説明

車載マルチメディアシステム、車載マルチメディア装置およびポータブルプレーヤ

【課題】 ポータブルプレーヤを本来の目的に使用可能としつつ、車内でのナビゲーションに利用して、ユーザの負担するコストを軽減しつつユーザの利便性を向上すること。
【解決手段】 本発明に係る車載マルチメディアシステムは、コンピュータ装置3により音声データ64およびナビゲーション用データ66が書込まれる記憶手段47、並びにその記憶されている音声データ64を再生するプレーヤ再生手段109,45を有するポータブルプレーヤ2と、ポータブルプレーヤ2から、記憶手段47に記憶されているデータを取得するデータ取得手段123、データ取得手段123にナビゲーション用データ66を取得させたデータを用いて車両の経路誘導あるいは現在地案内を行うナビゲーション手段125、並びに、データ取得手段123に取得させた音声データ64を再生する車載再生手段128,129,32を有する車載マルチメディア装置1と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載マルチメディアシステム、車載マルチメディア装置およびポータブルプレーヤに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、ハードディスクドライブを有するナビゲーションシステムが開示されている。このナビゲーションシステムは、車両に設置されるものであり、その本体からハードディスクドライブユニットをユーザが自由に取り外すことができる。また、このナビゲーションシステムでは、取り外したハードディスクドライブユニットを、それ専用の家庭内機器に取り付けることで、家庭内で、ユーザによるナビゲーション用データの更新や楽曲データの書込みなどが可能である。
【0003】
【非特許文献1】パイオニア株式会社、表題[carrozzeria|HDD[サイバーナビ]>機能紹介>ホームユース]、[online]、[平成16年(2004年)10月29日検索]、インターネット<http://www.hdd−cybernavi.com/function/huse/index.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非特許文献1のナビゲーションシステムを使用する場合、ユーザは、車両に取り付けるナビゲーションシステムに加えて、それとは別に、家庭内機器を購入しなければならない。購入すべき装置点数が増加し、ユーザの費用負担は増加する。
【0005】
また、ユーザは、家庭内で、ユーザによるナビゲーション用データの更新や楽曲データの書込みなどをするためには、ハードディスクドライブユニットを、ナビゲーションシステムの本体から取り外し、携帯しなければならない。しかも、このハードディスクドライブユニットは、データを記憶することしかできない。したがって、ユーザからすれば、その作業が煩わしく感じられる。
【0006】
特に、たとえばポータブルプレーヤを日常的に携帯するユーザからしてみれば、それとは別にハードディスクドライブユニットを携帯すること自体が煩わしく感じられ、このようにハードディスクドライブユニットのみが取り外すことができるナビゲーションシステムに対して、積極的な購買意欲が生じ難い。
【0007】
本発明は、ポータブルプレーヤを本来の目的に使用可能としつつ、車内でのナビゲーションに利用して、ユーザの負担するコストを軽減しつつユーザの利便性を向上することができる車載マルチメディアシステム、並びにそれに使用可能な車載マルチメディア装置およびポータブルプレーヤを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る車載マルチメディアシステムは、コンピュータ装置により音声データおよびナビゲーション用データが書込まれる記憶手段、並びに記憶手段に記憶されている音声データを再生するプレーヤ再生手段を有するポータブルプレーヤと、ポータブルプレーヤから、記憶手段に記憶されているデータを取得するデータ取得手段、データ取得手段にナビゲーション用データを取得させ、その取得したデータを用いて車両の経路誘導あるいは現在地案内を行うナビゲーション手段、並びに、データ取得手段に音声データを取得させ、その取得したデータを再生する車載再生手段を有する車載マルチメディア装置と、を有するものである。
【0009】
本発明に係る車載マルチメディア装置は、音声データおよびナビゲーション用データを記憶する記憶手段並びに記憶手段に記憶されている音声データを再生するプレーヤ再生手段を有するポータブルプレーヤが接続されるナビ用コネクタと、ナビ用コネクタを介して、ポータブルプレーヤの記憶手段に記憶されているデータを取得するデータ取得手段と、車両の現在地の位置情報を取得する現在地取得手段と、車両の現在地の位置情報に基づいて、その現在地の周辺のナビゲーション用データをデータ取得手段に取得させ、その取得させたデータを使用して車両の現在地およびその周辺の地図を表示する表示画面を生成する現在地案内手段と、生成された表示画面を表示するナビ用表示手段と、データ取得手段に音声データを取得させ、その取得したデータを再生する車載再生手段と、を有するものである。
【0010】
本発明に係る他の車載マルチメディア装置は、音声データ、ナビゲーション用データおよび案内経路データを記憶する記憶手段並びに記憶手段に記憶されている音声データを再生するプレーヤ再生手段を有するポータブルプレーヤが接続されるナビ用コネクタと、ナビ用コネクタを介して、ポータブルプレーヤの記憶手段に記憶されているデータを取得するデータ取得手段と、車両の現在地の位置情報を取得する現在地取得手段と、車両の現在地の位置情報に基づいて、その現在地の周辺のナビゲーション用データおよび案内経路データをデータ取得手段に取得させ、その取得させたナビゲーション用データに基づき車両の現在地、その周辺の地図を表示するとともに案内経路データに基づきその地図内の案内経路を表示する表示画面を生成するナビゲーション手段と、生成された表示画面を表示するナビ用表示手段と、データ取得手段に音声データを取得させ、その取得したデータを再生する車載再生手段と、を有するものである。
【0011】
本発明に係る車載マルチメディア装置は、上述した各発明の構成に加えて、車載再生手段が、データ取得手段に取得させた音声データをデコードするデコーダと、デコーダによりデコードされた音声データに対して、車内環境に合わせた周波数帯毎のゲイン調整処理を行うゲイン調整手段と、ゲイン調整手段によりゲイン調整がなされたデータからアナログの音声信号を生成する変換手段と、を有するものである。
【0012】
本発明に係る車載マルチメディア装置は、上述した各発明の構成に加えて、データ取得手段が、ナビゲーション用データの取得の要求と、音声データの取得の要求とがある場合には、ナビゲーション用データを優先させて取得するものである。
【0013】
本発明に係る車載マルチメディア装置は、上述した各発明の構成に加えて、ポータブルプレーヤに対して、ポータブルプレーヤにおける操作キーの操作に基づくプレーヤ再生手段による再生処理を禁止するコマンドを送信するポータブルプレーヤ管理手段を有するものである。
【0014】
本発明に係る車載マルチメディア装置は、上述した各発明の構成に加えて、ナビ用コネクタが、ケーブルにより、音声データの書き込みのためにコンピュータ装置に接続するポータブルプレーヤのコネクタと接続されるものである。
【0015】
本発明に係る車載マルチメディア装置は、上述した各発明の構成に加えて、ナビ用コネクタに、ケーブルを介してポータブルプレーヤに電力を供給する電力供給手段が接続されるものである。
【0016】
本発明に係る車載マルチメディア装置は、上述した各発明の構成に加えて、データ取得手段にナビゲーション用データを取得させ、その取得させたデータを使用して所定の地点までの案内経路データを生成し、この生成した案内経路データをポータブルプレーヤの記憶手段に記憶させる案内経路生成手段を有するものである。
【0017】
本発明に係る車載マルチメディア装置は、上述した各発明の構成に加えて、案内経路生成手段が、ポータブルプレーヤの記憶手段において、ナビゲーション用データ以外のデータとして記憶されている地点に関するデータをデータ取得手段に取得させ、その取得させたデータを使用して所定の目的地までの案内経路データを生成するものである。
【0018】
本発明に係る車載マルチメディア装置は、上述した各発明の構成に加えて、案内経路生成手段が、データ取得手段に取得させたナビゲーション用データに含まれる地点に関するデータを、ポータブルプレーヤの記憶手段に、ナビゲーション用データ以外のデータとして記憶させるものである。
【0019】
本発明に係る車載マルチメディア装置は、上述した各発明の構成に加えて、現在地取得手段が取得した車両の現在地の位置情報を、ポータブルプレーヤの記憶手段に蓄積する現在地蓄積手段を有するものである。
【0020】
本発明に係るポータブルプレーヤは、コンピュータ装置および車載マルチメディア装置が接続されるコネクタと、コネクタを介して、コンピュータ装置により音声データおよびナビゲーション用データが書込まれる記憶手段と、記憶手段に記憶されている音声データを再生するプレーヤ再生手段と、車載マルチメディア装置がコネクタに接続されているときに、コネクタを介して記憶手段に記憶されているデータを出力するデータ出力手段と、を有するものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、ポータブルプレーヤを本来の目的に使用可能としつつ、車内でのナビゲーションに利用して、ユーザの負担するコストを軽減しつつユーザの利便性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態に係る車載マルチメディアシステム、車載マルチメディア装置およびポータブルプレーヤを、図面に基づいて説明する。車載マルチメディアシステムは、車載マルチメディア装置およびポータブルプレーヤにより構成される場合を例として説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態に係る車載マルチメディア装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。この車載マルチメディア装置1は、車両に設置され、図2に示すポータブルプレーヤ2が接続されることで車両のナビゲーション可能となり、しかも、ポータブルプレーヤ2に記憶されている楽曲を車内で再生する装置である。また、ポータブルプレーヤ2は、図3に示すコンピュータ装置3と接続し、そのコンピュータ装置3から楽曲のデータを保存することができる装置である。なお、ポータブルプレーヤ2のベンダと、車載マルチメディア装置1のベンダとは、別々の者であっても、同一の者であってもよい。
【0024】
図1において、車載マルチメディア装置1は、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)11と、メモリ12と、ナビ用表示手段としての液晶モニタ13と、タッチパネル14と、USB(Universal Serial Bus)ホストコントローラ15と、電力供給手段としての電力供給回路16と、マルチドライブ17と、システム間I/F(InterFace)と、これらを接続するシステムバス19と、を有する。
【0025】
メモリ12は、USBマスストレージクラスプログラム21と、起動時実行プログラム22と、AV(Audio Visual)システムプログラム23と、ナビゲーションシステムプログラム24と、を記憶する。これらのプログラムは、中央処理装置により実行される。中央処理装置は、これらのプログラムを、たとえばプログラムを時分割処理にて処理するタイム・シェアリング方式やプログラムの優先度に基づく割り込み処理にて処理するプリエンプティブ方式などにより、並行処理することができる。
【0026】
液晶モニタ13は、その図示外の表示部に表示データに基づくフルカラー画像を表示する。液晶モニタ13は、たとえば7インチ程度の大きさの表示部を有する。タッチパネル14は、この液晶モニタ13の表示部に重ねて配設され、表示部に対する操作位置を検出する。
【0027】
USBホストコントローラ15には、ナビ用コネクタとしてのUSBコネクタ26が接続される。USBコネクタ26には、電力供給回路16も接続される。USBコネクタ26には、コンピュータ装置3などのホスト側で使用するアップストリーム用のシリーズAタイプと、周辺機器などのデバイス側で使用するダウンストリーム用のシリーズBタイプと、それらよりサイズが小さいミニタイプなどがある。USBコネクタ26に他の装置(この実施の形態の場合で言えばポータブルプレーヤ2)が接続されると、電力供給回路16は、当該他の機器に所定の電圧の電力を供給する。また、USBホストコントローラ15は、当該他の装置の接続を検出し、所定の接続処理を実行する。
【0028】
マルチドライブ17は、DVD(Digital Versatile Disk)やCD(Compact Disk)を駆動し、それらのディスクに記録されているデータをシステムバスへ出力する。マルチドライブ17は、音楽CDフォーマットなどの所定のフォーマットの音声データがディスクに記録されている場合、その音声データから音声信号を生成して出力する。なお、この車載マルチメディア装置1のマルチドライブ17は、複数のディスクを搭載し、その中から選択したディスクを駆動するものであってもよい。
【0029】
車載マルチメディア装置1は、他にも、システムマイクロコンピュータ27と、GPS(Global Positioning System)電波受信機28と、ジャイロセンサ29と、車速パルスセンサ30と、チューナ31と、車載再生手段の一部および変換手段としてのDAC(Digital to Analog Converter)32と、ソースセレクタ33と、音声出力手段としてのスピーカ34と、アンプ35と、を有する。
【0030】
GPS電波受信機28は、GPS用衛星からの電波を受信する。ジャイロセンサ29は、地磁気に基づいて方角を検出する。車速パルスセンサ30は、車両のエンジン制御に使用する車速パルスを検出する。システムマイクロコンピュータ27は、システム間I/Fに接続される。システムマイクロコンピュータ27は、GPS電波受信機28が受信した電波、ジャイロセンサ29が検出した方角および車速パルスセンサ30が検出した車速パルスに基づいて、車両の現在の位置を特定する。システムマイクロコンピュータ27は、特定した現在位置をシステム間I/F18を介して、中央処理装置11へ出力する。
【0031】
チューナ31は、FM放送電波、TV放送電波を受信し、その受信電波に重畳されている映像信号や音声信号を出力する。映像信号は、液晶モニタ13に出力される。DAC32は、アナログの音声信号をサンプリングしたデジタル音声信号に基づいて、そのアナログの音声信号を生成するものである。ソースセレクタ33には、マルチドライブ17と、チューナ31と、DAC32とが接続される。ソースセレクタ33は、システムマイクロコンピュータ27からのソース選択信号に基づいて、これらの中から1つのソースを選択し、その選択したソースの機器をスピーカ34に接続する。スピーカ34には、ソースセレクタ33が選択した機器の音声信号が出力される。スピーカ34は、音声信号の波形にしたがって音を出力する。
【0032】
図2は、図1の車載マルチメディア装置1と接続されるポータブルプレーヤ2のハードウェア構成を示すブロック図である。このポータブルプレーヤ2は、中央処理装置41と、不揮発性メモリ42と、プレーヤ用表示手段としての小型の液晶デバイス43と、キーデバイス44と、プレーヤ再生手段の一部としてのDAC45と、USBデバイスコントローラ46と、記憶手段としてのハードディスクドライブ47と、これらを接続するシステムバス48と、を有する。
【0033】
不揮発性メモリ42は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、フラッシュメモリ、その他の半導体メモリにより構成される。不揮発性メモリ42は、実行管理プログラム50と、キー操作管理プログラム51と、USBマスストレージクラスプログラム52と、デコーダプログラム53と、を記憶する。これらのプログラムは、中央処理装置41に実行される。
【0034】
小型の液晶デバイス43は、表示データに基づくテキスト画像などを表示する。このポータブルプレーヤ2の液晶デバイス43は、たとえば2〜5インチ程度の大きさを有する。キーデバイス44は、複数の操作キーを有し、操作されたキーに応じた入力データを出力する。
【0035】
DAC45には、ヘッドホン端子56と、専用コネクタ57のオーディオ出力部58とが接続される。DAC45は、生成したアナログの音声信号を、ヘッドホン端子56およびオーディオ出力部58へ出力する。
【0036】
USBデバイスコントローラ46には、専用コネクタ57の、ポータブルプレーヤ2のコネクタとしてのUSBコネクタ部59が接続される。このUSBコネクタ部59には、電源回路60が接続される。電源回路60は、二次電池61を有する。電源回路60は、このUSBコネクタ部59から供給される電力に基づく所定の電力あるいは二次電池61の蓄電されている電力に基づく所定の電力を、ポータブルプレーヤ2の各回路に供給する。電源回路60は、USBコネクタ部59から供給される電力で、二次電池61を充電する。
【0037】
ハードディスクドライブ47は、たとえば5G(ギガ)バイト程度以上の大きな記憶容量を有するデバイスである。ハードディスクドライブ47は、たとえば、音声データの一例としての楽曲データ64、オプションデータなどを記憶する。オプションデータとしては、たとえば、ナビゲーション用データ以外のデータの一例としての住所録データ65、ナビゲーション用データ66、案内経路データ67、ナビゲーション用データ以外のデータの他の例としての旅行ログデータ68などがある。ナビゲーション用データ66は、たとえば、地点データ70、ノードデータ71、リンクデータ72、表示地図データ73などで構成される。
【0038】
地点データ70は、経路案内の目的地などとして選択可能な複数の地点のデータである。各地点のデータには、たとえば、その地点の緯度経度あるいはそれと1対1に対応付け可能な座標情報、その地点にある施設の名称、住所、電話番号などの地点の属性情報などが含まれる。
【0039】
ノードデータ71は、車両が通行する道路の交差点などに対応する複数のノードのデータである。各ノードのデータには、各ノードに固有の識別番号、そのノードが対応する交差点などの座標情報、コスト情報、その交差点などの右折禁止などの属性情報などが含まれる。
【0040】
リンクデータ72は、車両が通行する道路などに対応する複数のリンクのデータである。各リンクのデータには、各リンクに固有の識別番号、そのリンクが接続されるノードの識別番号、コスト情報、その道路の右折禁止などの属性情報などが含まれる。
【0041】
表示地図データ73は、ナビゲーション用データ66に基づいて案内可能な地域を、上方から俯瞰した地図データである。表示地図データ73は、たとえば所定の区画毎に分割された複数のテクスチャデータで構成される。このようなテクスチャデータとしては、たとえば道路地図、住宅地図、衛星写真などが使用できる。また、各テクスチャデータには、そのテクスチャ内の各地点の座標を特定するための座標情報が対応付けられている。
【0042】
旅行ログデータ68は、車載マルチメディア装置1により書込まれるデータである。旅行ログデータ68は、車載マルチメディア装置1が搭載された車両が通過した地点の情報および駐停車した地点の情報を蓄積したデータである。地点の情報には、その地点の位置情報および時刻情報が含まれる。
【0043】
これらのハードディスクドライブ47に記憶される各データは、少なくともそのデータ毎にファイルとして管理されて記憶される。たとえば、楽曲データ64は、一般的に、1つの楽曲に相当するデータ毎にファイルとして管理される。また、ナビゲーション用データ66を構成する地点データ70、ノードデータ71、リンクデータ72、表示地図データ73などは、それぞれの総データ量が非常に大きく、少なくとも数百メガバイトのデータ量となる。そのため、たとえばこのナビゲーション用データ66が対応する地域を複数の区画に分けて、その区画毎のデータがファイルとして管理される。この他にも、住所録データ65、案内経路データ67、旅行ログデータ68なども、そのデータ量によっては複数のデータに分けて、その分割したデータ毎にファイルとして管理してもよい。
【0044】
図3は、図2のポータブルプレーヤ2と接続されるコンピュータ装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。このコンピュータ装置3は、中央処理装置81と、RAM(Random Access Memory)82と、ハードディスクドライブ83と、ディスプレイ84と、キーボード85と、通信I/F86と、マルチドライブ87と、USBホストコントローラ88と、これらを接続するシステムバス89と、を有する。
【0045】
USBホストコントローラ88には、コンピュータ装置3のコネクタとしてのUSBコネクタ90が接続される。USBコネクタ90には、電源回路91も接続される。電源回路91は、USBコネクタ90に接続される他の機器(この実施の形態の場合で言えばポータブルプレーヤ2)に、所定の電圧の電力を供給する。
【0046】
ハードディスクドライブ83は、たとえば100Gバイト程度以上の大きな記憶容量を有するデバイスである。ハードディスクドライブ83は、USBマスストレージクラスプログラム94、プレーヤ管理プログラム95と、ナビゲーション管理プログラム96と、を記憶する。これらのプログラムは、中央処理装置81によりRAM82に読み込まれ実行される。
【0047】
なお、プレーヤ管理プログラム95およびナビゲーション管理プログラム96は、CD−ROMなどの記録媒体に記録されているものをハードディスクドライブ83へインストールしたものであっても、インターネット98などの伝送媒体を介してハードディスクドライブ83へインストールしたものであってもよい。また、プレーヤ管理プログラム95のベンダと、ナビゲーション管理プログラム96のベンダとは、別々の者であっても、同一の者であってもよい。
【0048】
ディスプレイ84は、表示データに基づくフルカラー画像を表示する。このディスプレイ84は、たとえば15インチ以上の大きさを有する。コンピュータ装置3に使用されるディスプレイ84は、TV受信機の画面より高い解像度を有する。そのため、後述する車両のナビゲーションで使用する表示地図データ73による地図を、ナビゲーションで使用する場合と同じ解像度にて表示することができる。表示地図データ73を用いた家庭内でのドライブプランの作成が容易となる。キーボード85は、図示外の複数の操作キーを有し、操作されたキーに応じた入力データを出力する。
【0049】
通信I/F86は、有線あるいは無線通信によりインターネット98に接続され、そのインターネット98に接続されている他のコンピュータ装置99との間でデータ通信を行う。このようにインターネット98に接続されている他のコンピュータ装置99としては、たとえば、楽曲データを提供するサーバ装置や、ナビゲーション用データおよびその更新データを提供するサーバ装置がある。
【0050】
次に、以上の構成を有する実施の形態に係る車載マルチメディア装置1、ポータブルプレーヤ2およびコンピュータ装置3の動作を説明する。以下の説明では、まず、図4から図6を用いて、ポータブルプレーヤ2をコンピュータ装置3に接続した場合の動作を説明し、次に、図7から図9を用いて、ポータブルプレーヤ2を車載マルチメディア装置1に接続した場合の動作を説明する。
【0051】
図4は、ポータブルプレーヤ2の専用コネクタ57とコンピュータ装置3のUSBコネクタ90とを、USBコネクタに接続可能なポータブルプレーヤ専用ケーブル101で接続するとともに、コンピュータ装置3の中央処理装置81がプレーヤ管理プログラム95を実行した場合に実現される機能を示す機能ブロック図である。ポータブルプレーヤ専用ケーブル101は、ケーブルの一種である。
【0052】
ポータブルプレーヤ2とコンピュータ装置3とが接続されると、コンピュータ装置3の電源回路91は、ポータブルプレーヤ2の電源回路60へ電力を供給する。ポータブルプレーヤ2の電源回路60は、この電力で二次電池61を充電する。ポータブルプレーヤ2の電源回路60は、この電力をポータブルプレーヤ2の他の回路、たとえば中央処理装置41などへ供給する。
【0053】
ポータブルプレーヤ2の中央処理装置41は、起動すると、まず、実行管理プログラム50を実行する。これにより、ポータブルプレーヤ2には、実行管理部106が実現される。
【0054】
実行管理部106は、中央処理装置41にキー操作管理プログラム51を実行させる。これにより、ポータブルプレーヤ2には、キー操作管理部107が実現される。キー操作管理部107は、キーデバイス44の操作に基づいて、たとえば楽曲を選択したり、再生したりする。
【0055】
また、実行管理部106は、USBコネクタ部59に他の機器(ここではコンピュータ装置3)が接続されていると、中央処理装置41に、USBマスストレージクラスプログラム52を実行させる。これにより、ポータブルプレーヤ2には、データ出力手段としてのUSBマスストレージクラス108が実現される。
【0056】
一方、コンピュータ装置3の中央処理装置81は、その起動時にUSBマスストレージクラスプログラム94を実行する。これにより、コンピュータ装置3には、USBマスストレージクラス111が実現される。
【0057】
コンピュータ装置3およびポータブルプレーヤ2において、一対のUSBマスストレージクラス108,111が実現されることで、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47が、USBコネクタ部59に接続される機器(図4ではコンピュータ装置3)にストレージとして認識される。すなわち、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47に記憶されるデータは、コンピュータ装置3のUSBマスストレージクラス111により、ファイルとして認識される。コンピュータ装置3のUSBマスストレージクラス111は、ファイル単位でデータを管理し、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47に対してデータを読み書きする。
【0058】
また、図4では、コンピュータ装置3の中央処理装置81により、プレーヤ管理プログラム95が実行されると、リッピング部112と、住所録管理部113とが実現される。
【0059】
リッピング部112は、その起動画面の表示データをディスプレイ84へ出力する。ディスプレイ84は、リッピング部112による起動画面を表示する。このリッピング部112による起動画面には、たとえば、リッピングする楽曲データのソースの選択ボタンが表示される。楽曲データ64のソースとしては、たとえばインターネット98、マルチドライブ87などがある。リッピング部112は、キーボード85からの入力データに基づいて、楽曲データ64のソースを選択する。
【0060】
インターネット98をソースとして選択すると、リッピング部112は、インターネット98上で楽曲データを提供するサーバ装置のURL(Uniform Resource Locator)を指定し、通信I/F86に楽曲データのリスト取得を指示する。通信I/F86は、楽曲データのリストを要求するパケットをインターネット98へ送出する。楽曲データを提供するサーバ装置は、インターネット98からそのパケットを受信し、応答パケットを送信する。通信I/F86は、インターネット98からこの応答パケットを受信し、その応答パケットに含まれる楽曲データのリストをリッピング部112へ出力する。
【0061】
マルチドライブ87をソースとして選択すると、リッピング部112は、マルチドライブ87に楽曲データのリスト出力を指示する。マルチドライブは、ディスクからデータを読み込み、楽曲データのリストを出力する。
【0062】
選択したソースから楽曲データのリストが入力されると、リッピング部112は、そのリストをディスプレイ84に表示させる。リッピング部112は、キーボード85からの入力データに基づいて、リストの中からリッピングする楽曲データを選択する。
【0063】
リッピングする楽曲データを選択すると、リッピング部112は、先に選択しているソースからその楽曲データを取得する。具体的には、通信I/F86には、インターネット98上の楽曲データを提供するサーバ装置から、選択した楽曲データを受信させ、マルチドライブには、ディスクから選択した楽曲データを読み出させる。
【0064】
また、リッピング部112は、先に選択しているソースからその楽曲データを取得すると、その取得した楽曲データに所定のファイル名を付して書込みデータとしてUSBマスストレージクラス111へ供給する。この書込みデータは、コンピュータ装置3のUSBマスストレージクラス111から、USBコネクタ90、ポータブルプレーヤ専用ケーブル101、ポータブルプレーヤ2のUSBコネクタ部59を介して、ポータブルプレーヤ2のUSBマスストレージクラス108に送信される。ポータブルプレーヤ2のUSBマスストレージクラス108は、この書込みデータを、ハードディスクドライブ47に書込む。これにより、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47には、リッピング部112により選択された楽曲データ64が格納される。
【0065】
また、リッピング部112は、インターネット98などから取得した楽曲データをそのままポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47に書込む。後述するように、車載マルチメディア装置1は、このポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47に保存された楽曲データ64を再生する。
【0066】
したがって、楽曲データのデジタルコピーがSCMS(Serial Copy Management System)などにより制御されていたとしても、これに対応した楽曲データを、ポータブルプレーヤ2および車両内で再生することができる。ユーザは、車両内でその楽曲データを使用するために、ポータブルプレーヤ2に記憶させたものとは別に同一の楽曲データを購入したりする必要がなくなる。ユーザによる楽曲データの取得(コピーなど)作業は、1回で済む。
【0067】
住所録管理部113は、まず、コンピュータ装置3のUSBマスストレージクラス111に対して、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47が記憶するファイルのリスト取得を要求する。コンピュータ装置3のUSBマスストレージクラス111は、この要求に基づいて、ファイルリストの送信要求を出力する。このファイルリストの送信要求は、USBコネクタ90、ポータブルプレーヤ専用ケーブル101、ポータブルプレーヤ2のUSBコネクタ部59を介して、ポータブルプレーヤ2のUSBマスストレージクラス108へ送信される。このポータブルプレーヤ2のUSBマスストレージクラス108は、ハードディスクドライブ47に記憶されているデータのファイル名のリストを生成し、コンピュータ装置3のUSBマスストレージクラス111へ送信する。
【0068】
コンピュータ装置3のUSBマスストレージクラス111がファイル名のリストを受信すると、住所録管理部113は、その中に、予め指定されている住所録データのファイル名が含まれているか否かを判断する。そして、その所定のファイル名が含まれている場合には、住所録管理部113は、そのファイル名のファイルの取得を指示する。コンピュータ装置3のUSBマスストレージクラス111は、このファイルの取得要求をポータブルプレーヤ2のUSBマスストレージクラス108へ送信し、ポータブルプレーヤ2のUSBマスストレージクラス108は、その指定されたファイル名のデータを、コンピュータ装置3のUSBマスストレージクラス111へ送信する。
【0069】
コンピュータ装置3のUSBマスストレージクラス111が住所録データ65を受信すると、住所録管理部113は、その住所録データ65に含まれる住所録をディスプレイ84に表示させる。ディスプレイ84には、たとえば、個人や店舗ごとに住所、氏名、電話番号などが表示される。
【0070】
なお、取得したファイル名のリストに住所録データ65のファイル名が含まれていない場合、住所録管理部113は、住所が全く含まれていない住所録をディスプレイ84に表示させる。
【0071】
住所録管理部113は、キーボード85から入力されたテキストデータを、取得した住所録データに追加し、そのデータが追加された住所録データをディスプレイ84に表示させる。また、住所録管理部113は、キーボード85から保存指示が入力されると、そのときの住所録データを、所定のファイル名を付して書込みデータとしてUSBマスストレージクラス111へ供給する。コンピュータ装置3のUSBマスストレージクラス111からこの書込みデータを受信すると、ポータブルプレーヤ2のUSBマスストレージクラス108は、これを住所録データ65としてハードディスクドライブ47に書込む。これにより、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47には、住所録管理部113により作成あるいは更新された住所録データ65が格納される。
【0072】
なお、住所録データ65は、たとえば住所毎にレコード化されたデータ構造を有するものであればよい。このようなデータ構造のファイルとしては、たとえばCSV(Comma Separated Value)形式のファイルがある。CSV形式のファイルでは、各住所のレコードにおいて、住所、氏名、電話番号などの1つ1つのフィールドは、カンマ(,)で区切られている。また、CSV形式のファイルは、各レコードに含まれるフィールドのデータの属性を示すレコードを有する。このフィールドのデータの属性を示すレコードにおける属性の列挙順と、各データレコードにおける各フィールドのデータの列挙順とは、対応付けられている。
【0073】
以上のように、コンピュータ装置3の中央処理装置81がプレーヤ管理プログラム95を実行する環境の下で、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47に、楽曲データ64と、住所録データ65とを書込むことができる。また、ポータブルプレーヤ2をコンピュータ装置3に接続することで、ポータブルプレーヤ2の二次電池61を充電することができる。
【0074】
図5は、ポータブルプレーヤ2を単体で起動した場合に実現される機能を示す機能ブロック図である。
【0075】
コンピュータ装置3などの他の機器を接続しないで、ポータブルプレーヤ2を起動すると、電源回路60は、二次電池61に蓄電された電力を中央処理装置41などへ供給する。ポータブルプレーヤ2の中央処理装置41は、起動すると、まず実行管理プログラム50を実行し、これにより実行管理部106が実現される。実行管理部106は、中央処理装置41にキー操作管理プログラム51を実行させ、キー操作管理部107を実現させる。
【0076】
キー操作管理部107は、キーデバイス44の操作に基づいて、ハードディスクドライブ47が記憶する楽曲データ64のファイル名を読み込む。キー操作管理部107は、読み込んだファイル名を表示する表示データを生成し、液晶デバイス43に出力する。液晶デバイス43は、楽曲データ64のリストを表示する。また、キー操作管理部107は、キーデバイス44の操作に基づいて、ハードディスクドライブ47が記憶する別の楽曲データ64のファイル名を読み込み、そのファイル名を液晶デバイス43に表示させる。
【0077】
液晶デバイス43に所定の楽曲データ64のファイル名が表示されている状態で、キーデバイス44の図示外の再生キーが操作されると、キー操作管理部107は、そのファイル名の楽曲データ64の再生を実行管理部106に指示する。
【0078】
実行管理部106は、中央処理装置41にデコーダプログラム53を実行させる。これにより、ポータブルプレーヤ2には、プレーヤ再生手段の一部としてのデコーダ109が実現される。また、デコーダ109は、キー操作管理部107により選択されたファイル名の楽曲データ64をハードディスクドライブ47から読み込む。デコーダ109は、読み込んだ楽曲データ64に基づいて、デジタル音声データを生成する。デコーダ109は、生成したデジタル音声データをDAC45へ出力する。DAC45は、そのデジタル音声信号に基づいてアナログの音声信号を生成し、ヘッドホン端子56へ出力する。
【0079】
したがって、ポータブルプレーヤ2のユーザは、ポータブルプレーヤ2のキーデバイス44を用いて所定のファイル名を選択することで、ヘッドホン端子56に接続したイヤホンから、コンピュータ装置3を用いてポータブルプレーヤ2にリッピングした楽曲を聞くことができる。なお、ヘッドホン端子56を、ステレオコンポのアンプなどに接続することで、このポータブルプレーヤ2をミュージックサーバとして利用することもできる。また、後述するように、このポータブルプレーヤ2において楽曲を再生して車内で聞くことができるので、家庭内、屋外および車内において、ポータブルプレーヤ2に保存したお気に入りの楽曲を途切れることなく続けて楽しむことができる。
【0080】
図6は、ポータブルプレーヤ2の専用コネクタ57とコンピュータ装置3のUSBコネクタ90とを、USBコネクタに接続可能なポータブルプレーヤ専用ケーブル101で接続するとともに、コンピュータ装置3の中央処理装置81がナビゲーション管理プログラム96を実行した場合に実現される機能を示す機能ブロック図である。
【0081】
図4の場合と同様に、ポータブルプレーヤ2とコンピュータ装置3とを接続することで、ポータブルプレーヤ2は、コンピュータ装置3から供給される電力で動作する。ポータブルプレーヤ2には、実行管理部106と、USBマスストレージクラス108と、キー操作管理部107とが実現される。コンピュータ装置3の中央処理装置81は、USBマスストレージクラスプログラム94を実行し、USBマスストレージクラス111が実現される。USBマスストレージクラス111は、ファイル単位でデータを管理し、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47に対するデータの読み書きをする。
【0082】
また、コンピュータ装置3の中央処理装置81がナビゲーション管理プログラム96とを実行することで、ナビゲーション用データ書込手段としてのナビデータ管理部114と、ドライブプラン生成部115と、旅行再現部116とが実現される。なお、旅行再現部116については、後述する。
【0083】
ナビデータ管理部114は、その起動画面の表示データをディスプレイ84へ出力する。ディスプレイ84は、ナビデータ管理部114による起動画面を表示する。このナビデータ管理部114による起動画面には、たとえば、ナビゲーション用データ66の保存処理の選択ボタン、ナビゲーション用データ66の更新処理の選択ボタン、ドライブプラン作成の選択ボタン、旅行再現の選択ボタンなどが表示される。
【0084】
キーボード85からの入力データに基づいてナビゲーション用データ66の保存処理の選択ボタンを選択すると、ナビデータ管理部114は、マルチドライブ87にナビゲーション用データ66の出力を指示する。マルチドライブ87は、挿入されているディスクからデータを読み込み、出力する。ナビデータ管理部114は、また、マルチドライブ87が読み出したデータを、ファイル毎に、書込みデータとしてUSBマスストレージクラス111へ供給する。この書込みデータは、コンピュータ装置3のUSBマスストレージクラス111から、USBコネクタ90、ポータブルプレーヤ専用ケーブル101、ポータブルプレーヤ2のUSBコネクタ部59を介して、ポータブルプレーヤ2のUSBマスストレージクラス108に送信される。USBマスストレージクラス108は、この書込みデータを、ハードディスクドライブ47に書込む。これにより、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47に、ナビデータ管理部114により指示されたナビゲーション用データ66が格納される。
【0085】
キーボード85からの入力データに基づいてナビゲーション用データ66の更新処理の選択ボタンを選択すると、ナビデータ管理部114は、インターネット98上でナビゲーション用データ66の更新データを提供するサーバ装置のURLを指定し、通信I/F86にその更新データの取得を指示する。通信I/F86は、更新データを要求するパケットをインターネット98へ送出し、そのサーバ装置から更新データを受信する。ナビデータ管理部114は、また、通信I/F86が受信した更新データを、ファイル毎に、書込みデータとしてUSBマスストレージクラス111へ供給する。ポータブルプレーヤ2のUSBマスストレージクラス108は、この書込みデータを、ハードディスクドライブ47に書込む。これにより、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47に、更新データにより更新されたナビゲーション用データ66が格納される。
【0086】
なお、上述した説明では、ナビデータ管理部114は、最初のナビゲーション用データ66をマルチドライブ87に挿入されたディスクから取得し、更新データをインターネット98上のサーバ装置から取得している。この他にも、ナビデータ管理部114は、最初のナビゲーション用データ66をインターネット98上のサーバ装置から取得したり、更新データをマルチドライブ87に挿入されたディスクから取得したりするようにしてもよい。
【0087】
キーボード85からの入力データに基づいてドライブプラン作成の選択ボタンを選択すると、ナビデータ管理部114は、ドライブプラン生成部115にドライブプラン作成を指示する。
【0088】
ドライブプラン生成部115は、USBマスストレージクラス111,108を用いて、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47から地点データ70を取得する。ドライブプラン生成部115は、取得した地点データ70に含まれる複数の地点のリストをディスプレイ84に表示させる。ドライブプラン生成部115は、キーボード85からの入力データに基づいて所定の地点をたとえば目的地として選択する。
【0089】
また、ドライブプラン生成部115は、USBマスストレージクラス111,108を用いて、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47から表示地図データ73を取得する。ドライブプラン生成部115は、取得した表示地図データ73による地図画像をディスプレイ84に表示させる。ドライブプラン生成部115は、キーボード85からの入力データに基づいて地図上の所定の地点をたとえば出発地として選択する。
【0090】
なお、ドライブプラン生成部115は、USBマスストレージクラス111,108を用いて、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47から旅行ログデータ68を取得し、この旅行ログデータ68に含まれる最新の時刻に対応する位置情報が示す地点を、出発地として選択することもできる。この最新の時刻が対応する地点は、ポータブルプレーヤ2を用いて最後にナビゲーションを行った終了地点であり、車載マルチメディア装置1を搭載する車両が現在も停車している地点である可能性が高い。
【0091】
また、ドライブプラン生成部115は、自宅などの位置を表示地図上で特定させ、その位置情報を出発地のデフォルトの位置情報としてコンピュータ装置3のハードディスクドライブ83やポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47に記憶させ、次回からはその記憶させたデフォルトの位置情報が示す地点を出発地として選択するようにしてもよい。
【0092】
出発地および目的地を選択すると、ドライブプラン生成部115は、USBマスストレージクラス111を用いて、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47からノードデータ71およびリンクデータ72を読み込み、これらのデータを用いて出発地から目的地に至る経路を探索する。そして、ドライブプラン生成部115は、探索した複数の経路の中から、出発地から目的地までのコストが最も低いものを案内経路として選択する。ドライブプラン生成部115は、選択した案内経路を地図上に割り付けてディスプレイ84に表示させる。
【0093】
キーボード85からの入力データに基づいて生成した案内経路のユーザによる承認を確認すると、ドライブプラン生成部115は、生成した案内経路のデータを、書込みデータとしてUSBマスストレージクラス111へ供給する。ポータブルプレーヤ2のUSBマスストレージクラス108は、この書込みデータを、ハードディスクドライブ47に書込む。これにより、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47に、ドライブプラン生成部115により生成された案内経路データ67が格納される。
【0094】
図7は、ポータブルプレーヤ2の専用コネクタ57と車載マルチメディア装置1のUSBコネクタ26とを、USBコネクタに接続可能なポータブルプレーヤ専用ケーブル101で接続するとともに、車載マルチメディア装置1の中央処理装置11が起動時実行プログラム22を実行した場合に実現される機能を示す機能ブロック図である。
【0095】
図4の場合と同様に、ポータブルプレーヤ2と車載マルチメディア装置1とを接続することで、ポータブルプレーヤ2は、車載マルチメディア装置1の電力供給部16から供給される電力で動作する。ポータブルプレーヤ2には、実行管理部106と、USBマスストレージクラス108と、キー操作管理部107とが実現される。車載マルチメディア装置1の中央処理装置11は、USBマスストレージクラスプログラム21を実行し、データ取得手段の一部としてのUSBマスストレージクラス121が実現される。USBマスストレージクラス121は、ファイル単位でデータを管理し、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47にデータを読み書きする。
【0096】
また、車載マルチメディア装置1の中央処理装置11が起動時実行プログラム22を実行することで、車載マルチメディア装置1には、ポータブルプレーヤ管理手段としての機能選択部122と、データ取得手段の一部としてのデータ入出力制御部123と、が実現される。
【0097】
データ入出力制御部123は、機能選択部122などからデータ入出力の要求を受け付ける。データ入出力制御部123は、受け付けた要求に係るデータのファイルの書込みあるいは読出しをUSBマスストレージクラス121に指示する。
【0098】
また、データ入出力制御部123は、データ入出力の要求が複数ある場合、その複数の要求に係るデータのファイルの書込みあるいは読出しの要求を、1つずつ順番に、USBマスストレージクラス121へ指示する。データ入出力制御部123は、複数のデータ入出力の要求の中に、ナビゲーション用データ66の取得要求あるいは案内経路データ67の取得要求が含まれる場合、それらの要求を最優先で処理する。データ入出力制御部123は、ナビゲーション用データ66の取得要求および案内経路データ67の取得要求以外の要求については、受け付けた順番で処理する。
【0099】
機能選択部122は、車載マルチメディア装置1においてナビゲーション機能が使用できるか否かを判断する。機能選択部122は、車載マルチメディア装置1に接続されているポータブルプレーヤ2に、ナビゲーション用データ66が記憶されているか否かに基づいて、ナビゲーション機能が使用できるか否かを判断する。
【0100】
具体的には、機能選択部122は、データ入出力制御部123に、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47に記憶されているファイル名のリストを要求する。データ入出力制御部123は、その要求に基づいて、USBマスストレージクラス121にその要求に係るファイル名のリストの読み込みを指示する。USBマスストレージクラス121は、この読み込み指示に基づいて、ファイル名のリストの取得要求を、USBコネクタ26、ポータブルプレーヤ専用ケーブル101、ポータブルプレーヤ2のUSBコネクタ部59を介して、ポータブルプレーヤ2のUSBマスストレージクラス108へ送信する。ポータブルプレーヤ2のUSBマスストレージクラス108は、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47からファイル名を読み込み、そのリストを生成し、生成したリストを車載マルチメディア装置1のUSBマスストレージクラス121へ送信する。データ入出力制御部123は、このUSBマスストレージクラス121が受信したファイル名のリストを、要求に応じたファイル名のリストとして、機能選択部122に供給する。
【0101】
機能選択部122は、そのファイル名のリストに基づいて、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47に所定のナビゲーション用データ66が記憶されていることを確認すると、ナビゲーション機能の選択ボタン、AV機能の選択ボタンなどを表示するための起動画面の表示データを生成し、液晶モニタ13へ出力する。液晶モニタ13は、この起動画面を表示する。
【0102】
なお、機能選択部122は、所定のナビゲーション用データ66のすべてがポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47に記憶されているか否かに基づいて、ナビゲーション用データ66の有無を判断してもよいが、ナビゲーション用データ66に含まれる特定のファイル名がハードディスクドライブ47に記憶されているか否かに基づいて、ナビゲーション用データ66の有無を判断するようにしてもよい。
【0103】
タッチパネル14からの入力データに基づいてナビゲーション機能の選択ボタンを選択すると、機能選択部122は、キー操作禁止コマンドを生成する。キー操作禁止コマンドは、ポータブルプレーヤ2のキーデバイス44の操作に基づくデコーダ109による楽曲データ64の再生処理を禁止するコマンドである。
【0104】
機能選択部122は、生成したキー操作禁止コマンドをポータブルプレーヤ2の実行管理部106へ送信する。具体的には、機能選択部122は、生成したキー操作禁止コマンドを、直接にUSBマスストレージクラス121に供給する。車載マルチメディア装置1のUSBマスストレージクラス121は、このキー操作禁止コマンドをポータブルプレーヤ2のUSBマスストレージクラス108へ送信する。USBマスストレージクラス108は、受信したキー操作禁止コマンドを実行管理部106へ供給する。
【0105】
ポータブルプレーヤ2の実行管理部106は、キー操作禁止コマンドを受信すると、キー操作管理部107を停止させる。具体的にはたとえば、ポータブルプレーヤ2の中央処理装置41によるキー操作管理プログラム51の実行を終了させる。
【0106】
キー操作禁止コマンドを生成した後、機能選択部122は、中央処理装置11にナビゲーションシステムプログラム24の実行を指示する。
【0107】
図8は、機能選択部122の指示に基づいて、車載マルチメディア装置1の中央処理装置11がナビゲーションシステムプログラム24を実行することで実現される機能を示す機能ブロック図である。車載マルチメディア装置1の中央処理装置11がナビゲーションシステムプログラム24を実行することで、車載マルチメディア装置1には、案内経路生成手段としての案内経路生成部124と、ナビゲーション手段、現在地案内手段、経路誘導手段および現在地蓄積手段としての経路誘導部125と、現在地取得手段としての現在地取得部126とが実現される。図8においてポータブルプレーヤ2に記載される機能ブロックは、図7の機能ブロックと同じものである。
【0108】
なお、この図8において、機能選択部122およびデータ入出力制御部123は、引き続き実現される。また、図8中には図示しないが、オーディオ再生中であれば、後述する図9中の再生設定部127、デコーダ128およびイコライザ129が同時に実現される。
【0109】
現在地取得部126は、車両の現在地を取得する。システムマイクロコンピュータ27は、GPS電波受信機28が受信した電波、ジャイロセンサ29が検出した方角および車速パルスセンサ30が検出した車速パルスに基づいて、車両の現在の位置を特定している。現在地取得部126は、このシステムマイクロコンピュータ27から、それが特定した車両の現在地の座標情報を取得する。
【0110】
案内経路生成部124は、まず、データ入出力制御部123に、地点データ70の取得を要求する。データ入出力制御部123は、その要求に基づいて、USBマスストレージクラス121,108を用いて、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47から地点データ70を取得する。案内経路生成部124は、データ入出力制御部123により取得された地点データ70に含まれる複数の地点のリストを液晶モニタ13に表示させる。案内経路生成部124は、タッチパネル14からの入力データに基づいて所定の地点をたとえば目的地として選択する。
【0111】
また、案内経路生成部124は、データ入出力制御部123に、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47に記憶されている住所録データ65や自宅などの位置情報の取得を要求する。データ入出力制御部123は、その要求に基づいて、USBマスストレージクラス121,108を用いて、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47に記憶されている住所録データ65や自宅などの位置情報を取得する。案内経路生成部124は、データ入出力制御部123により取得された住所録データ65や自宅のリストを液晶モニタ13に表示させる。案内経路生成部124は、タッチパネル14からの入力データに基づいて表示しているリストの中から所定の地点をたとえば目的地として選択する。
【0112】
目的地などを選択すると、案内経路生成部124は、データ入出力制御部123に、ノードデータ71およびリンクデータ72の取得を要求する。データ入出力制御部123は、その要求に基づいて、USBマスストレージクラス121,108を用いて、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47からノードデータ71およびリンクデータ72を取得する。案内経路生成部124は、データ入出力制御部123により取得されたノードデータ71およびリンクデータ72を用いて、現在地から目的地に至る経路を探索する。現在地は、現在地取得部126が取得した車両の現在地を使用する。そして、案内経路生成部124は、探索した複数の経路の中から、出発地から目的地までのコストが最も低いものを案内経路として選択する。
【0113】
案内経路生成部124は、データ入出力制御部123に、選択した案内経路のデータの保存を要求する。データ入出力制御部123は、その要求に基づいて、その案内経路のデータを、書込みデータとしてUSBマスストレージクラス121へ供給する。ポータブルプレーヤ2のUSBマスストレージクラス108は、この書込みデータを、ハードディスクドライブ47に書込む。これにより、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47に、案内経路生成部124により生成された案内経路データ67が格納される。
【0114】
また、案内経路生成部124は、案内経路データ67の保存を要求した後、選択した目的地などの地点を住所録に追加するか否かを確認する画面を、液晶モニタ13に表示させる。タッチパネル25からの入力データに基づいてユーザの承認を確認すると、案内経路生成部124は、選択した地点にある個人宅や店舗の住所、氏名、電話番号などを、住所録データ65における所定の列挙順で含むレコードを生成し、データ入出力制御部123に、この生成したレコードの保存を要求する。データ入出力制御部123は、その要求に基づいて、USBマスストレージクラス121,108を用いて、そのレコードを、ポータブルプレーヤ2に書込む。ポータブルプレーヤ2のUSBマスストレージクラス108は、このレコードを住所録データ65に追加する。
【0115】
経路誘導部125は、まず、データ入出力制御部123に、案内経路データ67の取得を要求する。データ入出力制御部123は、その要求に基づいて、USBマスストレージクラス121,108を用いて、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47から案内経路データ67を取得する。ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47に保存されている案内経路データ67は、案内経路生成部124により生成されたものか、コンピュータ装置3のドライブプラン生成部115により生成されたものである。
【0116】
データ入出力制御部123により案内経路データ67が取得されると、経路誘導部125は、その案内経路データ67を用いて、その経路を誘導する。
【0117】
経路誘導部125による経路誘導は、具体的には、以下のようなものである。経路誘導部125は、まず、現在地取得部126から車両の現在地の座標情報を取得する。経路誘導部125は、データ入出力制御部123に、取得した現在地から所定の範囲となる地域の表示地図データ73、リンクデータ72、ノードデータ71および案内経路データ67の取得を要求する。データ入出力制御部123は、その要求に基づいて、USBマスストレージクラス121,108を用いて、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47から、現在地から所定の範囲となる地域の表示地図データ73、リンクデータ72、ノードデータ71および案内経路データ67を取得する。
【0118】
データ入出力制御部123によりこれらのデータが取得されると、経路誘導部125は、それらのデータを用いて誘導画面の表示データを生成し、液晶モニタ13へ出力する。液晶モニタ13は、この誘導画面を表示する。この誘導画面には、現在地から所定の表示範囲内となる地図が表示される。また、この誘導画面の地図上には、車両の現在地に対応する表示位置に現在地マークが表示され、誘導画面内の案内経路が案内経路線として表示される。
【0119】
経路誘導部125は、たとえば所定の時間間隔毎にあるいは現在地の所定の位置変化毎に、上述した現在地から所定の範囲となる地域のナビゲーション用データ66の取得要求処理と、表示画面の生成処理とを実行する。経路誘導部125は、現在地が移動すると、データ入出力制御部123に、新たな現在地から所定の範囲となる地域の表示地図データ73、リンクデータ72、ノードデータ71および案内経路データ67を取得させ、その新たなデータを用いて現在地から所定の表示範囲内となる地図を液晶モニタ13に表示させる。これにより、液晶モニタ13には、車両の現在地および案内経路を有する地図が表示され続ける。
【0120】
車載マルチメディア装置1のユーザは、現在地マークが案内経路線上を移動するように車両を走行させることで、案内経路にしたがって移動し、現在地から所望の目的地まで移動することができる。
【0121】
経路誘導部125は、上述した経路誘導処理を実行するとともに、その裏処理として、所定の時間間隔毎におよび駐停車毎に、現在地取得部126から取得した車両の現在地を保存する。具体的には、経路誘導部125は、所定の時間間隔毎におよび駐停車毎に、現在地取得部126から取得した車両の現在地の情報とそれを取得した時刻情報とを含むレコードを生成する。経路誘導部125は、データ入出力制御部123に、その生成したレコードの保存を要求する。データ入出力制御部123は、その要求に基づいて、USBマスストレージクラス121を用いて、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47にそのレコードを書込む。ポータブルプレーヤ2のUSBマスストレージクラス108は、そのレコードを旅行ログデータ68に追加書込みする。これにより、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47に、車両が移動した位置と時刻とを対応付けて蓄積させた旅行ログデータ68が格納される。
【0122】
ここで、図6のコンピュータ装置3に実現される旅行再現部116の動作について説明する。コンピュータ装置3に実現されるナビデータ管理部114は、キーボード85からの入力データに基づいて、旅行再現の選択ボタンを選択すると、旅行再現部116に旅行再現を指示する。
【0123】
旅行再現部116は、USBマスストレージクラス111,108を用いて、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47から旅行ログデータ68を取得する。旅行再現部116は、取得した旅行ログデータ68に含まれる複数の地点を包含する地域を特定する。旅行再現部116は、USBマスストレージクラス111,108を用いて、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47から、その特定した地域の表示地図データ73を取得する。
【0124】
旅行ログデータ68および表示地図データ73を取得した後、旅行再現部116は、旅行再現画面の表示データを生成し、液晶モニタ13へ出力する。液晶モニタ13は、この旅行再現画面を表示する。この旅行再現画面には、特定した地域の地図が表示される。また、この旅行再現画面の地図上には、旅行ログデータ68に含まれる地点を旅行ログデータ68における時刻順で接続した旅行再現線が表示される。なお、旅行ログデータ68の各レコードにその地点のリンクあるいはノードの識別番号を追加し、このリンクあるいはノードに沿って旅行再現線が描画されるようにしてもよい。
【0125】
また、コンピュータ装置3のハードディスクドライブ83に、たとえばその旅行中に撮像したEXIF画像データが記憶されている場合、旅行再現部116は、キーボード85からの指示に基づいて、そのEXIF画像データの画像を旅行再現画面上にマッピングする。なお、EXIF画像データは、コンピュータ装置3に接続される他の機器、たとえばカードリーダやデジタルカメラなどに記憶されていても良い。
【0126】
なお、EXIF画像データは、そのヘッダ情報内に、その画像のサムネイル画像のロケーションを示す情報を有するものがある。旅行再現部116は、EXIF画像データの画像の代わりに、そのサムネイル画像を旅行再現画面上にマッピングするようにしてもよい。
【0127】
また、EXIF画像データのヘッダ情報には、GPS機能付きのデジタルカメラで撮像されたものであれば、その撮像した地点の位置情報が含まれる。旅行再現部116は、このヘッダ情報に含まれる位置情報を用いて、旅行再現画面上に画像をマッピングすればよい。また、デジタルカメラなどで撮像された画像のEXIF画像データのヘッダ情報には、一般的に、その撮像した時刻情報が含まれる。旅行再現部116は、このヘッダ情報に含まれる時刻情報と、旅行ログデータ68における複数の地点の時刻情報とを比較し、たとえばヘッダ情報に含まれる時刻情報の直前の時刻となる地点に画像をマッピングするようにしてもよい。
【0128】
図9は、機能選択部122の指示に基づいて、車載マルチメディア装置1の中央処理装置11がAVシステムプログラム23を実行することで実現される機能を示す機能ブロック図である。
【0129】
なお、図9の機能選択部122は、ポータブルプレーヤ2から読み込んだリストに所定のナビゲーション用データ66が記憶されていないと判断した場合、ただちに中央処理装置11にAVシステムプログラム23の実行を指示する。また、機能選択部122は、タッチパネル14からの入力データに基づいてナビゲーション機能の選択ボタンを選択した場合、中央処理装置11にAVシステムプログラム23の実行を指示する。これにより、車載マルチメディア装置1の中央処理装置11は、AVシステムプログラム23を実行する。
【0130】
車載マルチメディア装置1の中央処理装置11がAVシステムプログラム23を実行することで、車載マルチメディア装置1には、再生設定部127と、車載再生手段の一部としてのデコーダ128と、車載再生手段の一部およびゲイン調整手段としてのイコライザ129と、が実現される。図9においてポータブルプレーヤ2に記載される機能ブロックは、図7の機能ブロックと同じものである。
【0131】
なお、この図9において、機能選択部122およびデータ入出力制御部123は、引き続き実現される。また、図9中には図示しないが、ナビゲーション中であれば、図8に示す案内経路生成部124、経路誘導部125および現在地取得部126が同時に実現される。
【0132】
再生設定部127は、まず、車載マルチメディア装置1にポータブルプレーヤ2が接続されているか否かを判断する。具体的には、再生設定部127は、たとえば電力供給部により電力供給がなされているか否かなどに基づいて、USBコネクタ26にポータブルプレーヤ2が接続されているか否かを判断する。
【0133】
そして、再生設定部127は、USBコネクタ26にポータブルプレーヤ2が接続されている場合に、車載マルチメディア装置1にポータブルプレーヤ2が接続されていると判断する。それ以外の場合には、再生設定部127は、車載マルチメディア装置1にポータブルプレーヤ2が接続されていないと判断する。
【0134】
車載マルチメディア装置1にポータブルプレーヤ2が接続されていると判断した場合、再生設定部127は、CD再生ボタン、チューナ再生ボタンおよびミュージックサーバ再生ボタンを有するソース選択画面を、液晶モニタ13に表示させる。
【0135】
また、車載マルチメディア装置1にポータブルプレーヤ2が接続されていないと判断した場合、再生設定部127は、CD再生ボタンおよびチューナ再生ボタンを有するソース選択画面を、液晶モニタ13に表示させる。
【0136】
なお、これらのソース選択画面には、DVD再生ボタンなどの他の再生ボタンが含まれていてもよい。また、再生設定部127は、ポータブルプレーヤ2が接続されていないと判断した場合であっても、ミュージックサーバ再生ボタンを有するソース選択画面を、液晶モニタ13に表示させ、そのミュージックサーバ再生ボタンを選択したときには「使用できません」などといった警告メッセージを表示するようにしてもよい。
【0137】
タッチパネル14からの入力データに基づいてCD再生ボタンを選択した場合、再生設定部127は、マルチドライブ17にCD再生を指示し、ソースセレクタ33に、マルチドライブ17を選択させる。
【0138】
タッチパネル14からの入力データに基づいてチューナ再生ボタンを選択した場合、再生設定部127は、チューナ31に再生を指示し、ソースセレクタ33に、チューナ31を選択させる。
【0139】
ソースセレクタ33に選択されたソースからの音声信号は、アンプ35で増幅され、スピーカ34へ出力される。スピーカ34は、その音声信号に応じた音声を出力する。
【0140】
タッチパネル14からの入力データに基づいてミュージックサーバ再生ボタンを選択した場合、再生設定部127は、まず、データ入出力制御部123に、楽曲データ64のリストの取得を要求し、ソースセレクタ33に、DAC32を選択させる。
【0141】
データ入出力制御部123は、その要求に基づいて、USBマスストレージクラス121にその要求に係る楽曲データ64のリストの読み込みを指示する。USBマスストレージクラス121は、この読み込み指示に基づいて、楽曲データ64のリストの取得要求を、ポータブルプレーヤ2のUSBマスストレージクラス108へ送信する。USBマスストレージクラス108は、ハードディスクドライブ47から楽曲データ64のファイル名を読み込み、そのリストを生成し、生成したリストを車載マルチメディア装置1のUSBマスストレージクラス121へ送信する。
【0142】
USBマスストレージクラス121が楽曲データ64のリストを取得すると、再生設定部127は、このリストを表示する画面を液晶モニタ13に表示させる。再生設定部127は、タッチパネル14からの入力データに基づいて再生する楽曲データ64を選択する。
【0143】
再生する楽曲データ64を選択すると、再生設定部127は、デコーダ128に、選択した楽曲データ64の再生を指示する。デコーダ128は、データ入出力制御部123に、指示された楽曲データ64の取得を要求する。データ入出力制御部123は、その要求に基づいて、USBマスストレージクラス121,108を用いて、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47から楽曲データ64を取得する。デコーダ109は、データ入出力制御部123により取得された楽曲データ64に基づいて、デジタル音声データを生成する。デコーダ109は、生成したデジタル音声データをイコライザ129へ出力する。
【0144】
イコライザ129は、デジタル音声データを周波数帯毎に複数の成分に分解し、各成分のゲインを増減し、さらにその増減した周波数帯毎の成分を合成するものである。このイコライザ129は、車内環境に合わせたゲイン調整を行う。具体的にはたとえば、イコライザ129は、たとえば走行ノイズと同じ周波数成分がその走行ノイズより大きくなるようにデジタル音声データの全体のゲインを増減したり、コンサートホールなどの音響効果と車内の音響効果との差を打ち消すように周波数成分毎のゲインを増減したりする。この他にもたとえば、イコライザ129は、オーディオプレーヤ2が再生する音声信号とデコーダ128の出力に基づいてDAC32やアンプ35が出力する音声信号との差を打ち消すように周波数成分毎のゲインを増減してもよい。
【0145】
イコライザ129は、周波数帯毎のゲインを調整したデジタル音声データを、DAC32へ出力する。DAC32は、そのデジタル音声信号に基づいてアナログの音声信号を生成し、ソースセレクタ33へ出力する。ソースセレクタ33は、DAC32を選択している。したがって、DAC32から出力される音声信号は、アンプ35による増幅後、スピーカ34へ出力される。スピーカ34は、この音声信号の波形にしたがって音を出力する。
【0146】
以上のように、この実施の形態では、ハードディスクドライブ47を有するポータブルプレーヤ2をコンピュータ装置3に接続し、このコンピュータ装置3からハードディスクドライブ47に楽曲データ64やナビゲーション用データ66などを書込む。また、ハードディスクドライブ47にナビゲーション用データ66が書込まれたポータブルプレーヤ2を車載マルチメディア装置1に接続することで、そのナビゲーション用データ66を利用して車両における案内経路の生成と、案内経路による車両の誘導とを行う。さらに、ポータブルプレーヤ2のハードディスクドライブ47に記憶された楽曲データ64を車載マルチメディア装置1に読み込んでデコード等して車内において再生する。
【0147】
したがって、この実施の形態では、ユーザが日常的に携帯して利用するポータブルプレーヤ2に車両で使用するナビゲーション用データ66を記憶させ、このポータブルプレーヤ2に記憶されているナビゲーション用データ66を用いて車両の経路誘導および現在地案内を行う。したがって、ユーザは、ポータブルプレーヤ2以外のものを携帯する必要がない。車載マルチメディア装置1自体に、ナビゲーション用データ66などのデータを記憶するための大容量のハードディスクドライブなどを備える必要がない。
【0148】
その結果、この実施の形態では、ポータブルプレーヤ2を本来の目的に使用可能としつつ、車内でのナビゲーションに利用して、ユーザの負担するコストを軽減しつつユーザの利便性を向上することができる。
【0149】
また、そのポータブルプレーヤ2をコンピュータ装置3に接続することで、ナビゲーション用データ66の更新などのメンテナンスをすることができる。家庭内に、ナビゲーション用データ66をメンテナンスするための専用機器を設置する必要がない。ユーザは、手元にあるポータブルプレーヤ2をコンピュータ装置3に接続するだけで、ナビゲーション用データ66を容易にメンテナンスすることができる。
【0150】
しかも、この実施の形態では、ポータブルプレーヤ2に保存されている楽曲データ64を車載マルチメディア装置1のデコーダ128で再生し、その再生したデータをDAC32でアナログの音声信号へ変換し、ソースセレクタ33を介してアンプ35による増幅後スピーカ34から音声を出力する。したがって、ユーザは、ポータブルプレーヤ2に保存させた楽曲データ64と同じデータを、たとえば車載マルチメディア装置1に別途保存する作業をする必要がない。また、車載マルチメディア装置1に、車載マルチメディア装置1自体において楽曲データ64をリッピングするためのリッピング部などを備える必要がない。
【0151】
特に、この実施の形態では、デコーダ128が生成したデジタル音声データをイコライザ129へ出力し、このイコライザ129がそのデータに対して車内環境に合わせたゲイン調整を行う。したがって、たとえばポータブルプレーヤ2のデコーダ109およびDAC45により再生されたアナログの音声信号を車載マルチメディア装置1に設けたオーディオ入力端子から入力し、この音声信号に基づく音をスピーカ34から出力する場合に比べて、車内環境に適した音で楽曲データ64を再生することができる。
【0152】
この実施の形態では、データ入出力制御部123は、ナビゲーション用データ66の取得要求あるいは案内経路データ67の取得要求と、それ以外のデータ入出力の要求とがあった場合には、ナビゲーション用データ66の取得処理および案内経路データ67の取得処理を優先的に処理する。したがって、たとえばデコーダ128による楽曲データ64の取得要求が先にあったとしても、それによりナビゲーション用データ66および案内経路データ67の取得が待たされてしまうことがない。その結果、案内経路生成部124による案内経路の生成処理や、経路誘導部125による経路誘導処理がデータ待ちにより中断してしまうことはない。案内経路生成部124および経路誘導部125は、ナビゲーション用データ66および案内経路データ67を記憶するハードディスクドライブが、車載マルチメディア装置1のシステムバス19に接続されている場合と同程度のデータ待ち時間でそれぞれの処理を実行することができる。
【0153】
なお、この他にもたとえば、データ入出力制御部123は、経路誘導部125によるナビゲーション用データ66および案内経路データ67の取得要求を、それ以外のデータ入出力の要求より、最優先で処理するようにしてもよい。これにより、経路誘導部125による経路誘導処理が、データ待ちにより中断してしまうことがなくなる。
【0154】
さらに他にもたとえば、データ入出力制御部123は、単に、データ入出力の要求順でデータの入出力処理を実行するようにしてもよい。データ入出力制御部123は、楽曲データ64の取得処理を、優先的に処理するようにしてもよい。
【0155】
この実施の形態では、機能選択部122は、キー操作禁止コマンドをポータブルプレーヤ2に送信し、ポータブルプレーヤ2の実行管理部106はこのキー操作禁止コマンドを受信すると、キー操作管理部107を停止させる。したがって、ポータブルプレーヤ2は、そのキーデバイス44が操作されても、その操作に応じた動作をしなくなる。車載マルチメディア装置1がポータブルプレーヤ2を使用している最中に、キーデバイス44が操作されたとしても、車載マルチメディアシステムが予期していない意図しない動作状態が発生してしまうことがなくなる。また、ユーザがポータブルプレーヤ2のキーデバイス44を操作してもポータブルプレーヤ2はそれに応答しなくなるので、車内においてポータブルプレーヤ2自体が使用されることがなくなり、安全性が高まる。
【0156】
この実施の形態では、車載マルチメディア装置1のUSBコネクタ26は、ポータブルプレーヤ専用ケーブル101により、ポータブルプレーヤ2のUSBコネクタ部59に接続される。したがって、楽曲データ64の入出力に使用するUSBコネクタなどをその他のデータの入出力に使用することで、ポータブルプレーヤ2に、車載マルチメディア装置1と接続するためのコネクタを新たに設ける必要がない。
【0157】
また、車載マルチメディア装置1には、USBケーブルにより接続可能なポータブルプレーヤ2であれば接続することができる。このため、ポータブルプレーヤ2が他のポータブルプレーヤに変更されたとしても、当該他のポータブルプレーヤを車載マルチメディア装置1に接続して使用することができる。具体的にはたとえば、車載オーディオ装置のように、ユーザの嗜好に合わせた車載マルチメディアシステムの構築が可能となる。ポータブルプレーヤ2が故障したとしても、他のポータブルプレーヤ2を接続して、車載マルチメディア装置1を生かして車載ナビゲーションシステムを継続して使用することができる。ポータブルプレーヤ2をより大容量のものなどへ変更することで、車載ナビゲーションシステムのグレードをアップすることができる。
【0158】
なお、コンピュータ装置3などで汎用的に使用されるI/Fとしては、USB以外にもたとえば、IEEE(the Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394、IEEE802.3などによるI/Fがある。車載マルチメディア装置1に、USBコネクタ26の代わりに、これらのI/F用のコネクタを設けるようにしてもよい。
【0159】
この実施の形態では、車載マルチメディア装置1の電力供給回路16は、ポータブルプレーヤ専用ケーブル101を介して、ポータブルプレーヤ2に電力を供給する。したがって、たとえばポータブルプレーヤ2の二次電池61が充電されていない場合であっても、このポータブルプレーヤ2を接続して使用することができる。ポータブルプレーヤ2を、車載マルチメディア装置1の一部として利用することができる。
【0160】
この実施の形態では、車載マルチメディア装置1の案内経路生成部124は、ポータブルプレーヤ2に記憶されている住所録データ65の地点を読み込んで、その地点を使用して案内経路を生成する。したがって、車載マルチメディア装置1は、ナビゲーション用データ64以外のデータを使用して案内経路を生成することができる。ユーザは、車載マルチメディア装置1において地点を選択するためにその地点の名称などを一文字ずつ入力したりする必要がなくなる。
【0161】
なお、このようにコンピュータ装置3などにおいて作成し、車載マルチメディア装置1において使用できる連携データとしては、住所録データ65の他にもたとえば、店舗データ、カレンダデータ、スケジュールデータ、メッセージデータ、タスクデータ、気象データなどがある。店舗データは、たとえば地点のデータとして使用することができる。カレンダデータ、スケジュールデータ、メッセージデータおよびタスクデータは、車載マルチメディア装置1に、たとえばその日時に所定の処理、たとえばメッセージポップアップ表示、指定楽曲の再生、アラーム出力などの処理をさせるためのデータとして利用することができる。これらの機能を利用することで、観光案内なども可能となる。
【0162】
この実施の形態では、車載マルチメディア装置1の案内経路生成部124は、選択した地点にある個人宅や店舗の住所、氏名、電話番号などを、ポータブルプレーヤ2に記憶されている住所録データ65に追加する。したがって、ポータブルプレーヤ2は、それ単体で、ナビゲーション用データ64に含まれている情報を使用することができる。また、コンピュータ装置3において、そのナビゲーション用データ64に含まれている情報を、住所録データ65として使用することができる。なお、案内経路生成部124は、現在地などを住所録データ65に追加するようにしてもよい。
【0163】
この実施の形態では、車載マルチメディア装置1の経路誘導部125は、所定の時間間隔毎におよび駐停車毎に、現在地取得部126から取得した車両の現在地の情報とそれを取得した時刻情報とを、旅行ログデータ68としてポータブルプレーヤ2に蓄積する。したがって、ユーザは、ポータブルプレーヤ2をコンピュータ装置3に接続し、車両で実際に旅行した経路を後日に確認することができる。特に、その位置情報と時刻情報を使用して、旅行中に撮影したEXIF画像データを、ディスプレイ84に表示される地図上にマッピングすることができる。
【0164】
以上の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
【0165】
たとえば、上記実施の形態では、ポータブルプレーヤ2は、楽曲データを記憶して再生するものである。この他にもたとえば、ポータブルプレーヤ2は、朗読などの他の音声による音声データを記憶して再生するものであっても、映画、テレビジョンプログラム、その他の映像データを記憶して再生するものであっても、あるいはそれらの中の複数の種類のデータを記憶して再生するものであってもよい。再生データがこのように音声以外の映像などを含む場合、車載マルチメディア装置1は、その映像を液晶モニタ13に表示したりするようにするとよい。これにより、音声以外の情報も、車内で利用することが可能となる。
【0166】
上記実施の形態では、ポータブルプレーヤ2は、ハードディスクドライブ47を有し、このハードディスクドライブ47にナビゲーション用データ66などのデータを記憶している。この他にもたとえば、ポータブルプレーヤ2は、半導体メモリを有し、この半導体メモリにナビゲーション用データ66などのデータを記憶するものであってもよい。
【0167】
上記実施の形態では、ポータブルプレーヤ2は、車両において使用するすべてのナビゲーション用データ66を記憶している。この他にもたとえば、車載マルチメディア装置1において案内経路の生成処理をしない場合などにおいては、ノードデータ71、リンクデータ72および表示地図データ73のみをナビゲーション用データ66として、ポータブルプレーヤ2に記憶させるようにしてもよい。また、このノードデータ71、リンクデータ72および表示地図データ73は、ハードディスクドライブ47に記憶されている案内経路データ67の案内に必要となる範囲のデータ、すなわち案内経路を含む所定の範囲内のデータのみを、ポータブルプレーヤ2に記憶させるようにしてもよい。このように案内経路データ67に併せてポータブルプレーヤ2に保存するナビゲーション用データ66の構成を変更する場合、コンピュータ装置3のナビデータ管理部114は、案内経路データ67を生成した後のドライブプラン生成部115からの指示に基づいて、保存するデータを選択し、その選択したデータをポータブルプレーヤ2に保存するようにすればよい。
【0168】
さらに他にもたとえば、車載マルチメディア装置1に車両において使用するすべてのナビゲーション用データ66の一部を記憶させ、ポータブルプレーヤ2には、その残りのデータを記憶させるようにしてもよい。具体的にはたとえば、車載マルチメディア装置1に、広域の表示地図データやその地図データにおけるノードデータおよびリンクデータを記憶させ、ポータブルプレーヤ2には、詳細の表示地図データやその地図データにおけるノードデータおよびリンクデータを記憶させるようにしてもよい。
【0169】
上記実施の形態では、ポータブルプレーヤ2は、楽曲データ64を再生する機能を有している。この他にもたとえば、ポータブルプレーヤ2に、プレーヤ現在地取得手段としてのGPS電波受信機を接続するとともに、不揮発性メモリ42あるいはハードディスクドライブ47に簡易ナビゲーションプログラムを記憶させるようにしてもよい。
【0170】
そして、中央処理装置41がこの簡易ナビゲーションプログラムを実行することで、ポータブルプレーヤ2には、現在地案内図生成手段としての簡易ナビゲーション部が実現される。この簡易ナビゲーション部は、たとえばハードディスクドライブ47に記憶される車両ナビゲーション用の表示地図データを使用して、GPS電波受信機の受信電波に基づいて特定されるポータブルプレーヤ2の現在地およびその周辺の地図を表示する表示画面のデータを生成する。プレーヤ用表示手段としてのポータブルプレーヤ2の液晶デバイス43は、この表示画面を表示する。これにより、ユーザは、車両を離れた状態でも、その液晶デバイス43に表示される地図にしたがって所望の目的地などまで歩いて迷うことなく移動することができる。
【0171】
また、簡易ナビゲーション部は、液晶デバイス43に、たとえば旅行ログデータ68において最新の時刻に対応付けられている位置に、車両の位置を示すマークを表示させるようにしてもよい。旅行ログデータ68において最新の時刻は、車両が駐停車している可能性が高い位置である。これにより、ユーザは、液晶デバイス43において現在地が車両の位置を示すマークに近づくように移動することで、迷うことなく車両に戻ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0172】
本発明は、車両で使用されるAVシステムなどに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0173】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る車載マルチメディア装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1の車載マルチメディア装置と接続されるポータブルプレーヤのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、図2のポータブルプレーヤと接続されるコンピュータ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、ポータブルプレーヤの専用コネクタとコンピュータ装置のUSBコネクタとを、USBコネクタに接続可能なポータブルプレーヤ専用ケーブルで接続するとともに、コンピュータ装置の中央処理装置がプレーヤ管理プログラムを実行した場合に実現される機能を示す機能ブロック図である。
【図5】図5は、ポータブルプレーヤを単体で起動した場合に実現される機能を示す機能ブロック図である。
【図6】図6は、ポータブルプレーヤの専用コネクタとコンピュータ装置のUSBコネクタとを、USBコネクタに接続可能なポータブルプレーヤ専用ケーブルで接続するとともに、コンピュータ装置の中央処理装置がナビゲーション管理プログラムを実行した場合に実現される機能を示す機能ブロック図である。
【図7】図7は、ポータブルプレーヤの専用コネクタと車載マルチメディア装置のUSBコネクタおよびオーディオ入力端子とを、USBコネクタに接続可能なポータブルプレーヤ専用ケーブルで接続するとともに、車載マルチメディア装置の中央処理装置が起動時実行プログラムを実行した場合に実現される機能を示す機能ブロック図である。
【図8】図8は、機能選択部の指示に基づいて、車載マルチメディア装置の中央処理装置がナビゲーションシステムプログラムを実行することで実現される機能を示す機能ブロック図である。
【図9】図9は、機能選択部の指示に基づいて、車載マルチメディア装置の中央処理装置がAVシステムプログラムを実行することで実現される機能を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0174】
1 車載マルチメディア装置
2 ポータブルプレーヤ
3 コンピュータ装置
13 液晶モニタ(ナビ用表示手段)
16 電力供給部(電力供給手段)
26 USBコネクタ(ナビ用コネクタ)
32 DAC(車載再生手段の一部、変換手段)
33 ソースセレクタ
34 スピーカ(音声出力手段)
43 液晶デバイス(プレーヤ用表示手段)
45 DAC(プレーヤ再生手段の一部)
47 ハードディスクドライブ(記憶手段)
59 USBコネクタ部(ポータブルプレーヤのコネクタ)
64 楽曲データ(音声データ)
65 住所録データ(ナビゲーション用データ以外のデータ)
66 ナビゲーション用データ
67 案内経路データ
68 旅行ログデータ(ナビゲーション用データ以外のデータ)
90 USBコネクタ(コンピュータ装置のコネクタ)
101 ポータブルプレーヤ専用ケーブル(ケーブル)
108 USBマスストレージクラス(データ出力手段)
109 デコーダ(プレーヤ再生手段の一部)
114 ナビデータ管理部(ナビゲーション用データ書込手段)
121 USBマスストレージクラス(データ取得手段の一部)
122 機能選択部(ポータブルプレーヤ管理手段)
123 データ入出力制御部(データ取得手段の一部)
124 案内経路生成部(案内経路生成手段)
125 経路誘導部(ナビゲーション手段、現在地案内手段、経路誘導手段、現在地蓄積手段)
126 現在地取得部(現在地取得手段)
128 デコーダ(車載再生手段の一部)
129 イコライザ(車載再生手段の一部、ゲイン調整手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ装置により音声データおよびナビゲーション用データが書込まれる記憶手段、並びに上記記憶手段に記憶されている音声データを再生するプレーヤ再生手段を有するポータブルプレーヤと、
上記ポータブルプレーヤから、上記記憶手段に記憶されているデータを取得するデータ取得手段、上記データ取得手段に上記ナビゲーション用データを取得させ、その取得したデータを用いて車両の経路誘導あるいは現在地案内を行うナビゲーション手段、並びに、上記データ取得手段に上記音声データを取得させ、その取得したデータを再生する車載再生手段を有する車載マルチメディア装置と、
を有することを特徴とする車載マルチメディアシステム。
【請求項2】
音声データおよびナビゲーション用データを記憶する記憶手段並びに上記記憶手段に記憶されている音声データを再生するプレーヤ再生手段を有するポータブルプレーヤが接続されるナビ用コネクタと、
上記ナビ用コネクタを介して、上記ポータブルプレーヤの上記記憶手段に記憶されているデータを取得するデータ取得手段と、
車両の現在地の位置情報を取得する現在地取得手段と、
上記車両の現在地の位置情報に基づいて、その現在地の周辺のナビゲーション用データを上記データ取得手段に取得させ、その取得させたデータを使用して上記車両の現在地およびその周辺の地図を表示する表示画面を生成する現在地案内手段と、
上記生成された表示画面を表示するナビ用表示手段と、
上記データ取得手段に上記音声データを取得させ、その取得したデータを再生する車載再生手段と、
を有することを特徴とする車載マルチメディア装置。
【請求項3】
音声データ、ナビゲーション用データおよび案内経路データを記憶する記憶手段並びに上記記憶手段に記憶されている音声データを再生するプレーヤ再生手段を有するポータブルプレーヤが接続されるナビ用コネクタと、
上記ナビ用コネクタを介して、上記ポータブルプレーヤの上記記憶手段に記憶されているデータを取得するデータ取得手段と、
車両の現在地の位置情報を取得する現在地取得手段と、
上記車両の現在地の位置情報に基づいて、その現在地の周辺のナビゲーション用データおよび案内経路データを上記データ取得手段に取得させ、その取得させた上記ナビゲーション用データに基づき上記車両の現在地、その周辺の地図を表示するとともに上記案内経路データに基づきその地図内の案内経路を表示する表示画面を生成するナビゲーション手段と、
上記生成された表示画面を表示するナビ用表示手段と、
上記データ取得手段に上記音声データを取得させ、その取得したデータを再生する車載再生手段と、
を有することを特徴とする車載マルチメディア装置。
【請求項4】
前記車載再生手段は、
前記データ取得手段に取得させた音声データをデコードするデコーダと、
上記デコーダによりデコードされた音声データに対して、車内環境に合わせた周波数帯毎のゲイン調整処理を行うゲイン調整手段と、
上記ゲイン調整手段によりゲイン調整がなされたデータからアナログの音声信号を生成する変換手段と、
を有することを特徴とする請求項2または3記載の車載マルチメディア装置。
【請求項5】
前記データ取得手段は、前記ナビゲーション用データの取得の要求と、前記音声データの取得の要求とがある場合には、前記ナビゲーション用データを優先させて取得することを特徴とする請求項2から4の中のいずれか1項記載の車載マルチメディアシステム。
【請求項6】
前記ポータブルプレーヤに対して、前記ポータブルプレーヤにおける操作キーの操作に基づく前記プレーヤ再生手段による再生処理を禁止するコマンドを送信するポータブルプレーヤ管理手段を有することを特徴とする請求項2から5の中のいずれか1項記載の車載マルチメディア装置。
【請求項7】
前記ナビ用コネクタは、ケーブルにより、音声データの書き込みのためにコンピュータ装置に接続する前記ポータブルプレーヤのコネクタと接続されることを特徴とする請求項2から6の中のいずれか1項記載の車載マルチメディア装置。
【請求項8】
前記ナビ用コネクタに、前記ケーブルを介して前記ポータブルプレーヤに電力を供給する電力供給手段が接続されることを特徴とする請求項2から7の中のいずれか1項記載の車載マルチメディア装置。
【請求項9】
前記データ取得手段にナビゲーション用データを取得させ、その取得させたデータを使用して所定の地点までの案内経路データを生成し、この生成した案内経路データを前記ポータブルプレーヤの前記記憶手段に記憶させる案内経路生成手段を有することを特徴とする請求項3記載の車載マルチメディア装置。
【請求項10】
前記案内経路生成手段は、前記ポータブルプレーヤの前記記憶手段において、前記ナビゲーション用データ以外のデータとして記憶されている地点に関するデータを前記データ取得手段に取得させ、その取得させたデータを使用して所定の目的地までの案内経路データを生成することを特徴とする請求項9記載の車載マルチメディア装置。
【請求項11】
前記案内経路生成手段は、前記データ取得手段に取得させたナビゲーション用データに含まれる地点に関するデータを、前記ポータブルプレーヤの前記記憶手段に、前記ナビゲーション用データ以外のデータとして記憶させることを特徴とする請求項9記載の車載マルチメディア装置。
【請求項12】
前記現在地取得手段が取得した車両の現在地の位置情報を、前記ポータブルプレーヤの前記記憶手段に蓄積する現在地蓄積手段を有することを特徴とする請求項3から11の中のいずれか1項記載の車載マルチメディア装置。
【請求項13】
コンピュータ装置および車載マルチメディア装置が接続されるコネクタと、
上記コネクタを介して、上記コンピュータ装置により音声データおよびナビゲーション用データが書込まれる記憶手段と、
上記記憶手段に記憶されている音声データを再生するプレーヤ再生手段と、
上記車載マルチメディア装置が上記コネクタに接続されているときに、上記コネクタを介して上記記憶手段に記憶されているデータを出力するデータ出力手段と、
を有することを特徴とするポータブルプレーヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−170753(P2006−170753A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−362519(P2004−362519)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】