説明

車載・携帯兼用電子装置

【課題】携帯用として録画中に車載された場合に、内蔵電源または車両の電源を用いて所定のタイミングまで録画を継続できるようにする。
【解決手段】車載・携帯兼用電子装置10は、車両のアクセサリスイッチの状態を検出するACC検出部19と、電源切替検出部111と、終了条件検出部112と、を備え、車載・携帯兼用電子装置10は、車載されない状態では内部電源から電源供給を受け、入力源から入力されるコンテンツを記録する動作を実行中に、車載された場合、ACC検出部19が検出したアクセサリスイッチの状態と、電源切替検出部111が検出した電源ソースとに応じて、入力源から入力されるコンテンツを記録する動作を継続する。そして、終了条件検出部112が予め設定した終了条件を検出した場合、入力源から入力されるコンテンツを記録する動作を終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音楽あるいはビデオ、DVDなどのコンテンツをメディアからコピー(録音、録画)して再生する車載・携帯兼用のオーディオ・ビデオ・DVD装置などの車載・携帯兼用電子装置に関するものであり、特に、車載・携帯兼用電子装置が携帯用として録画中に自動車のアクセサリ(ACC)スイッチがOFFの状態で車載された場合に、内蔵電源または車両の電源を用いて所定のタイミングまで録画を継続できるようにした車載・携帯兼用電子装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から車載用のオーディオ装置として、ラジオ、テレビなどの放送波を選択受信してその受信した音声を出力する装置や、カセットテープ、コンパクトディスク(CD)、あるいはミニディスク(MD)などの可搬型記録媒体に記録されたコンテンツデータを再生する装置が提供されている。また、DVD(デジタルビデオデスク)などの可搬型記録媒体から読み出した音楽や映像などのコンテンツデータを再生する車載用オーディオ・ビデオ装置も提供されている。
【0003】
また、小型のオーディオ・ビデオ装置やテレビ受信機などの電子装置を自動車内に設置したり、携帯電話を自動車内に設置したりしてハンズフリーで通話可能にする提案もなされている。このような車載用オーディオ装置や車載用オーディオ・ビデオ装置のように車両に設置することを考慮したオーディオ・ビデオ装置においては、CD等の可搬型記録媒体からコンテンツデータを読み込んだコンテンツデータをハードディスク(HDD)等の記録手段に記録し、その記録したコンテンツデータを再生することができる。
【0004】
さらに、可搬型記録媒体から読み込み手段によってコンテンツデータを読み込みながら再生するとともに、ハードディスクに記録する制御を並行して実行する車載用オーディオ装置や車載用オーディオ・ビデオ装置も提案されている。また、テレビ放送を受信して音声および画像データを録画する機能を有する車載用オーディオ・ビデオ装置も提供されている。
【0005】
小型のオーディオ・ビデオ装置やテレビ受信機などの電子装置を自動車内に設置して利用する場合には、車両の電源(バッテリー)を用いるように構成されている。例えば、下記の特許文献1(特開2003−151704号公報)には、バッテリーから電源供給されるシガーライター用のソケットを利用して外部電子機器を簡単に接続するようにした車載用変換プラグ装置の発明が開示されている。シガーライターはアクセサリ(ACC)スイッチをオンしたり、イグニッションキーをオンしたりすることによりバッテリーからの電源供給がオンされるように構成される。
【0006】
この特許文献1に開示された発明は、シガーライター用のソケットに車載用変換プラグ装置の挿入部を接続するとともに、この車載用変換プラグ装置に、デジタルビデオ、カラオケ機器、ゲーム機器等の外部電子機器を接続し、この外部電子機器を操作することにより、カーオーディオデッキと外部電子機器の間を無線でデータの遣り取りを行なうようにしたものである。
【0007】
また、携帯電話を車両に設けた設置マウントに搭載してハンズフリー通話を可能にする技術も、例えば、下記の特許文献2(特開平9−331574号公報)に開示されている。この携帯電話機は、通話中、車のイグニッションがオフされた場合に、車のバッテリーに影響を与えず通話を維持するようにしたものである。
【0008】
すなわち、この携帯電話機では、電池部と外部電源の間に、外部電源スイッチを設け、イグニッションOFF中は外部電源スイッチをOFFとすることで、内部への電源供給を電池部のみからとする。そして、制御部にて通話中または操作中かどうかを識別し、通話中または操作中であれば、そのまま通話動作を維持する。そうでなければ、制御部から電源制御部に対し、電源OFFを要求し、それにより電源制御部は電源スイッチをオフとし、携帯電話機への電池部からの給電をOFFとする。そうすることにより、イグニッションOFF中の場合には車両バッテリーに負荷をかけることなく、通話または操作を続行できるようにしたものである。
【0009】
また、最近では、自動車に搭載するだけでなく携帯用の装置としても利用できる車載・携帯兼用のナビゲーション装置やオーディオ・ビデオ装置も提案されている。一般的にこのような車載・携帯兼用の電子装置においては、装置が自動車のダッシュボードに設けられた搭載用マウント部に設置された場合には装置の電源を車両の電源(バッテリー)に接続し、自動車のアクセサリスイッチ(ACC)と装置の電源スイッチを連動させるように構成される。
【0010】
自動車のアクセサリスイッチ(ACC)と装置の電源スイッチを連動させれば、装置を車載し、自動車のアクセサリスイッチ(ACC)を操作してオンすれば自動的に装置の電源が入り、アクセサリスイッチ(ACC)をOFFすれば自動的に装置の電源がOFFされ、特に装置の電源スイッチを操作する必要がなく、使い勝手がよい。また、搭載用マウント部から装置を外して携帯用として使用する場合には、電源が内蔵電源に切替えられる。また、装置がAC電源から電源を取得する手段を備えていれば、家庭内で装置をAC電源に接続して使用することもできる。
【0011】
図7は、このような構成の車載・携帯兼用の電子装置における電源の切替えを示す表である。図7に示すように電子装置を車載した場合には装置電源は車両電源に切替えられ、携帯の場合には内蔵電源に切替えられる。また、車載した場合にACCスイッチがオン(ON)されると、装置電源スイッチもオン(ON)され、ACCスイッチがオフ(OFF)されると、装置電源スイッチもオフ(OFF)される。これは、利用者が車両から離れる場合にはACCスイッチをオフするのが通常であり、その場合に車載されている電子装置の電源スイッチを連動してオフすると利便性が良いからである。
【特許文献1】特開2003−151704号公報
【特許文献2】特開平9−331574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、ビデオ録画機能や大容量の音楽データを装置内のハードディスク(HDD)に記録する機能を有する車載・携帯兼用の電子装置においては、車載されていない状態(携帯用として使用している状態)、例えば、家庭内でビデオ録画や音楽データの記録を実行している途中で車両に設置して録画処理や音楽データの記録処理を継続して実行させたいという場合がある。
【0013】
従来、このような携帯・車載のいずれにも適用できる電子装置においては、前述したように車載された状態では車両の電源が使用され、携帯された状態では内蔵電源が使用される。そして図7に示したように車載された場合には装置の電源は車両のアクセサリ(ACC)と連動し、ACCスイッチがオフされていると電子装置の電源スイッチもオフされた状態になる。
【0014】
しかしながらこのような構成では、家庭内でビデオ録画や音楽データの記録を実行している途中で車載・携帯兼用の電子装置を車両に設置して録画処理や音楽データの記録処理を継続して実行させたい場合に、ACCスイッチを操作することが必要になり利便性に欠けることがある。例えば、ACCスイッチをオンしないと装置電源がオンされず動作を継続できなくなる。
【0015】
このような不都合は、車載・携帯兼用の電子装置が内蔵電源を用いて録画動作継続中に、車載された時、装置電源をACCスイッチに連動させずにオンのままにして、ACCスイッチのオンまたはオフ状態に応じて車両の電源または内蔵電源を用いて録画継続するように構成すれば解決できる。すなわち、携帯用として装置の内蔵電源を用いて録画動作等を実行している状態で車載された場合、ACCスイッチをオンにして装置の電源を内蔵電源から車両のバッテリーに切替えるか、または、ACCスイッチをオフしたまま内蔵電源を用いて録画動作を継続する。
【0016】
しかしながら、この場合、ACCスイッチのオン・オフ(電源の切替え)、録画の終了を利用者が手動操作しなければならないという問題がある。また、録画継続したまま車両を離れる場合にACCスイッチをオフして内蔵電源に切替えると、録画を継続できるが、この場合は内蔵電源がなくなるまで装置が動作し続けてしまうという問題点が生ずる。
【0017】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、車載・携帯兼用の電子装置が携帯用として内蔵電源を用いて録画動作等を実行している状態で車載された場合、ACCスイッチをオンまたはオフにするメッセージを表示し、車載・携帯兼用電子装置を内蔵電源または車両のバッテリーを用いて録画動作を継続させ、所定のタイミングになるまでその動作を継続するようになせば上記の問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0018】
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、車載・携帯兼用電子装置が携帯用として録画中に自動車のアクセサリ(ACC)スイッチがオンまたはオフの状態で車載された場合に、内蔵電源または車両の電源を用いて所定のタイミングまで録画を継続できるようにした車載・携帯兼用電子装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
入力源から入力されるコンテンツを記録する記録手段と、装置内部に設けられた内部電源と、外部の電源ソースとの接続手段と、を備え、車載されない状態では前記内部電源から電源供給を受け、車載された状態では外部の電源より電源供給を受ける車載・携帯兼用電子装置において、
前記車載・携帯兼用電子装置は、車両のアクセサリスイッチの状態を検出するACC検出部と、当該装置の電源が前記内部電源又は、前記外部電源、何れに切替えられているかを検出する電源切替検出部と終了条件検出部と、を備え
前記車載・携帯兼用電子装置は、車載されない状態で、前記入力源から入力されるコンテンツを記録する動作を実行中に、車載された場合、前記ACC検出部が検出したアクセサリスイッチの状態と、前記電源切替検出部の検出した状態とに応じて、前記入力源から入力されるコンテンツを記録する動作を継続し、前記終了条件検出部が予め設定した終了条件を検出した場合、前記入力源から入力されるコンテンツを記録する動作を終了することを特徴とする。
【0020】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる車載・携帯兼用電子装置において、前記終了条件は、予め設定された所定の時間であることを特徴とする請求項1に記載の車載・携帯兼用電子装置。
【0021】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1にかかる車載・携帯兼用電子装置において、前記車載・携帯兼用電子装置は更に、番組表を取得する番組表取得手段を備え、前記終了条件は、前記番組表取得手段が取得した番組表に基づいて前記入力源から入力されるコンテンツの終了時刻であることを特徴とする。
【0022】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項1にかかる車載・携帯兼用電子装置において、前記車載・携帯兼用電子装置は更に、近距離無線通信送受信部を備え、前記近距離無線通信送受信部が、前記車載・携帯兼用電子装置の利用者が所持する携帯電話が通信圏内にないことを検出した場合を前記終了条件とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
請求項1にかかる発明においては、内蔵電源により録画動作中に車載された場合に、車両の電源または内蔵電源により録画を継続し、予め設定した所定の終了条件になると自動的に録画を終了することができるようになる。これにより、ACCスイッチがオンまたはオフであっても、また、録画継続中に車両を離れる時にACCスイッチをオフしても、またオフしなくても所定の終了条件まで録画を継続して自動的に録画を終了することができるようになる。
【0024】
また、請求項2にかかる発明においては請求項1にかかる発明において、終了条件は予め設定した番組の終了時刻であるから、録画中の番組終了まで録画を継続し、番組終了時刻に自動的に録画を終了することができるようになる。
【0025】
また、請求項3にかかる発明においては請求項1にかかる発明において車載・携帯兼用電子装置は更に、番組表を取得する番組表取得手段を備え、終了条件は番組表から取得した録画中の番組の終了時刻であるから、録画を継続しても番組終了時刻に自動的に録画を終了することができるようになる。
【0026】
また、請求項4にかかる発明においては請求項1にかかる発明において、車載・携帯兼用電子装置は更に、近距離無線通信送受信部を備え、前記近距離無線通信送受信部が、前記車載・携帯兼用電子装置の利用者が所持する携帯電話が通信圏内にないことを検出した場合を前記終了条件とするものであるから、利用者が録画継続中に誤ってACCスイッチをオフすることなく(装置電源をオフすることなく)自動車から離れてしまった場合、内蔵電源録画動作を終了する要因がなく、内蔵電池を消耗するまで録画動作が継続されてしまうことを防止することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための車載・携帯兼用電子装置を例示するものであって、本発明をこの実施例の車載・携帯兼用電子装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の車載・携帯兼用電子装置にも等しく適用し得るものである。
【実施例1】
【0028】
本発明の実施例1にかかる車載・携帯兼用電子装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本発明の実施例にかかる車載・携帯兼用電子装置10は、制御部11、電源制御部12、内蔵電池13、外部電源接続部14、録画部15、近距離無線通信送受信部16、アンテナ17、地上波デジタルチューナ18、ACC検出部19、表示部20、入力部21などを備えて構成されている。
【0029】
制御部11は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。電源制御部12は、後述するように車載・携帯兼用電子装置10の状態に従って、装置の電源を、外部電源接続部14を介しての車両の電源(バッテリー)または内蔵電源13(内蔵電池)に切替える制御を行う。
【0030】
録画部15は、地上波デジタルチューナ18を介して受信した放送を録画するビデオユニットである。地上波デジタルチューナ18はアンテナ17を介して地上波デジタル放送を受信する。車載・携帯兼用電子装置10がオーディオ機能を有する場合には、外部から受信あるいは入力された音楽コンテンツを録音する録音または記録ユニットを備えることができる。また、車載・携帯兼用電子装置10がナビゲーション機能を有する場合には、経路探索のための地図データ記憶手段、経路探索手段、GPS受信手段のような現在位置測位手段を備えることもできる。
【0031】
近距離無線通信送受信部16は、例えば、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)などの近距離無線通信規格にそった送受信手段であり携帯電話などの外部装置と通信するためのものである。ACC検出部19は、車両のアクセサリスイッチのオン・オフの状態を検出する。表示部20は液晶表示ユニットからなり、地上波デジタルチューナ18で受信した地上波デジタル放送の映像を表示する。
【0032】
入力部21は、キー、ボタン等からなり車載・携帯兼用電子装置10の操作を行い、また、所望の入力を行うためのものである。また、表示部20がタッチパネルユニットを併せ持つ構造とし、表示部20に操作メニュー画面を表示してタッチ操作することにより車載・携帯兼用電子装置10の操作を行うように構成することもできる。
【0033】
図2は、本発明の実施例にかかる車載・携帯兼用電子装置10が車載された場合および携帯された場合の電源切替えの状態を示す図である。図2に示すように基本的に車載・携帯兼用電子装置10が車載された場合は車両の電源(バッテリー)を用い、携帯された場合(家庭内など車両以外での使用を含む)は内蔵電源(内蔵電池)を用いる。
【0034】
更に、この車載・携帯兼用電子装置10が車載された場合には、車両のACCスイッチの状態と、車載・携帯兼用電子装置10が携帯された状態で録画動作中か、動作停止中か、その状態に応じて、以下のように電源の切替え制御と録画の停止タイミングを制御する。すなわち、先ず、車載・携帯兼用電子装置10が録画中であるか否かが判別される。
【0035】
車載・携帯兼用電子装置10が停止中の状態で車載された場合は、従来と同様にACCスイッチと装置の電源スイッチを連動させ車両の電源(バッテリー)を用いる制御となる(図2参照)。車載・携帯兼用電子装置10が録画中の状態で車載された場合は、ACCスイッチがオンされるか、オフされるかによって電源を車両電源、内蔵電源を用いて録画を継続する。録画動作は予め設定された終了条件になると自動的に終了する。
【0036】
制御部11は、また、電源切替検出部111、終了条件検出部112、録画検出部113、を含んでいる。電源切替検出部111は、装置の電源が内蔵電池13、車両の電源(バッテリー)の何れに切替えられているかを検出する。
【0037】
また、録画検出部113は録画部15が録画中か停止中かを検出する。終了条件検出部112は、車載・携帯兼用電子装置10において予め設定されている何れかの録画の終了条件を満足する状態になったか否かを検出する。本実施例1において予め設定する終了条件は、利用者が設定する番組終了時刻である。
【0038】
車載・携帯兼用電子装置10において、録画検出部113が録画中であることを検出し、電源切替検出部111により電源が内蔵電源であることを検出している状態(携帯用として録画中)で車載されると、ACCスイッチをオンまたはオフさせる。ACCスイッチの状態はACC検出部19が検出する。ACCスイッチがオフされたら車載・携帯兼用電子装置10は電源を内蔵電源に接続したまま録画動作を継続する。ACCスイッチがオンされたら、車載・携帯兼用電子装置10は電源を車両の電源(バッテリー)に切替えて録画動作を継続する。
【0039】
この状態で録画を継続中、終了条件検出部112は予め設定された録画の終了条件を満たすか否かを検出する。終了条件として番組の終了時刻が設定さている場合には、時刻がその終了時刻になると録画部15の録画動作を終了して装置の電源をオフする。
【0040】
図3は、本発明の実施例にかかる車載・携帯兼用電子装置10の動作手順を示すフローチャートである。ステップS101でACCスイッチがオフされた自動車に車載・携帯兼用電子装置10が車載される。この時、車載・携帯兼用電子装置10は内蔵電源で録画動作中であるとする。
【0041】
先ず、ステップS102の処理で録画検出部113は録画部15が録画中であることを検出する。録画中でなければステップS108の処理に進み装置の電源をオフして処理が終了される。ここでは録画部15が録画中であるからステップS103の処理に進む。
【0042】
ステップS103ではACCスイッチをオンまたはオフするようメッセージが表示される。そしてステップS104の判別処理においてACCスイッチがオン状態かを判別する。ACCスイッチがオン状態であればステップS105の処理において電源制御部12は電源を車両の電源(バッテリー)に切替えステップS106に進み録画を継続する。
【0043】
ステップS104の判別処理においてACCスイッチがオフ状態であると判別されると、ステップS105の処理において電源制御部12は電源を内蔵電源に接続したままステップS106に進む。ステップS106の処理においては録画部15の録画処理を継続する。そしてステップS107の処理において録画の終了条件を満足したか否かが判別される。本実施例における終了条件は利用者が予め設定した番組終了時刻である。
【0044】
番組終了時刻になると終了条件を満足するからステップS108で録画を終了、電源スイッチをオフして処理を終了する。番組終了時刻でない場合には終了条件を満足せず、ステップS106の処理に戻り録画が継続される。車載・携帯兼用電子装置10が内蔵電源を用いて録画を継続している場合、終了条件に達する前に内蔵電源が切れた時には、当然録画は終了する。
【0045】
また、車載・携帯兼用電子装置10が車両電源を用いて(ACCスイッチをオンして)録画を継続している場合に、利用者が車両を離れるためにACCスイッチをオフして内蔵電源を用いた録画を継続しても、終了条件に達するまで録画を継続することができる。
【実施例2】
【0046】
上記実施例1においては終了条件を利用者が設定した番組終了時刻とする例を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。車載・携帯兼用電子装置10が放送受信あるいはサーバとの通信機能を利用して番組表データを取得して録画中の番組の終了時刻を終了条件として設定するように構成してもよい。
【0047】
図4は、このように構成した本発明の実施例2にかかる車載・携帯兼用電子装置10の構成を示すブロック図である。図4の車載・携帯兼用電子装置10は図1の構成に比べて制御部11が番組表取得部114を備えている点が異なる。その他の構成は図1の車載・携帯兼用電子装置10の構成と同様である。図4において図1と同一の構成要素は同一の参照符号を付してある。図1と同一の構成要素の説明は省略する。
【0048】
録画部15により録画が行われている場合、番組表取得部114は外部から番組表データを取得して録画中の番組の終了時刻を抽出する。そして、図3のフローチャートにおけるステップS107の終了条件の判別においては番組表データから抽出した録画中の番組の終了時刻が用いられる。従って、番組の終了時刻になると録画を終了することができるようになる。
【実施例3】
【0049】
本発明においては終了条件として更に他の条件を設定することができる。車載・携帯兼用電子装置10が近距離無線通信機能を備え、利用者の携帯電話と無線通信により通信できる場合には、近距離無線通信送受信部16の通信エリア内に携帯電話が存在しているか否か、すなわち、利用者の携帯電話が車載・携帯兼用電子装置10の通信圏外になったことを終了条件とすることができる。
【0050】
図5は、このように構成した本発明の実施例3にかかる車載・携帯兼用電子装置10の構成を示すブロック図である。図5の車載・携帯兼用電子装置10は図1の構成に比べて制御部11が通信圏判断部115を備えている点が異なる。その他の構成は図1の車載・携帯兼用電子装置10の構成と同様である。図5において図1と同一の構成要素は同一の参照符号を付してある。図1と同一の構成要素の説明は省略する。
【0051】
録画部15により録画が行われている場合、通信圏内携帯電話判断部115は車載・携帯兼用電子装置10の通信圏内に携帯電話があるか否か、をすなわち、携帯電話との無線通信送受信があるか否かで判別する。無線通信送受信がない場合、すなわち携帯電話が通信エリアの通信圏外にある場合には利用者が車両を離れたことを意味するから録画を終了して装置の電源をオフすることができるようになる。
【0052】
図6は、図5に示す車載・携帯兼用電子装置10の動作手順を示すフローチャートである。図6のフローチャートにおけるステップS201〜ステップS206の処理は、それぞれ図3のフローチャートにおけるステップS101〜ステップS106の処理と同様の処理であり、ステップS207〜ステップS209の処理が図3における処理とは異なる処理となっている。
【0053】
ステップS207の処理において、通信圏判断部115は車載・携帯兼用電子装置10の通信圏内に携帯電話があるか否か、すなわち、近距離無線通信送受信部16において携帯電話との無線通信送受信があるか否かを判別する。無線通信送受信がある場合はステップS206の処理に戻り録画を継続する。
【0054】
ステップS207の判断処理において、近距離無線通信送受信部16において携帯電話との無線通信送受信がないと判断された場合は、ステップS208の処理で装置電源がオフであるか判別し、装置電源がオフでなければ終了条件を満足したものとしてステップS209の処理において録画を終了し電源スイッチをオフして処理を終了する。電源スイッチがオフであれば既に装置電源がオフされ録画も終了しているから処理を終了する。
【0055】
この実施例3のように車載・携帯兼用電子装置10と近距離無線通信により通信する携帯電話の有無を判別して録画の継続、終了を行うようにすれば、通常は、車両のバッテリー(自動車の電源)から電源を供給される録画装置が、自動車から電源を供給されない状態に変化した時に、通信エリア圏内に携帯電話を認識できなくなったら、自動的に録画装置の電源をオフして録画を終了することができる。
【0056】
このようにすれば、車載・携帯兼用電子装置10の利用者が録画継続中に誤ってACCスイッチをオフすることなく(装置電源をオフすることなく)自動車から離れてしまった場合、内蔵電源録画動作を終了する要因がなく、内蔵電池を消耗するまで録画動作が継続されてしまうことを防止することができるようになる。
【0057】
すなわち、車両に車載された録画装置のような車載・携帯兼用電子装置10が、近距離無線通信により利用者の持つ携帯電話を認識するようにし、利用者が携帯電話を持って自動車から離れて、録画装置と携帯電話の無線通信の送受信が切れたタイミングを録画の終了条件として録画動作を終了し、電源オフ状態にすることができるようになる。従って、録画装置が電池を消耗するまで録画動作を継続してしまうことを防ぐことができる。
【0058】
以上、詳細に説明したように本発明にかかる車載・携帯兼用電子装置によれば、内蔵電源により録画動作中に車載された場合に、車両の電源または内蔵電源により録画を継続し、予め設定した所定の終了条件になると自動的に録画を終了することができるようになる。これにより、ACCスイッチがオンまたはオフであっても、また、録画継続中に車両を離れる時にACCスイッチをオフしても、またオフしなくても所定の終了条件まで録画を継続して自動的に録画を終了することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施例1にかかる車載・携帯兼用電子装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例にかかる車載・携帯兼用電子装置が車載された場合および携帯された場合の電源切替えの状態を示す図である。(特に録画動作中に車載された場合の電源切替えの状態を示す図である。)
【図3】本発明の実施例にかかる車載・携帯兼用電子装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例2にかかる車載・携帯兼用電子装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施例3にかかる車載・携帯兼用電子装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施例3にかかる車載・携帯兼用電子装置の他の動作手順を示すフローチャートである。
【図7】車載・携帯兼用電子装置が車載された場合および携帯された場合の電源切替えの状態を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
10・・・・車載・携帯兼用電子装置
11・・・・制御部
111・・・電電源切替検出部
112・・・終了条件検出部
113・・・録画検出部
114・・・番組表取得部
115・・・通信圏判定部
12・・・・電源制御部
13・・・・内蔵電池
14・・・・外部電源接続部
15・・・・録画部
16・・・・近距離無線通信送受信部
17・・・・アンテナ
18・・・・地上波デジタルチューナ
19・・・・ACC検出部
20・・・・表示部
21・・・・入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力源から入力されるコンテンツを記録する記録手段と、装置内部に設けられた内部電源と、外部の電源ソースとの接続手段と、を備え、車載されない状態では前記内部電源から電源供給を受け、車載された状態では外部電源より電源供給を受ける車載・携帯兼用電子装置において、
前記車載・携帯兼用電子装置は、車両のアクセサリスイッチの状態を検出するACC検出部と、当該装置の電源が前記内部電源又は、前記外部電源、何れに切替えられているかを検出する電源切替検出部と、終了条件検出部と、を備え
前記車載・携帯兼用電子装置は、車載されない状態で、前記入力源から入力されるコンテンツを記録する動作を実行中に、車載された場合、前記ACC検出部が検出したアクセサリスイッチの状態と、前記電源切替検出部の検出した状態とに応じて、前記入力源から入力されるコンテンツを記録する動作を継続し、前記終了条件検出部が予め設定した終了条件を検出した場合、前記入力源から入力されるコンテンツを記録する動作を終了することを特徴とする車載・携帯兼用電子装置。
【請求項2】
前記終了条件は、予め設定された所定の時間であることを特徴とする請求項1に記載の車載・携帯兼用電子装置。
【請求項3】
前記車載・携帯兼用電子装置は更に、番組表を取得する番組表取得手段を備え、
前記終了条件は、前記番組表取得手段が取得した番組表に基づいて前記入力源から入力されるコンテンツの終了時刻であることを特徴とする請求項1に記載の車載・携帯兼用電子装置。
【請求項4】
前記車載・携帯兼用電子装置は更に、近距離無線通信送受信部を備え、
前記近距離無線通信送受信部が、前記車載・携帯兼用電子装置の利用者が所持する携帯電話が通信圏内にないことを検出した場合を前記終了条件とすることを特徴とする請求項1に記載の車載・携帯兼用電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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