説明

車載器への情報配信方法

各種メディアから取得した目的地IDに基づいて容易にカーナビゲーション装置に目的地を設定することを可能にするために、端末装置から少なくとも位置IDとユーザIDとを受信して、取得したユーザIDに対応付けられたユーザデータベースに登録し、さらにこの位置IDに対応付けられた位置情報を位置情報データベースから読み出して、カーナビゲーション装置に対して前記位置情報を提供するようにした。そしてカーナビゲーション装置は車が始動キーで始動したときに情報を受信できるようにしておく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のカーナビゲーション装置等の車載器への情報配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載された車載器(カーナビゲーション装置)で目的地を設定する方法としては、リモコン等で住所や電話番号、さらには緯度・経度を直接入力することが一般的だった。しかし、このような目的地の設定方法は煩雑であり、運転者が車両を停止させて目的地の設定を行うことは大都市の厳しい駐停車環境を考えると困難な場合が多かった。
【0003】
なお、携帯電話端末を用いたカーナビゲーション装置における目的地設定方法について説明した特許文献として、特開2002−257566号公報があるが、携帯電話端末をカーナビゲーション装置の通信手段として用いているに過ぎない。
【特許文献1】特開2002−257566号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、新聞、雑誌やテレビ・ラジオ放送、インターネット等のメディアでは、レストランや店舗の情報が大量に溢れているが、ユーザがこれらの情報を参照してこれらのレストランや店舗に行く決意をした場合に、これらを目的地にしてその住所や電話番号をカーナビゲーション装置に入力しなければならず、メディアからの情報を有効に利用できない問題があった。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、各種メディアから取得した情報に基づいて容易にカーナビゲーション装置に目的地を設定することが可能な技術を提供することを技術的課題とする。
前記課題を解決するために本発明は、端末装置から少なくとも位置IDとユーザIDとを受信して、取得したユーザIDをユーザデータベースに登録し、さらにこの位置IDに対応付けられた位置情報を位置情報データベースから読み出して、前記カーナビゲーション装置に対して前記位置情報を提供するものである。
【0006】
端末装置は、たとえばネットワーク通信機能を備えた携帯電話端末、パーソナルコンピュータまたはカーナビゲーション装置自身で構成することができる。
位置IDとは、地図上で一意の位置を示す数字列等のコード情報として付与されているIDを用いることができる。カーナビゲーション装置等の地図データベースに当該位置IDの情報が格納されている場合には、カーナビゲーション装置に対して、位置IDを送信するだけで目的地の設定が可能となる。
なお、位置IDの代わりに、店舗ID等を情報IDとして端末装置から送信するようにしてもよい。この場合、サーバにおいて受信された当該店舗IDに対応した位置情報(経度・緯度等の座標情報)がカーナビゲーション装置に送信される。
【0007】
位置情報データベースには、前記情報ID毎にカーナビゲーション装置が把握可能な座標情報が位置情報として登録されており、より具体的には緯度と経度が登録されている。
【0008】
そして、カーナビゲーション装置に対して位置情報を提供することにより、カーナビゲーション装置は前述の端末装置から入力された位置IDに対応した場所を目的地として設定することが可能となる。
【0009】
なお、カーナビゲーション装置への位置情報の提供方法としては、通信機能を有するカーナビゲーション装置に対して直接位置情報を送信することも可能であるが、情報提供サーバ(たとえばWEBサーバ)上にWEBページを生成し、位置情報を設定可能な目的地として一覧表示させるようにしてもよい。このように位置情報リストを生成することにより、車のエンジンを始動し、カーナビゲーション装置を起動した時に前記情報提供サーバにアクセスして目的地の情報を収集することができる。
【0010】
すなわち、本発明の技術によれば、図1に示すような運用が可能である。
ユーザは、カメラ付携帯端末102でたとえば雑誌101の店舗紹介記事とともに印刷されているバーコード103を撮影すると、カメラ付携帯端末102のバーコード読取機能により、バーコード103が解析されてインターネット上のアドレス(URL)に変換される。そして、カメラ付携帯端末102のインターネット接続機能により当該アドレスにアクセスすると、前記店舗の位置を登録するためのボタン102bがカメラ付携帯端末102aの画面に表示される。ユーザが、当該カメラ付携帯端末102の操作ボタンを操作して前記登録ボタン102bを指定して入力操作(ワンプッシュ操作)を行うと、当該アドレス(URL)から呼び出されたファイルに記述されたに設定された店舗ID(店舗に対して割り当てられる位置ID)と,前記カメラ付携帯端末102に登録されたユーザIDが本発明のワンプッシュサーバに送信される。
【0011】
なお、店舗IDは、数桁の数字等で構成されたコードが考えられるが、経度と緯度が直接登録された位置IDそのものであってもよい。
【0012】
また,ユーザIDは,本発明のワンプッシュサーバにアクセス後に,ユーザが手動入力してもよい。
【0013】
次に、当該ユーザが自分の車両105に乗車し、カーナビゲーション装置104を始動すると、当該カーナビゲーション装置104の通信機能により、前記の店舗IDに対応した経度・緯度情報が前記ワンプッシュサーバからダウンロードされ、カーナビゲーション装置104に当該店舗の経度と緯度とが目的地として設定される。
【0014】
このように本発明の運用により、ユーザは雑誌101等のメディアで取得した情報をカメラ付携帯端末102等の端末装置からワンプッシュ操作でサーバに送信しておくことにより、自車のカーナビゲーション装置104に当該情報に基づいた目的地情報がダウンロードされる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、各種メディアから取得した目的地IDに基づいて容易にカーナビゲーション装置に目的地を設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図2に示すように、本実施形態は、携帯電話端末102(携帯端末)と、ワンプッシュサーバ201と、車載器(カーナビゲーション装置)とで構成される。
【0017】
携帯電話端末102は、ネットワーク接続可能な携帯電話端末102、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Data Assistant)等を例示することができ、場合によっては無線LANまたは携帯電話端末102を介してネットワークに接続可能なカーナビゲーション装置104自身であってもよい。ただ以下の説明では説明の簡略のため、これらを含む概念として一括して携帯電話端末102(携帯端末)と呼ぶ。
【0018】
ワンプッシュサーバ201は、受付サーバ202と、WEBサーバ203とで構成されており、データベースとしてユーザデータベース204と位置情報データベース205とを有している。なお、受付サーバ202とWEBサーバ203とはその機能を兼用した1つのサーバであってもよい。また、データベースもユーザデータベース204と位置情報データベース205が統合された単一のデータベースであってもよい。
【0019】
受付サーバ202とWEBサーバ203とは汎用の情報処理装置またはパーソナルコンピュータ等で構成されており、受付サーバ202はユーザデータベース204へのアクセスが、WEBサーバ203はユーザデータベース204と位置情報データベース205とへのアクセスが可能となっている。
【0020】
ユーザデータベース204には、携帯電話端末102のユーザIDをキーとしてそれに対応する位置ID(位置登録1,位置登録2,,,)が登録可能となっている。ユーザIDは、入会処理においてパーソナルコンピュータ等から携帯電話端末102と車載器104に任意のIDを設定し、受付サーバ202にアクセスする際に当該ユーザIDで認証を行うようにしてもよい。ユーザは車載器104からWEBサーバ203にアクセスする際に当該WEBサーバ203の管理ドメイン下に設定されたこのURLを指定することになる。したがって、ユーザIDはURLを直接示すものであってもよい。
【0021】
なお、図2ではユーザIDとともに車載器IDを登録可能としているが、特定の車載器IDからのアクセスのみを受け付ける場合には、このように車載器IDをユーザデータベース204に登録させるようにしてもよい。
【0022】
なお、ユーザデータベース204の位置IDのエリアは初期状態ではNULLコードが登録されているが、携帯電話端末102から位置IDが登録される度に当該位置IDが位置登録nとして格納されるようになっている。なお、ユーザデータベース204の位置IDの登録可能個数は任意であるが、車載器104(カーナビゲーション装置)で管理可能な行き先情報として、数個乃至20個程度を登録可能とすることが望ましい。
【0023】
なお,これらの位置IDは、一旦,車載器104で目的地に設定されたり,目的地に到着したりすると,車載器104からの指示を受け順次削除されるようにしてもよし,時間経過によって削除してもよい。
【0024】
位置情報データベース205は、前記位置IDに対応した店舗等の名称(名前)と、経度と緯度とが登録されている。このような位置IDと経度と緯度の情報はあらかじめサービス提供者、すなわちワンプッシュサーバ201の運営管理者が雑誌または店舗営業者からの要請に基づいてデータベース化しておくことが望ましい。
【0025】
次に、図1〜図3を用いて、具体的な手順を説明する。
【0026】
まず、携帯電話端末102がカメラ付携帯電話端末102である場合、ユーザは、このカメラ付携帯電話端末102でたとえば雑誌101の店舗紹介記事とともに印刷されているバーコード103を撮影する。カメラ付携帯電話端末102には、バーコード読取プログラムが登録されており、当該プログラムの処理により、バーコード103が解析されてインターネット上のアドレス(URL)に変換される。
【0027】
そして、カメラ付携帯電話端末102のインターネット接続機能により当該アドレスにアクセスすると、前記店舗の地図を登録ボタン102bがカメラ付携帯電話端末102の画面102aに表示される。ユーザが、当該カメラ付携帯電話端末102の操作ボタンを操作して前記登録ボタン102bを指定して入力操作(ワンプッシュ操作)を行うと、当該アドレス(URL)に設定された位置IDとしての店舗ID(aaaa)と、前記カメラ付携帯電話端末102に登録されたユーザID(0001)とが受付サーバ202に送信される。
【0028】
受付サーバ202では、このユーザID(0001)を検索キーにしてユーザデータベース204にアクセスする。そして当該ユーザID(0001)を索出した時には、そのユーザID(0001)に対応付けて前記店舗ID(aaaa)を位置登録1として追加登録する。
【0029】
なお、この状態で受付サーバ202が前記と同じ携帯電話端末102(ユーザID:0001)より新たな位置ID,すなわち店舗ID(bbbb)を受信した場合には、ユーザデータベース204のユーザID(0001)に対応付けて新たな店舗ID(bbbb)を追加登録する。
【0030】
次に、WEBサーバ203は、ユーザデータベース204の状態を監視し、新たな店舗ID(位置登録)が追加登録された時には、当該店舗ID(位置登録)に対応する店舗の緯度と経度とを位置情報データベース205から読み出す。
【0031】
次に、WEBサーバ203は、ユーザIDを読み出して,このユーザID毎に店舗情報の緯度と経度との座標情報リストを作成する。具体的には、ユーザIDをドメイン配下のアドレスにしたHTML(Hyper Text Mark−up Language)形式のページを生成する。たとえば、「http://www.list/Ab12.html」というURLを有するWEBページが生成される。そしてこのWEBページには店舗ID(位置ID)=aaaaと、店舗ID(位置ID)=bbbbに対応する店舗の緯度と経度が、「aaaa=E38.18.13:N34.32.30」、「bbbb=E38.18.15:N34.33.44」というようにリスト化されてWEBサーバ203に登録される。
【0032】
次に、ユーザが自車105に乗車してカーナビゲーション装置104(車載器)が起動すると、無線LAN、PHSまたは携帯電話端末回線による通信手段が起動し、カーナビゲーション装置104は,ユーザIDをWEBサーバ203に送信し認証を受ける。このとき、図4に示すようにユーザデータベースにユーザIDとともに車載器IDが登録されているような場合には、車載器IDをWEBサーバ203に送信して認証を受けてもよい。
【0033】
そして、カーナビゲーション装置104は、前記WEBサーバ203に生成された前述のURL(ここでは、「http://www.list/Ab12.html」)にアクセスする。そして、前記店舗ID=aaaaと、店舗ID=bbbbの緯度と経度情報をカーナビゲーション装置104の表示装置に表示する。
【0034】
このような緯度・経度情報のダウンロードは、ユーザ(運転者)に意識させることなく実行処理されてもよい。
【0035】
ここで、ユーザ(運転者)が、表示装置上でいずれかかの店舗ID(たとえば「aaaa」)を指定すると、当該店舗IDに対応する緯度・経度情報(「aaaa=E38.18.13:N34.32.30」)がカーナビゲーション装置104にダウンロードされ、自車の目的地としてこの緯度・経度が設定される。
【0036】
図4は、カーナビゲーション装置104を用いたユーザIDの登録方法について説明した図である。
【0037】
同図では、カーナビゲーション装置104から無線LAN、PHSまたは携帯電話端末回線による通信手段を用いてWEBサーバ203にアクセスする。ここで、WEBサーバ203は登録用WEBサーバ203として機能しており、カーナビゲーション装置104を通じて携帯メールアドレス(携帯電話端末102に設定されたメールアドレス)を入力させる。このようにして取得されたユーザIDと携帯メールアドレスとは登録システム401によって処理される。
【0038】
なお、カーナビゲーション装置104への携帯メールアドレスの登録はカーナビゲーション装置104に付属される図示されないリモコン等によって入力されてもよく、さらに携帯電話端末102とカーナビゲーション装置104との赤外線通信、ブルートゥース通信、その他の無線通信によって携帯電話端末102からカーナビゲーション装置104にデータ転送された携帯メールアドレスを用いてもよい。
【0039】
登録システム401では、このようにして受信した携帯メールアドレスをユーザデータベース204に登録する。なお、図4のユーザデータベース204では携帯メールアドレスの欄は省略されているが、車載器IDの欄に携帯メールアドレスを登録するようにしてもよい。
【0040】
次に、登録システム401は、ユーザ毎に生成した携帯登録用WEBページのURLを含んだ電子メールを生成し、前記で取得した携帯メールアドレスに対して送信する。
【0041】
次に、前記電子メールを受信した携帯電話端末102から前記電子メールに含まれるURLに基づいて携帯登録用WEBページにアクセスする。ユーザは携帯電話端末102を介してこの携帯登録WEBページにアクセスすることによりこのWEBページのCGIを介してユーザデータベース204にアクセスしてユーザIDを取得する。
【0042】
なお,携帯電話端末からのWEBページアクセスの際,携帯電話事業者から提供される携帯電話端末の識別IDをユーザIDとして用いてもよい。さらに、ユーザIDとしては前記携帯電話端末の識別IDの他、車載器ID、車両固有のID(エンジンや車体の製造番号等)、通信機器固有のID、携帯電話端末や車載器に挿入されるICカード、車両のキーに登録されているセキュリティID(イモビライザー等のID)を用いてもよい。
【0043】
また,携帯メールアドレスの登録の際に,ユーザIDを登録することにより、本手順を省略することもできる。
【0044】
そして、このユーザIDを携帯登録用WEBサーバ203を介して携帯電話端末102に通知し、登録処理を完了する。このような一連の処理により、ユーザIDに基づいたユーザデータベース204が構築される。
【0045】
図5は、図4で説明したユーザIDの登録方法の別の方法を示す図である。図5では登録用WEBサーバが省略されており、カーナビゲーション装置104はカーナビゲーション装置104にダウンロードされた登録用アプリケーションプログラムを起動してユーザの携帯メールアドレスの入力を促し、入力された携帯メールアドレスを直接登録システム401に送信するようになっている。なお、以後の処理は図4と同じであるため説明は省略する。
【0046】
図6は、ユーザIDの登録方法のさらに別の方法を示す図である。
【0047】
図6は、携帯電話端末102を用いずにカーナビゲーション装置104のみでユーザIDとメールアドレスとをユーザデータベース204に登録する場合である。同図では、カーナビゲーション装置104から無線LAN、PHSまたは携帯電話回線による通信手段を用いて登録用WEBサーバ203にアクセスし、ユーザIDとパスワードとを登録する。登録システム401はこのユーザIDとパスワードとをユーザデータベース204に登録する。なお、図6ではユーザデータベース204のパスワードの欄は省略されている。
【0048】
図7は、図6で説明したユーザIDの登録方法の変形例である。
【0049】
図7では、図6で示した登録用WEBサーバが省略されており、カーナビゲーション装置104は無線LAN、PHSまたは携帯電話回線による通信手段を用いて直接登録システムにアクセスし、ユーザIDとパスワードとを登録する。その他の処理は図6と同様であるので説明は省略する。
【0050】
図8は、インターネット接続可能な携帯電話端末102でWEBサーバを閲覧している際に注目した位置IDをワンプッシュサーバ201に登録し、カーナビゲーション装置104に当該位置IDに対応した地図座標情報をダウンロードする手順を示したシーケンス図である。
【0051】
ユーザが携帯電話端末102(携帯端末)のブラウザプログラムを起動してインターネット上のWEBサーバ801(このWEBサーバは、図2のワンプッシュサーバ201内のWEBサーバとは異なる)の店舗情報を閲覧しており、図2に示したような画面に表示されたボタン(登録ボタン)の領域を指定して入力(ワンプッシュ操作)を行うと、ワンプッシュサーバ201に対して当該アドレス(URL)に設定された位置IDとしての店舗IDと、前記カメラ付携帯電話端末102に登録されたユーザIDとがワンプッシュサーバ201(受付サーバ202)に送信されユーザデータベース204に登録される。この手順の詳細は図2で説明したので省略する。
【0052】
なお,ユーザが受付サーバにアクセスした後に,別途ユーザIDを入力してもよい。
【0053】
次に、カーナビゲーション装置104が起動されて、ユーザIDをワンプッシュサーバ201(図2に示したWEBサーバ)に送信し認証を受ける。そして、当該ユーザIDでユーザデータベース204を検索して生成されたWEBサーバから前記店舗IDに対応した緯度・経度情報の転送を受ける。カーナビゲーション装置104ではこの緯度・経度情報に基づいて経路表示(ルート表示)および案内を開始する。
【0054】
なお,車載器にユーザIDを記憶させて,上記動作を自動的に実現させてもよい。
【0055】
また,携帯電話端末に記憶させたユーザIDを,Bluetoothなどの短距離無線アクセスや,携帯電話端末に搭載された非接触アクセスを用いて,前記携帯電話端末から前記ユーザIDを車載器に送信した上で,車載器がユーザIDを受付サーバに送信して,上記動作を自動的に実現させてもよい。
【0056】
また,ICカードやICチップ内臓車両鍵に内蔵されるIDをユーザIDとして,車載器に送信した上で,車載器がユーザIDを受付サーバに送信して,上記動作を自動的に実現させてもよい。
【0057】
図9は、本発明の他の実施形態の操作手順を示したものである。同図では、携帯電話端末102(携帯端末)がアクセスするWEBサーバ801の店舗情報にあらかじめワンプッシュサーバ201から提供された店舗IDが登録されており、ワンプッシュサーバ201は店舗IDと緯度・経度情報とを緯度経度データベースに登録しておく。
【0058】
次にWEBサーバの店舗情報を閲覧したユーザが携帯電話端末102(携帯端末)の表示画面上のボタン(登録ボタン)を指定して入力操作(ワンプッシュ操作)を行うと、この店舗IDと携帯電話端末102(携帯端末)のユーザIDとがワンプッシュサーバ201に送信される。
【0059】
ワンプッシュサーバ201では携帯電話端末102(携帯端末)から送信された店舗IDに基づいて緯度経度データベース901を検索し、当該店舗IDに対応した緯度経度情報を読み出す。そして、前記ユーザIDに対応して緯度経度情報を個人データベース902に登録する。このようにして登録された個人データベース902に基づいてワンプッシュサーバ201のWEBサーバに緯度経度情報が登録される。そして、カーナビゲーション装置104がワンプッシュサーバ201(WEBサーバ)にアクセスして認証処理を受けると当該ユーザの個人ページが表示されて前記緯度経度情報ダウンロード可能となる。そして、この緯度経度情報がカーナビゲーション装置104に転送されると、該緯度経度情報に基づいてルート表示およびルート案内が開始される。
【0060】
なお,該当店舗IDに対応した緯度経度情報の読み出しと緯度経度情報の登録を,カーナビゲーション装置104からのアクセスの前に行わず,位置IDに関連付けたURLを含む個人ページとして,カーナビゲーション装置104からのアクセス後に,緯度経度を読み出して,カーナビゲーション装置104に転送させてもよい。
【0061】
図10は、携帯電話端末102(携帯端末)とカーナビゲーション装置104との関連付けを別の実施形態で行う場合を示すシーケンス図である。
【0062】
携帯電話端末102(携帯端末)でWEBサーバ801から赤外線アプリケーションプログラムをダウンロードする。この赤外線アプリケーションプログラムは、たとえばJAVA(登録商標)言語で記述され携帯電話端末102(携帯端末)上で起動されるアプリケーションプログラムであり、携帯電話端末102(携帯端末)の赤外線通信用インターフェースを制御して他の機器との赤外線通信を可能にするものである。
【0063】
次に、ユーザが自車105に乗車して、前記携帯電話端末102(携帯端末)にダウンロードされた赤外線アプリケーションプログラムを起動すると、当該携帯電話端末102(携帯端末)とカーナビゲーション装置104とが通信を行い、ユーザIDがカーナビゲーション装置104に送信される。
【0064】
このような場合は、ユーザの携帯電話端末102への指示を待ってから実行してもよいが、アプリケーションプログラムの起動とともに自動的に通信を開始してもよい。
【0065】
なお、このような赤外線アプリケーションプログラムは、ユーザの自車105以外の他車に乗車した時に当該他車の車載器104と通信を行うようにしてもよい。
【0066】
カーナビゲーション装置104が起動されると、前記ユーザIDによってワンプッシュサーバ201に自動接続し、ユーザデータベース204を検索する。以下の処理は図1で説明した処理と同様であるので説明を省略する。
【0067】
なお、このときユーザデータベース204には、前記携帯電話端末102(携帯端末)からのワンプッシュ操作により、位置IDが既に登録されているものとする。
【0068】
図11は、本発明のさらに他の実施形態の処理手順を示すシーケンス図である。この実施形態では、まずワンプッシュサーバ201が緯度経度情報とそれに対応するアクセス用IDとを緯度経度データベース(位置情報データベース205)としてワンプッシュサーバ201内に登録する。
【0069】
また、前記アクセス用IDをWEBサーバに提供し、WEBサーバ801内の店舗情報にアクセス用IDを付与する。
【0070】
この状態で、携帯電話端末102(携帯端末)が店舗情報を表示し、ワンプッシュ操作を行うと、前記アクセス用IDと赤外線アプリケーションプログラムが携帯電話端末102(携帯端末)にダウンロードされる。
【0071】
次に、ユーザが自車に乗車して、前記携帯電話端末102(携帯端末)にダウンロードされた赤外線アプリケーションプログラムを起動すると、当該携帯電話端末102(携帯端末)とカーナビゲーション装置104とが通信を行い、前記アクセス用IDがカーナビゲーション装置104に送信される。
【0072】
次に、カーナビゲーション装置104が起動されると、前記アクセス用IDによってワンプッシュサーバ201に自動接続し、緯度経度情報データベース901を検索する。そして索出された緯度経度情報をカーナビゲーション装置104に表示し、ルート(経路)の表示および案内を行う。
【0073】
以上、本実施形態を具体的に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
たとえば実施形態では、車載器としてカーナビゲーション装置を用いたが、車両に搭載される情報処理装置であればいかなるものであってもよく、たとえばパーソナルコンピュータ等でもよい。
また実施形態では、ユーザIDを用いることによって車載器を特定したが、車両に割り当てられた車両IDや車載器に割り当てられた車載器IDや車載器に接続された通信機器の通信機器IDを用いて車両や車載器や通信機器を特定してもよい。この場合,ユーザIDの登録のための車載器からのアクセス時に,受付サーバが当該IDを取得してユーザIDとする。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、車両に搭載されるカーナビゲーション装置等の車載器における移動体通信に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明により実施されるサービスの概念を示す説明図
【図2】携帯電話端末102(携帯端末)からワンプッシュサーバ201への登録を示す説明図
【図3】カーナビゲーション装置104(車載器)が位置情報を取得する手順を示す説明図
【図4】ユーザIDと車載器IDとの登録手順を示す説明図(1)
【図5】ユーザIDと車載器IDとの登録手順を示す説明図(2)
【図6】ユーザIDと車載器IDとの登録手順を示す説明図(3)
【図7】ユーザIDと車載器IDとの登録手順を示す説明図(4)
【図8】全体の処理手順を示すシーケンス図
【図9】ワンプッシュサーバ201からIDを発行する変形例のシーケンス図
【図10】赤外線アプリケーションプログラムを用いる変形例のシーケンス図(1)
【図11】赤外線アプリケーションプログラムを用いる変形例のシーケンス図(2)
【符号の説明】
【0076】
101 雑誌
102 携帯電話端末
102a 表示画面
102b ボタン(ワンプッシュボタン)
103 バーコード
104 カーナビゲーション装置(車載器)
105 車両
201 ワンプッシュサーバ
202 受付サーバ
203 WEBサーバ
204 ユーザデータベース
205 位置情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置から少なくとも1つの位置IDとユーザIDとを受付手段に対して送信するステップと、
前記受付手段が取得したユーザIDに対応付けられたユーザデータベースに前記位置IDを登録するステップと、
前記ユーザデータベースから前記位置IDを読み出して、位置IDに対応付けられた位置情報を位置情報データベースから読み出すステップと、
車載器からのアクセスに対して少なくとも1つの前記位置IDまたは前記位置情報を提供するステップとからなる車載器への情報配信方法。
【請求項2】
前記端末装置は携帯電話端末である請求項1記載の車載器への情報配信方法。
【請求項3】
前記位置情報は地図上の座標位置情報である請求項1記載の車載器への情報配信方法。
【請求項4】
前記車載器からのアクセスに対して前記位置IDまたは前記位置情報を提供するステップは、
前記ユーザID毎に前記位置IDまたは位置情報を記録したWEBページを生成し、前記車載器から前記WEBページへのアクセスによって前記車載器に前記位置IDまたは位置情報を配信する請求項1記載の車載器への情報配信方法。
【請求項5】
携帯端末から少なくとも位置IDとユーザIDとを受け付ける手段と、
前記ユーザIDと位置IDとを対応付けて記録するユーザデータベースと、
前記位置IDと位置情報とを対応付けて記録する位置情報データベースと、
前記位置IDに対応した位置情報を組み合わせて車載器に提供する手段とからなる車載器への情報配信装置。
【請求項6】
前記位置情報の提供は、車載器からアクセス可能なWEBサーバに表示情報として登録される請求項1記載の車載器への情報配信方法。
【請求項7】
第1の端末装置から少なくとも1つの位置IDとユーザIDとを受付手段に対して送信するステップと、
前記受付手段が取得したユーザIDに対応付けられたユーザデータベースに前記位置IDを登録するステップと、
前記ユーザデータベースから前記位置IDを読み出して、位置IDに対応付けられた位置情報を位置情報データベースから読み出すステップと、
第2の端末装置からのアクセスに対して少なくとも1つの前記情報を提供するステップとからなる情報配信方法。
【請求項8】
端末装置から少なくとも1つの情報IDとユーザIDとを受付手段に対して送信するステップと、
前記受付手段が取得したユーザIDに対応付けられたユーザデータベースに前記情報IDを登録するステップと、
前記ユーザデータベースから前記情報IDを読み出して、情報IDに対応付けられた情報を情報データベースから読み出すステップと、
車載器からのアクセスに対して少なくとも1つの前記位置情報を提供するステップとからなる車載器への情報配信方法。
【請求項9】
第1の端末装置から少なくとも1つの情報IDとユーザIDとを受付手段に対して送信するステップと、
前記受付手段が取得したユーザIDに対応付けられたユーザデータベースに前記情報IDを登録するステップと、
前記ユーザデータベースから前記情報IDを読み出して、位置IDに対応付けられた情報を情報データベースから読み出すステップと、
第2の端末装置からのアクセスに対して少なくとも1つの前記情報を提供するステップとからなる情報配信方法。
【請求項10】
前記車載器からのアクセスは、車両の始動または車載器の始動操作によって車載器が起動した時またはその後に行われる請求項1〜9のいずれかに記載の情報配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【国際公開番号】WO2005/024347
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【発行日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−513703(P2005−513703)
【国際出願番号】PCT/JP2004/012996
【国際出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(500183881)株式会社サイバードホールディングス (5)
【Fターム(参考)】