後は、図4a3に示すように、案内画面140内容がヘッドアップディスプレイ2に表示される。
【0043】
次に、図4bは、ヘッドアップディスプレイ表示アイテムとして、GUIモードのヘッドアップディスプレイ表示モードへの切り替え時のヘッドアップディスプレイ2の表示内容のうちの、ユーザが注視していた部分を簡略化した内容を設定する場合のGUI制御処理の処理例を示したものである。
【0044】
この場合、図4b1に示すようにメータクラスタディスプレイ表示モードにおいて、ヘッドアップのディスプレイの表示を停止し、メータクラスタディスプレイ1に、車載機器7であるナビゲーション装置の、地図上で現在位置や目的地を表した案内画面150と、接近している交差点の進路を表した交差点拡大画面160を表示している状態において、ユーザのメータクラスタディスプレイ1の表示画面の所定時間以上の注視の継続が検知されると、GUIモードはヘッドアップディスプレイ表示モードに切り替えられる。
【0045】
そして、GUIモードがヘッドアップディスプレイ表示モードに切り替えられると、メータクラスタディスプレイ1の表示は停止され、ヘッドアップディスプレイ表示モードへの切替時にヘッドアップディスプレイ表示アイテムとして設定されている、図4b1のメータクラスタディスプレイ1の表示内容のうちのユーザが注視していた部分を簡略化して表す内容がヘッドアップディスプレイ2に表示される。
【0046】
すなわち、ユーザが、ヘッドアップディスプレイ表示モードへの切替前に、図4b1のメータクラスタディスプレイ1の表示内容のうちの交差点拡大画面160を注視していた場合には、図4b1のメータクラスタディスプレイ1の表示内容のうちの、交差点拡大画面160の内容を簡略化して表した内容がヘッドアップディスプレイ表示アイテムとして設定され、ヘッドアップディスプレイ表示モードへの切替後は、図4b2に示すように、交差点拡大画面160の内容を簡略化して表した内容がヘッドアップディスプレイ2に表示される。
【0047】
なお、図4b2では、図4b1の交差点拡大画面160において、交差点形状を模式的に表した図形上に進路や周辺施設を表している図形部分を、進路変更方向を表す矢印のみに簡略化することにより、図4b1の交差点拡大画面160の内容を簡略化している。
次に、図5aは、ヘッドアップディスプレイ表示アイテムとして、ヘッドアップディスプレイ2の表示内容のうちの、GUIモードのヘッドアップディスプレイ表示モードへの切り替え時の直前に行われたユーザ操作や、メータクラスタディスプレイ1の表示内容の変更に関係する部分を設定する場合のGUI制御処理の処理例を示したものである。
【0048】
この場合、図5a1に示すようにメータクラスタディスプレイ表示モードにおいて、ヘッドアップのディスプレイの表示を停止し、メータクラスタディスプレイ1に、車載機器7であるAV装置のGUI画面を表示した状態において、再生する楽曲を一つ進める再生スキップボタン1701のユーザ操作が発生し、メータクラスタディスプレイ1のAV装置のGUI画面が図5a2に示すように変化した後、ユーザ操作やGUI画面の変化が生じることなく、ユーザのメータクラスタディスプレイ1の表示画面の所定時間以上の注視の継続が検知されると、GUIモードはヘッドアップディスプレイ表示モードに切り替えられる。
【0049】
そして、GUIモードがヘッドアップディスプレイ表示モードに切り替えられると、メータクラスタディスプレイ1の表示は停止されヘッドアップディスプレイ表示モードへの切替時にヘッドアップディスプレイ表示アイテムとして設定されている、図5a2のメータクラスタディスプレイ1の表示内容のうちの、直前に行われたユーザ操作や、ヘッドアップディスプレイ2の表示内容の変更に関係する部分がヘッドアップディスプレイ2に表示される。
【0050】
すなわち、たとえば、図5a3に示すように、図5a2のメータクラスタディスプレイ1の表示内容のうちの、メータクラスタディスプレイ1の直前に表示内容が変化した再生中楽曲のタイトルが、ヘッドアップディスプレイ表示アイテムとして設定され、ヘッドアップディスプレイ表示モードへの切替後にヘッドアップディスプレイ2に表示される。
【0051】
または、たとえば、図5a4に示すように、図5a2のメータクラスタディスプレイ1の表示内容のうちの、直前にユーザ操作された再生スキップボタン1701と同様の再生制御用の各種ボタンと、直前の再生スキップボタン1の操作によって表示内容が変化した再生中楽曲のタイトルとがヘッドアップディスプレイ表示アイテムとして設定されて、ヘッドアップディスプレイ表示モードへの切替後にヘッドアップディスプレイ2に表示される。
【0052】
なお、メータクラスタディスプレイ1の表示内容のうちのいずれの内容を、ユーザ操作や、ヘッドアップディスプレイ2の表示内容の変更に関係する部分(ヘッドアップディスプレイ表示アイテムとする部分)とするかは、予め、メータクラスタディスプレイ1の表示画面、ユーザ操作、メータクラスタディスプレイ1の表示画面の変化内容毎に定めておく。
【0053】
次に、図5bは、ヘッドアップディスプレイ表示アイテムとして、ヘッドアップディスプレイ2の表示内容のうちの、GUIモードのヘッドアップディスプレイ表示モードへの切り替え時にユーザ操作対象となっていた部分を設定する場合のGUI制御処理の処理例を示したものである。
【0054】
この場合、図5b1に示すようにメータクラスタディスプレイ表示モードにおいて、ヘッドアップのディスプレイの表示を停止し、メータクラスタディスプレイ1に、車載機器7であるAV装置のGUI画面に楽曲のリスト1801を表示し、当該リスト1801の操作を受け付けている状態において、ユーザのメータクラスタディスプレイ1の表示画面の所定時間以上の注視の継続が検知されると、GUIモードはヘッドアップディスプレイ表示モードに切り替えられる。
【0055】
そして、GUIモードがヘッドアップディスプレイ表示モードに切り替えられると、メータクラスタディスプレイ1の表示は停止され、ヘッドアップディスプレイ表示モードへの切替時にヘッドアップディスプレイ表示アイテムとして設定されている、図5b1のメータクラスタディスプレイ1の表示内容のうちの、ユーザ操作対象となっていた部分がヘッドアップディスプレイ2に表示される。
【0056】
すなわち、たとえば、図5b2に示すように、図5b1のメータクラスタディスプレイ1の表示内容のうちの、ヘッドアップディスプレイ表示モードへの切替時にユーザ操作を受け付けていた楽曲のリスト1801の部分がヘッドアップディスプレイ表示アイテムとして設定され、ヘッドアップディスプレイ表示モードへの切替後にヘッドアップディスプレイ2に表示される。
【0057】
以上、図2b、図4、5に示したようにヘッドアップディスプレイ表示モードへの切替時に、ヘッドアップディスプレイ2に表示する内容を、メータクラスタディスプレイ1にそれまで表示していた内容の一部のみに絞り込むことにより、メータクラスタディスプレイ1に比べ一般的に表示品質の低いヘッドアップディスプレイ2においても良好な視認性を保てるように、その表示を行うことができるようになる。また、図2b、図4、5に示したようにヘッドアップディスプレイ表示モードへの切替時に、ヘッドアップディスプレイ2に表示する内容を選定することにより、ヘッドアップディスプレイ2に、メータクラスタディスプレイ1にそれまで表示していた内容のうち、ユーザが注視する蓋然性の大きい部分を表示し、ユーザの利便性を確保することができる。
【0058】
以上、GUI制御部4が行うGUI制御処理の処理例について説明した。
ところで、以上では、ヘッドアップディスプレイ表示モード時に、メータクラスタディスプレイ1の表示を停止したが、これは、たとえば、図6aに示すように、ヘッドアップディスプレイ表示モード時にも、メータクラスタディスプレイ1に、ユーザが注視し続ける可能性のおよそ無い項目の表示を行うようにしてもよい。
【0059】
ここで、図6aは、ユーザが注視し続ける可能性のおよそ無い項目として、自動車の車速とエンジンの回転数をヘッドアップディスプレイ表示モード時にヘッドアップディスプレイ2に表示しているようすを表している。
または、ヘッドアップディスプレイ表示モード時に、メータクラスタディスプレイ1に、図6bに示すように、メータクラスタディスプレイ1の利用を促すメッセージを表示するようにしてもよい。
また、GUIモードのメータクラスタ表示モードからヘッドアップディスプレイ表示モードへの切替時に、図6cに示すように、メータクラスタディスプレイ1の表示内容が、図1cに示したヘッドアップディスプレイ2の画像投影領域21に向かう方向にメータクラスタディスプレイ1の表示画面外まで移動するようすを表すアニメーションを、メータクラスタディスプレイ1に表示し、ユーザの注視点のヘッドアップディスプレイ2の表示画面への移動を誘導するようにしてもよい。
【0060】
また、この場合には、図6dに示すように、メータクラスタディスプレイ1の表示内容を縮小した上で、ヘッドアップディスプレイ2の画像投影領域21に向かう方向にメータクラスタディスプレイ1の表示画面外まで移動するようすを表すアニメーションを、メータクラスタディスプレイ1に表示するようにしてもよい。
【0061】
以上、本発明の実施形態について説明した。
なお、以上の実施形態は、メータクラスタラスタに配置したメータクラスタディスプレイ1に代えて、ダッシュボードのセンタークラスタに配置したディスプレイ(所謂、インダッシュディスプレイ等)を用いるようにしてもよい。
さて、以上のように本実施形態によれば、運転者であるユーザが、メータクラスタディスプレイ1を所定時間長以上見続けた場合には、メータクラスタの表示を停止し、ユーザが長時間、メータクラスタディスプレイ1を注視することによって運転が妨げられるのを抑止することができる。一方で、メータクラスタディスプレイ1の表示を停止すると共に、フロントウィンドウの運転者前方位置への投影によって画像を表示するヘッドアップディスプレイ2の表示を用いたGUIの提供を開始する。ここで、ヘッドアップディスプレイ2への表示は、画像が運転者から見てフロントウィンドウ方向に通常半透明に表示されるものであるため、運転者の自動車前方の周辺確認を大きく妨げることはない。
【0062】
よって、本実施形態によれば、ディスプレイの注視が運転の妨げとならないようにユーザへの情報提示を継続的に行うことができるようになる。
【符号の説明】
【0063】
1…メータクラスタディスプレイ、2…ヘッドアップディスプレイ、3…入力装置、4…GUI制御部、5…視線検出センサ、6…車両状態検出部、7…車載機器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車に搭載される車載システムであって、
ダッシュボードに配置された第1のディスプレイと、
フロントウィンドウの運転者前方位置への投影によって画像を表示する第2のディスプレイと、
前記自動車の運転者の注視点を検出する注視点検出部と、
前記第1のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースを提供するユーザインタフェース制御部とを有し、
前記ユーザインタフェース制御部は、前記自動車の走行中、前記第1のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースを提供しているときに、前記注視点検出部が検出した前記運転者の注視点が前記第1のディスプレイの表示画面上の位置である時間が所定時間長以上継続した場合に、前記第1のディスプレイの表示を停止し、前記第1のディスプレイの表示に代えて前記第2のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースの提供を開始することを特徴とする車載システム。
【請求項2】
請求項1記載の車載システムであって、
前記ユーザインタフェース制御部は、前記第2のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースの提供を開始する際に、前記第1のディスプレイの表示の停止前に前記第1のディスプレイに表示していた表示画面と同じ表示画面を前記第2のディスプレイに表示することを特徴とする車載システム。
【請求項3】
請求項1記載の車載システムであって、
前記ユーザインタフェース制御部は、前記第2のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースの提供を開始する際に、前記第1のディスプレイの表示の停止前に前記第1のディスプレイに表示していた情報を、前記第1のディスプレイの当該情報の表示の形態とは異なる形態で前記第2のディスプレイに表示することを特徴とする車載システム。
【請求項4】
請求項1記載の車載システムであって、
前記ユーザインタフェース制御部は、前記第2のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースの提供を開始する際に、前記第1のディスプレイの表示の停止前に前記第1のディスプレイに表示していた内容の一部のみを前記第2のディスプレイに表示することを特徴とする車載システム。
【請求項5】
請求項4記載の車載システムであって、
前記ユーザインタフェース制御部は、前記第2のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースの提供を開始する際に、前記第1のディスプレイの表示の停止前に当該第1のディスプレイに第1の表示形態で表示していた情報を、前記第1の表示形態よりも簡略化した第2の表示形態で、前記第2のディスプレイに表示することを特徴とする車載システム。
【請求項6】
請求項4記載の車載システムであって、
前記ユーザインタフェース制御部は、前記第2のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースの提供を開始する際に、前記第1のディスプレイの表示画面内の、当該第1のディスプレイの表示の停止直前に前記運転者の注視点が位置していた部分に、当該第1のディスプレイの表示の停止前に表示していた内容を、前記第2のディスプレイに表示することを特徴とする車載システム。
【請求項7】
請求項4記載の車載システムであって、
前記ユーザインタフェース制御部は、前記第2のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースの提供を開始する際に、前記第1のディスプレイの表示の停止前に当該第1のディスプレイに表示していた情報のうちの、最後に内容が変化した情報を前記第2のディスプレイに表示することを特徴とする車載システム。
【請求項8】
請求項4記載の車載システムであって、
前記運転者の前記第1のディスプレイに表示された表示オブジェクト、および、前記第2のディスプレイに表示された表示オブジェクトに対する操作を受け付ける入力装置を備え、
前記ユーザインタフェース制御部は、前記第2のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースの提供を開始する際に、前記第1のディスプレイの表示の停止前に当該第1のディスプレイに表示されていた表示オブジェクトのうちの、前記入力装置が当該表示の停止前に最後に操作を受け付けた表示オブジェクトを前記第2のディスプレイに表示することを特徴とする車載システム。
【請求項9】
請求項4記載の車載システムであって、
前記運転者の前記第1のディスプレイに表示された表示オブジェクト、および、前記第2のディスプレイに表示された表示オブジェクトに対する操作を受け付ける入力装置を備え、
前記ユーザインタフェース制御部は、前記第2のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースの提供を開始する際に、前記第1のディスプレイの表示の停止前に当該第1のディスプレイに表示されていた表示オブジェクトのうちの、当該表示の停止時に前記入力装置が操作の受け付けを行っていた表示オブジェクトを前記第2のディスプレイに表示することを特徴とする車載システム。
【請求項10】
請求項1記載の車載システムであって、
前記ユーザインタフェース制御部は、前記自動車の走行中、前記第1のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースを提供しているときに、前記注視点検出部が検出した前記運転者の注視点が前記第1のディスプレイの表示画面上の位置である時間が所定時間長以上継続した場合に、前記第1のディスプレイの表示を停止することに代えて、前記第1のディスプレイに前記第2のディスプレイの利用を促す表示を行うことを特徴とする車載システム。
【請求項11】
請求項1記載の車載システムであって、
前記ユーザインタフェースは、前記自動車に搭載されたAV装置もしくはナビゲーション装置のユーザインタフェースであり、
前記ユーザインタフェース制御部は、前記自動車の走行中、前記第1のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースを提供しているときに、前記注視点検出部が検出した前記運転者の注視点が前記第1のディスプレイの表示画面上の位置である時間が所定時間長以上継続した場合に、前記第1のディスプレイの表示を停止することに代えて、前記第1のディスプレイの表示を、前記自動車の状態の情報の表示に切り替えることを特徴とする車載システム。
【請求項12】
請求項1記載の車載システムであって、
前記ユーザインタフェース制御部は、前記自動車の走行中、前記第1のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースを提供しているときに、前記注視点検出部が検出した前記運転者の注視点が前記第1のディスプレイの表示画面上の位置である時間が所定時間長以上継続した場合に、前記第2のディスプレイに前記第1のディスプレイの表示内容が前記第2のディスプレイの画像表示位置の方向に向かって移動するアニメーションを表示した上で、前記第1のディスプレイの表示を停止することを特徴とする車載システム。
【請求項13】
請求項1記載の車載システムであって、
前記第1のディスプレイは、自動車のメータクラスタ内に配置されていることを特徴とする車載システム。
【請求項14】
ダッシュボードに配置された第1のディスプレイと、フロントウィンドウの運転者前方位置への投影によって画像を表示する第2のディスプレイと、前記自動車の運転者を撮影するカメラを備えた自動車に搭載されるコンピュータによって実行されるコンピュータプログラムであって、
当該コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、
前記カメラの撮影映像より、自動車の運転者の注視点を検出する注視点検出部と、
前記第1のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースを提供するユーザインタフェース制御部として機能させ、
前記ユーザインタフェース制御部は、前記自動車の走行中、前記第1のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースを提供しているときに、前記注視点検出部が検出した前記運転者の注視点が前記第1のディスプレイの表示画面上の位置である時間が所定時間長以上継続した場合に、前記第1のディスプレイの表示を停止し、前記第1のディスプレイの表示に代えて前記第2のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースの提供を開始することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項15】
請求項14記載のコンピュータプログラムであって、
前記ユーザインタフェース制御部は、前記第2のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースの提供を開始する際に、前記第1のディスプレイの表示の停止前に前記第1のディスプレイに表示していた表示画面と同じ表示画面を前記第2のディスプレイに表示することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項16】
請求項14記載のコンピュータプログラムであって、
前記ユーザインタフェース制御部は、前記第2のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースの提供を開始する際に、前記第1のディスプレイの表示の停止前に前記第1のディスプレイに表示していた情報を、前記第1のディスプレイの当該情報の表示の形態とは異なる形態で前記第2のディスプレイに表示することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項17】
請求項14記載のコンピュータプログラムであって、
前記ユーザインタフェース制御部は、前記第2のディスプレイの表示を用いたユーザインタフェースの提供を開始する際に、前記第1のディスプレイの表示の停止前に前記第1のディスプレイに表示していた内容の一部のみを前記第2のディスプレイに表示することを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−20334(P2013−20334A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151599(P2011−151599)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】