説明

車載ナビゲーション装置

【課題】目的地の付近の駐車場に到着する時刻及び駐車場から車両が出る時刻から、その間営業中であり、かつ、目的地の付近の最も安い駐車料金を算出できる。
【解決手段】駐車場に車両が入る駐車開始時刻及び駐車場から車両が出る駐車終了時刻を入力する駐車時間設定部84と、車両の目的地設定入力に基づき、駐車時間設定部84で入力した駐車場に入る駐車開始時刻から、駐車場から車両が出る駐車終了時刻の間を駐車できる駐車場を駐車条件に適合するか否かを検討して特定する駐車場抽出部82と、駐車場抽出部82で特定された駐車場に対してその駐車料金を表示する駐車場表示部83とを具備し、駐車場表示部83で表示された駐車場から特定の駐車場が選択されたとき、当該特定の駐車場を当初設定した目的地に対する経由地として設定し、そのルートを探索すると共に、該探索されたルートに従ってルート案内するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の出発地から目的地の間のルートを探索するとき、目的地付近の駐車場を検索できる車載ナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の駐車場情報は、どの駐車場を何時間使うと幾らの駐車料金が課せられ、駐車料金の上限が幾らになるかを把握することが不可能であった。そのため、単位時間当たりの安い駐車場がいいのか、駐車料金の上限がある方がいいのかを判断することができず色々な駐車場を巡回し、効率的な駐車場を決めかね、無駄な燃料消費及び労力を費やしていた。
【0003】
そこで、特許文献1では、例えば、ユーザが利用しようとする施設を、利用料金に応じたアイコンで表示し、地図上に表示された当該アイコンで施設の位置及び利用料金が容易にわかり、ユーザにとって最適な施設を決定することができる技術を開示している。特に、ユーザが利用しようとする施設が駐車場の場合、利用料金だけでなく利用状況(例えば、空きの有無)に応じてアイコンが変化するようにすれば、ユーザは利用料金と利用状況とを一目で把握することができる技術を開示している。
この特許文献1によって、駐車場の料金を知るために、例えば、地図上で所望の駐車場を選択してから、複雑なメニューをみて料金の表示を確認する必要がなくなり、車両の走行中であっても、駐車場またはその他の施設の位置及び料金を容易に知ることができる車載用ナビゲーション装置となった。
【特許文献1】特開2004−69549
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1では、ユーザが利用しようとする駐車場を単位時間当たりの利用料金に応じたアイコンで表示し、地図上に表示された当該アイコンで駐車場の位置及び利用料金を判断し、所望の駐車場を選択するものであるが、駐車場に駐車する時刻から駐車場を出る時刻の駐車時間の長短による駐車料金の支払額の違いについては究明されていない。また、営業時間との関係については、対応することができなかった。
【0005】
そこで、この発明はかかる不具合を解決し、目的地の付近の駐車場に到着する時刻及び駐車場から車両が出る時刻から、その間営業中であり、かつ、目的地の付近の最も安い駐車料金を算出できる車載ナビゲーション装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1にかかる車載ナビゲーション装置は、車両の目的地の入力により、駐車場抽出部が前記目的地の周辺の検索範囲を検索し、かつ、駐車時間設定部に設定された駐車場に前記車両が入る駐車開始時刻、前記駐車場から前記車両が出る駐車終了時刻から、駐車場抽出部が前記駐車場に入る駐車開始時刻から前記車両が出る駐車終了時刻の間、駐車できる駐車場を抽出する。そして、前記駐車場抽出部で抽出された前記駐車場に対して、駐車場表示部で駐車料金の値段別に抽出された前記駐車場を表示する。前記駐車場表示部で表示された前記駐車場から特定の駐車場が選択されたとき、当該特定の駐車場を当初設定した前記目的地に対する経由地として設定し、そのルートを探索すると共に、該探索されたルートに従ってルート案内する。
ここで、上記駐車場抽出部は、前記車両の目的地を入力したとき、前記目的地の周辺の駐車場検索範囲を特定するもので、最初から、例えば、半径500[m]以内、1[Km]以内、1.5[Km]以内と1段階のみ、または複数段階に特定しておいてもよいし、人為的に抽出できるようにしてもよい。特に、地域によって駐車場の設置条件が異なるから、人口密度または市町村の人口によって、複数抽出できるようにしてもよい。特に、駐車条件に適合するか否かの検討は、車両の種類によって駐車場が探し難い場合があるので、それをも考慮して設定するのが望ましい。
また、上記駐車終了時刻は、前記駐車場から車両が出る時間を入力するものであるが、車両の到着地(出発地)から逆算してもよいし、直接、前記駐車場から車両が出る時間を直接入力してもよい。
そして、上記駐車場抽出部は、前記駐車場に入る駐車開始時刻から、前記駐車場から車両が出る駐車終了時刻の間、駐車できる駐車場を特定するものであり、駐車場の営業時間の範囲内で当該駐車場に車両の出入りができるか否かを判断するものである。
更に、上記駐車場表示部は、前記駐車場抽出部で特定された駐車場に対して、駐車料金の値段別に抽出された駐車場を表示するもので、駐車場の駐車料金の安い値段順に並べてもよいし、駐車場と目的地との距離順で並べてもよい。或いは、地図上に料金を表示させてもよい。また、前記駐車場表示部で表示された駐車場から特定の駐車場が選択されたときとは、人為的に択一選択した場合、所定の条件を満たす駐車場を択一的に自動選択した場合の何れでもよい。また、当該駐車場を前記車両の前記目的地に対する経由地としての設定は、直接、新たな目的地として設定してもよいが、当該駐車場が満車になった場合には、他の候補を選択しやすくなる。
【0007】
請求項2にかかる車載ナビゲーション装置の前記駐車場抽出部は、特定の半径距離範囲内の駐車場を検索し、そこに駐車場の数が特定の数値に満たないとき、更に、検索する半径を大きくして距離範囲内の駐車場を検索するものである。
ここで、特定の半径距離範囲内の駐車場を検索し、そこに駐車場の数が特定の数値に満たないとき、更に、検索する半径を大きくして距離範囲内の駐車場を検索するとは、例えば、最初は半径500[m]以内で検索し、数箇所しか該当がなかったときには、次に、1[Km]以内、1.5[Km]以内等と順次半径を大きくし、その半径内の駐車場を検索するものである。
【0008】
請求項3にかかる車載ナビゲーション装置の前記駐車場抽出部は、特定の半径距離範囲内の駐車場を検索し、特定数の駐車場の数に満たないとき、更に、検索する半径を大きくして所定の半径距離範囲内の特定数の駐車場を検索するものである。
ここで、特定の半径距離範囲内の駐車場を検索し、特定数の駐車場の数に満たないとき、更に、検索する半径を大きくして所定半径距離範囲内の特定数の駐車場を検索するとは、例えば、最初は半径500[m]以内で検索し、数箇所しか該当がなかったときには、所定数以上になるまで、1[Km]以内、1.5[Km]以内等と順次半径を大きくし、その半径内の駐車場を所定数以上抽出するものである。しかし、最初の半径500[m]以内で所定数の駐車場が検出されれば、それ以上検索を行わないものである。
【0009】
請求項4にかかる車載ナビゲーション装置の前記駐車場に入る駐車開始時刻は、前記車両の目的地を入力したときから、当該目的地に到着する推定到着時刻によって算出するものである。ここで、当該目的地に到着する推定到着時刻は、前記車両の目的地を入力した後に車両の動きが生じてからでもよいが、その間の時間は極僅かであると見做し、かつ、運転中の操作を省略できるから、前記車両の目的地を入力したときとすることができる。車両の走行時間の学習によって、更に、正確な時間を算出することもできる。
【0010】
請求項5にかかる車載ナビゲーション装置の前記駐車場から車両が出る時間を入力する駐車終了時刻は、自宅に帰宅する時刻を入力することにより算出するものである。
ここで、上記駐車終了時刻に設定する前記駐車場から車両が出る時刻は、最寄の駅等の公共機関を使用して帰ってくる場合であれば、直接、前記駐車場から車両が出る時刻を入力するのが正確である。しかし、自宅に帰宅する推定到着時刻からも設定できる。
【0011】
請求項6にかかる車載ナビゲーション装置の前記駐車場表示部で表示された駐車場から特定の駐車場を選択する場合には、駐車料金及び/または目的地と駐車場との距離で自動選択するものである。
ここで、前記駐車場表示部で表示された駐車場から特定の駐車場を選択する場合、駐車料金または目的地と駐車場との距離、駐車料金及び目的地と駐車場との距離との何れかの関係で自動選択させることができる。
【0012】
請求項7にかかる車載ナビゲーション装置の当該特定の駐車場を当初設定した前記目的地に対する経由地としての設定は、当該経由地に到着する所定の距離前で、前記特定の駐車場が満車状態になっていないことを確認し、仮に、満車になっているときには、再度、先に使用した前記駐車場抽出部で特定された駐車場に対して、その情報を更新させて表示するものである。
ここで、当該経由地に到着する所定の距離前とは、例えば、当該経由地の駐車場に1〜2[Km]に近づいたとき、即ち、駐車場に入るまでに多くの時間を要しないとき、前記特定の駐車場が満車状態になっていないことを確認するものであり、確認した結果が満車であれば、再度、先に使用した前記駐車場抽出部で特定された駐車場情報を更新して使用し、再設定を可能とするものである。このとき、先の経由地を消去して更新してもよいし、経由地を2個に設定してもよい。
【0013】
請求項8にかかる車載ナビゲーション装置の当該特定の駐車場を当初設定した前記目的地に対する経由地としての設定は、当該経由地に到着する所定の距離前で、前記特定の駐車場が満車状態になっていないことを確認し、仮に、満車になっているときには、再度、前記駐車場情報を検索して表示するものである。
ここで、当該経由地に到着する所定の距離前とは、例えば、当該経由地の駐車場に1〜2[Km]に近づいたとき、即ち、駐車場に入るまでに多くの時間を要しないとき、前記特定の駐車場が満車状態になっていないことを確認するものであり、確認した結果が満車であれば、再度、駐車場検索を行うものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1における車載ナビゲーション装置は、駐車場に前記車両が入る駐車開始時刻、前記駐車場から前記車両が出る駐車終了時刻を入力する駐車時間設定部と、前記車両の目的地設定入力に基づき、前記駐車時間設定部で入力した前記駐車場に入る駐車開始時刻から、前記駐車場から前記車両が出る駐車終了時刻の間を駐車できる駐車場を駐車条件に適合するか否かを検討して抽出する駐車場抽出部と、前記駐車場抽出部で抽出された前記駐車場に対して、その駐車料金を表示する駐車場表示部とを具備し、前記駐車場表示部で表示された前記駐車場から特定の駐車場が抽出されたとき、当該特定の駐車場を当初設定した前記目的地に対する経由地として設定し、該探索されたルートに従ってルート案内する。
したがって、目的地付近の抽出された駐車場で、前記駐車場に到着する時刻及び駐車場から車両が出る時刻まで駐車でき、かつ、目的地付近の駐車場の自車の駐車時間に応じた最も安い駐車料金を算出できる。また、目的地付近の最寄りの駐車場まで探索されたルートに従ってルート案内される。よって、目的地の付近の駐車場に到着する時刻及び駐車場から車両が出る時刻から、その間営業中であり、かつ、目的地の付近の最も安い駐車料金を算出できる。
【0015】
請求項2における車載ナビゲーション装置の前記駐車場抽出部は、前記目的地の周辺の駐車場検索範囲として、特定の半径距離範囲内の駐車場を検索し、そこに駐車場の数が特定の数値に満たないとき、更に、検索する半径を大きくして距離範囲内の駐車場を検索するものであるから、請求項1に記載の効果に加えて、運転者の駐車場選択の選択自由度を高めることができる。また、駐車場の集中するところでは、早く駐車場を特定できる。
【0016】
請求項3における車載ナビゲーション装置の前記駐車場抽出部は、前記目的地の周辺の駐車場検索範囲として、特定の半径距離範囲内の駐車場を検索し、特定数の駐車場の数に満たないとき、更に、検索する半径を大きくして所定半径距離範囲内の特定数の駐車場を検索するものであるから、請求項1に記載の効果に加えて、運転者の駐車場選択の選択自由度を常に維持することができる。また、駐車場の集中するところでは、早く駐車場を特定できる。
【0017】
請求項4における車載ナビゲーション装置の前記駐車場に入る駐車開始時刻は、前記車両の目的地を入力したときから、当該目的地に到着する推定時刻によって算出するものであるから、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の効果に加えて、車両の到着時刻を計算し、それを入力する必要がないので扱い易く、重複入力する手間が省ける。また、頭で目的地周辺に辿り着くまでの計算を行う煩わしさから解放される。
【0018】
請求項5における車載ナビゲーション装置の前記駐車場から車両が出る時刻を入力する駐車終了時刻は、自宅に帰宅する時刻を入力することにより算出するものであるから、請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の効果に加えて、自宅に帰宅する希望時刻から前記駐車場から車両が出る時刻を算出できる。
【0019】
請求項6における車載ナビゲーション装置の前記駐車場表示部で表示された駐車場から特定の駐車場を選択する場合には、駐車料金及び/または目的地と駐車場との距離で自動選択するものであるから、請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の効果に加えて、駐車料金の安い駐車場または目的地と駐車場との距離の短いものを選択でき、無駄のない効率的な動きが可能となる。
【0020】
請求項7における車載ナビゲーション装置の当該特定の駐車場を当初設定した前記目的地に対する経由地としての設定は、当該経由地に到着する所定の距離前で、前記特定の駐車場が満車状態になっていないことを確認し、満車になっているときには、再度、前記駐車場表示部で表示された駐車場情報を更新して表示するものであるから、請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の効果に加えて、駐車できない駐車場の前まで車両を進めた後、折り返し、次の駐車場に向かうという非効率的な動きが無用となる。即ち、無駄のない駐車場選択ができる。また、その駐車場の選択についても、一度選択された駐車場を更新させるものであるから、検索速度も速い処理となる。
【0021】
請求項8における車載ナビゲーション装置の当該特定の駐車場を当初設定した前記目的地に対する経由地としての設定は、当該経由地に到着する所定の距離前で、前記特定の駐車場が満車状態になっているときには、再度、前記駐車場情報を検索して表示するものであるから、請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の効果に加えて、自車の位置から最寄りの駐車場を検索できるから、出発位置とは異なる位置から駐車場を探すことができ、無駄のない駐車場選択ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図中、同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここでは重複する説明を省略する。
【0023】
図1は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の全体構成図であり、ナビゲーション機能表現を含む全体構成を示すブロック図である。また、図2は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の表示画面の一例を示す説明図、図3は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の駐車場検索初期値設定テーブルを示す説明図である。図4は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の駐車場検索ルーチンのフローチャートであり、図5は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の駐車場検索ルーチンの残余のフローチャートである。そして、図6は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の駐車場検索モードに入る表示画面の一例を示す説明図、図7は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の駐車時間設定を行う表示画面の一例を示す説明図である。
【0024】
図1において、本実施の形態の車載ナビゲーション装置は、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うマイクロプロセッサからなる演算・制御部1と、ドライバ等の操作者からの操作を受け付ける各種キー入力、音声入力、タッチスイッチ等の操作部2と、操作者に対して操作情報、地図等の情報を表示する液晶からなるディスプレイ3と、ルート案内、交通規制情報、渋滞情報の案内に関する音声ガイダンスを行うスピーカ4を有している。なお、操作部2としては、キーボード、マウス、バーコードリーダ、遠隔操作用のリモートコントロール装置等を使用することもできる。更に、ディスプレイ3の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0025】
マイクロプロセッサからなる演算・制御部1は、全体の制御を行う演算及び制御を行うCPU11、及びCPU11が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用すると共に、ルート探索や、ルートが探索されたときのルートデータ、交通規制情報、渋滞情報等が記憶されるRAM12、制御用プログラムの他、バイパス道路情報、合流地点毎の所要時間の算出を行うプログラム等が記憶されたROM13、ROM13から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ14等の内部記憶装置や、日時を計測するタイマ15等を備えている。
【0026】
ROM13には、各種のプログラムが記憶され、RAM12に各種のデータが記憶されるようになっており、また、プログラム、データ等を外部記憶装置、メモリカード等からプログラム、データ等を読み出してフラッシュメモリ14に書き込まれる。更に、メモリカード等を交換または外部から所定のプログラム、データ等をインストールすることによってプログラム、データ等を更新することができる。
【0027】
演算・制御部1には、操作部2、ディスプレイ3、スピーカ4、通信部5等の各周辺装置が電気的に接続されている。操作部2は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う際等に操作され、各種キー等の複数の操作スイッチから構成される。演算・制御部1は、操作部2の各スイッチの操作により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
【0028】
ディスプレイ3には、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までのルート案内、ルート案内に沿った案内情報、後述のルート変更案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時間、メール、テレビ番組等が表示される。
なお、ディスプレイ3として液晶ディスプレイの代わりに、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、EL等を使用し、車両のフロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することもできる。そして、ディスプレイ3は操作部2としてのタッチスイッチを兼ねてもよい。スピーカ4は、演算・制御部1からの指示に基づいて、本線道路、バイパス道路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、ルート案内のルート変更を案内する音声案内を出力する。なお、スピーカ4より出力される音声としては、合成された音声の他に、各種効果音、予めメモリ等に録音された各種の案内情報を出力することもできる。
【0029】
また、日本道路交通情報センター(JARTIC(登録商標):Japan Road Traffic Information Center(以下、単に「JARTIC」という))からのAM放送(周波数1620KHz)、及び/または、道路交通情報通信システムセンター(VICS(登録商標):Vehicle Information and Communication System(以下、単に「VICS」という))52等の情報センターとの間でネットワーク51を介して通信を行う通信部5を有している。
本実施の形態では、ネットワーク51を介してVICS52から警察、日本道路公団等の交通管制システム、駐車場情報を収集して作成した道路の渋滞等に関する情報や、交通規制情報、駐車場情報等の道路交通情報を所定時間毎に受信可能となっている。また、この道路交通情報は、例えば、道路の渋滞等に関する道路渋滞情報、道路工事、建築工事等による交通規制情報等の道路交通情報に関する詳細情報である。該詳細情報としては、道路渋滞情報の場合、後述のVICSリンクID、渋滞の実際の長さ、渋滞解消の見込まれる時間等であり、交通規制情報の場合、VICSリンクID、道路工事、建築工事等の継続期間、通行止め、片側交互通行、車線規制等の交通規制の種類、交通規制の時間帯等である。
【0030】
また、ネットワーク51としては、例えば、無線LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網等の通信回線網等の通信系を使用することができる。そして、放送衛星によるCS放送、BS放送、地上波ディジタルテレビ放送、FM多重放送等を利用する通信系を使用することもできる。更に、高度道路交通システム(ITS)において利用されるノンストップ自動料金支払いシステムのETC(Electronic Toll Collection System)、特に、駐車場情報等はその地域に密着した情報であるから、地域情報として用いられている狭域通信システム(Dedicated Short Range Communication;(以下、単に「DSRC」という))等の狭域通信系を使用することもできる。
【0031】
そして、通信部5は、例えば、VICS52等から送信された渋滞情報、交通規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報からなる道路交通情報を、道路に沿って配設された電波ビーコン装置、光ビーコン装置等を介して電波ビーコン、光ビーコン等として受信するビーコンレシーバである。また、通信部5は、ネットワーク51として通信回線網等の通信系において通信を可能とするネットワーク機器である。更に、通信部5は道路交通情報通信システムセンター52からの情報の他に、ニュース、天気予報等の情報からなるFM多重情報を、FM放送局を介してFM多重放送として受信するFM受信機を備える。なお、前記ビーコンレシーバ及びFM受信機は、ユニット化されてVICSレシーバとして配設されるようになっているが、別々に配設することもできる。
【0032】
更に、本実施の形態の車載ナビゲーション装置は、現在の自車の位置、方位、目標位置(例えば、交差点)までの距離等を検出することが可能となるように各種センサからなる自車の現在地を検出する現在地検出部6と、同じく、各種のデータが記録され、書込み、読出しが可能な記憶容量が大きいハードディスクからなる地図情報処理部7、目的地から所定の距離範囲内の駐車場を検索する駐車場検索部8を具備している。
【0033】
本実施の形態の車載ナビゲーション装置を構成する特徴的な構成要素について図1に基づいて、更に、具体的に説明する。
自車の現在地を検出する現在地検出部6は、GPSセンサ61、地磁気センサ62、距離センサ63、ステアリングセンサ64、方位検出部としてのジャイロセンサ65、高度計66、更に、自車の走行速度及び走行距離を検出する車速センサ67等からなる。なお、この距離センサ63と車速センサ67は単一のものとすることもできる。
【0034】
特に、本実施の形態においては、GPSセンサ61のみを使用し、現在地検出部6とすることもできる。GPSセンサ61は、人工衛星から発生させられた電波を受信することにより、地球上における自車の現在地及び現在時間を検出する。地磁気センサ62は、地磁気を測定することによって自車方位を検出する。距離センサ63は、道路上の所定位置間の距離等を検出する。ここで、距離センサ63としては、例えば、自車の車輪の回転速度を測定し、測定した回転速度に基づいて距離を検出するが、車速センサ67の出力を積分して距離を検出してもよい。
【0035】
また、ステアリングセンサ64は自車の操舵角を検出するものである。ここで、ステアリングセンサ64としては、例えば、ステアリングホイールの回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
そして、ジャイロセンサ65は自車の旋回角を検出するものである。ここで、ジャイロセンサ65としては、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。また、ジャイロセンサ65によって検出された旋回角を積分することにより、自車方位を検出することができる。
【0036】
地図情報処理部7としては、本実施の形態ではハードディスクを使用した場合で説明する。このハードディスクに記憶された交通情報DB(データベース、以下、単に『DB』という)71、地図情報DB74、及び所定のプログラム等を読み出す機能を備えている。なお、本実施の形態においては、地図情報処理部7としてハードディスクを使用されているが、ハードディスクの他にメモリカード、DVD、光ディスク等を外部記憶装置の一部として使用することもできる。
【0037】
交通情報DB71には、VICS52から受信した渋滞の実際の長さ、渋滞解消の見込まれる時間等から構成される現況の道路の渋滞等に関する道路交通情報から作成した渋滞情報72が格納されている。また、この交通情報DB71には、VICS52から受信した交通規制のある道路工事、建築工事等による交通規制情報等に関する道路交通情報から作成した交通規制情報73が格納されている。なお、交通情報DB71には、本発明の実施の形態の放送局からの放送情報を用いるものではなく、VICSリンクIDによって得られる情報である。
【0038】
VICS52から受信した各道路交通情報には、種別情報、位置、渋滞区間の距離、渋滞度、駐車場情報等の情報と共に、VICSリンクIDが含まれる。VICSリンクIDは、道路を所定の交差点毎に分割して規格化された走行案内用リンクとしてのVICSリンクに付与された識別番号である。なお、前記道路交通情報には、各VICSリンクにおける始点及び終点の座標、始点から終点までの距離等の情報も含まれている。
【0039】
ここで、地図情報DB74に記憶される道路とVICSリンクとは同一情報を扱うものではない。即ち、一般的には、道路(リンク)の方がVICSリンクよりも細分化されている。そこで、交通情報DB71には、各道路に識別番号として付与されるリンクIDとVICSリンクIDとの間の変換テーブル(対照表)を有し、VICSリンクIDに基づいて、対応するリンクIDを特定することができるようになっている。そのため、ナビゲーション機能では、VICS52からVICSリンクIDを受信すると、該VICSリンクIDに基づいて渋滞情報等の道路交通情報を表示すべき道路の区間を特定することができる。そして、VICS52から受信した現況の道路の渋滞等に関する道路交通情報のVICSリンクIDは、リンクIDに変換されて渋滞情報72として格納される。また、VICS52から受信した交通規制情報等に関する道路交通情報のVICSリンクIDは、リンクIDに変換されて交通規制情報73として格納される。
【0040】
また、地図情報DB74には、本実施の形態の車載ナビゲーション装置のナビゲーション機能による走行案内やルート探索に使用されるナビ地図情報75が格納されている。ここで、ナビ地図情報75には、ルート案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、分岐地点に関する分岐地点のデータ、施設の一種である道路に関するリンクデータ、ルートを探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。そして、地図情報DB74の内容は、地図情報配信センターから通信部5を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0041】
そして、ルート探索データとしては、設定された目的地までのルートを探索及び表示する際に使用されるデータについて記録されており、分岐地点を通過する際のコストや道路を構成するリンクのコストからなる探索コストを算出し、使用するコストデータ、ルート探索により選択された誘導ルートをディスプレイ3の地図上に表示するためのルート表示データ等から構成されている。
店舗データとしては、各地域のホテル、病院、ガソリンスタンド、駐車場、観光施設等のPOIに関するデータがPOIを特定するIDと共に記録される。なお、前記地図情報DB74には、所定の情報をナビゲーション装置のスピーカ4によって出力するための音声出力データも記録される。
【0042】
更に、駐車場検索部8としては、本実施の形態では交通情報DB71と同様、ハードディスクを使用した場合で説明する。
このハードディスクに記憶された地図情報DB74及びVICS52から得られる駐車場情報から目的地を中心に所定距離の半径内の駐車場の情報を格納する駐車場記憶部81を有している。勿論、駐車場情報等は狭域通信システム(DSRC)等の通信系を使用し、常に、地域情報として格納しているもの、デーラから車両の販売時にその地域情報として提供される駐車場情報等の使用も可能である。何れにせよ、駐車場記憶部81は駐車場情報として、駐車場名、時間当たりの駐車料金、最大料金(1日当たりの最大料金)、営業時間等が格納されたものであればよい。ここで使用する駐車場記憶部81は、自宅で直接VICS52から駐車場情報が得られない場合に対応するものであり、走行中の設定においては、省略することもできる。なお、満車情報は、走行中に狭域通信システム(DSRC)等から受けることができる。
【0043】
駐車場記憶部81には、この駐車場検索モードを実行するに際し、設定された駐車場検索初期値設定テーブルも格納されている。この駐車場検索初期値設定テーブルは、図3の表の項目にタッチすることによって、設定される。
【0044】
初期設定の代表的な項目としては、検索した複数の駐車場を如何に配列表示するかを「駐車料金の安い順」、「目的地と駐車場との距離の近い順」、「地図表示された右から順に駐車場表示」、「地図表示された左から順に駐車場表示」、「地図表示された上から順に駐車場表示」、「地図表示された下から順に駐車場表示」から択一的に選択する。また、検索結果の駐車場から特定の駐車場を「自動選択」または「マニュアル選択」によって択一的に選択する。そして、自己車両の形態を「軽自動車」、「普通車」、「大型車」から択一的に選択する。更に、検索した複数の駐車場から択一的に選択した駐車場を「目的地」と設定するか、「経由地」と設定するかを特定する。更にまた、駐車場検索範囲の半径の拡大設定としてカウンタnの値を設定し、また、駐車場検索結果の最低数Mも所定の値を設定する。
【0045】
駐車場抽出部82は、地図情報DB74を中心にVICS52から得られた駐車場の情報、駐車場記憶部81が有している駐車場情報を検索するものであるが、本発明を実施する場合には、駐車場記憶部81に格納された駐車場情報を使用しているが、地図情報DB74から得てもよいし、地域毎に狭域通信システム(DSRC)の使用、デーラから車両の販売時にその地域情報として提供される駐車場情報等の使用が可能である。何れにせよ、駐車場抽出部82は、駐車場を抽出する条件として、車両にこれから向かう目的地を入力したとき、その目的地に基づいて、目的地の周辺の駐車場検索範囲を、例えば、半径500[m]以内、1[Km]以内、1.5[Km]以内のうちの特定の範囲内と特定するか、それとも、3箇所、5箇所、8箇所、10箇所以上の駐車場を見つけ出す検索数を優先するかによって、その検索結果が異なる。しかし、車両の目的地設定入力に基づき、それを中心に、特定の範囲内の駐車場を検索できればよい。
【0046】
また、本実施の形態の駐車場抽出部82では、駐車場に入る駐車開始時刻から、その駐車場から車両が出る駐車終了時刻の間を、営業時間内の駐車可能な駐車場を、駐車条件に適合するか否かを検討し、選択するものである。
なお、駐車条件に適合するか否かの判断には、自車両が軽自動車、普通車、大型自動車または1ナンバー、4ナンバー、3ナンバーに属することの初期設定により、検索対象の駐車場に駐車可能であるか否かの判断も付加することができる。
【0047】
更に、駐車場表示部83は、駐車場抽出部82で抽出された駐車場に対して、その駐車場の位置、駐車料金を表示するもので、具体的には、駐車場抽出部82で抽出された駐車場をナビゲーション地図上にスーパーインポーズで表示する場合、駐車場抽出部82で抽出された駐車場を表上で表示する場合、または両者をマルチ画面表示で同時に表現する場合が選択できる。また、抽出された駐車場を距離の近い順に並べるか、ナビゲーション地図画面表示の右からまたは左から、または上からまたは下から表示させるという対応も設定できる。
【0048】
この駐車場表示部83は、図2の本実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の表示画面を示す説明図のようになる。
図2は駐車場抽出部82で特定された駐車場をナビゲーション地図3A上にスーパーインポーズで表示し、同時に、駐車場抽出部82で特定された駐車場を表3B上で表示するものである。図2において、目的地の周辺の駐車場検索範囲を半径500[m]以内としたとき、「駐車場1」は目的地から最も近い250[m]の位置であり、7時から8時間の駐車では960円である。「駐車場2」は目的地から次に近い300[m]の位置であり、7時から8時間の駐車では1200円である。「駐車場3」は目的地から320[m]の位置であり、7時から8時間の駐車では900円で最も安いものである。
ここで、自動で最も近い駐車場を検索するものであれば「駐車場1」となる。しかし、最も安い駐車料金を検索するものであれば「駐車場3」となる。マニュアル操作であれば、最も高い「駐車場2」を除き、目的地から駐車場までの距離が最も近い250[m]であっても、道程を考慮すれば、目的地との間の距離が320[m]の「駐車場3」の方が優位な場合、或いは、60円でも安い方がいい場合には、「駐車場3」が選択されることになる。
【0049】
駐車時間設定部84は、車両の目的地設定された時刻を基に駐車場に入る時刻を算出するか、または、車両が駐車場に入る時刻を直接入力する。また、駐車場から車両が出る駐車終了時刻を直接入力するか、または帰宅時刻から算出する。具体的には、図7に示すように、「駐車開始時刻□□:□□」を入力するか、「出発時刻から計算」の何れかが選択入力され、また、「駐車終了時刻□□:□□」を入力するか、「帰宅時刻から計算」の何れかが選択入力される。本実施の形態の駐車時刻設定部84は、目的地を設定し、駐車場選択モードに入ることにより、その入力が可能となる。
【0050】
次に、本実施の形態の車載ナビゲーション装置をプログラム制御するフローチャートについて説明する。
このルーチンは、車載ナビゲーション装置のメインプログラムの実行中にコールされるものである。まず、ステップS1で目的地が設定されたかを判断し、目的地が設定されたとき、ステップS2で駐車場を検索するモードに入るか否かを判断する。ステップS1で目的地が設定され、ステップS2で図6の駐車場検索をタッチして駐車場検索モードを選択すると、駐車場を検索するステップS3以降のプログラムが実行され、ステップS3からの処理に入る。しかし、ステップS1で目的地が設定されていないとき、またはステップS2で駐車場を検索するモードに入らないとき、このルーチンを脱する。
【0051】
ステップS3では、駐車場に入る駐車開始時刻及び駐車場から車両が出る駐車終了時刻の入力を判断する。このときのディスプレイ3には、図7に示す画面表示となり、直接、駐車場に入る駐車開始時刻を入力するか、目的地を設定した後、車両が駐車場に到着するまでの時刻を計算して設定する駐車場到着時刻の入力とする。駐車場から車両が出る駐車終了時刻の入力または、自宅帰宅時刻の入力とする。ステップS4でそれらの入力が確認されると、ステップS5で図7に示した画面入力の結果、駐車場に入る駐車開始時刻及び駐車場から車両が出る駐車終了時刻の入力を計算する必要性を判断し、ステップS6で、それを計算する。即ち、ステップS6では、目的地を設定した後、車両が駐車場に到着するまでの時刻を計算して駐車場到着時刻を設定する。また、駐車場から車両が出る駐車終了時刻は、自宅帰宅時刻から逆算して設定する。
【0052】
次に、ステップS7でカウンタnに「1」を設定し、ステップS8で半径の0.5n[Km]の範囲内の駐車場を検索し、ステップS9でそれがM個以上であるか否かを判断する。ステップS9でM個以上の確認が取れないとき、ステップS10で、カウンタnに「+1」インクリメントし、ステップS11でカウンタnの値が「3」を越えているか判断する。即ち、半径の0.5n[Km]の範囲内の駐車場を検索し、ステップS9でM個以上の確認が取れないとき、半径の1[Km]の範囲内の駐車場を検索し、次に、半径の1.5[Km]の範囲内の駐車場を検索し、半径の1.5[Km]の範囲内の駐車場までを検索する。ステップS9でM個以上の確認が取れたとき、または、M個以上の確認が取れないときでカウンタnが「4」になったとき、ステップS12で駐車場に入る駐車開始時刻及び駐車場から車両が出る駐車終了時刻から、駐車営業時間の適用される駐車場を抽出する。
【0053】
次に、ステップS13で駐車料金の安い順に配列する場合には、ステップS14で選択された駐車料金の安い順に表示するか、順位を番号で表示するかを判断し、また、ステップS15で距離の近い順に表示する場合には、ステップS16で選択された駐車場の距離の近い順に配列するか、順位を番号で表示する。ステップS17で地図表示された駐車場の右から順に表示するか、左から順に表示するか、上から順に表示するか、下から順に表示するか、の選択により、ステップS18で選択された駐車場の地図上の位置に応じて配列するか、順位を番号で表示する。そして、ステップS19でそれをディスプレイ3上に表示する。なお、この設定は、駐車場検索モードの初期設定によって駐車場検索初期値設定テーブルにより行われる。
【0054】
ステップS20で自動選択がなされているとき、初期設定に従って、ステップS21で駐車料金の最も安い駐車場を選択するか、及び/または、距離の最も近い駐車場を選択する。また、ステップS20で自動選択が設定されていないときには、ステップS22でマニュアル選択を確認し、何れかの駐車場が選択されたとき、ステップS23の処理に入る。ステップS23では、目的地設定した目的地に対する経由地として設定する。ステップS23の設定は、本実施の形態では経由地として説明するが、本発明を実施する場合には、経由地として設定しなくとも、目的地として設定してもよい。
【0055】
ステップS24で選択した駐車場まで1[Km]の範囲内に近づいたか判断し、駐車場まで1[Km]の範囲内に近づいていないとき、そのままの走行を維持し、ステップS24で選択した駐車場まで1[Km]の範囲内に近づいたと判断したとき、ステップS25で駐車を予定している目的の駐車場の駐車情報を収集し、ステップS26で目的の駐車場が満車になっていないか否かを判断する。なお、ステップS26で目的の駐車場が満車になっていないか否かを判断しているから、車両の出発の時点では、目的の駐車場が満車になっているか否かを問う必要がない。したがって、駐車場情報に時間的なずれがあっても修正できる。ステップS26で目的の駐車場が満車と判断したとき、ステップS27で再度駐車場を検索する。この検索は、ステップS19の駐車場情報を更新して表示してもよいし、最初から検索してもよい。
【0056】
本実施の形態では、ステップS19で表示した駐車場情報内容を更新して、ステップS28で表示するものとした。そして、その駐車場の更新情報が表示されたときには、マニュアルで、駐車場を選択し、その選択した駐車場を先にステップS23で設定した経由地に変えて新規な経由地とする。即ち、このような場合には、駐車場が混雑し始めている場合が想定されるので、経由地の更新を行い、ステップS28でその目的の駐車場の500[m]手前まで、駐車場の変化を監視する。
そして、目的の駐車場の500[m]以内になったとき、このルーチンを終了する。
【0057】
以上のように、本実施の形態の車載ナビゲーション装置は、車両の出発地から目的地の間のルートを探索すると共に、該探索されたルートに従ってルート案内する車載ナビゲーション装置において、駐車場に車両が入る駐車開始時刻と駐車場から車両が出る駐車終了時刻を入力するステップS3乃至ステップS6並びに図7の入力構成からなる駐車時間設定部84と、車両の目的地設定入力に基づき、駐車時間設定部84で入力した駐車場に入る駐車開始時刻から、駐車場から車両が出る駐車終了時刻の間を駐車できる営業時間の駐車場を駐車条件に適合するか否かを検討して抽出するステップS7乃至ステップS12からなる駐車場抽出部82と、駐車場抽出部82で選択された駐車場に対して、その駐車料金を表示するステップS13乃至ステップS19並びに図2の表示形態からなる駐車場表示部83とを具備し、駐車場表示部83で表示された駐車場から特定の駐車場が選択されたとき、当該特定の駐車場を当初設定した前記目的地に対する経由地として設定し、そのルートを探索すると共に、該探索されたルートに従ってルート案内するものである。
【0058】
したがって、目的地付近の抽出された駐車場で、駐車場に到着する時刻及び駐車場から車両が出る時刻まで駐車でき、かつ、目的地付近の駐車場の自車の駐車時間に応じた最も安い駐車料金を算出できる。また、目的地付近の最寄りの駐車場まで探索されたルートに従ってルート案内される。よって、目的地の付近の駐車場に到着する時刻及び駐車場から車両が出る時刻から、その間営業中であり、かつ、目的地の付近の最も安い駐車料金を算出できる。
【0059】
ここで、駐車場抽出部82は、車両の目的地を入力したとき、目的地の周辺の駐車場検索範囲を特定するもので、最初から、例えば、半径500[m]以内、1[Km]以内、1.5[Km]以内と1段階のみ、または複数段階に特定しておいてもよいし、人為的に選択できるようにしてもよい。特に、地域によって駐車場の設置条件が異なるから、人口密度または市町村の人口によって、複数選択できるようにしてもよい。特に、駐車場抽出部82の駐車条件に適合するか否かの検討は、車両の種類によって駐車場が探し難い場合があるので、それをも考慮して設定するのが望ましい。即ち、ステップS12の駐車時間による駐車場の検索を行う場合に、自車両のサイズ等を付加して検索をしてもよい。また、駐車終了時刻は、駐車場から車両が出る時間を入力するものであるが、本発明を実施する場合には、車両の到着地(出発地)から逆算してもよいし、直接、駐車場から車両が出る時間を入力してもよい。
そして、駐車場抽出部82は、駐車場に入る駐車開始時刻から、駐車場から車両が出る駐車終了時刻の間、営業時間として駐車できる駐車場を特定するものであり、本発明を実施する場合には、駐車場の営業時間の範囲内で当該駐車場に車両の出入りができるか否かを判断するものであればよい。
【0060】
更に、駐車場表示部83は、駐車場抽出部82で特定された駐車場に対して、駐車料金の値段別に抽出された駐車場を表示するもので、本発明を実施する場合には、駐車場の駐車料金の安い値段順に並べてもよいし、駐車場と目的地との距離の近い順で並べてもよい。または両者の一方に優先権を付与して並べてもよい。或いは、ディスプレイ3の地図上に料金を表示させてもよい。また、駐車場表示部83で表示された駐車場から特定の駐車場が選択されたときとは、本発明を実施する場合には、人為的に択一選択した場合、所定の条件を満たす駐車場を択一的に自動選択した場合の何れでもよい。また、当該駐車場を前記車両の前記目的地に対する経由地としての設定は、直接、新たな目的地として設定してもよいが、本実施の形態のように経由地にすると目的地の設定のし直しが不要となり、当該駐車場が満車になった場合には、他の候補の駐車場を選択しやすくなる。
【0061】
本実施の形態の車載ナビゲーション装置の駐車場抽出部82は、目的地の周辺の駐車場検索範囲として、特定の半径の距離円範囲内の駐車場を検索し、その検索した駐車場の数が特定の駐車場の数に満たないとき、更に、ステップS7乃至ステップS11で検索する半径を順次大きくして距離円範囲内の駐車場を検索するものである。したがって、運転者の駐車場選択の選択自由度を高めることができる。また、駐車場の集中するところでは、早く駐車場を特定できる。
ここで、特定の半径距離範囲内の駐車場を検索し、そこに駐車場の数が特定の数値に満たないとき、更に、検索する半径を大きくして距離範囲内の駐車場を検索するとは、例えば、最初は半径500[m]以内で検索し、数箇所しか該当がなかったときには、次に、1[Km]以内等と順次半径を大きくし、その半径内の駐車場を検索するものである。
【0062】
また、本実施の形態の車載ナビゲーション装置の駐車場抽出部82は、目的地の周辺の駐車場検索範囲として、特定の半径の距離円範囲内の駐車場を検索し、その検索した駐車場の数が特定の駐車場の数に満たないとき、更に、検索する半径を大きくして特定数の駐車場の検索結果を得るものである。したがって、駐車場抽出部82は、目的地の周辺の駐車場検索範囲として、特定の半径距離範囲内の駐車場を検索し、特定数の駐車場の数に満たないとき、更に、検索する半径を大きくして所定半径距離範囲内の特定数の駐車場を検索するものであるから、運転者の駐車場選択の選択自由度を常に維持することができる。また、駐車場の集中するところでは、早く駐車場を選択特定できる。
ここで、検索する半径を大きくして所定の半径距離範囲内の特定数の駐車場を検索するとは、例えば、最初は半径500[m]以内で検索し、数箇所しか該当がなかったときには、所定数以上になるまで、1[Km]以内等と順次半径を大きくし、その半径内の駐車場を所定数以上抽出するものである。しかし、最初の半径500[m]以内で所定数の駐車場が検出されれば、それ以上検索を行わないから、駐車場の検出速度を速めることができる。
【0063】
そして、本実施の形態の車載ナビゲーション装置の駐車場抽出部82は、ステップS12の駐車営業時間の適用される駐車場を抽出するのに加えて、駐車条件に適合するか否かの判断として、図3の駐車場検索初期値設定テーブルで設定した自車両が軽自動車、普通車、大型自動車に属することの設定から、その適用についても判断し、駐車場を検索する制御とすることもできる。特に、駐車条件に適合するか否かの判断として、駐車場抽出部82に自車両が軽自動車、普通車、大型自動車または1ナンバー、4ナンバー、3ナンバーに属することの設定から、その適用についても判断し、駐車可能な駐車場を検索できるから、駐車可能な駐車場のみを抽出することができる。勿論、駐車場の情報が仔細であれば、車両のサイズで特定してもよい。
【0064】
本実施の形態の車載ナビゲーション装置の駐車場に入る駐車開始時刻は、車両の目的地を入力したときから、当該目的地に到着する推定時刻によって算出するものである。したがって、車両の到着時刻を計算し、それを入力する必要がないので扱い易く、重複入力する手間が省ける。また、暗記で目的地周辺に辿り着くまでの計算を行う煩わしさから解放される。そして、車両の走行時間の学習によって、更に、正確な時間を算出することもできる。
【0065】
更に、本実施の形態の車載ナビゲーション装置の駐車場から車両が出る時刻を入力する駐車終了時刻は、自宅に帰宅する時刻を入力することにより算出するものである。したがって、自宅に帰宅する希望時刻から前記駐車場から車両が出る時刻を算出できる。
なお、駐車終了時刻に設定する駐車場から車両が出る時刻は、最寄の駅等の公共機関を使用して帰ってくる場合であれば、直接、前記駐車場から車両が出る時刻を入力するのが正確である。しかし、自宅に帰宅する推定到着時刻からも設定でき、学習により信頼性を上げることができる。
【0066】
本実施の形態の車載ナビゲーション装置の駐車場表示部83は、駐車場抽出部82で特定された駐車場を地図上の表示及び/または表上の表示とするものであるから、駐車場を地図上の表示としたものでは、目的地までのルートが確認でき、また、表上の表示では駐車料金の高い安いが一目瞭然となる。ここで、駐車場抽出部82で特定された駐車場は、道路地図上に表示してもよいし、または表上に列挙してもよい。または図2示すように両者を同時に示してもよい。また、道路地図上に駐車場を表示し、それに対応するものを表上に列挙してもよい。また、キャラクタで距離を表示してもよいし、色分けしてもよい。
【0067】
更にまた、本実施の形態の車載ナビゲーション装置の駐車場表示部で表示された駐車場から特定の駐車場を選択する場合には、駐車料金及び/または目的地と駐車場との距離で自動選択するものである。したがって、駐車料金の安い駐車場または目的地と駐車場との距離の短いものを選択でき、無駄のない効率的な動きが可能となる。ここで、駐車場表示部83で表示された駐車場から特定の駐車場を選択する場合、駐車料金または目的地と駐車場との距離、駐車料金及び目的地と駐車場との距離との何れかの関係で自動選択させることができる。特に、同一料金の可能性が高いので、同一料金の場合には、距離の近い順に配列させるように料金と距離の一方に優先順位を設定することもできる。
【0068】
そして、本実施の形態の車載ナビゲーション装置の特定の駐車場を車両の目的地または当初設定した目的地に対する経由地としての設定は、当該経由地に到着する所定の距離前で、前記特定の駐車場が満車状態になっていないことを確認し、満車になっているときには、再度、前記駐車場表示部83で表示された駐車場情報を更新して表示するものである。したがって、駐車できない駐車場の前まで車両を進めた後、折り返し、次の駐車場に向かうという非効率的な動きが無用となる。即ち、無駄のない駐車場選択ができる。また、その駐車場の選択についても、一度選択された駐車場を更新させるものであるから、検索速度も速い処理となる。このとき、先の経由地を消去して更新してもよいし、経由地を2個に設定してもよい。
【0069】
本実施の形態の車載ナビゲーション装置の特定の駐車場を車両の目的地または当初設定した目的地に対する経由地としての設定は、当該経由地に到着する所定の距離前で、特定の駐車場が満車状態になっているときには、再度、前記駐車場情報を検索して表示するものである。したがって、自車の位置から最寄りの駐車場を検索できるから、出発位置とは異なる位置から駐車場を探すことができ、無駄のない駐車場選択ができる。ここで、当該経由地に到着する所定の距離前とは、例えば、当該経由地の駐車場に1〜2[Km]に近づいたとき、即ち、駐車場に入るまでに多くの時間を要しないとき、前記特定の駐車場が満車状態になっていないことを確認するものであり、確認した結果が満車であれば、再度、駐車場検索を行うものである。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】図1は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の全体構成図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の表示画面の一例を示す説明図である。
【図3】図3は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の駐車場検索初期値設定テーブルを示す説明図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の駐車場検索ルーチンのフローチャートである。
【図5】図5は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の駐車場検索ルーチンの残余のフローチャートである。
【図6】図6は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の駐車場検索モードに入る表示画面の一例を示す説明図である。
【図7】図7は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の駐車時間設定を行う表示画面の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0071】
1 演算・制御部
2 操作部
3 ディスプレイ
5 通信部
6 現在地検出部
7 地図情報処理部
8 駐車場検索部
51 ネットワーク
52 VICS
81 駐車場記憶部
82 駐車場抽出部
83 駐車場表示部
84 駐車時間設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の出発地から目的地の間のルートを探索すると共に、該探索されたルートに従ってルート案内する車載ナビゲーション装置において、
駐車場に前記車両が入る駐車開始時刻、前記駐車場から前記車両が出る駐車終了時刻を入力する駐車時間設定部と、
前記車両の目的地設定入力に基づき、前記駐車時間設定部で入力した前記駐車場に入る駐車開始時刻から、前記駐車場から前記車両が出る駐車終了時刻の間を駐車できる駐車場を駐車条件に適合するか否かを検討して抽出する駐車場抽出部と、
前記駐車場抽出部で抽出された前記駐車場に対して、その駐車料金を表示する駐車場表示部とを具備し、
前記駐車場表示部で表示された前記駐車場から特定の駐車場が選択されたとき、当該特定の駐車場を当初設定した前記目的地に対する経由地として設定し、そのルートを探索すると共に、該探索されたルートに従ってルート案内することを特徴とする車載ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記駐車場抽出部は、前記目的地の周辺の駐車場検索範囲として、特定の半径の距離円範囲内の駐車場を検索し、その検索した駐車場の数が特定の駐車場の数に満たないとき、更に、検索する半径を大きくして距離円範囲内の駐車場を検索することを特徴とする請求項1に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記駐車場抽出部は、前記目的地の周辺の駐車場検索範囲として、特定の半径の距離円範囲内の駐車場を検索し、その検索した駐車場の数が特定の駐車場の数に満たないとき、更に、検索する半径を大きくして特定数の駐車場の検索結果を得ることを特徴とする請求項1に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記駐車場に入る駐車開始時刻は、前記車両の目的地を入力したときから、当該目的地に到着する推定時刻によって算出することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記駐車場から車両が出る時刻を入力する駐車終了時刻は、自宅に帰宅する時刻を入力することにより算出することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項6】
前記駐車場表示部で表示された駐車場から特定の駐車場を選択する場合には、駐車料金及び/または目的地と駐車場との距離で自動選択することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項7】
当該特定の駐車場を当初設定した前記目的地に対する経由地としての設定は、当該経由地に到着する所定の距離前で、前記特定の駐車場が満車状態になっていないことを確認し、満車になっているときには、再度、前記駐車場表示部で表示された駐車場情報を更新して表示することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項8】
当該特定の駐車場を当初設定した前記目的地に対する経由地としての設定は、当該経由地に到着する所定の距離前で、前記特定の駐車場が満車状態になっているときには、再度、前記駐車場情報を検索して表示することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の車載ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−8142(P2010−8142A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−165699(P2008−165699)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】