説明

車載制御装置、車載制御方法及び車載制御用プログラム

【課題】情報端末の所有者に応じた設定で車載装置を制御することができる車載制御装置、車載制御方法及び車載制御用プログラムを提供する。
【解決手段】制御装置は、該制御装置と通信可能な携帯電話が運転者の情報端末であるか否かを判定し(ステップS15)、運転者の情報端末と判定された場合(ステップS15:YES)、携帯電話から設定情報のうち運転者向け処理に関する設定を特定するための運転者用情報を受信し(ステップS17)、運転者用情報が示す設定でのナビゲーション装置の制御を開始する(ステップS18)。一方、運転者の携帯電話と判定されなかった場合(ステップS15:NO)、制御装置は、携帯電話から設定情報のうち同乗者向け処理に関する設定を特定するための同乗者用情報を受信し(ステップS20)、同乗者用情報が示す設定でのナビゲーション装置の制御を開始する(ステップS21)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の乗員が所有する情報端末と連携してナビゲーション装置などの車載装置を制御する車載制御装置、車載制御方法及び車載制御用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の乗員が所有する携帯電話などの情報端末から情報を受信して該情報に基づいた処理を行う車載装置として、例えば特許文献1に記載のナビゲーション装置が提案されている。このナビゲーション装置には、ディスプレイでの表示態様を制御する車載制御装置の一例としての制御部と、ナビゲーション装置の設定状態を個人毎に記憶する記憶部とが設けられている。
【0003】
こうしたナビゲーション装置では、情報端末から個人を識別するための個人識別情報が入力された場合、制御部は、個人識別情報が示す個人に対応するナビゲーション装置の設定状態を記憶部から読み出し、該ナビゲーション装置の設定状態に基づきディスプレイの表示態様を制御する。そのため、車両に搭乗した乗員は、自身の意向に沿ったナビゲーション装置の設定状態を記憶部に予め記憶させておけば、車両に搭乗する度にナビゲーション装置の設定状態を自身の意向に沿った状態にすべく入力操作しなくてもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−340572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年では、車両に搭乗した乗員のうち運転者以外の他の乗員(以下、「同乗者」ともいう。)の車内での快適性を向上させるために、例えば、同乗者用の快適設備を備えるナビゲーション装置の普及が進んでいる。同乗者用の快適設備としては、例えば、同乗者専用のディスプレイが挙げられる。車内での同乗者の快適性を向上させるためには、同乗者の意向に沿った設定で同乗者用の快適設備を制御することが好ましい。
【0006】
特許文献1に記載のナビゲーション装置は、一つの情報端末から取得した個人識別情報が示す個人に対応するナビゲーション装置の設定状態に基づき制御される。そのため、車内に持ち込まれた情報端末の所有者が運転者である場合、同乗者用の快適設備は、運転者の意図に沿った設定状態で制御されることになる。この場合、同乗者用の快適設備の制御態様は、同乗者の意図に沿ったものではない可能性がある。その一方で、車内に持ち込まれた情報端末の所有者が同乗者である場合、ナビゲーション装置が行う運転者向け処理は、同乗者の意図に沿った設定状態で行われる。この場合、運転者に対して、該運転者の意図に沿った運転支援が行われない可能性がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、情報端末の所有者に応じた設定で車載装置を制御することができる車載制御装置、車載制御方法及び車載制御用プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、車載制御装置と通信可能な情報端末に記憶される設定情報を受信し、該受信した設定情報に基づき車載装置を制御する車載制御装置であって、前記情報端末が運転者の情報端末であるか否かを判定する端末判定手段と、前記端末判定手段によって前記情報端末が運転者の情報端末であると判定された場合、当該情報端末から設定情報のうち運転者が享受すべき運転者向け処理に関する設定を特定するための運転者用情報を受信し、前記端末判定手段によって前記情報端末が運転者の情報端末ではないと判定された場合、当該情報端末から設定情報のうち同乗者が享受すべき同乗者向け処理に関する設定を特定するための同乗者用情報を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された運転者用情報が示す設定で前記運転者向け処理を行う第1の制御手段と、前記受信手段によって受信された同乗者用情報が示す設定で前記同乗者向け処理を行う第2の制御手段と、を備えることを要旨とする。
【0009】
上記構成によれば、車載制御装置と通信可能な情報端末がある場合には、当該情報端末が運転者の情報端末であるか否かが判定される。情報端末が運転者の情報端末であると判定された場合には、当該情報端末から設定情報のうち運転者用情報が受信される。そして、運転者向け処理は、受信した運転者用情報に基づき行われる。つまり、運転者用情報として運転者の好みの設定を運転者の情報端末に登録しておけば、車載制御装置による運転者向け処理の実行によって、車載装置は情報端末の所有者である運転者の意図に沿って駆動する。一方、情報端末が運転者の情報端末ではない、即ち同乗者の情報端末であると判定された場合には、当該情報端末から設定情報のうち同乗者用情報が受信される。そして、同乗者向け処理は、受信した同乗者用情報に基づき行われる。つまり、同乗者用情報として同乗者の好みの設定を情報端末に登録しておけば、車載制御装置による同乗者向け処理の実行によって、車載装置は情報端末の所有者である同乗者の意図に沿って駆動する。したがって、情報端末の所有者に応じた設定で車載装置を制御することができる。
【0010】
本発明の車載制御装置において、前記運転者向け処理は、設定された目的地までの経路を案内するナビゲーション処理を含み、前記第1の制御手段は、前記受信手段によって受信された運転者用情報が示す設定で、前記ナビゲーション処理を行う。
【0011】
上記構成によれば、車載制御装置と通信可能な情報端末が運転者の情報端末と判定された場合、目的地までの経路を運転者に案内するナビゲーション処理は、運転者の情報端末から受信した運転者用情報に基づき行われる。そのため、運転者用情報として運転者の好みの設定を運転者の情報端末に登録しておけば、運転者の意図に沿ったナビゲーション処理を行うことができる。
【0012】
本発明の車載制御装置において、前記同乗者向け処理は、設定された目的地までの経路を案内表示するナビゲーション処理とは異なる表示処理を含み、前記第2の制御手段は、前記受信手段によって受信された同乗者用情報が示す設定で、前記表示処理を行う。
【0013】
上記構成によれば、車載制御装置と通信可能な情報端末が同乗者の情報端末と判定された場合、目的地までの経路を運転者に案内するナビゲーション処理とは独立した処理は、同乗者の情報端末から受信した同乗者用情報に基づき行われる。すなわち、同乗者の意図に沿った上記処理を行うことができる。
【0014】
本発明の車載制御装置において、前記車載装置は、同乗者用の表示画面を備えており、前記同乗者向け処理は、前記同乗者用の表示画面の表示態様を制御する表示処理を含み、前記第2の制御手段は、前記受信手段によって受信された同乗者用情報が示す設定で前記同乗者向け処理を行う。
【0015】
一般に、同乗者用の表示画面が設けられる場合、該表示画面には、車内での同乗者の快適性を向上させる画像(例えば、車両で受信したテレビ番組情報に基づくテレビ番組など)が表示される。こうした同乗者用の表示画面は運転者が見るものではないため、同乗者用の表示画面の表示態様は、同乗者の意図に沿った態様であることが好ましい。この点、本発明では、同乗者用の表示画面での表示態様は、同乗者の情報端末と判定された情報端末から受信した同乗者用情報が示す設定で制御される。そのため、同乗者用情報として同乗者の好みの設定を情報端末に登録しておけば、同乗者の好みの設定で、同乗者用の表示画面の表示態様を制御する表示処理を行うことができる。すなわち、車内での同乗者の快適性を向上させることができる。
【0016】
本発明の車載制御装置において、前記車載装置は、運転者用の表示画面を備えており、前記ナビゲーション処理は、設定された目的地までの経路を前記運転者用の表示画面に表示させる処理を含み、前記第1の制御手段は、前記受信手段によって受信された運転者用情報が示す設定で前記ナビゲーション処理を行う。
【0017】
上記構成によれば、運転者用の表示画面での表示態様は、運転者の情報端末と判定された情報端末から受信した運転者用情報が示す設定で制御される。そのため、運転者用情報として運転者の好みの設定を情報端末に登録しておけば、運転者用の表示画面での表示を伴うナビゲーション処理を、運転者の好みの設定で行うことができる。
【0018】
本発明は、車載装置を制御する車載制御装置と通信可能な情報端末から受信した設定情報に基づき前記車載装置を制御させるための車載制御方法であって、前記情報端末が運転者の情報端末であるか否かを判定させる端末判定ステップと、前記端末判定ステップで前記情報端末が運転者の情報端末であると判定した場合に、当該情報端末から設定情報のうち運転者が享受すべき運転者向け処理に関する設定を特定するための運転者用情報を受信させる第1の受信ステップと、前記端末判定ステップで前記情報端末が運転者の情報端末ではないと判定した場合に、当該情報端末から設定情報のうち同乗者が享受すべき同乗者向け処理に関する設定を特定するための同乗者用情報を受信させる第2の受信ステップと、前記第1の受信ステップで受信した運転者用情報が示す設定で前記車載装置を駆動させる運転者向け処理ステップと、前記第2の受信ステップで受信した同乗者用情報が示す設定で前記車載装置を駆動させる同乗者向け処理ステップと、を有することを要旨とする。
【0019】
上記構成によれば、上記車載制御装置と同等の作用・効果を得ることができる。
本発明は、車載制御装置と通信可能な情報端末から受信した設定情報に基づき車載装置を制御する前記車載制御装置が実行する車載制御用プログラムであって、前記車載制御装置に、前記情報端末が運転者の情報端末であるか否かを判定させる端末判定ステップと、前記端末判定ステップで前記情報端末が運転者の情報端末であると判定した場合に、当該情報端末から設定情報のうち運転者が享受すべき運転者向け処理に関する設定を特定するための運転者用情報を受信させる第1の受信ステップと、前記端末判定ステップで前記情報端末が運転者の情報端末ではないと判定した場合に、当該情報端末から設定情報のうち同乗者が享受すべき同乗者向け処理に関する設定を特定するための同乗者用情報を受信させる第2の受信ステップと、前記第1の受信ステップで受信した運転者用情報が示す設定で前記車載装置を駆動させる運転者向け処理ステップと、前記第2の受信ステップで受信した同乗者用情報が示す設定で前記車載装置を駆動させる同乗者向け処理ステップと、を実行させることを要旨とする。
【0020】
上記構成によれば、上記車載制御装置と同等の作用・効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態の車載制御装置を備えるナビゲーションシステムを示すブロック図。
【図2】(a)は運転者用情報管理テーブルの一例を示す説明図、(b)は同乗者用情報管理テーブルの一例を示す説明図、(c)は地点位置情報管理テーブルの一例を示す説明図。
【図3】(a)(b)は制御装置と通信可能な携帯電話から受信した個人識別情報が示す電話番号を管理するテーブルを説明する説明図。
【図4】(a)(b)は制御装置と通信可能な携帯電話から受信した地点位置情報が示す地点と緯度・経度とを管理するテーブルを説明する説明図。
【図5】情報受信処理ルーチンを説明するフローチャート(前半部分)。
【図6】情報受信処理ルーチンを説明するフローチャート(後半部分)。
【図7】テーブル更新処理ルーチンを説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態のナビゲーションシステム11は、車両に搭載される車載装置の一例としてのナビゲーション装置12と、車両に搭乗した乗員が所有する携帯型の情報端末の一例としての携帯電話13とを備えている。なお、図1には、携帯電話13(13A,13B)を所有するAさんとBさんの2名が車両に搭乗した場合のシステムの一例が示されている。
【0023】
ナビゲーション装置12は、運転者であるAさんによる車両の運転を支援するための各種情報を提供する運転者用提供装置14と、運転者以外の他の乗員、即ちBさんに各種情報(例えば、テレビ番組などのエンターテイメント情報)を提供する同乗者用提供装置15とを備えている。また、ナビゲーション装置12は、テレビ番組を車内で放送するためのテレビ放送受信部16と、ナビゲーション装置12を制御する車載制御装置の一例としての制御装置17とを備えている。なお、運転者以外の他の乗員のことを、「同乗者」ともいう。
【0024】
運転者用提供装置14には、第1表示装置20と、運転席近傍に配置された第1スピーカー21とが設けられている。第1表示装置20には、車内の運転席(図示略)に着座した乗員、即ち運転者から視認可能な位置に設置された運転者用の表示画面の一例としての第1ディスプレイ201と、該第1ディスプレイ201の前面に配置される液晶のタッチパネル202とが設けられている。また、第1表示装置20において第1ディスプレイ201の側方には、複数種類の操作ボタン203が設けられている。こうした第1表示装置20は、乗員による操作ボタン203及びタッチパネル202の操作を受付けた場合、その操作内容に応じた信号を制御装置17に出力する。そして、第1表示装置20は、送信した信号の返答として制御装置17から出力された画像データが入力されると、該画像データに基づいた画像を第1ディスプレイ201に表示させる。
【0025】
同乗者用提供装置15には、同乗者用の表示画面の一例としての第2ディスプレイ25と、第1スピーカー21とは異なる位置に配置される第2スピーカー26とが設けられている。例えば、第2ディスプレイ25は、運転席の後側に配置されている。この場合、後部座席に着座した同乗者からは第2ディスプレイ25を視認することができる一方で、運転者からは第2ディスプレイ25を視認することができない。
【0026】
テレビ放送受信部16には、テレビ番組を放送するためのテレビ番組情報を受信する図示しないテレビ用アンテナが接続されている。こうしたテレビ放送受信部16は、制御装置17から指定されたテレビ局からのテレビ番組情報をテレビ用アンテナを介して受信し、該受信したテレビ番組情報を制御装置17に出力する。また、テレビ放送受信部16は、制御装置17でテレビ番組のジャンル(例えば、ニュース、バラエティ)が指定された場合、指定されたジャンルのテレビ番組を放送しているテレビ局を検索する。そして、テレビ放送受信部16は、指定されたジャンルのテレビ番組を放送しているテレビ局があった場合には、該テレビ局からのテレビ番組情報をテレビ用アンテナを介して受信し、該受信したテレビ番組情報を制御装置17に出力する。
【0027】
制御装置17は、車両の停車中に、車両の乗員(運転者及び同乗者を含む。)が車内に持ち込んだ携帯電話13から、ナビゲーション装置12の駆動時の設定を特定するための設定情報を受信する。そして、制御装置17は、受信した設定情報が示す設定で運転者用提供装置14及び同乗者用提供装置15を個別に制御する。
【0028】
次に、ナビゲーションシステム11を構成する携帯電話13について、図1及び図2を参照して説明する。
図1に示すように、携帯電話13は、ナビゲーション装置12の駆動時の設定を特定するための設定情報を管理している。こうした携帯電話13は、無線又は有線によって、ナビゲーション装置12の制御装置17と各種情報を送受信可能となっている。無線方式で携帯電話13とナビゲーション装置12とを通信させる場合、自車両の近辺(例えば、自車両を中心とした半径5mの範囲)であれば、携帯電話13は、車外であってもナビゲーション装置12と通信可能となる。
【0029】
携帯電話13は、ナビゲーション装置12に送信可能な設定情報を管理する管理部として、運転者用管理部30、同乗者用管理部31及び地点位置用管理部32が設けられている。運転者用管理部30は図2(a)に示す運転者用情報管理テーブルT1を管理すると共に、同乗者用管理部31は図2(b)に示す同乗者用情報管理テーブルT2を管理している。また、地点位置用管理部32は図2(c)に示す地点位置情報管理テーブルT3を管理している。そして、携帯電話13は、ナビゲーション装置12の制御装置17から要求されたテーブルを該制御装置17に送信する。
【0030】
図2(a)に示すように、運転者用情報管理テーブルT1は、車内で運転者が享受すべき運転者向け処理に関する設定を特定するための運転者用情報の提供の可否が設定されたテーブルである。本実施形態において、運転者用情報は、地図表示情報、交通情報及び付加案内情報を含んでいる。地図表示情報は、地図縮尺情報、2D/3D情報及び自車両情報に分類される。地図縮尺情報は、第1ディスプレイ201に表示させる地図の縮尺を設定するための情報である。例えば、Aさんの携帯電話13Aで管理される地図縮尺情報が示す地図の縮尺は、「5万分の1」とされている。
【0031】
2D/3D情報は、第1ディスプレイ201での地図の表示のさせ方を設定するための情報である。具体的には、2D/3D情報は、地図を二次元的に表示(即ち、2D表示)させるか、三次元的に表示(即ち、3D表示)させるかを設定するための情報である。例えば、Aさんの携帯電話13Aで管理される2D/3D情報は、「2D表示」を示している。自車両情報は、第1ディスプレイ201の地図上に表示させる自車両の表示態様を設定するための情報である。具体的には、自車両情報は、地図上での自車両の位置を、車や動物などのサムネイルで表示するか、単に進行方向を示す矢印で表示するかを設定するための情報である。例えば、Aさんの携帯電話13Aで管理される自車両情報は、「矢印」を示している。
【0032】
交通情報は、車両で取得可能な道路交通情報のうち運転者への案内を許可する情報又は規制する情報を特定するための情報である。交通情報は、渋滞情報、駐車場情報、交通障害情報及び交通規制情報に分類される。渋滞情報は、道路上での交通渋滞を案内するか否かを特定するための情報である。また、駐車場情報は、駐車場の満車・空車を案内するか否かを特定するための情報である。また、交通障害情報は、事故及び工事などの走行時に障害となり得る情報を案内するか否かを特定するための情報である。また、交通規制情報は、通行止め及び速度規制などの走行の規制を案内するか否かを特定するための情報である。例えば、Aさんの携帯電話13Aで管理される交通情報において、渋滞情報、交通障害情報及び交通規制情報は「運転者に案内する」と設定される一方、駐車場情報は「運転者に案内しない」と設定されている。なお、車両で取得可能な道路交通情報としては、例えば、VICS(登録商標)情報が挙げられる。「VICS(登録商標)」とは、「Vehicle Information and Communication」の略記である。
【0033】
付加案内情報は、運転支援の関係上、運転者に案内すべき付加情報と案内しない付加情報とを設定するための情報である。こうした付加案内情報は、地図上に表示させる施設又は表示させない施設を特定するための施設表示情報、高速道路などの有料道路や基幹道路などでの合流地点を音声で案内するか否かを特定するための合流案内情報、及び踏み切りを案内するか否かを特定するための踏み切り案内情報に分類される。
【0034】
施設表示情報は、地図上に表示させる(又は表示させない)施設を属性(ジャンル)毎に設定している。例えば、Aさんの携帯電話13Aで管理される施設表示情報では、属性の一例としてのガソリンスタンドが「運転者に案内する」と設定されると共に、コンビニエンスストアが「運転者に案内しない」と設定されている。また、合流案内情報は「合流案内を許可する」と設定されると共に、踏み切り案内情報は「踏み切りの案内を許可しない」と設定されている。
【0035】
なお、運転者用情報管理テーブルT1で管理される各情報は、最後に更新された更新日時を含んでいる。
図2(b)に示すように、同乗者用情報管理テーブルT2は、第2ディスプレイ25での表示態様、即ち同乗者が享受すべき同乗者向け処理に関する設定を特定するための同乗者用情報を管理するテーブルである。同乗者用情報は、コントラスト情報、字幕表示情報、番組ジャンル情報及びテレビ局情報を含んでいる。番組ジャンル情報及びテレビ局情報は、第2ディスプレイ25を用いて放送させるテレビ番組を特定する情報に相当する。
【0036】
コントラスト情報は、第2ディスプレイ25のコントラストを設定するための情報である。字幕表示情報は、第2ディスプレイ25に動画を表示させる際に、該動画と共に字幕を表示させるか否かを設定するための情報である。番組ジャンル情報は、第2ディスプレイ25で優先的に放送させるテレビ番組のジャンル(例えば、バラエティや報道)を設定するための情報である。テレビ局情報は、好みのテレビ局、即ち好みのチャンネルを設定するための情報である。例えば、Bさんの携帯電話13Bでは、コントラスト情報が「70」に設定されると共に、字幕表示情報が「字幕表示なし」に設定されている。また、番組ジャンル情報が「バラエティ番組」に設定されると共に、テレビ局情報が「○×テレビ」に設定されている。なお、番組ジャンル情報及びテレビ局情報については、「特になし」と設定されることもある。また、同乗者用情報管理テーブルT2で管理される各情報は、最後に更新された更新日時を含んでいる。
【0037】
図2(c)に示すように、地点位置情報管理テーブルT3は、地図上の地点(登録地点)とその位置(緯度・経度)とを含む地点位置情報を管理するテーブルである。この地点位置情報管理テーブルT3で管理される登録地点は、携帯電話13を所有するユーザ(乗員)が過去に行ったことのある地点だけではなく、ユーザによる携帯電話13の操作によって登録された地点であってもよい。例えば、Aさんの携帯電話13Aの地点位置情報管理テーブルT3は、3つの地点位置情報を管理している。第1の地点位置情報は、Aさんの自宅とその緯度・経度(X1,Y1)とを含む情報である。また、第2の地点位置情報は、Aさんの勤務する△□会社とその緯度・経度(X2,Y2)とを含む情報である。そして、第3の地点位置情報は、Aさんのお気に入りの○△公園とその緯度・経度(X3,Y3)とを含む情報である。なお、地点位置情報管理テーブルT3で管理される地点位置情報は、携帯電話13に登録された登録日時又はナビゲーション装置12側で更新された更新日時を含んでいる。
【0038】
次に、ナビゲーション装置12の制御装置17について図1を参照して説明する。
図1に示すように、制御装置17には、位置検出部60が車両側I/F40を介して電気的に接続されている。位置検出部60は、GPS(Global Positioning System )受信部61、車速センサ62及びジャイロセンサ63を有している。制御装置17は、GPS受信部61によって受信された受信信号に基づき、電波航法によって緯度・経度などの絶対位置を検出する。また、制御装置17は、車速センサ62及びジャイロセンサ63からの検出信号に基づき、自律航法を用いて基準位置からの相対位置を算出する。そして、制御装置17は、検出した絶対位置及び算出した相対位置を組み合わせて自車両の現在地を特定する。
【0039】
制御装置17は、制御部41、情報記憶装置42、通信部43、運転者情報管理部44、乗員情報記憶部45、第1画像処理プロセッサ46、第1音声処理プロセッサ47、第2画像処理プロセッサ48及び第2音声処理プロセッサ49などを備えている。制御部41は、CPU410、ROM411及びRAM412などによって構成されている。ROM411には、CPU410が実行する各種プログラム(例えば、車載制御用プログラム)などが記憶されている。RAM412には、CPU410の作業領域及び探索されたルート(経路)などを記憶する記憶領域が形成される。
【0040】
情報記憶装置42は、ハードディスクや光ディスクなどの外部記憶媒体である。こうした情報記憶装置42には、地図データ記憶部420、探索データ記憶部421及び施設データ記憶部422が形成されている。地図データ記憶部420は、道路地図、住宅地図及び建物形状地図などの地図データを記憶している。探索データ記憶部421は、所定の地点(「ノード」ともいう。)間の道路(「リンク」ともいう。)及びその道路の交通規制情報、距離及び通行料金といった各種道路情報に関するデータを記憶している。施設データ記憶部422は、区役所、病院、駅、レストラン及び遊園地などの各種施設及び該各種施設の住所や電話番号などのデータを記憶している。
【0041】
通信部43は、車内にある携帯電話13(13A,13B)と各種情報の送受信を行う。例えば、通信部43は、携帯電話13のうち、運転者の携帯電話(例えば、携帯電話13A)から運転者用情報管理テーブルT1(図2(a)参照)及び地点位置情報管理テーブルT3(図2(c)参照)を受信する。また、通信部43は、同乗者の携帯電話(例えば、携帯電話13B)から同乗者用情報管理テーブルT2(図2(b)参照)及び地点位置情報管理テーブルT3(図2(c)参照)を受信する。したがって、本実施形態では、通信部43を備える制御装置17が、運転者の携帯電話から運転者用情報を受信する一方で、同乗者の携帯電話から同乗者用情報を受信する受信手段として機能する。
【0042】
なお、携帯電話13と無線で通信を行う場合、通信部43は、車外であっても自車両の近辺にある携帯電話13と通信可能である。すなわち、本実施形態において「車内の携帯電話」とは、通信部43と通信可能な範囲内に位置する携帯電話を示す概念である。そのため、車外に位置する携帯電話であっても通信部43と通信可能な携帯電話は、本実施形態でいう「車内の携帯電話」に該当する。
【0043】
運転者情報管理部44は、不揮発性のメモリなどによって構成されている。こうした運転者情報管理部44には、車両を運転する運転者を識別するための情報が管理されている。本実施形態では、運転者情報管理部44には、車両の所有者を識別するための所有者情報が管理されている。この所有者情報は、所有者が所有する携帯電話13で管理される運転者用情報管理テーブルT1に基づいた運転支援を自動的に所有者が受けることができるように、該所有者が設定登録した情報である。そのため、所有者情報の変更及び追加は、適宜可能である。例えば、車両を複数人で所有する場合、所有者情報は複数設定される。本実施形態では、所有者情報は、車両の所有者が所有する携帯電話の電話番号を特定するための情報を含んでいる。
【0044】
乗員情報記憶部45は、電力が供給されなくなると、記憶していた情報が消去される記憶媒体(例えば、RAM)によって構成されている。こうした乗員情報記憶部45には、個人識別用記憶領域450、運転者用記憶領域451、同乗者用記憶領域452及び共通用記憶領域453が形成されている。個人識別用記憶領域450には、通信可能な携帯電話13(13A,13B)を所有する個人を識別するための個人識別情報が示す電話番号が記憶される。すなわち、図3(a)に示すように、車内に2台の携帯電話13がある場合、乗員情報記憶部45には、各携帯電話13に付された乗員番号(1と2)と、それらの電話番号とが関連付けられて記憶される。なお、携帯電話13を所有するCさんが車両に新たに搭乗した場合、図3(b)に示すように、乗員情報記憶部45には、3台目の携帯電話13に付された乗員番号(3)と、それらの電話番号とが関連付けられて記憶される。
【0045】
図1に戻り、運転者用記憶領域451には、運転者の携帯電話と判定された携帯電話13(13A)から受信した運転者用情報管理テーブルT1が記憶される。同乗者用記憶領域452には、運転者の携帯電話ではない、即ち同乗者の携帯電話であると判定された携帯電話13(13B)から受信した同乗者用情報管理テーブルT2が記憶される。
【0046】
共通用記憶領域453には、通信可能な各携帯電話13から受信した地点位置情報管理テーブルT3に含まれる地点位置情報が記憶される。例えば、Aさんの携帯電話13Aには、Aさんの自宅、△□会社及び○△公園を特定するための各地点位置情報が記憶されている(図2(c)参照)。また、Bさんの携帯電話13Bには、Bさんの自宅、△□会社及び××病院を特定するための各地点位置情報が記憶されているものとする。この場合、共通用記憶領域453には、図4(a)に示すように、Aさんの自宅、△□会社、○△公園、Bさんの自宅及び××病院を特定するための各地点位置情報が記憶される。本実施形態では、地点位置情報は、該地点位置情報を送信した携帯電話13を特定するための情報(例えば、上記乗員番号)と対応付けて記憶されている。
【0047】
なお、携帯電話13を所有するCさんが車両に搭乗した場合、図4(b)に示すように、共通用記憶領域453には、3台目の携帯電話13にのみ登録される地点位置情報がさらに記憶される。
【0048】
第1画像処理プロセッサ46は、制御部41からの制御信号に基づいて第1ディスプレイ201に表示するための各種の画像データを生成し、該生成した画像データを第1表示装置20に送信する。例えば、自車両の現在位置から目的地までのルート(経路)が制御部41で探索された場合、第1画像処理プロセッサ46は、探索されたルートと、該ルートに沿った案内の開始の許可を求める画面となどを表示させるための画像データを生成し、該画像データに基づく画像を第1ディスプレイ201に表示させる。
【0049】
第1音声処理プロセッサ47は、制御部41からの制御信号に基づいて第1スピーカー21から出力させるための各種の音声データを生成し、該生成した音声データが示すメッセージを第1スピーカー21から音声で出力させる。なお、第1ディスプレイ201と第1スピーカー21とを連動させる場合、第1音声処理プロセッサ47は、第1画像処理プロセッサ46で生成される画像データに対応した音声データを生成する。
【0050】
第2画像処理プロセッサ48は、制御部41からの制御信号に基づいて第2ディスプレイ25に表示するための各種の画像データを生成し、該生成した画像データが示す画像を第2ディスプレイ25に表示させる。例えば、動画情報の一例としてテレビ番組を放送するためのテレビ番組情報がテレビ放送受信部16から入力される場合、第2画像処理プロセッサ48は、テレビ番組情報に基づいた動画を第2ディスプレイ25に表示させる。
【0051】
第2音声処理プロセッサ49は、制御部41からの制御信号に基づいて第2スピーカー26から出力させるための各種の音声データを生成し、該生成した音声データが示すメッセージを第2スピーカー26から音声で出力させる。なお、テレビ番組を放送させる場合、第2音声処理プロセッサ49は、第2画像処理プロセッサ48と連動して、第2ディスプレイ25に表示される動画に沿った音声を第2スピーカー26から出力させる。
【0052】
本実施形態の制御装置17は、運転者が享受すべき運転者向け処理と、同乗者が享受すべき同乗者向け処理とを実行可能である。運転者向け処理は、運転者による車両の運転を支援するための処理を含む。こうした運転支援処理としては、自車両の現在位置から、設定された目的地までのルートを探索し、該ルートを運転者に案内するナビゲーション処理が挙げられる。ナビゲーション処理は、ルート案内だけではなく、自車両の周辺の地図を第1ディスプレイ201に表示したり、自車両の周辺の道路交通情報(交通渋滞、駐車場の空き具合など)や自車両の周辺の施設を、表示及び音声の少なくとも一方で案内したりする。こうしたナビゲーション処理は、運転者用提供装置14の第1ディスプレイ201及び第1スピーカー21の少なくとも一方を用いて行われる。
【0053】
また、同乗者向け処理とは、車内での同乗者の快適性を向上させるための処理を含んでいる。こうした同乗者向け処理は、第2スピーカー26からの音声の出力態様(ボリュームや音質など)を調整したり、第2ディスプレイ25での画像の表示態様を調整したりする。
【0054】
各処理の目的を考慮すると、運転者向け処理に関する設定は、運転者が所望する設定とすることが好ましく、同乗者向け処理に関する設定は、同乗者が所望する設定とすることが好ましい。そのため、本実施形態の制御装置17は、通信可能な携帯電話13が運転者の携帯電話である場合には、該携帯電話13から運転者用情報を受信し、該運転者用情報に基づき運転者向け処理を行う。また、制御装置17は、通信可能な携帯電話13が同乗者の携帯電話である場合には、該携帯電話13から同乗者用情報を受信し、該同乗者用情報に基づき同乗者向け処理を行う。したがって、本実施形態では、制御装置17が、第1の制御手段及び第2の制御手段としても機能する。
【0055】
そこで次に、制御装置17が実行する各種処理ルーチンのうち、通信可能な携帯電話13から設定情報を受信する際に制御装置17が実行する情報受信処理ルーチンについて、図5及び図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0056】
さて、情報受信処理ルーチンは、予め設定された所定時間毎(例えば、0.1秒毎)に実行される。こうした情報受信処理ルーチンにおいて、制御装置17は、車両が停車中であるか否かを判定する(ステップS10)。例えば、制御装置17は、位置検出部60の車速センサ62からの検出信号に基づき算出した車体速度に基づき、車両が停車したか否かを判定する。また、車両の制動力を制御するブレーキ用制御装置(図示略)から情報を受信可能な場合、制御装置17は、ブレーキ用制御装置から車両が停車中であるか否かの情報を受信し、該受信結果に基づき停車中であるか否かを判定してもよい。そして、車両が停車中ではない場合(ステップS10:NO)、制御装置17は、情報受信処理ルーチンを一旦終了する。
【0057】
一方、車両が停車中である場合(ステップS10:YES)、制御装置17は、車内に携帯電話13があるか否か、即ち通信可能な携帯電話13があるか否かを判定する(ステップS11)。車内に携帯電話13がないと判定した場合(ステップS11:NO)、制御装置17は、情報受信処理ルーチンを一旦終了する。一方、車内に携帯電話13があると判定した場合(ステップS11:YES)、制御装置17は、通信可能な携帯電話13の台数Nを取得し(ステップS12)、その処理を次のステップS13に移行する。
【0058】
ここで、車内に携帯電話13があるか否かの判定方法及び制御装置17と通信可能な携帯電話13の台数Nの取得方法の一例について説明する。
制御装置17は、その通信部43から信号を送信する。すると、制御装置17(即ち、ナビゲーション装置12)と通信可能な携帯電話13は、制御装置17からの信号を受信した場合、該信号に対する返答信号を制御装置17に送信する。そして、制御装置17は、信号を送信してからの経過時間が予め設定された時間閾値(例えば、1秒)以内に返答信号を受信した場合には、車内に携帯電話13があると判定する。また、車内に携帯電話13があると判定した場合、制御装置17は、返答信号の受信回数を通信可能な携帯電話13の台数Nとして計数する。
【0059】
なお、携帯電話の中には、本実施形態のナビゲーション装置12と連携できないものもある。こうした携帯電話が車内に持ち込まれても、制御装置17は、当該携帯電話とは通信できない。
【0060】
ステップS13において、制御装置17は、通信可能な全ての携帯電話13に対して個人識別情報(即ち、電話番号)を要求する。そして、制御装置17は、該要求に対する返答として通信可能な全ての携帯電話13から個人識別情報を受信し、該受信結果を個人識別用記憶領域450に記憶させる。すなわち、制御装置17は、図3(a)に示すテーブルを作成する。続いて、制御装置17は、計数Pに「1」を設定し(ステップS14)、その処理を次のステップS15に移行する。
【0061】
ステップS15において、制御装置17は、P台目の携帯電話13が運転者の携帯電話であるか否かを判定する。例えば、計数Pが「1」である場合、制御装置17は、乗員番号が「1(=P)」の電話番号(この場合、090−○○○○−○○○○)を個人識別用記憶領域450から読み出す。また、制御装置17は、運転者情報管理部44から所有者情報として管理されている電話番号(以下、「所有者番号」ともいう。)を読み出す。そして、制御装置17は、個人識別用記憶領域450から読み出した電話番号が所有者番号と同一である場合にはP台目の携帯電話13が運転者の携帯電話であると判定し、同一でない場合にはP台目の携帯電話13が同乗者の携帯電話であると判定する。したがって、本実施形態では、制御装置17が、制御装置17と通信可能な携帯電話13が運転者の携帯電話であるか否かを判定する端末判定手段としても機能する。また、ステップS15が、端末判定ステップに相当する。
【0062】
P台目の携帯電話13が運転者の携帯電話である場合(ステップS15:YES)、制御装置17は、運転者用記憶領域451に運転者用情報管理テーブルT1が記憶済みであるか否かを判定する(ステップS16)。運転者用情報管理テーブルT1が記憶済みである場合(ステップS16:YES)、制御装置17は、その処理を後述するステップS22に移行する。一方、運転者用情報管理テーブルT1が記憶済みではない場合(ステップS16:NO)、制御装置17は、P台目の携帯電話13に対して運転者用情報管理テーブルT1を要求し、該P台目の携帯電話13から運転者用情報管理テーブルT1を受信する(ステップS17)。そして、制御装置17は、受信した運転者用情報管理テーブルT1を運転者用記憶領域451に記憶させる。したがって、本実施形態では、ステップS17が、運転者の携帯電話と判定した携帯電話13から運転者用情報を受信させる第1の受信ステップに相当する。
【0063】
続いて、制御装置17は、運転者用記憶領域451に記憶される運転者用情報管理テーブルT1を読み出し、該運転者用情報管理テーブルT1に基づき運転者向け処理用の各条件を設定する(ステップS18)。その結果、制御装置17は、運転者用記憶領域451に記憶される運転者用情報管理テーブルT1に基づき運転者用提供装置14を駆動させる運転者向け処理を行う。したがって、本実施形態では、ステップS18が、運転者向け処理ステップに相当する。そして、制御装置17は、その処理を後述するステップS22に移行する。
【0064】
その一方で、P台目の携帯電話13が同乗者の携帯電話である場合(ステップS15:NO)、制御装置17は、同乗者用記憶領域452に同乗者用情報管理テーブルT2が記憶済みであるか否かを判定する(ステップS19)。同乗者用情報管理テーブルT2が記憶済みである場合(ステップS19:YES)、制御装置17は、その処理を後述するステップS22に移行する。一方、同乗者用情報管理テーブルT2が記憶済みではない場合(ステップS19:NO)、制御装置17は、P台目の携帯電話13に対して同乗者用情報管理テーブルT2を要求し、該P台目の携帯電話13から同乗者用情報管理テーブルT2を受信する(ステップS20)。そして、制御装置17は、受信した同乗者用情報管理テーブルT2を同乗者用記憶領域452に記憶させる。したがって、本実施形態では、ステップS20が、同乗者の携帯電話と判定した携帯電話13から同乗者用情報を受信させる第2の受信ステップに相当する。
【0065】
続いて、制御装置17は、同乗者用記憶領域452に記憶される同乗者用情報管理テーブルT2を読み出し、該同乗者用情報管理テーブルT2に基づき同乗者向け処理用の各条件を設定する(ステップS21)。その結果、制御装置17は、同乗者用記憶領域452に記憶される同乗者用情報管理テーブルT2に基づき同乗者用提供装置15を駆動させる同乗者向け処理を行う。したがって、本実施形態では、ステップS21が、同乗者向け処理ステップに相当する。そして、制御装置17は、その処理を後述するステップS22に移行する。
【0066】
ステップS22において、制御装置17は、P台目の携帯電話13から地点位置情報管理テーブルT3を受信していないか否かを判定する。地点位置情報管理テーブルT3を受信済みである場合(ステップS22:NO)、制御装置17は、その処理を後述するステップS25に移行する。一方、地点位置情報管理テーブルT3を受信していない場合(ステップS22:YES)、制御装置17は、P台目の携帯電話13に対して地点位置情報管理テーブルT3を要求し、該P台目の携帯電話13から地点位置情報管理テーブルT3を受信する(ステップS23)。続いて、制御装置17は、共通用記憶領域453に地点位置情報を、該地点位置情報を送信したP台目の携帯電話13に関する上記乗員番号に関連付けて記憶させる(ステップS24)。すなわち、ステップS24では、図4(a)(b)に示すテーブルが作成される。続いて、制御装置17は、その処理を次のステップS25に移行する。すなわち、地点位置情報は、運転者の携帯電話13であるか否かに関係なく、制御装置17に受信される共通情報である。
【0067】
ステップS25において、制御装置17は、計数Pが台数N未満であるか否かを判定する。計数Pが台数N未満である場合(ステップS25:YES)、制御装置17は、情報を受信していない携帯電話13が未だあると判断し、計数Pを「1」だけインクリメントする(ステップS26)。その後、制御装置17は、その処理を前述したステップS15に移行する。一方、計数Pが台数Nと等しい場合(ステップS25:NO)、制御装置17は、通信可能な携帯電話13からの情報の受信が完了したと判断し、情報受信処理ルーチンを一旦終了する。
【0068】
情報受信処理ルーチンの実行により、車内の各携帯電話13(13A,13B)から設定情報がナビゲーション装置12に送信された場合、運転者向け処理に関する設定は、運転者であるAさんの携帯電話13Aで管理された運転者用情報管理テーブルT1(図2(a)参照)に基づいた設定となる。そのため、運転者向け処理の一例であるナビゲーション処理は、運転者用情報管理テーブルT1で管理される運転者用情報が示す設定で行われる。
【0069】
すなわち、第1ディスプレイ201には、縮尺が「5万分の1」と設定された地図が二次元的に表示される。しかも、地図上での自車両の現在位置には、矢印が描画されている。また、第1ディスプレイ201に表示される地図上においてガソリンスタンドが存在する位置には、ガソリンスタンド用のサムネイルが表示される。しかし、同地図上においてコンビニエンスストアが存在する位置には、コンビニエンスストア用のサムネイルが表示されない。
【0070】
また、第1ディスプレイ201に表示される地図に示される道路で交通渋滞が発生している場合、交通渋滞の発生箇所の色は、交通渋滞の発生していない他の道路の色と異なっている。また、道路上で事故が発生していたり、工事が行われていたりする場合、当該箇所には、その旨を示すサムネイルが表示される。また、通行止め及び速度規制が行われている箇所には、その旨を示すサムネイルが表示される。ただし、この場合、第1ディスプレイ201に表示される地図では、駐車場に関する案内が表示されない。
【0071】
また、車両の走行中に他の道路との合流地点が近づくと、その旨を報知する案内報知が行われる。ただし、道路と鉄道の線路との合流地点である踏み切りに近づいても、その旨の案内報知は行われない。
【0072】
その一方で、同乗者向け処理に関する設定は、同乗者であるBさんの携帯電話13Bで管理された同乗者用情報管理テーブルT2(図2(b)参照)に基づいた設定となる。そのため、同乗者向け処理の一例であるナビゲーション処理とは独立した処理は、同乗者用情報管理テーブルT2で管理される同乗者用情報が示す設定で行われる。なお、「ナビゲーション処理とは独立した処理」とは、ナビゲーション処理の動作に依存することなく、別個に並行して動作する処理のことである。本実施形態において「独立した処理」とは、第2ディスプレイ25を制御する表示処理及び第2スピーカー26を制御する音声処理である。
【0073】
すなわち、第2ディスプレイ25のコントラストは、「70」に設定される。また、第2ディスプレイ25には、字幕が表示されない。また、現在時刻でバラエティ番組を放送しているテレビ局がある場合には、該テレビ局からのテレビ番組情報がテレビ放送受信部16によって受信される。そして、受信したテレビ番組情報に基づきテレビ番組(即ち、バラエティ番組)が、同乗者用提供装置15によって放送される。しかし、現在時刻ではバラエティ番組が放送されていないことがある。この場合、好みのテレビ局として設定されている○×テレビ(テレビ局)からのテレビ番組情報がテレビ放送受信部16によって自動的に受信される。そして、受信したテレビ番組情報に基づきテレビ番組が、同乗者用提供装置15によって放送される。
【0074】
ところで、ナビゲーション処理は、目的地が設定された場合、自車両の現在位置から目的地までのルートを探索し、該探索したルートを運転者に案内する。この際の目的地の設定方法としては、住所又は電話番号を入力して該当する地点を目的地とする第1の方法、及び少なくとも一つのキーワードを入力して該キーワードが示す条件に合致する地点を目的地とする第2の方法が考えられる。また、本実施形態では、目的地の設定方法としては、共通用記憶領域453に記憶される地点位置情報が示す地点を第1ディスプレイ201にリスト表示させ、リストの中から乗員に選択された地点を目的地とする第3の方法が考えられる。この第3の方法を実行させるためには、制御装置17は、共通用記憶領域453から全ての地点位置情報を読み出し、該各地点位置情報が示す地点をリスト化して第1ディスプレイ201に表示する。この点で、本実施形態では、制御装置17が、地点位置情報が示す地点を自車両の目的地の候補として案内させる地点案内手段としても機能する。
【0075】
第1及び第2の方法で目的地が設定された場合には、目的地を特定するための地点位置情報が共通用記憶領域453に記憶されていない可能性がある。この場合、制御装置17と通信可能な携帯電話13は、当然、今回の目的地を特定するための地点位置情報を管理していない。しかし、この車両に搭乗した乗員は、別の機会で、今回の目的地に再度行く可能性がある。そのため、今回の目的地を特定するための地点位置情報を、制御装置17と通信可能な携帯電話13に新たに登録させておくことが好ましい。
【0076】
そこで次に、目的地が設定された場合に制御装置17が実行するテーブル更新処理ルーチンについて、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
さて、テーブル更新処理ルーチンは、目的地が設定されたタイミングで実行される。このテーブル更新処理ルーチンにおいて、制御装置17は、今回に設定された目的地が共通用記憶領域453に記憶されていないか否かを判定する(ステップS40)。共通用記憶領域453に記憶されていない場合(ステップS40:YES)、制御装置17は、共通用記憶領域453の記憶内容を更新する(ステップS41)。具体的には、制御装置17は、今回の目的地を特定するための地点位置情報を共通用記憶領域453に新たに記憶させる。続いて、制御装置17は、今回の目的地を示す地点位置情報を各携帯電話13に送信させ(ステップS41)、その後、テーブル更新処理ルーチンを終了する。したがって、本実施形態では、制御装置17が、携帯電話13から受信した地点位置情報が示す地点とは異なる他の地点が車両の目的地として設定された場合に、該他の地点の位置を特定するための地点位置情報を携帯電話13に送信する送信手段としても機能する。
【0077】
そして、地点位置情報を受信した携帯電話13では、受信した地点位置情報で示される今回の目的地とその緯度・経度とが関連付けて記憶される。すなわち、携帯電話13で管理される地点位置情報管理テーブルT3が更新される。
【0078】
その一方で、共通用記憶領域453に記憶されている場合(ステップS40:NO)、制御装置17は、今回の目的地を特定するための地点位置情報が示す更新日時(又は登録日時)を更新する(ステップS43)。具体的には、制御装置17は、今回の目的地を特定するための地点位置情報が示す更新日時(又は登録日時)を、現在の日時に変更する。続いて、制御装置17は、今回の目的地を示す地点位置情報を送信した携帯電話13(例えば、携帯電話13A)を特定し、該特定した携帯電話13Aに対して、ステップS43で更新した地点位置情報を送信させ(ステップS44)、その後、テーブル更新処理ルーチンを終了する。
【0079】
例えば、今回の目的地がAさんの自宅である場合、共通用記憶領域453に記憶されるAさんの自宅の更新日時が現在の日時に変更される。そして、Aさんの自宅を特定するための地点位置情報を送信した携帯電話13Aには、更新後の地点位置情報が送信される。すると、携帯電話13Aでは、該携帯電話13で管理される地点位置情報管理テーブルT3が更新される。
【0080】
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)制御装置17と通信可能な携帯電話13がある場合には、当該携帯電話13が運転者の携帯電話であるか否かが判定される。運転者の携帯電話であると判定された場合には、当該携帯電話13から運転者用情報管理テーブルT1が受信される。そして、ナビゲーション装置12の運転者向け処理は、受信した運転者用情報管理テーブルT1に基づき行われる。つまり、運転者用情報として運転者の好みの設定を運転者の携帯電話13に登録しておけば、制御装置17による運転者向け処理の実行によって、ナビゲーション装置12は、携帯電話13の所有者である運転者の意図に沿って駆動する。一方、同乗者の携帯電話であると判定された場合には、当該携帯電話13から同乗者用情報管理テーブルT2が受信される。そして、ナビゲーション装置12の同乗者向け処理は、受信した同乗者用情報管理テーブルT2に基づき行われる。つまり、同乗者用情報として同乗者の好みの設定を携帯電話13に登録しておけば、制御装置17による同乗者向け処理の実行によって、ナビゲーション装置12は、携帯電話13の所有者である同乗者の意図に沿って駆動する。したがって、携帯電話13の所有者に応じた設定でナビゲーション装置12を駆動させることができる。
【0081】
(2)ナビゲーション装置12が複数の携帯電話13(13A,13B)と通信可能である場合、各携帯電話13A,13Bのうち何れか一台の携帯電話13Aが運転者の携帯電話と判定される一方で、残りの携帯電話13Bが同乗者の携帯電話と判定される。そして、運転者の携帯電話13Aからは、該携帯電話13Aで管理される運転者用情報管理テーブルT1が受信される。また、同乗者の携帯電話13Bからは、該携帯電話13Bに記憶される同乗者用情報管理テーブルT2が受信される。つまり、本実施形態では、運転者向け処理用の各条件は、運転者の携帯電話13Aで管理される運転者用情報に基づき設定され、同乗者向け処理用の各条件は、同乗者の携帯電話13Bで管理される同乗者向け情報に基づき設定される。その結果、携帯電話13Aから受信した運転者用情報管理テーブルT1によって示される設定で運転者用提供装置14が駆動され、携帯電話13Bから受信した同乗者用情報管理テーブルT2によって示される設定で同乗者用提供装置15が駆動される。したがって、運転者の意図に沿った運転支援を行いつつ、同乗者の車内での快適性を向上させることができる。
【0082】
(3)運転者向け処理の一つであるナビゲーション処理では、第1ディスプレイ201を用いた表示案内が行われる。こうした第1ディスプレイ201での表示案内に関する設定は、運転者の携帯電話13Aから受信した運転者用情報管理テーブルT1に基づいた設定とされる。そのため、ナビゲーション処理に基づき第1ディスプレイ201に表示される表示態様を運転者の意図に沿った態様とすることができる。すなわち、第1ディスプレイ201を含む運転者用提供装置14の駆動によって、運転者が所望する情報を、運転者に適切に報知することができる。
【0083】
(4)ナビゲーション装置12では、車両で取得された道路交通情報(例えば、交通渋滞)を選択的に案内することができる。また、ナビゲーション装置12では、第1ディスプレイ201に表示させる地図上に、表す施設と表さない施設とを選択することができると共に、第1ディスプレイ201での地図の表示態様(例えば、地図の縮尺)を設定することができる。こうした情報の案内の可否は、運転者によって頻繁に変更されるものではない。そこで、本実施形態では、携帯電話13には、地図表示情報、交通情報及び付加案内情報が記憶されている。そして、運転者の携帯電話13Aから受信した地図表示情報、交通情報及び付加案内情報に基づき、運転者への案内を許可する情報と許可しない情報とが判定される。そのため、運転者が自身の携帯電話13Aを車内に持ち込むだけで、ナビゲーション処理によって、運転者が所望する情報を提供することができる。
【0084】
(5)一般に、車内に同乗者専用として設けられた第2ディスプレイ25には、車内で同乗者を楽しませるような画像が表示される。こうした第2ディスプレイ25は運転者が見るものではない。そのため、第2ディスプレイ25の表示態様は、同乗者の意図に沿った態様であることが好ましい。この点、本実施形態では、第2ディスプレイ25での表示に関する設定は、同乗者の携帯電話と判定された携帯電話13(13B)から受信した同乗者用情報が示す設定とされる。そのため、同乗者用情報として同乗者の好みの設定を同乗者の携帯電話13Bに登録しておけば、第2ディスプレイ25の表示態様は、同乗者の意図に沿った表示態様となる。したがって、同乗者が自身の携帯電話13Bを車内に持ち込むだけで、同乗者が望んだ情報を、第2ディスプレイ25を介して同乗者に提供することができる。すなわち、車内での同乗者の快適性を向上させることができる。
【0085】
(6)ナビゲーション装置12に動画情報が記憶された記憶媒体をセット可能である場合、記憶媒体の動画情報で示される動画(例えば、映画)が、第2ディスプレイ25に表示される。また、同乗者がテレビ番組を視聴することを希望した場合には、テレビ放送受信部16によって受信されたテレビ番組情報に基づいた動画が、第2ディスプレイ25に表示される。
【0086】
本実施形態では、こうした動画を第2ディスプレイ25に表示させる場合において字幕の表示が許可されるときには、字幕が動画と共に第2ディスプレイ25に表示される。また、同乗者用情報管理テーブルT2に好みの番組のジャンルが設定されている場合、テレビ放送受信部16では、設定された好みの番組のジャンルを放送するテレビ局が自動的に選別され、該テレビ局からのテレビ番組情報が受信される。また、同乗者用情報管理テーブルT2に好みのテレビ局が設定されている場合、テレビ放送受信部16では、設定された好みのテレビ局からのテレビ番組情報が受信される。そして、このように受信されたテレビ番組情報に基づき、同乗者用提供装置15でテレビ番組が放送される。したがって、同乗者が好むテレビ番組やテレビ局が自動的に選択されるため、車内での同乗者の快適性を向上させることができる。
【0087】
(7)また、第2ディスプレイ25のコントラストは、同乗者用情報管理テーブルT2に記憶されるコントラストとなるように調整される。そのため、第2ディスプレイ25のコントラストを、同乗者に調整させなくてもよい。
【0088】
(8)本実施形態のナビゲーション装置12では、携帯電話13に登録されている地点位置情報が受信される。そして、受信した地点位置情報が示す地点が、目的地の候補として運転者に案内される。つまり、運転者は、同乗者の携帯電話13Bにのみ記憶される地点位置情報を利用して目的地を設定することができる。また、普段はあまり搭乗しない車両に運転者が搭乗した場合であっても、該運転者は、自身の携帯電話13に登録された地点位置情報が示す地点を目的地として設定することができる。
【0089】
(9)また、共通用記憶領域453に記憶されていない地点が目的地として設定された場合には、該目的地を示す地点位置情報が車内の携帯電話13に送信される。そして、携帯電話13では、受信した地点位置情報が地点位置用管理部32に新たに登録される。したがって、携帯電話13の地点位置用管理部32の地点位置情報管理テーブルT3を、適切に更新させることができる。
【0090】
なお、上記各実施形態は、以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・実施形態において、台数Nを予め設定した値としてもよい。この場合、台数Nを自車両の最大搭乗者数とすることが好ましい。この場合、ステップS15〜S25までの各処理は、制御装置17と通信可能な携帯電話13の台数に関係なく、一定回数繰り返し実行される。例えば、最大同乗者数が5名であって且つ制御装置17と通信可能な携帯電話13の台数が2台である場合、3回目以降では、既に情報の受信が完了しているため、携帯電話13からの情報の受信が行われない。
【0091】
・実施形態において、ステップS10では、車両に搭載されたパーキングブレーキによって車輪に制動力が付与されたか否かを判定するようにしてもよい。また、車両に搭載される変速機が自動変速機である場合、ステップS10では、自動変速機のレンジがパーキングレンジ(Pレンジ)とされたか否かを判定するようにしてもよい。
【0092】
・実施形態において、複数の携帯電話13から受信した地点位置情報を共通用記憶領域453に記憶させた状態で、第1の携帯電話にのみ登録されている地点位置情報が示す地点が目的地として設定された場合には、該目的地を特定するための地点位置情報を、第1の携帯電話以外の他の携帯電話に送信させてもよい。そして、他の携帯電話では、受信した地点位置情報を地点位置用管理部32に登録させてもよい。
【0093】
・実施形態において、制御装置17は、テーブル更新処理ルーチン(図7参照)を実行しなくてもよい。
・実施形態において、共通用記憶領域453には、運転者の携帯電話であると判定された携帯電話13から受信した地点位置情報のみを記憶させるようにしてもよい。また、共通用記憶領域453には、同乗者の携帯電話であると判定された携帯電話13から受信した地点位置情報のみを記憶させるようにしてもよい。
【0094】
・実施形態において、制御装置17が携帯電話13から受信する運転者用情報は、交通情報を含んだ情報であれば、付加案内情報及び地図表示情報を含まなくてもよい。また、運転者用情報は、付加案内情報を含んだ情報であれば、交通情報及び地図表示情報を含まなくてもよい。また、運転者用情報は、地図表示情報を含んだ情報であれば、交通情報及び付加案内情報を含まなくてもよい。
【0095】
・実施形態において、制御装置17が携帯電話13から受信する同乗者用情報は、コントラスト情報を含んだ情報であれば、字幕表示情報、番組ジャンル情報及びテレビ局情報を含まなくてもよい。また、同乗者用情報は、字幕表示情報を含んだ情報であれば、コントラスト情報、番組ジャンル情報及びテレビ局情報を含まなくてもよい。また、同乗者用情報は、番組ジャンル情報を含んだ情報であれば、コントラスト情報、字幕表示情報及びテレビ局情報を含まなくてもよい。また、同乗者用情報は、テレビ局情報を含んだ情報であれば、コントラスト情報、字幕表示情報及び番組ジャンル情報を含まなくてもよい。同乗者用情報は、第2スピーカー26から出力される音声の大きさを特定するための情報、音質を特定するための情報などを含んでもよい。
【0096】
・実施形態において、同乗者用の表示画面を、助手席に着座した同乗者が視認できる位置に配置してもよい。つまり、同乗者用提供装置15は、助手席専用であってもよい。ただし、この場合、同乗者用の表示画面を、運転者からは視認しにくい位置又は向きに配置することが好ましい。
【0097】
・実施形態において、第1ディスプレイ201を、運転者用の表示画面だけではなく、同乗者用の表示画面として機能させてもよい。この場合、第1ディスプレイ201は、該ディスプレイを見る位置によって見える画像を異ならせるように構成された表示装置であってもよい。このように構成すると、運転席に着座する運転者は、第1ディスプレイ201からナビゲーション処理に基づいた画像(例えば、地図)を視認できる一方、助手席に着座する同乗者は、第1ディスプレイ201から例えば所望するテレビ局が放送するテレビ番組を視認することができる。
【0098】
・実施形態において、同乗者用提供装置15は、第2ディスプレイ25を備えない構成であってもよい。この場合、第2スピーカー26からは、同乗者用情報に基づいた情報が音声として出力される。
【0099】
・実施形態において、同乗者用提供装置15は、同乗者が着座する座席の位置などを調整する装置であってもよい。この場合、同乗者用情報には、座席を調整するための情報が含まれる。車載装置は、同乗者が着座する座席を暖める所謂座席ヒータを備えた装置であってもよい。この場合、同乗者用情報には、座席ヒータの駆動態様を特定するための情報が含まれる。
【0100】
・実施形態において、運転者用提供装置14は、目的地までのルートの案内を音声のみで行う装置であってもよい。また、運転者用提供装置14は、目的地までのルートの案内を表示のみで行う装置であってもよい。
【0101】
・実施形態において、制御装置17は、ナビゲーション処理以外の他の運転支援処理を行ってもよい。ナビゲーション処理以外の他の運転支援処理としては、例えば、自車両による車線(レーン)の中央での走行を補助する所謂レーンキープ処理が挙げられる。レーンキープ処理を行うことが可能な場合、運転者用情報には、レーンキープ処理に関する設定を特定するための情報(例えば、レーンキープ処理を実行させるか否かを特定するための情報、どのタイミングで警告するか否かを特定するための情報)を含ませてもよい。
【0102】
・実施形態において、運転者用提供装置14は、運転席の位置、背もたれ部の角度などを調整する装置であってもよいし、ルームミラーの向き、サイドミラーの向き、ステアリングの高さを調整するための装置であってもよい。この場合、運転者用情報には、運転席の調整するための情報、ルームミラーの向き、サイドミラーの向き、ステアリングの高さを特定するための情報が含まれる。車載装置は、運転者が着座する座席を暖める所謂座席ヒータを備えた装置であってもよい。この場合、運転者用情報には、座席ヒータの駆動態様を特定するための情報が含まれる。
【0103】
・実施形態において、個人識別情報は、携帯電話13の所有者を特定できる情報であれば、携帯電話13の携帯番号以外の任意の個人識別情報であってもよい。例えば、個人識別情報は、携帯電話13に登録されている所有者のメールアドレスを特定するための情報であってもよい。
【0104】
・実施形態では、携帯電話13の所有者に基づき受信する情報の選択を行っているが、所有者に関係なく、携帯電話13から全ての設定情報を受信するようにしてもよい。この場合、受信した各テーブルT1,T2のうち、乗員情報記憶部45に記憶させるテーブルを、携帯電話13の所有者に基づき選別させてもよい。
【0105】
・実施形態において、同乗者が複数いる場合、各同乗者が所有する携帯電話13から電話番号を特定するための個人識別情報を受信し、各個人識別情報が示す電話番号を第1ディスプレイ201にリスト表示させてもよい。そして、リスト表示された各電話番号のうち何れか一つの電話番号が選択された場合、該電話番号の携帯電話13から同乗者用情報管理テーブルT2を受信するようにしてもよい。
【0106】
・実施形態において、運転者情報管理部44で管理される電話番号の携帯電話が車内に複数ある場合には、該当する各携帯電話13の電話番号を第1ディスプレイ201に案内表示させてもよい。そして、車両の乗員に選択された電話番号の携帯電話13を、運転者の携帯電話13と判定させてもよい。
【0107】
・実施形態において、運転者情報管理部44には、車両の所有者が所有する携帯電話13に記憶される個人識別情報だけではなく、所有者以外に自車両を運転する可能性のある人が所有する携帯電話13に記憶される個人識別情報を登録させてもよい。
【0108】
・実施形態において、運転者情報管理部44を設けなくてもよい。この場合、通信可能な全ての携帯電話13から個人識別情報を受信し、各個人識別情報が示す電話番号を、第1ディスプレイ201に案内表示させる。そして、各電話番号のうち、運転者の携帯電話の電話番号として選択された電話番号の携帯電話から、運転者用情報管理テーブルT1を受信させるようにしてもよい。同様に、各電話番号のうち、同乗者の携帯電話の電話番号として選択された電話番号の携帯電話から、同乗者用情報管理テーブルT2を受信させるようにしてもよい。
【0109】
このように構成すると、例えばレンタカーなどのように普段乗車しない車両に運転者として搭乗した場合であっても、該車両に搭載されたナビゲーション装置12が運転者の携帯電話13から運転者用情報管理テーブルT1を受信することにより、運転者の意図に沿った設定でナビゲーション処理が行われることになる。
【0110】
・実施形態において、車内に、通信部43に通信可能に接続された端子を複数設けてもよい。そして、これら端子に携帯電話13を接続させてもよい。この場合、端子を介して、制御装置17と携帯電話13との間で通信が行われる。
【0111】
・実施形態において、情報端末は、該情報端末の所有者を識別できる個人識別情報を保管する端末であれば、携帯電話以外の他の任意の端末であってもよい。
・本発明は、制御装置17と通信可能な携帯電話13が一台だけある場合でも適用できる。例えば、携帯電話13の所有者がタクシーに乗車した場合、該タクシーが搭載するナビゲーション装置12が、お客様の携帯電話13から同乗者用情報を受信する。すると、ナビゲーション装置12の同乗者向け処理は、お客様の携帯電話13から受信した同乗者用情報が示す設定で行われる。この場合、タクシーに乗車したお客様の車内での快適性を向上させることができる。
【0112】
次に、上記実施形態及び別の実施形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記同乗者用の表示画面は、運転席に着座した運転者から視認不能な画面であることを特徴とする車載制御装置。
【0113】
(ロ)前記同乗者用の表示画面は、前記車載装置で取得した動画情報が示す動画を表示可能とされており、
前記同乗者用情報は、前記同乗者用の表示画面のコントラストを特定するための情報、前記同乗者用の表示画面に表示させる番組を特定する情報、及び前記同乗者用の表示画面に字幕を表示させるか否かを特定するための情報のうち少なくとも一つの情報を含むことを特徴とする車載制御装置。
【0114】
(ハ)前記運転者用情報は、車両で取得可能な道路交通情報のうち運転者への案内を許可又は規制する情報を特定するための交通情報、運転者に案内すべき付加情報と案内しない付加情報とを特定するための付加案内情報、及び前記運転者用の表示画面での地図の表示態様を特定するための地図表示情報のうち少なくとも一つの情報を含むことを特徴する車載制御装置。
【0115】
(ニ)情報端末に記憶される設定情報は、該情報端末で登録された地点の位置を特定するための地点位置情報を含み、
前記受信手段は、情報端末から地点位置情報を共通情報として受信し、
前記車載制御装置は、前記受信手段によって受信された地点位置情報が示す地点を車両の目的地の候補として案内する地点案内手段をさらに備えることを特徴とする車載制御装置。
【0116】
(ホ)前記受信手段によって受信された地点位置情報が示す地点とは異なる他の地点が車両の目的地として設定された場合に、該他の地点の位置を特定するための地点位置情報を車内の情報端末に送信する送信手段をさらに備えることを特徴とする車載制御装置。
【符号の説明】
【0117】
12…車載装置の一例としてのナビゲーション装置、13,13A,13B…情報端末の一例としての携帯電話、17…車載制御装置の一例としての制御装置(端末判定手段、受信手段、第1の制御手段、第2の制御手段、地点案内手段、送信手段)、25…同乗者用の表示画面の一例としての第2ディスプレイ、201…運転者用の表示画面の一例としての第1ディスプレイ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載制御装置と通信可能な情報端末に記憶される設定情報を受信し、該受信した設定情報に基づき車載装置を制御する車載制御装置であって、
前記情報端末が運転者の情報端末であるか否かを判定する端末判定手段と、
前記端末判定手段によって前記情報端末が運転者の情報端末であると判定された場合、当該情報端末から設定情報のうち運転者が享受すべき運転者向け処理に関する設定を特定するための運転者用情報を受信し、前記端末判定手段によって前記情報端末が運転者の情報端末ではないと判定された場合、当該情報端末から設定情報のうち同乗者が享受すべき同乗者向け処理に関する設定を特定するための同乗者用情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された運転者用情報が示す設定で前記運転者向け処理を行う第1の制御手段と、
前記受信手段によって受信された同乗者用情報が示す設定で前記同乗者向け処理を行う第2の制御手段と、を備えることを特徴とする車載制御装置。
【請求項2】
前記運転者向け処理は、設定された目的地までの経路を案内するナビゲーション処理であることを特徴とする請求項1に記載の車載制御装置。
【請求項3】
前記同乗者向け処理は、設定された目的地までの経路を案内するナビゲーション処理とは独立した処理であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車載制御装置。
【請求項4】
前記車載装置は、同乗者用の表示画面を備えており、
前記同乗者向け処理は、前記同乗者用の表示画面の表示態様を制御する表示処理であることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の車載制御装置。
【請求項5】
前記車載装置は、運転者用の表示画面を備えており、
前記ナビゲーション処理は、設定された目的地までの経路を前記運転者用の表示画面に表示させる処理であることを特徴とする請求項2に記載の車載制御装置。
【請求項6】
車載装置を制御する車載制御装置と通信可能な情報端末から受信した設定情報に基づき前記車載装置を制御させるための車載制御方法であって、
前記情報端末が運転者の情報端末であるか否かを判定させる端末判定ステップと、
前記端末判定ステップで前記情報端末が運転者の情報端末であると判定した場合に、当該情報端末から設定情報のうち運転者が享受すべき運転者向け処理に関する設定を特定するための運転者用情報を受信させる第1の受信ステップと、
前記端末判定ステップで前記情報端末が運転者の情報端末ではないと判定した場合に、当該情報端末から設定情報のうち同乗者が享受すべき同乗者向け処理に関する設定を特定するための同乗者用情報を受信させる第2の受信ステップと、
前記第1の受信ステップで受信した運転者用情報が示す設定で前記車載装置を駆動させる運転者向け処理ステップと、
前記第2の受信ステップで受信した同乗者用情報が示す設定で前記車載装置を駆動させる同乗者向け処理ステップと、を有することを特徴とする車載制御方法。
【請求項7】
車載制御装置と通信可能な情報端末から受信した設定情報に基づき車載装置を制御する前記車載制御装置が実行する車載制御用プログラムであって、
前記車載制御装置に、
前記情報端末が運転者の情報端末であるか否かを判定させる端末判定ステップと、
前記端末判定ステップで前記情報端末が運転者の情報端末であると判定した場合に、当該情報端末から設定情報のうち運転者が享受すべき運転者向け処理に関する設定を特定するための運転者用情報を受信させる第1の受信ステップと、
前記端末判定ステップで前記情報端末が運転者の情報端末ではないと判定した場合に、当該情報端末から設定情報のうち同乗者が享受すべき同乗者向け処理に関する設定を特定するための同乗者用情報を受信させる第2の受信ステップと、
前記第1の受信ステップで受信した運転者用情報が示す設定で前記車載装置を駆動させる運転者向け処理ステップと、
前記第2の受信ステップで受信した同乗者用情報が示す設定で前記車載装置を駆動させる同乗者向け処理ステップと、を実行させることを特徴とする車載制御用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−132821(P2012−132821A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286039(P2010−286039)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】