説明

車載機、ナビゲーションシステム、制御方法及びプログラム

【課題】ナビ映像の図や文字が潰れることなく、且つ、ナビ映像にタッチパネル用のボタン等を表示する場合に、その操作を容易に行うことが可能なナビ映像を車載機に搭載されたディスプレイに表示することが可能なナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】 ディスプレイ(23)を搭載した車載機(200)と、ナビ映像を生成するナビゲーション装置(100)と、を有して構成し、車載機(200)は、ナビ映像を所定数の領域に分割し、該分割した領域を、所定機能を割り当てた複数のプリセットキー(25)に対応させて管理部で管理する。そして、プリセットキー(25)の操作が行われた際に、管理部を参照し、操作されたプリセットキー(25)に対応する領域のナビ映像をディスプレイ(23)に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置が接続された際、ナビゲーション装置からのナビ映像(ナビゲーション映像)を車載機に搭載されたディスプレイに表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、ディスプレイ(モニター)を搭載した車載機がある。従来は、セグメント方式のディスプレイを搭載していたが、現在では、ドットマトリクス方式の4インチ程度のディスプレイを搭載しているのが主流になっている。
【0003】
ドットマトリクス方式のディスプレイを搭載した車載機は、多言語表示、グラフィカルな操作画面表示、アニメーション表示などを行うことができる。また、車載機にリアカメラを接続し、リアカメラで撮像した映像を車載機に搭載されたディスプレイに表示することもできる。
【0004】
なお、現在は、例えば、図12に示すように、車載機200'にナビゲーション装置100'を接続し、ナビゲーション装置100'で生成したナビ映像を車載機200'に搭載されたディスプレイ201'に表示しようという試みがなされている。
【0005】
しかし、ナビゲーション装置100'で生成されるナビ映像は、従来のカーナビのような7インチ程度の解像度のディスプレイに表示することを想定している。このため、ナビゲーション装置100'で生成されたナビ映像を解像度の低い車載機200'のディスプレイ201'で縮小表示してしまうと、ナビ映像の図や文字が潰れて読めなくなってしまったり、ナビ映像にタッチパネル用のボタン等が表示される場合は、そのボタン等が小さく表示されボタン等への操作が困難になってしまったりすることがある。
【0006】
このようなことから、ナビ映像の図や文字が潰れることなく、且つ、ナビ映像にタッチパネル用のボタン等が表示される場合に、その操作を容易に行うことが可能なナビ映像を車載機200'のディスプレイ201'に表示するための開発が必要視されている。
【0007】
なお、本発明より先に出願された技術文献として、例えば、特許文献1(特開2002-39778号公報)には、ユーザが所望のランドマークを容易に地図画像上に表示/非表示できる技術について開示されている。
【0008】
上記特許文献1では、記憶手段に記憶されているランドマークの中から所望のランドマークをプリセットキーに対応させて記憶/読み出し可能とし、プリセットキーの操作により道路地図上の所定位置に表示されるランドマークの表示/非表示を切り替え可能にしている。
【0009】
また、特許文献2(特開2008-213752号公報)には、車載用オーディオ装置に携帯型ナビゲーション装置が接続された際に、携帯型ナビゲーション装置からのナビゲーション映像の表示品位を落とすことなく車載用オーディオ装置のディスプレイに表示する技術について開示されている。
【0010】
上記特許文献2では、車載用オーディオ装置に携帯型ナビゲーション装置が接続されている場合、携帯型ナビゲーション装置に対して映像データの出力を要求し、携帯型ナビゲーション装置から出力された映像データを車載用オーディオ装置の映像データ用に生成し、車載用オーディオ装置のディスプレイに表示することにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2002−39778号公報
【特許文献2】特開2008−213752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記特許文献1、2には、ディスプレイに各種の情報を表示する技術について開示されている。
【0013】
しかし、上記特許文献1、2には、ナビ映像の図や文字が潰れることなく、且つ、ナビ映像にタッチパネル用のボタン等が表示される場合に、その操作を容易に行うことが可能なナビ映像を車載機に搭載されたディスプレイに表示することについては何ら記載も示唆もされていない。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ナビ映像の図や文字が潰れることなく、且つ、ナビ映像にタッチパネル用のボタン等が表示される場合に、その操作を容易に行うことが可能なナビ映像を車載機に搭載されたディスプレイに表示することが可能な車載機、ナビゲーションシステム、制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
かかる目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有することとする。
【0016】
<車載機>
本発明にかかる車載機は、
ナビゲーション装置が接続された際に、前記ナビゲーション装置で生成したナビ映像をディスプレイに表示する車載機であって、
所定機能を割り当てた複数のプリセットキーと、
前記ナビ映像を所定数の領域に分割し、該分割した領域を前記プリセットキーに対応させて管理する管理手段と、
前記プリセットキーが操作された際に、前記管理手段を参照し、該操作に対応する領域のナビ映像を前記ディスプレイに表示する制御手段と、
を有することを特徴とする。
【0017】
<ナビゲーションシステム>
本発明にかかるナビゲーションシステムは、
ディスプレイを搭載した車載機と、ナビ映像を生成するナビゲーション装置と、を有して構成し、前記ナビゲーション装置と前記車載機とが接続された際に、前記ナビ映像を前記ディスプレイに表示するナビゲーションシステムであって、
前記車載機は、
所定機能を割り当てた複数のプリセットキーと、
前記ナビ映像を所定数の領域に分割し、該分割した領域を前記プリセットキーに対応させて管理する管理手段と、
前記プリセットキーが操作された際に、前記管理手段を参照し、該操作に対応する領域のナビ映像を前記ディスプレイに表示する制御手段と、
を有することを特徴とする。
【0018】
<制御方法>
本発明にかかる制御方法は、
ナビゲーション装置がディスプレイを搭載した車載機に接続された際に、前記ナビゲーション装置で生成したナビ映像を前記車載機で表示する制御方法であって、
前記ナビ映像を所定数の領域に分割し、該分割した領域を、所定機能を割り当てた複数のプリセットキーに対応させて管理手段で管理する管理工程と、
前記プリセットキーが操作された際に、前記管理手段を参照し、該操作に対応する領域のナビ映像を前記ディスプレイに表示する制御工程と、
を有することを特徴とする。
【0019】
<プログラム>
本発明にかかるプログラムは、
ナビゲーション装置がディスプレイを搭載した車載機に接続された際に、前記ナビゲーション装置で生成したナビ映像を前記車載機で表示させる場合に、該車載機のコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記ナビ映像を所定数の領域に分割し、該分割した領域を、所定機能を割り当てた複数のプリセットキーに対応させて管理手段で管理する管理処理と、
前記プリセットキーが操作された際に、前記管理手段を参照し、該操作に対応する領域のナビ映像を前記ディスプレイに表示する制御処理と、
を、前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ナビ映像の図や文字が潰れることなく、且つ、ナビ映像にタッチパネル用のボタン等が表示される場合に、その操作を容易に行うことが可能なナビ映像を車載機に搭載されたディスプレイに表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態のナビゲーションシステムのシステム構成例を示す図である。
【図2】本実施形態の車載機200の内部構成例を示す図である。
【図3】プリセットキー25に対応する分割領域のナビ映像をディスプレイ23に表示する例を示す図である。
【図4】プリセットキー25に対応する分割領域のナビ映像を表示メモリ21に書き込む例を示す図である。
【図5】本実施形態の車載機200の処理動作例を示す図である。
【図6】第2の実施形態の車載機200の内部構成例を示す図である。
【図7】プリセットキー25に対応する分割領域のナビ映像をディスプレイ23に表示する例を示す図である。
【図8】第2の実施形態の車載機200の処理動作例を示す図である。
【図9】第3の実施形態のナビゲーションシステムのシステム構成例及びナビゲーション装置100と車載機200との内部構成例を示す図である。
【図10】第3の実施形態のナビゲーションシステムの第1の処理動作例を示す図である。
【図11】第3の実施形態のナビゲーションシステムの第2の処理動作例を示す図である。
【図12】従来のナビゲーションシステムで発生する課題を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<本実施形態のナビゲーションシステムの概要>
まず、図1、図2を参照しながら、本実施形態のナビゲーションシステムの概要について説明する。
【0023】
本実施形態のナビゲーションシステムは、図1に示すように、ディスプレイ23を搭載した車載機200と、ナビ映像を生成するナビゲーション装置100と、を有して構成し、ナビゲーション装置100で生成したナビ映像をディスプレイ23に表示するシステムである。
【0024】
本実施形態の車載機200は、図2に示すように、例えば、予め設定された放送局の受信周波数を割り当てたプリセットキー25と、ナビ映像を所定数の領域に分割し、該分割した領域をプリセットキー25に対応させて管理する管理部26と、プリセットキー25が操作された際に、管理部26を参照し、該操作に対応する領域のナビ映像をディスプレイ23に表示する制御部(書込制御部27、表示制御部22に相当)と、を有して構成する。
【0025】
本実施形態のナビゲーションシステムは、上記構成を有することで、ナビ映像の図や文字が潰れることなく、且つ、ナビ映像にタッチパネル用のボタン等が表示される場合に、その操作を容易に行うことが可能なナビ映像を車載機200に搭載されたディスプレイ23に表示することができる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態のナビゲーションシステムについて詳細に説明する。
【0026】
<ナビゲーションシステムのシステム構成例>
まず、図1を参照しながら、本実施形態のナビゲーションシステムのシステム構成例について説明する。
【0027】
本実施形態のナビゲーションシステムは、ナビゲーション装置100と、車載機200と、を有して構成する。
【0028】
ナビゲーション装置100は、生成したナビ映像を出力可能な装置であり、車載機200に送信する。なお、本実施形態のナビゲーション装置100は、ナビ映像を生成し、外部へ出力可能であれば、特に上記の装置であることを問わないものとする。
【0029】
車載機200は、例えば、ディスプレイとオーディオ再生機能を搭載したような装置である。本実施形態の車載機200は、ナビゲーション装置100で生成されたナビ映像を車載機200に搭載されたディスプレイ23に表示する。ディスプレイ23に表示するナビ映像はプリセットキー25の操作で選択する。
【0030】
<車載機200の内部構成例>
次に、図2を参照しながら、本実施形態の車載機200の構成例について説明する。
【0031】
本実施形態の車載機200は、A/D変換部20と、表示メモリ21と、表示制御部22と、ディスプレイ23と、同期信号抽出部24と、プリセットキー25と、管理部26と、書込制御部27と、を有して構成する。
【0032】
A/D変換部20は、ナビゲーション装置100から送信されたナビ映像に含まれるアナログRGB信号をデジタルRGB信号に変換する。
【0033】
表示メモリ21は、A/D変換部20で変換されたナビ映像を一時的に格納する。
【0034】
表示制御部22は、表示メモリ21に格納されたナビ映像を読み出し、その読み出したナビ映像をディスプレイ23に表示する。
【0035】
ディスプレイ23は、ナビ映像を含め各種情報を表示するものであり、例えば4インチ程度の大きさで構成される。
【0036】
同期信号抽出部24は、ナビ映像に含まれるアナログRGB信号の同期信号(垂直同期信号、水平同期信号)を抽出する。
【0037】
プリセットキー25は、ユーザの所望する放送局の受信周波数を選択し、該選択した放送局の内容を視聴するためのものである。例えば、予め受信周波数をプリセットしておき、該プリセットした受信周波数に対応させたプリセットキー25を選択することで、該当する放送局の内容を視聴する。本実施形態の車載機200は、このプリセットキー25をディスプレイ23に表示させるナビ映像の領域を選択するためのキーとしても兼用し、プリセットキー25の操作により、ディスプレイ23に表示させるナビ映像の領域を選択する。
【0038】
管理部26は、プリセットキー25と、ディスプレイ23に表示させるナビ映像の領域と、ゲート信号生成情報と、を対応付けて管理する。ゲート信号生成情報は、プリセットキー25に対応したナビ映像の領域の映像データを表示メモリ21に書き込む際に使用するゲート信号(垂直ゲート信号、水平ゲート信号)を生成するための情報である。具体的には、ゲート信号生成情報は、ゲート信号の立ち上がり開始時間と、立ち上がり終了時間と、を特定するための情報(ゲート信号のHigh開始時間及びそのHighの期間を特定するための情報)である。これにより、書込制御部27は、プリセットキー25の操作が行われた場合に、管理部26を参照し、操作されたプリセットキー25に対応付けられたゲート信号生成情報を取得する。そして、書込制御部27は、同期信号抽出部24で抽出した同期信号(垂直同期信号、水平同期信号)と、管理部26から取得したゲート信号生成情報と、を基に、表示メモリ21に書き込むナビ映像の領域を特定するためのゲート信号(垂直ゲート信号、水平ゲート信号)を生成する。
【0039】
例えば、図3(a)に示すように、ナビゲーション装置100で生成したナビ映像全体を5つの領域(領域1〜領域5)に分割し、その分割したナビ映像の領域(例えば、領域1〜領域5)と、プリセットキー25(図中のプリセットキー25の1〜5)と、ゲート信号生成情報と、を対応させて管理部26で管理する。そして、ユーザがプリセットキー25を操作した場合に、書込制御部27は、管理部26を参照し、操作されたプリセットキー25に対応するゲート信号生成情報を取得し、その取得したゲート信号生成情報を基に、そのプリセットキー25に対応するゲート信号(垂直ゲート信号、水平ゲート信号)を生成する。書込制御部27は、生成したゲート信号を基に、そのプリセットキー25に対応する分割領域のナビ映像を表示メモリ21に書き込み、表示制御部22は、表示メモリ21に書き込まれた分割領域のナビ映像をディスプレイ23に表示するように制御する。これにより、プリセットキー25を操作するだけで対応する分割領域のナビ映像をディスプレイ23に表示することができる。図3(b)は、プリセットキー25の3を操作した場合であり、それに対応する領域3のナビ映像をディスプレイ23に表示した場合を示している。なお、ナビ映像をどのような領域で分割するかは上記の通り固定でも良く、また、ユーザが任意に設定変更可能なようにしても良い。
【0040】
書込制御部27は、上記生成したゲート信号(垂直ゲート信号、水平ゲート信号)と、同期信号抽出部24で抽出した同期信号(垂直同期信号、水平同期信号)と、を基に、表示メモリ21に書き込むナビ映像の領域を特定し、その特定した領域のナビ映像を表示メモリ21に書き込む。
【0041】
例えば、書込制御部27で生成したゲート信号(垂直ゲート信号、水平ゲート信号)と、同期信号抽出部24で抽出した同期信号(垂直同期信号、水平同期信号)と、が図4に示す状態と仮定する。この場合、書込制御部27は、垂直ゲート信号がHighであり、且つ、水平ゲート信号がHighの期間のRGB信号のみを表示メモリ21に書き込むように制御する。これにより、操作されたプリセットキー25に対応する領域のナビ映像のみを表示メモリ21に書き込むことができる。図4では、領域3のRGB信号のみを表示メモリ21に書き込む例を示し
ている。
【0042】
<車載機200の処理動作例>
次に、図5を参照しながら、本実施形態の車載機200の処理動作例について説明する。
【0043】
まず、プリセットキー25の操作が行われた場合は(ステップS1/Yes)、書込制御部27は、管理部26を参照し、操作されたプリセットキー25に対応付けられたゲート信号生成情報を管理部26から取得する(ステップS2)。
【0044】
次に、書込制御部27は、同期信号抽出部24で抽出された同期信号(垂直同期信号、水平同期信号)と、管理部26から取得したゲート信号生成情報と、を基に、操作されたプリセットキー25に対応するゲート信号(垂直ゲート信号、水平ゲート信号)を生成する(ステップS3)。
【0045】
次に、書込制御部27は、上記生成したゲート信号(垂直ゲート信号、水平ゲート信号)を基に、操作されたプリセットキー25に対応する分割領域のナビ映像のみを表示メモリ21に書き込む(ステップS4)。具体的には、図4に示したように、垂直ゲート信号がHighであり、且つ、水平ゲート信号がHighの期間のナビ映像のみを表示メモリ21に書き込むように制御する。表示制御部22は、表示メモリ21に書き込まれた分割領域のナビ映像をディスプレイ23に表示するように制御する(ステップS5)。
【0046】
これにより、本実施形態の車載機200は、プリセットキー25を操作するだけで対応する分割領域のナビ映像をディスプレイ23に表示することができる。
【0047】
また、本実施形態の車載機200は、操作されたプリセットキー25に対応する分割領域のナビ映像のみを表示メモリ21に書き込むため、ナビ映像全体を表示メモリ21に書き込むよりもそのデータ量を大幅に少なくすることができる。
【0048】
また、本実施形態の車載機200は、分割領域のナビ映像をそのままの大きさでディスプレイ23に表示するため、ナビ映像の図や文字が潰れることなくディスプレイ23に表示することができる。また、ナビ映像にタッチパネル用のボタン等も表示する際は、そのボタン等も縮小されず表示させることができるため、タッチパネル用のボタン操作も容易に行うことができる。
【0049】
<本実施形態のナビゲーションシステムの作用・効果>
このように、本実施形態のナビゲーションシステムは、プリセットキー25が操作された際に、管理部26を参照し、ナビゲーション装置100で生成されたナビ映像全体の中から、操作されたプリセットキー25に対応する分割領域のナビ映像のみを表示メモリ21に書き込み、その表示メモリ21に書き込んだナビ映像をディスプレイ23に表示するようにしたものである。これにより、ナビ映像の図や文字が潰れることなく、且つ、ナビ映像にタッチパネル用のボタン等を表示する場合に、その操作をも容易に行うことが可能なナビ映像をディスプレイ23に表示させることができる。
【0050】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
【0051】
第1の実施形態の車載機200は、ナビゲーション装置100で生成したナビ映像全体の中から、操作されたプリセットキー25に対応する分割領域のナビ映像のみを表示メモリ21に書き込み、その表示メモリ21に書き込んだ分割領域のナビ映像をディスプレイ23に表示することにした。これにより、表示メモリ21で使用するメモリ量を大幅に少なくすることを可
能とした。
【0052】
第2の実施形態では、ナビゲーション装置100で生成したナビ映像全体を表示メモリ21に書き込み、その表示メモリ21に書き込んだナビ映像全体の中から、操作されたプリセットキー25に対応する分割領域のナビ映像のみを読み出してディスプレイ23に表示する。これにより、第1の実施形態と同様に、操作されたプリセットキー25に対応する分割領域のナビ映像をディスプレイ23に表示することができる。また、本実施形態の車載機200は、ナビゲーション装置100で生成したナビ映像全体を表示メモリ21に書き込んでいるため、ナビ映像全体を縮小してディスプレイ23に表示することもできる。以下、図6〜図8を参照しながら、第2の実施形態について詳細に説明する。
【0053】
<車載機200の構成例>
まず、図6を参照しながら、本実施形態の車載機200の構成例について説明する。
【0054】
本実施形態の車載機200は、A/D変換部20と、表示メモリ21と、表示制御部22と、ディスプレイ23と、プリセットキー25と、管理部26と、を有して構成する。
【0055】
本実施形態の車載機200は、ナビゲーション装置100で生成したナビ映像全体をA/D変換部20を介して表示メモリ21に書き込む。そして、表示制御部22は、プリセットキー25の操作が行われた場合に、管理部26を参照し、操作されたプリセットキー25に対応付けられた分割領域を特定し、その特定した分割領域のナビ映像のみを表示メモリ21から読み出し、その読み出した分割領域のナビ映像をディスプレイ23に表示する。これにより、第1の実施形態と同様に、操作されたプリセットキー25に対応する分割領域のナビ映像をディスプレイ23に表示することができる。
【0056】
例えば、図7(a)に示すように、ナビゲーション装置100で生成したナビ映像全体を5つの領域(領域1〜領域5)に分割し、その分割したナビ映像の領域(例えば、領域1〜領域5)と、プリセットキー25(図中のプリセットキー25の1〜5)と、を対応させて管理部26で管理する。更に、ナビ映像全体の領域6と、プリセットキー25の6と、を対応付けて管理部26で管理する。そして、図7(b)に示すように、例えばユーザがプリセットキー25の6を操作した場合に、表示制御部22は、管理部26を参照し、操作されたプリセットキー25の6に対応する領域6のナビ映像(ナビ映像全体)をディスプレイ23に縮小表示する。これにより、ナビゲーション装置100で生成したナビ映像全体を縮小してディスプレイ23に表示することができる。その後、図7(c)に示すように、ユーザがプリセットキー25の3を操作した場合は、表示制御部22は、管理部26を参照し、操作されたプリセットキー25の3に対応する分割領域3のナビ映像のみをディスプレイ23にズームアップ表示する。また、図7(d)に示すように、プリセットキー25の4を操作した場合は、操作されたプリセットキー25の4に対応する分割領域4のナビ映像のみをディスプレイ23にスクロール表示する。これにより、操作されたプリセットキー25に対応する分割領域のナビ映像をディスプレイ23に表示することができる。
【0057】
<車載機200の処理動作例>
次に、図8を参照しながら、本実施形態の車載機200の処理動作例について説明する。なお、以下の処理動作は、ナビゲーション装置100で生成したナビ映像全体を表示メモリ21に予め書き込んでいることを前提として説明する。
【0058】
まず、プリセットキー25の操作が行われた場合は(ステップS11/Yes)、表示制御部22は、管理部26を参照し、操作されたプリセットキー25に対応付けられたナビ映像の分割領域を特定する(ステップS12)。
【0059】
次に、表示制御部22は、上記特定されたナビ映像の分割領域を基に、操作されたプリセットキー25に対応する分割領域のナビ映像のみを表示メモリ21から読み出し、その読み出した分割領域のナビ映像をディスプレイ23に表示するように制御する(ステップS13)。
【0060】
これにより、本実施形態の車載機200は、第1の実施形態と同様に、プリセットキー25を操作するだけで対応する分割領域のナビ映像をディスプレイ23に表示することができる。
【0061】
<本実施形態のナビゲーションシステムの作用・効果>
このように、本実施形態のナビゲーションシステムは、ナビゲーション装置100で生成したナビ映像全体を表示メモリ21に書き込み、その表示メモリ21に書き込んだナビ映像全体の中から、操作されたプリセットキー25に対応する分割領域のナビ映像のみを読み出してディスプレイ23に表示するようにしている。これにより、第1の実施形態と同様に、操作されたプリセットキー25に対応する分割領域のナビ映像をディスプレイ23に表示することができる。また、本実施形態の車載機200は、ナビゲーション装置100で生成したナビ映像全体を表示メモリ21に書き込んでいるため、ナビ映像全体を縮小してディスプレイ23に表示することもでき、分割領域のナビ映像との対応関係を知ることができる。
【0062】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
【0063】
第3の実施形態は、図9に示すように、操作されたプリセットキー203に対応する分割領域のナビ映像のみをナビゲーション装置100から取得し、その取得した分割領域のナビ映像をディスプレイ204に表示する。これにより、第1、第2の実施形態と同様に、操作されたプリセットキー203に対応する分割領域のナビ映像のみをディスプレイ204に表示することができる。また、ナビゲーション装置100は、操作されたプリセットキー203に対応する分割領域のナビ映像のみを車載機200に送信するため、車載機200に送信するナビ映像のデータ容量を少なくすることができる。以下、図9〜図11を参照しながら、第3の実施形態について説明する。
【0064】
<ナビゲーションシステムのシステム構成例>
まず、図9を参照しながら、本実施形態のナビゲーションシステムのシステム構成例について説明する。
【0065】
本実施形態のナビゲーションシステムは、ナビゲーション装置100と、車載機200と、を有して構成する。
【0066】
ナビゲーション装置100は、制御部101と、管理部102と、ナビ映像生成部103と、を有して構成する。制御部101は、ナビゲーション装置100を制御する。管理部102は、車載機200に送信するナビ映像を管理する。具体的には、ナビ映像の要求を車載機200から受け付けた場合に、ナビ映像生成部103で生成したナビ映像全体の中から要求されたナビ映像を特定するための情報を管理する。ナビ映像生成部103は、ナビ映像を生成する。
【0067】
車載機200は、制御部201と、管理部202と、プリセットキー203と、ディスプレイ204と、を有して構成する。制御部201は、車載機200を制御する。管理部202は、ディスプレイ204に表示するナビ映像を管理する。具体的には、プリセットキー203の操作が行われた際に、そのプリセットキー203に対応するナビ映像の領域を特定するための情報を管理する。プリセットキー203は、ディスプレイ204に表示するナビ映像の領域を選択する。ディスプレイ204は、ナビ映像を含め各種情報を表示する。
【0068】
<ナビゲーションシステムの第1の処理動作例>
次に、図10を参照しながら、本実施形態のナビゲーションシステムの処理動作例について説明する。
【0069】
まず、車載機200は、プリセットキー203の操作が行われた際に(ステップA1)、管理部202を参照し、操作されたプリセットキー203に対応するナビ映像の分割領域を特定する(ステップA2)。
【0070】
次に、車載機200は、上記特定した分割領域のナビ映像をナビゲーション装置100に要求する(ステップA3)。
【0071】
ナビゲーション装置100は、分割領域のナビ映像の要求を受け付けた場合に、ナビ映像生成部103で生成したナビ映像全体の中から要求された分割領域のナビ映像を特定する(ステップA4)。そして、ナビゲーション装置100は、その特定した分割領域のナビ映像を車載機200に送信する(ステップA5)。
【0072】
車載機200は、ナビゲーション装置100から分割領域のナビ映像を受信した場合に、その受信した分割領域のナビ映像をディスプレイ204に表示する(ステップA6)。
【0073】
これにより、車載機200は、操作されたプリセットキー203に対応する分割領域のナビ映像のみをナビゲーション装置100から取得し、その取得した分割領域のナビ映像をディスプレイ204に表示することができる。
【0074】
<ナビゲーションシステムの第2の処理動作例>
なお、上述した図10の処理動作では、車載機200側で操作されたプリセットキー203に対応する分割領域のナビ映像を特定することにしたが(ステップA2)、図11に示す処理動作のように、ナビゲーション装置100側で操作されたプリセットキー203に対応する分割領域のナビ映像を特定することも可能である(ステップB3)。この場合は、ナビゲーション装置100は、ナビ映像生成部103で生成したナビ映像を分割したナビ映像の領域と、プリセットキー203の操作情報と、を対応させて管理部102で管理する。そして、ナビゲーション装置100は、プリセットキー203の操作情報を車載機200側から受け付けた場合は、その操作情報に対応する分割領域のナビ映像を特定し(ステップB3)、その特定した分割領域のナビ映像を車載機200に送信することで可能になる(ステップB4)。
【0075】
<本実施形態のナビゲーションシステムの作用・効果>
このように、本実施形態のナビゲーションシステムは、車載機200は、操作されたプリセットキー203に対応する分割領域のナビ映像のみをナビゲーション装置100から取得し、その取得した分割領域のナビ映像をディスプレイ204に表示する。これにより、第1、第2の実施形態と同様に、操作されたプリセットキー203に対応する分割領域のナビ映像のみをディスプレイ204に表示することができる。
【0076】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0077】
例えば、上述した本実施形態のナビゲーション装置100、車載機200における制御動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成を用いて実行することも可能である。
【0078】
なお、ソフトウェアを用いて処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプロ
グラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させることが可能である。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることも可能である。
【0079】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、リムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことも可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。なお、リムーバブル記録媒体としては、フロッピー(登録商標)ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどが挙げられる。
【0080】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールすることになる。また、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送することになる。また、ネットワークを介して、コンピュータに有線で転送することになる。
【0081】
また、本実施形態におけるナビゲーションシステムは、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。
【符号の説明】
【0082】
100 ナビゲーション装置
200 車載機
20 A/D変換部
21 表示メモリ
22 表示制御部
23 ディスプレイ
24 同期信号抽出部
25 プリセットキー
26 管理部
27 書込制御部
101 制御部
102 管理部
103 ナビ映像生成部
201 制御部
202 管理部
203 プリセットキー
204 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション装置が接続された際に、前記ナビゲーション装置で生成したナビ映像をディスプレイに表示する車載機であって、
所定機能を割り当てた複数のプリセットキーと、
前記ナビ映像を所定数の領域に分割し、該分割した領域を前記プリセットキーに対応させて管理する管理手段と、
前記プリセットキーが操作された際に、前記管理手段を参照し、該操作に対応する領域のナビ映像を前記ディスプレイに表示する制御手段と、
を有することを特徴とする車載機。
【請求項2】
前記制御手段は、前記プリセットキーが操作された際に、前記管理手段を参照し、前記映像ナビの中から操作されたプリセットキーに対応する領域のナビ映像のみを記憶手段に書き込み、該記憶手段に書き込んだナビ映像を読み出して前記ディスプレイに表示することを特徴とする請求項1記載の車載機。
【請求項3】
前記制御手段は、前記プリセットキーが操作された際に、前記管理手段を参照し、操作されたプリセットキーに対応する領域を特定するゲート信号を生成し、該生成したゲート信号を基に、前記記憶手段に書き込むナビ映像を制御することを特徴とする請求項2記載の車載機。
【請求項4】
前記ナビ映像を記憶する記憶手段を有し、
前記制御手段は、前記プリセットキーが操作された際に、前記管理手段を参照し、操作されたプリセットキーに対応する領域のナビ映像のみを前記記憶手段から読み出して前記ディスプレイに表示することを特徴とする請求項1記載の車載機。
【請求項5】
前記制御手段は、前記プリセットキーが操作された際に、前記管理手段を参照し、操作されたプリセットキーに対応する領域のナビ映像のみを前記ナビゲーション装置から取得し、該取得したナビ映像を前記ディスプレイに表示することを特徴とする請求項1記載の車載機。
【請求項6】
ディスプレイを搭載した車載機と、ナビ映像を生成するナビゲーション装置と、を有して構成し、前記ナビゲーション装置と前記車載機とが接続された際に、前記ナビ映像を前記ディスプレイに表示するナビゲーションシステムであって、
前記車載機は、
所定機能を割り当てた複数のプリセットキーと、
前記ナビ映像を所定数の領域に分割し、該分割した領域を前記プリセットキーに対応させて管理する管理手段と、
前記プリセットキーが操作された際に、前記管理手段を参照し、該操作に対応する領域のナビ映像を前記ディスプレイに表示する制御手段と、
を有することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項7】
ナビゲーション装置がディスプレイを搭載した車載機に接続された際に、前記ナビゲーション装置で生成したナビ映像を前記車載機で表示する制御方法であって、
前記ナビ映像を所定数の領域に分割し、該分割した領域を、所定機能を割り当てた複数のプリセットキーに対応させて管理手段で管理する管理工程と、
前記プリセットキーが操作された際に、前記管理手段を参照し、該操作に対応する領域のナビ映像を前記ディスプレイに表示する制御工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項8】
ナビゲーション装置がディスプレイを搭載した車載機に接続された際に、前記ナビゲーション装置で生成したナビ映像を前記車載機で表示させる場合に、該車載機のコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記ナビ映像を所定数の領域に分割し、該分割した領域を、所定機能を割り当てた複数のプリセットキーに対応させて管理手段で管理する管理処理と、
前記プリセットキーが操作された際に、前記管理手段を参照し、該操作に対応する領域のナビ映像を前記ディスプレイに表示する制御処理と、
を、前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−242209(P2012−242209A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111353(P2011−111353)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】