説明

車載機および携帯電話機

【目的】ナビゲーション装置を搭載していない車両であっても携帯電話機を用いて簡易な経路案内表示ができるようにする「車載機および携帯電話機」を提供すること。
【構成】ナビゲーションユニット11及び通信ユニット12を備えた車載機は、目的地までの経路を探索し、該探索された目的地までの経路情報を用いて、経路主要地点における進行方向、主要地点間の距離、経由地が存在する場合には該経由地及び目的地への到達予想時刻を含むメール本文を作成し、該メール本文を携帯電話機18を用いて他車両の携帯電話機にメール送信し、他車両の携帯電話機は受信メール本文を用いて簡易経路案内表示を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車載機および携帯電話機に係わり、特に目的地までの経路を案内するためのメール本文を作成してインターネットメールで携帯電話機に送信する車載機及び該メール本文に基づいて誘導経路案内する携帯電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
車載ナビゲーション装置は目的地や経由地を入力すれば、該経由地を経由して該目的地に到達する経路を探索し、この探索した経路を地図上に表示すると共に、交差点に近づけば交差点拡大図を表示して進行方向を矢印で、かつ音声で知らせてくれる。かかる車載ナビゲーション装置は高価であり、全ての車両が搭載しているわけではない。
このため、複数の車両でツーリングする場合、車載ナビゲーション装置を搭載する車両が先頭になって、他の車両が後続する形態を取る。しかし、先行車両を見失うのが普通で、かかる場合には携帯電話機で移動経路や現在位置、到着予定時刻などを確認しあったり、通知する事態が頻繁に生じ、スムーズなツーリング走行ができない。また、訪問先などに到着予定時刻を通知する場合、携帯電話機で通知するが、到着予定時刻が変わればその都度、携帯電話機で通知する必要が
ある。
【0003】
しかし、携帯電話機を用いて音声により移動経路や現在位置、到着予定時刻を通知する方法では、確実性に欠け、しかも一々電話する必要があり、煩わしい問題がある。特に、移動車両に同乗者がいない場合、ドライバが自ら携帯電話機を用いて連絡する必要がある。かかる場合、ドライバは運転しながら携帯電話機を操作することになり、危険である。現状では、走行中電話は法的に制限されているため、一々停車して電話することになるが煩わしい限りである。
このため、従来技術として先行車両に搭載された車載ナビゲーション装置が目的地までの経路探索を行い、誘導経路案内地点、例えば交差点に接近する毎に該交差点での進行方向を通信機能、例えばメール機能により後続車両の携帯電話機に通知してその表示画面に表示して指示する方法がある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−317953号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来技術は、交差点などの誘導経路案内地点に接近する毎に該交差点での進行方向を後続車両の携帯電話機に通知してその表示画面に表示するものであり、先行車両から相当距離遅れてしまって先行車両との間に別の交差点が存在する場合には意味がなくかえって混乱を招く問題がある。
また、従来技術は先行車両が交差点などの誘導経路案内地点に接近する毎に後続車両の携帯電話機と接続して通信する必要があり、通信費が高くなる問題がある。
以上から本発明の目的は、ナビゲーション装置を搭載していない車両であっても携帯電話機を用いて簡易な経路案内表示ができるようにすることである。
本発明の別の目的は原則的に1回のインターネットメール通信で携帯電話機に簡易な経路案内表示ができるようにすることである。
本発明の別の目的は経由地、目的地への予想到達時刻を通知できるようにすることである。
本発明の別の目的は、経路、目的地、経由地のどれかを変更した時、あるいは、目的地、経由地への到達時間が予想到達時刻と比べて設定時間以上の時間差が存在する時、ナビゲーション機能を備えた車載機は経路の再探索を行い、外部の携帯電話機に該再探索結果に基づいた経路案内表示を行なえるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための第1の発明は、ナビゲーション制御機能及びインターネット通信機能を備えた車載機であり、目的地までの経路を探索する手段、探索された目的地までの経路情報を用いて経路主要地点における進行方向、主要地点間の距離、経由地が存在する場合には該経由地及び目的地への到達予想時刻を含むメール本文を作成する手段、前記メール本文をメール送信するか指示すると共に、送信する場合には送信先メールアドレスを入力する手段、目的地が設定された時および前記メール本文を送信先メールアドレスに送信する条件が満たされた時、前記メール本文を、携帯電話機を用いて前記送信先メールアドレスにメール送信する手段、を備え、前記経路探索手段は目的地が設定された時及び前記条件が満たされたとき現在位置から目的地までの経路を探索し、前記メール作成手段は探索された目的地までの経路情報を用いて前記メール本文を作成する。この場合、前記主要地点は、進行方向が直進でない交差点である。又、前記経路探索手段は、経路、目的地、経由地のどれかを変更した時、あるいは、目的地、経由地への到達時間が予想到達時刻と比べて設定時間以上の時間差が存在する時、前記条件が満たされたものと判定する。
【0006】
上記課題を解決するための第2の発明は、インターネットメール通信機能を備えた携帯電話機であり、携帯電話機の現在位置を取得する位置検出手段、経路案内表示を行なう旨を設定する手段、インターネットメールで車載機から送信された経路情報を保存する手段、携帯電話機の現在位置と前記経路情報とを用いて経路案内画像を作成する手段、該作成された経路案内画像を表示する手段、を備えている。
前記経路案内画像作成手段は、現在位置から次に到達する主要地点の周辺地図あるいは概略拡大図、及び進行方向を指示する画像を作成する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ナビゲーション機能を備えた車載機が目的地までの経路を探索し、該探索された目的地までの経路情報を用いて経路主要地点における進行方向、主要地点間の距離、経由地が存在する場合には該経由地及び目的地への到達予想時刻を含むメール本文を作成して携帯電話機にインターネットメール送信し、携帯電話機は現在位置と前記メール本文を用いて経路案内画像を作成して表示するように構成したから、ナビゲーション装置を搭載していない車両であっても携帯電話機を用いて原則的に1回のインターネットメール通信で簡易な経路案内表示をすることができる。また、他車両又は訪問先の携帯電話機に対して経由地、目的地への予想到達時刻を通知することができる。
又、本発明によれば、経路、目的地、経由地のどれかを変更した時、あるいは、目的地、経由地への到達時間が予想到達時刻と比べて設定時間以上の時間差が存在する時、ナビゲーション機能を備えた車載機は経路の再探索を行い、他車両の携帯電話機に通知するようにしたから、携帯電話機は再探索結果に基づいた経路案内表示を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明はナビゲーション制御機能及びインターネット通信機能を備えた車載機において、目的地までの経路を探索し、該探索した経路に沿って案内するための簡易経路案内情報を特定するメール本文を作成してインターネットメールで携帯電話機に送信し、携帯電話機で該メール本文に基づいて簡易の経路誘導案内を行なう。
このために、車載機は、目的地までの経路を探索する手段、探索された目的地までの経路情報を用いて経路主要地点(進行方向が直進でない交差点など)における進行方向、主要地点間の距離、経由地が存在する場合には該経由地及び目的地への到達予想時刻を含むメール本文を作成する手段、前記メール本文をメール送信するか指示すると共に、送信する場合には送信先メールアドレスを入力する手段、目的地が設定された時およびメール本文を送信先メールアドレスに送信する条件が満たされた時、前記メール本文を、携帯電話機を用いて前記送信先メールアドレスにメール送信する手段を備え、前記経路探索手段は目的地が設定された時及び前記条件が満たされたとき現在位置から目的地までの経路を探索し、前記メール作成手段は探索された目的地までの経路情報を用いて前記メール本文を作成する。また、前記経路探索手段は、経路、目的地、経由地のどれかを変更した時、あるいは、目的地、経由地への到達時間が予想到達時刻と比べて設定時間以上の時間差が存在する時、前記条件が満たされたものと判定する。
また、携帯電話機は、インターネットメール通信機能を備え、携帯電話機の現在位置を取得する位置検出手段、経路案内表示を行なう旨を設定する手段、インターネットメールで車載機から送信された経路情報をダウンロードして保存する手段、携帯電話機の現在位置と前記経路情報とを用いて経路案内画像を作成する手段、該作成された経路案内画像を表示する手段を有している。
【実施例1】
【0009】
(A)車載機の構成
図1は本発明の車載機の説明図である。車載機には車載ナビゲーション制御を実行するナビゲーションユニット11、ハンズフリー電話制御やインターネット通信制御を行なう通信ユニット12、図示しないオーディオユニット等を備え、これらにユーザインターフェース13を介して操作キー部14や表示装置15、図示しないリモコンなどが接続されている。表示装置15はタッチパネルTPNLの構成を備えており、スクリーンSCRNに地図や各種メニューを表示し、タッチしてデータやコマンドを入力するようになっている。又、スクリーンの側部及び下部にハードキーHDKYが設けられている。
【0010】
ナビゲーションユニット11と通信ユニット11は各種コマンドや簡易経路情報などを相互に授受するように接続されており、また、通信ユニット12には外部の携帯電話機やインターネット等と接続するための携帯電話通信部16が接続されている。車載機の載置部17には携帯電話機18が載置されるようになっており、検出部19は携帯電話機18が載置されたことを検出して通信ユニット12に入力する。通信ユニット12は、発呼制御処理、着信制御処理、インターネット通信処理を実行する。
携帯電話通信部16は、送受信部を備え、携帯電話機18や図示しない移動電話網、一般公衆網等を介して相手電話機と音声で電話したり、インターネットと接続してインターネット通信、メール送受信ができるようになっている。また、携帯電話通信部16はハンズフリー制御時、相手音声信号を、音声出力回路20を介してスピーカ22より出力し、マイク23から入力した自分の音声信号を音声入力回路21から取り込むようになっている。
【0011】
(B)ナビゲーションユニットと通信ユニットの構成
図2はナビゲーションユニット11と通信ユニット12の構成図である。ナビゲーションユニット11は、コンピュータ構成になっており、車載ナビゲーションの各種処理、例えば、現在位置周辺の地図読み出し処理、経路探索/経路誘導処理、簡易経路情報作成処理等を実行するプロセッサ(CPU)11a、地図データを記憶する地図記録媒体11b、該地図記録媒体よりプロセッサが指示した地域の地図データを読み出す地図読み出し部11c、該読み出された地図データを保存する地図メモリ11d、プロセッサが車載ナビゲーションの各種処理を実行するためのプログラムを保存するプログラムメモリ11e、探索経路や簡易経路情報などの処理結果を保存するワークメモリ11f、車両の現在位置を検出するGPS等の車両位置検出部11g、地図、メニュー等の画像を発生してユーザインターフェース13を介して表示装置15に送信する画像発生部11h、通信ユニット12と通信するためのインターフェース(通信ユニットINF)11iを有している。尚、車両位置検出は、GPS情報に基地局情報を含めて検出することもできる。
【0012】
通信ユニット12は、ハンズフリー電話制御及びインターネット通信制御を行なうプロセッサ(CPU)12a、プロセッサが上記制御を行なうための各種プログラムを保存するプログラムメモリ12b、設定データ(車両番号、運転者名、後述する宛先メールアドレスや再送条件など)や処理結果を保存するデータメモリ12c、操作用の各種メニュー画像、メール本文等を発生する画像発生部12d、携帯電話通信部16(図1参照)との間のデータ通信を司る通信インターフェース12e、ナビゲーションユニット11と通信するためのインターフェース(NAVIインターフェース)12f、載置部17に携帯電話機18が載置されたことを検出する検出部19からの信号を受信する受信部12gを有している。
【0013】
(C)車載機の制御
本発明では、ナビゲーション制御機能及びインターネット通信機能を備えた車載機が、目的地までの経路を探索し、該探索した経路に沿って案内するための簡易経路案内情報を特定するメール本文を作成してインターネットメールで外部(他車、目的地)の携帯電話機に送信するものである。また、その簡易経路案内情報を取得した外部の携帯電話機は、受信したメール本文に基づいて簡易の経路誘導案内を行なったり、到着予定時刻を表示する。
図3は本発明の車載機の制御フローである。なお、必ずしも経由地を入力する必要はない。
目的地や経由地が設定されて経路探索の実行が指示されると(ステップ101)、ナビゲーションユニット11は、現在地から経由地点を経由して目的地に至る経路を探索する(ステップ102)。
【0014】
ついで、ナビゲーションユニット11は探索された経路情報を用いて以下の1〜5に示す簡易経路案内情報を作成する(ステップ103)。ただし、現在時刻を00:00として各到着予定時刻を算出し、後で実際にメール本文を作成した時刻を各到着予定時刻に加えて修正する。
1.目的地の情報(地名、経緯度、到着予定時刻)
2.現在地の情報(地名、経緯度、現在時刻)
3.経由地の情報(地名、経緯度、到着予定時刻)
4.経路情報
(ア)現在の道路名(国道〇〇号など)
(イ)次に右左折する交差点の名称と経緯度、交差点までの距離、および右左折 方向
(ウ)経由地に到達するまで(イ)を繰り返す。
(エ)経由地到着(経由地名、到着予定時刻)
(オ)次に右左折する交差点の名称と経緯度、交差点までの距離、および右左折 方向
(カ)目的地に到達するまで(オ)を繰り返す。
(キ)目的地到着(目的地名、到着予定時刻)
5.シグネチャ(発信者が特定できる記述。例えば、名前、車両番号、愛称等)。
【0015】
ついで、通信ユニット12は、簡易経路案内情報を外部(他車両、目的地)の携帯電話機にメール送信する指示(経路情報発信指示)がなされたか監視する(ステップ104)。なお、経路情報発信を指示するには、例えば、タッチパネルTPNLにメニューを表示し、表示されたメニューから「経路情報発信オン」項目を選択することにより行なう。
経路情報発信が指示されなければ(「経路情報発信オフ」項目の選択)、ナビゲーションユニット11にその旨を通知する。これにより、ナビゲーションユニット11は通常の経路誘導制御を実行する(ステップ105)。
【0016】
一方、経路情報発信が指示されれば、通信ユニット12はスクリーンにメッセージで送信先メールアドレスの入力するよう指示し、1以上のメールアドレスを入力させる(ステップ106)。ついで、簡易経路案内情報の再送条件(送信タイミング)を入力させる。すなわち、メニューで以下の送信タイミングの条件
(ア)目的地を変更したとき(設定を解除したときを含む
(イ)経由地を変更したとき(設定を解除したときを含む
(ウ)経路を変更したとき
(エ)到着予定時刻が指定時間以上変化したとき
を表示し、(ア)〜(エ)のどの条件が成立した時に簡易経路案内情報を再送するか設定させ、該設定条件をナビゲーションユニット11に通知する(ステップ107)。なお、初期時には(ア)〜(エ)のどの条件が成立しても簡易経路案内情報を送信するように設定されている。(ウ)の経路を変更したときとは、探索経路から外れて走行した時である。(エ)が成立したかは、実際の到着時刻と到着予定時刻とを比較し、あらかじめ設定した時間以上の差があれば新たな簡易経路案内情報を基にメール本文を作成して自動送信する。
【0017】
簡易経路案内情報の再送条件(送信タイミング)が設定されると、通信ユニット12は、ナビゲーションユニット11に簡易経路案内情報を要求し(ステップ108)、ナビゲーションユニット11から受信した該簡易経路案内情報及び設定されている情報(車両番号、運転者名)を用いて図4に示すメール本文を作成する(ステップ109)。
メール本文の作成が完了すれば、通信ユニット12はメール本文をステップ106で設定されているメールアドレスに携帯電話機18を用いてインターネットメールの発信を行なう(ステップ110)。
以後、ナビゲーションユニット11は探索した経路情報に従って経路誘導を継続し(ステップ111)、ステップ107で設定した条件が1つでも成立したか監視し(ステップ112)、条件が成立してなければ、目的地に到達したか監視し(ステップ113)、到達していなければステップ111のナビゲーション制御を継続する。
【0018】
一方、ステップ112において、設定した条件が一つでも成立すれば、ナビゲーションユニット11は現在位置から経由地点を経由して目的地に至る経路を探索し(ステップ114)、該探索経路情報に基づいてステップ103で求めたと同様の簡易経路案内情報を作成し、該情報と条件が成立した旨を示すメッセージを通信ユニット12へ送信する(ステップ115)。
通信ユニット12は上記メッセージと簡易経路案内情報を受信すれば、ステップ109以降の処理を繰り返す。すなわち、メール本文の作成処理、該メール本文のインターネットメール送信等を実行する。そして、目的地に到達するまでステップ109以降の処理を繰り返す。
【0019】
(D)携帯電話機
図5は携帯電話機の構成図であり、送受信部や制御部等を備えた送受信電気回路部51、話者音声を入力するマイク52、音声入力回路53、受信音声を出力するスピーカ54、音声出力回路55、携帯電話機の現在位置を検出するGPS(Global Positioning System)を備えた位置検出部56、電話やメール通信用操作画面、各種設定操作画面、簡易経路案内画面など各種表示を行なう表示部57、各種キーを備えた操作部58を有している。送受信電気回路部51は、送信部61、受信部62、制御チャネルあるいは通信チャネルに応じた所定の周波数信号を出力するシンセサイザ63、送信データを発生して送出する信号送出部64、報知情報やメール受信データ(本文)を抽出して制御部に入力する信号受信部65、マイクあるいは信号送出部から入力された信号を変調する変調部66、無線基地局より送られてきた信号を復調する復調部67、発信制御、着信制御等の接続制御及び簡易経路案内制御を行うマイコン構成の制御部68を備えている。制御部68はプロセッサ(CPU)68a、各種制御プログラムを記憶するプログラムメモリ(ROM)68b、各種データを記憶するデータメモリ(RAM)68cを有している。
【0020】
(E)簡易経路案内表示制御
図6は車載機から受信した簡易経路案内情報を用いて作成されたメール本文を用いて経路案内表示する携帯電話機の処理フローである。
携帯電話機の制御部68は、キー操作により経路案内表示することが設定されているかチェックする(ステップ201)。なお、初期時、経路案内表示を行なう(経路案内表示オン)にデフォルト設定されているから、経路案内表示をしたくなければ「経路案内表示オフ」を設定する。
経路案内表示オン設定されていれば、制御部68は車載機(図1)から送信されたメール本文(簡易経路案内情報を用いて作成されたメール本文)をインターネット経由で取得してメモリ68cに保存する(ステップ202)。
ついで、制御部68は位置検出部56から携帯電話機の現在位置を取得し(ステップ203)、メール本文と現在位置を用いて簡易経路案内画像を作成して表示する(ステップ204)。図7は簡易経路案内表示の第1の例であり、自車位置から次の第1〜第3の経路主要点(進行方向が直進でない交差点、分岐点)までの距離、交差点名(分岐名)、右左折方向矢印を表示している。
【0021】
図8は簡易経路案内表示の第2の例であり、次の経路主要点までの距離が設定距離以下になった時、経路主要点拡大図を表示し、経路交主要点での右左折方向矢印、方面文字、交差点までの距離、自動車マークを表示した例である。
図9は簡易経路案内表示の第3の例であり、経路主要点周辺の詳細地図を表示して、該地図上に交差点名、進行方向を矢印で識別可能に表示した場合である。
図8、図9の場合、経路主要点(交差点、分岐点)周辺の詳細地図や拡大図を記憶保持するメモリスティック、SDカード等のICメモリカード70(図5点線参照)を制御部68に読み込み可能に接続するか、インターネット通信でセンターよりダウンロードする必要がある。
【0022】
ステップ204において簡易経路案内表示をすれば、次に、車載機から新たなメールを受信したか監視し(ステップ205)、受信しなければ、目的地に到達したか監視し(ステップ206)、目的地に到達してなければ、ステップ203以降の処理を繰返して、現在位置に応じた簡易経路案内表示を継続する。一方、ステップ205において車載機から新たなメールを受信すればステップ202に飛び、新たな簡易経路案内情報を含むメール本文を取得し、該新たな簡易経路案内情報に基づいて経路案内を行なう。
以上では車載機から他の車両の携帯電話機にメール通信した場合であるが、目的地、経由地の訪問先の携帯電話機にメール通信することにより、自動的に到着予定時刻を通知することもできる。
【0023】
以上、本発明によれば、ナビゲーション装置を搭載していない車両であっても携帯電話機を用いて原則的に1回のインターネットメール通信で簡易な経路案内表示をすることができる。また、他車両又は訪問先の携帯電話機に対して経由地、目的地への予想到達時刻を通知することができる。
又、本発明によれば、経路、目的地、経由地のどれかを変更した時、あるいは、目的地、経由地への到達時間が予想到達時刻と比べて設定時間以上の時間差が存在する時、ナビゲーション機能を備えた車載機は、経路の再探索を行い、他車両の携帯電話機に通知するようにしたから、携帯電話機は再探索結果に基づいた経路案内表示を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の車載機の説明図である。
【図2】ナビゲーションユニットと通信ユニットの構成図である。
【図3】本発明の車載機の制御フローである。
【図4】簡易経路案内情報を用いたメール本文作例である。
【図5】携帯電話機の構成図である。
【図6】携帯電話機の処理フローである。
【図7】簡易経路案内表示の第1の例である。
【図8】簡易経路案内表示の第2の例である。
【図9】簡易経路案内表示の第3の例である。
【符号の説明】
【0025】
11 ナビゲーションユニット
12 通信ユニット
13 ユーザインターフェース
14 操作キー部
15 表示装置
16 携帯電話通信部
18 車載機の携帯電話機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション制御機能及びインターネット通信機能を備えた車載機において、
目的地までの経路を探索する手段、
探索された目的地までの経路情報を用いて経路主要地点における進行方向、主要地点間の距離、経由地が存在する場合には該経由地及び目的地への到達予想時刻を含むメール本文を作成する手段、
前記メール本文をメール送信するか指示すると共に、送信する場合には送信先メールアドレスを入力する手段、
目的地が設定された時およびメール本文を送信先メールアドレスに送信する条件が満たされた時、前記メール本文を、携帯電話機を用いて前記送信先メールアドレスにメール送信する手段、
を備え、前記経路探索手段は目的地が設定された時及び前記条件が満たされたとき現在位置から目的地までの経路を探索し、前記メール作成手段は探索された目的地までの経路情報を用いて前記メール本文を作成する、
ことを特徴とする車載機。
【請求項2】
前記主要地点は、進行方向が直進でない交差点である、
ことを特徴とする請求項1記載の車載機。
【請求項3】
前記経路探索手段は、
経路、目的地、経由地のどれかを変更した時、あるいは、目的地、経由地への到達時間が予想到達時刻と比べて設定時間以上の時間差が存在する時、前記条件が満たされたものと判定する、
ことを特徴とする請求項1記載の車載機。
【請求項4】
インターネットメール通信機能を備えた携帯電話機において、
携帯電話機の現在位置を取得する位置検出手段、
経路案内表示を行なう旨を設定する手段、
インターネットメールで車載機から送信された経路情報を保存する手段、
携帯電話機の現在位置と前記経路情報とを用いて経路案内画像を作成する手段、
該作成された経路案内画像を表示する手段、
を備えたことを得する携帯電話機。
【請求項5】
前記経路案内画像作成手段は、現在位置から次に到達する主要地点の周辺地図あるいは概略拡大図、及び進行方向を指示する画像を作成する、
ことを特徴とする請求項4記載の携帯電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2005−181262(P2005−181262A)
【公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−426431(P2003−426431)
【出願日】平成15年12月24日(2003.12.24)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】