説明

車載ナビゲーション装置、車載ナビゲーション装置の制御方法、及び、制御プログラム

【課題】レンタル車両の返却に際して発生する費用を低くすることが可能な車載ナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】地図に関する情報を含む各種情報を表示可能な表示装置26と、地図上に存在するガソリンスタンドについて、各ガソリンスタンドの位置、及び、各ガソリンスタンドにおける燃料価格とを取得するナビゲーション処理部20と、を備え、目的地として前記返却場所が指定された場合、現在地から前記返却場所へ至る経路について、各経路を利用した場合における金銭の支払いに係る費用に関する情報を出力するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーに貸与された後、所定の返却場所に返却されるレンタル車両に搭載される車載ナビゲーション装置、この車載ナビゲーション装置の制御方法、及び、この車載ナビゲーション装置を制御するための制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レンタル車両(レンタカー)に搭載された車載装置であってナビゲーション機能を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。一般に、レンタル車両は、ユーザーに貸与された後、ユーザー自身がレンタル車両を貸与する事業所の営業所の駐車場等の所定の返却場所に返却しなければならない。そして、当該返却に際し、ユーザーは、上記の事業所等が指定するガソリンスタンドで自ら燃料代を支払って燃料を満タンにするか、又は、返却した時点で足りない燃料の燃料代に対応する金銭の支払いを行う必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−32134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、レンタル車両を貸与されたユーザーは、レンタル車両の返却に際し燃料代の支払い、又は、燃料代に対応する金銭の支払いをする必要があるが、この支払いに係る費用をできるだけ低くしたいとするニーズがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、レンタル車両の返却に際して発生する費用を低くすることが可能な車載ナビゲーション装置、車載ナビゲーション装置の制御方法、及び、制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、ユーザーに貸与された後、所定の返却場所に返却されるレンタル車両であって、当該返却に際し、ユーザーによる燃料の補充、又は、補充すべき燃料の燃料代に対応する金銭の支払いが必要とされるレンタル車両、に搭載される車載ナビゲーション装置において、地図に関する情報を含む各種情報を表示可能な表示装置と、前記地図上に存在するガソリンスタンドについて、各ガソリンスタンドの位置、及び、各ガソリンスタンドにおける燃料価格とを取得する手段と、を備え、目的地として前記返却場所が指定された場合、現在地から経由可能ないずれかのガソリンスタンドを経由し当該ガソリンスタンドにおいて燃料の補充を行った上で前記返却場所へ至る経路を含む、現在地から前記返却場所へ至る経路について、各経路を利用した場合における前記金銭の支払いに係る費用に関する情報を出力することを特徴とする。
この構成によれば、現在地から返却場所へ至る経路について、各経路を利用した場合における前記金銭の支払いに係る費用に関する情報が出力される。従って、ユーザーは、出力された情報に基づいて、発生する費用がより安価な経路を利用してレンタル車両の返却を行うことが可能となる。
【0006】
また、上記発明の車載ナビゲーション装置において、前記金銭の支払いに係る費用に関する情報とは、現在地から経由可能ないずれかのガソリンスタンドを経由し当該ガソリンスタンドにおいて燃料の補充を行った上で前記返却場所へ至る経路を含む、現在地から前記返却場所へ至る経路のうち、最も前記費用が安価な経路を示す情報であるようにしてもよい。
この構成によれば、現在地から返却場所へ至る経路のうち、最も費用が安価となる経路を示す情報が出力される。従って、ユーザーは、出力された情報に基づいて、発生する費用が最も安価な経路を利用してレンタル車両の返却を行うことが可能となる。
【0007】
また、上記発明の車載ナビゲーション装置において、目的地として前記返却場所が指定された場合、現在地から経由可能ないずれかのガソリンスタンドを経由し当該ガソリンスタンドにおいて燃料の補充を行った上で前記返却場所へ至る経路を含む、現在地から前記返却場所へ至る経路のそれぞれについて、各経路を利用した場合に発生すると予想される前記費用を算出するようにしてもよい。
この構成によれば、現在地から返却場所へ至る経路のそれぞれについて、各経路を利用した場合に発生すると予測される費用が算出される。従って、ユーザーは、算出された費用に基づいて、各経路を利用した場合に発生する費用を認識できると共に、当該認識に基づいて自身に取って最適な経路の選択が可能となる。
【0008】
また、上記発明の車載ナビゲーション装置において、現在地から前記返却場所へ至る経路のそれぞれについて発生すると予想される前記費用に基づいて、前記費用の安い順に経路を前記表示装置に表示するようにしてもよい。
この構成によれば、現在地から返却場所へ至る経路について、発生する費用が安い順に表示装置に表示される。従って、ユーザーは、表示装置に表示された情報を参照することにより、容易かつ迅速に、発生する費用がより安い経路を認識できる。
【0009】
また、上記発明の車載ナビゲーション装置において、現在地から前記返却場所へ至る経路のそれぞれについて、前記返却場所に到着すると予想される到着時刻を算出し、各経路を、各経路に対応する到着時刻と対応づけて前記表示装置に表示するようにしてもよい。
ここで、一般に、レンタル車両の返却について、返却すべき時刻が予め指定されており、ユーザーは、指定された返却すべき時刻までにレンタル車両を返却することが求められる。
これを踏まえ、上記構成によれば、現在地から返却場所へ至る経路のそれぞれについて、返却場所へ到着すると予想される到着時刻が、各経路と対応づけて表示装置に表示される。従って、ユーザーは、表示装置に表示された情報を参照することにより、各経路について到着時刻を認識することができる。
【0010】
また、上記発明の車載ナビゲーション装置において、目的地として前記返却場所が指定された場合、燃料の残量が少量であるか否かを判別し、残量が少量である場合は、現在地の周辺に存在するガソリンスタンドの位置と、各ガソリンスタンドにおける燃料価格とを前記表示装置に表示するようにしてもよい。
ここで、燃料の残量が少量である場合は、燃料の補充を優先的に実行する必要があるが、上記構成によれば、燃料の補充をユーザーが選択する上で有益な情報をユーザーに対して提示することができる。
【0011】
また、上記目的を達成するために本発明は、ユーザーに貸与された後、所定の返却場所に返却されるレンタル車両であって、当該返却に際し、ユーザーによる燃料の補充、又は、補充すべき燃料の燃料代に対応する金銭の支払いが必要とされるレンタル車両、に搭載され、地図に関する情報を含む各種情報を表示可能な表示装置と、前記地図上に存在するガソリンスタンドについて、各ガソリンスタンドの位置、及び、各ガソリンスタンドにおける燃料価格とを取得する手段と、を備える車載ナビゲーション装置を制御して、目的地として前記返却場所が指定されたか否かを判別し、指定されたと判別した場合、現在地から経由可能ないずれかのガソリンスタンドを経由し当該ガソリンスタンドにおいて燃料の補充を行った上で前記返却場所へ至る経路を含む、現在地から前記返却場所へ至る経路について、前記金銭の支払いに係る費用に関する情報を出力することを特徴とする。
この制御方法によれば、現在地から前記返却場所へ至る経路について、各経路を利用した場合における前記金銭の支払いに係る費用に関する情報が出力される。従って、ユーザーは、出力された情報に基づいて、発生する費用がより安価な経路を利用してレンタル車両の返却を行うことが可能となる。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明は、ユーザーに貸与された後、所定の返却場所に返却されるレンタル車両であって、当該返却に際し、ユーザーによる燃料の補充、又は、補充すべき燃料の燃料代に対応する金銭の支払いが必要とされるレンタル車両、に搭載され、地図に関する情報を含む各種情報を表示可能な表示装置と、前記地図上に存在するガソリンスタンドについて、各ガソリンスタンドの位置、及び、各ガソリンスタンドにおける燃料価格とを取得する手段と、を備える車載ナビゲーション装置を制御するコンピューターにより実行されるプログラムであって、前記コンピューターを目的地として前記返却場所が指定された場合、現在地から経由可能ないずれかのガソリンスタンドを経由し当該ガソリンスタンドにおいて燃料の補充を行った上で前記返却場所へ至る経路を含む、現在地から前記返却場所へ至る経路について、前記金銭の支払いに係る費用に関する情報を出力させる手段として機能させることを特徴とする。
このプログラムを実行すれば、現在地から前記返却場所へ至る経路について、各経路を利用した場合における前記金銭の支払いに係る費用に関する情報が出力される。従って、ユーザーは、出力された情報に基づいて、発生する費用がより安価な経路を利用してレンタル車両の返却を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、レンタル車両の返却に際して発生する費用を低くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】車載ナビゲーション装置が備えるフロントパネルの構成を示す正面図である。
【図2】車載ナビゲーション装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】車載ナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】表示装置の表示態様の一例を示す図である。
【図5】車載ナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】表示装置の表示態様の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1が備えるフロントパネル10の構成を示す正面図である。
車載ナビゲーション装置1は、レンタル車両に搭載される装置であり、フロントパネル10が備える液晶パネル11に表示された地図上に自車両位置を表示する機能と、液晶パネル11に表示された地図を利用して、ユーザーが指定した目的地まで経路案内する機能と、を備えている。
【0016】
レンタル車両とは、レンタカー事業を行う事業者等により、ユーザーに対して貸与される車両である。本実施形態では、ユーザーへのレンタル車両の貸与に関し、事業者等により以下の事柄が定められている。
すなわち、レンタル車両は、燃料が満タンの状態でユーザーに対して貸与される。そして、レンタル車両を貸与されたユーザーは、予め定められた日時(日にち、時刻)までに、事業者等によって予め定められた返却場所にレンタル車両を返却しなければならない。予め定められた日時までに返却場所にレンタル車両を返却しない場合は、延長料金の発生の要因となる。
このレンタル車両の返却に際し、ユーザーは、事業者等が指定するガソリンスタンド(以下、「指定ガソリンスタンド」という)で自ら燃料代を支出して燃料を満タンとするか、また、返却場所に返却した時点で、満タンの状態に対し足りない燃料の量に対応する燃料代を事業者等に対し支払わなければならない。なお、通常、指定ガソリンスタンドは、返却場所に位置的に近いガソリンスタンドである。
ここで、指定ガソリンスタンドでガソリンを満タンにした場合は、事業者に対してレシートを提示する等により事業者に対しそのことを証明する限りにおいて、返却場所に返却した時点で満タンの状態に対し足りない燃料の量に対応する燃料代を事業者等に対し支払う必要はない。また、指定ガソリンスタンドでガソリンを満タンにしなかった場合は、返却場所に返却した時点で満タンの状態に対し足りない燃料の量に対応する燃料代を事業者等に対し支払う必要がある。そして、この事業者への支払い代金を算出する際に用いられる単位あたりの燃料代は予め事業者等によって定められており、単位あたりの燃料代を示すデータである支払燃料代データ12(図2)が後述する記憶装置13に記憶されている。
【0017】
図1に示すように、車載ナビゲーション装置1が備える液晶パネル11の周囲には、ユーザーによって操作される複数の操作スイッチ14が配設されており、また、液晶パネル11に重ねた状態で、タッチパネル15が配設されている。タッチパネル15は、透明度(光透過度)が高い抵抗膜方式のものが用いられており、ユーザーは、液晶パネル11に表示された操作ボタンに対応する位置を指先などでタッチ操作することで、車載ナビゲーション装置1に対して各種指示を行うことができる。
【0018】
図2は、車載ナビゲーション装置1の機能的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、車載ナビゲーション装置1は、ナビゲーション処理部20と、GPS装置21と、ジャイロ装置22と、センサー装置23と、車速入力部24と、外部記憶媒体入力部25と、表示装置26と、操作部27と、音声出力部28と、記憶装置13と、通信装置29を備えている。
ナビゲーション処理部20は、車載ナビゲーション装置1を中枢的に制御するものであり、CPUや、ROM、RAM、その他の周辺回路等を備えている。ナビゲーション処理部20は、図示せぬ発振器が生成した基準クロックに基づいて各種計時動作を実行可能であり、特に、現在の日時(年月日、及び、時間)を計時する。
GPS装置21は、GPSアンテナを介してGPS衛星からのGPS電波を受信し、GPS電波に重畳されたGPS信号から、車両の現在位置の経度及び緯度を示す現在地情報を演算により取得しナビゲーション処理部20に出力する。
ジャイロ装置22は、ジャイロセンサーを備え、このジャイロセンサーにより車両の位置の相対的な方位を検出し、ナビゲーション処理部20に出力する。
センサー装置23は、レンタル車両が備える自動車用燃料タンクにおける燃料の残量を検出するセンサーを備え、検出した燃料の残量をナビゲーション処理部20に出力する。
【0019】
車速入力部24は、レンタル車両より得られる車速パルスに基づいて車両の速度を検出し、ナビゲーション処理部20に出力する。
外部記憶媒体入力部25は、外部記憶媒体たるCD、DVD、カード型記憶媒体等のドライブを備え、外部記憶媒体に対しデータの読み書きを実行する。
表示装置26は、上述した液晶パネル11を備え、ナビゲーション処理部20の制御の下、液晶パネル11に地図や、地図におけるレンタル車両の位置、経路案内に係る情報、操作メニュー等の各種情報を表示する。
操作部27は、複数の操作スイッチ14や、液晶パネル11に重ねて配設されたタッチパネル15等を備え、ユーザーの操作スイッチ14や、タッチパネル15に対する操作を検出し、ナビゲーション処理部20に出力する。なお、操作部27がリモートコントローラーを備える構成であってもよい。
音声出力部28は、D/Aコンバーターやアンプ等を備え、ナビゲーション処理部20の制御の下、レンタル車両に設けられたスピーカーから音声を出力するものである。
記憶装置13は、データを書き換え可能に記憶するものであり、ハードディスク装置や、EEPROM等を備えている。記憶装置13には、少なくとも、支払燃料代データ12と、燃費データ31と、返却場所位置データ32と、地図データ33と、経路探索用データ34と、ガソリンスタンドデータ35とが記憶されている。
【0020】
支払燃料代データ12は、上述したように、指定ガソリンスタンドでガソリンを補充することなくレンタル車両を返却した場合、満タンに対して足りない燃料に対応する代金を支払うこととなるが、その事業者への支払い代金を算出する際に用いられる単位あたりの燃料代を示すデータである。
燃費データ31とは、レンタル車両の燃料の単位あたりの走行距離を示すデータである。
返却場所位置データ32とは、返却場所の位置を示すデータである。
地図データ33は、地図に関するデータであり、車両の現在位置を表示する際や、経路案内時において、表示装置26の液晶パネル11に表示される表示用のデータや、地図上の道路や店舗、施設等の情報に関するデータが含まれている。また、地図データ33には、地図上に存在するガソリンスタンドを示す情報に関するデータ等が含まれている。ガソリンスタンドを示す情報には、ガソリンスタンドの位置を示す情報が含まれている。
経路探索用データ34は、所定単位で区分された区間経路(リンク)に関するリンクデータ、及び、交差点(ノード)に関するノードデータを備えている。リンクデータ及びノードデータには道路種別、道路幅、車線数、一方通行か否か、及び、制限速度に関する情報や、各リンクのリンクコストを示すリンクコストデータが含まれている。各リンクのリンクコストは、リンク長やリンクの種別、平均旅行時間などから算出される。
【0021】
本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1は、現時点においてレンタル車両が存在する位置(現在地)からユーザーが指定した目的地までの経路を探索し、探索した経路に基づいて目的地まで経路案内する機能を備えている。具体的には、操作部27の操作スイッチ14やタッチパネル15によって目的までの経路の探索が指示された場合、ナビゲーション処理部20は、目的地までの経路を探索する。詳述すると、ナビゲーション処理部20は、経路探索用データ34に基づいて、目的地に至るまでの連続したリンクにおいて、各リンクのリンクコストの総和が最小になるような経路を探索する。そして、ナビゲーション処理部20は、経路の探索後、表示装置26の液晶パネル11に表示された地図上に、車両の現在位置、及び、車両が走行すべき経路を明示し、ユーザーに対して経路案内を行う。経路案内中、ナビゲーション処理部20は、ジャイロ装置22及び車速入力部24の検出値に基づいて自律航法により算出した自車位置を、GPS装置21により検出された自車位置により補正するハイブリッド航法により、高精度に求めた自車位置を地図上に表示して、経路案内を行う。
【0022】
また、本実施形態では、ナビゲーション処理部20は、地図データ33及び経路探索用データ34によって、現在地からある目的地にレンタル車両が走行した場合の、総走行距離を検出でき、かつ、検出した総走行距離と、燃費データ31とに基づいて、現在地からある目的地にレンタル車両が走行した場合における燃料の消費量を検出でき、かつ、検出した燃料の消費量と、センサー装置23の検出値とに基づいて、現在地からある目的にレンタル車両が走行した場合において、レンタル車両が目的地に到着した時点での燃料の残量を検出できる。さらに、ナビゲーション処理部20は、GPS装置21、ジャイロ装置22、及び、車速入力部24の各装置の検出値や、地図データ33、経路探索用データ34等に基づいて、レンタル車両が現在地から目的地に至るまでに要する時間を検出可能であり、検出した時間に基づいて、目的地に到達すると見込まれる日時(日にち、時刻)を算出できる。
ガソリンスタンドデータ35については、後述する。
【0023】
通信装置29は、インターネット等のネットワーク40に接続され、このネットワーク40に接続された燃料代情報サーバー41等のサーバー装置とデータ通信する。
燃料代情報サーバー41とは、少なくとも地図データ33に含まれるガソリンスタンドを示す情報に係る各ガソリンスタンドについて、各ガソリンスタンドにおいて販売されている燃料の単位あたりの燃料価格を示すデータが記憶されている。燃料代情報サーバー41において、この各ガソリンスタンドで販売されている燃料の単位あたりの燃料価格を示すデータは、現状に即して適宜更新される。
ナビゲーション処理部20は、通信装置29を制御して、適宜、燃料代情報サーバー41から、各ガソリンスタンドにおいて販売されている燃料の単位あたりの燃料価格を示すデータを取得する。そして、ナビゲーション処理部20は、取得したデータに基づいて、各ガソリンスタンドにおいて販売されている燃料の単位あたりの燃料価格を示すデータであるガソリンスタンドデータ35を生成し、記憶装置13に記憶する。
【0024】
ところで、上述したように、レンタル車両の返却に際し、ユーザーは、事業者等が指定する指定ガソリンスタンドで自ら燃料代を支出して燃料を満タンとするか、また、返却場所に返却した時点で、満タンの状態に対し足りない燃料の量に対応する燃料代を事業者等に対し支払わなければならない。従って、これらレンタル車両の返却に際して発生する費用を低くすることができる情報を、自動で、ユーザーに提供することができれば、ユーザーの利便性を向上することができる。
これを踏まえ、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1は、レンタル車両の返却に際して発生する費用が安くなる情報をユーザーに提供する機能を有している。
【0025】
図3は、車載ナビゲーション装置1の動作を示すフローチャートである。
なお、以下の動作は、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行する等、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現される。
また、以下の動作において、ナビゲーション処理部20は、地図上に存在するガソリンスタンドについて、各ガソリンスタンドの位置、及び、各ガソリンスタンドにおける燃料価格とを取得する手段として機能する。
車載ナビゲーション装置1のナビゲーション処理部20は、ユーザーにより目的地として返却場所が指定されたか否かを監視する(ステップSA1)。
次いで、ナビゲーション処理部20は、現時点におけるレンタル車両の位置と、返却場所の位置とが近接しているか否かを判別する(ステップSA2)。ステップSA2では、ナビゲーション処理部20は、例えば、GPS装置21の検出値に基づいてレンタル車両の位置(経度・緯度)を取得し、取得したレンタル車両の位置と、記憶装置13に記憶された返却場所位置データ32が示す返却場所の位置との距離が所定の閾値(例えば、5キロ)以内であるか否かを判別し、閾値以内である場合、レンタル車両の位置と、返却場所の位置とが近接していると判別する。
レンタル車両の位置と、返却場所の位置とが近接していると判別した場合(ステップSA2:YES)、ナビゲーション処理部20は、地図上に指定ガソリンスタンドを表示する(ステップSA3)。
次いで、ナビゲーション処理部20は、指定ガソリンスタンドに対応する位置がタッチ操作されたか否かを監視する(ステップSA31)。指定ガソリンスタンドに対応する位置がタッチ操作された場合(ステップSA31:YES)、ナビゲーション処理部20は、現在地から指定ガソリンスタンドを経由して返却場所へ至る経路を探索し、探索結果を地図上に表示すると共に、音声出力部28を制御して、必要な音声ガイダンスに係る音声を音声出力する(ステップSA32)。
このように、本実施形態では、現時点におけるレンタル車両の位置と、返却場所の位置とが近接している場合には、ナビゲーション処理部20は、指定ガソリンスタンドを経由して返却場所へ至る経路を探索し、探索結果を地図上に表示する。これは、現時点におけるレンタル車両の位置と、返却場所の位置とが近接している場合には、指定ガソリンスタンド以外のガソリンスタンドで燃料を満タンとし、さらに、返却場所において満タンの状態に対し足りない燃料の量に対応する燃料代を支払うよりも、返却場所の近くに設けられた指定ガソリンスタンドで燃料を満タンとした方が、燃料代の支払い等に係る費用が安くなる蓋然性が高いためである。
【0026】
一方、ステップSA2において、レンタル車両の位置と、返却場所の位置とが近接していない場合(ステップSA2:NO)、ナビゲーション処理部20は、センサー装置23の検出値に基づいて、燃料の残量が少量であるか否かを判別する(ステップSA4)。ここで、燃料の残量が少量であるとは、レンタル車両の走行を継続して行うために、早急に、燃料の補充が必要な程度しか燃料が残っていない状態であることをいい、ナビゲーション処理部20は、燃料の残量が所定の閾値(例えば、10リットル)を下回る場合、燃料の残量が少量であると判別し、閾値を上回る場合、燃料の残量が少量ではないと判別する。なお、燃料の残量が少量であるか否かの判別は、残量と閾値との比較に基づいて行うだけでなく、例えば、現時点におけるレンタル車両の位置と、返却場所の位置との距離に基づいて、レンタル車両が燃料の補充をすることなく返却場所まで走行するのに十分な残量が残っていない場合に、燃料の残量が少量であると判別するようにしてもよい。
【0027】
ステップSA4において、燃料の残量が少量であると判別した場合(ステップSA4:YES)、ナビゲーション処理部20は、記憶装置13に記憶された地図データ33やガソリンスタンドデータ35を参照し、レンタル車両の周辺(例えば、レンタル車両の位置を中心として半径10キロ圏内)に存在するガソリンスタンドの位置と、各ガソリンスタンドにおける単位あたりの燃料代を取得する(ステップSA5)。
次いで、ナビゲーション処理部20は、表示装置26を制御して、液晶パネル11に表示された地図上に、レンタル車両の周辺に存在するガソリンスタンドを、各ガソリンスタンドにおける単位あたりの燃料代と共に表示する(ステップSA6)。
【0028】
図4は、ステップSA6において、液晶パネル11の地図上に、レンタル車両の周辺に存在するガソリンスタンドと、各ガソリンスタンドにおける単位あたりの燃料価格とが表示された様子の一例を示す図である。
図4に示すように、本実施形態では、地図上にレンタル車両を示すレンタル車両マーク45と、レンタル車両の周辺に存在するガソリンスタンドを示すガソリンスタンドマーク46と、各ガソリンスタンドにおける単位あたりの燃料価格とが表示されるため、液晶パネル11を参照することにより、ユーザーは、視覚を通じて迅速かつ容易に、これら情報を取得することができる。そして、ユーザーは、取得した情報に基づき、レンタル車両と各ガソリンスタンドとの距離と、各ガソリンスタンドにおける燃料価格との関係を考慮した上で、自身にとって最適なガソリンスタンドで燃料を補充することができる。
また、本実施形態では、タッチパネル15におけるガソリンスタンドマーク46に対応する部分がタッチ操作された場合、当該ガソリンスタンドマーク46に対応するガソリンスタンドが目的地として設定される。
【0029】
ステップSA6の処理後、ナビゲーション処理部20は、タッチパネル15におけるいずれかのガソリンスタンドマーク46に対応する部分がタッチ操作されたか否かを監視する(ステップSA7)。タッチ操作された場合(ステップSA7:YES)、ナビゲーション処理部20は、タッチ操作されたガソリンスタンドマーク46に対応するガソリンスタンドを目的地として設定し、現在地から当該ガソリンスタンドへ至る経路を探索し、探索結果を地図上に表示すると共に、音声出力部28を制御して、必要な音声ガイダンスに係る音声を音声出力する(ステップSA8)。
このように、本実施形態では、燃料の残量が少量であると判別した場合、ナビゲーション処理部20は、レンタル車両周辺のガソリンスタンドであってユーザーによって選択されたガソリンスタンドの経路を探索し、報知する。これは、燃料の残量が少量である場合、車両の走行を継続して行うために、いずれかのガソリンスタンドで燃料を補充することが優先されるためである。
【0030】
また、ステップSA4において、燃料の残量が少量でないと判別した場合(ステップSA4:NO)、ナビゲーション処理部20は、経路・費用算出処理を実行する(ステップSA9)。
【0031】
図5は、経路・費用算出処理の実行時における車載ナビゲーション装置1の動作を示すフローチャートである。
なお、以下の説明では、発明の明確化、及び、説明の便宜のため、現在地から返却場所へ至るまでに、指定ガソリンスタンド以外に、2カ所以上のガソリンスタンドを経由しないものとし、さらに、指定ガソリンスタンド以外のガソリンスタンドを経由し、当該ガソリンスタンドで燃料を補充した場合は、指定ガソリンスタンドでの燃料の補充を行わないものとする。従って、現在値から返却場所へ至る経路としては、1.現在値から指定ガソリンスタンドを含むいずれのガソリンスタンドをも経由せずに返却場所へ至る経路、2.現在値から指定ガソリンスタンドを経由して返却場所へ至る経路、3.現在値から指定ガソリン以外のガソリンスタンドを経由して返却場所へ至る経路の3つの経路が存在する。
また、以下の説明では、ガソリンスタンドにおいて補充する燃料の種類(ハイオクガソリンや、レギュラーガソリン等)によって単位あたりの燃料価格が異なることに起因する説明の複雑化を防止するため、ガソリンスタンドにおいて補充可能な燃料は1種類であるものとする。
【0032】
経路・費用算出処理において、まず、ナビゲーション処理部20は、現在地から指定ガソリンスタンドを含むいずれのガソリンスタンドも経由することなく返却場所へ至る経路を探索する(ステップSB1)。
次いで、ナビゲーション処理部20は、ステップSB1で探索した経路に基づいて、現在地から返却場所へ至るまでに要する時間を算出し、算出した時間と現在時刻に基づいて返却場所への到着時刻を算出する(ステップSB2)。
次いで、ナビゲーション処理部20は、センサー装置23の検出値に基づく現時点における燃料の残量や、記憶装置13に記憶された燃費データ31、ステップSB1で探索した経路に基づくレンタル車両の走行距離等に基づいて、レンタル車両が現在地から返却場所に到着した時点において、燃料を満タンにするために必要な燃料の量を算出する(ステップB3)。
次いで、ナビゲーション処理部20は、ステップSB3で算出した燃料を満タンにするために必要な燃料の量と、記憶装置13に記憶された支払燃料代データ12とに基づいて、事業所等に対して支払うべき代金を算出する(ステップSB4)。上述したように、本実施形態では、指定ガソリンスタンドで燃料を補充しなかった場合、ユーザーは、レンタル車両が返却場所に到着した時点における満タンに対して不足する燃料の量に対応する金銭を事業所等に支払わなければならない。なお、ステップSB4で算出された代金を「非経由時発生費用」といい、この非経由時発生費用が、指定ガソリンスタンドを含むいずれのガソリンスタンドも経由せずに現在地から返却場所へ至った場合において、レンタル車両の返却に際して発生する費用となる。
【0033】
次いで、ナビゲーション処理部20は、現在地から指定ガソリンスタンドを経由して返却場所へ至る経路を探索する(ステップSB5)。
次いで、ナビゲーション処理部20は、ステップSB5で探索した経路に基づいて、現在地から指定ガソリンスタンドを経由し、当該指定ガソリンスタンドで燃料を補充した上で、返却場所へ至るまでに要する時間を算出し、算出した時間と現在時刻に基づいて返却場所への到着時刻を算出する(ステップSB6)。なお、指定ガソリンスタンドにおける燃料の補充に要すると予測される時間が予め定められており、ナビゲーション処理部20は、当該定められた予測時間を利用して、現在地から指定ガソリンスタンドを経由して返却場所へ至るまでに要する時間を算出する。
次いで、ナビゲーション処理部20は、センサー装置23の検出値に基づく現時点における燃料の残量や、記憶装置13に記憶された燃費データ31、ステップSB5で探索した現在地から指定ガソリンスタンドに至る経路に基づくレンタル車両の走行距離等に基づいて、レンタル車両が現在地から指定ガソリンスタンドに到着した時点において、燃料を満タンにするために必要な燃料の量を算出する(ステップSB7)。
次いで、ナビゲーション処理部20は、ステップSB7で算出した燃料を満タンにするために必要な燃料の量と、指定ガソリンスタンドにおける燃料の単位あたりの燃料価格とに基づいて、指定ガソリンスタンドにおいて燃料を満タンにした場合に支払うべき燃料代を算出する(ステップSB8)。ここで算出された燃料代を「指定GS経由時発生費用」といい、この指定GS経由時発生費用が、現在地から指定ガソリンを経由して返却場所へ至った場合において、レンタル車両の返却に際して発生する費用となる。
【0034】
次いで、ナビゲーション処理部20は、記憶装置13に記憶された地図データ33やガソリンスタンドデータ35等を参照し、現在地から返却場所へ至る上で、経由可能なガソリンスタンド、各ガソリンスタンドの位置、及び、各ガソリンスタンドにおける燃料価格を取得する(ステップSB9)。ステップSB9では、ナビゲーション処理部20は、例えば、地図上で現在地と返却場所の位置とを結ぶ直線を直径とする円の範囲内に存在するガソリンスタンドであって、当該ガソリンスタンドに至るまでに、現在地から返却場所へ向かう方向と逆方向への走行を必要としないガソリンスタンドを、経由可能なガソリンスタンドと判別する。
次いで、ナビゲーション処理部20は、ステップSB9で取得したガソリンスタンドの全てについて、ステップSB11〜SB18に係る処理を実行したか否かを判別し(ステップSB10)、ステップSB9で取得したガソリンスタンドの全てについて処理を実行した場合(ステップSB10:YES)、処理を終了する。つまり、ステップSB11〜SB18に係る処理は、ステップSB9で取得した全てのガソリンスタンドについて実行される。
【0035】
ステップSB10において、全てのガソリンスタンドについて処理を実行していない場合(ステップSB10:NO)、ナビゲーション処理部20は、処理が実行されていないガソリンスタンドのうち、任意のガソリンスタンドを選別する(ステップSB11)。以下、ここで選別されたガソリンスタンドを「経由ガソリンスタンド」という。
次いで、ナビゲーション処理部20は、現在地から経由ガソリンスタンドを経由して返却場所へ至る経路を探索する(ステップSB12)。
次いで、ナビゲーション処理部20は、ステップSB12で探索した経路に基づいて、現在地から経由ガソリンスタンドを経由して返却場所へ至るまでに要する時間を算出し、算出した時間と現在時刻に基づいて返却場所への到着時刻を算出する(ステップSB13)。なお、経由ガソリンスタンドにおける燃料の補充に要すると予測される時間が予め定められており、ナビゲーション処理部20は、当該定められた予測時間を利用して、現在地から経由ガソリンスタンドを経由して返却場所へ至るまでに要する時間を算出する。
次いで、ナビゲーション処理部20は、センサー装置23の検出値、記憶装置13に記憶された燃費データ31、ステップSB12において探索された現在地から経由ガソリンスタンドに至る経路等に基づいて、レンタル車両が現在地から経由ガソリンスタンドに到着した時点において、燃料を満タンにするために必要な燃料の量を算出する(ステップSB14)。
次いで、ナビゲーション処理部20は、ステップSB10で算出した燃料を満タンにするために必要な燃料の量と、経由ガソリンスタンドにおける単位あたりの燃料価格とに基づいて、経由ガソリンスタンドにおいて燃料を満タンにした場合に支払うべき燃料代を算出する(ステップSB15)。ここで算出された燃料代を「経由GS支払燃料代」という。
【0036】
次いで、ナビゲーション処理部20は、記憶装置13に記憶された燃費データ31や、ステップSB12において探索された経由ガソリンスタンドから返却場所に至る経路等に基づいて、レンタル車両が経由ガソリンスタンドから返却場所に到着した時点において、燃料を満タンにするために必要な燃料の量を算出する(ステップSB16)。ここで、算出される燃料の量は、換言すれば、経由ガソリンスタンドから返却場所へのレンタル車両の走行に際し、レンタル車両によって消費された燃料の量のことである。
次いで、ナビゲーション処理部20は、ステップSB16において算出された燃料を満タンにするために必要な燃料の量や、記憶装置13に記憶された支払燃料代データ12等に基づいて、事業者等に支払うべき代金を算出する(ステップSB17)。ここで算出された代金を「事業者支払代金」という。
次いで、ナビゲーション処理部20は、ステップSB15で算出した経由GS支払燃料代、及び、ステップSB17で算出した事業者支払代金の合計値を求め(ステップSB18)、処理手順をステップSB10に戻す。なお、ステップSB18で求めた合計値を「経由GS経由時発生費用」といい、この経由GS経由時発生費用が、現在地から経由ガソリンを経由して返却場所へ至った場合において、レンタル車両の返却に際して発生する費用となる。
【0037】
以上説明したように、経路・費用算出処理を実行することにより、ナビゲーション処理部20は、指定ガソリンスタンドを含むいずれのガソリンスタンドも経由することなく現在地から返却場所へ至る経路、この経路を利用して返却場所へ至った場合の返却場所への到着時刻、及び、当該経路を利用してレンタル車両を返却した場合に発生する費用(ステップSB4で算出された非経由時発生費用)を出力し、さらに、現在地から指定ガソリンスタンドを経由して返却場所へ至る経路、この経路を利用して返却場所へ至った場合の返却場所への到着時刻、及び、当該経路を利用してレンタル車両を返却した場合に発生する費用(ステップSB8で算出された指定GS経由時発生費用)を出力し、さらに、現在地から返却場所へ至る上で、経由可能なガソリンスタンドのそれぞれについて、現在地から経由ガソリンスタンドを経由して返却場所へ至る経路、この経路を利用して返却場所へ至った場合の返却場所への到着時刻、及び、当該経路を利用してレンタル車両を返却した場合に発生する費用(ステップSB18で算出された経由GS経由時発生費用)を出力する。
【0038】
さて、前掲図3に戻り、ステップSA9において経路・費用算出処理を実行した後、ナビゲーション処理部20は、表示装置26を制御して、経路・費用算出処理において探索した経路の全てについて、各経路を利用してレンタル車両を返却した場合に発生する費用、及び、返却場所への到着時刻を液晶パネル11に表示する(ステップSA10)。その際、ナビゲーション処理部20は、各経路について、値段の安い順に並べた上で、液晶パネル11に表示する。
【0039】
図6は、ステップSA10の処理による表示の態様の1例を示す図である。
この図に示すように、経路毎に、レンタル車両の返却に際し発生する費用、及び、返却場所への到着時刻が、当該費用が安い順に並べて表示される。具体的には、経路を示す経路情報50が格納される経路フィールド51と、レンタル車両の返却に際し発生する費用を示す費用情報52が格納される費用フィールド53と、到着時刻を示す到着時刻情報54が格納される到着時刻フィールド55とを備えるテーブル56が液晶パネル11に表示され、費用情報52が示す費用が安い順に各レコードが並べられている。経路フィールド51に格納された各経路情報50は、タッチ操作可能であり、ユーザーは、各経路情報50に対応する費用情報52や到着時刻情報54を参照した上で、いずれかの経路を選択し、選択した経路に対応する経路情報50をタッチ操作する。
【0040】
図6に示すように、本実施形態では、経路毎に、レンタル車両の返却に際し発生する費用のみならず、返却場所への到着時刻も併せて表示される。ここで、上述したように返却場所への返却は、予め定められた所定の日時までに行われる必要があり、所定の日時までに返却されない場合は、延長料金発生の要因となる。従って、返却場所への到着時刻という情報は、ユーザーにとって重要な情報であり、かつ、いずれかの経路を選択する上で有益な情報である。これを踏まえ、本実施形態では、液晶パネル11に返却場所への到着時刻も併せて表示されるため、ユーザーは、返却場所への到着時刻も認識した上で、自身に取って最適な経路を選択できる。
また、図6に示すように、液晶パネル11には、費用ソートボタン57と、到着時刻ソートボタン58とがタッチ操作可能に表示される。費用ソートボタン57は、レンタル車両の返却に際し発生する費用の安い順に、経路を並び替えるためのボタンである。経路の選択にあたり、レンタル車両の返却に際し発生する費用の安さを重要視するユーザーは、費用ソートボタン57をタッチ操作して、当該費用の安い順に経路を並び替えることにより、経路選択が容易となる。また、到着時刻ソートボタン58は、返却場所への到着時刻の早い順に、経路を並び替えるためのボタンである。経路の選択にあたり、到着時刻を重要視するユーザーは、到着時刻ソートボタン58をタッチ操作して、到着時刻の早い順に経路を並び替えることにより、経路選択が容易となる。
【0041】
ステップSA10の処理後、ナビゲーション処理部20は、いずれかの経路情報50(図6参照)がタッチ操作されたか否かを監視する(ステップSA11)。いずれかの経路情報50がタッチ操作された場合(ステップSA11:YES)、換言すれば、ユーザーによっていずれかの経路が選択された場合、ナビゲーション処理部20は、選択した経路に対応する経路案内を実行すると共に、音声出力部28を制御して、必要な音声ガイダンスに係る音声を音声出力する(ステップSA12)。
【0042】
以上説明したように、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1は、目的地として返却場所が指定された場合、現在地から経由可能ないずれかのガソリンスタンドを経由し当該ガソリンスタンドにおいて燃料の補充を行った上で返却場所へ至る経路を含む、現在地から返却場所へ至る経路について、返却に際して発生する費用を算出(出力)する。
これによれば、現在地から返却場所へ至る経路について、各経路を利用した場合に発生する費用に関する情報が出力される。従って、ユーザーは、出力された情報に基づいて、発生する費用がより安価な経路を利用してレンタル車両の返却を行うことが可能となる。
【0043】
また、本実施形態では、最も費用が安価な経路を示す情報が表示装置26に表示される。
これによれば、現在地から返却場所へ至る経路のうち、最も費用が安価となる経路を示す情報が出力される。従って、ユーザーは、出力された情報に基づいて、発生する費用が最も安価な経路を利用してレンタル車両の返却を行うことが可能となる。
【0044】
また、本実施形態では、目的地として返却場所が指定された場合、現在地から前記返却場所へ至る経路のそれぞれについて、各経路を利用した場合に発生すると予想される前記費用を算出する。そして、算出した費用が表示装置26に表示される。
これによれば、現在地から返却場所へ至る経路のそれぞれについて、各経路を利用した場合に発生すると予測される費用が算出される。従って、ユーザーは、算出された費用に基づいて、各経路を利用した場合に発生する費用を認識できると共に、当該認識に基づいて自身に取って最適な経路の選択が可能となる。
【0045】
また、本実施形態では、返却に際して発生する費用の安い順に、表示装置26に各経路が表示される。
これによれば、現在地から返却場所へ至る経路について、発生する費用が安い順に表示装置に表示される。従って、ユーザーは、表示装置26に表示された情報を参照することにより、容易かつ迅速に、発生する費用がより安い経路を認識できる。
【0046】
また、本実施形態では、各経路が、各経路に対応する到着時刻と対応づけて表示装置26に表示される。
ここで、一般に、レンタル車両の返却について、返却すべき時刻が予め指定されており、ユーザーは、指定された返却すべき時刻までにレンタル車両を返却することが求められる。
これを踏まえ、上記構成によれば、現在地から返却場所へ至る経路のそれぞれについて、返却場所へ到着すると予想される到着時刻が、各経路と対応づけて表示装置26に表示される。従って、ユーザーは、表示装置26に表示された情報を参照することにより、各経路について到着時刻を認識することができる。
【0047】
また、本実施形態では、目的地として返却場所が指定された場合、燃料の残量が少量であるか否かを判別し、残量が少量である場合は、現在地の周辺に存在するガソリンスタンドの位置と、各ガソリンスタンドにおける燃料価格とを表示装置26に表示する。
ここで、燃料の残量が少量である場合は、燃料の補充を優先的に実行する必要があるが、上記構成によれば、燃料の補充をユーザーが選択する上で有益な情報をユーザーに対して提示することができる。
【0048】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
本実施形態では、レンタル車両の返却に際し、指定ガソリンスタンドで必ずしも燃料の補充を行う必要が無かったが、昨今、必ず指定ガソリンスタンドで燃料を補充することが求められる場合も多い。このような場合であっても、本発明を有効に活用でき、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
また、本実施形態では、説明の便宜のため、ガソリンスタンドを2つ以上経由する場合を想定せずに説明したが、ガソリンスタンドを2つ以上経由する場合であっても本発明を有効に活用でき、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
また、本実施形態では、ガソリンスタンドで燃料の補充を行うレンタル車両を例として説明したが、例えば、レンタル車両が電気自動車であり、ガソリンスタンドが充電スタンドであってもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 車載ナビゲーション装置
20 ナビゲーション処理部(手段)
26 表示装置
50 経路情報
52 費用情報
54 到着時刻情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーに貸与された後、所定の返却場所に返却されるレンタル車両であって、当該返却に際し、ユーザーによる燃料の補充、又は、補充すべき燃料の燃料代に対応する金銭の支払いが必要とされるレンタル車両、に搭載される車載ナビゲーション装置において、
地図に関する情報を含む各種情報を表示可能な表示装置と、前記地図上に存在するガソリンスタンドについて、各ガソリンスタンドの位置、及び、各ガソリンスタンドにおける燃料価格とを取得する手段と、を備え、
目的地として前記返却場所が指定された場合、
現在地から経由可能ないずれかのガソリンスタンドを経由し当該ガソリンスタンドにおいて燃料の補充を行った上で前記返却場所へ至る経路を含む、現在地から前記返却場所へ至る経路について、各経路を利用した場合における前記金銭の支払いに係る費用に関する情報を出力することを特徴とする車載ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記金銭の支払いに係る費用に関する情報とは、
現在地から経由可能ないずれかのガソリンスタンドを経由し当該ガソリンスタンドにおいて燃料の補充を行った上で前記返却場所へ至る経路を含む、現在地から前記返却場所へ至る経路のうち、最も前記費用が安価な経路を示す情報であることを特徴とする請求項1に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項3】
目的地として前記返却場所が指定された場合、
現在地から経由可能ないずれかのガソリンスタンドを経由し当該ガソリンスタンドにおいて燃料の補充を行った上で前記返却場所へ至る経路を含む、現在地から前記返却場所へ至る経路のそれぞれについて、各経路を利用した場合に発生すると予想される前記費用を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項4】
現在地から前記返却場所へ至る経路のそれぞれについて発生すると予想される前記費用に基づいて、前記費用の安い順に経路を前記表示装置に表示することを特徴とする請求項3に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項5】
現在地から前記返却場所へ至る経路のそれぞれについて、前記返却場所に到着すると予想される到着時刻を算出し、
各経路を、各経路に対応する到着時刻と対応づけて前記表示装置に表示することを特徴とする請求項4に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項6】
目的地として前記返却場所が指定された場合、
燃料の残量が少量であるか否かを判別し、残量が少量である場合は、現在地の周辺に存在するガソリンスタンドの位置と、各ガソリンスタンドにおける燃料価格とを前記表示装置に表示することを特徴とする請求項1乃至5に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項7】
ユーザーに貸与された後、所定の返却場所に返却されるレンタル車両であって、当該返却に際し、ユーザーによる燃料の補充、又は、補充すべき燃料の燃料代に対応する金銭の支払いが必要とされるレンタル車両、に搭載され、地図に関する情報を含む各種情報を表示可能な表示装置と、前記地図上に存在するガソリンスタンドについて、各ガソリンスタンドの位置、及び、各ガソリンスタンドにおける燃料価格とを取得する手段と、を備える車載ナビゲーション装置を制御して、
目的地として前記返却場所が指定されたか否かを判別し、指定されたと判別した場合、現在地から経由可能ないずれかのガソリンスタンドを経由し当該ガソリンスタンドにおいて燃料の補充を行った上で前記返却場所へ至る経路を含む、現在地から前記返却場所へ至る経路について、前記金銭の支払いに係る費用に関する情報を出力することを特徴とする車載ナビゲーション装置の制御方法。
【請求項8】
ユーザーに貸与された後、所定の返却場所に返却されるレンタル車両であって、当該返却に際し、ユーザーによる燃料の補充、又は、補充すべき燃料の燃料代に対応する金銭の支払いが必要とされるレンタル車両、に搭載され、地図に関する情報を含む各種情報を表示可能な表示装置と、前記地図上に存在するガソリンスタンドについて、各ガソリンスタンドの位置、及び、各ガソリンスタンドにおける燃料価格とを取得する手段と、を備える車載ナビゲーション装置を制御するコンピューターにより実行されるプログラムであって、
前記コンピューターを
目的地として前記返却場所が指定された場合、
現在地から経由可能ないずれかのガソリンスタンドを経由し当該ガソリンスタンドにおいて燃料の補充を行った上で前記返却場所へ至る経路を含む、現在地から前記返却場所へ至る経路について、前記金銭の支払いに係る費用に関する情報を出力させる手段として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−149813(P2011−149813A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−11240(P2010−11240)
【出願日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】