車載モニタ装置
【課題】建造物の陰に隠れていた車両が急に表示モニタに表示されることを運転者が予測することができる車載モニタ装置を提供する。
【解決手段】車両位置45d,45e,45i,45jにおける追跡対象車両は、建造物42aに隠れないので、表示モニタ16に表示される。また、建造物42aに隠れている車両位置45f,45g,45hについても、表示位置を予測して、予測した表示位置にアイコン53を表示して追跡対象車両の存在を報知する。このアイコン53は、車両位置45eにおける追跡対象車両の画像を切り出して作成される。
【解決手段】車両位置45d,45e,45i,45jにおける追跡対象車両は、建造物42aに隠れないので、表示モニタ16に表示される。また、建造物42aに隠れている車両位置45f,45g,45hについても、表示位置を予測して、予測した表示位置にアイコン53を表示して追跡対象車両の存在を報知する。このアイコン53は、車両位置45eにおける追跡対象車両の画像を切り出して作成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラが撮像した車両左右側方の映像を表示する車載モニタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オプティカルフローベクトルに基づいて接近物体を検出し、接近物体の検出を報知するノーズビューモニタ装置が従来技術として知られている(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−276056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されているような従来の車載モニタ装置では、接近物体が建物の陰に隠れると画面内から接近物体が消え、その後、建物の陰から現れると再び画面上に表示される。従来装置では、建物に隠れていた接近物体が画面に突如表示されることがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1の発明の車載モニタ装置は、自車両に搭載したカメラで撮像して生成した動画像データに基づいて追跡対象車両を検出する追跡対象車両検出手段と、動画像データから生成した表示画面を表示する表示モニタと、動画像データに基づいて追跡対象車両が遮蔽物の死角に入ったことを検出する検出手段と、追跡対象車両が遮蔽物の死角に入ったことを検出手段が検出すると、それを報知する報知手段とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の車載モニタ装置において、追跡対象車両検出手段により検出した追跡対象車両の地図上での走行位置を予測する走行位置予測手段と、走行位置予測手段により予測した地図上の走行位置に基づいて、追跡対象車両が表示モニタに表示される表示画面上の表示位置を算出する表示位置算出手段とを備え、報知手段は、表示画像の遮蔽物と重ねて、表示位置算出手段により算出された表示位置に報知マークを表示することを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項2に記載の車載モニタ装置において、報知手段は、追跡対象車両が自車両に接近するにしたがって報知マークを拡大して表示することを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項2または3に記載の車載モニタ装置において、報知手段は、遮蔽物の死角に入って検出されなくなった追跡対象車両が再び追跡対象車両検出手段で検出されると、報知マークを消去することを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車載モニタ装置において、走行位置予測手段は、追跡対象車両が最適速度で走行しているものとして走行位置を予測することを特徴とする。
(6)請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車載モニタ装置において、追跡対象車両検出手段は、カメラで繰り返し撮像して生成した複数枚の静止画像に基づいて追跡対象車両を検出することを特徴とする。
(7)請求項7の発明は、請求項2乃至5のいずれか1項に記載の車載モニタ装置において、追跡対象車両検出手段は、カメラで繰り返し撮像して生成した複数枚の画像に基づいて追跡対象車両を検出し、走行位置予測手段は、複数枚の画像内における追跡対象車両の複数の位置を算出する位置算出手段と、算出された画像上の複数の位置に基づいて、追跡対象車両の地図上における複数の位置を算出し、算出された地図上の複数の位置に基づいて追跡対象車両の車速を算出する車速算出手段と、算出された車速と地図データとに基づいて、遮蔽物の死角に隠れた道路を走行する追跡対象車両の地図上の位置を予測する予測手段とを有し、表示位置算出手段は、予測された地図上の位置に基づいて、表示画面上の位置を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明の車載モニタ装置によれば、遮蔽物に隠れている追跡対象車両を運転者に報知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1(a)は、本発明の実施形態によるナビゲーション機能付き車載モニタ装置1を示す。この車載モニタ装置1は、車両左右側方の映像を表示モニタ16に表示する。表示映像の中で追跡対象車両を抽出し、その車両が建造物の陰に隠れた場合、表示モニタ上の建造物に重ね合わせて追跡対象車両のアイコンを表示する。車載モニタ装置1は、モニタユニット1Aと、ナビゲーションユニット1Bとを備えている。モニタユニット1Aは、制御回路11、ROM12、RAM13、広角フロントカメラ14、起動用スイッチ部15、表示モニタ16、および画像メモリ17を有している。
【0007】
図2に示すように、広角フロントカメラ14は、車両30の前面部に設置され、車両の前方から左右側方にかけて撮像する。広角フロントカメラ14から出力される撮像信号は、図1に示す制御回路11に出力される。そして、撮像信号に基づいて生成された動画像の中から必要な動画像を切り出して表示モニタ16に表示される。たとえば、広角フロントカメラ14が撮影した画像の中から車両左側方の動画像や車両右側方の動画像が切り出されて表示モニタ16に表示される。
【0008】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。制御回路11は、車両検出部111と、走行位置予測部112と、車両位置算出部113と、画像合成部114とを機能的に備えている。
【0009】
車両検出部111は、広角フロントカメラ14で繰り返し撮像して生成した複数枚の静止画像(撮影した画像から切り出した車両左側方の画像、車両右側方の画像)に基づいて追跡対象車両を検出する。たとえば、2枚の静止画像の差分を演算して移動物体を検出するフレーム間差分方式により、追跡対象車両を検出することができる。
【0010】
図1(b)に示すように、走行位置予測部112は、位置算出部112aと、車速算出部112bと、予測部112cとを備える。位置算出部112aは、追跡対象車両が検出された後、複数フレームの画像について追跡対象車両の地図上の位置を検出する。そして、たとえば1枚目および2枚目の画像内において、カメラから見た追跡対象車両の方向をそれぞれ算出し、地図上において、追跡対象車両が走行している道路と、カメラから上記方向に延在する各線分との交点を求め、各交点位置を地図上の追跡対象車両の位置として算出する。
【0011】
車速算出部112bは、位置算出部112aで算出された地図上の2点間の距離と、フレームレートとに基づいて車速を算出する。さらに、算出された車速と地図データとに基づいて、予測部112cは、建造物の死角に隠れた追跡対象車両の地図上の位置を予測する。
【0012】
車両位置算出部113は、走行位置予測部112で予測された地図上の位置に基づいて、表示画面上の追跡対象車両の位置を、たとえば次のようにして算出する。地図上で予測された車両位置とカメラを結ぶ線分の方向からカメラの視野内の角度を算出する。そして、画面内で建造物に隠れている走行道路の形状と上記算出された角度とに基づいて、画像上の追跡対象車両の予測位置を算出する。
【0013】
画像合成部114は、追跡対象車両が建造物の死角に隠れた場合、車両位置算出部113により算出された画面内の表示位置に、車両を模したアイコン53(図6(b)参照)を重ねて表示する。すなわち、画像合成部114は、広角フロントカメラ14により撮像して生成した画像にアイコンを合成する。そして、画像合成部114で合成した画像は、いったん画像メモリ17に格納され、表示モニタ16に表示出力される。
【0014】
図3は、モニタユニット1Aに接続されたナビゲーションユニット1Bの構成を示す図である。このナビゲーションユニット1Bは、車両30の現在地、車両30の現在地周辺の地図データなどの情報をモニタユニット1Aに出力する。
【0015】
ナビゲーションユニット1Bは、制御回路21、ROM22、RAM23、現在地検出装置24、画像メモリ25、表示モニタ26、スピーカ27、入力装置28およびディスクドライブ29を有している。ディスクドライブ29には、地図データが記憶されたDVD−ROM210が装填されている。なお、表示モニタ26はモニタユニット1Aの表示モニタ16と兼用するのが好ましい。
【0016】
制御回路21は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM23を作業エリアとしてROM22に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。この制御回路21がDVD−ROM210に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行うと、その処理結果が推奨経路として表示モニタ26に表示される。
【0017】
現在地検出装置24は車両の現在地を検出する装置である。現在地装置24は、振動ジャイロ24a、車速センサ24b、GPS(Global Positioning System)センサ24cなどからなる。振動ジャイロ24aは車両の進行方向を検出し、車速センサ24bは車速を検出し、GPSセンサ24cはGPS衛星からのGPS信号を検出する。ナビゲーションユニット1Bは、この現在地検出装置24により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定するとともに、地図上にその現在地を自車位置マークとして表示する。
【0018】
画像メモリ25は、表示モニタ26に地図画像などを表示するための画像データを格納する。この画像データは地図描画用データや各種の図形データからなり、それらはDVD−ROM210に記憶された地図データに基づいて、適宜生成される。ナビゲーションユニット1Bは、このようにして生成された画像データを用いることによって地図表示などを行うことができる。表示モニタ26を表示モニタ16と兼用する場合、画像メモリ25も画像メモリ17と兼用する。
【0019】
ディスクドライブ29は、DVD−ROM210から地図データを読み出す。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む。地図表示用データおよび経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、ユーザの要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。なお、DVD−ROM210以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどから地図データを読み出してもよい。
【0020】
表示モニタ26は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の地図などの各種情報を画面表示としてユーザに提供する。スピーカ27は、各種入力操作をユーザに指示したり、経路誘導したりするための音声を出力する。入力装置28は、ユーザが各種コマンドを設定するための入力スイッチを有し、操作パネルに設けられたスイッチやボタンによって実現される。ユーザは、表示モニタ26の表示画面の指示やスピーカ27からの音声指示にしたがって入力装置28を操作することにより、目的地を設定する。
【0021】
目的地がユーザにより設定されると、ナビゲーションユニット1Bは現在地検出装置24により検出された現在地を出発地として目的地までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。このような経路演算を以下、経路探索と呼ぶ。このようにして求められた経路(以下、推奨経路という)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して画面表示される。これにより、ユーザは地図上の推奨経路を画面上で認識することができる。ナビゲーションユニット1Bは、推奨経路に従って車両が走行できるように、ユーザに対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、車両を経路誘導する。
【0022】
次に、図4〜図7を参照して、本発明の実施形態の車載モニタ装置1による追跡車両報知処理について説明する。表示モニタ16には、広角フロントカメラ14が撮影した画像の中から車両左側方の画像および車両右側方の画像を切り出し、それらの画像が2画面表示で表示されるが、説明の便宜上、車両右側方の画像について説明する。
【0023】
図4は、自車位置周辺の地図40を説明するための図である。図4に示すように、車両(以下、自車両と呼ぶ)30が交差点41で一旦停止し、右側方向から交差点41に進入する車両を広角フロントカメラ14で撮像しているものとして説明する。
【0024】
符号46は、広角フロントカメラ14で撮像した画像の中から切り出した車両右側方の画像の撮像範囲を示す。図4に示すように、交差点41の周囲には、建造物42a〜42cが存在するため、交差点に接近する他車両(以下、追跡対象車両と呼ぶ)を広角フロントカメラ14で撮像することができる範囲は撮像範囲47である。したがって、追跡対象車両が道路44を通過して交差点41へ進入する場合、車両位置45f〜45hでは、追跡対象車両が建造物42aの陰に隠れてしまうため、広角フロントカメラ14は追跡対象車両を捕捉することができない。すなわち、車両位置45f〜45hの追跡対象車両はカメラの死角に入り、撮像できない。一方、車両位置45d,45e,45i,45jでは、追跡対象車両は建造物42aの陰に隠れないため、広角フロントカメラ14で追跡対象車両を捕捉して撮像することができる。また、車両位置45a〜45cでは、広角フロント画像切り出し範囲46から外れるため、広角フロントカメラ14は追跡対象車両を捕捉できない。
【0025】
図5は、表示モニタ16に順次表示される追跡対象車両を説明するための図である。追跡対象車両は、注意を喚起させるために枠で囲われている。広角フロントカメラ14で撮像されて生成された画像データに基づいて追跡対象車両を特定し、その車両形状を抽出し、追跡対象車両を囲む矩形枠の大きさを算出する。ここでは、注意を喚起する表現として枠を使用しているが、同じ効果が得られるのならば、別の表現でもかまわない。
【0026】
図5に示すように、車両位置45d,45e,45i,45jにおける追跡対象車両は、建造物42aに隠れないので広角フロントカメラ14で捕捉され、表示モニタ16に表示される。本発明の実施形態では、建造物42aに隠れている車両位置45f,45g,45hについて、表示位置を予測して、予測した表示位置に追跡対象車両を模した報知マーク、すなわちアイコン53を表示する。このアイコン53は、建造物42aに隠れる直前の車両位置45eにおける追跡対象車両の画像を切り出したものを用いる。
【0027】
図6を参照して、アイコン53の表示を開始するタイミングを説明する。図6(a)に示すように、追跡対象車両の一部が建造物42aに隠れた場合、追跡対象車両51は建造物42aに隠れたものと判定する。そして、枠の表示を中止する。その後、図6(b)に示すように、予測した表示位置にアイコン53を表示する。
【0028】
図7を参照して、アイコン53の表示を終了するタイミングを説明する。建造物42aに隠れていた追跡対象車両が、再び建造物42aの陰から現れて検出されたとき、アイコン53の表示を終了する。上述したように、追跡対象車両が建造物42aの死角に入り広角フロントカメラ14で捕捉されなくなると、アイコン53が建造物42aに重ねて表示される。アイコン53の表示位置は、追跡対象車両が所定速度で道路44を走行していると仮定し、たとえば50m走行するごとに更新される。
【0029】
追跡対象車両の実際の車速がアイコン表示位置を計算するときに用いた上記所定速度よりも遅い場合、図7(a)に示すように、アイコン53が建造物42aの右端部421aで停留する。そして、図7(b)に示すように、追跡対象車両55が建造物42aの陰から現れると、広角フロントカメラ14で捕捉され、制御回路11により、追跡対象車両55が建造物42aの死角に隠れていないと判定される。この判定により、アイコン53が消去される。なお、追跡対象車両の実際の車速がアイコン表示位置計算用に設定した上記所定速度よりも早い場合は、アイコン53が建造物42aの右端部421aに到達する前に、広角フロントカメラ14で捕捉され、アイコン53が消去される。
【0030】
追跡対象車両55が死角に隠れてから、一定時間経過後も死角から再出現しない場合は、死角出口付近にアイコン53が表示され続けるのを防ぐため、アイコン53は自動的に消去される。一定時間とは、追跡対象車両55が死角に入ってから再出現するまでの予測時間+αである。
【0031】
追跡対象車両が建造物42aに隠れているとき、アイコン53の表示を行わないと、図8に示すように、建造物42aに隠れていた追跡対象車両が図8の符号56,57で示すように、急に出現することになる。そこで上述したように、交差点41に進入する車両が建造物42aの死角に入ったとき、画面上の建造物42aに重ねてアイコン53を表示し、接近車両の存在を運転者に予め報知する。
【0032】
次に、本発明の一実施形態における車載モニタ装置1における追跡対象車両報知処理について図9のフローチャートを参照して説明する。図9の処理は、モニタユニット1Aの起動用スイッチ部15がオンになるとスタートするプログラムにより実行される。このプログラムはROM12に格納されている。
【0033】
ステップS901では、広角フロントカメラ14により撮像されて生成された画像に基づいて追跡対象車両が検出されたか否かを判定する。追跡対象車両を検出した場合はステップS901が肯定判定され、ステップS902へ進む。追跡対象車両を検出しない場合はステップS901を繰り返す。広角フロントカメラ14でそれぞれ時刻t1,t2で撮像された2枚の画像の差分を算出することにより追跡対象車両を抽出し、これを追跡すべき追跡対象車両とする。また、図5に示すように、各時刻の画像に基づいて抽出された追跡対象車両はそれぞれ枠で取り囲まれている。枠の大きさは、抽出された追跡対象車両に応じて決定される。
【0034】
ステップS902では、複数フレームの画像について、撮像された追跡対象車両の各々の方向と、ナビゲーションユニット1Bの地図データとに基づいて、追跡対象車両の2点の地図上の走行位置を算出する。
【0035】
図5を参照してステップS902および903の具体例処理を説明する。図5の車両位置45dと45eは、広角フロントカメラ14でそれぞれ時刻t1,t2で撮像されて生成された画像中で検出された追跡対象車両である。地図上で示すと図10(a)の車両位置64a,64bである。画面内の車両位置45d,45eと、広角フロントカメラ14とをそれぞれ結ぶ線分を地図上で示すと図10(a)の線分63a、63bである。線分63aと道路44の交点が車両位置64aであり、線分63bと道路44の交点が車両位置64bである。したがって、車両位置64aと64b間の距離を地図データに基づいて算出し、この距離を時刻t1,t2の時間間隔で除算することにより、追跡対象車両の車速を算出することができる。
【0036】
ステップS904では、追跡対象車両が建造物に隠れたか否かの判定をする。追跡対象車両が建造物に隠れたか否かの判定は、上述の図6(a)に示すように、追跡対象車両が撮像されているにもかかわらず、追跡対象車両51の全体が枠52で囲えなくなった否かによって行う。
【0037】
すなわち、枠の先端が一部でも建造物42aの右端421aにかかると、追跡対象車両が建造物42aの死角に隠れるものと判定する。追跡対象車両51が建造物42aの死角に隠れたと判定されると、ステップS904が肯定判定され、ステップS905へ進む。追跡対象車両が建造物に隠れていない場合はステップS904が否定判定され、スタートへリターンする。
【0038】
ステップS905では、車両位置算出部112において追跡対象車両の地図上の走行位置を予測する。この場合、ステップS903で算出した車速で追跡対象車両が道路44を走行しているものとして、追跡対象車両51の地図上の走行予測位置を算出する。ステップS906では、車両表示位置算出部113において、追跡対象車両の地図上の走行予測位置に基づいて、追跡対象車両が表示モニタ16に表示された場合の表示位置を算出する。
【0039】
図10(b)を参照して、画面上の建造物42aに重ねて追跡対象車両のアイコン53を表示する処理について説明する。ステップS905で算出した追跡対象車両の地図上の走行予測位置64cと自車両30(広角フロントカメラ14)を結ぶ線分63cの方向に基づいて、追跡対象車両のカメラの視野内の角度61cを算出する。そして、画面内で建造物42aに隠れている走行道路44の形状を地図データに基づいて算出する。そして、このようにして算出された道路形状と上記算出された角度61cとに基づいて、表示画像上の追跡対象車両の予測位置を算出する。
【0040】
テップS907では、車両合成部114において、ステップS906で算出された表示予測位置にアイコン53が実写映像に重ねて表示されるように、広角フロントカメラ14により撮像されて生成された画像とアイコン53を合成し、表示モニタ16に表示する。そして、ステップS904に戻る。
【0041】
以上の実施形態による車載モニタ装置1は次のような作用効果を奏する。
(1)交差点で停止している自車両がその左右側方をカメラで撮像したとき、撮像して生成した画像データに基づいて交差点に進入してくる他車両が検出されると、その他車両を追跡対象車両とする。追跡対象車両が建造物42aの死角に入って撮像されなくなると、追跡対象車両の走行位置を予測し、予測した走行位置にアイコン53を表示する。アイコンは53、表示画面内の建造物42aに重ねて表示される。これにより、自車両に接近する追跡対象車両が建造物42aに隠れた旨を運転者に報知することができる。その結果、建造物の陰に隠れて走行する車両の存在を運転者が認識することができる。また、運転者は、建造物の陰に隠れていた車両が表示モニタ16に表示されるタイミングも予測することができる。
【0042】
(2)建造物に隠れていた車両が、再び建造物の陰から現れカメラで捕捉されて検出されたとき、アイコン53の表示を終了するようにした。したがって、追跡対象車両の車速が所定の車速より速い場合でも、アイコン53の表示を適切なタイミングで消去することができる。なお、予測した車両の表示位置が建造物の陰から現れたタイミングでアイコン53の表示を終了すると、追跡対象車両が建造物に隠れているのにアイコン53の表示が終了してしまう場合が起こる。
【0043】
以上の実施の形態の車載モニタ装置1を次のように変形することができる。
(1)建造物に隠れた追跡対象車両の位置を車両を模したアイコン53で表示するようにした。車両に模したアイコン以外でも、たとえば、図11に示すような注意の文字を意味する「注」の文字71A〜71cをアイコンに代えて用いることもできる。アイコン53に比べて描画処理が簡単になる。
(2)図11に示すように、追跡対象車両の予測位置が車両30に近づくにしたがって、アイコン71A〜71cの大きさを大きくするようにしてもよい。これにより、追跡対象車両が交差点41に接近していることを容易に把握することができる。アイコン71A〜71cの大きさは、図10(b)の車両の地図上の位置64cと車両30の位置との間の距離により算出される。
【0044】
(3)図12に示すように、追跡対象車両が建造物に隠れた場合、表示モニタ16における通知表示81により、追跡対象車両が建造物に隠れた旨を報知するようにしてもよい。また、図12に示すように、スピーカなどから出力される音声82により追跡対象車両が建造物に隠れた旨を報知するようにしてもよい。
【0045】
(4)追跡対象車両51の枠52が建造物描画領域に重なり始めた時に車両が建造物に隠れたと判定するようにした。しかし、広角フロントカメラ14により撮像されて生成された複数枚の画像の差分画像に基づいて、車両が抽出されないことにより車両が建造物に隠れたと判定するようにしてもよい。
【0046】
(5)追跡対象車両の2点間の位置を算出し、2点間の距離に基づいて予測車速を算出するようにした。この予測速度に代えて、走行道路のカーブの曲率を加味した最適速度を用いてもよい。これにより、運転者は、建造物の陰に隠れていた車両が表示モニタに表示されるタイミングを、より精度を高くして予測することができる。
【0047】
(6)追跡対象車両の2点間の位置を算出し、2点間の距離に基づいて予測車速を算出するようにした。この予測速度に代えて、道路の法定速度を用いてもよい。これにより、追跡対象車両として認識された車両の予測速度を計算する必要がない。
【0048】
(7)1台の追跡対象車両について説明したが、2台以上の車両を別々に追跡対象車両として認識して、建造物に隠れた複数台の車両の異なるアイコンを別々に表示してもよい。これにより、建造物の陰から飛び出してくる車両の台数を事前に報知することができる。
【0049】
(8)以上の実施の形態では、説明の便宜上、広角フロントカメラ14により撮像された画像の中から切り出した車両右側方の画像のみ、表示モニタ16に表示するものとして説明した。しかし、図13に示すように、広角フロントカメラ14により撮像された画像の中から切り出した車両右側方の画像91および車両左側方の画像92を2画面表示で表示モニタ16に表示する。また、運転者の操作によって、車両右側方の画像91のみ、および車両左側方の画像92のみが表示モニタ16に表示されるようにしてもよい。あるいは、追跡対象車両が捕捉された方向の画像のみを表示するようにしてもよい。たとえば、広角フロントカメラ14の画像データについてのみ追跡対象車両が抽出された場合は、車両右側から交差点に接近する車両だけを表示モニタ16に表示してもよい。したがって、2画面表示されるのは、車両方向から車両が接近する場合である。
【0050】
(9)図14に示すように、車両30の前方左側面部に設置された左フロントサイドカメラ14Aで車両左側方を撮像し、車両30の前方右側面部に設置された右フロントサイドカメラ14Bで車両右側方を撮像するようにしてもよい。
【0051】
(10)追跡対象車両の死角をつくる遮蔽物であれば、建造物に限定されない。
【0052】
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施形態の車載モニタ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】広角フロントカメラの取付位置を説明するための図である。
【図3】車載モニタ装置に接続するナビゲーション装置の構成を説明するための図である。
【図4】自車位置周辺の地図を説明するための図である。
【図5】広角フロントカメラが撮像した映像の中から切り出した車両右側方の画像を表示した表示モニタの表示画面を説明するための図である。
【図6】アイコン53の表示を開始するタイミングを説明するための図である。
【図7】アイコン53の表示を終了するタイミングを説明するための図である。
【図8】アイコン53の表示を行わないときの表示モニタの表示画面を説明するための図である。
【図9】本発明の一実施形態における車載モニタ装置1における視認不可車両接近報知処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】車両の2点の地図上の位置を算出する算出方法、および車両が表示モニタに表示された場合の表示位置を算出する算出方法を説明するための図である。
【図11】接近する車両が建造物に隠れた場合のアイコンの表示を説明するための図である。
【図12】接近する車両が建造物に隠れた場合の表示モニタにおける表示および音声による報知を説明するための図である。
【図13】広角フロントカメラにより撮像された画像の中から切り出した車両右側方の画像および車両左側方の画像における2画面表示での表示モニタの表示を説明するための図である。
【図14】右フロントサイドカメラおよび左フロントサイドカメラを説明するための図である。
【符号の説明】
【0054】
1 車載モニタ装置
2 ナビゲーション装置
11 制御回路
12 ROM
14 広角フロントカメラ
14A 左フロントサイドカメラ
14B 右フロントサイドカメラ
16 表示モニタ
30 車両
41 交差点
42a〜42c 建造物
44 道路
45a〜45j 車両位置
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラが撮像した車両左右側方の映像を表示する車載モニタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オプティカルフローベクトルに基づいて接近物体を検出し、接近物体の検出を報知するノーズビューモニタ装置が従来技術として知られている(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−276056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されているような従来の車載モニタ装置では、接近物体が建物の陰に隠れると画面内から接近物体が消え、その後、建物の陰から現れると再び画面上に表示される。従来装置では、建物に隠れていた接近物体が画面に突如表示されることがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1の発明の車載モニタ装置は、自車両に搭載したカメラで撮像して生成した動画像データに基づいて追跡対象車両を検出する追跡対象車両検出手段と、動画像データから生成した表示画面を表示する表示モニタと、動画像データに基づいて追跡対象車両が遮蔽物の死角に入ったことを検出する検出手段と、追跡対象車両が遮蔽物の死角に入ったことを検出手段が検出すると、それを報知する報知手段とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の車載モニタ装置において、追跡対象車両検出手段により検出した追跡対象車両の地図上での走行位置を予測する走行位置予測手段と、走行位置予測手段により予測した地図上の走行位置に基づいて、追跡対象車両が表示モニタに表示される表示画面上の表示位置を算出する表示位置算出手段とを備え、報知手段は、表示画像の遮蔽物と重ねて、表示位置算出手段により算出された表示位置に報知マークを表示することを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項2に記載の車載モニタ装置において、報知手段は、追跡対象車両が自車両に接近するにしたがって報知マークを拡大して表示することを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項2または3に記載の車載モニタ装置において、報知手段は、遮蔽物の死角に入って検出されなくなった追跡対象車両が再び追跡対象車両検出手段で検出されると、報知マークを消去することを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車載モニタ装置において、走行位置予測手段は、追跡対象車両が最適速度で走行しているものとして走行位置を予測することを特徴とする。
(6)請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車載モニタ装置において、追跡対象車両検出手段は、カメラで繰り返し撮像して生成した複数枚の静止画像に基づいて追跡対象車両を検出することを特徴とする。
(7)請求項7の発明は、請求項2乃至5のいずれか1項に記載の車載モニタ装置において、追跡対象車両検出手段は、カメラで繰り返し撮像して生成した複数枚の画像に基づいて追跡対象車両を検出し、走行位置予測手段は、複数枚の画像内における追跡対象車両の複数の位置を算出する位置算出手段と、算出された画像上の複数の位置に基づいて、追跡対象車両の地図上における複数の位置を算出し、算出された地図上の複数の位置に基づいて追跡対象車両の車速を算出する車速算出手段と、算出された車速と地図データとに基づいて、遮蔽物の死角に隠れた道路を走行する追跡対象車両の地図上の位置を予測する予測手段とを有し、表示位置算出手段は、予測された地図上の位置に基づいて、表示画面上の位置を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明の車載モニタ装置によれば、遮蔽物に隠れている追跡対象車両を運転者に報知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1(a)は、本発明の実施形態によるナビゲーション機能付き車載モニタ装置1を示す。この車載モニタ装置1は、車両左右側方の映像を表示モニタ16に表示する。表示映像の中で追跡対象車両を抽出し、その車両が建造物の陰に隠れた場合、表示モニタ上の建造物に重ね合わせて追跡対象車両のアイコンを表示する。車載モニタ装置1は、モニタユニット1Aと、ナビゲーションユニット1Bとを備えている。モニタユニット1Aは、制御回路11、ROM12、RAM13、広角フロントカメラ14、起動用スイッチ部15、表示モニタ16、および画像メモリ17を有している。
【0007】
図2に示すように、広角フロントカメラ14は、車両30の前面部に設置され、車両の前方から左右側方にかけて撮像する。広角フロントカメラ14から出力される撮像信号は、図1に示す制御回路11に出力される。そして、撮像信号に基づいて生成された動画像の中から必要な動画像を切り出して表示モニタ16に表示される。たとえば、広角フロントカメラ14が撮影した画像の中から車両左側方の動画像や車両右側方の動画像が切り出されて表示モニタ16に表示される。
【0008】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。制御回路11は、車両検出部111と、走行位置予測部112と、車両位置算出部113と、画像合成部114とを機能的に備えている。
【0009】
車両検出部111は、広角フロントカメラ14で繰り返し撮像して生成した複数枚の静止画像(撮影した画像から切り出した車両左側方の画像、車両右側方の画像)に基づいて追跡対象車両を検出する。たとえば、2枚の静止画像の差分を演算して移動物体を検出するフレーム間差分方式により、追跡対象車両を検出することができる。
【0010】
図1(b)に示すように、走行位置予測部112は、位置算出部112aと、車速算出部112bと、予測部112cとを備える。位置算出部112aは、追跡対象車両が検出された後、複数フレームの画像について追跡対象車両の地図上の位置を検出する。そして、たとえば1枚目および2枚目の画像内において、カメラから見た追跡対象車両の方向をそれぞれ算出し、地図上において、追跡対象車両が走行している道路と、カメラから上記方向に延在する各線分との交点を求め、各交点位置を地図上の追跡対象車両の位置として算出する。
【0011】
車速算出部112bは、位置算出部112aで算出された地図上の2点間の距離と、フレームレートとに基づいて車速を算出する。さらに、算出された車速と地図データとに基づいて、予測部112cは、建造物の死角に隠れた追跡対象車両の地図上の位置を予測する。
【0012】
車両位置算出部113は、走行位置予測部112で予測された地図上の位置に基づいて、表示画面上の追跡対象車両の位置を、たとえば次のようにして算出する。地図上で予測された車両位置とカメラを結ぶ線分の方向からカメラの視野内の角度を算出する。そして、画面内で建造物に隠れている走行道路の形状と上記算出された角度とに基づいて、画像上の追跡対象車両の予測位置を算出する。
【0013】
画像合成部114は、追跡対象車両が建造物の死角に隠れた場合、車両位置算出部113により算出された画面内の表示位置に、車両を模したアイコン53(図6(b)参照)を重ねて表示する。すなわち、画像合成部114は、広角フロントカメラ14により撮像して生成した画像にアイコンを合成する。そして、画像合成部114で合成した画像は、いったん画像メモリ17に格納され、表示モニタ16に表示出力される。
【0014】
図3は、モニタユニット1Aに接続されたナビゲーションユニット1Bの構成を示す図である。このナビゲーションユニット1Bは、車両30の現在地、車両30の現在地周辺の地図データなどの情報をモニタユニット1Aに出力する。
【0015】
ナビゲーションユニット1Bは、制御回路21、ROM22、RAM23、現在地検出装置24、画像メモリ25、表示モニタ26、スピーカ27、入力装置28およびディスクドライブ29を有している。ディスクドライブ29には、地図データが記憶されたDVD−ROM210が装填されている。なお、表示モニタ26はモニタユニット1Aの表示モニタ16と兼用するのが好ましい。
【0016】
制御回路21は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM23を作業エリアとしてROM22に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。この制御回路21がDVD−ROM210に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行うと、その処理結果が推奨経路として表示モニタ26に表示される。
【0017】
現在地検出装置24は車両の現在地を検出する装置である。現在地装置24は、振動ジャイロ24a、車速センサ24b、GPS(Global Positioning System)センサ24cなどからなる。振動ジャイロ24aは車両の進行方向を検出し、車速センサ24bは車速を検出し、GPSセンサ24cはGPS衛星からのGPS信号を検出する。ナビゲーションユニット1Bは、この現在地検出装置24により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定するとともに、地図上にその現在地を自車位置マークとして表示する。
【0018】
画像メモリ25は、表示モニタ26に地図画像などを表示するための画像データを格納する。この画像データは地図描画用データや各種の図形データからなり、それらはDVD−ROM210に記憶された地図データに基づいて、適宜生成される。ナビゲーションユニット1Bは、このようにして生成された画像データを用いることによって地図表示などを行うことができる。表示モニタ26を表示モニタ16と兼用する場合、画像メモリ25も画像メモリ17と兼用する。
【0019】
ディスクドライブ29は、DVD−ROM210から地図データを読み出す。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む。地図表示用データおよび経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、ユーザの要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。なお、DVD−ROM210以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどから地図データを読み出してもよい。
【0020】
表示モニタ26は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の地図などの各種情報を画面表示としてユーザに提供する。スピーカ27は、各種入力操作をユーザに指示したり、経路誘導したりするための音声を出力する。入力装置28は、ユーザが各種コマンドを設定するための入力スイッチを有し、操作パネルに設けられたスイッチやボタンによって実現される。ユーザは、表示モニタ26の表示画面の指示やスピーカ27からの音声指示にしたがって入力装置28を操作することにより、目的地を設定する。
【0021】
目的地がユーザにより設定されると、ナビゲーションユニット1Bは現在地検出装置24により検出された現在地を出発地として目的地までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。このような経路演算を以下、経路探索と呼ぶ。このようにして求められた経路(以下、推奨経路という)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して画面表示される。これにより、ユーザは地図上の推奨経路を画面上で認識することができる。ナビゲーションユニット1Bは、推奨経路に従って車両が走行できるように、ユーザに対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、車両を経路誘導する。
【0022】
次に、図4〜図7を参照して、本発明の実施形態の車載モニタ装置1による追跡車両報知処理について説明する。表示モニタ16には、広角フロントカメラ14が撮影した画像の中から車両左側方の画像および車両右側方の画像を切り出し、それらの画像が2画面表示で表示されるが、説明の便宜上、車両右側方の画像について説明する。
【0023】
図4は、自車位置周辺の地図40を説明するための図である。図4に示すように、車両(以下、自車両と呼ぶ)30が交差点41で一旦停止し、右側方向から交差点41に進入する車両を広角フロントカメラ14で撮像しているものとして説明する。
【0024】
符号46は、広角フロントカメラ14で撮像した画像の中から切り出した車両右側方の画像の撮像範囲を示す。図4に示すように、交差点41の周囲には、建造物42a〜42cが存在するため、交差点に接近する他車両(以下、追跡対象車両と呼ぶ)を広角フロントカメラ14で撮像することができる範囲は撮像範囲47である。したがって、追跡対象車両が道路44を通過して交差点41へ進入する場合、車両位置45f〜45hでは、追跡対象車両が建造物42aの陰に隠れてしまうため、広角フロントカメラ14は追跡対象車両を捕捉することができない。すなわち、車両位置45f〜45hの追跡対象車両はカメラの死角に入り、撮像できない。一方、車両位置45d,45e,45i,45jでは、追跡対象車両は建造物42aの陰に隠れないため、広角フロントカメラ14で追跡対象車両を捕捉して撮像することができる。また、車両位置45a〜45cでは、広角フロント画像切り出し範囲46から外れるため、広角フロントカメラ14は追跡対象車両を捕捉できない。
【0025】
図5は、表示モニタ16に順次表示される追跡対象車両を説明するための図である。追跡対象車両は、注意を喚起させるために枠で囲われている。広角フロントカメラ14で撮像されて生成された画像データに基づいて追跡対象車両を特定し、その車両形状を抽出し、追跡対象車両を囲む矩形枠の大きさを算出する。ここでは、注意を喚起する表現として枠を使用しているが、同じ効果が得られるのならば、別の表現でもかまわない。
【0026】
図5に示すように、車両位置45d,45e,45i,45jにおける追跡対象車両は、建造物42aに隠れないので広角フロントカメラ14で捕捉され、表示モニタ16に表示される。本発明の実施形態では、建造物42aに隠れている車両位置45f,45g,45hについて、表示位置を予測して、予測した表示位置に追跡対象車両を模した報知マーク、すなわちアイコン53を表示する。このアイコン53は、建造物42aに隠れる直前の車両位置45eにおける追跡対象車両の画像を切り出したものを用いる。
【0027】
図6を参照して、アイコン53の表示を開始するタイミングを説明する。図6(a)に示すように、追跡対象車両の一部が建造物42aに隠れた場合、追跡対象車両51は建造物42aに隠れたものと判定する。そして、枠の表示を中止する。その後、図6(b)に示すように、予測した表示位置にアイコン53を表示する。
【0028】
図7を参照して、アイコン53の表示を終了するタイミングを説明する。建造物42aに隠れていた追跡対象車両が、再び建造物42aの陰から現れて検出されたとき、アイコン53の表示を終了する。上述したように、追跡対象車両が建造物42aの死角に入り広角フロントカメラ14で捕捉されなくなると、アイコン53が建造物42aに重ねて表示される。アイコン53の表示位置は、追跡対象車両が所定速度で道路44を走行していると仮定し、たとえば50m走行するごとに更新される。
【0029】
追跡対象車両の実際の車速がアイコン表示位置を計算するときに用いた上記所定速度よりも遅い場合、図7(a)に示すように、アイコン53が建造物42aの右端部421aで停留する。そして、図7(b)に示すように、追跡対象車両55が建造物42aの陰から現れると、広角フロントカメラ14で捕捉され、制御回路11により、追跡対象車両55が建造物42aの死角に隠れていないと判定される。この判定により、アイコン53が消去される。なお、追跡対象車両の実際の車速がアイコン表示位置計算用に設定した上記所定速度よりも早い場合は、アイコン53が建造物42aの右端部421aに到達する前に、広角フロントカメラ14で捕捉され、アイコン53が消去される。
【0030】
追跡対象車両55が死角に隠れてから、一定時間経過後も死角から再出現しない場合は、死角出口付近にアイコン53が表示され続けるのを防ぐため、アイコン53は自動的に消去される。一定時間とは、追跡対象車両55が死角に入ってから再出現するまでの予測時間+αである。
【0031】
追跡対象車両が建造物42aに隠れているとき、アイコン53の表示を行わないと、図8に示すように、建造物42aに隠れていた追跡対象車両が図8の符号56,57で示すように、急に出現することになる。そこで上述したように、交差点41に進入する車両が建造物42aの死角に入ったとき、画面上の建造物42aに重ねてアイコン53を表示し、接近車両の存在を運転者に予め報知する。
【0032】
次に、本発明の一実施形態における車載モニタ装置1における追跡対象車両報知処理について図9のフローチャートを参照して説明する。図9の処理は、モニタユニット1Aの起動用スイッチ部15がオンになるとスタートするプログラムにより実行される。このプログラムはROM12に格納されている。
【0033】
ステップS901では、広角フロントカメラ14により撮像されて生成された画像に基づいて追跡対象車両が検出されたか否かを判定する。追跡対象車両を検出した場合はステップS901が肯定判定され、ステップS902へ進む。追跡対象車両を検出しない場合はステップS901を繰り返す。広角フロントカメラ14でそれぞれ時刻t1,t2で撮像された2枚の画像の差分を算出することにより追跡対象車両を抽出し、これを追跡すべき追跡対象車両とする。また、図5に示すように、各時刻の画像に基づいて抽出された追跡対象車両はそれぞれ枠で取り囲まれている。枠の大きさは、抽出された追跡対象車両に応じて決定される。
【0034】
ステップS902では、複数フレームの画像について、撮像された追跡対象車両の各々の方向と、ナビゲーションユニット1Bの地図データとに基づいて、追跡対象車両の2点の地図上の走行位置を算出する。
【0035】
図5を参照してステップS902および903の具体例処理を説明する。図5の車両位置45dと45eは、広角フロントカメラ14でそれぞれ時刻t1,t2で撮像されて生成された画像中で検出された追跡対象車両である。地図上で示すと図10(a)の車両位置64a,64bである。画面内の車両位置45d,45eと、広角フロントカメラ14とをそれぞれ結ぶ線分を地図上で示すと図10(a)の線分63a、63bである。線分63aと道路44の交点が車両位置64aであり、線分63bと道路44の交点が車両位置64bである。したがって、車両位置64aと64b間の距離を地図データに基づいて算出し、この距離を時刻t1,t2の時間間隔で除算することにより、追跡対象車両の車速を算出することができる。
【0036】
ステップS904では、追跡対象車両が建造物に隠れたか否かの判定をする。追跡対象車両が建造物に隠れたか否かの判定は、上述の図6(a)に示すように、追跡対象車両が撮像されているにもかかわらず、追跡対象車両51の全体が枠52で囲えなくなった否かによって行う。
【0037】
すなわち、枠の先端が一部でも建造物42aの右端421aにかかると、追跡対象車両が建造物42aの死角に隠れるものと判定する。追跡対象車両51が建造物42aの死角に隠れたと判定されると、ステップS904が肯定判定され、ステップS905へ進む。追跡対象車両が建造物に隠れていない場合はステップS904が否定判定され、スタートへリターンする。
【0038】
ステップS905では、車両位置算出部112において追跡対象車両の地図上の走行位置を予測する。この場合、ステップS903で算出した車速で追跡対象車両が道路44を走行しているものとして、追跡対象車両51の地図上の走行予測位置を算出する。ステップS906では、車両表示位置算出部113において、追跡対象車両の地図上の走行予測位置に基づいて、追跡対象車両が表示モニタ16に表示された場合の表示位置を算出する。
【0039】
図10(b)を参照して、画面上の建造物42aに重ねて追跡対象車両のアイコン53を表示する処理について説明する。ステップS905で算出した追跡対象車両の地図上の走行予測位置64cと自車両30(広角フロントカメラ14)を結ぶ線分63cの方向に基づいて、追跡対象車両のカメラの視野内の角度61cを算出する。そして、画面内で建造物42aに隠れている走行道路44の形状を地図データに基づいて算出する。そして、このようにして算出された道路形状と上記算出された角度61cとに基づいて、表示画像上の追跡対象車両の予測位置を算出する。
【0040】
テップS907では、車両合成部114において、ステップS906で算出された表示予測位置にアイコン53が実写映像に重ねて表示されるように、広角フロントカメラ14により撮像されて生成された画像とアイコン53を合成し、表示モニタ16に表示する。そして、ステップS904に戻る。
【0041】
以上の実施形態による車載モニタ装置1は次のような作用効果を奏する。
(1)交差点で停止している自車両がその左右側方をカメラで撮像したとき、撮像して生成した画像データに基づいて交差点に進入してくる他車両が検出されると、その他車両を追跡対象車両とする。追跡対象車両が建造物42aの死角に入って撮像されなくなると、追跡対象車両の走行位置を予測し、予測した走行位置にアイコン53を表示する。アイコンは53、表示画面内の建造物42aに重ねて表示される。これにより、自車両に接近する追跡対象車両が建造物42aに隠れた旨を運転者に報知することができる。その結果、建造物の陰に隠れて走行する車両の存在を運転者が認識することができる。また、運転者は、建造物の陰に隠れていた車両が表示モニタ16に表示されるタイミングも予測することができる。
【0042】
(2)建造物に隠れていた車両が、再び建造物の陰から現れカメラで捕捉されて検出されたとき、アイコン53の表示を終了するようにした。したがって、追跡対象車両の車速が所定の車速より速い場合でも、アイコン53の表示を適切なタイミングで消去することができる。なお、予測した車両の表示位置が建造物の陰から現れたタイミングでアイコン53の表示を終了すると、追跡対象車両が建造物に隠れているのにアイコン53の表示が終了してしまう場合が起こる。
【0043】
以上の実施の形態の車載モニタ装置1を次のように変形することができる。
(1)建造物に隠れた追跡対象車両の位置を車両を模したアイコン53で表示するようにした。車両に模したアイコン以外でも、たとえば、図11に示すような注意の文字を意味する「注」の文字71A〜71cをアイコンに代えて用いることもできる。アイコン53に比べて描画処理が簡単になる。
(2)図11に示すように、追跡対象車両の予測位置が車両30に近づくにしたがって、アイコン71A〜71cの大きさを大きくするようにしてもよい。これにより、追跡対象車両が交差点41に接近していることを容易に把握することができる。アイコン71A〜71cの大きさは、図10(b)の車両の地図上の位置64cと車両30の位置との間の距離により算出される。
【0044】
(3)図12に示すように、追跡対象車両が建造物に隠れた場合、表示モニタ16における通知表示81により、追跡対象車両が建造物に隠れた旨を報知するようにしてもよい。また、図12に示すように、スピーカなどから出力される音声82により追跡対象車両が建造物に隠れた旨を報知するようにしてもよい。
【0045】
(4)追跡対象車両51の枠52が建造物描画領域に重なり始めた時に車両が建造物に隠れたと判定するようにした。しかし、広角フロントカメラ14により撮像されて生成された複数枚の画像の差分画像に基づいて、車両が抽出されないことにより車両が建造物に隠れたと判定するようにしてもよい。
【0046】
(5)追跡対象車両の2点間の位置を算出し、2点間の距離に基づいて予測車速を算出するようにした。この予測速度に代えて、走行道路のカーブの曲率を加味した最適速度を用いてもよい。これにより、運転者は、建造物の陰に隠れていた車両が表示モニタに表示されるタイミングを、より精度を高くして予測することができる。
【0047】
(6)追跡対象車両の2点間の位置を算出し、2点間の距離に基づいて予測車速を算出するようにした。この予測速度に代えて、道路の法定速度を用いてもよい。これにより、追跡対象車両として認識された車両の予測速度を計算する必要がない。
【0048】
(7)1台の追跡対象車両について説明したが、2台以上の車両を別々に追跡対象車両として認識して、建造物に隠れた複数台の車両の異なるアイコンを別々に表示してもよい。これにより、建造物の陰から飛び出してくる車両の台数を事前に報知することができる。
【0049】
(8)以上の実施の形態では、説明の便宜上、広角フロントカメラ14により撮像された画像の中から切り出した車両右側方の画像のみ、表示モニタ16に表示するものとして説明した。しかし、図13に示すように、広角フロントカメラ14により撮像された画像の中から切り出した車両右側方の画像91および車両左側方の画像92を2画面表示で表示モニタ16に表示する。また、運転者の操作によって、車両右側方の画像91のみ、および車両左側方の画像92のみが表示モニタ16に表示されるようにしてもよい。あるいは、追跡対象車両が捕捉された方向の画像のみを表示するようにしてもよい。たとえば、広角フロントカメラ14の画像データについてのみ追跡対象車両が抽出された場合は、車両右側から交差点に接近する車両だけを表示モニタ16に表示してもよい。したがって、2画面表示されるのは、車両方向から車両が接近する場合である。
【0050】
(9)図14に示すように、車両30の前方左側面部に設置された左フロントサイドカメラ14Aで車両左側方を撮像し、車両30の前方右側面部に設置された右フロントサイドカメラ14Bで車両右側方を撮像するようにしてもよい。
【0051】
(10)追跡対象車両の死角をつくる遮蔽物であれば、建造物に限定されない。
【0052】
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施形態の車載モニタ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】広角フロントカメラの取付位置を説明するための図である。
【図3】車載モニタ装置に接続するナビゲーション装置の構成を説明するための図である。
【図4】自車位置周辺の地図を説明するための図である。
【図5】広角フロントカメラが撮像した映像の中から切り出した車両右側方の画像を表示した表示モニタの表示画面を説明するための図である。
【図6】アイコン53の表示を開始するタイミングを説明するための図である。
【図7】アイコン53の表示を終了するタイミングを説明するための図である。
【図8】アイコン53の表示を行わないときの表示モニタの表示画面を説明するための図である。
【図9】本発明の一実施形態における車載モニタ装置1における視認不可車両接近報知処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】車両の2点の地図上の位置を算出する算出方法、および車両が表示モニタに表示された場合の表示位置を算出する算出方法を説明するための図である。
【図11】接近する車両が建造物に隠れた場合のアイコンの表示を説明するための図である。
【図12】接近する車両が建造物に隠れた場合の表示モニタにおける表示および音声による報知を説明するための図である。
【図13】広角フロントカメラにより撮像された画像の中から切り出した車両右側方の画像および車両左側方の画像における2画面表示での表示モニタの表示を説明するための図である。
【図14】右フロントサイドカメラおよび左フロントサイドカメラを説明するための図である。
【符号の説明】
【0054】
1 車載モニタ装置
2 ナビゲーション装置
11 制御回路
12 ROM
14 広角フロントカメラ
14A 左フロントサイドカメラ
14B 右フロントサイドカメラ
16 表示モニタ
30 車両
41 交差点
42a〜42c 建造物
44 道路
45a〜45j 車両位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両に搭載したカメラで撮像して生成した動画像データに基づいて追跡対象車両を検出する追跡対象車両検出手段と、
前記動画像データから生成した表示画面を表示する表示モニタと、
前記動画像データに基づいて前記追跡対象車両が遮蔽物の死角に入ったことを検出する検出手段と、
前記追跡対象車両が前記遮蔽物の死角に入ったことを前記検出手段が検出すると、それを報知する報知手段とを備えることを特徴とする車載モニタ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載モニタ装置において、
前記追跡対象車両検出手段により検出した前記追跡対象車両の地図上での走行位置を予測する走行位置予測手段と、
前記走行位置予測手段により予測した地図上の走行位置に基づいて、前記追跡対象車両が前記表示モニタに表示される表示画面上の表示位置を算出する表示位置算出手段とを備え、
前記報知手段は、前記表示画像の前記遮蔽物と重ねて、前記表示位置算出手段により算出された表示位置に報知マークを表示することを特徴とする車載モニタ装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車載モニタ装置において、
前記報知手段は、前記追跡対象車両が前記自車両に接近するにしたがって前記報知マークを拡大して表示することを特徴とする車載モニタ装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の車載モニタ装置において、
前記報知手段は、前記遮蔽物の死角に入って検出されなくなった追跡対象車両が再び追跡対象車両検出手段で検出されると、前記報知マークを消去することを特徴とする車載モニタ装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車載モニタ装置において、
前記走行位置予測手段は、前記追跡対象車両が最適速度で走行しているものとして前記走行位置を予測することを特徴とする車載モニタ装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車載モニタ装置において、
前記追跡対象車両検出手段は、前記カメラで繰り返し撮像して生成した複数枚の静止画像に基づいて前記追跡対象車両を検出することを特徴とする車載モニタ装置。
【請求項7】
請求項2乃至5のいずれか1項に記載の車載モニタ装置において、
前記追跡対象車両検出手段は、前記カメラで繰り返し撮像して生成した複数枚の画像に基づいて前記追跡対象車両を検出し、
前記走行位置予測手段は、
前記複数枚の画像内における追跡対象車両の複数の位置を算出する位置算出手段と、
前記算出された画像上の複数の位置に基づいて、前記追跡対象車両の地図上における複数の位置を算出し、算出された地図上の複数の位置に基づいて前記追跡対象車両の車速を算出する車速算出手段と、
前記算出された車速と地図データとに基づいて、前記遮蔽物の死角に隠れた道路を走行する追跡対象車両の地図上の位置を予測する予測手段とを有し、
前記表示位置算出手段は、前記予測された地図上の位置に基づいて、前記表示画面上の位置を算出することを特徴とする車載モニタ装置。
【請求項1】
自車両に搭載したカメラで撮像して生成した動画像データに基づいて追跡対象車両を検出する追跡対象車両検出手段と、
前記動画像データから生成した表示画面を表示する表示モニタと、
前記動画像データに基づいて前記追跡対象車両が遮蔽物の死角に入ったことを検出する検出手段と、
前記追跡対象車両が前記遮蔽物の死角に入ったことを前記検出手段が検出すると、それを報知する報知手段とを備えることを特徴とする車載モニタ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載モニタ装置において、
前記追跡対象車両検出手段により検出した前記追跡対象車両の地図上での走行位置を予測する走行位置予測手段と、
前記走行位置予測手段により予測した地図上の走行位置に基づいて、前記追跡対象車両が前記表示モニタに表示される表示画面上の表示位置を算出する表示位置算出手段とを備え、
前記報知手段は、前記表示画像の前記遮蔽物と重ねて、前記表示位置算出手段により算出された表示位置に報知マークを表示することを特徴とする車載モニタ装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車載モニタ装置において、
前記報知手段は、前記追跡対象車両が前記自車両に接近するにしたがって前記報知マークを拡大して表示することを特徴とする車載モニタ装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の車載モニタ装置において、
前記報知手段は、前記遮蔽物の死角に入って検出されなくなった追跡対象車両が再び追跡対象車両検出手段で検出されると、前記報知マークを消去することを特徴とする車載モニタ装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車載モニタ装置において、
前記走行位置予測手段は、前記追跡対象車両が最適速度で走行しているものとして前記走行位置を予測することを特徴とする車載モニタ装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車載モニタ装置において、
前記追跡対象車両検出手段は、前記カメラで繰り返し撮像して生成した複数枚の静止画像に基づいて前記追跡対象車両を検出することを特徴とする車載モニタ装置。
【請求項7】
請求項2乃至5のいずれか1項に記載の車載モニタ装置において、
前記追跡対象車両検出手段は、前記カメラで繰り返し撮像して生成した複数枚の画像に基づいて前記追跡対象車両を検出し、
前記走行位置予測手段は、
前記複数枚の画像内における追跡対象車両の複数の位置を算出する位置算出手段と、
前記算出された画像上の複数の位置に基づいて、前記追跡対象車両の地図上における複数の位置を算出し、算出された地図上の複数の位置に基づいて前記追跡対象車両の車速を算出する車速算出手段と、
前記算出された車速と地図データとに基づいて、前記遮蔽物の死角に隠れた道路を走行する追跡対象車両の地図上の位置を予測する予測手段とを有し、
前記表示位置算出手段は、前記予測された地図上の位置に基づいて、前記表示画面上の位置を算出することを特徴とする車載モニタ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−193135(P2009−193135A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−30600(P2008−30600)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】
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