説明

車載光学センサカバー及び車載光学センサ装置

【課題】圧縮空気を噴射する圧縮空気発生ユニットを不要とし、低コスト化及び小型化を図りながらも、レンズ面に付着した付着物を適切に除去することを可能とする。
【解決手段】カメラ3が着脱可能なカメラカバー2に、洗浄液を貯留可能な洗浄液タンクから供給された洗浄液をカメラ3のレンズ5のレンズ面5aに向けて噴射して当該レンズ面5aを洗浄する洗浄ノズル9を設けた。圧縮空気を噴射する圧縮空気発生ユニットを不要とし、低コスト化及び小型化を図りながらも、レンズ面5aに付着した付着物を適切に除去することができ、カメラ3を適切に動作させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されている例えばカメラやレーザー等の光学センサと共に使用される車載光学センサカバー、前記車載光学センサカバーと光学センサとを備えた車載光学センサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両には例えばカメラやレーザー等の光学センサが搭載される傾向にあり、車両に搭載されている光学センサのレンズのレンズ面に付着した水滴や泥等の付着物を除去する構成として、圧縮空気を噴射する圧縮空気発生ユニットを設け、圧縮空気発生ユニットから圧縮空気をレンズのレンズ面に向けて噴射して当該レンズ面に付着した付着物を除去する構成がある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−171491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した特許文献1に記載されている技術では、圧縮空気を噴射する圧縮空気発生ユニットを設ける必要がある分、コスト高になると共に、構成が大型化するという問題がある。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧縮空気を噴射する圧縮空気発生ユニットを不要とし、低コスト化及び小型化を図りながらも、レンズのレンズ面又は当該レンズに対向するカバーガラスのガラス面に付着した付着物を適切に除去することができる車載光学センサカバー及び車載光学センサ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した車載光学センサカバーによれば、車室外で車両のウィンドウの上方に設けられた光学センサを収容する収容部と、洗浄液を貯留可能な洗浄液タンクから供給された洗浄液を前記収容部に収容されている前記光学センサのレンズのレンズ面又は当該レンズに対向するカバーガラスがある場合には当該カバーガラスのガラス面に向けて噴射して当該レンズ面又は当該ガラス面を洗浄する洗浄動作を行う洗浄ノズルと、を備え、車室外で車両のウィンドウの上方に、前記洗浄ノズルから噴射された洗浄液が前記レンズ面又は前記ガラス面を洗浄した後に前記ウィンドウのウィンドウ面へと流れる位置に設けた。
【0007】
これにより、洗浄液を車室外で車両のウィンドウの上方に設けられた光学センサのレンズ面又は当該レンズに対向するカバーガラスがある場合には当該カバーガラスのガラス面に向けて噴射することで、圧縮空気を噴射する圧縮空気発生ユニットを不要とし、低コスト化及び小型化を図りながらも、レンズ面又はガラス面に付着した水滴や泥等の付着物を洗浄液により適切に除去することができ、光学センサを適切に動作させることができる。又、洗浄ノズルから噴射された洗浄液がレンズ面又はガラス面を洗浄した後にウィンドウのウィンドウ面へと流れることで、ウィンドウ面に付着した土埃等を洗浄液により適切に除去する(洗い流す)ことができ、ユーザ(運転者等)の視界を良好に確保することができる。
【0008】
請求項2に記載した車載光学センサ装置によれば、請求項1に記載した車載光学センサカバーと、前記洗浄ノズルによる前記レンズ面又は前記ガラス面の洗浄動作を制御すると共に、前記ウィンドウのウィンドウ面上を摺動するワイパーによる前記ウィンドウ面の洗浄動作を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記洗浄ノズルによる前記レンズ面又は前記ガラス面の洗浄動作と前記ワイパーによる前記ウィンドウ面の洗浄動作とを連動して行う。
【0009】
これにより、洗浄ノズルから噴射された洗浄液がレンズ面又はガラス面を洗浄した後にウィンドウのウィンドウ面へと流れることで、ウィンドウ面に付着した土埃等を洗浄液により適切に除去することができる一方で、その洗浄液がウィンドウ面上に残ってしまう虞もあるが、ワイパーがウィンドウ面上を摺動することで、ウィンドウ面上に残ってしまった洗浄液を適切に除去する(拭い取る)ことができ、洗浄液がウィンドウ面上に残ってしまってユーザの視界が妨げられることを回避することができる。又、ウィンドウ面上に残ってしまった洗浄液を除去する際に、その洗浄液がウィンドウ面上を滑ることで、ウィンドウ面に付着した土埃等を洗浄液と共に広範囲で除去することができる。ここでいう連動とは、先に洗浄ノズルによるレンズ面又はガラス面の洗浄動作を行った後にワイパーによるウィンドウ面の洗浄動作を行うこと、洗浄ノズルによるレンズ面又はガラス面の洗浄動作とワイパーによるウィンドウ面の洗浄動作とを同時に行うこと等を含む。
【0010】
請求項3に記載した車載光学センサ装置によれば、請求項2において、ユーザが操作可能な第1の操作手段を備え、前記制御手段は、ユーザが前記第1の操作手段を操作したことに応じて、前記洗浄ノズルによる前記レンズ面又は前記ガラス面の洗浄動作と前記ワイパーによる前記ウィンドウ面の洗浄動作とを連動して行う。
【0011】
これにより、ユーザが第1の操作手段を操作するという1回の操作を行うことで、洗浄ノズルによるレンズ面又はガラス面の洗浄動作とワイパーによるウィンドウ面の洗浄動作とを連動して行わせることができ、操作性を高めることができる。又、車載光学センサ装置を製造するメーカーにおいても、ノズルによるレンズ面又はガラス面の洗浄動作を行う操作手段と、ワイパーによるウィンドウ面の洗浄動作を行う操作手段とを別々に設ける必要がなく、コスト高を抑えることができ、装置の大型化を抑えることができる。
【0012】
請求項4に記載した車載光学センサ装置によれば、請求項3において、前記制御手段は、ユーザが前記第1の操作手段を操作した操作時間が所定時間未満である場合には前記洗浄ノズルによる前記レンズ面又は前記ガラス面の洗浄動作を行う一方で前記ワイパーによる前記ウィンドウ面の洗浄動作を行うことなく、ユーザが前記第1の操作手段を操作した操作時間が所定時間以上である場合には前記洗浄ノズルによる前記レンズ面又は前記ガラス面の洗浄動作と前記ワイパーによる前記ウィンドウ面の洗浄動作とを連動して行う。
【0013】
これにより、ユーザが第1の操作手段を操作する操作時間を調整することで、洗浄ノズルによるレンズ面又はガラス面の洗浄動作だけを行わせるか、洗浄ノズルによるレンズ面又はガラス面の洗浄動作とワイパーによるウィンドウ面の洗浄動作とを連動して行わせるかを選択することができる。即ち、レンズ面又はガラス面の洗浄を必要とするがウィンドウ面の洗浄を必要としない場合であれば、操作時間が所定時間未満となるように第1の操作手段を操作すれば良く、一方、レンズ面又はガラス面の洗浄とウィンドウ面の洗浄との双方を必要とする場合であれば、操作時間が所定時間以上となるように第1の操作手段を操作すれば良く、操作時間を調整するだけで何れかを選択することができ、操作性をより一層高めることができる。
【0014】
請求項5に記載した車載光学センサ装置によれば、請求項2において、前記制御手段は、前記洗浄ノズルによる前記レンズ面又は前記ガラス面の洗浄動作を開始してから所定時間が経過した後に前記ワイパーによる前記ウィンドウ面の洗浄動作を開始する。
【0015】
これにより、洗浄液が洗浄ノズルから噴射されてからウィンドウ面へと流れるまでに遅延(時間差)があることから、その遅延を考慮した適切なタイミングで、ウィンドウ面上に残ってしまった洗浄液を適切に除去する(拭い取る)ことができる。又、洗浄液がウィンドウ面へと流れていない状態でワイパーがウィンドウ面上を摺動しないことで、洗浄液が無いことよるワイパーのウィンドウ面に接するゴム材(ゴムブレード)やウィンドウ面の損傷を回避することができ、更に、洗浄液が無いことよる不快音の発生を回避することができる。
【0016】
請求項6に記載した車載光学センサ装置によれば、請求項2乃至5の何れかにおいて、前記レンズ面又は前記ガラス面、又は/及び前記洗浄ノズルを加熱する第1の加熱手段と、前記ウィンドウ面を加熱する第2の加熱手段と、を備え、前記制御手段は、前記第1の加熱手段による前記レンズ面又は前記ガラス面、又は/及び前記洗浄ノズルの加熱動作を制御すると共に、前記第2の加熱手段による前記ウィンドウ面の加熱動作を制御し、前記洗浄ノズルによる前記レンズ面又は前記ガラス面の洗浄動作と前記ワイパーによる前記ウィンドウ面の洗浄動作とを連動して行うと共に、前記第1の加熱手段による前記レンズ面又は前記ガラス面、又は/及び前記洗浄ノズルの加熱動作と前記第2の加熱手段による前記ウィンドウ面の加熱動作とを連動して行う。
【0017】
これにより、レンズ面又はガラス面を加熱することで、レンズ面又はガラス面に氷や雪が付着している場合であれば、そのレンズ面又はガラス面に付着している氷や雪を溶かすことができ、又、レンズ面又はガラス面に氷や雪が付着したりレンズ面又はガラス面が曇ったりすることを回避することができ、光学センサの視界を良好に確保することができる。又、洗浄ノズルを加熱することで、洗浄ノズル内の洗浄液が凍ってしまうことを回避することができ、洗浄ノズルから洗浄液を適切に噴射させることができる。更に、このようにレンズ面又はガラス面を加熱する状況では、ウィンドウ面をも加熱する必要性が高いことから、ウィンドウ面を加熱することで、ウィンドウ面に氷や雪が付着している場合であれば、そのウィンドウ面に付着している氷や雪を溶かすことができ、又、ウィンドウ面に氷や雪が付着したりウィンドウ面が曇ったりすることを回避することができ、ユーザの視界を良好に確保することができる。ここでいう連動とは、先に第1の加熱手段によるレンズ面又はガラス面、又は/及び洗浄ノズルの加熱動作を行った後に第2の加熱手段によるウィンドウ面の加熱動作を行うこと、先に第2の加熱手段によるウィンドウ面の加熱動作を行った後に第1の加熱手段によるレンズ面又はガラス面、又は/及び洗浄ノズルの加熱動作を行うこと、第1の加熱手段によるレンズ面又はガラス面、又は/及び洗浄ノズルの加熱動作と第2の加熱手段によるウィンドウ面の加熱動作とを同時に行うこと等を含む。
【0018】
請求項7に記載した車載光学センサ装置によれば、請求項1に記載した車載光学センサカバーと、前記レンズ面又は前記ガラス面、又は/及び前記洗浄ノズルを加熱する第1の加熱手段と、前記ウィンドウ面に設けられている熱線を加熱する第2の加熱手段と、前記第1の加熱手段による前記レンズ面又は前記ガラス面、又は/及び前記洗浄ノズルの加熱動作を制御すると共に、前記第2の加熱手段による前記ウィンドウ面の加熱動作を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記第1の加熱手段による前記レンズ面又は前記ガラス面、又は/及び前記洗浄ノズルの加熱動作と前記第2の加熱手段による前記ウィンドウ面の加熱動作とを連動して行う。
【0019】
これにより、上記した請求項6と同様に、レンズ面又はガラス面を加熱することで、レンズ面又はガラス面に氷や雪が付着している場合であれば、そのレンズ面又はガラス面に付着している氷や雪を溶かすことができ、又、レンズ面又はガラス面に氷や雪が付着したりレンズ面又はガラス面が曇ったりすることを回避することができ、光学センサの視界を良好に確保することができる。又、洗浄ノズルを加熱することで、洗浄ノズル内の洗浄液が凍ってしまうことを回避することができ、洗浄ノズルから洗浄液を適切に噴射させることができる。更に、ウィンドウ面を加熱することで、ウィンドウ面に氷や雪が付着している場合であれば、そのウィンドウ面に付着している氷や雪を溶かすことができ、又、ウィンドウ面に氷や雪が付着したりウィンドウ面が曇ったりすることを回避することができ、ユーザの視界を良好に確保することができる。
【0020】
請求項8に記載した車載光学センサ装置によれば、請求項6又は7において、ユーザが操作可能な第2の操作手段を備え、前記制御手段は、ユーザが前記第2の操作手段を操作したことに応じて、前記第1の加熱手段による前記レンズ面又は前記ガラス面、又は/及び前記洗浄ノズルの加熱動作と前記第2の加熱手段による前記ウィンドウ面の加熱動作とを連動して行う。
【0021】
これにより、ユーザが第2の操作手段を操作するという1回の操作を行うことで、第1の加熱手段によるレンズ面又はガラス面や洗浄ノズルの加熱動作と第2の加熱手段によるウィンドウ面の加熱動作とを連動して行わせることができ、操作性を高めることができる。又、車載光学センサ装置を製造するメーカーにおいても、第1の加熱手段によるレンズ面又はガラス面、又は/及び洗浄ノズルの加熱動作を行う操作手段と、第2の加熱手段によるウィンドウ面の加熱動作を行う操作手段とを別々に設ける必要がなく、コスト高を抑えることができ、装置の大型化を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す正面図(a)及び縦断側面図(b)
【図2】カメラカバーとカメラとが分離されている態様を示す図
【図3】車両に搭載されている態様を示す斜視図
【図4】機能ブロック図
【図5】フローチャート
【図6】本発明の第2の実施形態を示す機能ブロック図
【図7】図5相当図
【図8】図1相当図
【図9】図1相当図
【図10】図1相当図
【図11】図1相当図
【図12】図1相当図
【図13】図1相当図
【図14】図1相当図
【図15】図1相当図
【図16】図1相当図
【図17】図1相当図
【図18】図1相当図
【図19】図1相当図
【図20】正面図
【図21】図20相当図
【図22】図4相当図
【図23】図3相当図
【図24】本発明の第3の実施形態を示す正面図(a)及び縦断側面図(b)
【図25】図2相当図
【図26】図3相当図
【図27】図4相当図
【図28】図5相当図
【図29】図1相当図
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1の実施形態)
以下、本発明の光学センサとしてカメラを適用した第1の実施形態について、図1乃至図5を参照して説明する。光学センサユニット1(本発明でいう車載光学センサ装置)は図1に示すようにカメラカバー2(本発明でいう車載光学センサカバー)にカメラ3(本発明でいう光学センサ)が着脱可能に装着されて構成されている。カメラ3にあって筐体4の正面側(図1(b)では左側)にはレンズ5が設けられていると共に筐体4の背面側(図1(b)では右側)からは当該カメラ3に電力を供給するための電力供給線(図示せず)や映像信号を出力するための映像信号出力線(図示せず)等が引出されている。レンズ5は広角撮影を可能とするレンズ面5aが曲面状に形成されている魚眼レンズである。
【0024】
カメラカバー2にあって筐体6の内部にはカメラ3を収容するための収容部7が設けられている共に筐体6の背面側には開口部8が設けられている。カメラ3は図2にも示すように外部から開口部8を通じてカメラカバー2に取付けられ、カメラカバー2から開口部8を通じて外部に取外される。カメラカバー2にあって収容部7の上方には洗浄ノズル9が設けられている。洗浄ノズル9は「L」字形状をなし、その基端部9aは筐体6の背面側でチューブ10に接続されており、その先端部9bは下方に向けて開口して噴射口11として機能する。この場合、カメラ3が収容部7に正常に収容されている状態(図1に示す通常使用時の状態)では、洗浄ノズル9の先端部9bの真下方向にカメラ3のレンズ5のレンズ面5aが位置するようになっている。
【0025】
このように構成されてなる光学センサユニット1は、図3に示すように例えば車体12にあってリアウィンドウ13(本発明でいうウィンドウ)の上方の車室外に設けられる。即ち、カメラ3は、車体12にあってリアウィンドウ13の上方の車室外に設けられており、車両が後退する際に車両後方を撮影するバックビューカメラとして機能する。この場合、カメラ3は、車室外に設けられているので、車室内に設けられている構成よりも視界を良好に確保することができる。即ち、カメラ3が車室内に設けられている構成では、車両後方をリアウィンドウ13を通じて撮影することになるので、リアウィンドウ13に付着物が付着していたり、ピラーが撮影視野(画角)内に存在していたり、リアウィンドウ13に貼付けられているシールや装飾物等が撮影視野内に存在していたりすると、それら本来は撮影する必要のない付着物やピラーやシールや装飾物等が映像に含まれることになり、バックビューの機能を妨げることになるが、本実施形態のようにカメラ3が車室外に設けられている構成では、そのような状況は発生し得ない。尚、先にカメラ3をカメラカバー2に装着し、その後に、そのカメラ3を装着したカメラカバー2を車室外のリアウィンドウ13の上方に取付けても良いし、先にカメラ3を車室外のリアウィンドウ13の上方に取付け、その後に、その車室外のリアウィンドウ13の上方に取付けられたカメラ3にカメラカバー2を装着しても良い。
【0026】
図4は上記した光学センサユニット1を含む周辺の電気的な構成を機能ブロック図により示している。本発明でいう車載光学センサ装置は光学センサユニット1と制御部14とを構成要件として含んで構成される。制御部14は、マイクロコンピュータを主体として構成され、予め記憶している制御プログラムを実行することで、カメラ3による撮影動作を制御すると共に、洗浄液タンク15に設けられているモーター16の動作を制御することで洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作を制御する。
【0027】
この場合、モーター16が駆動すると、洗浄液タンク15に貯留されている洗浄液がチューブ10を介して洗浄ノズル9に供給され、洗浄ノズル9に供給された洗浄液は水圧によって噴射口11からカメラ3のレンズ5のレンズ面5aに向けて噴射される。ここでいう噴射とは、洗浄液を霧状にしてレンズ面5aに吹きつける場合と、霧状ほど細かくない程度に粒状にした洗浄液をレンズ面5aに適量供給する場合と、一定量の洗浄液の塊を一度にレンズ面5aに供給する場合など、本発明の効果が発揮されるような噴射であれば全ての場合を含む概念として用いられる。尚、洗浄液タンク15は車体12にあって周知のエンジンルームに設けられている。そして、光学センサユニット1がリアウィンドウ13の上方に設けられているので、洗浄ノズル9からレンズ面5aに向けて噴射された洗浄液はリアウィンドウ13の車室外側のウィンドウ面13aへと流れる。
【0028】
液晶ディスプレイ装置17は、車室内に設けられ、カメラ3から出力された映像信号を入力すると、その入力した映像信号を復号処理することで当該映像信号に対応する映像を表示する。制御部14は、液晶ディスプレイ装置17に表示されている映像を解析することで(例えば素子の輝度の大小を判定することで)映像中に汚れや曇りがあるか否かを検出する。
【0029】
洗浄スイッチ18は、ユーザが操作可能なスイッチであり、ユーザが洗浄スイッチ18を操作すると、操作検出信号を制御部14に出力し、制御部14は、洗浄スイッチ18から出力された操作検出信号を入力すると、駆動指令信号をモーター16に出力してモーター16を駆動させる。尚、制御部14からモーター16に出力される駆動指令信号は例えばレベル信号であり、それらレベル信号がオン(ハイレベル)されている期間だけ洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作が行われる。又、洗浄スイッチ18は機械的に設けられているスイッチであっても良いし液晶ディスプレイ装置17に表示されるタッチスイッチであっても良い。
【0030】
車載LANインタフェース部19は、各種ECU等から車両におけるギアの位置を示すギア位置信号、ACC(アクセサリ)スイッチのオンオフを示すACC信号、IG(イグニッション)スイッチのオンオフを示すIG信号を車載LAN20を介して入力すると、その入力した各種信号を制御部14に出力する。制御部14は、車載LANインタフェース部19から出力された各種信号を入力すると、その入力した各種信号を解析することで、ギアの位置、ACCスイッチのオンオフ、IGスイッチのオンオフを検出する。
【0031】
次に、上記した構成の作用について、図5を参照して説明する。
制御部14は、電源オン状態(光学センサユニット1の起動状態)にあるときには、洗浄スイッチ18が操作されたか否かを判定している(ステップS1)。ここで、制御部14は、洗浄スイッチ18から出力された操作検出信号を入力し、洗浄スイッチ18が操作されたと判定すると(ステップS1にて「YES」)、駆動指令信号をモーター16に出力してモーター16を駆動させ、洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作を行う(ステップS2)。即ち、洗浄液タンク15に貯留されている洗浄液は洗浄ノズル9に供給されて噴射口11からカメラ3のレンズ5のレンズ面5aに向けて噴射される。この場合、制御部14は、モーター16に出力する駆動指令信号のレベルを予め設定されている所定期間(例えば数秒)だけオンすることで、洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作を予め設定されている所定期間だけ行っても良いし、モーター16に出力する駆動指令信号のレベルをユーザが洗浄スイッチ18を操作している(例えば押続けている)期間だけオンすることで、洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作をユーザが洗浄スイッチ18を操作している期間だけ行っても良い。又、洗浄液の液量を計量する機能を有していれば、噴射した洗浄液の液量が所定量となるだけ行っても良い。そして、制御部14は、上記したステップS1、S2を繰返して行う。
【0032】
以上に説明したように第1の実施形態によれば、カメラ3が着脱可能なカメラカバー2に、洗浄液を貯留可能な洗浄液タンク15から供給された洗浄液をカメラ3のレンズ5のレンズ面5aに向けて噴射して当該レンズ面5aを洗浄する洗浄ノズル9を設けたので、従来の圧縮空気を噴射する圧縮空気発生ユニットを不要とし、低コスト化及び小型化を図りながらも、レンズ面5aに付着した水滴や泥等の付着物を適切に除去することができ、カメラ3を適切に動作させることができる。又、カメラカバー2に対してカメラ3を着脱可能に設けたので、カメラ3だけを容易に交換することができる。
【0033】
又、洗浄ノズル9から噴射された洗浄液がレンズ面5aを洗浄した後にリアウィンドウ13のウィンドウ面13aへと流れるので、ウィンドウ面13aに付着した土埃等(比較的軽い付着物)を洗浄液により適切に除去する(洗い流す)ことができ、ユーザ(運転者等)の視界を良好に確保することができる。又、カメラ3が車室外に設けられているので、ピラーが撮影視野(画角)内に存在したり、リアウィンドウ13に貼付けられているシールや装飾物等が撮影視野内に存在したりすることがなく、カメラ3の視界を良好に確保することができる。
【0034】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。尚、上記した第1の実施形態と同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。上記した第1の実施形態は、ユーザが洗浄スイッチ18を操作したことをトリガとして洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作を行う、即ち、洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作を手動で行う構成であるが、第2の実施形態は、車両におけるギアの位置が後退位置にシフトされたこと、IGスイッチがオフからオンに切換わったこと、IGスイッチがオンからオフに切換わったことを動作条件とし、何れかの動作条件が成立したこと又は映像中に汚れがあることをトリガとして洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作を行う、即ち、洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作を自動で行う構成である。第2の実施形態では、制御部31は、カウント機能を有している。
【0035】
図7において、制御部31は、電源オン状態(光学センサユニット1の起動状態)にあるときには、上記した何れかの動作条件が成立したか否かを判定すると共に(ステップS11)、映像中に汚れがあるか否かを判定する(ステップS12)。ここで、制御部31は、何れかの動作条件が成立した、即ち、車両におけるギアの位置が後退位置にシフトされた、IGスイッチがオフからオンに切換わった及びIGスイッチがオンからオフに切換わったことの何れかを判定すると(ステップS11にて「YES」)、又は、映像中に汚れがあると判定すると(ステップS12にて「YES」)、モーター16を駆動させ、洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作を予め設定されている所定期間だけ行う(ステップS13)。
【0036】
次いで、制御部31は、洗浄回数カウンタのカウント値をインクリメント(「1」加算)し(ステップS14)、インクリメントした洗浄回数カウンタのカウント値が所定回数未満であるか否かを判定し(ステップS15)、インクリメントした洗浄回数カウンタのカウント値が所定回数未満であると判定すると(ステップS15にて「YES」)、上記したステップS12に戻り、ステップS12以降を繰返して行う。一方、制御部31は、インクリメントした洗浄回数カウンタのカウント値が所定回数以上であると判定すると(ステップS15にて「NO」)、洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作を所定回数行ったことを示すエラー表示を液晶ディスプレイ装置17により行い(ステップS16)、洗浄回数カウンタのカウント値をリセットし(ステップS17)、一連の処理を終了する。
【0037】
又、制御部31は、映像中に汚れがない(洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作を行ったことで汚れが解消された)と判定すると(ステップS12にて「NO」)、洗浄回数カウンタのカウント値をリセットし(ステップS18)、上記したステップS11に戻り、ステップS11以降を繰返して行う。
【0038】
以上に説明したように第2の実施形態によれば、車両におけるギアの位置が後退位置にシフトされたこと、IGスイッチがオフからオンに切換わったこと、IGスイッチがオンからオフに切換わったこと又は映像中に汚れがあることを検出する毎に、カメラ3のレンズ5のレンズ面5aを自動で洗浄することができる。尚、以上は、洗浄回数カウンタのカウント値が所定回数以上となったときにエラー表示を行うようにしたが、洗浄時間を計時する機能を有する構成であれば、洗浄時間が所定時間になったときにエラー表示を行うようにしても良い。
【0039】
光学センサは、カメラ3に限らず、レンズを有して物理量を光学的に測定する装置であれば良く、レーザー等の他のセンサであっても良い。
洗浄回数カウンタのカウント値が所定回数以上であると判定したときにエラー表示を液晶ディスプレイ装置17により行う構成に限らず、エラー音声をスピーカから出力させる構成であっても良いし、シートやハンドルに振動発生装置や静電気発生装置を設け、振動や静電気をシートやハンドルから発生させる構成であっても良いし、これらを併用しても良い。即ち、視覚、聴覚、触覚のうち何れを用いて報知する方法であっても良い。
【0040】
図5で説明した洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作を手動で行う構成と図7で説明した洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作を自動で行う構成とを併用しても良い。
【0041】
図8に示すように、カメラ3のレンズ5のレンズ面5aが撥水処理され、撥水膜41がレンズ面5aにコーティングされている構成であっても良い。又、レンズ面5aが撥水処理されることに限らず、レンズ面5aが親水処理、光触媒処理又は防汚処理され、親水膜、光触媒膜又は防汚膜がレンズ面5aにコーティングされている構成であっても良い。このように構成すれば、レンズ面5aに水滴や泥等の付着物が付着することを回避することができる。そして、たとえ水滴や泥等の付着物が付着したとしても、洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作が行われることで好適にレンズ面5aを洗浄することができる。
【0042】
図9に示すように、カメラカバー51の筐体52にあって洗浄ノズル9と並行してウィンドウ洗浄ノズル53が設けられ、洗浄液タンク15に貯留されている洗浄液がチューブ54を介してウィンドウ洗浄ノズル53に供給され、ウィンドウ洗浄ノズル53に供給された洗浄液が噴射口55からリアウィンドウ13のウィンドウ面13aに向けて噴射される構成であっても良い。このように構成すれば、カメラ3のレンズ5のレンズ面5aを洗浄することに加えてリアウィンドウ13のウィンドウ面13aをも洗浄することができ、多機能化を実現することができる。尚、洗浄ノズル9に供給される洗浄液を貯留する洗浄液タンク15とは別に、ウィンドウ洗浄ノズル53に供給される洗浄液を貯留する洗浄液タンクが設けられている構成であっても良い。又、洗浄ノズル9の噴射口11の噴射方向を可変することでカメラ3のレンズ5のレンズ面5aに向けて洗浄液を噴射する動作とリアウィンドウ13のウィンドウ面13aに向けて洗浄液を噴射する動作とを選択的に行う構成であっても良い。
【0043】
図10に示すように、カメラカバー61の筐体62にあって受け皿63及びチューブ64が設けられ、洗浄ノズル9の噴射口11からカメラ3のレンズ5のレンズ面5aに向けて噴射されたことに応じてレンズ面5aから垂れる洗浄液が受け皿63で受けられ、受け皿63に受けられた洗浄液がウィンドウ面13aへと流れることなく排水される構成であっても良い。又、これとは反対に、受け皿に孔が設けられ、レンズ面5aから垂れた洗浄液が孔を介してのウィンドウ面13aへと流れる構成であっても良い。
【0044】
図11に示すように、カメラカバー71の筐体72にあって庇73が設けられる構成であっても良い。このように構成すれば、上方からの水滴や泥等(特に雨滴)の付着物がレンズ面5aに付着することを回避することができる。
【0045】
図12に示すように、カメラカバー81の筐体82にあってカメラ3のレンズ5のレンズ面5aの下端部に近い(レンズ5の真下)部位に突起物83が設けられる構成であっても良い。このように構成すれば、たとえレンズ面5aの下端部に水滴が溜まったとしても、そのレンズ面5aの下端部に溜まった水滴を突起物83に接触させることで水滴をレンズ面5aの下方に誘導して除去することができる。
【0046】
図13に示すように、カメラカバー91の筐体92にあってカメラ3のレンズ5のレンズ面5aの下端部に近い部位に突起物93が設けられ、その突起物93が溝部94に沿って上下方向に移動可能に設けられる構成であっても良い。このように構成すれば、レンズ5の曲率や径の違いによりレンズ面5aの下端部に水滴が溜まる位置が異なるが、例えばレンズ5の径が大きければ突起物93を下方向に移動させ、一方、レンズ5の径が小さければ突起物93を上方向に移動させる等、突起物93を上下方向に移動させることで水滴を突起物93に適切に接触させることができ、レンズ5の曲率や径の違いに対してフレキシブルに対応することができる。尚、突起物93が溝部94に沿って上下方向に移動可能な構成としては、例えば突起物93に雄ネジ部が設けられると共に溝部94に雌ネジ部が設けられ、雄ネジ部と雌ネジ部とが噛み合う構成等が挙げられる。
【0047】
図14に示すように、カメラカバー101の筐体102にあって正面側に透明部材からなるカバーガラス103がカメラ3のレンズ5に対向して設けられ、洗浄液タンク15からチューブ10を介して洗浄ノズル9に供給された洗浄液が噴射口11からカバーガラス103のガラス面103aに向けて噴射される構成であっても良い。この場合、筐体102の内部にカメラ3全体が収容されるので、筐体102の前後方向(正面側から背面側まで)の寸法は第1の及び第2の実施形態で説明した筐体6の寸法よりも長くなる。このように構成すれば、カメラ3のレンズ5をカバーガラス103により保護した上で、洗浄液をガラス面103aに向けて適切に噴射して当該ガラス面103aに付着した付着物を適切に除去することができ、カメラ3が被写体を適切に撮影できなくなるといった不具合を回避してカメラ3を適切に動作させることができる。
【0048】
図15に示すように、カバーガラス103のガラス面103aが撥水処理され、撥水膜111がガラス面103aにコーティングされている構成であっても良い。又、この場合も、ガラス面103aが撥水処理されることに限らず、ガラス面103aが親水処理、光触媒処理又は防汚処理され、親水膜、光触媒膜又は防汚膜がガラス面103aにコーティングされている構成であっても良い。このように構成すれば、ガラス面103aに水滴や泥等の付着物が付着することを回避することができる。そして、たとえ水滴や泥等の付着物が付着したとしても、洗浄ノズル9によるガラス面103aの洗浄動作が行われることで好適にガラス面103aを洗浄することができる。
【0049】
図16に示すように、カメラカバー121の筐体122にあってカバーガラス103のガラス面103aをワイピングするワイパー123と当該ワイパー123を可動させるモーター124とを含むワイピング機構125が設けられ、洗浄液が洗浄ノズル9の噴射口11からカバーガラス103のガラス面103aに向けて噴射されている途中又は噴射された後に、カバーガラス103のガラス面103aがワイピング機構125によりワイピングされる構成であっても良い。このように構成すれば、カバーガラス103のガラス面103aに洗浄液が付着したまま放置されることを回避することができる。又、カバーガラス103を備えない構成であれば、カメラ3のレンズ5のレンズ面5aをワイピングするワイピング機構が設けられても良い。
【0050】
図17に示すように、カメラカバー131の筐体132にあってカバーガラス103を回転させるシールドベアリング133とモーター134とを含む回転機構135が設けられ、洗浄液が洗浄ノズル9の噴射口11からカバーガラス103のガラス面103aに向けて噴射されている途中又は噴射された後に、カバーガラス103が回転機構135により回転される構成であっても良い。このように構成すれば、カバーガラス103が回転されることで、カバーガラス103のガラス面103aに付着した洗浄液が飛ばされ、カバーガラス103のガラス面103aに洗浄液が付着したまま放置されることを回避することができる。この場合、例えばカバーガラス103に人が触れると回転が妨げられ、本来の洗浄液除去の能力が十分発揮されない状況が考えられるので、これを回避するために、車速が一定速度以上(例えば時速1[km]以上)であること又はウィンドウが閉鎖されていることを条件としてカバーガラス103が回転機構135により回転されるように構成すれば良い。
【0051】
即ち、通常、車外にいる人は、停車中又は停止中の車両には近づくことができるので、不用意にカバーガラス103に触れてしまう可能性があるが、走行中の車両には近づかないので、不用意にカバーガラス103に触れてしまうことはない。そこで、車速が一定速度以上である場合にカバーガラス103を回転機構135により回転させるようにする。これにより、車外の人が接触したことによる洗浄液除去の能力低下を防止することができる。又、カバーガラス103が例えばドアミラーなど車室内の乗員の手に触れる可能性のある位置に設置されている場合には、乗員の接触防止対策を施しておくのが良い。そこで、ウィンドウが閉鎖されていることを条件としてカバーガラス103が回転機構135により回転されるように構成すれば、回転しているカバーガラス103に乗員が触れることによる不具合が防止できる。この場合、必ずしもウィンドウは閉鎖されている必要はない。少なくとも車両乗員が車窓から身体を車外に突出してカバーガラス103に触れることが不可能な状態となる位置までウィンドウが閉められていれば多少窓を開けていても問題ない。この場合は、車窓から外気を導入することができるので、そのようなニーズがある場合には都合が良い。ウィンドウの開閉状態をどの程度にするかは、カバーガラス103の車両設置位置と車両乗員がどの程度身体を車外に出すことができるかとの関係に基づいて適宜設計的に決められる。
【0052】
図18に示すように、カメラカバー141の筐体142にあって超音波又は低周波を発生することでカバーガラス103を振動させる圧電素子143と電極144とを含む振動機構145が設けられ、洗浄液が洗浄ノズル9の噴射口11からカバーガラス103のガラス面103aに向けて噴射されている途中又は噴射された後に、カバーガラス103が振動機構145により振動される構成であっても良い。このように構成すれば、この場合も、カバーガラス103のガラス面103aに洗浄液が付着したまま放置されることを回避することができる。
【0053】
図19に示すように、カメラカバー151の筐体152にあってカバーガラス103のガラス面103aにエアを噴射するエアノズル153とチューブ154とエアポンプ155とを含むエア噴射機構156が設けられ、洗浄液が洗浄ノズル9の噴射口11からカバーガラス103のガラス面103aに向けて噴射されている途中又は噴射された後に、エア噴射機構156からカバーガラス103のガラス面103aにエアが噴射される構成であっても良い。このように構成すれば、この場合も、カバーガラス103のガラス面103aに洗浄液が付着したまま放置されることを回避することができる。
【0054】
図16で説明したワイピング機構125、図17で説明した回転機構135、図18で説明した振動機構145、図19で説明したエア噴射機構156が車両ワイパーの起動状態と連動するように構成され、車両ワイパーが起動している期間で、それらワイピング機構125、回転機構135、振動機構145、エア噴射機構156が起動する構成であっても良い。このように構成すれば、雨滴がレンズ面5a又はガラス面103aに付着することを回避することができ、又、雨滴がレンズ面5a又はガラス面103aに付着したとしても、その雨滴を除去することができる。
【0055】
図20に示すように、カメラカバー161の筐体162にあって洗浄ノズル163がカメラ3の側方に設けられ、洗浄液タンク15に貯留されている洗浄液がチューブ10を介して洗浄ノズル163に供給され、洗浄ノズル163に供給された洗浄液が噴射口164からレンズ5のレンズ面5に向けて側方から噴射される構成であっても良い。この場合、洗浄ノズル163は、図1で説明した洗浄ノズル9が筐体6の全体に延びて設けられているのと同様にして、筐体162の全体に延びて設けられている。このように構成すれば、洗浄ノズル163がカメラ3の側方に設けられている分、車載光学センサ装置の高さ方向の寸法を抑えることができる。即ち、車載光学センサ装置は車両に取付けられて使用されることになるが、車種によっては車両構造上又は車両メーカの要求によりその取付位置の制限や見栄えなどの観点から、図1のような車載光学センサ装置を用いる場合や図20のような車載光学センサ装置を用いる場合がある。本実施形態では少なくとも車両に対して縦配置又は横配置が可能となる異なる構造の車載光学センサ装置を各々車種に合わせて使い分けられる点で有利となる。
【0056】
図21及び図22に示すように、赤外線を照射する赤外線ライト171が一体化されたカメラ172が収容され、洗浄液タンク15に貯留されている洗浄液が洗浄ノズル9に供給されて噴射口11からカメラ172のレンズ173のレンズ面に向けて噴射されると共に赤外線ライト171にも向けて噴射される構成であっても良い。赤外線ライト171は、例えば夜間などカメラ3で画像を撮像する際に周囲の明るさを補助するために用いられるものである。したがって、図21及び図22に示すような実施形態によれば、赤外線ライト171のレンズに付着する異物を好適に除去することができ、赤外線の照射を好適に行うことができる。尚、図21及び図22において、赤外線ライト171に代えて可視光ライトとしても良い。可視光ライトであっても赤外線ライト171と同様な効果が得られる。
【0057】
図23に示すように、光学センサユニット1が車体12にあってリアウィンドウ13の上方に設けられることに加えて、光学センサユニット1が車両側方に取付けられているサイドミラーの下部に設けられ、カメラ3が車両後側方を撮影する構成であっても良い。即ち、複数のカメラが搭載される構成であっても良い。
【0058】
上記した複数の実施形態のうち幾つかが任意に組み合わされた構成であっても良く、例えば図10で説明した受け皿63と図11で説明した庇73と図16で説明したワイピング機構125とを同時に備える構成等であっても良い。
【0059】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について、図24乃至図29を参照して説明する。尚、上記した第1の実施形態と同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。第3の実施形態では、図24及び図25に示すように、光学センサユニット201を構成するカメラカバー202にあって筐体203の内部にはカメラ3が収容部7に正常に収容されている状態でカメラ3のレンズ5の側方周囲全体を覆うと共に洗浄ノズル9の先端部9b側の一部(本実施形態では屈曲部分周辺)に接するようにヒーター204(本発明でいう第1の加熱手段)及び当該ヒーター204に電流を供給する電線(図示せず)等が設けられている。ヒーター204は例えば熱線がメッシュ状に張られることで設けられている。ヒーター204から発せられた熱はカメラ3のレンズ5及び洗浄ノズル9の先端部9b側の一部に伝達される。
【0060】
光学センサユニット201は、第1の実施形態で説明した光学センサユニット1と同様に、図26に示すように例えば車体12にあってリアウィンドウ13の上方の車室外に設けられる。リアウィンドウ13には熱線205(本発明でいう第2の加熱手段)が貼付けられており、車体12にはリアウィンドウ13のウィンドウ面13a上を摺動するワイパー206が設けられている。熱線205から発せられた熱はリアウィンドウ13に伝達される。ワイパー206は、ウィンドウ面13aに接するゴム材(ゴムブレード)を有し、リアウィンドウ13の下方を回動中心として所定の回動角度で往復回動することで、ゴム材がウィンドウ面13a上を摺動し、ウィンドウ面13aに付着している水滴や土埃等の付着物を除去する(拭い取る)。
【0061】
図27は上記した光学センサユニット201を含む周辺の電気的な構成を機能ブロック図により示している。制御部207(本発明でいう制御手段)は、マイクロコンピュータを主体として構成され、予め記憶している制御プログラムを実行することで、カメラ3による撮影動作、ヒーター204によるレンズ面5a及び洗浄ノズル9の加熱動作を制御すると共に、洗浄液タンク15に設けられているモーター16の動作を制御することで洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作を制御する。又、制御部207は、ワイパー206によるウィンドウ面13aの洗浄動作、熱線205によるリアウィンドウ13(ウィンドウ面13a)の加熱動作をも制御する。
【0062】
洗浄スイッチ208(本発明でいう第1の操作手段)は、第1の実施形態で説明した洗浄スイッチ18と同様に、ユーザが操作可能なスイッチであり、ユーザが洗浄スイッチ208を操作すると、操作検出信号を制御部207に出力し、制御部207は、洗浄スイッチ208から出力された操作検出信号を入力すると、駆動指令信号をモーター16に出力してモーター16を駆動させ、駆動指令信号をワイパー206(を駆動するモーター(図示せず)に出力してワイパー206を駆動させる。制御部207からモーター16に出力される駆動指令信号は例えばレベル信号であり、それらレベル信号がオン(ハイレベル)されている期間だけ洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作が行われ、制御部207からワイパー206に出力される駆動指令信号は例えばレベル信号であり、それらレベル信号がオン(ハイレベル)されている期間だけワイパー206によるウィンドウ面13aの洗浄動作が行われる。又、洗浄スイッチ208も機械的に設けられているスイッチであっても良いし液晶ディスプレイ装置17に表示されるタッチスイッチであっても良い。
【0063】
ヒータースイッチ209(本発明でいう第2の操作手段)は、ユーザが操作可能なスイッチであり、ユーザがヒータースイッチ209を操作すると、操作検出信号を制御部207に出力し、制御部207は、ヒータースイッチ209から出力された操作検出信号を入力すると、駆動指令信号をヒーター204に出力してヒーター204を駆動させ、駆動指令信号を熱線205に出力して熱線205を駆動させる(通電して発熱させる)。制御部207からヒーター204に出力される駆動指令信号は例えばレベル信号であり、それらレベル信号がオン(ハイレベル)されている期間だけヒーター204によるレンズ面5a及び洗浄ノズル9の加熱動作が行われ、制御部207から熱線205に出力される駆動指令信号は例えばレベル信号であり、それらレベル信号がオン(ハイレベル)されている期間だけ熱線205によるウィンドウ面13aの加熱動作が行われる。又、ヒータースイッチ209も機械的に設けられているスイッチであっても良いし液晶ディスプレイ装置17に表示されるタッチスイッチであっても良い。
【0064】
次に、上記した構成の作用について、図28を参照して説明する。
制御部207は、電源オン状態(光学センサユニット201の起動状態)にあるときには、洗浄スイッチ208が操作されたか否かを判定すると共に(ステップS21)、ヒータースイッチ209が操作されたか否かを判定している(ステップS22)。ここで、制御部207は、洗浄スイッチ208から出力された操作検出信号を入力し、洗浄スイッチ208が操作されたと判定すると(ステップS21にて「YES」)、駆動指令信号をモーター16に出力してモーター16を駆動させ、洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作を行う(ステップS23)。
【0065】
即ち、洗浄液タンク16に貯留されている洗浄液は洗浄ノズル9に供給されて噴射口11からカメラ3のレンズ5のレンズ面5aに向けて噴射される。この場合も、制御部207は、洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作を予め設定されている所定期間(例えば数秒)だけ行っても良いしユーザが洗浄スイッチ18を操作している(例えば押続けている)期間だけ行っても良い。又、洗浄液の液量を計量する機能を有していれば、噴射した洗浄液の液量が所定量となるだけ行っても良い。洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作を行うことで、レンズ面5aに付着している付着物を除去することができる。
【0066】
次いで、制御部207は、所定時間(数秒)を計測するタイマによる計時を開始し(ステップS24)、タイマにより所定時間を計測したか否か(タイムアップしたか否か)を判定し(ステップS25)、タイマが所定時間を計測したと判定すると(ステップS25にて「YES」)、駆動指令信号をワイパー206に出力してワイパー206を駆動させ、ワイパー206によるウィンドウ面13aの洗浄動作を行う(ステップS26)。この場合、制御部207は、ワイパー206によるウィンドウ面13aの洗浄動作を予め設定されている所定期間(例えば数秒)や所定回数(例えば数回)だけ行っても良い。ワイパー206がウィンドウ面13a上を摺動することで、ウィンドウ面13aへと流れた洗浄液を除去する(拭い取る)ことができ、又、その洗浄液がウィンドウ面13a上を滑って広範囲に拡がることで、ウィンドウ面13aに付着した土埃等(比較的軽量な付着物)をも洗浄液と共に広範囲で除去することができる。即ち、ワイパー206によるウィンドウ面13aの洗浄動作とは、ウィンドウ面13a上に残ってしまった洗浄液を広範囲に広げることで、洗浄液そのものを除去することと、ウィンドウ面13aに付着した土埃等をも洗浄液と共に広範囲で除去することを含む。
【0067】
制御部207は、ヒータースイッチ209から出力された操作検出信号を入力し、ヒータースイッチ209が操作されたと判定すると(ステップS22にて「YES」)、駆動指令信号をヒーター204に出力してヒーター204を駆動させ、ヒーター204によるレンズ面5a及び洗浄ノズル9の加熱動作を行い(ステップS27)、駆動指令信号を熱線205に出力して熱線205を駆動させ、熱線205によるウィンドウ面13aの加熱動作を行う(ステップS28)。即ち、ヒーター204から発せられた熱はカメラ3のレンズ5の側方周囲全体に伝達されると共に洗浄ノズル9の先端部9b側に伝達され、熱線205から発せられた熱はリアウィンドウ13に伝達される。この場合、制御部207は、ヒーター204によるレンズ面5a及び洗浄ノズル9の加熱動作及び熱線205によるウィンドウ面13aの加熱動作を予め設定されている所定期間だけ行っても良いし、ユーザがヒータースイッチ209を操作している(例えば押続けている)期間だけ行っても良い。
【0068】
以上に説明したように第3の実施形態によれば、洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作を行った後に、ワイパー206によるウィンドウ面13aの洗浄動作を行うようにしたので、たとえレンズ面5aの洗浄を終えた洗浄液がウィンドウ面13a上に残ってしまったとしても、そのウィンドウ面13a上に残ってしまった洗浄液を適切に除去する(拭い取る)ことができ、洗浄液がウィンドウ面13a上に残ってしまってユーザの視界が妨げられることを回避することができ、ユーザの視界をより良好に確保することができる。又、洗浄液がウィンドウ面13a上を滑って広範囲に拡がることで、ウィンドウ面13aに付着した土埃等(比較的軽量な付着物)をも洗浄液と共に広範囲で除去する(洗い流す)ことができる。
【0069】
即ち、レンズ面5aの洗浄を終えた洗浄液がウィンドウ面13a上に残ってしまう(流れない)ということは、洗浄液の流れを妨げる付着物が付着している可能性が高く、その付着物はユーザの視界を妨げる可能性も高いので、ワイパー206によるウィンドウ面13aの洗浄動作を行うことで、ウィンドウ面13a上に残ってしまった洗浄液を除去することだけでなく、洗浄液の流れを妨げる付着物をも洗浄液と共に除去することができ、ユーザの視界をより良好に確保することができる。
【0070】
又、洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作を開始してから所定時間が経過した後にワイパー206によるウィンドウ面13aの洗浄動作を開始するようにしたので、洗浄液が洗浄ノズル9から噴射されてからウィンドウ面13aへと流れるまでの遅延を考慮した適切なタイミングで、ウィンドウ面13aへと流れた洗浄液を除去することができる。又、洗浄液がウィンドウ面13aへと流れていない状態でワイパー206がウィンドウ面13a上を摺動しないようにすることで、洗浄液が無いことよるワイパー206やウィンドウ面13aの損傷を回避することができ、更に、洗浄液が無いことよる不快音の発生を回避することができる。
【0071】
又、ヒーター204によるレンズ面5aの加熱動作を行うことで、レンズ面5aに氷や雪が付着している場合であれば、そのレンズ面5aに付着している氷や雪を溶かすことができ、又、レンズ面5aに氷や雪が付着したりレンズ面5aが曇ったりすることを回避することができ、カメラ3の視界を良好に確保することができる。又、ヒーター204による洗浄ノズル9の加熱動作を行うことで、洗浄ノズル9内の洗浄液が凍ってしまうことを回避することができる。更に、レンズ面5aを加熱する状況では、ウィンドウ面13aをも加熱する必要性が高いことから、熱線205によるウィンドウ面13aの加熱動作を行うことで、ウィンドウ面13aに氷や雪が付着している場合であれば、そのウィンドウ面13aに付着している氷や雪を溶かすことができ、又、ウィンドウ面13aに氷や雪が付着したりウィンドウ面13aが曇ったりすることを回避することができ、ユーザの視界を良好に確保することができる。
【0072】
尚、洗浄スイッチ208の操作時間に基づいて、洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作だけを行うか、洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作とワイパー206によるウィンドウ面13aの洗浄動作との双方を連動して行うかを選択するようにしても良い。具体的には、洗浄スイッチ208をプッシュ型のスイッチで構成し、洗浄スイッチ208の操作時間が所定時間未満であれば(短押しであれば)、洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作だけを行い、一方、洗浄スイッチ208の操作時間が所定時間以上であれば(長押しであれば)、洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作とワイパー206によるウィンドウ面13aの洗浄動作との双方を連動して行うようにしても良い。即ち、ユーザにおいては、例えばウィンドウ面13aに撥水膜をコーティングしている場合であれば、レンズ面5aの洗浄を終えた洗浄液がウィンドウ面13a上に残ってしまう可能性が低いと判断し、レンズ面5aの洗浄動作だけを行いたいと考えることが想定されるが、このような場合でも、レンズ面5aの洗浄動作だけを行いたいというユーザの要求に応えることができる。
【0073】
洗浄スイッチ208を操作することで、洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作とワイパー206によるウィンドウ面13aの洗浄動作とが連動する、即ち、洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作のトリガとなるスイッチとワイパー206によるウィンドウ面13aの洗浄動作のトリガとなるスイッチとを同一としたので、ユーザの操作が簡単になり、ユーザの操作性を高めることができると共に、光学センサユニット201を製造するメーカーにおいても、洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作を行うスイッチと、ワイパー206によるウィンドウ面13aの洗浄動作を行うスイッチとを別々に設ける必要がなく、コスト高を抑えることができ、装置の大型化を抑えることができる。
【0074】
又、洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作のトリガとなるスイッチと、ワイパー206によるウィンドウ面13aの洗浄動作のトリガとなるスイッチとを別々に設けても良い。又、レンズ面5aの洗浄動作やウィンドウ面13aの洗浄動作のトリガは、このようなユーザがスイッチを操作することに限らず、上記した第2の実施形態で説明したような、車両におけるギアの位置が後退位置にシフトされたこと、IGスイッチがオフからオンに切換わったこと、IGスイッチがオンからオフに切換わったこと又は映像中に汚れがあることを検出したこと等であっても良い。
【0075】
ヒータースイッチ209を操作することで、ヒーター204によるレンズ面5a及び洗浄ノズル9の加熱動作と熱線205によるウィンドウ面13aの加熱動作とが連動する、即ち、ヒーター204によるレンズ面5a及び洗浄ノズル9の加熱動作のトリガとなるスイッチと熱線205によるウィンドウ面13aの加熱動作のトリガとなるスイッチとを同一としたので、ユーザの操作が簡単になり、ユーザの操作性を高めることができると共に、光学センサユニット201を製造するメーカーにおいても、ヒーター204によるレンズ面5a及び洗浄ノズル9の加熱動作を行うスイッチと、熱線205によるウィンドウ面13aの加熱動作を行うスイッチとを別々に設ける必要がなく、コスト高を抑えることができ、装置の大型化を抑えることができる。
【0076】
ヒーター204によるレンズ面5a及び洗浄ノズル9の加熱動作のトリガとなるスイッチと、熱線205によるウィンドウ面13aの加熱動作のトリガとなるスイッチとを別々に設けても良い。又、レンズ面5a及び洗浄ノズル9の加熱動作やウィンドウ面13aの加熱動作のトリガは、このようなユーザがスイッチを操作することに限らず、気温を計測する温度センサを設けることで、その温度センサが計測した気温が所定温度以下まで低下したこと、降雪センサを設けることで、その降雪を降雪センサが検出したこと等であっても良い。
【0077】
レンズ5を加熱するヒーターと、洗浄ノズル9を加熱するヒーターとを別々に設けても良い。又、レンズ5を加熱するヒーター及び洗浄ノズル9を加熱するヒーターのうち何れかだけであっても良い。又、洗浄ノズル9を加熱するヒーターとしては、洗浄ノズル9の全体を加熱する構成であっても良い。
【0078】
図29に示すように、カメラカバー211の筐体212にあって正面側に透明部材からなるカバーガラス213がカメラ3のレンズ5に対向して設けられ、洗浄液が噴射口11からカバーガラス213のガラス面213aに向けて噴射される構成でも、カバーガラス213の側方周囲全体を覆うと共に洗浄ノズル9の先端部9b側の一部に接するようにヒーター214及び当該ヒーター214に電流を供給する電線(図示せず)等が設けられていても良い。この場合、制御部207は、ヒータースイッチ209が操作されたと判定すると、ヒーター214によるガラス面213a及び洗浄ノズル9の加熱動作を行い、熱線205によるウィンドウ面13aの加熱動作を行う。
【0079】
(その他の実施形態)
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
上記した各実施形態においては、制御部と光学センサユニットとを構成要件として含んで車載光学センサ装置を説明したが、制御部をカメラカバーの一部として構成しても良い。
光学センサがリアウィンドウの上方に設けられる構成に限らず、光学センサが他方向のウィンドウ(例えばサイドウィンドウ)の上方に設けられる構成であっても良い。即ち、第3の実施形態で説明した洗浄ノズル9によるレンズ面5aの洗浄動作とワイパー206によるウィンドウ面13aの洗浄動作との関係は、光学センサの洗浄を終えた洗浄液がウィンドウ面へと流れ、そのウィンドウ面上をワイパーが摺動する構成であれば、どのような構成にも適用することができる。
【符号の説明】
【0080】
図面中、1は光学センサユニット(車載光学センサ装置)、2はカメラカバー(車載光学センサカバー)、3はカメラ(光学センサ)、5はレンズ、5aはレンズ面、7は収容部、9は洗浄ノズル、13はリアウィンドウ(ウィンドウ)、13aはウィンドウ面、15は洗浄液タンク、103はカバーガラス、103aはガラス面、201は光学センサユニット(車載光学センサ装置)、202はカメラカバー(車載光学センサカバー)、204はヒーター(第1の加熱手段)、205は熱線(第2の加熱手段)、206はワイパー、207は制御部(制御手段)、208は洗浄スイッチ(第1の操作手段)、209はヒータースイッチ(第2の操作手段)、213はヒーター(第1の加熱手段)、213はカバーガラス、213aはガラス面である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室外で車両のウィンドウの上方に設けられた光学センサを収容する収容部と、
洗浄液を貯留可能な洗浄液タンクから供給された洗浄液を前記収容部に収容されている前記光学センサのレンズのレンズ面又は当該レンズに対向するカバーガラスがある場合には当該カバーガラスのガラス面に向けて噴射して当該レンズ面又は当該ガラス面を洗浄する洗浄動作を行う洗浄ノズルと、を備え、
車室外で車両のウィンドウの上方に、前記洗浄ノズルから噴射された洗浄液が前記レンズ面又は前記ガラス面を洗浄した後に前記ウィンドウのウィンドウ面へと流れる位置に設けたことを特徴とする車載光学センサカバー。
【請求項2】
請求項1に記載した車載光学センサカバーと、
前記洗浄ノズルによる前記レンズ面又は前記ガラス面の洗浄動作を制御すると共に、前記ウィンドウのウィンドウ面上を摺動するワイパーによる前記ウィンドウ面の洗浄動作を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記洗浄ノズルによる前記レンズ面又は前記ガラス面の洗浄動作と前記ワイパーによる前記ウィンドウ面の洗浄動作とを連動して行うことを特徴とする車載光学センサ装置。
【請求項3】
請求項2に記載した車載光学センサ装置において、
ユーザが操作可能な第1の操作手段を備え、
前記制御手段は、ユーザが前記第1の操作手段を操作したことに応じて、前記洗浄ノズルによる前記レンズ面又は前記ガラス面の洗浄動作と前記ワイパーによる前記ウィンドウ面の洗浄動作とを連動して行うことを特徴とする車載光学センサ装置。
【請求項4】
請求項3に記載した車載光学センサ装置において、
前記制御手段は、ユーザが前記第1の操作手段を操作した操作時間が所定時間未満である場合には前記洗浄ノズルによる前記レンズ面又は前記ガラス面の洗浄動作を行う一方で前記ワイパーによる前記ウィンドウ面の洗浄動作を行うことなく、ユーザが前記第1の操作手段を操作した操作時間が所定時間以上である場合には前記洗浄ノズルによる前記レンズ面又は前記ガラス面の洗浄動作と前記ワイパーによる前記ウィンドウ面の洗浄動作とを連動して行うことを特徴とする車載光学センサ装置。
【請求項5】
請求項2乃至4の何れかに記載した車載光学センサ装置において、
前記制御手段は、前記洗浄ノズルによる前記レンズ面又は前記ガラス面の洗浄動作を開始してから所定時間が経過した後に前記ワイパーによる前記ウィンドウ面の洗浄動作を開始することを特徴とする車載光学センサ装置。
【請求項6】
請求項2乃至5の何れかに記載した車載光学センサ装置において、
前記レンズ面又は前記ガラス面、又は/及び前記洗浄ノズルを加熱する第1の加熱手段と、
前記ウィンドウ面を加熱する第2の加熱手段と、を備え、
前記制御手段は、前記第1の加熱手段による前記レンズ面又は前記ガラス面、又は/及び前記洗浄ノズルの加熱動作を制御すると共に、前記第2の加熱手段による前記ウィンドウ面の加熱動作を制御し、前記洗浄ノズルによる前記レンズ面又は前記ガラス面の洗浄動作と前記ワイパーによる前記ウィンドウ面の洗浄動作とを連動して行うと共に、前記第1の加熱手段による前記レンズ面又は前記ガラス面、又は/及び前記洗浄ノズルの加熱動作と前記第2の加熱手段による前記ウィンドウ面の加熱動作とを連動して行うことを特徴とする車載光学センサ装置。
【請求項7】
請求項1に記載した車載光学センサカバーと、
前記レンズ面又は前記ガラス面、又は/及び前記洗浄ノズルを加熱する第1の加熱手段と、
前記ウィンドウ面を加熱する第2の加熱手段と
前記第1の加熱手段による前記レンズ面又は前記ガラス面、又は/及び前記洗浄ノズルの加熱動作を制御すると共に、前記第2の加熱手段による前記ウィンドウ面の加熱動作を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記第1の加熱手段による前記レンズ面又は前記ガラス面、又は/及び前記洗浄ノズルの加熱動作と前記第2の加熱手段による前記ウィンドウ面の加熱動作とを連動して行うことを特徴とする車載光学センサ装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載した車載光学センサ装置において、
ユーザが操作可能な第2の操作手段を備え、
前記制御手段は、ユーザが前記第2の操作手段を操作したことに応じて、前記第1の加熱手段による前記レンズ面又は前記ガラス面、又は/及び前記洗浄ノズルの加熱動作と前記第2の加熱手段による前記ウィンドウ面の加熱動作とを連動して行うことを特徴とする車載光学センサ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2011−240920(P2011−240920A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48924(P2011−48924)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】