説明

車載情報報知装置

【課題】運転者に必要な情報をより効果的に伝えることが可能な車載情報報知装置を提供する。
【解決手段】HMI管理装置は、機能単位で構成されたアプリを実行中のECUから出力情報を受信すると(S120)、アプリの機能が識別可能な機能IDと予め設定された重要度とを対応づけてなる機能重要度情報に基づいて、重要度が高い機能IDを含む出力情報から順に先頭側に配置されるように、バッファ内に格納された出力情報を並べ替える(S140)。そして、バッファの先頭から読み出した出力情報に基づく情報内容を順に報知させるための制御指令を、出力情報に対応する報知装置を備えるECUに送信する(S180)。これにより、複数のECUによって各アプリが並列的に実行される場合であっても、重要なアプリによって生成された情報から順に一つずつ情報内容を運転者に報知することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されて各種情報を運転者に報知する車載情報報知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の車載情報報知装置としては、運転者に各種情報を効果的に伝えるために、運転者の意識と潜在意識との境界領域より下に刺激を与える程度に情報内容の画像表示や音声出力を繰り返し行ったうえで、明示的に情報内容を一度だけ報知する報知制御処理を行う装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この装置では、報知制御処理によって、情報内容の画像表示や音声出力を、明示的に繰り返し行う代わりにサブリミナル的に繰り返し行うことにより、運転者にとって情報過多による煩わしさを低減しつつ、情報内容に対する認識レベルを高めることが期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−214750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、車両技術の進歩に伴い、運転の安全性や快適性を高めるための多数の機能が車両に備わるようになり、車両に搭載される電子制御装置の数も増加傾向にある。また、一般的に、これら各電子制御装置が、個々に割り当てられた機能を実現するためのプログラムに基づいて、報知制御処理を実行している。
【0006】
しかし、複数の電子制御装置を備える車両制御システムにおいて、単に従来の報知制御処理を実行するだけでは、複数の電子制御装置によって、各機能を実現するための複数のプログラムが並列的に実行されることから、各プログラムによって生成された多くの情報が同時多発的に運転者に報知され、その結果、運転者に必要な情報を効果的に伝えることができない可能性があった。
【0007】
また、車両制御システムにおいて、従来の車載情報報知装置に複数の電子制御装置を接続し、各電子制御装置から出力される情報を単に受信順に報知するだけでは、重要な情報の報知タイミングが遅れてしまう場合があるため、運転者に必要な情報を効果的に伝えることができない可能性が残るという問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するために、運転者に必要な情報をより効果的に伝えることが可能な車載情報報知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためになされた発明である請求項1に記載の車載情報報知装置は、車両に搭載され、機能単位で構成された複数の機能プログラムを実行する各電子制御装置に接続される装置であり、情報受信手段によって、これら各電子制御装置から機能プログラムの実行時に出力された情報であってその機能が識別可能な機能IDを含む出力情報を受信する。
【0010】
さらに、情報受信手段にて受信した出力情報に基づく情報内容を車両の運転者に報知するための報知手段と、機能IDと予め設定された重要度とを対応づけてなる機能重要度情報が少なくとも記憶された記憶手段とを備えている。
【0011】
このような構成において、本発明の車載情報報知装置では、情報受信手段にて受信した出力情報のうち、報知手段による未報知の出力情報が複数存在する場合、その出力情報に含まれている機能IDと、記憶手段に記憶されている機能重要度情報とに基づいて、重要度が高い機能IDを含む出力情報から順に情報内容を報知するように報知手段を制御する報知制御処理を制御手段が行うように構成した。
【0012】
したがって、本発明の車載情報報知装置によれば、複数の電子制御装置によって各機能プログラムが並列的に実行される場合であっても、重要な機能プログラムによって生成された情報から順に情報内容を報知するので、重要な情報から一つずつ確実に運転者に知得させることができ、ひいては、運転者に必要な情報をより効果的に伝えることができる。
【0013】
なお、機能重要度情報は、機能ID毎に異なる重要度が設定されていてもよいが、請求項2に記載のように、互いに異なる複数の機能IDからなる機能ID群毎に重要度が設定されていてもよい。この場合、報知制御処理は、報知手段による未報知の出力情報であって重要度が同一である機能IDを含む出力情報が複数存在する場合、情報受信手段にて受信した出力情報の順に情報内容を報知するように報知手段を制御すればよい。
【0014】
このように構成された車載情報報知装置によれば、機能プログラムの数が多い場合であっても、それぞれにユニークな重要度を割り当てる必要がなく、しかも全ての機能プログラムが一斉に情報を生成する確率が極めて低いことを考慮すると、重要度の設定負担(ひいては装置の開発負担)を軽減しつつ所定の目的を達成することが可能となり、費用対効果を高めることができる。
【0015】
あるいは、請求項3に記載のように、機能重要度情報の他、電子制御装置毎に予め設定された優先度を表す装置優先度情報を記憶手段に記憶しておく。そして、報知制御処理は、報知手段による情報内容が未報知の出力情報であって重要度が同一である機能IDを含む出力情報が複数存在する場合であっても、その出力情報の送信元が異なる場合には、記憶手段に記憶されている装置優先度情報に従って優先度が高い出力情報の順に情報内容を報知するように報知手段を制御してもよい。
【0016】
このように構成された車載情報報知装置によれば、機能ID群毎に予め設定された重要度に変更を加えることなく、その重要度に付加される指標として、電子制御装置毎に優先度を割り当てるだけで、より詳細な出力情報の順位付けが可能となるので、簡易な設定によって装置のスペックを向上させることができる。
【0017】
また、請求項4に記載のように、報知制御処理は、報知手段による情報内容が報知中の出力情報である現在出力情報よりも、重要度が高い機能IDを含む出力情報である高重要度情報を情報受信手段にて受信した場合、現在出力情報に代えて高重要度情報に基づく情報内容を報知するようにしてもよい。
【0018】
このように構成された車載情報報知装置によれば、重要な情報の報知タイミングが遅れてしまうことを確実に防止することができ、しかも複数の情報を同時に運転者に報知せずに済むので、運転者に必要な情報を知得させる確実性を向上させることができる。
【0019】
ところで、報知タイミングが遅れてしまうと意味をなさない情報が混在することを考慮すると、請求項5に記載のように、情報受信手段による受信時から報知手段による報知開始時までの時間に対応する有効期間を表す期限情報を出力情報に含めるようにする。そして、報知制御処理は、期限情報に基づいて、情報受信手段による受信時から有効期間が経過した出力情報を破棄するとよい。
【0020】
このように構成された車載情報報知装置によれば、報知タイミングを逸した不要な情報を報知してしまうことを防止でき、しかも重要な情報であれば適切なタイミングで報知することになるので、報知タイミングと重要度との均衡を図ることにより、運転者に必要な情報をより効果的に伝えることができる。
【0021】
さらに、請求項6に記載のように、報知手段による報知開始時から報知終了時までの時間に対応する報知期間を表す設定情報を出力情報に含めるようにする。そして、報知制御処理は、報知手段による情報内容が報知中の出力情報である現在出力情報について、設定情報に基づき報知終了時までの残り時間を計時するとともに、その現在出力情報よりも、重要度が高い機能IDを含む出力情報である高重要度情報を情報手段にて受信した場合であっても、高重要度情報に含まれている期限情報が表す有効期間が、現在出力情報に対応する残り時間よりも長い場合には、その現在出力情報に基づく情報内容の報知終了後にその高重要度情報に基づく情報内容を報知してもよい。
【0022】
つまり、このように構成された車載情報報知装置では、比較的重要度の低い情報(現在出力情報)が報知中であり、比較的重要度の高い情報(高重要度情報)が存在する場合に、硬直的に報知する情報を入れ替えるのではなく、高重要度情報の報知タイミングの許容範囲内であれば、現在出力情報の後に高重要度情報に基づく情報内容を報知する。
【0023】
よって、この構成によれば、報知中の情報が途中で切れてしまう事態を抑制することができ、しかも許容範囲内の報知タイミングで重要な情報内容を運転者に報知することが可能となり、これにより、なるべく運転者に違和感を与えずに、必要な情報を効果的に伝えることができる。
【0024】
また、請求項7に記載のように、報知制御処理は、高重要度情報に含まれている期限情報が表す有効期間が、現在出力情報に対応する残り時間よりも短い場合には、その現在出力情報に基づく情報内容の報知を停止して、その現在出力情報に基づく情報内容のうち残り時間に相当する部分を記憶手段に記憶し、その高重要度情報に基づく情報内容の報知後に、記憶手段による記憶内容を報知するようにしてもよい。
【0025】
このように構成された車載情報報知装置によれば、報知する情報を入れ替える際に、それまで報知していた情報を次回に停止部分から再生可能に記録するため、同じ情報内容を運転者に報知せずに済み、運転者に必要な情報を効率よく伝えることができる。
【0026】
なお、請求項8に記載のように、報知制御処理は、高重要度情報に基づく情報内容の報知前に、現在出力情報に基づく情報内容の報知を停止する旨を報知するようにしてもよい。この場合、報知中の情報が途中で切れてしまう事態が発生した場合であっても、運転者にその意図を把握させることにより、不要な不安感を抱かせることなく、次に報知される情報に注意を向けさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明が適用された車両制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の車両のECUのソフトウェア構成を示すブロック図である。
【図3】HMI管理装置の構成を詳細に示すブロック図である。
【図4】機能重要度情報および装置優先度情報を説明するための概略図である。
【図5】HMI管理装置のCPUが実行する報知制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明の実施形態について説明する。
[全体構成]
図1は、本発明が適用された車両制御システム1の概略構成を示すブロック図である。
【0029】
図1に示すように、この車両制御システム1は、車両の内部に設置されてその車両の運転者に報知する情報を管理するHMI(ヒューマンマシンインターフェース)管理装置3を備えている。また、HMI管理装置3は、LAN通信バス(ネットワーク)を介して、エンジン電子制御装置(以下、「エンジンECU」)30、ブレーキ電子制御装置(以下、「ブレーキECU」)32、走行制御電子制御装置(以下、「走行制御ECU」)34、メータ電子制御装置(以下、「メータECU」)36、故障診断電子制御装置(以下、「故障診断ECU」)38、ナビゲーション電子制御装置(以下、「ナビECU」)40、オーディオビジュアル電子制御装置(以下、「AVECU」)42、車外通信電子制御装置(以下、「車外通信ECU」)44などの各種ECUと接続されている。
【0030】
なお、各ECUは、いずれも周知のマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」)を中心に構成され、少なくともLAN通信バスを介して通信を実施するためのバスコントローラを備えている。また、各ECUのマイコンは、図2に示すようなアプリA、アプリB、制御部、…といったソフトウェア構成を有する。
【0031】
ここで、アプリA、アプリBは、車両制御のために当該ECUに割り当てられた2種類の機能プログラム(換言すれば、アプリケーションプログラム)を表している。また、制御部は、各アプリA、Bがネットワーク上の他の装置と交換する信号をフィルタリングしたり、アプリA、Bの実行/停止を切り換えたりするための制御プログラムを表している。
【0032】
そして、当該ECUは、アプリA、Bの実行時に運転者に報知するための出力情報を生成すると、これらの出力情報にアプリA、Bに対応する機能が識別可能な機能ID、期限情報および設定情報を付加し、HMI管理装置3に送信するように構成されている。なお、実際には、アプリA,Bという2種類のアプリケーションプログラム(アプリ)だけではなく、3種類以上の複数のアプリが存在し、これらのアプリが車両制御における機能単位に分けて予め作成され、当該ECUに実装されている。
【0033】
ちなみに、機能IDと共に出力情報に付加される情報のうち、期限情報は、これらアプリによる出力情報の送信時(ひいてはHMI管理装置3の受信時)から運転者に報知されるまでに要する最大の有効期間を表す情報であり、設定情報は、運転者への報知開始時から報知終了時までに必要な報知期間を表す情報である。
【0034】
[各装置の構成]
HMI管理装置3は、各ECUからネットワークを介して各種の出力情報を受信すると、これらの出力情報をどのような順で運転者に報知するかを決定し、その決定事項が反映された指令情報を所定のECUに送信する。なお、指令情報には、上記の出力情報を運転者に報知することを許可する旨が少なくとも書き込まれ、この指令情報を受信したECUは、その受信したタイミングで出力情報に基づく情報内容を報知するようになっている。
【0035】
ブレーキECU32は、図示しないステアリングセンサ、ヨーレートセンサからの検出情報(操舵角、ヨーレート)に加え、図示しないM/Cセンサからの情報に基づいて判断したブレーキペダル状態を走行制御ECU34等に送信すると共に、走行制御ECU34からは目標加速度、ブレーキ要求等を受信し、これら受信した情報や判断したブレーキ状態に従って、ブレーキ油圧回路に備えられた増圧制御弁・減圧制御弁を開閉するブレーキアクチュエータを駆動することでブレーキ力を制御するように構成されている。また、車両の発進時にパーキングブレーキ(PKB)やサイドブレーキがオン状態であることを検出すると、その状態を運転者に報知するためのPKB警告情報をHMI管理装置3等に送信する。
【0036】
エンジンECU30は、図示しない車速センサ、スロットル開度センサ、アクセルペダル開度センサからの検出情報(車速、エンジン制御状態、アクセル操作状態)を走行制御ECU34等に送信すると共に、走行制御ECU34からは目標加速度、フューエルカット要求等を受信し、これら受信した情報から特定される運転状態に応じて、内燃機関のスロットル開度を調整するスロットルアクチュエータ等に対して駆動命令を出力することで、内燃機関の駆動力を制御するように構成されている。
【0037】
走行制御ECU34は、図示しないレーダ装置や車外カメラ等から車両や路側物等の物体、走行道路形状等、エンジンECU30から車速やエンジン制御状態、ブレーキECU32から操舵角、ヨーレート、ブレーキ制御状態等を受信する。また、図示しないクルーズコントロールスイッチ、レーンキーピングアシスト(LKA)スイッチなどによる設定値に従って、先行車両との車間距離を適切な距離に調節するための制御指令や、走行車線を逸脱しないようにするための制御指令として、エンジンECU30に対しては、目標加速度、フューエルカット要求等を送信し、ブレーキECU32に対しては、目標加速度、ブレーキ要求等を送信する。さらには、上記各スイッチによって例えばLKAが設定されたことを表すLKA設定情報や、車両が走行車線を逸脱する可能性が高いと判断した場合にその旨を表すLKA警告情報をHMI管理装置3等に送信する。
【0038】
メータECU36は、スピードメータ、タコメータ、ターニングライト及び各種警告灯の表示器等が組み合わされたコンビネーションメータ361が接続され、各ECUからの受信情報に基づいて現車速やエンジン回転数、走行距離、走行燃費を、図示しないドアECUからの受信情報に基づいてドアやパワーウインドウの開状態を示す警告灯を、コンビネーションメータ361に表示する。なお、コンビネーションメータ361には、HMI管理装置3から受信した情報を表示するためのHMI領域が設けられている。
【0039】
故障診断ECU38は、図示しない燃料センサや空気圧センサ、バッテリセンサ等から燃料タンクの残量、タイヤの空気圧、バッテリの残量の検出情報を受信し、燃料タンクの残量が所定量を下回るとその旨を表す燃料警告情報を、燃料タンクの残量がゼロになるとその旨を表す燃料切れ情報を、タイヤの空気圧が所定圧を下回るとその旨を表す空気圧警報情報を、バッテリの残量がゼロ(オーバーヒート)になるとその旨を表すバッテリ切れ情報をHMI管理装置3に送信する。また、ネットワーク上の他のECUから受信した各種情報に基づいて、制御対象機器あるいはECU自体の故障を診断し、故障があると判定した場合にはその故障箇所を表す故障情報をHMI管理装置3に送信する。さらには、例えば給油中にエンジンを始動させるといった運転者の不適切な操作を検出すると、その旨を表す不適切操作情報をHMI管理装置3に送信する。
【0040】
ナビECU40は、図示しない地図データ等を入力するための地図データ入力器や、車両の位置,方位,移動距離などを算出するための各種の検出信号を出力する位置検出器の他、ユーザの各種操作を受け付けるメカ式のスイッチ(以下、「メカ式SW」)401、ユーザの各種操作を受け付けると共に各種情報を表示するタッチパネル装置402、各種音声を出力するための音声出力装置403などが接続されている。
【0041】
そして、ナビECU40は、位置検出器からの検出信号に基づき、座標および進行方向の組として対象車両の現在位置を算出し、地図データ入力器を介して読み込んだ現在位置付近の地図画像を表す現在地情報や、現在地から目的地までの最適な経路を求める経路計算結果を表す経路案内情報、現在地あるいは目的地周辺の情報を表す周辺情報等を出力する処理を実行する前に、その情報の報知に対する許可要求をHMI管理装置3に送信する。次に、HMI管理装置3から指令情報を受信すると、その指令情報に対応する情報(現在地情報、経路案内情報、周辺情報)を、タッチパネル装置402および音声出力装置403を介して出力するように構成されている。また、実行中の処理に非対応のユーザ操作を、メカ式SW401を介して入力した場合には、不明な操作を検出したことを表す不明操作情報をHMI管理装置3に送信する。
【0042】
AVECU42は、図示しないテレビやAM・FMラジオのチューナ、CD・DVD等のメディアを再生するプレーヤ、ユーザの各種操作を受け付けるメカ式のスイッチ(以下、「メカ式SW」)421、ナビECU40と兼用するタッチパネル装置402、音声出力装置403などが接続されており、チューナ・プレーヤから入力した画像や音声等を出力する処理を行う前に、その情報の報知に対する許可要求をHMI管理装置3に送信する。そして、HMI管理装置3から指令情報を受信すると、その指令情報に対応する情報(テレビ、ラジオ、映像、音楽等)を、タッチパネル装置402および音声出力装置403を介して出力するように構成されている。また、実行中の処理に非対応のユーザ操作を、メカ式SW421を介して入力した場合には、不明な操作を検出したことを表す不明操作情報をHMI管理装置3に送信する。
【0043】
車外通信ECU44は、渋滞や交通規制等の道路交通情報、各地の天候や災害等の天災情報、スーパーやデパート等のセール情報などを受信する情報受信機や、ETCカード(ICカード)を挿入するETCインターフェース、料金所ゲートに設置された路側機との間で通信を行うためのETC通信機、携帯電話機に接続する携帯インターフェース、ユーザの各種操作を受け付けるメカ式のスイッチ(以下、「メカ式SW」)441、ナビECU40と兼用するタッチパネル装置402、音声出力装置403などが接続されている。
【0044】
そして、車外通信ECU44は、情報受信機やETC通信機、上記インターフェースから入力した画像や音声等を出力する処理を行う前に、その情報の報知に対する許可要求をHMI管理装置3に送信し、HMI管理装置3から指令情報を受信すると、その指令情報に対応する情報(道路交通情報、天災情報、セール情報、ETCカード非挿入情報、電話やメールの通知情報、電話の通話情報等)を、タッチパネル装置402および音声出力装置403を介して出力するように構成されている。また、実行中の処理に非対応のユーザ操作を、メカ式SW441を介して入力した場合には、不明な操作を検出したことを表す不明操作情報をHMI管理装置3に送信する。
【0045】
つまり、原則的に、タッチパネル装置402や音声出力装置403、コンビネーションメータ361といった報知装置を有するECU36,40,42,44は、機能単位で構成されたアプリケーションプログラムの実行時に、運転者に報知するための情報(以下、「報知情報」)を生成すると、その出力許可を要求するための要求情報をHMI管理装置3に送信する。一方、上記の報知装置を有さないECU30,32,34,38は、報知情報自体をHMI管理装置3に送信する。
【0046】
そして、HMI管理装置3からECU36,40,42,44に送信される指令情報には、報知情報の出力を許可する制御指令(許可指令)や報知情報自体、あるいは報知情報以外のメッセージ情報(後述する)が含まれており、ECU36,40,42,44が、HMI管理装置3から受信した指令情報に基づく情報(報知情報、メッセージ情報)を、報知装置を介して出力するようになっている。
【0047】
また、指令情報には、報知装置を介して出力中の報知情報を停止させるための制御指令(停止指令)や、停止中の報知情報を記憶させるための制御指令(記憶指令)、報知装置を介して記憶内容を出力(再生)させるための制御指令(再生指令)が含まれる場合もあり、ECU36,40,42,44が、HMI管理装置3から受信した指令情報に従って報知装置の出力制御を行うようになっている。
【0048】
[HMI管理装置の構成]
ここで、HMI管理装置3の詳細な構成について説明する。
図3に示すように、HMI管理装置3は、制御用の各種プログラムやデータを格納する記憶装置11(ROM,RAM,フラッシュメモリ等)、この記憶装置11に記憶されたプログラムを実行するCPU13、各種信号を入出力するためのIOポート15、計時用タイマー17等を有するマイコン20と、IOポート15に接続されたバスコントローラ19とを備えている。
【0049】
このうち、バスコントローラ19は、ネットワーク上のECUから各種の報知情報または要求情報(つまり、出力情報)を受信すると、IOポート15を介してマイコン20にその受信情報を入力し、さらには、マイコン20からIOポート15を介して各種の指令情報を入力すると、その指令情報をマイコン20にて指定されたECUに送信するように構成されている。
【0050】
記憶装置11は、少なくとも後述する報知制御処理を実行するためのプログラムやそのプログラムに必要な制御データが記憶されたプログラムデータ領域の他、バスコントローラ19から入力される各種情報を一時記憶するためのバッファを有して構成されている。
【0051】
そして、プログラムデータ領域には、上記の制御データとして、ネットワーク上のECUから受信する出力情報について、前述の機能ID(アプリ毎に対応する機能が識別可能なID)に予め設定された重要度が対応づけられた機能重要度情報と、各種情報の送信元であるECUに予め設定された優先度が対応づけられた装置優先度情報とが少なくとも格納されている。
【0052】
図4に示すように、機能重要度情報は、互いに異なる複数の機能IDからなる機能ID群21毎に重要度が設定されており、ネットワーク上のECUが実行するアプリ(機能)について、安全確保のために車両の停止を促す種類の情報を出力する機能の集合体(停止報知機能群)の重要度が最も高く、以下、操作報知機能群、状態報知機能群、周辺報知機能群、環境報知機能群、関連報知機能群の順に重要度が低くなるように設定されている。
【0053】
関連報知機能群は、車両の走行に対して関連性が薄い種類の情報を出力する機能の集合体である。この出力情報には、例えば、運転者等の人に起因して開始するアプリによって出力される情報として、ブレーキECU32からのPKB警告情報、車外通信ECU44からのETCカード非挿入情報、セール情報、電話やメールに関する情報(通知情報、通話情報)、ナビECU40からの周辺情報、AVECU42からの各種情報(テレビ、ラジオ、映像、音楽等)などが含まれる。
【0054】
環境報知機能群は、運転者の走行計画に必要な外部環境を示す情報を出力する機能の集合体であり、この出力情報には、例えば、車両や外部等に起因して開始するアプリによって出力される情報として、車外通信ECU44からの天災情報や道路交通情報などが含まれる。
【0055】
周辺報知機能群は、問題発生を予防するために必要な車両周辺の情報を出力する機能の集合体であり、この出力情報には、例えば、運転者等の人に起因して開始するアプリによって出力される情報として、ナビECU40からの経路案内情報や現在地情報などが含まれる。
【0056】
状態報知機能群は、走行維持のために車両状態の回復を促す種類の情報を出力する機能の集合体であり、この出力情報には、例えば、車両や外部等に起因して開始するアプリによって出力される情報として、故障診断ECU38からの空気圧警報情報や燃料警告情報、故障情報などが含まれる。
【0057】
操作報知機能群は、不適切な操作を正すために車載装置の操作学習を促す種類の情報を出力する機能の集合体であり、この出力情報には、例えば、運転者等の人に起因して開始するアプリによって出力される情報として、故障診断ECU38からの不適切操作情報、ナビECU40,AVECU42,車外通信ECU44からの不明操作情報などが含まれる。
【0058】
また、停止報知機能群に属するアプリによる出力情報には、例えば、車両や外部等に起因して開始するアプリによって出力される情報として、故障診断ECU38からの燃料切れ情報やバッテリ切れ情報(その他、タイヤパンク情報や灯火類切れ情報等)、車外通信ECU44からの緊急時情報(故障検出時に外部センタから送られてくる情報等)などが含まれる。
【0059】
このように、機能重要度情報では、互いに異なる複数の機能IDからなる機能ID群21毎に重要度が設定されており、同一の機能ID群21における各アプリによって出力される情報には、重要度の優劣がつかないように予め設定されている。
【0060】
一方、装置優先度情報では、ECU毎または複数のECUからなるECU群毎に優先度が設定されており、同一の機能ID群21における各アプリによって出力される情報であっても、その出力情報の送信元であるECUが異なる場合には、優先度によって重要度の優劣がつくようにされている。なお、本実施形態では、エンジンECU30、ブレーキECU32、及び、故障診断ECU38に対応する機能の優先度が最も高く、以下、ナビECU40、AVECU42、車外通信ECU44の順に重要度が低くなるように設定されている。
【0061】
ちなみに、メータECU36による検出情報(車速,燃費情報)、及び、走行制御ECU34からのLKA設定情報等には、重要度ならびに優先度が上記のようにカテゴライズされていないので、コンビネーションメータ361等に常時出力されるようになっている。
【0062】
[報知制御処理]
ここで、CPU13が実行する報知制御処理を、図5に示すフローチャートに沿って詳しく説明する。なお、本処理は、例えば車両のイグニッションスイッチ(IGスイッチ)がオンされると起動し、IGスイッチがオフされるまで繰り返し実行される。
【0063】
まず、本処理が開始されると、S110では、記憶装置11のバッファにECUから受信した出力情報が記憶されているか否か判断し、記憶されている場合には、S130に移行し、記憶されていない場合には、S120に移行する。
【0064】
S120では、バスコントローラ19(及びIOポート15)を介してECUからの出力情報を新たに受信したか否かを判断し、新たに出力情報を受信した場合には、計時用タイマー17を作動させることにより、その出力情報の受信時からの経過時間を計測する(S121)と共に、その経過時間と出力情報とを対応づけて記憶装置11のバッファに記憶して、S130に移行する。また、S121にて新たな受信がない場合には、S110に戻る。
【0065】
S130では、記憶装置11のバッファに出力情報が複数格納されているか否かを判断し、複数格納されている場合には、S140に移行し、一つだけ格納されている場合には、S180に移行して、その出力情報に基づく情報内容を運転者に報知するための指令情報を該当するECUに送信する。そして、その出力情報の情報内容が報知中であることを識別するために報知フラグを設定したり、その出力情報の送信時刻からの経過時間を計測することにより、その経過時間と出力情報に付加されている設定情報が示す報知期間との差分を表す残り時間(つまり、出力情報の情報内容の報知が終了するまでの残り時間)を測定したりする。
【0066】
S140では、記憶装置11のプログラムデータ領域に記憶されている機能重要度情報に基づいて、記憶装置11のバッファに格納されている出力情報を重要度が高い順に並べ替える。具体的には、各出力情報に含まれている個々の機能IDについて、停止報知機能群、操作報知機能群、状態報知機能群、周辺報知機能群、環境報知機能群、関連報知機能群のいずれに属するかを判断し、これらの機能ID群21を比較して重要度の優劣を全ての出力情報に対して判定することにより、より重要度の高い出力情報がバッファの先頭側に格納されるように並べ替えを行う。
【0067】
続くS150では、S140にて並べ替えを行う際に、機能ID群21が同一(つまり、重要度が同一)の出力情報が存在するか否かを判断し、存在しない場合には、S160に移行し、存在する場合には、重要度が同一の複数の出力情報からなるグループについて、記憶装置11のプログラムデータ領域に記憶されている装置優先度情報に基づき、優先度が高い順に出力情報を並べ替える(S151)。具体的には、重要度が同一である場合、これら各出力情報の送信元(ECU)を特定し、これらのECUを比較して優先度の優劣を判定していくことにより、重要度が同一のグループ内においてより優先度の高い出力情報がバッファの先頭側に格納されるように並べ替えを行う。そして、優先度によっても優劣がつかない場合には(S152;YES)、その優先度が同一のグループ内において、S120にて受信した順に出力情報がバッファの先頭側に格納されるように並べ替えを行う(S153)。
【0068】
続くS160では、バッファに格納されている各出力情報について、個々の出力情報に付加されている期限情報が示す有効期間と、S121にて計測されている経過時間とに基づいて、経過時間が有効期間を上回る出力情報が存在するか否かを判断し、存在する場合には(S160;YES)、その出力情報をバッファから削除(破棄)して(S161)、S170に移行する。一方、このような出力情報が存在しない場合には、S161を省略して、S170に移行する。
【0069】
続くS170では、報知フラグの設定に基づいて、運転者に報知中の出力情報(以下、「現在出力情報」)が存在するか否かを判断し、現在出力情報が存在しない場合には、S180に移行し、現在出力情報が存在する場合には、その現在出力情報の機能IDと、バッファの先頭に記憶されている出力情報の機能IDとを比較して、後者の出力情報の重要度が高いか否かを判断する(S171)。そして、S171にて肯定的に判断した場合には、重要度が高い機能IDを含む出力情報(以下、「高重要度情報」)に付加されている期限情報が示す有効期間と、現在出力情報における報知終了時までの残り時間とを比較して、高重要度情報の有効期間が現在出力情報の残り時間よりも長いか否かを判断する(S172)。
【0070】
ここで、現在出力情報の残り時間が高重要度情報の有効期間以上である場合には(S172;NO)、現在出力情報(報知情報)を一時停止させるための停止指令、及び、停止中の報知情報を記憶させるための停止指令を含む指令情報を、該当するECUに送信する(S173)。なお、この指令情報を受信したECUは、報知装置を介して出力中の報知情報のうち残り時間に相当する部分(未出力の部分)を自身の記憶装置(メモリ)に記憶することになる。
【0071】
そして、現在出力情報の報知を停止する旨を表すメッセージ情報を、該当するECUに送信する(S174)。これにより、このメッセージ情報を受信したECUは、報知装置を介してメッセージ情報に基づく情報内容を出力することになる。さらに、高重要度情報の有効期間の経過後にメモリに記憶した未出力の部分を再生させるための再生指令を含む指令情報を、該当するECUに送信して(S175)、S180に移行する。なお、この指令情報を受信したECUは、一時停止していた報知情報を再生する旨を示す情報内容を出力してもよいし、音楽等であれば徐々に音量を上げながら指定の音量に到達するフェードインの手法を取り入れて報知情報を再生してもよい。
【0072】
S180では、記憶装置11のバッファの先頭に格納されている出力情報(報知情報または要求情報)に基づく報知内容(つまり、報知情報)を出力させるための指令情報を、IOポート15(及びバスコントローラ19)を介して、該当するECUに送信する。なお、該当するECUとは、出力情報に応じて予め設定されており、本実施形態では、メータECU36、ナビECU40、AVECU42、及び、車外通信ECU44の少なくとも一つをいう。つまり、指令情報を受信したECUは、コンビネーションメータ361、タッチパネル装置402、及び、音声出力装置403の少なくとも一つを介して、報知情報を出力することになる。そして、記憶装置11のバッファの先頭に格納されている出力情報に報知フラグを設定すると共に(S181)、その出力情報の送信時からの経過時間を計測することにより、その経過時間と出力情報に付加されている設定情報が示す報知期間との差分を表す残り時間を測定する(S182)。さらに、S182にて測定している残り時間がゼロになると、記憶装置11のバッファの先頭に格納されている出力情報を消去し(S183)、S110に戻る。
【0073】
[動作例]
このように構成された車両制御システム1では、車速や燃費情報、LKA設定情報等の常時出力が必要な必須情報に対して、常時出力する必要のない情報を報知情報として、各アプリによって生成される個々の報知情報を同時に出力することなく、各アプリの重要度(及び優先度)に従って一つずつ順に運転者に報知することになる。
【0074】
例えば、車外通信ECU44のアプリAによってETCカード非挿入情報が生成され、故障診断ECU38のアプリBによって燃料警告情報が生成された場合、重要度の高い燃料警告情報を、コンビネーションメータ361のHMI領域に大きく表示するとともに、音声出力装置403を介してその情報内容を音声出力し、その後に、重要度の低いETCカード非挿入情報を同様に報知することになる。
【0075】
また、AVECU42のアプリAによってCDの音楽を流しているときに、車外通信ECU44のアプリBによって天災情報が生成された場合、CDの音楽を一時停止するとともに、メッセージ情報が報知されてから、より重要度の高い天災情報を、タッチパネル装置402に表示し、その表示終了後に、CDの音楽が一時停止したところからフェードインしながら再生される。
【0076】
さらに、ナビECU40のアプリAによって目的地等の周辺情報を報知しているときに、車外通信ECUのアプリBによって道路交通情報が生成された場合、その道路交通情報の有効期限が周辺情報の報知終了時までの残り時間よりも長い場合には、先に周辺情報を最後まで報知した後に、道路交通情報に基づく情報内容を報知することになる。
【0077】
[効果]
以上説明したように、本実施形態の車両制御システム1では、報知情報が複数存在する場合、HMI管理装置が、機能ID群21毎に予め重要度が設定された機能重要度情報に基づいて、重要度が高い順に報知情報の内容を運転者に伝えるので、運転者に重要な情報から一つずつ確実に知得させることができ、ひいては必要な情報を効果的に伝えることができる。
【0078】
また、車両制御システム1では、重要度が同一の報知情報が複数存在する場合、HMI管理装置が、ECU毎に予め優先度が設定された装置優先度情報に基づいて、優先度が高い順に報知情報の内容を運転者に伝えるので、重要度が同一のグループ内において制御対象の観点で優先すべき情報から運転者に知得させることができる。
【0079】
さらに、車両制御システム1では、報知中の情報よりも重要度が高い報知情報が存在する場合、HMI管理装置が、報知中の情報が終了するまでの残り時間と、重要度が高い報知情報の有効期限とを比較衡量して、いずれを優先させるか判定するため、むやみに報知中の情報を遮断することなく、重要な情報を確実に運転者に伝えることができる。
【0080】
[本実施形態と特許請求の範囲との対応関係]
なお、本実施形態において、バスコントローラ19(及びIOポート15)が情報受信手段、コンビネーションメータ361、タッチパネル装置402、及び、音声出力装置403が報知手段、記憶装置11が記憶手段、CPU13が制御手段に相当する。
【0081】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
【0082】
例えば、上記実施形態の車両制御システム1では、HMI管理装置3にコンビネーションメータ361、タッチパネル装置402、音声出力装置403といった報知装置が直接接続されていないが、これに限定されるものではなく、HMI管理装置3に報知装置が直接接続されていてもよい。
【0083】
また、上記実施形態の車両制御システム1では、ナビECU40、AVECU42、車外通信ECUからHMI管理装置3に、要求情報が送信されるように構成されているが、これに限定されるものではなく、報知情報自体が送信されるように構成されてもよい。
【0084】
また、上記実施形態の報知制御処理では、現在出力情報よりも重要度の高い機能IDを含む出力情報(高重要度情報)が存在する場合に、現在出力情報の残り時間と高重要度情報の有効期限とを比較して報知中の情報内容を入れ替えるか否か判定する処理(入れ替え判定処理)を行っているが、これに限定されるものではない。例えば、高重要度情報に対応する重要度が現在出力情報に対応する重要度よりも所定レベル以上離れて高い場合に、入れ替え判定処理を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1…車両制御システム、3…HMI管理装置、11…記憶装置、13…CPU、15…IOポート、17…計時用タイマー、19…バスコントローラ、20…マイコン、21…機能ID群、361…コンビネーションメータ、402…タッチパネル装置、403…音声出力装置、30…エンジンECU、32…ブレーキECU、34…走行制御ECU、36…メータECU、38…故障診断ECU、40…ナビECU、42…AVECU、44…車外通信ECU。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車載情報報知装置であって、
当該車載情報報知装置に接続され、機能単位で構成された複数の機能プログラムを実行する各電子制御装置から、該機能プログラムの実行時に出力された情報であって該機能が識別可能な機能IDを含む出力情報を受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段にて受信した出力情報に基づく情報内容を前記車両の運転者に報知するための報知手段と、
前記機能IDと予め設定された重要度とを対応づけてなる機能重要度情報が少なくとも記憶された記憶手段と、
前記情報受信手段にて受信した出力情報のうち、前記報知手段による未報知の出力情報が複数存在する場合、該出力情報に含まれている機能IDと、前記記憶手段に記憶されている機能重要度情報とに基づいて、前記重要度が高い機能IDを含む出力情報から順に前記情報内容を報知するように前記報知手段を制御する報知制御処理を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする車載情報報知装置。
【請求項2】
前記機能重要度情報は、互いに異なる複数の機能IDからなる機能ID群毎に前記重要度が設定されてなり、
前記報知制御処理は、前記報知手段による未報知の出力情報であって前記重要度が同一である機能IDを含む出力情報が複数存在する場合、前記情報受信手段にて受信した出力情報の順に前記情報内容を報知することを特徴とする請求項1に記載の車載情報報知装置。
【請求項3】
前記記憶手段には、前記機能重要度情報の他、前記電子制御装置毎に予め設定された優先度を表す装置優先度情報が記憶されており、
前記報知制御処理は、前記報知手段による前記情報内容が未報知の出力情報であって前記重要度が同一である機能IDを含む出力情報が複数存在する場合であっても、該出力情報の送信元が異なる場合には、前記記憶手段に記憶されている装置優先度情報に従って該優先度が高い出力情報の順に前記情報内容を報知することを特徴とする請求項2に記載の車載情報報知装置。
【請求項4】
前記報知制御処理は、前記報知手段による前記情報内容が報知中の出力情報である現在出力情報よりも、前記重要度が高い機能IDを含む出力情報である高重要度情報を前記情報受信手段にて受信した場合、前記現在出力情報に代えて前記高重要度情報に基づく情報内容を報知することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車載情報報知装置。
【請求項5】
前記出力情報には、前記情報受信手段による受信時から前記報知手段による報知開始時までの時間に対応する有効期間を表す期限情報が含まれており、
前記報知制御処理は、前記期限情報に基づいて、前記情報受信手段による受信時から該有効期間が経過した出力情報を破棄することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車載情報報知装置。
【請求項6】
前記出力情報には、前記報知手段による報知開始時から報知終了時までの時間に対応する報知期間を表す設定情報が含まれており、
前記報知制御処理は、前記報知手段による前記情報内容が報知中の出力情報である現在出力情報について、前記設定情報に基づき報知終了時までの残り時間を計時するとともに、該現在出力情報よりも、前記重要度が高い機能IDを含む出力情報である高重要度情報を前記情報受信手段にて受信した場合であっても、該高重要度情報に含まれている前記期限情報が表す有効期間が、該現在出力情報に対応する前記残り時間よりも長い場合には、該現在出力情報に基づく情報内容の報知終了後に該高重要度情報に基づく情報内容を報知することを特徴とする請求項5に記載の車載情報報知装置。
【請求項7】
前記報知制御処理は、前記高重要度情報に含まれている前記期限情報が表す有効期間が、前記現在出力情報に対応する前記残り時間よりも短い場合には、該現在出力情報に基づく情報内容の報知を停止して、該現在出力情報に基づく情報内容のうち該残り時間に相当する部分を前記記憶手段に記憶し、該高重要度情報に基づく情報内容の報知後に、該記憶手段による記憶内容を報知することを特徴とする請求項6に記載の車載情報報知装置。
【請求項8】
前記報知制御処理は、前記高重要度情報に基づく情報内容の報知前に、前記現在出力情報に基づく情報内容の報知を停止する旨を報知することを特徴とする請求項7に記載の車載情報報知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−190152(P2012−190152A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51767(P2011−51767)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】