説明

車載ナビゲーション装置

【課題】案内経路に関する案内情報の効果が薄くなることを防止し、運転者への経路案内の確実性を向上させること。
【解決手段】スピーカ等からなる音声出力部60が設けられている。案内対象から現在位置の方向への所定距離手前の案内地点に車両が到達した場合に、音声出力部60を介して、案内対象に関する音声案内メッセージが出力される。そして、この案内地点から他の案内地点及び案内対象の地点のいずれか一方に車両が達するまで、再報知条件が成立する場合には、運転者が音声案内メッセージの内容を忘れないように、音声出力部60が案内対象に関する音声案内メッセージが再出力される。この結果、運転者に対して音声案内メッセージの内容を強く意識させることができる。これにより、案内経路に関する案内情報(音声案内メッセージ)の効果が薄くなることを防止し、運転者への経路案内の確実性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、経路案内を出力するタイミングを曲がるべき交差点へ到達が予想される時刻を基準にして設定することで、経路案内の効果を向上させる車載ナビゲーション装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に開示されている車載ナビゲーション装置によれば、例えば、自車両の走行状態情報(自車両の平均車速)と自車両の位置情報と案内すべき交差点の位置情報を判断要素として演算を行ない、自車両が案内すべき交差点に到達する時間を計算し音声案内を出力するタイミングを変化させる。具体的には、自車両の現在位置と案内すべき交差点との距離を自車両の平均車速で除算することによって、交差点到達予測時間を算出し、この交差点到達予測時間が所定時間以下になった場合、当該装置は音声案内を行なうことにより、運転者に経路案内を伝える。
【特許文献1】特開平10−47984号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、自車両の平均車速は、交差点付近で大きく変化する場合がある。例えば、信号待ちや右折待ちのために他車両が停車している場合には、他車両の後で自車両が停車できるように、自車両の車速は大きく減速される。このとき、以前に算出された自車両の平均車速と、交差点付近での自車両の平均車速とでは、大きな差異が生じるため、以前に算出された交差点到達予測時間で交差点に到達できない場合があった。
【0004】
この場合、従来の装置は、以前に算出された交差点到達予測時間に基づくタイミングで、音声案内を行なう。この結果、音声案内のタイミングが早くなり、自車両が交差点に到達する頃には、運転者は音声案内の内容を忘れてしまうことが考えられる。すなわち、運転者に対して、音声案内後の経過時間が長くなるとともに、音声案内の効果が薄くなることが考えられる。
【0005】
また、このような問題は、音声案内以外の方法にて経路案内を行なう場合にも起こりえる。すなわち、案内経路に関する案内情報の効果が薄くなることが考えられる。
【0006】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、案内経路に関する案内情報の効果が薄くなることを防止し、運転者への経路案内の確実性を向上させることが可能な車載ナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の車載ナビゲーション装置は、
車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
道路形状を含む地図データを記憶する地図データ記憶手段と、
地図データを用いて車両を目的地に案内するための案内経路を探索する案内経路探索手段と、
案内経路探索手段によって探索された案内経路に関する案内情報を報知する報知手段とを備え、
報知手段は、
案内情報の案内対象地点から現在位置の方向へ第1の所定距離手前の案内情報を報知する地点において、案内情報を報知する第1の報知手段と、
案内情報を報知する地点から、地点から案内情報の案内対象地点に対しての距離とは異なる距離を基準として決定される他の案内情報を報知する地点、及び案内情報の案内対象地点のいずれか一方に達する前に再報知条件が成立した場合、その再報知条件成立に基づいて、前記案内情報を再報知する第2の報知手段とを有することを特徴とする。
【0008】
上述したように、請求項1に記載の車載ナビゲーション装置では、案内情報の案内対象地点から現在位置の方向へ第1の所定距離手前の案内情報を報知する地点に車両が到達した場合に、第1の報知手段が、案内情報を報知する。そして、この案内情報を報知する地点から他の案内情報を報知する地点及び案内情報の案内対象地点のいずれか一方に車両が達するまで、再報知条件が成立する場合には、運転者が案内経路に関する案内情報の内容を忘れないように、第2の報知手段が、案内経路に関する案内情報を再報知する。この結果、運転者に対して案内情報の内容を強く意識させることができる。これにより、案内経路に関する案内情報の効果が薄くなることを防止し、運転者への経路案内の確実性を向上させることができる。
【0009】
請求項2に記載したように、第2の報知手段は、第1の報知手段が案内情報を報知または第2の報知手段が案内情報を再報知してからの経過時間をカウントする第1のカウント手段を有し、経過時間が第1の所定時間を経過する毎に、再報知条件が成立したとすることが好ましい。これにより、案内情報を報知する地点から他の案内情報を報知する地点及び案内情報の案内対象地点のいずれか一方に車両が達するまで、第1の所定時間が経過する毎に、案内情報の再報知が繰り返される。
だ 請求項3に記載したように、第2の報知手段は、第1の所定時間が経過したときにおける、他の案内情報を報知する地点及び案内情報の案内対象地点のいずれか一方に達するまでの距離が、第2の所定距離以下である場合、案内情報の再報知を中止することが好ましい。上述した状況において、第2の報知手段が、案内情報を出力すると、続けざまに案内情報が出力されたり、既に案内情報の案内対象地点に達しようとしている時に、不要に案内情報が報知されてしまうためである。
【0010】
請求項4に記載したように、車両の走行時に、車両が走行する道路を記憶する記憶手段を備え、案内情報を報知する地点に向かって車両が走行している道路が、記憶手段に記憶されている道路に基づいて、走行頻度の高い道路とみなされる場合、第2の報知手段は、案内情報の再報知を中止することもできる。走行頻度の高い道路(例えば、自宅から勤務先への道路)を車両が走行する際、運転者はこの道路を熟知している。このため、走行頻度の高い道路においては、案内情報は第1の報知手段のみが報知する。
【0011】
請求項5に記載したように、案内情報の案内対象地点に信号機が設置されている場合、信号機における待ち時間に関する情報を取得する取得手段を備え、第2の報知手段は、第1の所定時間が経過したときに、信号機の待ち時間を取得しており、その待ち時間が第2の所定時間よりも短い場合には、案内情報の再報知を中止しても良い。例えば、案内情報の案内対象地点にて車両が信号待ちをしている場合、信号機が設置されている地点が案内情報の案内対象地点であることを運転者は把握している。このとき、待ち時間が短い場合に、第1の所定時間が経過し、第2の報知手段が、案内情報を再報知すると、運転者は案内情報を煩わしく感じることが考えられる。このため、待ち時間が第2の所定時間より短い場合、第1の所定時間が経過した場合であっても、第2の報知手段は、案内情報を再報知することを中止する。
【0012】
請求項6に記載したように、第2の報知手段が案内情報を再報知する場合、その案内情報は、取得手段によって取得された信号機の待ち時間を含むこともできる。例えば、第1の所定時間が経過し、かつ取得した待ち時間が15秒である場合、第2の報知手段は、案内情報「およそ100m先、左方向です。青信号に変わるまで、あと15秒です。」を報知する。これにより、運転者は信号待ち時間を把握することができる。
【0013】
請求項7に記載したように、案内情報の案内対象地点に信号機が設置されている場合、信号機を撮像する撮像手段を備え、第2の報知手段は、第1の所定時間が経過したときにおける、撮像された信号機の色が赤色である場合には、案内情報の再報知を保留し、撮像された信号機の色が青色となったときに、案内情報を再報知することもできる。例えば、信号機の色が赤色で停車中に案内情報を再報知する場合と比べて、信号機の色が青色となったとき、車両が発進するタイミングにて案内情報を再報知する場合の方が、運転者への的確な案内情報の再報知となるためである。
【0014】
請求項8に記載したように、車両の方向指示器が示す車両の曲がる方向を検出する検出手段を備え、第2の報知手段は、第1の所定時間が経過したときにおける、案内情報の案内対象地点に達するまでの距離が、第2の所定距離より長い第3の所定距離以下であっても、検出された車両の方向指示器が示す車両の曲がる方向と、案内情報の案内対象地点における車両の曲がるべき方向とが一致する場合、案内情報の再報知を中止しても良い。このような場合、運転者が案内情報の案内対象地点における車両の曲がるべき方向を把握していると考えられる。このため、案内情報の再報知の必要がないためである。
【0015】
請求項9に記載したように、第2の報知手段が案内情報を報知するためにカウントする第1の所定時間は、ユーザによって変更可能に構成されていることもできる。これにより、ユーザは、第1の所定時間を所望する時間に設定することができる。
【0016】
請求項10に記載したように、第2の報知手段は、再報知条件として、それぞれ異なる種別の条件で再報知を行なう複数の再報知モードを有し、複数の再報知モードから所望の再報知モードをユーザによって選択させる選択手段を有し、各再報知モードの再報知条件における、条件成立のための数値は、ユーザによって指定可能であることが好ましい。このようにすることにより、ユーザの所望のタイミングにて、第2の報知手段に案内情報の再報知をさせることができる。
【0017】
請求項11に記載したように、複数の再報知モードの1つは、再報知条件として、第1の所定距離より短く、かつ案内情報の案内対象地点から他の案内情報を報知する地点までの距離と異なる第4の所定距離に達することであり、再報知モードの再報知条件における、条件成立のための第4の所定距離をユーザによって指定させることが好ましい。このようにすることにより、案内情報を報知する地点と異なる、ユーザの所望する地点にて、案内情報の再報知をすることができる。
【0018】
請求項12に記載したように、第1の報知手段が案内情報を報知してからの経過時間をカウントする第2のカウント手段を備え、複数の再報知モードの1つは、再報知条件として、経過時間が第3の所定時間を経過し、かつ第4の所定距離に達することであり、再報知モードの再報知条件における、条件成立ための第3の所定時間及び第4の所定距離をユーザによって指定させることもできる。これにより、第3の所定時間が経過し、かつ案内情報を報知する地点と異なる、ユーザの所望する地点に少なくとも到達した場合に、案内情報の再報知をすることができる。
【0019】
請求項13に記載したように、車両の車速を検出する車速検出手段を備え、複数の再報知モードの1つは、再報知条件として、検出された車速が所定車速まで上昇することであり、再報知モードの再報知条件における、条件成立のための所定車速をユーザによって指定させても良い。このようにすることにより、渋滞が解消されたとみなし、適切な案内情報の再報知を行なうことができる。
【0020】
請求項14に記載したように、第1の報知手段が報知する案内情報と、第2の報知手段が再報知する案内情報を異ならせることが好ましい。例えば、第1の報知手段は、案内情報「およそ300m先、左方向です。」を報知し、第2の報知手段は、案内情報「およそ300m先、左方向です。歩行者にご注意ください。」を報知する。これにより、同一内容の単調な案内情報の報知を繰り返すことを防止することができる。
【0021】
請求項15に記載したように、第2の報知手段による案内情報の再報知の実行の有無が、ユーザによって変更可能に構成されていても良い。これにより、ユーザは、第2の報知手段の実行の有無を設定することができる。
【0022】
請求項16に記載したように、報知手段は、案内経路に関する案内情報を音声案内メッセージとして音声にて報知することが好ましい。これにより、音声案内の効果が薄くなることを防止することができる。
【0023】
請求項17に記載したように、音声の音量を調節する音量調節手段を備え、音量調節手段は、第2の報知手段によって案内経路に関する案内情報を音声案内メッセージとして音声にて再報知が繰り返される際に、音声の音量を低下させることをもできる。例えば、渋滞がひどい場合に、案内情報を音声案内メッセージとして音声にて再報知が繰り返されると、運転者は案内情報の音声における再報知を煩わしく感じることが考えられる。このため、案内情報の再報知が音声にて行われる場合には、音声の音量を低下させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態による車載ナビゲーション装置100の概略構成を示すブロック図である。以下、本実施形態による車載ナビゲーション装置について詳細に説明する。
【0025】
ナビゲーション装置100は、位置検出器10、デジタル道路地図データベース20、コンピュータ30、表示部40、操作スイッチ群50、音声出力部60、音声入力部70、外部メモリ80、及びVICS受信機90を備えている。
【0026】
コンピュータ30は、内部には周知のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインを備えている。ROMには、コンピュータ30が実行するためのプログラムが書き込まれており、このプログラムに従ってCPU等が所定の演算処理を実行する。
【0027】
位置検出器10は、衛星からの電波に基づいて車両の位置を測定するグローバルポジショニングシステム(GPS)のためのGPS受信機11、車両の絶対方位を検出するための地磁気センサ12、車両の相対方位を検出するためのステアリングセンサ13を有している。さらに、位置検出器10は、車両の走行速度から走行距離を検出するために車速センサ14を備えている。
【0028】
このように、位置検出器10は、電波航法による車両位置測定のためにGPS受信機11を有するとともに、自立航法による車両位置推定のために地磁気センサ12、ステアリングセンサ13及び車速センサ14を有している。また、電波航法としては、GPSに限らず、例えばVICSの光ビーコンを利用しても良い。また、自立航法における車両の相対方位を検出するために、ステアリングセンサ13に代えて、ジャイロセンサや車両の左右輪に設けられた車輪速センサを用いても良い。
【0029】
デジタル道路地図データベース20は、道路データ、背景データ、文字データ及び施設データなどを含むデジタル地図データをコンピュータ30に入力するための装置である。デジタル道路地図データベース20は、デジタル地図データを記憶する情報記憶媒体21を有し、情報記憶媒体21としては、そのデータ量からCD−ROMまたはDVD−ROMを用いるのが一般的であるが、メモリカード、ハードディスク等を用いてもよい。
【0030】
ここで、道路データの構成について説明する。道路データは、道路毎に固有の番号を付したリンクID、リンク座標データ、ノード座標データ、高速道路や国道等の道路種別を示す道路種別データ、道路幅員データ等の各データから構成されている。道路データにおけるリンクとは、地図上の各道路を、交差点、分岐点などを示すノードにより複数に分割し、そして2つのノード間をリンクとして規定したものである。そして、リンク座標データには、このリンクの始端と終端の座標が記述される。なお、リンクの途中にノードが含まれる場合には、ノード座標データにノード座標が記述される。この道路データは、地図を表示する以外に、マップマッチング処理を行なう際の道路の形状を与えるために用いられたり、目的地までの案内経路を検索する際に用いられる。
【0031】
背景データは、道路地図を表示部40に表示する際に、道路以外の表示対象となる施設形状、自然地形等を表示するためのデータである。文字データは、地名、施設名、道路名等を道路地図上に表示するためのものであり、表示位置に対応する地図上の座標を関連付けたデータとして構成している。
【0032】
表示部40は、例えば、液晶ディスプレイによって構成され、表示部40の画面には車両の現在位置に対応する自車位置マーク、及び、デジタル道路地図データベース20より入力された地図データによって生成される車両周辺の道路地図を表示することができる。また、目的地が設定された場合、道路地図上には、現在位置から目的地までの案内経路が重ねて表示される。
【0033】
操作スイッチ群50は、例えば、表示部40と一体になったタッチパネルスイッチもしくは表示部40の周辺に設けられるメカニカルなスイッチ等からなり、各種入力に使用される。
【0034】
音声出力部60はスピーカ等からなり、経路案内が行なわれている場合には、音声案内を行なう案内地点に車両が到達したと判定されると、案内対象に関する音声案内を出力する。案内地点は、案内対象と現在位置との距離に基づいて決まっており、例えば、案内地点は、案内対象から100m、300m、700mの地点である。また、案内地点にて音声案内が行なわれてから、次に音声案内を行なう案内地点もしくは案内対象地点に車両が到達する前に、設定時間が経過した場合には、案内対象に関する音声案内メッセージを出力する。また、音声入力部70は、マイク等からなり、ユーザによって発せられた音声を取り込んで、コンピュータ30に入力する。コンピュータ30は、入力された音声の認識処理を行い、その認識結果に基づいて、各種の制御を実行する。
【0035】
外部メモリ80は、例えば、メモリカードやハードディスク等の記憶媒体からなる。この外部メモリ80には、ユーザによって記憶されたテキストデータ、画像データ、音声データ等の各種データが記憶される。
【0036】
VICS受信機90は、道路に敷設されたビーコンや各地のFM放送局を介して、VICSセンタから配信される道路交通情報等の情報を受信したり、必要に応じて車両側から外部へ情報を送信したりする装置である。受信した情報は、コンピュータ30で処理され、例えば、渋滞情報や制限速度情報等は表示部40に表示される道路地図上に重ねて表示される。
【0037】
また、本実施形態の車載ナビゲーション装置100は、操作スイッチ群50もしくは音声認識によって目的地の位置が入力されると、現在位置からその目的地までの最適な経路を自動的に選択して案内経路を形成し表示する、いわゆる経路案内機能も備えている。このような自動的に最適な経路を設定する手法は、周知のダイクストラ法等の手法が知られている。また、ユーザによって入力された、例えば、住所、施設名称、電話番号等から施設等の位置を検索する検索機能も備えている。
【0038】
これらの機能は、主にコンピュータ30によって各種の演算処理がなされることによって実行される。すなわち、コンピュータ30は目的地が入力されるとデジタル道路地図データベース20の地図データを用いて経路を計算し、その経路を表示する。この他、コンピュータ30は、車両の位置を示す自車位置マークとその周辺の道路地図を表示部40に表示させたり、道路地図の縮尺を変更したりする。
【0039】
次に、本実施形態における経路探索処理について、図2及び図3のフローチャートを用いて詳細に説明する。なお、図2は、経路探索処理のメインルーチンを示すフローチャートであり、図3は、経路案内処理のルーチンを示すフローチャートである。
【0040】
まず、図2のステップS10では、車両の現在位置を検出する。このとき、GPS受信機11による位置データは、上述の道路データの座標データ(緯度と経度)と同じ形態で取得される。また、地磁気センサ12、ステアリングセンサ13、車速センサ14によって自車両の進行方向及び走行距離に関するデータが取得され、過去に算出、もしくは確定された車両位置を基準として、現在位置の座標データの算出を行なう(自立航法による座標データの算出)。なお、現在位置は、基本的には、自立航法により算出された座標データに基づいて求められる。ただし、GPS受信機11による位置データが取得されている場合には、両者を比較し、その差が所定距離以上である場合には、現在位置として、GPS受信機11による位置データを採用する。
【0041】
ステップS20では、車両の現在位置を含む、周辺地図の地図データがデジタル道路地図データベース20から読み込まれ、表示部40に表示される。ステップS30では、目的地が設定されるか否かを判定する。具体的には、例えば、メニュー画面が表示部40に表示され、このメニュー画面の「目的地設定メニュー」項目が選択されたか否かを判定する。「目的地設定メニュー」項目が選択されなかったと判定された場合、ステップS10に戻る。一方、「目的地設定メニュー」項目が選択されたと判定された場合、ステップS40に進む。
【0042】
ステップS40では、目的地が設定される。具体的には、例えば、表示部40に目的地設定メニューが表示される。この目的地設定メニューには、「名称で探す」、「ジャンルで探す」、「電話番号で探す」などがある。ユーザは、この目的地設定メニューのいずれかを選択し、選択したメニューに応じた検索条件を入力する。例として、ユーザが「電話番号で探す」を選択した場合、ユーザの所望する施設の電話番号「000−123−4567」が検索条件として入力され、コンピュータ30は、この入力された電話番号「000−123−4567」と一致する電話番号を付している施設データを検索する。この検索された施設データに対応する施設が目的地として設定される。
【0043】
ステップS50では、特に指示がない限り、ステップS10にて検出された現在位置を出発地とし、ステップS40にて設定された目的地までの経路をダイクストラ法等の手法で探索する。ステップS60では、ステップS50にて探索された経路を表示する。具体的には、表示制御部(図示せず)が、探索された経路を道路データに重ねて強調表示し、表示部40へ表示する。ステップS70では、経路案内処理が実行される。この経路案内処理における案内音声の出力処理を図3のフローチャートを用いて説明する。
【0044】
図3のフローチャートにおいて、まずステップS110では、案内対象に関する音声案内を行なう最初の案内地点に現在位置が到達したか否かを判定する。案内地点に到達したと判定された場合、ステップS120に進む。ステップS120では、案内地点に基づく音声案内が行なわれる。具体的には、例えば、音声出力部60を介して、音声案内メッセージ「およそ700m先、左方向です。」が音声で出力される。
【0045】
ステップS130では、コンピュータ30は、音声案内後の経過時間をカウントする。ステップS140では、音声案内を行なう次の案内地点に現在位置が到達したか否かを判定する。次の案内地点に現在位置が到達していないと判定された場合、ステップS150に進む。ステップS150では、コンピュータ30は、経過時間のカウントを継続する。ステップS160では、コンピュータ30がカウントしている経過時間が設定時間を超えたか否かを判定する。設定時間を超えてないと判定された場合、ステップS140に戻る。一方、設定時間を超えたと判定された場合、ステップS170に進む。
【0046】
ステップS170では、設定時間経過に基づく音声案内が行なわれる。具体的には、例えば、音声出力部60を介して、音声案内メッセージ「およそ600m先、左方向です。歩行者にご注意ください。」が音声で出力される。これにより、案内情報を報知する地点から他の案内情報を報知する地点及び案内情報の案内対象地点のいずれか一方に車両が達するまで、第1の所定時間が経過する毎に、案内情報の再報知が繰り返される。
【0047】
また、このように、案内地点に到達した場合と、設定時間を経過した場合とでは、音声案内メッセージが異なる。具体的には、例えば、上述したように、(ステップS170の)設定時間経過に基づく音声案内メッセージは、(ステップS120の)案内地点に基づく音声案内メッセージに、「歩行者にご注意ください」というメッセージが加えられている。また、「歩行者にご注意ください」というメッセージに変えて、渋滞時の休憩場所の案内や周辺の宣伝、注意喚起の案内に関するメッセージを加えても良い。さらに、設定時間が経過した時点における、自車両の現在位置から案内対象までの距離を算出し、案内地点に基づく音声案内メッセージと設定時間経過に基づく音声案内メッセージとの距離を異ならせるようにしても良い。これにより、同一内容の単調な音声案内を繰り返すことを防止することができる。ステップS180では、コンピュータ30は、カウントしている経過時間をクリアし、経過時間を再カウントする
ステップS140において、次の案内地点に現在位置が到達したと判定された場合、ステップS190に進む。ステップS190では、案内地点に基づく音声案内が行なわれる。ステップS200では、コンピュータ30は、カウントされた経過時間をクリアする。
【0048】
ステップS210では、案内対象地点を通過したか否かを判定する。案内対象地点を通過していないと判定された場合、ステップS130に戻る。一方、案内対象地点を通過したと判定された場合、ステップS220に進む。ステップS220では、車両の進行方向における、現在位置を起点とする案内経路上に案内対象があるか否かを判定する。案内対象があると判定された場合、ステップS110に戻る。一方、案内対象がないと判定された場合、コンピュータ30は、処理を終了する。
【0049】
以上、説明したように本実施形態によれば、案内対象から現在位置の方向への所定距離手前の案内地点に車両が到達した場合に、音声出力部60を介して、案内対象に関する音声案内メッセージが出力される。そして、この案内地点から他の案内地点及び案内対象の地点のいずれか一方に車両が達するまで、再音声案内条件が成立する(設定時間以上の時間がかかる)場合には、運転者が音声案内メッセージの内容を忘れないように、音声出力部60を介して、案内対象に関する音声案内メッセージが再出力されることを可能にした。この結果、運転者に対して音声案内メッセージの内容を強く意識させることができる。これにより、案内経路に関する案内情報(音声案内メッセージ)の効果が薄くなることを防止し、運転者への経路案内の確実性を向上させることができる。
【0050】
なお、本発明は、上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することができる。
【0051】
例えば、上述した実施形態においては、経過時間が設定時間を超えた場合に、設定時間経過に基づく音声案内を行なう例について説明した。しかしながら、経過時間が設定時間を超えても、現在位置と他の案内地点又は案内対象地点との距離が第1の所定距離以下である場合、現在位置が案内地点に到達したと判定されるまで、音声案内を禁止しても良い。例えば、案内対象から現在位置までの距離が100mである地点を次の案内地点とし、案内対象から現在位置までの距離が105mの地点にて、経過時間が設定時間を超え、音声案内が行なわれ、続けて、5m先の次の案内地点にて音声案内が行なわれる場合が考えられる。この場合、運転者は音声案内の煩わしさを感じる可能性があるので、車両が案内地点に到達したと判定されてから、音声案内が行なわれる。
【0052】
また、例えば、経過時間が所定時間を超えても、現在位置と案内対象地点との距離が第1の所定距離より長く第2の所定距離以下である場合、運転者は、事前に聞いた音声案内に従って、車両の方向指示器に、案内対象地点における車両の曲がるべき方向を示している場合がある。このような場合、運転者が案内対象地点における車両の曲がるべき方向を把握していると考えられる。このため、設定時間経過に基づく音声案内の必要がないためである。
【0053】
また、上述した実施形態では、運転者が走行したことがある道路か否かに係らず、距離を基準として定められた案内地点における音声案内から所定時間が経過すると、その時間経過に基づいて、音声案内を再出力していた。しかしながら、運転者が頻繁に利用する道路であれば、運転者はその道路を良く知っており、音声案内を繰り返し行なう必要性は乏しく、音声案内を繰り返した場合、却って運転者に対して煩わしさを感じさせる可能性もある。そのため、運転者の走行経験を考慮して、時間経過に基づく音声案内の実行の可否を決定しても良い。
【0054】
具体的には、車載ナビゲーション装置100において、車両が運転される際に、車両が走行する道路をデジタル地図データを用いて識別し、その走行道路を示す情報を、例えば外部メモリ80に記憶しておく。そして、経路案内時には、その外部メモリ80の記憶内容を参照して、案内対象地点に向かって車両が走行している道路が、走行回数が所定回数以上であって、運転者が頻繁に利用する道路か否かを判定する。そして、運転者が頻繁に利用する道路であると判定される場合には、時間経過に基づく音声案内の実行を中止する。このようにすれば、運転者が不案内な道路においてのみ、時間経過に基づく音声案内を行なうことができる。
【0055】
さらに、例えば、路上機やネットワークを介して、各交差点における信号の待ち時間に関する情報が提供される場合、その待ち時間に関する情報を取得し、その待ち時間に応じて、時間経過に基づく音声案内の実行の可否を決定したり、音声案内にその待ち時間を含ませても良い。
【0056】
すなわち、信号機の待ち時間に関する情報は、信号機が設置されている交差点近辺に設けたビーコン等の路上機や、各信号機の状態を管理する管理センターから配信できる。そして、車両側には、配信される信号機の待ち時間に関する情報を受信する受信機を設ける。
【0057】
信号機の待ち時間に応じて、時間経過に基づく音声案内の実行の可否の決定は、例えば、次のようにして行なわれる。案内地点における音声案内からの経過時間が設定時間となったときに、信号機の待ち時間を取得していれば、その待ち時間の長さを判定し、その待ち時間が短いと判定された場合には、設定時間経過に基づく音声案内の実行を中止する。この場合、車両はすぐに走行を開始して、案内対象地点である交差点を通過することが予想されるためである。
【0058】
一方、案内地点における音声案内からの経過時間が設定時間となったときに、信号機の待ち時間を取得していなかったり、取得していてもその待ち時間が長いと判定された場合には、時間経過に基づく音声案内を実行する。この場合、信号機の待ち時間が取得されていれば、その待ち時間を、案内音声に含めて、運転者に報知する。これにより、運転者は、進むべき経路に関する案内に加えて、信号機の待ち時間も把握することができる。
【0059】
また、例えば、信号機の待ち時間に関する情報を取得できないことを考慮し、車両側に、信号機を撮影可能なカメラを設けても良い。そして、カメラによって、設定時間が経過したときに、撮像された信号機の色が赤色である場合には、設定時間経過に基づく音声案内を保留にし、撮像された信号機の色が青色となったときに、設定時間経過に基づく音声案内を行なっても良い。例えば、信号機の色が赤色で停車中に、設定時間経過に基づく音声案内を行なう場合と比べて、信号機の色が青色となったとき、車両が発進するタイミングにて、設定時間経過に基づく音声案内を行なう場合の方が、運転者への的確な設定時間経過に基づく音声案内となるためである。
【0060】
また、上述した実施形態では、設定時間が予め設定されている例について説明した。しかしながら、設定時間をユーザが変更できるようにしても良い。これにより、ユーザは、設定時間を所望する時間に設定することができる。
【0061】
また、上述した実施形態では、再音声案内条件が成立した場合として、設定時間が経過する毎に、設定時間経過に基づく音声案内が行なわれる例について説明した。しかしながら、再音声案内条件として、それぞれ異なる種別の条件で再音声案内を行なう複数の再音声案内モードを有し、複数の再音声案内モードから所望の再音声案内モードをユーザによって選択させ、各再音声案内モードの再音声案内モードにおける、再音声案内条件成立のための数値をユーザに指定させることができる。このようにすることにより、ユーザの所望のタイミングにて、再音声案内条件成立に基づく音声案内を行なうことができる。
【0062】
具体的には、例えば、図4に示すような再音声案内モード選択画面510が表示部40に表示される。操作スイッチ群50を介して、この再音声案内モード選択画面510中の項目のいずれかが選択されたかを判定する。
【0063】
「第1の再音声案内モード」項目が選択された場合、例えば、図5に示すような設定距離指定画面520が表示部40に表示される。設定距離指定画面520の右側には、0〜9までの数字が表示されており、操作スイッチ群50を用いて、これらの数字を介して、隣接する2つの音声案内地点における各設定距離が入力される。ここでは、「0m〜100m」における設定距離は「−」である。「−」は、ユーザによって設定距離が入力されていないことを示す記号である。また、「100m〜300m」における設定距離は「200(m)」であり、「300m〜700m」における設定距離は「500(m)」が入力されている。
【0064】
また、「第2の再音声案内モード」項目が選択された場合、図6の例に示すような設定時間及び設定距離指定画面530が表示部40に表示される。この設定時間及び設定距離指定画面530の右側に表示されている0〜9までの数字を、操作スイッチ群50を用いて、設定時間及び設定距離が入力される。ここでは、設定時間が「1(分)」と入力され、各設定距離が「50(m)」、「200(m)」、「500(m)」と入力されている。
【0065】
さらに、「第3の再音声案内モード」項目が選択された場合、例えば、図7に示すような設定車速指定画面540が表示部40に表示される。設定車速指定画面540において、上述した「設定時間及び設定距離を設定する」場合と同様にして、操作スイッチ群50を用いて、設定車速が入力される。ここでは、設定車速が「20(km/h)」と入力されている。
【0066】
例えば、第1の再音声案内モードにて、設定距離が入力されている場合、車両の現在位置が案内対象地点から当該現在位置の方向へ設定距離(例えば、500m)に達した場合、設定距離到達に基づく音声案内(再音声案内)が行なわれる。具体的には、例えば、音声出力部60を介して、音声案内メッセージ「およそ500m先、左方向です。歩行者にご注意ください。」が音声で出力される。このようにすることにより、音声案内地点と異なる、ユーザの所望する地点にて、設定距離到達に基づく音声案内を行なうことができる。
【0067】
また、第2の再音声案内モードにより、設定時間及び設定距離が入力されている場合、設定時間(例えば、1(分))が経過し、かつ車両の現在位置が案内対象地点から現在位置の方向へ設定距離(例えば、200(m))に達した場合、設定時間経過及び設定距離到達に基づく音声案内(再音声案内)が行なわれる。これにより、設定時間が経過し、かつ音声案内地点と異なる、ユーザの所望する地点に少なくとも到達した場合に、設定時間経過及び設定距離到達に基づく音声案内を行なうことができる。
【0068】
さらに、第3の再音声案内モードにより、設定車速が入力されている場合、車速が設定車速(20(km/h))まで上昇した場合、設定車速上昇に基づく音声案内(再音声案内)が行なわれる。このようにすることにより、渋滞が解消されたとみなし、適切な再音声案内を行なうことができる。
【0069】
さらに、上述した実施形態では、音声案内メッセージの再出力が実行される例について説明した。しかしながら、音声案内メッセージの再出力の実行の有無を、ユーザが設定できるようにしても良い。これにより、ユーザは、音声案内メッセージの実行の有無を設定することができる。
【0070】
また、上述した実施形態では、音声案内メッセージの音量が常に一定である例について説明した。しかしながら、音声案内メッセージの再出力が繰り返される際に、当該音声案内メッセージの音声の音量を低下させても良い。例えば、渋滞がひどい場合に、音声案内メッセージの再出力が繰り返されると、運転者は音声案内メッセージの再出力を煩わしく感じることが考えられる。このため、音声案内メッセージの再出力をする場合には、音声案内メッセージの音声の音量を低下させる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本実施形態による車載ナビゲーション装置100の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態における、経路探索処理のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図3】本実施形態における、経路案内処理のルーチンを示すフローチャートである。
【図4】本実施形態における、再音声案内モード選択画面510の表示例を示すイメージ図である。
【図5】本実施形態における、設定距離指定画面520の表示例を示すイメージ図である。
【図6】本実施形態における、設定時間及び設定距離指定画面530の表示例を示すイメージ図である。
【図7】本実施形態における、設定車速指定画面540の表示例を示すイメージ図である。
【符号の説明】
【0072】
10…位置検出器
11…GPS受信機
12…地磁気センサ
13…ステアリングセンサ
14…車速センサ
20…デジタル道路地図データベース
21…情報記録媒体
30…コンピュータ
40…表示部
50…操作スイッチ群
60…音声出力部
70…音声入力部
80…外部メモリ
90…VICS受信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
道路形状を含む地図データを記憶する地図データ記憶手段と、
前記地図データを用いて車両を目的地に案内するための案内経路を探索する案内経路探索手段と、
前記案内経路探索手段によって探索された案内経路に関する案内情報を報知する報知手段とを備え、
前記報知手段は、
前記案内情報の案内対象地点から前記現在位置の方向へ第1の所定距離手前の前記案内情報を報知する地点において、前記案内情報を報知する第1の報知手段と、
前記案内情報を報知する地点から、当該地点から前記案内情報の案内対象地点に対しての距離とは異なる距離を基準として決定される他の案内情報を報知する地点、及び前記案内情報の案内対象地点のいずれか一方に達する前に再報知条件が成立した場合、その再報知条件成立に基づいて、前記案内情報を再報知する第2の報知手段とを有することを特徴とする車載ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記第2の報知手段は、
前記第1の報知手段が案内情報を報知または当該第2の報知手段が案内情報を再報知してからの経過時間をカウントする第1のカウント手段を有し、
前記経過時間が第1の所定時間を経過する毎に、前記再報知条件が成立したとすることを特徴とする請求項1に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記第2の報知手段は、前記第1の所定時間が経過したときにおける、前記他の案内情報を報知する地点及び前記案内情報の案内対象地点のいずれか一方に達するまでの距離が、第2の所定距離以下である場合、前記案内情報の再報知を中止することを特徴とする請求項2に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項4】
車両の走行時に、当該車両が走行する道路を記憶する記憶手段を備え、
前記案内情報を報知する地点に向かって車両が走行している道路が、前記記憶手段に記憶されている道路に基づいて、走行頻度の高い道路とみなされる場合、前記第2の報知手段は、前記案内情報の再報知を中止することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記案内情報の案内対象地点に信号機が設置されている場合、当該信号機における待ち時間に関する情報を取得する取得手段を備え、
前記第2の報知手段は、前記第1の所定時間が経過したときに、前記信号機の待ち時間を取得しており、その待ち時間が第2の所定時間よりも短い場合には、前記案内情報の再報知を中止することを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項6】
前記第2の報知手段が案内情報を再報知する場合、その案内情報は、前記取得手段によって取得された信号機の待ち時間を含むことを特徴とする請求項5に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項7】
前記案内情報の案内対象地点に信号機が設置されている場合、当該信号機を撮像する撮像手段を備え、
前記第2の報知手段は、前記第1の所定時間が経過したときにおける、前記撮像された信号機の色が赤色である場合には、前記案内情報の再報知を保留し、前記撮像された信号機の色が青色となったときに、当該案内情報を再報知することを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項8】
前記車両の方向指示器が示す車両の曲がる方向を検出する検出手段を備え、
前記第2の報知手段は、前記第1の所定時間が経過したときにおける、前記案内情報の案内対象地点に達するまでの距離が、前記第2の所定距離より長い第3の所定距離以下であっても、前記検出された車両の方向指示器が示す車両の曲がる方向と、前記案内情報の案内対象地点における車両の曲がるべき方向とが一致する場合、前記案内情報の再報知を中止することを特徴とする請求項3に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項9】
前記第2の報知手段が案内情報を報知するためにカウントする前記第1の所定時間は、ユーザによって変更可能に構成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項8のいずれかに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項10】
前記第2の報知手段は、
前記再報知条件として、それぞれ異なる種別の条件で再報知を行なう複数の再報知モードを有し、前記複数の再報知モードから所望の再報知モードをユーザによって選択させる選択手段を有し、
各再報知モードの前記再報知条件における、条件成立のための数値は、ユーザによって指定可能であることを特徴とする請求項1に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項11】
前記複数の再報知モードの1つは、前記再報知条件として、前記第1の所定距離より短く、かつ前記案内情報の案内対象地点から前記他の案内情報を報知する地点までの距離と異なる第4の所定距離に達することであり、
前記再報知モードの前記再報知条件における、条件成立のための前記第4の所定距離をユーザによって指定させることを特徴とする請求項10に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項12】
前記第1の報知手段が案内情報を報知してからの経過時間をカウントする第2のカウント手段を備え、
前記複数の再報知モードの1つは、前記再報知条件として、前記経過時間が第3の所定時間を経過し、かつ前記第4の所定距離に達することであり、
前記再報知モードの前記再報知条件における、条件成立ための前記第3の所定時間及び前記第4の所定距離をユーザによって指定させることを特徴とする請求項10または請求項11に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項13】
前記車両の車速を検出する車速検出手段を備え、
前記複数の再報知モードの1つは、前記再報知条件として、前記検出された車速が所定車速まで上昇するであり、
前記再報知モードの前記再報知条件における、条件成立のための前記所定車速をユーザによって指定させることを特徴とする請求項10乃至請求項12のいずれかに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項14】
前記第1の報知手段が報知する案内情報と、前記第2の報知手段が再報知する案内情報を異ならせることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項15】
前記第2の報知手段による案内情報の再報知の実行の有無が、ユーザによって変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項16】
前記報知手段は、前記案内経路に関する案内情報を音声案内メッセージとして音声にて報知することを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれかに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項17】
音声の音量を調節する音量調節手段を備え、
前記音量調節手段は、前記第2の報知手段によって前記案内経路に関する案内情報を音声案内メッセージとして音声にて再報知が繰り返される際に、当該音声の音量を低下させることを特徴とする請求項16に記載の車載ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−91003(P2006−91003A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−166224(P2005−166224)
【出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】