説明

車載報知システム

【課題】充電ケーブルの搭載忘れを防止する。
【解決手段】充電ケーブル通信機20は、充電ケーブルと一体となっており、車載装置10は、車両内へ向けて要求信号を送信し、要求信号の送信に応答して充電ケーブル通信機20より送信される応答信号の受信状況に基づいて車両内に充電ケーブルがあるか否かを判定し、車両の走行開始時で、かつ、車両内に充電ケーブルがないと判定された場合、充電ケーブルの車両への搭載忘れを乗員に報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される車載装置と、当該車載装置より送信される要求信号の受信に応答して固有の識別情報を含む応答信号を送信する無線通信機から成る車載報知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電気自動車の充電に用いられる充電ケーブルの接続状態を検出し、充電ケーブルが接続されたまま電気自動車が発進しようとした場合、充電ケーブルを電気自動車から分離するように充電ケーブルの状態を制御するようにした装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−136494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した電気自動車のような、走行用の電動機を駆動するためのバッテリを充電することが可能な車両においては、例えば、バッテリの充電後に充電ケーブルを車両内にしまい忘れて発進してしまうと、いざ、バッテリを充電しようとしたときに充電できず走行不能になってしまうといった問題や、第三者により充電ケーブルが持ち去られてしまうといった問題が生じる。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みたもので、充電ケーブルの搭載忘れを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、車両に搭載される車載装置と、当該車載装置より送信される要求信号の受信に応答して固有の識別情報を含む応答信号を送信する無線通信機から成る車載報知システムであって、車載装置は、走行用の電動機を駆動するためのバッテリを充電するための充電ケーブルを接続する接続部を有する車両に搭載されるもので、無線通信機は、充電ケーブルと一体となっており、車載装置は、車両内へ向けて要求信号を送信する要求信号送信手段と、要求信号送信手段による要求信号の送信に応答して無線通信機より送信される応答信号の受信状況に基づいて車両内に充電ケーブルがあるか否かを判定する充電ケーブル判定手段と、車両の走行開始時で、かつ、充電ケーブル判定手段により車両内に充電ケーブルがないと判定された場合、充電ケーブルの車両への搭載忘れを乗員に報知する報知手段と、を備えたことを特徴としている。
【0007】
このような構成によれば、無線通信機は、充電ケーブルと一体となっており、車載装置は、車両内へ向けて要求信号を送信し、要求信号の送信に応答して無線通信機より送信される応答信号の受信状況に基づいて車両内に充電ケーブルがあるか否かを判定し、車両の走行開始時で、かつ、車両内に充電ケーブルがないと判定された場合、充電ケーブルの車両への搭載忘れが乗員に報知されるので、充電ケーブルの搭載忘れを防止することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、車載装置は、要求信号の受信に応答して固有の識別情報を含む応答信号を送信する携帯機の照合を行い車両のドアの施錠制御を行うキーレスエントリシステムに用いられるもので、無線通信機は、キーレスエントリシステムに用いられる携帯機と共通の回路構成となっていることを特徴としている。
【0009】
このような構成によれば、車載装置は、要求信号の受信に応答して固有の識別情報を含む応答信号を送信する携帯機の照合を行い車両のドアの施錠制御を行うキーレスエントリシステムに用いられるもので、無線通信機は、キーレスエントリシステムに用いられる携帯機と共通の回路構成となっているので、多くの車両に搭載されているキーレスエントリシステムの車載装置を利用して、充電ケーブルの車両への搭載忘れを乗員に報知する車載報知システムを比較的容易に構成することが可能である。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、無線通信機から送信される応答信号には、識別情報とともに、充電ケーブルの製造元を特定するための情報および充電ケーブルの種類を特定するための情報の少なくとも一方が含まれており、充電ケーブル判定手段は、無線通信機より送信される応答信号に含まれる情報に基づいて応答信号が車両に搭載されたバッテリを充電するための充電ケーブルの規格を満たさない無線通信機より送信されたものであると判定した場合には、車両内に充電ケーブルがないものと判定することを特徴としている。
【0011】
このような構成によれば、無線通信機から送信される応答信号には、識別情報とともに、充電ケーブルの製造元を特定するための情報および充電ケーブルの種類を特定するための情報の少なくとも一方が含まれており、無線通信機より送信される応答信号に含まれる情報に基づいて応答信号が車両に搭載されたバッテリを充電するための充電ケーブルの規格を満たさない無線通信機より送信されたものであると判定された場合には、車両内に充電ケーブルがないものと判定するようになっているので、例えば、車両に搭載されたバッテリを充電するための充電ケーブルの規格を満たさない無線通信機を有する充電ケーブルが車両に搭載されていて、この充電ケーブルにより誤って車両内に充電ケーブルがあると判定してしまうことを防止することが可能である。
【0012】
なお、請求項4に記載の発明のように、要求信号送信手段は、車両の全てのドアが閉状態になったことが検出された時点で、車両内へ向けて要求信号を送信することができる。
【0013】
また、請求項5に記載の発明のように、報知手段は、車両のイグニッションスイッチがオン状態になったことが検出され、かつ、充電ケーブル判定手段により車両内に充電ケーブルがないと判定された場合、充電ケーブルの車両への搭載忘れを乗員の報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る車載報知システムの全体構成を示す図である。
【図2】充電ケーブル通信機について説明するための図である。
【図3】充電ケーブル通信機の構成を示す図である。
【図4】充電ケーブル通信機の制御部のフローチャートである。
【図5】車載装置の制御部のフローチャートである。
【図6】充電ケーブルが車両に搭載されている様子と、充電ケーブルが車両に搭載されていない様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態に係る車載報知システムの全体構成を図1に示す。本車載報知システムは、例えば、プラグインハイブリッド車、電気自動車等、走行用の電動機(モータ)を駆動するためのバッテリを充電するための充電ケーブルを接続する接続部を有する車両に搭載される車載装置10と、当該車載装置より送信される要求信号の受信に応答して固有の識別情報を含む応答信号を送信する充電ケーブル通信機20により構成される。
【0016】
車載装置10は、充電ケーブルと一体となるように組み付けられた充電ケーブル通信機20との間の通信により車両内への充電ケーブル21の車両への搭載忘れを防止するためのものである。
【0017】
なお、車載装置10は、ユーザが所持する携帯機30へ照合のための電波(要求信号)を送出し、この電波の受信に応じて携帯機30より送出される電波(応答信号)を受信することにより携帯機30の照合を行うとともに携帯機30の位置を特定し、携帯機30の位置に応じて車両のドアの施錠および解錠制御を行うキーレスエントリシステムに用いられる車載装置としての機能も有している。
【0018】
車載装置10は、LF送信部11、チューナ12および制御部13を備えている。
【0019】
LF送信部11は、制御部13より入力される信号に応じてLF帯の信号を生成し、生成した信号に応じた電波を車室内アンテナ11aおよびトランク内アンテナ11bから送出させる。
【0020】
チューナ12は、受信アンテナ12aにより受信された信号に対する増幅、復調等の処理を行い、受信信号を制御部13へ出力する。
【0021】
制御部13は、CPU、RAM、ROM、EEPROM、I/O等を備えたコンピュータとして構成されており、CPUはROMに記憶されたプログラムに従って各種処理を実施する。
【0022】
ドアスイッチ31は、車両のドアを開閉するためのドアノブの近くに設けられたタッチスイッチ、車両のトランクドアのドアノブ付近に設けられたタッチスイッチによって構成されている。ユーザのドアスイッチ31に対する操作に応じた信号が制御部13へ出力されるようになっている。
【0023】
ドア開閉検出部32は、車両のドアの開閉状態を検出するためのスイッチおよび車両のトランクドアの開閉状態を検出するためのスイッチにより構成されている。ドア開閉検出部32から制御部13へ車両のドアの開閉状態および車両のトランクドアの開閉状態を表す信号が出力されるようになっている。
【0024】
ドア施錠検出部33は、車両のドアの施錠状態を検出するスイッチおよび車両のトランクドアの施錠状態を検出するスイッチにより構成されている。ドア施錠検出部33から制御部13へ車両の施錠状態および車両のトランクドアの施錠状態を表す信号が出力されるようになっている。
【0025】
ドア施解錠制御部40は、車両のドアの施錠、解錠を行うためのアクチュエータおよび車両のトランクドアの施錠、解錠を行うためのアクチュエータを有し、各アクチュエータを駆動することにより車両のドアの施錠制御、解錠制御、車両のトランクドアの施錠制御、解錠制御を行う。
【0026】
LF送信部11には、車室内アンテナ11aおよびトランク内アンテナ11bが接続されている。なお、実際には、LF送信部11には、キーレスエントリシステムに用いられる車室外アンテナも接続されている。車室内アンテナ11aは、乗員が着座する座席等が設置された車室空間へ電波を送信するもので、トランク内アンテナ11bは、トランクルーム内へ電波を送信するものである。
【0027】
充電ケーブル通信機20は、図2に示すように、充電ケーブル21と一体となるように構成されている。具体的には、充電ケーブル通信機20を充電ケーブル21の樹脂製のコネクタハウジング内に格納した構成となっている。
【0028】
図3に、充電ケーブル通信機20の構成を示す。ここで、充電ケーブル通信機20の構成について説明する。なお、充電ケーブル通信機20は、キーレスエントリシステムに用いられる携帯機30と共通の回路構成となっている。
【0029】
充電ケーブル通信機20は、受信アンテナ20a、受信部20b、制御部20c、送信部20d、送信アンテナ20eを備えている。
【0030】
受信部20bは、受信アンテナ20aにより受信された信号に対する増幅、復調等の処理を行う。
【0031】
送信部20dは、制御部20cより入力されるデータでRF帯の周波数の搬送波を変調し、送信アンテナ20eから電波送出する。
【0032】
制御部20cは、CPU、RAM、ROM、EEPROM、I/O等を備えたコンピュータとして構成されており、CPUはROMに記憶されたプログラムに従って各種処理を実施する。
【0033】
ここで、キーレスエントリシステムとしての車載装置10と携帯機30の作動について簡単に説明する。車載装置10は、定期的、または、ドアスイッチ31より入力される信号をトリガとして、車内アンテナ11a、トランク内アンテナ11bおよび車室外アンテナ(図示せず)から照合のための電波(要求信号)を順次送信し、この要求信号の受信に応答して携帯機30から送信される電波(応答信号)を受信すると、この電波の受信状況から携帯機30の位置を特定するとともに、応答信号に含まれる識別情報に基づいて予め登録された正規の携帯機30であるか否かを判定する。そして、正規の携帯機30であると判定された場合、携帯機30の位置に応じて車両のドアの施錠制御または車両のドアの解錠制御を実施する。
【0034】
また、前述したように、車載装置10は、車両内への充電ケーブル21の車両への搭載忘れを防止するための機能を備えている。
【0035】
充電ケーブル通信機20の制御部20cのEEPROMには、充電ケーブル通信機20に対して固有に付与された識別情報とともに、充電ケーブル21の製造メーカ名および充電ケーブル21の型式が記憶されている。これらの情報は、充電ケーブル21の製造時に制御部20cのEEPROMに記憶される。また、充電ケーブル通信機20に対して固有に付与された識別情報、充電ケーブル21の製造メーカ名および充電ケーブル21の型式は、事前に、車載装置20のEEPROMに登録されるようになっている。
【0036】
制御部20cは、受信部20bを介して車載装置10からの要求信号を受信すると、EEPROMに記憶された固有の識別情報とともに、充電ケーブル21の製造メーカ名、充電ケーブル21の型式を含む応答信号を送信部20dへ出力する処理を実施する。
【0037】
図4に、車載報知システムとしての制御部20cのフローチャートを示す。制御部20cは、図4に示す処理を定期的に実施する。
【0038】
まず、車載装置10から要求信号を受信したか否かに基づいてケーブル確認のための信号を受信したか否かを判定する(S100)。
【0039】
ここで、充電ケーブル21が車室内にあり、車載装置10からの要求信号が受信部20bにより受信されると、S100の判定はYESとなり、充電ケーブルが有る旨を示す信号で応答する(S102)。具体的には、EEPROMに記憶された固有の識別情報、充電ケーブル21の製造メーカ名および充電ケーブル21の型式を含む応答信号を車載装置10へ送信し、本処理を終了する。
【0040】
また、充電ケーブル21が車室外にあり、車載装置10からの要求信号が受信部20bにより受信されない場合には、S100の判定はNOとなり、車載装置10へ応答することなく、本処理を終了する。
【0041】
図5に、車載装置10の制御部13のフローチャートを示す。車載装置10の制御部13は、定期的に図5に示す処理を実施する。
【0042】
まず、ドア閉を検出したか否かを判定する(S200)。具体的には、ドア開閉検出部31より入力される信号から車両の全てのドアが閉状態になったことが検出されたか否かを判定する。
【0043】
ここで、例えば、バッテリの充電を終えた運転者が車両に乗り込むために、車両の一部のドアを開いた場合、S200の判定はNOとなり、S200の判定を繰り返し実施する。
【0044】
そして、運転者が車両に乗り込み、車両の全てのドアが閉状態になると、S200の判定はYESとなり、車両内に充電ケーブル21が搭載されているか否かを判定する(S204)。具体的には、車室内アンテナ11aおよびトランク内アンテナ11bから照合のための電波(要求信号)を順次送信させ、この要求信号の受信に応答して充電ケーブル通信機20より送信される応答信号に含まれる識別情報が予め登録された正規の識別情報であるか否かに基づいて車両内に充電ケーブル21が搭載されているか否かを判定する。ただし、充電ケーブル通信機20から送信される応答信号には、識別情報とともに、充電ケーブルの製造元を特定するための情報および充電ケーブルの種類を特定するための情報の少なくとも一方が含まれており、充電ケーブル通信機20より送信される応答信号に含まれる情報に基づいて応答信号が車両に搭載されたバッテリを充電するための充電ケーブルの規格を満たさない充電ケーブル通信機より送信されたものであると判定された場合には、車両内に充電ケーブルがないものと判定するようになっている。
【0045】
ここで、車両内に充電ケーブル21が搭載されていると判定された場合、充電ケーブル21が車両に搭載されていることをRAMに記憶させる(S206)。また、車両内に充電ケーブル21が搭載されていないと判定された場合、充電ケーブル21が車両に搭載されていないことをRAMに記憶させる(S208)。
【0046】
次に、運転者の操作に応じて車両のイグニッションスイッチがオン状態となったことが検出され、かつ、充電ケーブルが車両に搭載されていないか否かを判定する(S210)。
【0047】
また、運転者の操作に応じて車両のイグニッションスイッチがオン状態となったことが検出され、かつ、図6(a)に示すように、充電ケーブル21が車両に搭載されていないと判定された場合、S210の判定はYESとなり、車両内に充電ケーブル21が搭載されていないことを運転者に警告する(S212)。具体的には、スピーカ(図示せず)から「充電ケーブルが搭載されていません」といったメッセージを音声出力させるとともに、メータ内に設けられたインジケータ(図示せず)を点滅させて、車両内に充電ケーブル21が搭載されていないことを運転者に報知する。
【0048】
また、例えば、運転者の操作に応じて車両のイグニッションスイッチがオン状態となったことが検出された場合でも、図6(b)に示すように、充電ケーブル21が車両に搭載されている場合には、S210の判定はNOとなり、運転者への警告を行うことなく、本処理を終了する。
【0049】
上記した構成によれば、充電ケーブル通信機は、充電ケーブルと一体となっており、車載装置は、車両内へ向けて要求信号を送信し、要求信号の送信に応答して充電ケーブル通信機より送信される応答信号の受信状況に基づいて車両内に充電ケーブルがあるか否かを判定し、車両の走行開始時で、かつ、車両内に充電ケーブルがないと判定された場合、充電ケーブルの車両への搭載忘れが乗員に報知されるので、充電ケーブルの搭載忘れを防止することができる。
【0050】
また、車載装置は、要求信号の受信に応答して固有の識別情報を含む応答信号を送信する携帯機の照合を行い車両のドアの施錠制御を行うキーレスエントリシステムに用いられるもので、充電ケーブル通信機は、キーレスエントリシステムに用いられる携帯機と共通の回路構成となっているので、多くの車両に搭載されているキーレスエントリシステムの車載装置を利用して、充電ケーブルの車両への搭載忘れを乗員に報知する車載報知システムを比較的容易に構成することが可能である。
【0051】
また、充電ケーブル通信機から送信される応答信号には、識別情報とともに、充電ケーブルの製造元を特定するための情報および充電ケーブルの種類を特定するための情報の少なくとも一方が含まれており、充電ケーブル通信機より送信される応答信号に含まれる情報に基づいて応答信号が車両に搭載されたバッテリを充電するための充電ケーブルの規格を満たさない充電ケーブル通信機より送信されたものであると判定された場合には、車両内に充電ケーブルがないものと判定するようになっているので、例えば、車両に搭載されたバッテリを充電するための充電ケーブルの規格を満たさない充電ケーブル通信機を有する充電ケーブルが車両に搭載されていて、この充電ケーブルにより誤って車両内に充電ケーブルがあると判定してしまうことを防止することが可能である。
【0052】
また、車両内へ向けて要求信号を送信するタイミングは、車両の全てのドアが閉状態になったことが検出された時点とすることができる。
【0053】
また、車両のイグニッションスイッチがオン状態になったことが検出され、かつ、充電ケーブル判定手段により車両内に充電ケーブルがないと判定された場合、充電ケーブルの車両への搭載忘れを乗員の報知することができる。
【0054】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。
【0055】
例えば、上記実施形態では、充電ケーブル通信機20を充電ケーブル21の樹脂製のコネクタハウジング内に格納した構成を示したが、例えば、充電ケーブル通信機20を充電ケーブル21の一部に固着するようにして充電ケーブル通信機20を充電ケーブル21と一体とするように構成しても良い。
【0056】
また、上記実施形態では、S204にて、車室内アンテナ11aおよびトランク内アンテナ11bから照合のための電波(要求信号)を順次送信させ、この要求信号の受信に応答して充電ケーブル通信機20より送信される応答信号に含まれる識別情報が予め登録された正規の識別情報であるか否かに基づいて車両内に充電ケーブル21が搭載されているか否かを判定したが、このような判定に限定されるものではなく、例えば、応答信号に含まれる識別情報と関係なく、応答信号に含まれる製造メーカ名により車両内に充電ケーブル21が搭載されているか否かを判定するようにしてもよく、また、応答信号に含まれるおよび充電ケーブル21の型式により車両内に充電ケーブル21が搭載されているか否かを判定するようにしてもよい。また、応答信号に含まれる製造メーカ名と充電ケーブル21の型式により車両内に充電ケーブル21が搭載されているか否かを判定するようにしてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、充電ケーブルの製造元を特定するための情報として充電ケーブル21の製造メーカ名を応答信号に含むように構成したが、充電ケーブル21の製造メーカ名に限定されるものではなく、例えば、充電ケーブル21のブランド名を応答信号に含むように構成してもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、車両の全てのドアが閉状態となり、車両内に充電ケーブル21が搭載されていないと判定された場合に、充電ケーブルの車両への搭載忘れを乗員に報知する例を示したが、例えば、イグニッションスイッチがオン状態となり、車両内に充電ケーブル21が搭載されていないと判定された場合に、充電ケーブルの車両への搭載忘れを乗員に報知するように構成したり、車両が走行を開始した直後で、車両内に充電ケーブル21が搭載されていないと判定された場合に、充電ケーブルの車両への搭載忘れを乗員に報知するなど、車両が走行を開始する時で、かつ、充電ケーブル判定手段により車両内に充電ケーブルがないと判定された場合、充電ケーブルの車両への搭載忘れを乗員に報知するように構成してもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、制御部13のEEPROMに各種情報を記憶させる構成を示したが、EEPROMに代えて、フラッシュメモリ、バッテリによりバックアップされたRAM等の不揮発性メモリに各種情報を記憶させるように構成してもよい。
【0060】
同様に、上記実施形態では、制御部20cのEEPROMに各種情報を記憶させる構成を示したが、EEPROMに代えて、フラッシュメモリ、バッテリによりバックアップされたRAM等の不揮発性メモリに各種情報を記憶させるように構成してもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、充電ケーブルの種類を特定するための情報として、充電ケーブル21の型式を応答信号に含むように構成したが、充電ケーブル21の型式に限定されるものではなく、例えば、充電ケーブルの種類を応答信号に含むように構成してもよい。
【0062】
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、充電ケーブル通信機20が無線通信機に相当し、S202が要求信号送信手段に相当し、S204が充電ケーブル判定手段に相当し、S212が報知手段に相当する。
【符号の説明】
【0063】
10 車載装置
11 LF送信部
11a 車室内アンテナ
11b トランク内アンテナ
12 チューナ
12a 受信アンテナ
13 制御部
20 充電ケーブル通信機
21 充電ケーブル
30 携帯機
31 ドアスイッチ
32 ドア開閉検出部
33 ドア施錠検出部
40 ドア施解錠制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車載装置と、当該車載装置より送信される要求信号の受信に応答して固有の識別情報を含む応答信号を送信する無線通信機から成る車載報知システムであって、
前記車載装置は、走行用の電動機を駆動するためのバッテリを充電するための充電ケーブルを接続する接続部を有する車両に搭載されるもので、
前記無線通信機は、前記充電ケーブルと一体となっており、
前記車載装置は、
前記車両内へ向けて前記要求信号を送信する要求信号送信手段と、
前記要求信号送信手段による前記要求信号の送信に応答して前記無線通信機より送信される前記応答信号の受信状況に基づいて前記車両内に前記充電ケーブルがあるか否かを判定する充電ケーブル判定手段と、
前記車両の走行開始時で、かつ、前記充電ケーブル判定手段により前記車両内に前記充電ケーブルがないと判定された場合、前記充電ケーブルの前記車両への搭載忘れを乗員に報知する報知手段と、を備えたことを特徴とする車載報知システム。
【請求項2】
前記車載装置は、要求信号の受信に応答して固有の識別情報を含む応答信号を送信する携帯機の照合を行い前記車両のドアの施錠制御を行うキーレスエントリシステムに用いられるもので、
前記無線通信機は、前記キーレスエントリシステムに用いられる前記携帯機と共通の回路構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の車載報知システム。
【請求項3】
前記無線通信機から送信される応答信号には、前記識別情報とともに、前記充電ケーブルの製造元を特定するための情報および前記充電ケーブルの種類を特定するための情報の少なくとも一方が含まれており、
前記充電ケーブル判定手段は、前記無線通信機より送信される前記応答信号に含まれる情報に基づいて前記応答信号が前記車両に搭載されたバッテリを充電するための充電ケーブルの規格を満たさない無線通信機より送信されたものであると判定した場合には、前記車両内に前記充電ケーブルがないものと判定することを特徴とする請求項1または2に記載の車載報知システム。
【請求項4】
前記要求信号送信手段は、前記車両の全てのドアが閉状態になったことが検出された時点で、前記車両内へ向けて前記要求信号を送信することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車載報知システム。
【請求項5】
前記報知手段は、前記車両のイグニッションスイッチがオン状態になったことが検出され、かつ、前記充電ケーブル判定手段により前記車両内に前記充電ケーブルがないと判定された場合、前記充電ケーブルの前記車両への搭載忘れを乗員の報知することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車載報知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−102640(P2013−102640A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245630(P2011−245630)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】