車載器
【課題】 本発明は、傾き動作が可能なディスプレイ部を備えた車載器において、不要輻射の発生をより減少させることを目的とする。
【解決手段】
傾き動作可能な表示部を備えた車載器であって、導電性の本体筐体と、前記本体筐体にはめ込まれたインナーエスカッションと、前記インナーエスカッションの開口部をくぐり抜けて抜き差し移動するスライド部材と、を備え、前記表示部は、前記インナーエスカッションに取り付けられている第一の取付部と、前記スライド部材に取り付けられている第二の取付部と、を備え、前記表示部のアース端子は、前記第一の取付部で前記本体筐体と電気的に接続している、ことを特徴とする車載器。
【解決手段】
傾き動作可能な表示部を備えた車載器であって、導電性の本体筐体と、前記本体筐体にはめ込まれたインナーエスカッションと、前記インナーエスカッションの開口部をくぐり抜けて抜き差し移動するスライド部材と、を備え、前記表示部は、前記インナーエスカッションに取り付けられている第一の取付部と、前記スライド部材に取り付けられている第二の取付部と、を備え、前記表示部のアース端子は、前記第一の取付部で前記本体筐体と電気的に接続している、ことを特徴とする車載器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載器の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車載器の中には、画像表示面を有するディスプレイ部の傾きを変更可能なものがある。このような車載器では、ディスプレイ部を支持する部材がヒンジ機構やスライド機構により結合し、部材間の位置関係の変位により、ディスプレイ部の傾き動作を実現している(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−309388号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ヒンジ機構やスライド機構で部材間が結合されている場合、可動部のクリアランスをとるために電磁波の遮蔽効果が薄れてしまい、ディスレプレイ部から電磁波等の不要輻射が発生し易くなる。
【0005】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、傾き動作が可能なディスプレイ部を備えた車載器において、不要輻射の発生をより減少させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明では、ディスプレイ部のアースを強化することで、ノイズの発生を減少させる。
【0007】
例えば、本願発明の車載器は、傾き動作可能な表示部を備えた車載器であって、導電性の本体筐体と、前記本体筐体にはめ込まれたインナーエスカッションと、前記インナーエスカッションの開口部をくぐり抜けて抜き差し移動するスライド部材と、を備え、前記表示部は、前記インナーエスカッションに取り付けられている第一の取付部と、前記スライド部材に取り付けられている第二の取付部と、を備え、前記表示部のアース端子は、前記第一の取付部で前記本体筐体と電気的に接続している、ことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】車載器の斜視図。
【図2】車載器の斜視図。
【図3】車載用ディスプレイ装置の分解斜視図。
【図4】ディスプレイ部の外観図。
【図5】ディスプレイ部の外観図。
【図6】車載器の筐体の外観図。
【図7】ディスプレイ部の外観図。
【図8】車載器の筐体の外観図。
【図9】スライド機構の外観図。
【図10】スライド機構の外観図。
【図11】車載器の筐体の外観図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明が適用された車載器1について、図1〜図11を参照して説明する。なお、図1〜図11は、車載器1の全ての構成を示すものではなく、理解容易のため、適宜、構成の一部を省略して描いている。
【0010】
図1は、車載器1の外観の斜視図である。なお、画像表示面が、向かって左手前に配置するようにしている。図2は、図1と同様の向きに車載器1を配置した場合の外観の斜視図であり、ディスプレイ部100が傾いた状態、すなわちディスプレイ部100が開いた状態を示す。図3は、車載器1の分解斜視図である。図4は、ディスプレイ部100の外観の斜視図と、ディスプレイ部100の右側上部を上方(図3のZ方向)から見た外観図である。図5は、本発明の第一の実施形態に係るディスプレイ部100の右側上部を上方(図3のZ方向)から見た外観図である。図6は、本発明の第二の実施形態に係る車載器の筐体の斜視図である。図7は、本発明の第二の実施形態に係るディスプレイ部100の右側上部を上方(図3のZ方向)から見た外観図である。図8は、本発明の第三の実施形態に係る車載器の筐体の斜視図である。図9は、本発明の第三の実施形態および第四の実施形態に係るスライド機構の外観図である。図10は、本発明の第五の実施形態に係るスライド機構の外観図である。図11は、本発明の第六の実施形態に係る車載器の筐体の斜視図である。
【0011】
なお、以下において、「右」及び「左」は、画像表示面を手前にして置いたときを基準とする。
【0012】
ここから、図1〜図5を参照して、第一の実施形態が適用された車載器1について説明する。しかし、その前に、本発明が適用されていない車載器1のディスプレイ部100のチルト動作を行う基本的な仕組みについて説明する。
【0013】
図1〜図3に示すように、車載器1は、画像表示面を備えるディスプレイ部100と、筐体200と、スライド部300と、インナーエスカッション400と、を備えて構成される。
【0014】
ディスプレイ部100は、扁平直方体形状のケース内に、ディスプレイ基板を格納している。ディスプレイ部100の画像表示面には、液晶パネルなどの表示装置の他に、つまみ160等、各種の操作ボタンが配置されている。なお、ディスプレイ部100の正面の一部及び側面は、図4(a)に示すように樹脂製のケース104で覆われている。
【0015】
ディスプレイ部100の右側の側面であるディスプレイ部右側面101の上方には、右側ローラ部110が設けられている(図3参照)。また、ディスプレイ部100の左側の側面であるディスプレイ部左側面103の上方には、左側ローラ部150が設けられている。また、ディスプレイ部右側面101の下方と、ディスプレイ部左側面103の下方とには、それぞれにディスプレイ支持部取付け部120が設けられている。
【0016】
筐体200は、ディスプレイ部100側の面が開放された箱型の部材である。筐体200内には、CDやDVDのドライブユニット、ハードディスク、各種処理を行うための回路基板等が格納されている。なお、筐体200は、金属等の導電性のある素材により構成される。
【0017】
また、図示しないが、筐体200には、スライド部300がスライド移動を行うためのガイドとなるレールと、スライド移動の駆動源となるモータと、モータの駆動力をスライド部300に伝えるギア等が配置されている。
【0018】
スライド部300は、筐体200内のレールに沿ってスライドするアーム部320と、ディスプレイ部100とヒンジ結合しディスプレイ部100を支持するディスプレイ支持部310とを備えている(図3参照)。アーム部320は、ギアを介してモータと連結しており、モータの駆動方向に応じて、インナーエスカッション400の主面に直交する方向(図3のX方向)にスライド移動する。
【0019】
ディスプレイ支持部310には、ディスプレイ部100のディスプレイ支持部取付け部120に対向する部分に、ネジ貫通孔311が設けられている(図4参照)。ネジ125は、ネジ貫通孔311を貫通して、ディスプレイ支持部取付け部120に結合している。これにより、ヒンジ機構が構成され、ディスプレイ部100は、ネジ125の軸を中心に回転可能である。
【0020】
一方、ディスプレイ部右側面101の上方に設けられた右側ローラ部110は、ローラの先端部111がインナーエスカッション400の右側の壁面である右側壁面430の内側に設けられた上下方向に延びる溝である右側壁面溝431に嵌り込んでいる(図4(b)参照)。また、ディスプレイ部左側面103の上方に設けられた左側ローラ部150は、インナーエスカッション400の左側の壁面である左側壁面410の内側に設けられた上下方向に延びる溝である左側壁面溝411に嵌り込んでいる(図3参照)。なお、ローラの先端部111は、右側ローラ部110の外径よりも小さい外径を有する円筒形をしており、右側壁面溝431の溝の幅は右側ローラ部110の外径よりも狭く、ローラの先端部111の外径よりも広い。そのため、右側壁面溝431には、ローラの先端部111のみが嵌り込む。
【0021】
したがって、ディスプレイ部100の上方部分は、上下方向の移動に制限され、インナーエスカッション400と近接した位置を保持したまま上下方向に移動する(図2参照)。
【0022】
インナーエスカッション400は、ディスプレイ部100を筐体200に収納するための部材であり、ディスプレイ部100の画像表示面の背面側の形状に対応した箱型をしている。インナーエスカッション400は、矩形の主面と、その4つの辺に結合した上下左右の壁面とからなる。主面は、ディスプレイ部100の収納時においてディスプレイ部100の背面と対向する面である。上下左右の4つの壁面は、ディスプレイ部100の収納時にディスプレイ部100の左右上下の側面と対向する面である。
【0023】
インナーエスカッション400の左右の内壁面である左側壁面410、右側壁面430には、ディスプレイ部100の左側面103、右側面101にそれぞれ設けられた左側ローラ部150と、右側ローラ部110とが嵌り込み、かつ上下のみにスライド移動を制限する左側壁面溝411、右側壁面溝431が設けられている(図3参照)。ディスプレイ部100がチルト動作を行うときは、ディスプレイ部100の左側ローラ部150と、右側ローラ部110とは、それぞれ左側壁面溝411、右側壁面溝431に沿って上方向又は下方向にスライド移動する。
【0024】
また、インナーエスカッション400には、CDやDVDなどのディスクの挿入、摘出を行うことができるディスク挿入部401が設けられている。また、インナーエスカッション400には、スライド部300のアーム部320がくぐり抜けるためのスライド部材口450が設けられている(図3参照)。
【0025】
なお、インナーエスカッション400は、筐体200のディスプレイ部100側の口型の開放部分に嵌めこまれている。また、インナーエスカッション400の右側の内壁面430を構成する樹脂製の内面部材430Aと、筐体200の右側壁面を構成する金属製の外面部材430Bとは、図4(b)に示すように密着している。図示しないが、左側壁面410についても、同様である。また、右側壁面溝431の溝の底部は、樹脂製の内面部材430Aを貫通しないように設けられている。
【0026】
ディスプレイ部100のチルト動作時には、ディスプレイ部100の下方部分は、スライド部300の画像表示面方向への突出に従って、インナーエスカッション400から引き離される。一方、ディスプレイ部100の上方部分はインナーエスカッション400と接近したまま下方向に移動するので、ディスプレイ部100は、徐々に水平に近づくように傾けられる。これにより、ディスク挿入部401が露出し、ユーザは、CDやDVDの交換を行うことができる。
【0027】
本発明の第一の実施形態の車載器1についても、概略以上のように構成されるが、さらに次の特徴的な構成を備えている。
【0028】
上記のように、車載器1は、ディスプレイ部100のチルト動作のため、変位可能な機構である左右のローラ部110、150を介して部材が結合している部分がある(図4参照)。かかる機構を有することにより、スムーズなチルト動作が可能となっている。すなわち、ディスプレイ部100は、なるべくスムーズなチルト動作のために、最小限の接点により支持されているといえる。
【0029】
しかし、一方で、ディスプレイ部100において発生する電磁波の輻射を抑えるのに十分なアース性能を備えるGND(グランド)を確保することが難しくなってしまう。十分なGNDを取ることのできる接点の数と接触面積が限られてしまうためである。そのため、かかる機構を用いると、ディスプレイ部100にて発生する電磁波の不要輻射が生じやすくなる。
【0030】
そこで、本実施形態の車載器1においては、上記の基本的な車載器1よりも不要輻射を抑えることのできるディスプレイ部100の支持機構を備える。
【0031】
具体的には、図5に示すように、ディスプレイ部100の上部をインナーエスカッション400に取り付けている右側ローラ部110と、左側ローラ部150と、における不要輻射の抑止について説明する。
【0032】
図5は、ディスプレイ部100の右側上部を上方(図3のZ方向)から見た外観図である。図下側が、ディスプレイの画像表示面である。
【0033】
ディスプレイ部上側面102の、背面寄りの部分に、ディスプレイ部右側面101よりも先端が突き出た右側ローラ部110が取り付けられている。右側ローラ部110は、ディスプレイ部100に固定されるローラ支持部170により支持され、ローラ支持部170の中心軸を回転軸として回転可能に取り付けられたローラ回転部180と、当該ローラ支持部170と、により構成される。なお、ローラ支持部170とローラ回転部180とは、ディスプレイ部100の内部の電子機器の基板のGND端子と電気的に接点を有する。
【0034】
ローラ回転部180は、ローラ支持部170との距離が変位可能に取り付けられている。具体的には、ローラ支持部170とローラ回転部180との間には、ローラ支持部170とローラ回転部180との距離を遠ざける方向に働く力を発生させる巻きバネ171が取り付けられている。
【0035】
ローラ回転部180は、ローラ支持部170から近い順に、第一の円筒部であるローラ鍔部181と、第二の円筒部であるローラ窪み部182と、第三の円筒部であるローラ先端部183と、が結合した形状である。
【0036】
ローラ窪み部182は、ローラ鍔部181よりも外径が狭い円筒形をしており、ローラ鍔部181の回転軸と同一の回転軸に従って回転可能である。また、第三の円筒部であるローラ先端部183の外径は、ローラ窪み部182よりも広い。なお、ローラ鍔部181と、ローラ窪み部182と、ローラ先端部183とは、導電素材を用いて一体に形成されているが、これに限らず、例えば互いに接着されてもよいし、独立して回転可能に取付けられてもよい。
【0037】
また、インナーエスカッション400の右側の内壁面である右側壁面430は、樹脂製の内面部材432Aと、筐体200の右側壁面を構成する金属製の外面部材432Bとにより構成される。内面部材432Aと、外面部材432Bとは、図5に示すように平行に配置され、両部材間には、空隙433が構成される。図示しないが、左側の内壁面410についても、同様の構成を備える。また、樹脂製の内面部材432Aには、内面部材432Aを外面部材432B側へと貫通する右側壁面孔434が設けられている。
【0038】
右側壁面孔434は、スライド部300のスライド動作をなるべく阻害しないように、右側ローラ部110および左側ローラ部150のインナーエスカッション400の正面からの距離を若干変位させるように設けられている。具体的には、上部ほどインナーエスカッション400の正面とローラ部との距離が短くなるように設けられており、またその形状はS字カーブを描くように滑らかな曲線である。また、右側壁面孔434の幅は、ローラ窪み部182の外径よりも広く、かつ、ローラ鍔部181の外径よりも狭くなるように設けられている。なお、右側壁面孔434の幅は、ローラ先端部183の外径よりも狭い。
【0039】
すなわち、車載器1を組み立てた状態では、ローラ先端部183は、内面部材432Aと外面部材432Bとの間に設けられた空隙433に配置され、ディスプレイ部100の内側への脱落を防ぐ。また、ローラ支持部170とローラ回転部180との距離を遠ざける方向に働く力を発生させる巻きバネ171により、ローラ先端部183は外面部材432Bに接するよう付勢されるため、ディスプレイ部100のがたつきを抑えることが可能である。
【0040】
また、ローラ回転部180は導電素材で構成され、外面部材432Bは金属筐体であるために、ローラ先端部183は電気的な接点として作用する。そのため、本実施形態におけるローラ先端部183は、ディスプレイ部100から発生した電磁波を逃がすグランド(GND)として作用しうるものである。
【0041】
以上、本発明の第一の実施形態について説明した。なお、説明の便宜のため右側ローラ部110を代表させて説明したが、もちろん、左側ローラ部150も右側ローラ部110と同様の構成を備え、インナーエスカッション400の左側壁面410についても右側壁面430と同様の構成を有する。上記第一の実施形態によれば、チルト動作可能なディスプレイ部を備える車載器において、不要輻射の発生を減少させることができる。
【0042】
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。第二の実施形態における車載器1は、第一の実施形態において説明した車載器1と基本的に同様の構成を備える。そのため、第一の実施形態における車載器1との相違点について、図6、図7を用いて以下に説明する。
【0043】
図6に示すように、第二の実施形態における車載器1は、インナーエスカッション400の内面部材432Aと外面部材432Bとを共に貫通するように設けられた貫通ガイド孔435を有する。貫通ガイド孔435は、第一の実施形態における内面部材432Aに設けられた右側壁面孔434と同様の位置に、第一の実施形態における外面部材432Bの外側まで貫通するように設けられた孔である。
【0044】
貫通ガイド孔435は、図7に示すように、第一の実施形態における内面部材432Aに対応する樹脂製の内面部材436Aと、外面部材432Bに対応する金属製の外面部材436Bと、を貫通する穴として設けられる。また、第二の実施形態における車載器1では、内面部材436Aと外面部材436Bとの間に空隙を設けていない。すなわち、内面部材436Aと外面部材436Bとは、密着している。
【0045】
また、右側ローラ部110は、基本的に第一の実施形態の右側ローラ部110と同様の形状であるが、巻きバネ171により付勢される方向が逆となる。すなわち、第二の実施形態におけるローラ支持部170とローラ回転部180との間には、ローラ支持部170とローラ回転部180との距離を近づける方向に働く力を発生させる巻きバネ(図示せず)が取り付けられている。
【0046】
また、右側ローラ部110の貫通ガイド孔435への取り付け方が第一の実施形態とは異なり、右側ローラ部110のローラ窪み部182は貫通ガイド孔435を貫通して取り付けられ、ローラ先端部183は外面部材436Bよりも外側に突出している。巻きバネによりローラ回転部180がローラ支持部170側に付勢されているため、導電性のあるローラ先端部183は振動等の力を受けた場合でも、導電性のある外面部材436Bと接触しやすい。すなわち、車載器1は、ディスプレイ部100の安定的な支持が可能であり、電磁波等の不要輻射を安定的に抑制することが可能である。なお、説明の便宜のため右側ローラ部110を代表させて説明したが、もちろん、左側ローラ部150も右側ローラ部110と同様の構成を備え、インナーエスカッション400の左側壁面410についても右側壁面430と同様の構成を有する。
【0047】
以上、本発明の第二の実施形態について説明した。本発明の第二の実施形態における車載器1は、ディスプレイ部100の安定的な支持が可能となり、不要輻射を抑制することが可能となる。
【0048】
次に、本発明の第三の実施形態について説明する。第三の実施形態における車載器1は、第一の実施形態において説明した車載器1と基本的に同様の構成を備える。そのため、第一の実施形態における車載器1との相違点を中心に、図8〜図11を用いて以下に説明する。
【0049】
図8に示すように、第三の実施形態における車載器1は、インナーエスカッション400の正面の内側に、ガイド支柱460を有する。ガイド支柱460は、第一の実施形態における内面部材432Aに設けられた右側壁面溝孔434と同様の位置に、第一の実施形態における内面部材432Aよりも内側に設けられた金属製の支柱である。
【0050】
ガイド支柱460は、図8に示すように、上段支持部461Uと、下段支持部461Bと、により支持されて取り付けられる。なお、上段支持部461Uと、下段支持部461Bとは、導電性のある素材(例えば、金属)により構成され、筐体200と通電可能に取り付けられている。
【0051】
また、図9(a)に示すように、右側ローラ部110(および左側ローラ部150)についても、第三の実施形態においては、第一の実施形態における右側ローラ部110(および左側ローラ部150)とは構成が異なる。すなわち、第一の実施形態におけるローラ回転部180のローラ先端部183のかわりに、右側ローラ部110は、ガイド支柱460の周囲を取り囲む支柱支持部114をローラ回転部180の先端に有する。支柱支持部114は、ガイド支柱460との間にわずかな空隙を有するように取り付けられ、ガイド支柱460の長さ方向に沿ってスライドさせることが可能(図9(a)の矢印を参照)である。なお、図9(a)に示したガイド支柱460は円柱の形状を有するため、支柱支持部114はリング状の形状を有する。
【0052】
もちろん、図9(b)に示すように、右側ローラ部110(および左側ローラ部150)は、第一の実施形態におけるローラ回転部180のローラ先端部183のかわりに、四角柱の角型ガイド支柱463の周囲を三方から取り囲む支柱支持部115をローラ回転部180の先端に有するものであってもよい。すなわち、支柱支持部115は、一方向に開口部(切り欠き)を有するコの字型をしていてもよい。
【0053】
かかる場合、支柱支持部115のコの字型の開口部は、ローラ支持部170が取り付けられた面と向かい合う面が開口することが望ましい。かかる開口形状であれば、支柱支持部115は、ローラ支持部170からローラ回転部180を遠ざけるよう取り付けられた巻きバネ171により付勢される力と、ディスプレイ部100のチルト動作により発生する筐体200の前後方向の力と、に耐えてディスプレイ部100を安定的に支持することができる。またさらには、支柱支持部115を角型ガイド支柱463に取り付ける加工が容易となる。
【0054】
支柱支持部115は、角型ガイド支柱463との間にわずかな空隙を有するように取り付けられ、角型ガイド支柱463の長さ方向に沿ってスライドさせることが可能(図9(b)の矢印を参照)である。なお、図9(b)に示した角型ガイド支柱463は円柱の形状を有するため、支柱支持部115は円柱との接触面積をなるべく大きくするために、コの字型の形状を有する。
【0055】
また、図10に示すように、角型ガイド支柱463との接触を確実なものとするために、右側ローラ部110(および左側ローラ部150)は、ローラの先端にある支柱支持部115にヒンジ機構を設けたヒンジ支持部116を備えるようにしてもよい。
【0056】
ヒンジ支持部116は、角型ガイド支柱463と三方から接触するように、コの字型をしている。ヒンジ支持部116は、第一の実施形態におけるローラ先端部183に相当するヒンジ支持部材117と、ヒンジ支持部材117に貫通軸により回転可能に取り付けられるアーム部材と、により構成される。アーム部材は、角型ガイド支柱463の右側の上下それぞれにおいて角型ガイド支柱463に接触する右上アーム118RUと、右下アーム118RB、および、角型ガイド支柱463の左側の上下それぞれにおいて角型ガイド支柱463に接触する左上アーム118LUと、左下アーム118LBにより構成される。右上アーム118RUと右下アーム118RBとは、貫通孔119Rを備え、ヒンジ支持部材117を挟むように貫通軸により取り付けられてヒンジ機構を構成する。左上アーム118LUと左下アーム118LBとは、貫通孔119Lを備え、ヒンジ支持部材117を挟むように貫通軸により取り付けられてヒンジ機構を構成する。
【0057】
そのため、右上アーム118RU、右下アーム118RB、左上アーム118LU、左下アーム118LBの先端は、貫通孔119R、119Lをそれぞれ支点として揺れ動くことが可能である。また、右上アーム118RU、右下アーム118RB、左上アーム118LU、左下アーム118LBの先端は、図示しないバネにより、内側(角型ガイド支柱463側)に付勢されている。したがって、図10に示すようなヒンジ支持部116を備えることで、さらに保持性と導電性とを確保することができるようになる。
【0058】
また、図11に示すように、図8に示したガイド支柱460の形状を、S字または略S字の形状を有するガイド支柱470としてもよい。ガイド支柱470は、ガイド支柱470を支持する上段支持部461Uの支持位置におけるガイド支柱470とインナーエスカッション400との距離が、ガイド支柱470を支持する下段支持部461Bの支持位置におけるガイド支柱470とインナーエスカッション400との距離よりも短くなるように取り付けられている。さらには、ガイド支柱470は、滑らかな曲線を形成するように曲げられて、取り付けられている。
【0059】
このようにガイド支柱の形状と取り付け位置を構成することにより、真っ直ぐなガイド支柱をインナーエスカッション400と平行に取り付けるよりもさらにスムーズなチルト動作を実現することが可能となる。なお、説明の便宜のため筐体200の左側のガイド支柱470を代表させて説明したが、もちろん、筐体200の右側にもガイド支柱470を備える。
【0060】
以上、本発明の第三の実施形態について説明した。本発明の第三の実施形態における車載器1は、ディスプレイ部100の安定的な支持が可能となり、不要輻射を抑制することが可能となる。
【0061】
なお、上記第一〜第三の実施形態は、様々な変形が可能である。例えば、図5に示したローラ先端部183の形状、配置(例えば、外面部材432Bとの間で発生する摩擦力軽減のために、先端を球状にする、あるいは電気的な接触面を増やすために外面部材432Bとの接触面積を広げる等)は、適宜選択することができる。
【0062】
また、ローラ支持部170がローラ回転部180に対して付勢する巻きバネ171の代わりに、他の弾性部材、例えばゴム等を用いてもよい。その際には、接触面にゴムの摩擦力を軽減する素材(樹脂や金属等の滑りをよくする部材)で覆うようにしてもよい。
【0063】
また、第三の実施形態において、ガイド支柱は、円柱形状のガイド支柱460、四角柱形状の角型ガイド支柱463に限らず、その他の多角形の断面を有するガイド支柱であってもよい。
【0064】
また、上記第一の実施形態から第三の実施形態に示された構成に限らず、例えば、図3に示す左側壁面溝411および右側壁面溝431の両方またはいずれか片方に、筐体200と電気的に接触する部材を取り付けるようにしてもよい。このようにして右側ローラ部110あるいは左側ローラ部150との電気的な導通を確保することで、ディスプレイ部100からの不要輻射を抑制が可能である。もちろん、図3に示す左側壁面溝411および右側壁面溝431の両方またはいずれか片方を、筐体200と電気的に接触する部材で構成するようにしてもよい。
【0065】
また、上記第一の実施形態から第三の実施形態に示された構成においては、スライド機構においてもアースを行うものであってもよい。具体的には、ディスプレイ支持部取付け部120を、ディスプレイ部100の内部の電子機器の基板のGND端子と電気的に接触するように構成し、筐体と電気的に接触するスライド部材300と当該ディスプレイ支持部取付け部120とが電気的に接触するようにしてもよい。
【0066】
また、上記第一の実施形態から第三の実施形態に示された構成のうち、いずれかの任意の構成を一つだけ適用してもよいし、複数の構成を組み合わせて適用しても良い。例えば、左右両方のローラ部を電気的に接触させるものに限らず、片方のみ、例えば右側ローラ部110のみに対して筐体200と電気的接触を持つようにしてもよい。すなわち、それぞれの部材の大きさ、重さ、位置、コスト、等によりどの構成を採用するか決めることができる。
【符号の説明】
【0067】
1・・・車載器、100・・・ディスプレイ部、101・・・ディスプレイ部右側面、102・・・ディスプレイ部上側面、103・・・ディスプレイ部左側面、104・・・ケース、110・・・右側ローラ部、111・・・ローラ先端部、114、115・・・ローラ先端部、116・・・ヒンジ支持部、117・・・ヒンジ支持部材、118RU、118RB、118LU、118LB・・・アーム、119R、119L・・・貫通孔、120・・・ディスプレイ支持部取付け部、150・・・左側ローラ部、160・・・つまみ、170・・・ローラ支持部、171・・・巻きバネ、180・・・ローラ回転部、182・・・ローラ窪み部、183・・・ローラ先端部、200・・・筐体、300・・・スライド部材、310・・・ディスプレイ支持部、311・・・ネジ貫通孔、312・・・ディスプレイ支持部縁、320・・・アーム部、400・・・インナーエスカッション、401・・・ディスク挿入部、410・・・左側壁面、411・・・左側壁面溝、420・・・上側壁面、430・・・右側壁面、430A、432A、436A・・・内面部材、430B、432B、436B・・・外面部材、431・・・右側壁面溝、433・・・空隙、434・・・右側壁面孔、435・・・貫通ガイド孔、440・・・下側壁面、450・・・スライド部材口、460、470・・・ガイド支柱、461U・・・上側支持部、461B・・・下側支持部、463・・・角型ガイド支柱
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載器の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車載器の中には、画像表示面を有するディスプレイ部の傾きを変更可能なものがある。このような車載器では、ディスプレイ部を支持する部材がヒンジ機構やスライド機構により結合し、部材間の位置関係の変位により、ディスプレイ部の傾き動作を実現している(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−309388号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ヒンジ機構やスライド機構で部材間が結合されている場合、可動部のクリアランスをとるために電磁波の遮蔽効果が薄れてしまい、ディスレプレイ部から電磁波等の不要輻射が発生し易くなる。
【0005】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、傾き動作が可能なディスプレイ部を備えた車載器において、不要輻射の発生をより減少させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明では、ディスプレイ部のアースを強化することで、ノイズの発生を減少させる。
【0007】
例えば、本願発明の車載器は、傾き動作可能な表示部を備えた車載器であって、導電性の本体筐体と、前記本体筐体にはめ込まれたインナーエスカッションと、前記インナーエスカッションの開口部をくぐり抜けて抜き差し移動するスライド部材と、を備え、前記表示部は、前記インナーエスカッションに取り付けられている第一の取付部と、前記スライド部材に取り付けられている第二の取付部と、を備え、前記表示部のアース端子は、前記第一の取付部で前記本体筐体と電気的に接続している、ことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】車載器の斜視図。
【図2】車載器の斜視図。
【図3】車載用ディスプレイ装置の分解斜視図。
【図4】ディスプレイ部の外観図。
【図5】ディスプレイ部の外観図。
【図6】車載器の筐体の外観図。
【図7】ディスプレイ部の外観図。
【図8】車載器の筐体の外観図。
【図9】スライド機構の外観図。
【図10】スライド機構の外観図。
【図11】車載器の筐体の外観図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明が適用された車載器1について、図1〜図11を参照して説明する。なお、図1〜図11は、車載器1の全ての構成を示すものではなく、理解容易のため、適宜、構成の一部を省略して描いている。
【0010】
図1は、車載器1の外観の斜視図である。なお、画像表示面が、向かって左手前に配置するようにしている。図2は、図1と同様の向きに車載器1を配置した場合の外観の斜視図であり、ディスプレイ部100が傾いた状態、すなわちディスプレイ部100が開いた状態を示す。図3は、車載器1の分解斜視図である。図4は、ディスプレイ部100の外観の斜視図と、ディスプレイ部100の右側上部を上方(図3のZ方向)から見た外観図である。図5は、本発明の第一の実施形態に係るディスプレイ部100の右側上部を上方(図3のZ方向)から見た外観図である。図6は、本発明の第二の実施形態に係る車載器の筐体の斜視図である。図7は、本発明の第二の実施形態に係るディスプレイ部100の右側上部を上方(図3のZ方向)から見た外観図である。図8は、本発明の第三の実施形態に係る車載器の筐体の斜視図である。図9は、本発明の第三の実施形態および第四の実施形態に係るスライド機構の外観図である。図10は、本発明の第五の実施形態に係るスライド機構の外観図である。図11は、本発明の第六の実施形態に係る車載器の筐体の斜視図である。
【0011】
なお、以下において、「右」及び「左」は、画像表示面を手前にして置いたときを基準とする。
【0012】
ここから、図1〜図5を参照して、第一の実施形態が適用された車載器1について説明する。しかし、その前に、本発明が適用されていない車載器1のディスプレイ部100のチルト動作を行う基本的な仕組みについて説明する。
【0013】
図1〜図3に示すように、車載器1は、画像表示面を備えるディスプレイ部100と、筐体200と、スライド部300と、インナーエスカッション400と、を備えて構成される。
【0014】
ディスプレイ部100は、扁平直方体形状のケース内に、ディスプレイ基板を格納している。ディスプレイ部100の画像表示面には、液晶パネルなどの表示装置の他に、つまみ160等、各種の操作ボタンが配置されている。なお、ディスプレイ部100の正面の一部及び側面は、図4(a)に示すように樹脂製のケース104で覆われている。
【0015】
ディスプレイ部100の右側の側面であるディスプレイ部右側面101の上方には、右側ローラ部110が設けられている(図3参照)。また、ディスプレイ部100の左側の側面であるディスプレイ部左側面103の上方には、左側ローラ部150が設けられている。また、ディスプレイ部右側面101の下方と、ディスプレイ部左側面103の下方とには、それぞれにディスプレイ支持部取付け部120が設けられている。
【0016】
筐体200は、ディスプレイ部100側の面が開放された箱型の部材である。筐体200内には、CDやDVDのドライブユニット、ハードディスク、各種処理を行うための回路基板等が格納されている。なお、筐体200は、金属等の導電性のある素材により構成される。
【0017】
また、図示しないが、筐体200には、スライド部300がスライド移動を行うためのガイドとなるレールと、スライド移動の駆動源となるモータと、モータの駆動力をスライド部300に伝えるギア等が配置されている。
【0018】
スライド部300は、筐体200内のレールに沿ってスライドするアーム部320と、ディスプレイ部100とヒンジ結合しディスプレイ部100を支持するディスプレイ支持部310とを備えている(図3参照)。アーム部320は、ギアを介してモータと連結しており、モータの駆動方向に応じて、インナーエスカッション400の主面に直交する方向(図3のX方向)にスライド移動する。
【0019】
ディスプレイ支持部310には、ディスプレイ部100のディスプレイ支持部取付け部120に対向する部分に、ネジ貫通孔311が設けられている(図4参照)。ネジ125は、ネジ貫通孔311を貫通して、ディスプレイ支持部取付け部120に結合している。これにより、ヒンジ機構が構成され、ディスプレイ部100は、ネジ125の軸を中心に回転可能である。
【0020】
一方、ディスプレイ部右側面101の上方に設けられた右側ローラ部110は、ローラの先端部111がインナーエスカッション400の右側の壁面である右側壁面430の内側に設けられた上下方向に延びる溝である右側壁面溝431に嵌り込んでいる(図4(b)参照)。また、ディスプレイ部左側面103の上方に設けられた左側ローラ部150は、インナーエスカッション400の左側の壁面である左側壁面410の内側に設けられた上下方向に延びる溝である左側壁面溝411に嵌り込んでいる(図3参照)。なお、ローラの先端部111は、右側ローラ部110の外径よりも小さい外径を有する円筒形をしており、右側壁面溝431の溝の幅は右側ローラ部110の外径よりも狭く、ローラの先端部111の外径よりも広い。そのため、右側壁面溝431には、ローラの先端部111のみが嵌り込む。
【0021】
したがって、ディスプレイ部100の上方部分は、上下方向の移動に制限され、インナーエスカッション400と近接した位置を保持したまま上下方向に移動する(図2参照)。
【0022】
インナーエスカッション400は、ディスプレイ部100を筐体200に収納するための部材であり、ディスプレイ部100の画像表示面の背面側の形状に対応した箱型をしている。インナーエスカッション400は、矩形の主面と、その4つの辺に結合した上下左右の壁面とからなる。主面は、ディスプレイ部100の収納時においてディスプレイ部100の背面と対向する面である。上下左右の4つの壁面は、ディスプレイ部100の収納時にディスプレイ部100の左右上下の側面と対向する面である。
【0023】
インナーエスカッション400の左右の内壁面である左側壁面410、右側壁面430には、ディスプレイ部100の左側面103、右側面101にそれぞれ設けられた左側ローラ部150と、右側ローラ部110とが嵌り込み、かつ上下のみにスライド移動を制限する左側壁面溝411、右側壁面溝431が設けられている(図3参照)。ディスプレイ部100がチルト動作を行うときは、ディスプレイ部100の左側ローラ部150と、右側ローラ部110とは、それぞれ左側壁面溝411、右側壁面溝431に沿って上方向又は下方向にスライド移動する。
【0024】
また、インナーエスカッション400には、CDやDVDなどのディスクの挿入、摘出を行うことができるディスク挿入部401が設けられている。また、インナーエスカッション400には、スライド部300のアーム部320がくぐり抜けるためのスライド部材口450が設けられている(図3参照)。
【0025】
なお、インナーエスカッション400は、筐体200のディスプレイ部100側の口型の開放部分に嵌めこまれている。また、インナーエスカッション400の右側の内壁面430を構成する樹脂製の内面部材430Aと、筐体200の右側壁面を構成する金属製の外面部材430Bとは、図4(b)に示すように密着している。図示しないが、左側壁面410についても、同様である。また、右側壁面溝431の溝の底部は、樹脂製の内面部材430Aを貫通しないように設けられている。
【0026】
ディスプレイ部100のチルト動作時には、ディスプレイ部100の下方部分は、スライド部300の画像表示面方向への突出に従って、インナーエスカッション400から引き離される。一方、ディスプレイ部100の上方部分はインナーエスカッション400と接近したまま下方向に移動するので、ディスプレイ部100は、徐々に水平に近づくように傾けられる。これにより、ディスク挿入部401が露出し、ユーザは、CDやDVDの交換を行うことができる。
【0027】
本発明の第一の実施形態の車載器1についても、概略以上のように構成されるが、さらに次の特徴的な構成を備えている。
【0028】
上記のように、車載器1は、ディスプレイ部100のチルト動作のため、変位可能な機構である左右のローラ部110、150を介して部材が結合している部分がある(図4参照)。かかる機構を有することにより、スムーズなチルト動作が可能となっている。すなわち、ディスプレイ部100は、なるべくスムーズなチルト動作のために、最小限の接点により支持されているといえる。
【0029】
しかし、一方で、ディスプレイ部100において発生する電磁波の輻射を抑えるのに十分なアース性能を備えるGND(グランド)を確保することが難しくなってしまう。十分なGNDを取ることのできる接点の数と接触面積が限られてしまうためである。そのため、かかる機構を用いると、ディスプレイ部100にて発生する電磁波の不要輻射が生じやすくなる。
【0030】
そこで、本実施形態の車載器1においては、上記の基本的な車載器1よりも不要輻射を抑えることのできるディスプレイ部100の支持機構を備える。
【0031】
具体的には、図5に示すように、ディスプレイ部100の上部をインナーエスカッション400に取り付けている右側ローラ部110と、左側ローラ部150と、における不要輻射の抑止について説明する。
【0032】
図5は、ディスプレイ部100の右側上部を上方(図3のZ方向)から見た外観図である。図下側が、ディスプレイの画像表示面である。
【0033】
ディスプレイ部上側面102の、背面寄りの部分に、ディスプレイ部右側面101よりも先端が突き出た右側ローラ部110が取り付けられている。右側ローラ部110は、ディスプレイ部100に固定されるローラ支持部170により支持され、ローラ支持部170の中心軸を回転軸として回転可能に取り付けられたローラ回転部180と、当該ローラ支持部170と、により構成される。なお、ローラ支持部170とローラ回転部180とは、ディスプレイ部100の内部の電子機器の基板のGND端子と電気的に接点を有する。
【0034】
ローラ回転部180は、ローラ支持部170との距離が変位可能に取り付けられている。具体的には、ローラ支持部170とローラ回転部180との間には、ローラ支持部170とローラ回転部180との距離を遠ざける方向に働く力を発生させる巻きバネ171が取り付けられている。
【0035】
ローラ回転部180は、ローラ支持部170から近い順に、第一の円筒部であるローラ鍔部181と、第二の円筒部であるローラ窪み部182と、第三の円筒部であるローラ先端部183と、が結合した形状である。
【0036】
ローラ窪み部182は、ローラ鍔部181よりも外径が狭い円筒形をしており、ローラ鍔部181の回転軸と同一の回転軸に従って回転可能である。また、第三の円筒部であるローラ先端部183の外径は、ローラ窪み部182よりも広い。なお、ローラ鍔部181と、ローラ窪み部182と、ローラ先端部183とは、導電素材を用いて一体に形成されているが、これに限らず、例えば互いに接着されてもよいし、独立して回転可能に取付けられてもよい。
【0037】
また、インナーエスカッション400の右側の内壁面である右側壁面430は、樹脂製の内面部材432Aと、筐体200の右側壁面を構成する金属製の外面部材432Bとにより構成される。内面部材432Aと、外面部材432Bとは、図5に示すように平行に配置され、両部材間には、空隙433が構成される。図示しないが、左側の内壁面410についても、同様の構成を備える。また、樹脂製の内面部材432Aには、内面部材432Aを外面部材432B側へと貫通する右側壁面孔434が設けられている。
【0038】
右側壁面孔434は、スライド部300のスライド動作をなるべく阻害しないように、右側ローラ部110および左側ローラ部150のインナーエスカッション400の正面からの距離を若干変位させるように設けられている。具体的には、上部ほどインナーエスカッション400の正面とローラ部との距離が短くなるように設けられており、またその形状はS字カーブを描くように滑らかな曲線である。また、右側壁面孔434の幅は、ローラ窪み部182の外径よりも広く、かつ、ローラ鍔部181の外径よりも狭くなるように設けられている。なお、右側壁面孔434の幅は、ローラ先端部183の外径よりも狭い。
【0039】
すなわち、車載器1を組み立てた状態では、ローラ先端部183は、内面部材432Aと外面部材432Bとの間に設けられた空隙433に配置され、ディスプレイ部100の内側への脱落を防ぐ。また、ローラ支持部170とローラ回転部180との距離を遠ざける方向に働く力を発生させる巻きバネ171により、ローラ先端部183は外面部材432Bに接するよう付勢されるため、ディスプレイ部100のがたつきを抑えることが可能である。
【0040】
また、ローラ回転部180は導電素材で構成され、外面部材432Bは金属筐体であるために、ローラ先端部183は電気的な接点として作用する。そのため、本実施形態におけるローラ先端部183は、ディスプレイ部100から発生した電磁波を逃がすグランド(GND)として作用しうるものである。
【0041】
以上、本発明の第一の実施形態について説明した。なお、説明の便宜のため右側ローラ部110を代表させて説明したが、もちろん、左側ローラ部150も右側ローラ部110と同様の構成を備え、インナーエスカッション400の左側壁面410についても右側壁面430と同様の構成を有する。上記第一の実施形態によれば、チルト動作可能なディスプレイ部を備える車載器において、不要輻射の発生を減少させることができる。
【0042】
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。第二の実施形態における車載器1は、第一の実施形態において説明した車載器1と基本的に同様の構成を備える。そのため、第一の実施形態における車載器1との相違点について、図6、図7を用いて以下に説明する。
【0043】
図6に示すように、第二の実施形態における車載器1は、インナーエスカッション400の内面部材432Aと外面部材432Bとを共に貫通するように設けられた貫通ガイド孔435を有する。貫通ガイド孔435は、第一の実施形態における内面部材432Aに設けられた右側壁面孔434と同様の位置に、第一の実施形態における外面部材432Bの外側まで貫通するように設けられた孔である。
【0044】
貫通ガイド孔435は、図7に示すように、第一の実施形態における内面部材432Aに対応する樹脂製の内面部材436Aと、外面部材432Bに対応する金属製の外面部材436Bと、を貫通する穴として設けられる。また、第二の実施形態における車載器1では、内面部材436Aと外面部材436Bとの間に空隙を設けていない。すなわち、内面部材436Aと外面部材436Bとは、密着している。
【0045】
また、右側ローラ部110は、基本的に第一の実施形態の右側ローラ部110と同様の形状であるが、巻きバネ171により付勢される方向が逆となる。すなわち、第二の実施形態におけるローラ支持部170とローラ回転部180との間には、ローラ支持部170とローラ回転部180との距離を近づける方向に働く力を発生させる巻きバネ(図示せず)が取り付けられている。
【0046】
また、右側ローラ部110の貫通ガイド孔435への取り付け方が第一の実施形態とは異なり、右側ローラ部110のローラ窪み部182は貫通ガイド孔435を貫通して取り付けられ、ローラ先端部183は外面部材436Bよりも外側に突出している。巻きバネによりローラ回転部180がローラ支持部170側に付勢されているため、導電性のあるローラ先端部183は振動等の力を受けた場合でも、導電性のある外面部材436Bと接触しやすい。すなわち、車載器1は、ディスプレイ部100の安定的な支持が可能であり、電磁波等の不要輻射を安定的に抑制することが可能である。なお、説明の便宜のため右側ローラ部110を代表させて説明したが、もちろん、左側ローラ部150も右側ローラ部110と同様の構成を備え、インナーエスカッション400の左側壁面410についても右側壁面430と同様の構成を有する。
【0047】
以上、本発明の第二の実施形態について説明した。本発明の第二の実施形態における車載器1は、ディスプレイ部100の安定的な支持が可能となり、不要輻射を抑制することが可能となる。
【0048】
次に、本発明の第三の実施形態について説明する。第三の実施形態における車載器1は、第一の実施形態において説明した車載器1と基本的に同様の構成を備える。そのため、第一の実施形態における車載器1との相違点を中心に、図8〜図11を用いて以下に説明する。
【0049】
図8に示すように、第三の実施形態における車載器1は、インナーエスカッション400の正面の内側に、ガイド支柱460を有する。ガイド支柱460は、第一の実施形態における内面部材432Aに設けられた右側壁面溝孔434と同様の位置に、第一の実施形態における内面部材432Aよりも内側に設けられた金属製の支柱である。
【0050】
ガイド支柱460は、図8に示すように、上段支持部461Uと、下段支持部461Bと、により支持されて取り付けられる。なお、上段支持部461Uと、下段支持部461Bとは、導電性のある素材(例えば、金属)により構成され、筐体200と通電可能に取り付けられている。
【0051】
また、図9(a)に示すように、右側ローラ部110(および左側ローラ部150)についても、第三の実施形態においては、第一の実施形態における右側ローラ部110(および左側ローラ部150)とは構成が異なる。すなわち、第一の実施形態におけるローラ回転部180のローラ先端部183のかわりに、右側ローラ部110は、ガイド支柱460の周囲を取り囲む支柱支持部114をローラ回転部180の先端に有する。支柱支持部114は、ガイド支柱460との間にわずかな空隙を有するように取り付けられ、ガイド支柱460の長さ方向に沿ってスライドさせることが可能(図9(a)の矢印を参照)である。なお、図9(a)に示したガイド支柱460は円柱の形状を有するため、支柱支持部114はリング状の形状を有する。
【0052】
もちろん、図9(b)に示すように、右側ローラ部110(および左側ローラ部150)は、第一の実施形態におけるローラ回転部180のローラ先端部183のかわりに、四角柱の角型ガイド支柱463の周囲を三方から取り囲む支柱支持部115をローラ回転部180の先端に有するものであってもよい。すなわち、支柱支持部115は、一方向に開口部(切り欠き)を有するコの字型をしていてもよい。
【0053】
かかる場合、支柱支持部115のコの字型の開口部は、ローラ支持部170が取り付けられた面と向かい合う面が開口することが望ましい。かかる開口形状であれば、支柱支持部115は、ローラ支持部170からローラ回転部180を遠ざけるよう取り付けられた巻きバネ171により付勢される力と、ディスプレイ部100のチルト動作により発生する筐体200の前後方向の力と、に耐えてディスプレイ部100を安定的に支持することができる。またさらには、支柱支持部115を角型ガイド支柱463に取り付ける加工が容易となる。
【0054】
支柱支持部115は、角型ガイド支柱463との間にわずかな空隙を有するように取り付けられ、角型ガイド支柱463の長さ方向に沿ってスライドさせることが可能(図9(b)の矢印を参照)である。なお、図9(b)に示した角型ガイド支柱463は円柱の形状を有するため、支柱支持部115は円柱との接触面積をなるべく大きくするために、コの字型の形状を有する。
【0055】
また、図10に示すように、角型ガイド支柱463との接触を確実なものとするために、右側ローラ部110(および左側ローラ部150)は、ローラの先端にある支柱支持部115にヒンジ機構を設けたヒンジ支持部116を備えるようにしてもよい。
【0056】
ヒンジ支持部116は、角型ガイド支柱463と三方から接触するように、コの字型をしている。ヒンジ支持部116は、第一の実施形態におけるローラ先端部183に相当するヒンジ支持部材117と、ヒンジ支持部材117に貫通軸により回転可能に取り付けられるアーム部材と、により構成される。アーム部材は、角型ガイド支柱463の右側の上下それぞれにおいて角型ガイド支柱463に接触する右上アーム118RUと、右下アーム118RB、および、角型ガイド支柱463の左側の上下それぞれにおいて角型ガイド支柱463に接触する左上アーム118LUと、左下アーム118LBにより構成される。右上アーム118RUと右下アーム118RBとは、貫通孔119Rを備え、ヒンジ支持部材117を挟むように貫通軸により取り付けられてヒンジ機構を構成する。左上アーム118LUと左下アーム118LBとは、貫通孔119Lを備え、ヒンジ支持部材117を挟むように貫通軸により取り付けられてヒンジ機構を構成する。
【0057】
そのため、右上アーム118RU、右下アーム118RB、左上アーム118LU、左下アーム118LBの先端は、貫通孔119R、119Lをそれぞれ支点として揺れ動くことが可能である。また、右上アーム118RU、右下アーム118RB、左上アーム118LU、左下アーム118LBの先端は、図示しないバネにより、内側(角型ガイド支柱463側)に付勢されている。したがって、図10に示すようなヒンジ支持部116を備えることで、さらに保持性と導電性とを確保することができるようになる。
【0058】
また、図11に示すように、図8に示したガイド支柱460の形状を、S字または略S字の形状を有するガイド支柱470としてもよい。ガイド支柱470は、ガイド支柱470を支持する上段支持部461Uの支持位置におけるガイド支柱470とインナーエスカッション400との距離が、ガイド支柱470を支持する下段支持部461Bの支持位置におけるガイド支柱470とインナーエスカッション400との距離よりも短くなるように取り付けられている。さらには、ガイド支柱470は、滑らかな曲線を形成するように曲げられて、取り付けられている。
【0059】
このようにガイド支柱の形状と取り付け位置を構成することにより、真っ直ぐなガイド支柱をインナーエスカッション400と平行に取り付けるよりもさらにスムーズなチルト動作を実現することが可能となる。なお、説明の便宜のため筐体200の左側のガイド支柱470を代表させて説明したが、もちろん、筐体200の右側にもガイド支柱470を備える。
【0060】
以上、本発明の第三の実施形態について説明した。本発明の第三の実施形態における車載器1は、ディスプレイ部100の安定的な支持が可能となり、不要輻射を抑制することが可能となる。
【0061】
なお、上記第一〜第三の実施形態は、様々な変形が可能である。例えば、図5に示したローラ先端部183の形状、配置(例えば、外面部材432Bとの間で発生する摩擦力軽減のために、先端を球状にする、あるいは電気的な接触面を増やすために外面部材432Bとの接触面積を広げる等)は、適宜選択することができる。
【0062】
また、ローラ支持部170がローラ回転部180に対して付勢する巻きバネ171の代わりに、他の弾性部材、例えばゴム等を用いてもよい。その際には、接触面にゴムの摩擦力を軽減する素材(樹脂や金属等の滑りをよくする部材)で覆うようにしてもよい。
【0063】
また、第三の実施形態において、ガイド支柱は、円柱形状のガイド支柱460、四角柱形状の角型ガイド支柱463に限らず、その他の多角形の断面を有するガイド支柱であってもよい。
【0064】
また、上記第一の実施形態から第三の実施形態に示された構成に限らず、例えば、図3に示す左側壁面溝411および右側壁面溝431の両方またはいずれか片方に、筐体200と電気的に接触する部材を取り付けるようにしてもよい。このようにして右側ローラ部110あるいは左側ローラ部150との電気的な導通を確保することで、ディスプレイ部100からの不要輻射を抑制が可能である。もちろん、図3に示す左側壁面溝411および右側壁面溝431の両方またはいずれか片方を、筐体200と電気的に接触する部材で構成するようにしてもよい。
【0065】
また、上記第一の実施形態から第三の実施形態に示された構成においては、スライド機構においてもアースを行うものであってもよい。具体的には、ディスプレイ支持部取付け部120を、ディスプレイ部100の内部の電子機器の基板のGND端子と電気的に接触するように構成し、筐体と電気的に接触するスライド部材300と当該ディスプレイ支持部取付け部120とが電気的に接触するようにしてもよい。
【0066】
また、上記第一の実施形態から第三の実施形態に示された構成のうち、いずれかの任意の構成を一つだけ適用してもよいし、複数の構成を組み合わせて適用しても良い。例えば、左右両方のローラ部を電気的に接触させるものに限らず、片方のみ、例えば右側ローラ部110のみに対して筐体200と電気的接触を持つようにしてもよい。すなわち、それぞれの部材の大きさ、重さ、位置、コスト、等によりどの構成を採用するか決めることができる。
【符号の説明】
【0067】
1・・・車載器、100・・・ディスプレイ部、101・・・ディスプレイ部右側面、102・・・ディスプレイ部上側面、103・・・ディスプレイ部左側面、104・・・ケース、110・・・右側ローラ部、111・・・ローラ先端部、114、115・・・ローラ先端部、116・・・ヒンジ支持部、117・・・ヒンジ支持部材、118RU、118RB、118LU、118LB・・・アーム、119R、119L・・・貫通孔、120・・・ディスプレイ支持部取付け部、150・・・左側ローラ部、160・・・つまみ、170・・・ローラ支持部、171・・・巻きバネ、180・・・ローラ回転部、182・・・ローラ窪み部、183・・・ローラ先端部、200・・・筐体、300・・・スライド部材、310・・・ディスプレイ支持部、311・・・ネジ貫通孔、312・・・ディスプレイ支持部縁、320・・・アーム部、400・・・インナーエスカッション、401・・・ディスク挿入部、410・・・左側壁面、411・・・左側壁面溝、420・・・上側壁面、430・・・右側壁面、430A、432A、436A・・・内面部材、430B、432B、436B・・・外面部材、431・・・右側壁面溝、433・・・空隙、434・・・右側壁面孔、435・・・貫通ガイド孔、440・・・下側壁面、450・・・スライド部材口、460、470・・・ガイド支柱、461U・・・上側支持部、461B・・・下側支持部、463・・・角型ガイド支柱
【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾き動作可能な表示部を備えた車載器であって、
導電性の本体筐体と、
前記本体筐体にはめ込まれたインナーエスカッションと、
前記インナーエスカッションの開口部をくぐり抜けて抜き差し移動するスライド部材と、を備え、
前記表示部は、前記インナーエスカッションに取り付けられている第一の取付部と、
前記スライド部材に取り付けられている第二の取付部と、を備え、
前記表示部のアース端子は、
前記第一の取付部で前記本体筐体と電気的に接続している、
ことを特徴とする車載器。
【請求項2】
請求項1に記載の車載器であって、
前記インナーエスカッションの側面には、
前記表示部の傾き動作を行うための貫通孔が設けられており、
前記第一の取付部には、
前記インナーエスカッションの前記貫通孔にはめ込まれる導電性を有するローラが設けられており、
前記ローラは、
前記表示部のアース端子と電気的に接続されており、さらに、前記本体筐体と電気的に接触する接触部を有する、
ことを特徴とする車載器。
【請求項3】
請求項2に記載の車載器であって、
前記インナーエスカッションと前記本体筐体との間には空隙が設けられており、
前記ローラは、
前記インナーエスカッションの前記貫通孔を貫通して前記空隙内に前記接触部を備える、
ことを特徴とする車載器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の車載器であって、
前記第一の取付部には前記接触部を前記本体筐体に押し付ける方向に力を作用させる弾性部材が設けられている、
ことを特徴とする車載器。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか一項に記載の車載器であって、
前記貫通孔は、
前記インナーエスカッションの主面に対して平行方向に延びており、
前記ローラは、
前記貫通孔に沿ってスライド移動可能である、
ことを特徴とする車載器。
【請求項6】
請求項2に記載の車載器であって、
前記本体筐体の側面には、
前記貫通孔と相似形の貫通孔である筐体貫通孔が設けられており、
前記ローラの前記接触部は、
前記インナーエスカッションの前記貫通孔と前記本体筐体貫通孔とを貫通した先端に設けられている、
ことを特徴とする車載器。
【請求項7】
請求項6に記載の車載器であって、
前記ローラには、
前記接触部を前記本体筐体に押し付ける方向に力を作用させる弾性部材が設けられている、
ことを特徴とする車載器。
【請求項8】
請求項1に記載の車載器であって、
前記インナーエスカッションの正面には、
前記表示部の傾き動作を行うための導電性を有する支柱が前記本体筐体と接触するように設けられており、
前記第一の取付部には、
スライド移動可能に前記支柱と接合する導電性を有する接合部が設けられており、
前記接合部は、前記表示部のアース端子と電気的に接続されている、
ことを特徴とする車載器。
【請求項9】
請求項8に記載の車載器であって、
前記支柱は、円柱形状をしており、
前記接合部は、前記円柱の周囲を取り囲む、
ことを特徴とする車載器。
【請求項10】
請求項8に記載の車載器であって、
前記支柱は、四角柱形状をしており、
前記接合部は、前記支柱の周囲を取り囲み、所定の方向に切り欠きを有する、
ことを特徴とする車載器。
【請求項11】
請求項8または10に記載の車載器であって、
前記接合部には、
前記支柱と接触する方向に付勢されるアーム部が含まれ、
前記アーム部は、ヒンジ機構により前記接合部に取り付けられている、
ことを特徴とする車載器。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれか一項に記載の車載器であって、
前記支柱は、略S字形である、
ことを特徴とする車載器。
【請求項1】
傾き動作可能な表示部を備えた車載器であって、
導電性の本体筐体と、
前記本体筐体にはめ込まれたインナーエスカッションと、
前記インナーエスカッションの開口部をくぐり抜けて抜き差し移動するスライド部材と、を備え、
前記表示部は、前記インナーエスカッションに取り付けられている第一の取付部と、
前記スライド部材に取り付けられている第二の取付部と、を備え、
前記表示部のアース端子は、
前記第一の取付部で前記本体筐体と電気的に接続している、
ことを特徴とする車載器。
【請求項2】
請求項1に記載の車載器であって、
前記インナーエスカッションの側面には、
前記表示部の傾き動作を行うための貫通孔が設けられており、
前記第一の取付部には、
前記インナーエスカッションの前記貫通孔にはめ込まれる導電性を有するローラが設けられており、
前記ローラは、
前記表示部のアース端子と電気的に接続されており、さらに、前記本体筐体と電気的に接触する接触部を有する、
ことを特徴とする車載器。
【請求項3】
請求項2に記載の車載器であって、
前記インナーエスカッションと前記本体筐体との間には空隙が設けられており、
前記ローラは、
前記インナーエスカッションの前記貫通孔を貫通して前記空隙内に前記接触部を備える、
ことを特徴とする車載器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の車載器であって、
前記第一の取付部には前記接触部を前記本体筐体に押し付ける方向に力を作用させる弾性部材が設けられている、
ことを特徴とする車載器。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか一項に記載の車載器であって、
前記貫通孔は、
前記インナーエスカッションの主面に対して平行方向に延びており、
前記ローラは、
前記貫通孔に沿ってスライド移動可能である、
ことを特徴とする車載器。
【請求項6】
請求項2に記載の車載器であって、
前記本体筐体の側面には、
前記貫通孔と相似形の貫通孔である筐体貫通孔が設けられており、
前記ローラの前記接触部は、
前記インナーエスカッションの前記貫通孔と前記本体筐体貫通孔とを貫通した先端に設けられている、
ことを特徴とする車載器。
【請求項7】
請求項6に記載の車載器であって、
前記ローラには、
前記接触部を前記本体筐体に押し付ける方向に力を作用させる弾性部材が設けられている、
ことを特徴とする車載器。
【請求項8】
請求項1に記載の車載器であって、
前記インナーエスカッションの正面には、
前記表示部の傾き動作を行うための導電性を有する支柱が前記本体筐体と接触するように設けられており、
前記第一の取付部には、
スライド移動可能に前記支柱と接合する導電性を有する接合部が設けられており、
前記接合部は、前記表示部のアース端子と電気的に接続されている、
ことを特徴とする車載器。
【請求項9】
請求項8に記載の車載器であって、
前記支柱は、円柱形状をしており、
前記接合部は、前記円柱の周囲を取り囲む、
ことを特徴とする車載器。
【請求項10】
請求項8に記載の車載器であって、
前記支柱は、四角柱形状をしており、
前記接合部は、前記支柱の周囲を取り囲み、所定の方向に切り欠きを有する、
ことを特徴とする車載器。
【請求項11】
請求項8または10に記載の車載器であって、
前記接合部には、
前記支柱と接触する方向に付勢されるアーム部が含まれ、
前記アーム部は、ヒンジ機構により前記接合部に取り付けられている、
ことを特徴とする車載器。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれか一項に記載の車載器であって、
前記支柱は、略S字形である、
ことを特徴とする車載器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−254770(P2012−254770A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130350(P2011−130350)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
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