説明

車載データ再生装置、および、データ再生方法

【課題】 車両の現在位置に対応して、ユーザ所望の映像または音声を再生できるようにする。
【解決手段】 ディスク型記録媒体11に記録された音声ファイルを読み出して再生する車載オーディオ装置10において、車載オーディオ装置10を搭載した位置と、当該位置において再生する音声ファイルのファイル名とを含む再生方法指定データを取得し、位置情報検出部110によって車両の現在位置を検出し、検出した現在位置に対応する再生方法指定データがある場合には、その再生方法指定データに含まれるファイル名に対応する音声ファイルを読み出して再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される車載データ再生装置、および、この車載データ再生装置におけるデータ再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載されるナビゲーション装置において、地図や経路案内の画面とともに、車両の現在位置に応じて映像を出力するものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平8−180593号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述したように車両の現在位置に応じて映像を出力する際には、車両の位置に応じて処理される地図データと、この地図データに埋め込まれた情報に基づいて読み出される映像データとが別のCD−ROMに記録され、これらCD−ROMは各々対応する一組のものとして提供される必要がある。すなわち、ナビゲーション機能において利用する地図データと、車両の位置に応じて出力される映像等のデータとが、いずれも、上記ナビゲーション装置のために用意された専用のものとなっていた。このため、上記機能を利用しようとするユーザは専用のデータを購入しなければならず、データが高価な上に映像等の選択肢が少ないという問題があった。
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、映像または音声を再生する車載データ再生装置において、車両の現在位置に対応して映像または音声を再生する機能を備え、この機能によりユーザが所望の映像または音声を再生できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、車両に搭載され、映像データまたは音声データを含むマルチメディアファイルが記録された記録媒体から、前記マルチメディアファイルを読み出して再生する車載データ再生装置において、前記記録媒体に記録されたマルチメディアファイルのファイル名と、特定の位置を示す位置情報とを含む再生情報を取得する再生情報取得手段と、前記車両の現在位置を検出する位置検出手段と、を備え、前記記録媒体から前記マルチメディアファイルを読み出して再生するとともに、前記位置検出手段により検出された位置に対応する位置情報を含む前記再生情報がある場合には、既に再生中の前記マルチメディアファイルの再生を停止して、当該再生情報に含まれるファイル名に対応するマルチメディアファイルを再生することを特徴としている。
【0006】
本発明において、前記再生情報取得手段は、前記記録媒体に前記マルチメディアファイルとともに当該記録媒体に記録された前記マルチメディアファイルのファイル名と位置情報とを含む前記再生情報が記録されている場合に、この再生情報を読み出すものとしてもよい。
【0007】
また、本発明において、所定の鍵情報が入力される入力部をさらに備え、前記記録媒体に、暗号化された前記マルチメディアファイルと前記再生情報とが記録されている場合に、これら前記マルチメディアファイルと前記再生情報とを読み出して、前記入力部により入力された鍵情報を用いて復号する構成としてもよい。
【0008】
さらに、本発明において、前記再生情報取得手段は、前記記録媒体とは別体として構成される可搬型記録媒体に記録された前記再生情報を取得するものとしてもよい。
【0009】
さらにまた、本発明において、前記再生情報が、一つの位置を示す位置情報と複数の前記マルチメディアファイルのファイル名とを含んでいる場合には、これら複数のファイル名に対応する前記マルチメディアファイルを順次再生するようにしてもよい。
【0010】
また、本発明において、前記再生情報に含まれるファイル名に対応する前記マルチメディアファイルを再生した後に、前記位置検出手段によって前回検出された位置と同じ位置が検出された場合には、その位置に対応する位置情報に基づく前記マルチメディアファイルの再生を行わないようにしてもよい。
【0011】
本発明のデータ再生方法は、車両に搭載される車載データ再生装置によって、映像データまたは音声データを含むマルチメディアファイルが記録された記録媒体から前記マルチメディアファイルを読み出して再生するデータ再生方法であって、前記記録媒体に記録されたマルチメディアファイルのファイル名と、特定の位置を示す位置情報とを含む再生情報を取得し、前記車両の現在位置を検出し、前記記録媒体から前記マルチメディアファイルを読み出して再生するとともに、検出された前記車両の現在位置に対応する位置情報を含む前記再生情報がある場合には、既に再生中の前記マルチメディアファイルの再生を停止して、当該再生情報に含まれるファイル名に対応するマルチメディアファイルを再生することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、記録媒体からマルチメディアファイルを読み出して再生しつつ、車両の現在位置に対応する位置情報を含む再生情報がある場合に、既に再生中のマルチメディアファイルの再生を停止して、当該再生情報に含まれるファイル名に対応するマルチメディアファイルの再生を行うので、特定の位置において特定のマルチメディアファイルを再生させることが可能となる。ここで位置およびマルチメディアファイルを決定する再生情報は、位置を示す位置情報とファイル名とを含む情報であって、ユーザが自分で作成することも可能である。従って、広く一般に流通する映像データや音楽データを含むマルチメディアファイルと再生情報とを用意すれば、ユーザが任意の位置において任意のマルチメディアファイルを再生させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明を適用した第1の実施の形態に係る車載オーディオ装置10の機能的構成を示すブロック図である。
本発明の車載データ再生装置としての車載オーディオ装置10は、本発明の記録媒体としてのディスク型記録媒体11に記録された音声ファイルを読み取り、読み取った音声ファイルに含まれるデータに基づいて音声を再生出力する。また、車載オーディオ装置10は、車載オーディオ装置10を搭載した車両の現在位置が、予め設定された位置に到達した場合には、その位置に対応づけられた別の音声ファイルを読み取って、音声を再生出力する機能を有する。
【0014】
なお、車載オーディオ装置10においては、光学的、磁気的記録媒体若しくは半導体記憶素子(フラッシュメモリ等)を用いた記録媒体を用いることが可能であるが、ここでは一例として、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM、DVD+R、DVD+RW等のディスク型記録媒体11を用いる場合について説明する。
【0015】
車載オーディオ装置10は、図1に示すように、車載オーディオ装置10の各部を制御するシステム制御部101、ディスク型記録媒体11を駆動再生するメディア駆動部102、メディア駆動部102の動作を制御する再生制御部103、再生制御部103により読み取られたファイルを取得するファイル取得部104、ファイル取得部104により取得されたファイルのうち音声ファイルを取得する音響情報取得部105、音響情報取得部105により取得された音声ファイルに基づいて音声を出力する音響情報再生部106、ファイル取得部104により取得されたファイルの中から再生方法ファイルを取得する再生方法ファイル取得部107、再生方法ファイル取得部107により取得された再生方法ファイルを一時的に記憶する再生方法ファイル一時記憶部108、再生方法ファイル一時記憶部108に記憶された再生方法ファイルを解析する再生方法ファイル解析部109、車載オーディオ装置10が搭載された車両の現在位置を検出する位置情報検出部110、および、ユーザの操作を検出して再生モードを取得する再生モード取得部111を備える。
【0016】
システム制御部101は、再生制御部103を制御することにより、メディア駆動部102におけるピックアップ移動制御、レーザー出力制御、サーボ制御等を実行させ、メディア駆動部102によってディスク型記録媒体11に記録されたファイルを読み取らせる。
ここで、ディスク型記録媒体11に記録されるファイルについて説明する。
【0017】
図2は、ディスク型記録媒体11に記録される音声ファイルの構成を模式的に示す図である。図2に示すように、ディスク型記録媒体11には1または複数のディレクトリ21が設定され、各ディレクトリ21の下に1または複数の音声ファイル23が格納される。本発明のマルチメディアファイルとしての音声ファイル23には、音楽(楽曲)の音声データを含む音楽ファイル25と、各種案内音声の音声データを含むガイド音声ファイル27とがあり、各々異なるディレクトリ21の下に格納されている。これらの音声ファイル23に含まれる音声データは、WMA(Windows(登録商標) Media Audio)形式やMP3(MPEG Audio Layer-3)形式で圧縮された音声データ、或いは、非圧縮の音声データである。
なお、図2はあくまで論理的な構成を示し、ディスク型記録媒体11の記録領域がディレクトリ21に対応して物理的に区分される必要はない。
【0018】
なお、ディスク型記録媒体11には、音声ファイル23に限らず、映像データを含むファイルを記録しておくことも可能であり、車載オーディオ装置10において、映像を表示する表示画面(図示略)を設けて、ディスク型記録媒体11に記録された映像データを再生出力する構成とすることも勿論可能である。本第1の実施の形態においては、あくまで一例として、音声ファイル23が記録されたディスク型記録媒体11を用いて、車載オーディオ装置10によって音声を再生出力する場合について説明する。
【0019】
また、ディスク型記録媒体11には、図3に示す再生方法ファイル12が記録される。再生方法ファイル12は、図3(a)に例示するように複数行(最小の構成では1行)からなる改行付きテキストファイルであって、音声ファイル23等の他のファイルとの区別を容易にするため、拡張子として、例えば「pos」等の独自のものが付与されている。
そして、再生方法指定データ121の各行のテキストデータは、各々独立した再生方法指定データ121となっている。
【0020】
本発明の再生情報としての再生方法指定データ121は、車載オーディオ装置10を搭載した車両の位置と、その位置で再生する音声ファイル23とを対応づけるデータであって、図3(b)に例示するように、位置情報としての緯度指定部123および経度指定部125と、ファイル指定部127とによって構成される。
【0021】
緯度指定部123は、再生方法指定データ121の先頭に位置し、上記車両の位置の緯度を指定する。図3(b)の例で、緯度指定部123は9桁のデータ「N32_34_9」となっており、これは「北緯32度34分9秒」を示す。
【0022】
経度指定部125は、再生方法指定データ121において緯度指定部123に続く位置にあり、上記車両の位置の経度を指定する。図3(b)の例では、経度指定部125は9桁のデータ「E131_39_4」となっており、これは「東経131度39分4秒」を示す。
【0023】
ファイル指定部127は、再生方法指定データ121の末尾に位置し、緯度指定部123および経度指定部125により指定される位置に対応する音声ファイル23のパス(ディレクトリ名)およびファイル名を指定するデータである。図3(b)の例では、ファイル指定部127は「\pop\music1.wma」となっている。このファイル指定部127により、図2に示すディレクトリ21「pop」に含まれる音楽ファイル25「music1.wma」が指定される。
つまり、図3(b)に例示する再生方法指定データ121は、「北緯32度34分9秒、東経131度39分4秒」の位置と、「\pop\music1.wma」の音声ファイル23とを対応づけるデータである。
【0024】
このようにディスク型記録媒体11に記録されたファイルを、メディア駆動部102は、再生制御部103の制御の下に読み取って、ファイル取得部104に対してファイル毎に出力する。
再生制御部103は、システム制御部101の制御の下、メディア駆動部102を制御して、ディスク型記録媒体11に記録された全てのファイルの読み取りを実行させ、或いは、ディスク型記録媒体11に記録されたファイルのうち特定のファイルを指定して読み取らせる。
ファイル取得部104は、メディア駆動部102から入力されるファイルが音声ファイルであるか再生方法ファイル12であるかを判別し、音声ファイル23は音響情報取得部105に出力し、再生方法ファイル12は再生方法ファイル取得部107に出力する。
【0025】
音響情報取得部105は、ファイル取得部104から入力された音声ファイル23を音響情報再生部106に出力する。音響情報再生部106は、音響情報取得部105から入力された音声ファイル23中の音声データについてデコードおよびD/A変換等の処理を行って音声信号を生成し、この音声信号を適宜増幅して、図示しないスピーカへ出力する。これにより、車載オーディオ装置10とともに車両に搭載されたスピーカ(図示略)から音声が出力される。
【0026】
また、本発明の再生情報取得手段としての再生方法ファイル取得部107は、ファイル取得部104から入力された再生方法ファイル12を再生方法ファイル一時記憶部108に出力する。再生方法ファイル一時記憶部108は、半導体記憶素子(DRAM等)により構成される記憶領域を有し、この記憶領域において、入力された再生方法ファイル12を一時的に記憶する。
再生方法ファイル解析部109は、再生方法ファイル一時記憶部108に記憶された再生方法ファイル12を解析し、再生方法ファイル12に含まれる情報をシステム制御部101に出力する。
【0027】
本発明の位置検出手段としての位置情報検出部110は、例えばGPS(Global Positioning System)受信機やジャイロセンサ等を備え、車載オーディオ装置10を搭載した車両の現在位置を所定時間毎に検出し、検出した現在位置をシステム制御部101に出力する。
【0028】
再生モード取得部111は、車載オーディオ装置10を搭載した車両に搭乗中のユーザが操作する操作部であって、ユーザによる操作に応じてシステム制御部101に操作信号を出力する。この再生モード取得部111の操作により、車載オーディオ装置10において現在位置に基づく音声の再生を行う位置情報利用モードの動作をさせるか、或いは、通常の音楽再生を行わせるかを指定できる。
【0029】
そして、システム制御部101は、再生モード取得部111の操作従って、位置情報検出部110から入力される現在位置を取得する一方、再生方法ファイル解析部109により再生方法ファイル12を解析した結果に基づいて、以下に説明するように、車載オーディオ装置10を搭載した車両の現在位置に基づく音声ファイル23の再生を行う。
【0030】
図4は、車載オーディオ装置10の動作を示すフローチャートである。
メディア駆動部102にディスク型記録媒体11がセットされると(ステップS11)、システム制御部101は、再生制御部103を制御して、メディア駆動部102およびファイル取得部104によってディスク型記録媒体11に記録された全てのファイルの検出を行わせる(ステップS12)。ここでファイルを検出する動作においては、メディア駆動部102によってディスク型記録媒体11の全記録領域がスキャンされ、ファイル取得部104によって全てのファイルが読み出され、例えば各ファイルの拡張子に基づいて再生方法ファイル12と音声ファイル23とが区別され、再生方法ファイル12が再生方法ファイル取得部107を経て再生方法ファイル一時記憶部108に記憶される。
【0031】
そして、システム制御部101は、ディスク型記録媒体11に再生方法ファイル12が記録されているか否かを判別し(ステップS13)、再生方法ファイル12が記録されていない場合(ステップS13;No)、通常のファイル再生動作を実行する(ステップS14)。通常のファイル再生動作とは、ディスク型記録媒体11に記録された音声ファイル23の全部、または、音声ファイル23のうち音楽ファイル25のみを、ファイル名の順またはディスク型記録媒体11における格納順等の所定の順序に従って再生する動作である。この通常のファイル再生動作の開始後、システム制御部101は、再生対象の全ファイルの再生が終了したか終了したか否かを判別し(ステップS15)、全ファイルの再生が終了した場合に(ステップS15;Yes)、本処理を終了する。
【0032】
一方、ディスク型記録媒体11に再生方法ファイル12が記録されている場合(ステップS13;Yes)、システム制御部101は、再生方法ファイル12が記録されている旨をユーザに通知し、ユーザが再生モード取得部111を操作して入力した指示に基づいて位置情報利用モードの動作を行うか否かを判別する(ステップS16)。
ここで、位置情報利用モードの動作を行わない場合(ステップS17;No)、システム制御部101はステップS14に移行して通常のファイル再生動作を実行する。
【0033】
また、位置情報利用モードの動作を行う場合(ステップS17;Yes)、システム制御部101は、上記した通常のファイル再生動作を開始するとともに(ステップS18)、所定の時間毎に位置情報検出部110から入力される位置情報を取得する(ステップS19)。そして、システム制御部101は、取得した位置情報に基づいて、再生方法ファイル一時記憶部108に記憶された再生方法ファイル12を再生方法ファイル解析部109により解析させる(ステップS20)。
【0034】
ここで、システム制御部101は、再生方法ファイル一時記憶部108に記憶された再生方法ファイル12の中に、ステップS18で取得した現在位置に該当する再生方法指定データ121を含む再生方法ファイル12が有るか否かを判別し(ステップS21)、該当する再生方法ファイル12が無ければ(ステップS21;No)、ステップS18の動作に戻る。
また、現在位置に該当する再生方法指定データ121を含む再生方法ファイル12があった場合(ステップS21;Yes)、システム制御部101は、その再生方法ファイル12から現在位置に対応する再生方法指定データ121を抽出し、この再生方法指定データ121のファイル指定部127により指定される音声ファイル23をディスク型記録媒体11から読み出させ、再生中の音声ファイル23の再生を停止させた後、新たに読み出した音声ファイル23の再生を開始させる(ステップS22)。詳細には、システム制御部101は再生制御部103に対して再生する音声ファイル23のパスおよびファイル名を指定し、再生制御部103は、指定されたパスおよびファイル名に基づいてメディア駆動部102およびファイル取得部104を制御して、該当する音声ファイル23を読み出させ、音響情報取得部105に出力させる。音響情報取得部105は、ファイル取得部104から入力された音声ファイル23を取得して音響情報再生部106に出力し、音響情報再生部106から音声が出力される。これにより、再生中の音声ファイル23に基づく音声出力が停止され、代わって、再生方法指定データ121により指定された音声ファイル23が再生される。
【0035】
その後、システム制御部101は、音声ファイル23の再生が終了するまで待機し(ステップS23)、再生が終了した場合にはステップS13の動作に戻る。
【0036】
なお、ステップS23において音声ファイル23の再生が終了した時点で、車載オーディオ装置10を搭載した車両の位置が、ステップS19で位置情報を取得した時点から殆ど変化していない場合がある。これは、位置情報検出部110の分解能の限界から、緯度指定部123および経度指定部125により指定される位置が特定の一点だけでなくその周辺をも含んでしまうことによる。この場合、システム制御部101の動作がステップS23からステップS18の動作に戻ることで、再び同じ音声ファイル23の再生が開始される可能性がある。本第1の実施の形態では、システム制御部101は、同じ音声ファイル23を繰り返し再生しないよう設定されている。すなわち、車両の現在位置に対応する再生方法指定データ121により指定される音声ファイル23を再生した後で、車両の現在位置に対応する再生方法指定データ121が同じものであった場合、システム制御部101は、その再生方法指定データ121に基づく音声ファイル23の再生を行わない。これにより、同じ音声ファイル23が何度も再生されないようにしている。
【0037】
また、再生モード取得部111または図示しない入力操作部における操作により、ディスク型記録媒体11の排出が指示された場合には、システム制御部101は全動作を終了してメディア駆動部102からディスク型記録媒体11を排出させる。
【0038】
以上のように、本発明を適用した第1の実施の形態に係る車載オーディオ装置10によれば、位置情報利用モードにおいて、ディスク型記録媒体11に記録された音声ファイル23を読み出して通常の再生動作を実行するとともに、ディスク型記録媒体11に記録された再生方法ファイル12を取得して、再生方法ファイル12中の再生方法指定データ121を解析し、位置情報検出部110により車載オーディオ装置10を搭載した車両の位置を検出し、検出した位置に対応する再生方法指定データ121があった場合に、その再生方法指定データ121に含まれるファイル名に対応する音声ファイル23を読み出して、既に再生中の音声ファイル23の再生を停止した上で新たに読み出した音声ファイル23を再生するので、再生方法指定データ121に含まれる情報により指定された位置において、所望の音声を再生させることができる。また、通常の再生動作において再生中の音声ファイル23の再生を停止して、再生方法指定データ121に従って音声ファイル23を再生するので、再生方法指定データ121に基づく再生を開始するタイミングを逃さず、車両の位置に応じて的確に音声を再生できる。
【0039】
さらに、再生方法指定データ121は、車両の位置を示す情報と音声ファイル23のファイル名とを対応づける情報であり、例えば改行付きのテキストファイルにより構成され、車載オーディオ装置10を搭載した車両の位置(緯度および経度)と音声ファイル23のパスおよびファイル名とを簡易な書式により記述したものである。さらに、ディスク型記録媒体11に記録される音声ファイル23は、音楽やガイド音声の音声データを、例えば周知の方法により圧縮(エンコード)したものである。従って、ユーザが音声データを加工して音声ファイル23としてディスク型記録媒体11に記録し、さらに、再生方法ファイル12を作成および編集してディスク型記録媒体11に記録することが可能である。つまり、ユーザが自分で所望の音声を任意の場所で再生させることができる。
【0040】
さらに、車載オーディオ装置10においては、ディスク型記録媒体11に記録された音声ファイル23と、再生方法ファイル12とがあれば、上記機能を実現することが可能であるから、他の装置(例えば、パーソナルコンピュータや携帯型オーディオ機器等)においても使用可能な汎用の音声ファイル23に、再生方法ファイル12を加えて用意すればよい。従って、専用のデータベース等を用いることなく、任意の音声データを利用できる。
【0041】
そして、再生方法ファイル12と音声ファイル23とが一つのディスク型記録媒体11に記録されている場合、車載オーディオ装置10は、このディスク型記録媒体11から再生方法ファイル12と音声ファイル23とを読み出して上記動作を実行する。このため、ユーザは、一つのディスク型記録媒体11を車載オーディオ装置10にセットするだけで、所望の位置において所望の音楽を再生させることができる。
【0042】
なお、上記第1の実施の形態においては、再生方法ファイル12をテキストファイルとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、車両の位置を特定する情報と、再生すべき音声ファイル23を特定する情報とが対応づけるものであれば、ファイル形式等は特に限定されない。例えば、再生方法ファイル12のファイル形式を独自の形式としても、その形式で再生方法ファイル12を編集できるように、パーソナルコンピュータ用のソフトウェアを用いれば、同様の効果が得られる。
【0043】
また、上記第1の実施の形態においては、再生方法指定データ121により、一つの音声ファイル23のみが指定される構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、再生方法指定データ121によって2以上の音声ファイル23を指定することも可能である。例えば、再生方法指定データ121のファイル指定部127(図3(b))において2以上の音声ファイル23のパスおよびファイル名を、カンマ区切り等により列記するようにしてもよい。この場合、システム制御部101は、図4のステップS22において、再生方法指定データ121により指定される複数の音声ファイル23を、ファイル指定部127における記載順またはファイル名順等の順序に従って、ディスク型記録媒体11から順次読み出して再生する動作を行えばよい。
【0044】
さらに、上記第1の実施の形態において、ディスク型記録媒体11に、再生方法ファイル12と音声ファイル23とが暗号化して記録され、車載オーディオ装置10が、暗号化された再生方法ファイル12と音声ファイル23とを復号しながら再生するものとしてもよい。以下、この場合について第2の実施の形態として説明する。
【0045】
[第2の実施の形態]
図5は、本発明を適用した第2の実施の形態に係る車載オーディオ装置13の機能的構成を示すブロック図である。なお、本第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
【0046】
図5に示す車載オーディオ装置13は、上記第1の実施の形態に係る車載オーディオ装置10と同様に構成され、さらに、入力部113を備えたものである。
入力部113は、車載オーディオ装置13を操作するユーザ(運転者を含む)が入力操作を行う操作部であり、後述するように車載オーディオ装置13が暗号化された再生方法ファイル12aおよび音声ファイル23を復号するための復号コード(鍵情報)が入力される。なお、本第2の実施の形態において、ディスク型記録媒体11に記録された12aおよび音声ファイル23は、いずれも同じ復号コードに基づく演算処理により復号可能であるものとする。
【0047】
図6には、車載オーディオ装置13において使用される再生方法ファイル12aの構成を模式的に示す。
再生方法ファイル12aは、上記第1の実施の形態に係る再生方法ファイル12(図3)と同様に複数行のテキストデータを含むテキストファイルである。再生方法ファイル12aの先頭の1行は冗長コード129となっており、2行目以降の各行が再生方法指定データ121となっている。冗長コード129は、暗号化された再生方法ファイル12aを復号した際に正しく復号されたか否かを検証するためのコードであり、所定の桁数の文字列から構成される。冗長コード129の文字列自体が意味を持つ必要はない。
システム制御部101は、暗号化されていない状態における冗長コード129の文字列を予め記憶しており、再生方法ファイル12aを復号して得られる冗長コード129の内容を予め記憶した文字列と対照することによって、復号の正否を検証できる。
【0048】
本第2の実施の形態において、ディスク型記録媒体11には、再生方法ファイル12aと音声ファイル23とが各々暗号化された状態で記録される。これら再生方法ファイル12aおよび音声ファイル23は、ディスク型記録媒体11からファイル単位で読み出すことが可能であるが、各ファイルに含まれるデータを解析或いは実行するためには、復号する必要がある。
【0049】
図7は、本第2の実施の形態に係る車載オーディオ装置13の動作を示すフローチャートである。
車載オーディオ装置13が有するシステム制御部101は、メディア駆動部102にディスク型記録媒体11がセットされると(ステップS31)、再生制御部103を制御することにより、ディスク型記録媒体11に記録された全てのファイルの検出を行わせる(ステップS32)。
【0050】
ここで、システム制御部101は、入力部113(図5)からの復号コードの入力を受け付ける(ステップS33)。そして、入力された復号コードに基づいて、再生方法ファイル一時記憶部108に記憶された再生方法ファイル12aを復号する復号処理を行い(ステップS34)、復号後の再生方法ファイル12aにおける冗長コード129(図6)について検証を行って、復号が成功したか否かを判別する(ステップS35)。
【0051】
ここで、復号に失敗した場合(ステップS35;No)、システム制御部101はステップS33の動作に戻る。復号に失敗した場合とは、例えば入力部113から入力された復号コードが適切なものでない場合、すなわち、車載オーディオ装置13を使用するユーザがディスク型記録媒体11の使用許諾を受けていない場合である。
【0052】
また、再生方法ファイル12aを正しく復号できた場合(ステップS35;Yes)、システム制御部101は、上記第1の実施の形態で説明したステップS16〜S23と同様の動作を行う。すなわち、システム制御部101は、ユーザが再生モード取得部111を操作して入力した指示に基づいて位置情報利用モードの動作を行うか否かを判別し(ステップS36)、位置情報利用モードの動作を行わない場合には(ステップS37;No)、通常のファイル再生動作を開始し(ステップS38)、この通常のファイル再生動作の開始後、再生対象の全ファイルの再生が終了したか終了したか否かを判別し(ステップS39)、全ファイルの再生が終了した場合に(ステップS39;Yes)、本処理を終了する。
【0053】
また、位置情報利用モードの動作を行う場合(ステップS37;Yes)、システム制御部101は、上記した通常のファイル再生動作を開始するとともに(ステップS40)、所定の時間毎に位置情報検出部110から入力される位置情報を取得する(ステップS41)。そして、システム制御部101は、取得した位置情報に基づいて、再生方法ファイル一時記憶部108に記憶された再生方法ファイル12を再生方法ファイル解析部109により解析させる(ステップS42)。
【0054】
ここで、システム制御部101は、再生方法ファイル一時記憶部108に記憶された再生方法ファイル12aの中に、ステップS41で取得した現在位置に該当する再生方法指定データ121を含む再生方法ファイル12aが有るか否かを判別し(ステップS43)、該当する再生方法ファイル12aが無ければ(ステップS43;No)、ステップS40の動作に戻る。
【0055】
また、現在位置に該当する再生方法指定データ121を含む再生方法ファイル12aがあった場合(ステップS43;Yes)、システム制御部101は、その再生方法ファイル12aから現在位置に対応する再生方法指定データ121を抽出し、この再生方法指定データ121のファイル指定部127により指定される音声ファイル23をディスク型記録媒体11から読み出させ、ステップS33で入力された復号コードに基づいて復号した上、再生させる(ステップS44)。このステップS44で、システム制御部101は、再生制御部103に対して再生する音声ファイル23のパスおよびファイル名を指定し、再生制御部103は、指定されたパスおよびファイル名に基づいてメディア駆動部102およびファイル取得部104を制御して、該当する音声ファイル23を読み出させ、ファイル取得部104により復号を行わせてから、音響情報取得部105に出力させる。音響情報取得部105は、ファイル取得部104から入力された音声ファイル23を取得して音響情報再生部106に出力し、音響情報再生部106は音声を出力する。
【0056】
その後、システム制御部101は、音声ファイル23の再生が終了するまで待機し(ステップS45)、再生が終了した場合にはステップS36の動作に戻る。
【0057】
また、再生モード取得部111または入力部113或いはその他の入力操作部(図示略)における操作により、ディスク型記録媒体11の排出が指示された場合には、システム制御部101は全動作を終了してメディア駆動部102からディスク型記録媒体11を排出させる。
【0058】
以上のように、本発明を適用した第2の実施の形態に係る車載オーディオ装置13によれば、上述した第1の実施の形態に係る車載オーディオ装置10の構成に加え、復号コードを入力する入力部113を設け、ディスク型記録媒体11から暗号化された再生方法ファイル12aおよび音声ファイル23を読み出して、入力部113から入力される復号コードを用いて復号するので、正しい復号コードを所有するユーザ、すなわち正規のユーザのみが、再生方法ファイル12aの再生方法指定データ121により指定される位置において音声ファイル23を再生させることが可能となる。これにより、特定のユーザに対してのみ音声ファイル23の聴取を許諾することが可能となるので、ディスク型記録媒体11を市場流通させる際の自由度を高めることができる。
また、予め、車載オーディオ装置13に固有の復号コードが用意され、この復号コードで復号可能なように、ユーザが自身で再生方法ファイル12aおよび音声ファイル23を作成して暗号化し、ディスク型記録媒体11に記録することが可能である。この場合、ユーザは、自分と、自分以外の特定のユーザのみが利用できるようにディスク型記録媒体11を作成することができるので、無関係な第三者による利用を心配することなく、ディスク型記録媒体11を作成して楽しむことができる。
【0059】
なお、上記第2の実施の形態においては、再生方法ファイル12aや音声ファイル23を復号するための復号コードが、入力部113の操作によって入力されるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ディスク型記録媒体11とは別の可搬型記録媒体に復号コードを記憶させておき、この可搬型記録媒体に記録された情報を車載オーディオ装置13において読み取って、復号を行う構成としてもよい。或いは、車載オーディオ装置13を通信回線(図示略)に接続し、この通信回線を介して、車載オーディオ装置13が他の装置(図示略)から復号コードを受信する構成としてもよい。この場合、車載オーディオ装置13を操作するユーザが復号コードを入力する手間を省くことができる。また、上記第2の実施の形態においてはディスク型記録媒体11に記録された再生方法ファイル12aと音声ファイル23とを同一の復号コードに基づいて復号できる場合について説明したが、再生方法ファイル12aと音声ファイル23とを別の復号コードにより復号するようにしてもよい。この場合、ステップS44で音声ファイル23を復号する際に、新たに入力部113により復号コードを入力するようユーザに通知して、音声ファイル23用の復号コードが入力されるようにすればよい。
【0060】
また、上記第2の実施の形態においては、ディスク型記録媒体11に記録された再生方法ファイル12aおよび音声ファイル23を、別途用意された復号コードにより復号するものとしたが、例えば、車両の位置を示す情報を復号コードとして利用することが可能である。すなわち、再生方法ファイル12aを、一つの再生方法指定データ121および冗長コード129のみを含む構成として、この再生方法ファイル12aと音声ファイル23とが、いずれも、対応する特定の位置の緯度および経度を符号化して得られる復号コードにより復号可能に暗号化されてディスク型記録媒体11に記録された構成とする。そして、車載オーディオ装置13により、位置情報検出部110によって位置が検出される毎に、検出された位置の緯度および経度を符号化して復号コードを生成し、この復号コードを用いて、ディスク型記録媒体11に記録された再生方法ファイル12aおよび音声ファイル23の復号を試みる。ここで、その位置に対応する再生方法ファイル12aおよび音声ファイル23が存在すれば、復号が成功し、その位置に対応する再生方法ファイル12aおよび音声ファイル23が読み取り可能となって、音声ファイル23が再生される。この場合、上記第2の実施の形態により得られる効果に加えて、車両が特定の位置にある場合にのみ音声ファイル23の再生が可能となるので、興趣性に富む音声再生を行える。
【0061】
さらに、上記第1および第2の実施の形態においては、ディスク型記録媒体11に、音声ファイル23とともに再生方法ファイル12、12aが記録されるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ディスク型記録媒体11とは別の可搬型の記録媒体に再生方法ファイル12、12aを記録しておくことも可能である。以下、この場合について第3の実施の形態として説明する。
【0062】
[第3の実施の形態]
図8は、本発明を適用した第3の実施の形態に係る車載オーディオ装置15の機能的構成を示すブロック図である。なお、本第3の実施の形態において、上記第1および第2の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
【0063】
図8に示す車載オーディオ装置15は、上記第1の実施の形態に係る車載オーディオ装置10と同様に構成され、さらに、記録メディア読取部115を備えたものである。
記録メディア読取部115は、光学的、磁気的記録媒体若しくは半導体記憶素子(フラッシュメモリ等)を用いて構成される可搬型の記録媒体について、データを読み取ることが可能な装置であり、車載オーディオ装置15の他の各部と同一筐体に内蔵され、或いは外部接続されるものである。なお、記録メディア読取部115により読み取り可能な記録媒体の種類について特に制限はないが、ここでは一例として、半導体記憶素子を内蔵したカード型記録媒体16(可搬型記録媒体)を用いる場合について説明する。
カード型記録媒体16には、再生方法ファイル12(図3)が、記録メディア読取部115において読み取り可能な形態で記録される。
【0064】
車載オーディオ装置15は、図4のフローチャートに示した通り、第1の実施の形態に係る車載オーディオ装置10と同様に動作する。しかしながら、車載オーディオ装置15が有する再生方法ファイル取得部107は、再生方法ファイル12が記録されたカード型記録媒体16から、記録メディア読取部115によって読み取られた再生方法ファイル12を取得することが可能である。
従って、車載オーディオ装置15は、再生方法ファイル12を取得する動作において、記録メディア読取部115にセットされたカード型記録媒体16から再生方法ファイル12を読み取り、この再生方法ファイル12を、再生方法ファイル取得部107を介して再生方法ファイル一時記憶部108に記憶する。
【0065】
これにより、ディスク型記録媒体11に音声ファイル23のみが記録されている場合であっても、カード型記録媒体16を用いれば、車載オーディオ装置15を搭載した車両の位置に応じて音声ファイル23を再生することが可能になる。従って、例えば、市販の音楽CDをメディア駆動部102にセットして、当該音楽CD中の特定の音楽を、上記車両が特定の位置に達した場合に再生するといった機能を実現できる。
【0066】
なお、上記第3の実施の形態においては、車載オーディオ装置15が備える記録メディア読取部115によってカード型記録媒体16から再生方法ファイル12を読み取るものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、車載オーディオ装置15を通信回線(図示略)に接続し、この通信回線を介して、車載オーディオ装置15が他の装置(図示略)から再生方法ファイル12を受信する構成としてもよい。この場合、再生方法ファイル12をカード型記録媒体16に記録する等の手間を省くことが可能となる上、例えば、ディスク型記録媒体11を販売した事業者が、後から再生方法ファイル12のみをユーザに届けることが可能になる。
【0067】
このほか、上記第1から第3の実施の形態における細部構成等については、本発明の趣旨を損なうことのない範囲において任意に変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明を適用した第1の実施の形態に係る車載オーディオ装置10の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】車載オーディオ装置10のメディア駆動部102により駆動される記録メディア内のファイル構成を模式的に示す図である。
【図3】車載オーディオ装置10により処理される再生方法ファイル12の構成例を模式的に示す図であり、(a)は再生方法ファイル12の構成を示し、(b)は再生方法ファイル12に含まれる再生方法指定データ121の構成を示す。
【図4】車載オーディオ装置10の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明を適用した第2の実施の形態に係る車載オーディオ装置13の機能的構成を示すブロック図である。
【図6】車載オーディオ装置13により処理される再生方法ファイル12aの構成例を模式的に示す図である。
【図7】車載オーディオ装置13の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明を適用した第3の実施の形態に係る車載オーディオ装置15の機能的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0069】
10、13、15 車載オーディオ装置(車載データ再生装置)
11 ディスク型記録媒体(記録媒体)
12、12a 再生方法ファイル
16 カード型記録媒体(可搬型記録媒体)
23 音声ファイル(マルチメディアファイル)
101 システム制御部
102 メディア駆動部
103 再生制御部
104 ファイル取得部
105 音響情報取得部
106 音響情報再生部
107 再生方法ファイル取得部(再生情報取得手段)
108 再生方法ファイル一時記憶部
109 再生方法ファイル解析部
110 位置情報検出部(位置検出手段)
111 再生モード取得部
113 入力部
115 記録メディア読取部
121 再生方法指定データ(再生情報)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、映像データまたは音声データを含むマルチメディアファイルが記録された記録媒体から、前記マルチメディアファイルを読み出して再生する車載データ再生装置において、
前記記録媒体に記録されたマルチメディアファイルのファイル名と、特定の位置を示す位置情報とを含む再生情報を取得する再生情報取得手段と、
前記車両の現在位置を検出する位置検出手段と、を備え、
前記記録媒体から前記マルチメディアファイルを読み出して再生するとともに、前記位置検出手段により検出された位置に対応する位置情報を含む前記再生情報がある場合には、既に再生中の前記マルチメディアファイルの再生を停止して、当該再生情報に含まれるファイル名に対応するマルチメディアファイルを再生すること、
を特徴とする車載データ再生装置。
【請求項2】
前記再生情報取得手段は、前記記録媒体に前記マルチメディアファイルとともに当該記録媒体に記録された前記マルチメディアファイルのファイル名と位置情報とを含む前記再生情報が記録されている場合に、この再生情報を読み出すことを特徴とする請求項1記載の車載データ再生装置。
【請求項3】
所定の鍵情報が入力される入力部をさらに備え、
前記記録媒体に、暗号化された前記マルチメディアファイルと前記再生情報とが記録されている場合に、これら前記マルチメディアファイルと前記再生情報とを読み出して、前記入力部により入力された鍵情報を用いて復号することを特徴とする請求項2記載の車載データ再生装置。
【請求項4】
前記再生情報取得手段は、前記記録媒体とは別体として構成される可搬型記録媒体に記録された前記再生情報を取得することを特徴とする請求項1記載の車載データ再生装置。
【請求項5】
前記再生情報が、一つの位置を示す位置情報と複数の前記マルチメディアファイルのファイル名とを含んでいる場合には、これら複数のファイル名に対応する前記マルチメディアファイルを順次再生することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の車載データ再生装置。
【請求項6】
前記再生情報に含まれるファイル名に対応する前記マルチメディアファイルを再生した後に、前記位置検出手段によって前回検出された位置と同じ位置が検出された場合には、その位置に対応する位置情報に基づく前記マルチメディアファイルの再生を行わないことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の車載データ再生装置。
【請求項7】
車両に搭載される車載データ再生装置によって、映像データまたは音声データを含むマルチメディアファイルが記録された記録媒体から前記マルチメディアファイルを読み出して再生するデータ再生方法であって、
前記記録媒体に記録されたマルチメディアファイルのファイル名と、特定の位置を示す位置情報とを含む再生情報を取得し、
前記車両の現在位置を検出し、
前記記録媒体から前記マルチメディアファイルを読み出して再生するとともに、検出された前記車両の現在位置に対応する位置情報を含む前記再生情報がある場合には、既に再生中の前記マルチメディアファイルの再生を停止して、当該再生情報に含まれるファイル名に対応するマルチメディアファイルを再生すること、
を特徴とするデータ再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−276334(P2006−276334A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−93723(P2005−93723)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】