車載機に接続された外部機器の動作制御装置および動作制御方法
【課題】複数の機能が割り当てられた1つのハードキーを操作しても、外部機器から送信される画像に基づいてタッチパネル上に切り替えて表示されるソフトキーを操作しても、常に正しい動作を外部機器に実行させることができる「車載機に接続された外部機器の動作制御装置および動作制御方法」を提供する。
【解決手段】タッチパネル102が押下されたときに、当該タッチパネル102の押下が、1つのハードキー101に割り当てられた複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作か否かを判定する操作判定部111と、当該ソフトキーの操作に該当すると判定された場合にハードキー101の機能受付状態を遷移させる状態遷移部112とを設け、ハードキー101が実際に操作されていなくても、ハードキー101に対応するソフトキーが押下されると、ハードキー101の機能受付状態が常に正しい状態に遷移されるようにする。
【解決手段】タッチパネル102が押下されたときに、当該タッチパネル102の押下が、1つのハードキー101に割り当てられた複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作か否かを判定する操作判定部111と、当該ソフトキーの操作に該当すると判定された場合にハードキー101の機能受付状態を遷移させる状態遷移部112とを設け、ハードキー101が実際に操作されていなくても、ハードキー101に対応するソフトキーが押下されると、ハードキー101の機能受付状態が常に正しい状態に遷移されるようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載機に接続された外部機器の動作制御装置および動作制御方法に関し、特に、車載機のタッチパネルに表示されたソフトキーまたは車載機に備えられたハードキーの何れかの操作に応じて、車載機に接続された外部機器の動作を制御する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車載機に外部機器を接続して、外部機器が備える機能を車載機で利用可能にする技術が提供されている。例えば、外部機器として携帯型デジタル音楽プレイヤーを車載機に接続し、携帯型デジタル音楽プレイヤーに蓄積されている音楽を車載機にて再生可能にした技術が提供されている。また、携帯電話の機能と携帯情報端末(PDA)の機能とを融合させた携帯端末(いわゆるスマートフォン)を車載機に接続し、スマートフォンにインストールされたアプリケーションの機能を車載機にて利用可能にした技術も提供されている。
【0003】
このように、外部機器の機能を車載機で利用する場合、外部機器の動作を車載機側から制御することが可能になされている。例えば、外部機器に蓄積されている音楽を車載機にて再生する場合、音楽の再生開始、再生停止、一時停止などの動作を車載機側から制御することが可能である。その動作制御の指示は、車載機に備えられたハードキー(再生ボタン、停止ボタン、一時停止ボタン等)を操作することによって行うことが可能である。
【0004】
例えば、車載機の再生ボタンが押下されると、車載機は外部機器に再生開始コマンドを送信する。外部機器では、車載機から送られてきた再生開始コマンドに基づいて、音楽の再生動作を実行する。そして、再生された音楽の音声データが車載機に送信され、車載機のスピーカから再生音声が出力される。また、音楽の再生中に車載機の一時停止ボタンが押下されると、車載機は外部機器に一時停止コマンドを送信する。外部機器では、車載機から送られてきた一時停止コマンドに基づいて、音楽の一時停止動作を実行する。
【0005】
また、車載機のタッチパネル付き表示装置(以下、単にタッチパネルという)に再生開始、再生停止、一時停止などのソフトキーを表示させるようにした場合には、ハードキーまたはソフトキーの何れかの操作によって、車載機側から外部機器の動作制御の指示を行うことが可能である。なお、特許文献1には、ハードキーを用いて操作する第1のモードと、ソフトキーを用いて操作する第2のモードとを有し、第1のモード設定時におけるソフトキーの操作および第2のモード設定時におけるハードキーの操作を禁止する技術が開示されている。
【0006】
車載機のタッチパネルにソフトキーを表示させる方法として、当該ソフトキーを含む画像情報を外部機器から車載機に送信し、当該画像情報をタッチパネルに表示させる方法がある。この方法では、車載機ではタッチパネル上のどの位置にどのソフトキーが存在するのかを把握できない。すなわち、タッチパネルに表示された何れかのソフトキーが押下された場合、押下された位置は特定できるが、どのソフトキーが押下されたのかは特定できない。そのため車載機は、押下された位置を表す押下位置情報を外部機器に送信する。外部機器では、車載機から送られてきた押下位置情報に基づいて、どのソフトキーが押下されたのかを特定し、特定したソフトキーに対応する動作を実行する。
【0007】
ところで、車載機では、ハードキーの配置スペースを節約することなどを目的として、再生開始ボタンと一時停止ボタンとを1つのボタン(再生・一時停止ボタン)で兼用することが少なくない。この場合、再生・一時停止ボタンが押下されるたびに、再生開始および一時停止の動作が交互に実行される。また、その実行状態の変化に合わせて、再生・一時停止ボタンがどちらの動作を受付中かの状態も交互に遷移する。
【0008】
すなわち、初期状態では、車載機の再生・一時停止ボタンは再生開始受付中の状態にあり、この状態で再生・一時停止ボタンが押下されると、外部機器で音楽の再生が開始されるとともに、再生・一時停止ボタンは一時停止受付中の状態に遷移する。この状態で再生・一時停止ボタンが押下されると、外部機器で音楽の再生が一時停止されるとともに、再生・一時停止ボタンは再生開始受付中の状態に遷移する。以降、再生・一時停止ボタンが押下されるたびにこの動作が繰り返される。
【0009】
車載機のタッチパネルに表示されるソフトキーについても、ソフトキーの表示スペースを節約することなどを目的として、再生ボタンと一時停止ボタンとを同じ位置に交互に切り替えて表示することが少なくない。すなわち、初期状態では再生ボタンが表示され、当該再生ボタンが押下されると、外部機器で音楽の再生が開始されるとともに、再生ボタンの代わりに一時停止ボタンが表示される。この状態で一時停止ボタンが押下されると、外部機器で音楽の再生が一時停止されるとともに、一時停止ボタンの代わりに再生ボタンが表示される。以降、再生ボタンおよび一時停止ボタンが押下されるたびにこの動作が繰り返される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−52643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述したように、車載機のタッチパネルにソフトキーを表示させた場合、ハードキーまたはソフトキーのどちらを操作しても、車載機側から外部機器の動作制御の指示を行うことが可能である。しかしながら、ハードキーとして再生・一時停止ボタンを備えた車載機に対して、ソフトキーを含む画像情報を外部機器から送信することによってソフトキーをタッチパネルに表示させるようにした場合には、以下のような不具合が発生する問題があった。
【0012】
図11は、従来の不具合を説明するための図である。図11(a)は、車載機の再生・一時停止ボタン11が押下されて音楽を再生中の状態を示している。このとき、ハードキーとしての再生・一時停止ボタン11は、一時停止受付中の状態となっている。また、タッチパネル上のソフトキーの1つとして、一時停止ボタン12が表示されている。すなわち、外部機器が車載機から再生開始コマンドを受けて、一時停止ボタン12を含む画像情報を外部機器が生成し、当該画情報像を外部機器から車載機に送信した結果として、一時停止ボタン12が表示されている。
【0013】
この状態でソフトキーの一時停止ボタン12が押下されると、車載機は、押下された位置を表す押下位置情報を外部機器に送信する。外部機器では、車載機から送られてきた押下位置情報に基づいて、一時停止ボタン12が押下されたことを確認し、一時停止動作を実行する。また、外部機器は、ソフトキーの1つとして再生ボタン13を含む画像情報を生成し、当該画像情報を車載機に送信する。図11(b)は、外部機器から送られてきた画像情報を車載機のタッチパネルに表示した状態を示している。すなわち、タッチパネルにはソフトキーの1つとして、一時停止ボタン12の代わりに再生ボタン13が表示されている。
【0014】
図11(b)に示す音楽の一時停止中においては、ソフトキーとしては再生ボタン13が正しく表示されているものの、ハードキーとしての再生・一時停止ボタン11は、あいかわらず一時停止受付中の状態となっている。図11(a)の状態でタッチパネル上の一時停止ボタン12が押下されても、車載機では押下された位置を把握できるのみで、一時停止ボタン12が押下されたということまでは特定できないからである。
【0015】
そのため、図11(b)に示す一時停止中の状態で再生・一時停止ボタン11が押下されると、既に一時停止中の状態であるにもかかわらず車載機から外部機器に一時停止コマンドが送信されてしまう。この場合、再生・一時停止ボタン11を押下しているのに何ら動作状態が変化しないという異常が発生する。すなわち、ユーザが音楽再生を再開させるつもりで再生・一時停止ボタン11を押下したにもかかわらず、一時停止中のままで音楽再生が開始されず、図11(c)に示すようにソフトキーの表示も再生ボタン13の表示から何ら変化しないという問題があった。
【0016】
なお、このような問題が生じるのは、1つの再生・一時停止ボタン11で再生開始と一時停止とを切り替える場合に限らない。例えば、1つのミュートボタンでミュート機能のON/OFFを切り替える場合や、1つの電源ボタンで電源のON/OFFを切り替える場合など、1つのハードキーに複数の機能を割り当てて押下のたびに動作を切り替える場合には同様の問題が発生する。
【0017】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、1つのハードキーに複数の機能を割り当てるとともに、外部機器から送信される画像情報に基づいて複数の機能に対応するソフトキーを交互に切り替えてタッチパネル上に表示するようになされた車載機において、ハードキーを操作してもソフトキーを操作しても常に正しい動作を外部機器に実行させることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記した課題を解決するために、本発明では、外部機器から車載機に送信された画像情報に基づいてソフトキーが表示された状態のタッチパネルが押下されたときに、当該タッチパネルの押下が、1つのハードキーに割り当てられた複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作か否かを判定し、当該ソフトキーの操作に該当すると判定された場合に、1つのハードキーの機能受付状態を遷移させるようにしている。
【発明の効果】
【0019】
上記のように構成した本発明によれば、複数の機能が割り当てられた1つのハードキーが実際に操作されていなくても、当該1つのハードキーに対応するソフトキーが押下されると、そのことが操作判定部により検知され、1つのハードキーの機能受付状態が状態遷移部により遷移される。そのため、外部機器から車載機に送られてくる画像情報に基づいてソフトキーが表示されるために、タッチパネルの押下位置からソフトキーが操作されたか否かを直ちに把握できない場合であっても、1つのハードキーに対応するソフトキーが押下されたことを確実に検出して、当該1つのハードキーの機能受付状態を常に正しい状態に遷移させることができる。これにより、ハードキーを操作してもソフトキーを操作しても、常に正しい動作を外部機器に実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施形態による動作制御装置を備えたシステム全体の機能構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態によるソフトキーの表示状態およびハードキーの機能受付状態の遷移を示す図である。
【図3】第1の実施形態による動作制御装置を備えたシステムの動作例を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態による動作制御装置を備えたシステムの動作例を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態による動作制御装置を備えたシステム全体の機能構成例を示すブロック図である。
【図6】第2の実施形態による画像認識の対象とする画像情報の変形例を示す図である。
【図7】第3の実施形態による動作制御装置を備えたシステム全体の機能構成例を示すブロック図である。
【図8】第4の実施形態による動作制御装置を備えたシステム全体の機能構成例を示すブロック図である。
【図9】第4の実施形態による動作制御装置を備えたシステムの動作例を示すフローチャートである。
【図10】第4の実施形態による動作制御装置を備えたシステムの動作例を示すフローチャートである。
【図11】従来の不具合を説明するための図であり、ソフトキーの表示状態およびハードキーの機能受付状態の遷移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態による動作制御装置を備えたシステム全体の機能構成例を示すブロック図である。当該システムは、車載機100と外部機器200とを有線または無線により接続して成る。外部機器200は、例えば音楽再生機能を備えたスマートフォンであるとする。
【0022】
車載機100は、ハードキー101およびタッチパネル102を備えている。ハードキー101の1つとして、音楽の再生開始および一時停止を交互に指示するための再生・一時停止ボタン11が設けられている。すなわち、再生開始および一時停止といった複数の機能が1つの再生・一時停止ボタン11に割り当てられている。なお、ハードキー101には再生・一時停止ボタン11の他にも再生停止ボタンやスキップボタン等があるが、本実施形態の説明において特に関係があるのは再生・一時停止ボタン11である。
【0023】
タッチパネル102には、外部機器200から送信される画像情報に基づいてソフトキーが表示されるようになっている。ソフトキーには一時停止ボタン12や再生ボタン13があり、これらはボタンが押下されるごとに交互に切り替えて表示される。なお、ソフトキーには他に再生停止ボタンやスキップボタン等があるが、本実施形態の説明において特に関係があるのは一時停止ボタン12および再生ボタン13である。
【0024】
車載機100は、その機能構成として、コマンド発行部103、機能受付状態管理部104、押下位置検出部105、情報送信部106、情報受信部107、画像出力部108、音声出力部109、操作判定部111および状態遷移部112を備えている。これらの機能構成は、実際にはコンピュータのCPUあるいはMPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。
【0025】
また、外部機器200は、その機能構成として、情報受信部201、コマンド通知部202、コマンド発行部203、動作実行部204、画像生成部205および情報送信部206を備えている。これらの機能構成も、実際にはコンピュータのCPUあるいはMPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。
【0026】
なお、上記プログラムを記録する記録媒体としては、CD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光ディスク、光磁気ディスク、DVD、不揮発性メモリカード等を用いることができる。また、上記プログラムをインターネット等のネットワークを介して車載機100や外部機器200にダウンロードするようにしてもよい。
【0027】
本実施形態の動作制御装置は、車載機100に備えられ、ハードキー101またはタッチパネル102上のソフトキーの何れかの操作に応じて外部機器200の動作を制御するものである。図1に示す車載機100の機能構成のうち、情報送信部106、情報受信部107、操作判定部111および状態遷移部112により本実施形態の動作制御装置が構成される。
【0028】
車載機100のコマンド発行部103は、ユーザにより操作されたハードキー101が何であるかを判定し、操作されたハードキー101に対応する動作指示コマンドを発行する。例えば、ユーザにより再生・一時停止ボタン11が操作されたときは、再生開始コマンドまたは一時停止コマンドの何れかを発行する。どちらのコマンドを発行するかは、機能受付状態管理部104により管理されている現在の機能受付状態に基づいて判断する。
【0029】
機能受付状態管理部104は、初期状態では、再生・一時停止ボタン11を再生開始受付中の状態に設定している。この状態で再生・一時停止ボタン11が押下されると、コマンド発行部103は、機能受付状態管理部104にて管理されている現在の機能受付状態に基づいて、再生開始コマンドを発行する。このとき、機能受付状態管理部104は、再生・一時停止ボタン11が押下されたことを知らせる通知をコマンド発行部103から受けて、再生・一時停止ボタン11を一時停止受付中の状態に遷移させる。
【0030】
この状態でさらに再生・一時停止ボタン11が押下されると、コマンド発行部103は、機能受付状態管理部104にて管理されている現在の機能受付状態に基づいて、一時停止コマンドを発行する。このとき、機能受付状態管理部104は、再生・一時停止ボタン11が押下されたことを知らせる通知をコマンド発行部103から受けて、再生・一時停止ボタン11を再生開始受付中の状態に遷移させる。
【0031】
押下位置検出部105は、タッチパネル102が押下されたときに、押下されたタッチパネル102上の位置を検出する。さらに、押下位置検出部105は、検出したタッチパネル102上の押下位置情報を、タッチパネル102に表示されている画像中のどこが押下されたのかを示す押下位置情報に変換する。なお、押下位置検出部105は、タッチパネル102上の位置情報(座標情報)と画像上の位置情報(座標情報)との対応関係を示す情報をあらかじめ保持しており、この情報に基づいて押下位置情報の変換を行う。
【0032】
なお、押下位置検出部105がタッチパネル102上の押下位置情報を画像上の押下位置情報に変換するのは、外部機器200においてタッチパネル102上の位置情報(座標情報)と画像上の位置情報(座標情報)との対応関係を把握していないからである。仮に、この対応関係を示す情報を外部機器200に記憶させるようにすれば、押下位置検出部11による上述のような押下位置情報の変換は必須の処理ではなくなる。よって、特許請求の範囲の位置情報送信部が送信する押下位置情報は、タッチパネル102上の押下位置情報であってもよいし、画像上の押下位置情報であってもよい。
【0033】
情報送信部106は、コマンド発行部103により発行された動作指示コマンド(再生開始コマンドや一時停止コマンドなど)または押下位置検出部105により検出された押下位置情報を、外部機器200の動作を制御するための情報として外部機器200に送信する。この情報送信部106は、特許請求の範囲の位置情報送信部に相当する。
【0034】
外部機器200の情報受信部201は、車載機100の情報送信部106により送信された動作指示コマンドまたは押下位置情報を受信する。情報受信部201は、動作指示コマンドを受信した場合には、当該動作指示コマンドをコマンド通知部202に出力する。また、情報受信部201は、押下位置情報を受信した場合には、当該押下位置情報をコマンド発行部203に出力する。
【0035】
コマンド通知部202は、情報受信部201から供給された動作指示コマンドを動作実行部204に通知する。動作実行部204は、コマンド通知部202から通知された動作指示コマンドに従って、当該動作指示コマンドに応じた動作を実行する。すなわち、動作指示コマンドが再生開始コマンドであった場合、動作実行部204は音楽の再生動作を実行する。また、動作指示コマンドが一時停止コマンドであった場合、動作実行部204は音楽の一時停止動作を実行する。動作実行部204は、音楽の再生により生成した音声情報を情報送信部206に出力する。
【0036】
コマンド発行部203は、情報受信部201から供給された押下位置情報に基づいて、タッチパネル102の押下位置(画像上の押下位置)に対応する動作指示コマンドを発行し、動作実行部204に通知する。タッチパネル102に表示される画像情報(ソフトキーを含む)は外部機器200が生成しているので、画像上におけるソフトキーの位置は外部機器200にて把握できている。したがって、コマンド発行部203は、タッチパネル102の押下位置が分かれば、どのソフトキーが押下されたのかを特定することができ、特定したソフトキーに対応する動作指示コマンドを発行することができる。
【0037】
画像生成部205は、車載機100のタッチパネル102に表示すべき画像情報を生成する。そして、画像生成部205は、生成した画像情報を情報送信部206に出力する。画像生成部205が生成する画像情報には、一時停止ボタン12や再生ボタン13などのソフトキーが含まれる。なお、一時停止ボタン12と再生ボタン13は、動作実行部204による動作の実行状態に応じて交互に切り替えられる。
【0038】
すなわち、動作実行部204により音楽の再生動作が行われているときは、画像生成部205はソフトキーとして一時停止ボタン12を含む画像情報を生成する。また、動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、画像生成部205はソフトキーとして再生ボタン13を含む画像情報を生成する。なお、画像生成部205は、画像情報を常に生成している必要はなく、少なくとも、動作実行部204の動作状態が切り替わったときに生成すればよい。
【0039】
また、画像生成部205は、画像情報に含まれるソフトキーとその位置を示すソフトキー情報を生成し、コマンド発行部203に通知する。コマンド発行部203は、画像生成部205から通知されたソフトキー情報を、次に新たなソフトキー情報が通知されるまで保持しておく。コマンド発行部203は、情報受信部201から供給される押下位置情報と、画像生成部205から供給されて保持しておいたソフトキー情報とに基づいて、押下位置に対応するソフトキーを特定し、特定したソフトキーに対応する動作指示コマンドを発行する。
【0040】
情報送信部206は、動作実行部204から供給される音声情報および画像生成部205から供給される画像情報を車載機100に送信する。動作実行部204により音楽の再生が行われているときは、動作実行部204から情報送信部206に対して音声情報が常に供給されている。よって、情報送信部206は、その音声情報を常に車載機100に送信する。
【0041】
一方、画像情報については、動作実行部204の動作状態が音楽の再生から一時停止またはその逆へと切り替わったときに、ソフトキーを切り替えたものが画像生成部205により生成され、情報送信部206に供給される。よって、情報送信部206は、動作実行部204の動作状態が切り替わったときに、画像生成部205から供給される画像情報を車載機100に送信する。
【0042】
車載機100の情報受信部107は、外部機器200の情報送信部206により送信された音声情報および画像情報を受信する。情報受信部107は、受信した画像情報を画像出力部108に供給する。画像出力部108は、情報受信部107から供給された画像情報をタッチパネル102に出力することにより、ソフトキーを含む画像情報をタッチパネル102に表示させる。なお、画像出力部108は、タッチパネル102上の位置情報(座標情報)と画像上の位置情報(座標情報)との対応関係を示す情報をあらかじめ保持しており、この情報に基づいて画像情報をタッチパネル102の画面に展開して表示させる。
【0043】
また、情報受信部107は、受信した音声情報を音声出力部109および操作判定部111に供給する。音声出力部109は、情報受信部107から供給された音声情報をスピーカ110に出力することにより、音楽の再生音声をスピーカ110から放音させる。
【0044】
操作判定部111は、タッチパネル102の押下に応じて情報送信部106が押下位置情報を外部機器200に送信した結果として外部機器200から送られてくる音声情報の状態の変化に基づいて、タッチパネル102の押下が、再生・一時停止ボタン11という1つのハードキー101に割り当てられた複数の機能の1つ(再生開始機能または一時停止機能の何れか)を指定するためのソフトキー(一時停止ボタン12または再生ボタン13)の操作か否かを判定する。
【0045】
具体的には、操作判定部111は、音声情報が出力状態から停止状態に変化したとき、すなわち、情報受信部107が音声情報の受信状態から未受信状態に変化したときは、タッチパネル102の押下が、一時停止を指定するためのソフトキー(一時停止ボタン12)の操作であったと判定する。一方、操作判定部111は、音声情報が停止状態から出力状態に変化したとき、すなわち、情報受信部107が音声情報の未受信状態から受信状態に変化したときは、タッチパネル102の押下が、再生開始を指定するためのソフトキー(再生ボタン13)の操作であったと判定する。
【0046】
なお、ここでは、音声情報が出力状態から停止状態あるいは停止状態から出力状態へ変化したことを検出した場合に、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12あるいは再生ボタン13の操作であったと直ちに判定するようにしている。ただし、複数の音楽を連続再生する場合において音楽が切り替わる際にも、音声情報は出力状態から停止状態に切り替わり、ほんの短い時間後に出力状態に戻る。このような場合に一時停止ボタン12あるいは再生ボタン13の操作があったと誤判定することを防止するために、情報送信部106が押下位置情報を外部機器200に送信した場合にのみ(タッチパネル102が押下されたタイミングでのみ)、操作判定部111による判定を行うようにするのが好ましい。
【0047】
また、スキップボタンが押下された場合にも、音声情報は出力状態から停止状態に切り替わり、ほんの短い時間後に出力状態に戻る。したがって、このような場合に一時停止ボタン12あるいは再生ボタン13の操作があったと誤判定することを防止するための手段を講じるのが好ましい。そこで、音声情報が出力状態から停止状態あるいは停止状態から出力状態へ変化し、変化後の状態が所定時間継続したことを検出した場合に、一時停止ボタン12あるいは再生ボタン13の操作があったと判定するようにしてもよい。
【0048】
このようにすれば、スキップボタンが押下された場合だけでなく、連続再生される音楽が切り替わった場合における誤判定も防止することができる。なお、この場合の所定時間は、スキップ動作により次の音楽が再生されるまでにかかる無音時間や、連続再生時に次の音楽が再生されるまでにかかる無音時間よりも長い時間に設定する。
【0049】
なお、スキップボタンが長押しされた場合に、早送り動作または巻戻し動作を行うようにすることがある。この場合、スキップボタンが長押しされている間は音声情報が出力停止状態(無音状態)となる。そこで、操作判定部111の機能として、タッチパネル102上にソフトキーとして表示されたスキップボタンが長押しされている間は判定を行わないようにしてもよい。
【0050】
状態遷移部112は、タッチパネル102の押下がソフトキーの一時停止ボタン12あるいは再生ボタン13の操作であると操作判定部111により判定された場合に、1つのハードキーとして設けられた再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を遷移させる。
【0051】
すなわち、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12の操作であると操作判定部111により判定された場合、状態遷移部112は、機能受付状態管理部104にて管理されている再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を、一時停止受付中から再生開始受付中へと遷移させる。一方、タッチパネル102の押下が再生ボタン13の操作であると操作判定部111により判定された場合、状態遷移部112は、機能受付状態管理部104にて管理されている再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を、再生開始受付中から一時停止受付中へと遷移させる。
【0052】
図2は、第1の実施形態によるソフトキーの表示状態およびハードキーの機能受付状態の遷移を示す図である。図2(a)は、車載機100の再生・一時停止ボタン11が押下されて音楽を再生中の状態を示している。このとき、機能受付状態管理部104は、ハードキー101としての再生・一時停止ボタン11を一時停止受付中の状態に設定している。
【0053】
また、タッチパネル102上のソフトキーの1つとして、一時停止ボタン12が表示されている。すなわち、車載機100のコマンド発行部103により発行された再生開始コマンドを外部機器200が受けて、一時停止ボタン12を含む画像情報を画像生成部205が生成する。そして、当該画像情報を情報送信部206が車載機100に送信した結果として、ソフトキーの1つとして一時停止ボタン12を含む画像情報がタッチパネル102上に表示されている。
【0054】
この状態でソフトキーの一時停止ボタン12が押下されると、車載機100の情報送信部106は、押下された位置を表す押下位置情報を外部機器200に送信する。外部機器200では、コマンド発行部203が、車載機100から送られてきた押下位置情報に基づいて、一時停止ボタン12が押下されたことを確認し、一時停止コマンドを動作実行部204に発行する。そして、動作実行部204は、一時停止コマンドに従って一時停止動作を実行する。
【0055】
また、画像生成部205は、ソフトキーの1つとして再生ボタン13を含む画像情報を生成し、情報送信部206は当該画像情報を車載機100に送信する。図2(b)は、外部機器200から送られてきた画像情報を車載機100のタッチパネル102に表示した状態を示している。すなわち、タッチパネル102にはソフトキーの1つとして、一時停止ボタン12の代わりに再生ボタン13が表示されている。
【0056】
動作実行部204が一時停止動作を実行することにより、外部機器200の情報送信部206は音声情報を出力しない状態となり、車載機100の情報受信部107は音声情報の受信状態から未受信状態に変化する。操作判定部111は、この音声情報の状態の変化に基づいて、ソフトキーとしての一時停止ボタン12が押下されたと判定し、そのことを状態遷移部112に通知する。この通知を受けて状態遷移部112は、機能受付状態管理部104にて管理されている再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を、一時停止受付中から再生開始受付中へと遷移させる。
【0057】
その結果、図2(b)に示す一時停止中の状態で再生・一時停止ボタン11が押下されたときに、コマンド発行部103は外部機器200に対して正しい再生開始コマンドを送信することができる。これにより、外部機器200では動作実行部204が一時停止状態から動作状態へと正しく変化し、音楽の再生が開始される。また、図2(c)に示すように、ソフトキーの表示も再生ボタン13の表示から一時停止ボタン12の表示へと正しく変化する。
【0058】
図3および図4は、第1の実施形態による動作制御装置を備えたシステムの動作例を示すフローチャートである。なお、図3に示すフローチャートは、車載機100と外部機器200とを接続して、外部機器200での音楽再生を行うことを車載機100から指示したとき(例えば、音楽再生のためのアプリケーションを起動したとき)に開始する。図3に示す処理の開始時点において、機能受付状態管理部104は、再生・一時停止ボタン11を再生開始受付中の状態に初期設定しているものとする。
【0059】
図3において、まず外部機器200の画像生成部205は、ソフトキーの1つとして再生ボタン13を含む初期画像情報を生成する(ステップS1)。情報送信部206は、この初期画像情報を車載機100に送信する(ステップS2)。車載機100では、外部機器200から送られてくる初期画像情報を情報受信部107が受信し、画像出力部108がタッチパネル102に表示させる(ステップS3)。
【0060】
初期画像情報がタッチパネル102に表示された状態で、コマンド発行部103は、ハードキー101がユーザにより操作されたか否かを判定する(ステップS4)。コマンド発行部103は、ユーザによりハードキー101が操作されたと判断した場合、操作されたハードキー101に対応する動作指示コマンドを発行し、情報送信部106に供給する(ステップS5)。
【0061】
操作されたハードキー101が再生・一時停止ボタン11である場合、コマンド発行部103は、機能受付状態管理部104にて管理されている現在の機能受付状態に基づいて、再生開始コマンドまたは一時停止コマンドの何れかを発行する。なお、初期画像情報が表示されている状態で再生・一時停止ボタン11が操作された場合は、機能受付状態管理部104は再生開始受付中の状態に設定されているので、コマンド発行部103は再生開始コマンドを発行する。
【0062】
また、コマンド発行部103は、再生・一時停止ボタン11が押下されたことを機能受付状態管理部104に通知する。この通知を受けて機能受付状態管理部104は、再生・一時停止ボタン11を再生開始受付中または一時停止受付中の状態に遷移させる(ステップS6)。なお、初期画像情報が表示されている状態で再生・一時停止ボタン11が操作された場合は、機能受付状態管理部104は、再生・一時停止ボタン11を再生開始受付中から一時停止受付中の状態に遷移させる。
【0063】
次に、情報送信部106は、コマンド発行部103から供給された動作指示コマンドを外部機器200に送信する(ステップS7)。外部機器200では、情報受信部201が車載機100から動作指示コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS8)。ここで、情報受信部201にて動作指示コマンドを受信していない場合、外部機器200の処理は図4のステップS20に進む。一方、情報受信部201にて動作指示コマンドを受信した場合、コマンド通知部202はその動作指示コマンドを動作実行部204に通知する(ステップS9)。
【0064】
動作実行部204は、コマンド通知部202から通知された動作指示コマンドに従って、当該動作指示コマンドに応じた動作(音楽の再生または一時停止などの動作)を実行する(ステップS10)。動作実行部204は、音楽の再生動作を実行した場合は、その音楽再生により生成した音声情報を情報送信部206に出力する。
【0065】
画像生成部205は、車載機100のタッチパネル102に表示すべき画像情報を生成する(ステップS11)。ここで、動作実行部204により音楽の再生動作が行われているときは、画像生成部205はソフトキーとして一時停止ボタン12を含む画像情報を生成する。また、動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、画像生成部205はソフトキーとして再生ボタン13を含む画像情報を生成する。そして、画像生成部205は、生成した画像情報を情報送信部206に出力する。
【0066】
情報送信部206は、動作実行部204から供給される音声情報および画像生成部205から供給される画像情報を車載機100に送信する(ステップS12)。ここで、動作実行部204により音楽の再生動作が行われているときは、情報送信部206は音声情報および画像情報を車載機100に送信する。一方、動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、情報送信部206は画像情報だけを車載機100に送信する。なお、画像情報については、画像生成部205により生成されたタイミングで車載機100に送信する。
【0067】
次に、動作実行部204は、音楽の再生が終了したか否かを判定する(ステップS13)。音楽の再生が終了した場合は、図3に示すフローチャートの処理を終了する。一方、音楽の再生がまだ終了していない場合、処理はステップS8に戻る。
【0068】
上記ステップS7で情報送信部106が動作指示コマンドを外部機器200に送信した後、車載機100では、外部機器200から送られてくる音声情報および画像情報を情報受信部107にて受信する(ステップS14)。なお、外部機器200の動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、情報受信部107は画像情報だけを受信する。
【0069】
画像出力部108は、情報受信部107により受信された画像情報をタッチパネル102に表示させる(ステップS15)。また、音声出力部109は、情報受信部107により音声情報が受信された場合は、その音声情報をスピーカ110に出力する(ステップS16)。その後、処理はステップS4に戻る。
【0070】
ステップS4において、ユーザによりハードキー101が操作されていないとコマンド発行部103にて判断した場合、押下位置検出部105は、タッチパネル102がユーザにより押下されたか否かを判定する(ステップS17)。ここで、タッチパネル102が押下されていないと判断した場合、処理はステップS4に戻る。一方、タッチパネル102が押下されたと判断した場合、車載機100の処理は図4のステップS18に進む。
【0071】
ステップS18において、押下位置検出部105は、押下されたタッチパネル102上の位置を検出する。さらに、押下位置検出部105は、検出したタッチパネル102上の押下位置情報を、タッチパネル102に表示されている画像上の押下位置情報に変換する。そして、情報送信部106は、押下位置検出部105により検出された押下位置情報を外部機器200に送信する(ステップS19)。
【0072】
外部機器200では、情報受信部201が車載機100から押下位置情報を受信したか否かを判定する(ステップS20)。ここで、情報受信部201にて押下位置情報を受信していない場合、外部機器200の処理は図3のステップS8に戻る。一方、情報受信部201にて押下位置情報を受信した場合、情報受信部201はその押下位置情報をコマンド発行部203に供給する。
【0073】
コマンド発行部203は、情報受信部201から供給された押下位置情報に基づいて、タッチパネル102の押下位置(画像上の押下位置)に対応する動作指示コマンドを発行し、動作実行部204に通知する(ステップS21)。動作実行部204は、コマンド発行部203から通知された動作指示コマンドに従って、当該動作指示コマンドに応じた動作を実行する(ステップS22)。動作実行部204は、音楽の再生動作を実行した場合は、その音楽再生により生成した音声情報を情報送信部206に出力する。
【0074】
画像生成部205は、車載機100のタッチパネル102に表示すべき画像情報を生成する(ステップS23)。ここで、動作実行部204により音楽の再生動作が行われているときは、画像生成部205はソフトキーとして一時停止ボタン12を含む画像情報を生成する。また、動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、画像生成部205はソフトキーとして再生ボタン13を含む画像情報を生成する。そして、画像生成部205は、生成した画像情報を情報送信部206に出力する。
【0075】
情報送信部206は、動作実行部204から供給される音声情報および画像生成部205から供給される画像情報を車載機100に送信する(ステップS24)。ここで、動作実行部204により音楽の再生動作が行われているときは、情報送信部206は音声情報および画像情報を車載機100に送信する。一方、動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、情報送信部206は画像情報だけを車載機100に送信する。なお、画像情報については、画像生成部205により生成されたタイミングで車載機100に送信する。
【0076】
次に、動作実行部204は、音楽の再生が終了したか否かを判定する(ステップS25)。音楽の再生が終了した場合は、図4に示すフローチャートの処理を終了する。一方、音楽の再生がまだ終了していない場合、処理は図3のステップS8に戻る。
【0077】
上記ステップS19で情報送信部106が押下位置情報を外部機器200に送信した後、車載機100では、外部機器200から送られてくる音声情報および画像情報を情報受信部107にて受信する(ステップS26)。なお、外部機器200の動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、情報受信部107は画像情報だけを受信する。
【0078】
画像出力部108は、情報受信部107により受信された画像情報をタッチパネル102に表示させる(ステップS27)。また、音声出力部109は、情報受信部107により音声情報が受信された場合は、その音声情報をスピーカ110に出力する(ステップS28)。
【0079】
続いて、操作判定部111は、情報受信部107にて受信される音声情報の状態の変化に基づいて、タッチパネル102の押下が、一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作であったか否かを判定する(ステップS29)。すなわち、操作判定部111は、情報受信部107が音声情報の受信状態から未受信状態に変化したときは、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12の操作であったと判定する。一方、操作判定部111は、情報受信部107が音声情報の未受信状態から受信状態に変化したときは、タッチパネル102の押下が再生ボタン13の操作であったと判定する。
【0080】
状態遷移部112は、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12あるいは再生ボタン13の操作であると操作判定部111により判定された場合に、再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を遷移させる(ステップS30)。すなわち、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12の操作であると操作判定部111により判定された場合、状態遷移部112は、機能受付状態管理部104にて管理されている再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を、一時停止受付中から再生開始受付中へと遷移させる。一方、タッチパネル102の押下が再生ボタン13の操作であると操作判定部111により判定された場合、状態遷移部112は、機能受付状態管理部104にて管理されている再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を、再生開始受付中から一時停止受付中へと遷移させる。その後、車載機100の処理は図3のステップS4に戻る。
【0081】
以上詳しく説明したように、第1の実施形態では、外部機器200から車載機100に送信される画像情報に基づいてソフトキーが表示された状態のタッチパネル102が押下されたときに、その押下に応じて外部機器200から車載機100に送信される音声情報の出力状態の変化に基づいて、当該タッチパネル102の押下が、ソフトキーの一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作であるか否かを判定する。そして、一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作に該当すると判定された場合に、ハードキー101である再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を再生開始受付中または一時停止受付中の状態に遷移させるようにしている。
【0082】
このように構成した第1の実施形態によれば、音楽の再生開始および一時停止という複数の機能が割り当てられた1つのハードキー101(再生・一時停止ボタン11)が実際に操作されていなくても、当該再生・一時停止ボタン11に対応するソフトキー(一時停止ボタン12または再生ボタン13)が押下されると、そのことが操作判定部111により検知され、再生・一時停止ボタン11の機能受付状態が状態遷移部112により遷移される。
【0083】
そのため、外部機器200から車載機100に送られてくる画像情報に基づいてソフトキーが表示されるために、タッチパネル102の押下位置からソフトキーが操作されたか否かを直ちに把握できない場合であっても、再生・一時停止ボタン11に対応するソフトキーが押下されたことを確実に検出して、当該再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を常に正しい状態に遷移させることができる。これにより、ハードキー(再生・一時停止ボタン11)を操作してもソフトキー(一時停止ボタン12または再生ボタン13)を操作しても、常に正しい動作を外部機器200に実行させることができる。
【0084】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。図5は、第2の実施形態による動作制御装置を備えたシステム全体の機能構成例を示すブロック図である。なお、この図5において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0085】
図5に示すように、第2の実施形態では、車載機100は操作判定部111の代わりに操作判定部121を備えている。操作判定部121は、タッチパネル102の押下に応じて情報送信部106が押下位置情報を外部機器200に送信した結果として外部機器200から送られてくる画像情報に基づいて、当該タッチパネル102の押下が、一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作か否かを判定する。
【0086】
例えば、操作判定部121は、外部機器200から送られてくる画像情報に含まれるソフトキーを画像認識することにより、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作か否かを判定する。ここで、画像情報に含まれるソフトキーが一時停止ボタン12であることを画像認識した場合、操作判定部121は、タッチパネル102の押下が再生ボタン13の操作であったと判定する。一方、画像情報に含まれるソフトキーが再生ボタン13であることを画像認識した場合、操作判定部121は、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12の操作であったと判定する。
【0087】
すなわち、タッチパネル102上に表示された再生ボタン13が押下されると、そのときの押下位置情報が外部機器200に送信され、動作実行部204により音楽の再生動作が実行されるとともに、画像生成部205により一時停止ボタン12を含む画像情報が生成される。そして、その画像情報が外部機器200から車載機100に送られてくる。したがって、操作判定部121は、この画像情報に含まれるソフトキーが一時停止ボタン12であることを画像認識により確認すれば、タッチパネル102の押下が再生ボタン13の操作であったと判定することができる。
【0088】
また、タッチパネル102上に表示された一時停止ボタン12が押下されると、そのときの押下位置情報が外部機器200に送信され、動作実行部204により音楽の一時停止動作が実行されるとともに、画像生成部205により再生ボタン13を含む画像情報が生成される。そして、その画像情報が外部機器200から車載機100に送られてくる。したがって、操作判定部121は、この画像情報に含まれるソフトキーが再生ボタン13であることを画像認識により確認すれば、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12の操作であったと判定することができる。
【0089】
なお、第2の実施形態で画像認識する対象は、画像情報内のソフトキーに限定されない。例えば、操作判定部121は、外部機器200から送られてくる画像情報に含まれる時間情報を画像認識して当該時間情報が変化しているか否かを確認することにより、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作か否かを判定するようにしてもよい。この場合、外部機器200の画像生成部205は、車載機100から動作指示コマンドまたは押下位置情報が送信されてきたタイミング(動作実行部204の動作状態が変化したタイミング)だけでなく、画像情報を随時生成して情報送信部206に供給するものとする。
【0090】
図6は、第2の実施形態による画像認識の対象とする画像情報の変形例を示す図である。図6に示すように、音楽の再生時間を表すカウンタ情報21あるいはタイムバー22などの時間情報が画像情報内に含まれている場合がある。音楽の再生中であれば、この時間情報は常に変化している。一方、一時停止中であれば、この時間情報は変化しない。したがって、操作判定部121は、画像認識によって時間情報が変化しているか否かを確認することにより、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作か否かを判定することができる。
【0091】
すなわち、タッチパネル102上に表示された再生ボタン13が押下されると、そのときの押下位置情報が外部機器200に送信され、動作実行部204により音楽の再生動作が実行されるとともに、画像生成部205により時間情報を含む画像情報が生成される。そして、その画像情報が外部機器200から車載機100に送られてくる。音楽の再生中であれば、時間情報を更新した画像情報が随時生成され、車載機100に送信される。したがって、操作判定部121は、この画像情報に含まれる時間情報が変化していることを画像認識により確認すれば、タッチパネル102の押下が再生ボタン13の操作であったと判定することができる。
【0092】
また、タッチパネル102上に表示された一時停止ボタン12が押下されると、そのときの押下位置情報が外部機器200に送信され、動作実行部204により音楽の一時停止動作が実行されるとともに、画像生成部205により時間情報を含む画像情報が生成される。そして、その画像情報が外部機器200から車載機100に送られてくる。ただし、音楽が一時停止中の場合は、この時間情報は変化せず固定である。したがって、操作判定部121は、この画像情報に含まれる時間情報が変化していないことを画像認識により確認すれば、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12の操作であったと判定することができる。
【0093】
なお、音楽が一時停止中の場合に、画像生成部205は、ソフトキーを一時停止ボタン12から再生ボタン13に更新した画像情報を生成した後、次に音楽の再生動作が再開されるまでの間は画像情報を生成しないようにすることもできる。この場合、音楽が再生中の場合は情報受信部107にて画像情報(時間情報が更新されたもの)を随時受信する一方、音楽が一時停止中の場合は、ソフトキーが更新されたタイミング以外では情報受信部107にて画像情報を受信しない。そこで、操作判定部121は、情報受信部107にて画像情報を随時受信しているか否かを確認することにより、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作か否かを判定するようにしてもよい。
【0094】
以上詳しく説明したように、第2の実施形態では、外部機器200から車載機100に送信される画像情報に基づいてソフトキーが表示された状態のタッチパネル102が押下されたときに、その押下に応じて外部機器200から車載機100に送信される画像情報に基づいて、当該タッチパネル102の押下が、ソフトキーの一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作であるか否かを判定する。そして、一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作に該当すると判定された場合に、ハードキー101である再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を再生開始受付中または一時停止受付中の状態に遷移させるようにしている。
【0095】
このように構成した第2の実施形態においても第1の実施形態と同様に、音楽の再生開始および一時停止という複数の機能が割り当てられた1つのハードキー101(再生・一時停止ボタン11)が実際に操作されていなくても、当該再生・一時停止ボタン11に対応するソフトキー(一時停止ボタン12または再生ボタン13)が押下されると、そのことが操作判定部121により検知され、再生・一時停止ボタン11の機能受付状態が状態遷移部112により遷移される。
【0096】
そのため、外部機器200から車載機100に送られてくる画像情報に基づいてソフトキーが表示されるために、タッチパネル102の押下位置からソフトキーが操作されたか否かを直ちに把握できない場合であっても、再生・一時停止ボタン11に対応するソフトキーが押下されたことを確実に検出して、当該再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を常に正しい状態に遷移させることができる。これにより、ハードキー(再生・一時停止ボタン11)を操作してもソフトキー(一時停止ボタン12または再生ボタン13)を操作しても、常に正しい動作を外部機器200に実行させることができる。
【0097】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図面に基づいて説明する。図7は、第3の実施形態による動作制御装置を備えたシステム全体の機能構成例を示すブロック図である。なお、この図7において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0098】
図7に示すように、第3の実施形態では、外部機器200は動作状態情報生成部207を更に備えている。また、車載機100は操作判定部111の代わりに操作判定部131を備えている。
【0099】
動作状態情報生成部207は、動作実行部204の動作状態(音楽の再生動作中または一時停止中)を表す動作状態情報を生成し、情報送信部206に供給する。情報送信部206は、動作実行部204から供給される音声情報および画像生成部205から供給される画像情報に加えて、動作状態情報生成部207から供給される動作状態情報を車載機100に送信する。
【0100】
車載機100の操作判定部131は、情報送信部206が押下位置情報を外部機器200に送信した結果として外部機器200から送られてくる動作状態情報に基づいて、タッチパネル102の押下が、一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作か否かを判定する。
【0101】
すなわち、外部機器200から送られてくる動作状態情報により、音楽の再生動作中であることが示されている場合、操作判定部131は、タッチパネル102の押下が再生ボタン13の操作であったと判定する。一方、外部機器200から送られてくる動作状態情報により、音楽の一時停止中であることが示されている場合、操作判定部131は、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12の操作であったと判定する。
【0102】
以上詳しく説明したように、第3の実施形態では、外部機器200から車載機100に送信される画像情報に基づいてソフトキーが表示された状態のタッチパネル102が押下されたときに、その押下に応じて外部機器200から車載機100に送信される動作状態情報に基づいて、当該タッチパネル102の押下が、ソフトキーの一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作であるか否かを判定する。そして、一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作に該当すると判定された場合に、ハードキー101である再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を再生開始受付中または一時停止受付中の状態に遷移させるようにしている。
【0103】
このように構成した第3の実施形態においても第1の実施形態と同様に、音楽の再生開始および一時停止という複数の機能が割り当てられた1つのハードキー101(再生・一時停止ボタン11)が実際に操作されていなくても、当該再生・一時停止ボタン11に対応するソフトキー(一時停止ボタン12または再生ボタン13)が押下されると、そのことが操作判定部131により検知され、再生・一時停止ボタン11の機能受付状態が状態遷移部112により遷移される。
【0104】
そのため、外部機器200から車載機100に送られてくる画像情報に基づいてソフトキーが表示されるために、タッチパネル102の押下位置からソフトキーが操作されたか否かを直ちに把握できない場合であっても、再生・一時停止ボタン11に対応するソフトキーが押下されたことを確実に検出して、当該再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を常に正しい状態に遷移させることができる。これにより、ハードキー(再生・一時停止ボタン11)を操作してもソフトキー(一時停止ボタン12または再生ボタン13)を操作しても、常に正しい動作を外部機器200に実行させることができる。
【0105】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態を図面に基づいて説明する。図8は、第4の実施形態による動作制御装置を備えたシステム全体の機能構成例を示すブロック図である。なお、この図8において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0106】
図8に示すように、第4の実施形態では、車載機100は操作判定部111の代わりに操作判定部141を備えている。また、第4の実施形態では、車載機100は表示位置演算部142および表示位置記憶部143を更に備えている。また、外部機器200は画像生成部205の代わりに画像生成部215を備えている。
【0107】
画像生成部215は、車載機100のタッチパネル102に表示すべき画像情報を生成して情報送信部206に供給する。また、画像生成部215は、生成した画像情報に含まれるソフトキーとその位置を示すソフトキー情報をコマンド発行部203に出力するとともに、ソフトキー位置情報を情報送信部206に出力する。情報送信部206は、動作実行部204から供給される音声情報と、画像生成部205から供給される画像情報およびソフトキー位置情報とを車載機100に送信する。
【0108】
車載機100の情報受信部107は、外部機器200から送信される音声情報および画像情報に加え、ソフトキー位置情報を受信する。表示位置演算部142は、情報受信部107で受信されるソフトキー位置情報(座標情報)を、一時停止ボタン12または再生ボタン13のソフトキーが表示されるタッチパネル102上の位置を示す表示位置情報(座標情報)に変換して表示位置記憶部143に記憶させる。
【0109】
ここで、表示位置演算部142は、画像上の位置情報(座標情報)とタッチパネル102上の位置情報(座標情報)との対応関係を示す情報をあらかじめ保持しており、この情報に基づいてソフトキー位置情報から表示位置情報への演算を行う。なお、上述したように、画像出力部108は、画像上の位置情報(座標情報)とタッチパネル102上の位置情報(座標情報)との対応関係を示す情報をあらかじめ保持している。表示位置演算部142は、この情報を参照して表示位置情報の演算を行うようにしてもよい。
【0110】
操作判定部141は、表示位置記憶部143に記憶されている表示位置情報および押下位置検出部105により検出された押下位置情報(情報送信部106が外部機器200に送信した押下位置情報)に基づいて、タッチパネル102の押下が、一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作か否かを判定する。
【0111】
すなわち、操作判定部141は、押下位置検出部105により検出された押下位置情報により示されるタッチパネル102の押下位置が、表示位置記憶部143に記憶されている表示位置情報により示されるタッチパネル102上におけるソフトキー(一時停止ボタン12または再生ボタン13)の表示位置に該当する場合に、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作であると判定する。
【0112】
図9および図10は、第4の実施形態による動作制御装置を備えたシステムの動作例を示すフローチャートである。なお、図9に示すフローチャートは、車載機100と外部機器200とを接続して、外部機器200での音楽再生を行うことを車載機100から指示したとき(例えば、音楽再生のためのアプリケーションを起動したとき)に開始する。図9に示す処理の開始時点において、機能受付状態管理部104は、再生・一時停止ボタン11を再生開始受付中の状態に初期設定しているものとする。
【0113】
図9において、まず外部機器200の画像生成部215は、ソフトキーの1つとして再生ボタン13を含む初期画像情報およびソフトキー位置情報を生成する(ステップS31)。情報送信部206は、この初期画像情報およびソフトキー位置情報を車載機100に送信する(ステップS32)。車載機100では、外部機器200から送られてくる初期画像情報を情報受信部107が受信し、画像出力部108がタッチパネル102に表示させる(ステップS33)。
【0114】
また、表示位置演算部142は、情報受信部107で受信されたソフトキー位置情報を、一時停止ボタン12または再生ボタン13のソフトキーが表示されるタッチパネル102上の位置を示す表示位置情報に変換し(ステップS34)、当該表示位置情報を表示位置記憶部143に記憶させる(ステップS35)。
【0115】
初期画像情報がタッチパネル102に表示された状態で、コマンド発行部103は、ハードキー101がユーザにより操作されたか否かを判定する(ステップS36)。コマンド発行部103は、ユーザによりハードキー101が操作されたと判断した場合、操作されたハードキー101に対応する動作指示コマンドを発行し、情報送信部106に供給する(ステップS37)。
【0116】
操作されたハードキー101が再生・一時停止ボタン11である場合、コマンド発行部103は、機能受付状態管理部104にて管理されている現在の機能受付状態に基づいて、再生開始コマンドまたは一時停止コマンドの何れかを発行する。なお、初期画像情報が表示されている状態で再生・一時停止ボタン11が操作された場合は、機能受付状態管理部104は再生開始受付中の状態に設定されているので、コマンド発行部103は再生開始コマンドを発行する。
【0117】
また、コマンド発行部103は、再生・一時停止ボタン11が押下されたことを機能受付状態管理部104に通知する。この通知を受けて機能受付状態管理部104は、再生・一時停止ボタン11を再生開始受付中または一時停止受付中の状態に遷移させる(ステップS38)。なお、初期画像情報が表示されている状態で再生・一時停止ボタン11が操作された場合は、機能受付状態管理部104は、再生・一時停止ボタン11を再生開始受付中から一時停止受付中の状態に遷移させる。
【0118】
次に、情報送信部106は、コマンド発行部103から供給された動作指示コマンドを外部機器200に送信する(ステップS39)。外部機器200では、情報受信部201が車載機100から動作指示コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS40)。ここで、情報受信部201にて動作指示コマンドを受信していない場合、外部機器200の処理は図10のステップS54に進む。一方、情報受信部201で動作指示コマンドを受信した場合、コマンド通知部202はその動作指示コマンドを動作実行部204に通知する(ステップS41)。
【0119】
動作実行部204は、コマンド通知部202から通知された動作指示コマンドに従って、当該動作指示コマンドに応じた動作(音楽の再生または一時停止などの動作)を実行する(ステップS42)。動作実行部204は、音楽の再生動作を実行した場合は、その音楽再生により生成した音声情報を情報送信部206に出力する。
【0120】
画像生成部215は、車載機100のタッチパネル102に表示すべき画像情報を生成する(ステップS43)。ここで、動作実行部204により音楽の再生動作が行われているときは、画像生成部215はソフトキーとして一時停止ボタン12を含む画像情報を生成する。また、動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、画像生成部215はソフトキーとして再生ボタン13を含む画像情報を生成する。そして、画像生成部215は、生成した画像情報を情報送信部206に出力する。
【0121】
情報送信部206は、動作実行部204から供給される音声情報および画像生成部215から供給される画像情報を車載機100に送信する(ステップS44)。ここで、動作実行部204により音楽の再生動作が行われているときは、情報送信部206は音声情報および画像情報を車載機100に送信する。一方、動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、情報送信部206は画像情報だけを車載機100に送信する。なお、画像情報については、画像生成部215により生成されたタイミングで車載機100に送信する。
【0122】
次に、動作実行部204は、音楽の再生が終了したか否かを判定する(ステップS45)。音楽の再生が終了した場合は、図9に示すフローチャートの処理を終了する。一方、音楽の再生がまだ終了していない場合、外部機器200の処理はステップS40に戻る。
【0123】
上記ステップS39で情報送信部106が動作指示コマンドを外部機器200に送信した後、車載機100では、外部機器200から送られてくる音声情報および画像情報を情報受信部107にて受信する(ステップS46)。なお、外部機器200の動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、情報受信部107は画像情報だけを受信する。
【0124】
画像出力部108は、情報受信部107により受信された画像情報をタッチパネル102に表示させる(ステップS47)。また、音声出力部109は、情報受信部107により音声情報が受信された場合は、その音声情報をスピーカ110に出力する(ステップS48)。その後、車載機100の処理はステップS36に戻る。
【0125】
ステップS36において、ユーザによりハードキー101が操作されていないとコマンド発行部103にて判断した場合、押下位置検出部105は、タッチパネル102がユーザにより押下されたか否かを判定する(ステップS49)。ここで、タッチパネル102が押下されていないと判断した場合、車載機100の処理はステップS36に戻る。一方、タッチパネル102が押下されたと判断した場合、車載機100の処理は図10のステップS50に進む。
【0126】
ステップS50において、押下位置検出部105は、押下されたタッチパネル102上の位置を検出する。さらに、押下位置検出部105は、検出したタッチパネル102上の押下位置情報を、タッチパネル102に表示されている画像上の押下位置情報に変換する。そして、押下位置検出部105は、このようにして生成した画像上の押下位置情報を情報送信部106に供給するとともに、タッチパネル20上の押下位置情報を操作判定部141に供給する。
【0127】
操作判定部141は、図9のステップS35で表示位置記憶部143に記憶された表示位置情報および、図10のステップS50で押下位置検出部105により検出された押下位置情報に基づいて、タッチパネル102の押下が、一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作か否かを判定する(ステップS51)。
【0128】
状態遷移部112は、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12あるいは再生ボタン13の操作であると操作判定部141により判定された場合に、再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を遷移させる(ステップS52)。すなわち、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12の操作であると操作判定部141により判定された場合、状態遷移部112は、機能受付状態管理部104にて管理されている再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を、一時停止受付中から再生開始受付中へと遷移させる。一方、タッチパネル102の押下が再生ボタン13の操作であると操作判定部141により判定された場合、状態遷移部112は、機能受付状態管理部104にて管理されている再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を、再生開始受付中から一時停止受付中へと遷移させる。
【0129】
その後、情報送信部106は、押下位置検出部105により検出された押下位置情報を外部機器200に送信する(ステップS53)。外部機器200では、情報受信部201が車載機100から押下位置情報を受信したか否かを判定する(ステップS54)。ここで、情報受信部201にて押下位置情報を受信していない場合、外部機器200の処理は図9のステップS40に戻る。一方、情報受信部201にて押下位置情報を受信した場合、情報受信部201はその押下位置情報をコマンド発行部203に供給する。
【0130】
コマンド発行部203は、情報受信部201から供給された押下位置情報に基づいて、タッチパネル102の押下位置(画像上の押下位置)に対応する動作指示コマンドを発行し、動作実行部204に通知する(ステップS55)。動作実行部204は、コマンド発行部203から通知された動作指示コマンドに従って、当該動作指示コマンドに応じた動作を実行する(ステップS56)。動作実行部204は、音楽の再生動作を実行した場合は、その音楽再生により生成した音声情報を情報送信部206に出力する。
【0131】
画像生成部215は、車載機100のタッチパネル102に表示すべき画像情報を生成する(ステップS57)。ここで、動作実行部204により音楽の再生動作が行われているときは、画像生成部215はソフトキーとして一時停止ボタン12を含む画像情報を生成する。また、動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、画像生成部215はソフトキーとして再生ボタン13を含む画像情報を生成する。そして、画像生成部215は、生成した画像情報を情報送信部206に出力する。
【0132】
情報送信部206は、動作実行部204から供給される音声情報および画像生成部215から供給される画像情報を車載機100に送信する(ステップS58)。ここで、動作実行部204により音楽の再生動作が行われているときは、情報送信部206は音声情報および画像情報を車載機100に送信する。一方、動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、情報送信部206は画像情報だけを車載機100に送信する。なお、画像情報については、画像生成部215により生成されたタイミングで車載機100に送信する。
【0133】
次に、動作実行部204は、音楽の再生が終了したか否かを判定する(ステップS59)。音楽の再生が終了した場合は、図10に示すフローチャートの処理を終了する。一方、音楽の再生がまだ終了していない場合、外部機器200の処理は図9のステップS40に戻る。
【0134】
上記ステップS53で情報送信部106が押下位置情報を外部機器200に送信した後、車載機100では、外部機器200から送られてくる音声情報および画像情報を情報受信部107にて受信する(ステップS60)。なお、外部機器200の動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、情報受信部107は画像情報だけを受信する。
【0135】
画像出力部108は、情報受信部107により受信された画像情報をタッチパネル102に表示させる(ステップS61)。また、音声出力部109は、情報受信部107により音声情報が受信された場合は、その音声情報をスピーカ110に出力する(ステップS62)。
【0136】
なお、以上のフローチャートでは、外部機器200にて初期画像情報を生成して車載機100に送信する最初のタイミングにおいてのみ、画像情報とともにソフトキー位置情報を車載機100に送信し、車載機100においてタッチパネル102の表示位置情報に変換して表示位置記憶部143に記憶させている。これは、一時停止ボタン12および再生ボタン13が、画像情報内の全く同じ位置に交互に切り替えて表示されるため、ソフトキー位置情報が固定でよいからである。
【0137】
仮に、一時停止ボタン12の位置と再生ボタン13の位置とを異ならせた画像情報を生成するのであれば、画像生成部215にて画像情報を生成するたびにソフトキー位置情報も車載機100に送信し、車載機100にてソフトキー位置情報から生成した表示位置情報を表示位置記憶部143に都度記憶させるようにすればよい。
【0138】
以上詳しく説明したように、第4の実施形態では、ソフトキーとしての一時停止ボタン12および再生ボタン13がタッチパネル102上で表示される位置を表す表示位置情報をあらかじめ車載機100の表示位置記憶部143に記憶しておく。そして、押下位置検出部105により検出されたタッチパネル102の押下位置が、表示位置記憶部143に記憶されているタッチパネル102上のソフトキーの表示位置に該当する場合に、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作であると判定する。そして、一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作に該当すると判定された場合に、再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を再生開始受付中または一時停止受付中の状態に遷移させるようにしている。
【0139】
このように構成した第4の実施形態においても第1の実施形態と同様に、音楽の再生開始および一時停止という複数の機能が割り当てられた1つのハードキー101(再生・一時停止ボタン11)が実際に操作されていなくても、当該再生・一時停止ボタン11に対応するソフトキー(一時停止ボタン12または再生ボタン13)が押下されると、そのことが操作判定部141により検知され、再生・一時停止ボタン11の機能受付状態が状態遷移部112により遷移される。
【0140】
そのため、外部機器200から車載機100に送られてくる画像情報に基づいてソフトキーが表示されるために、タッチパネル102の押下位置からソフトキーが操作されたか否かを直ちに把握できない場合であっても、再生・一時停止ボタン11に対応するソフトキーが押下されたことを確実に検出して、当該再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を常に正しい状態に遷移させることができる。これにより、ハードキー(再生・一時停止ボタン11)を操作してもソフトキー(一時停止ボタン12または再生ボタン13)を操作しても、常に正しい動作を外部機器200に実行させることができる。
【0141】
また、第4の実施形態では、外部機器200で画像情報を生成したときに、その画像情報に含まれるソフトキーの位置を表すソフトキー位置情報を車載機100に送信している。そして、車載機100において、ソフトキー位置情報をタッチパネル102上の表示位置情報に変換して表示位置記憶部143に記憶させるようにしている。これにより、車載機100に接続する外部機器200によって、画像情報内に配置されるソフトキー(一時停止ボタン12または再生ボタン13)の位置が異なっていても、当該ソフトキーが操作されたことを正しく検出することができる。
【0142】
なお、上記第1〜第4の実施形態では、複数の機能が割り当てられた1つのハードキー101の例として再生・一時停止ボタン11を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、1つのミュートボタンでミュート機能のON/OFFを切り替える場合や、1つの電源ボタンで電源のON/OFFを切り替える場合などにも本発明を適用することが可能である。
【0143】
例えば、ハードキー101としては1つのミュートボタンが備えられているのに対し、ソフトキーとしてはミュートONボタンとミュートOFFボタンとが交互に切り替えて表示される場合に本発明を適用することが可能である。第1の実施形態を適用する場合、操作判定部111は、音声情報が出力状態から停止状態に変化したときは、タッチパネル102の押下はミュートONボタンの操作であると判定する。一方、音声情報が停止状態から出力状態に変化したときは、タッチパネル102の押下はミュートOFFボタンの操作であると判定する。
【0144】
また、上記第1〜第4の実施形態では、1つのアプリケーションの中で使われる複数の機能を1つのハードキー101に割り当てる場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、複数のアプリケーションの中で使われる複数の機能を1つのハードキー101に割り当てる場合にも本発明を適用することが可能である。例えば、上記第1〜第4の実施形態で説明した音楽再生用のアプリケーションと、ルート案内を行うナビゲーション用のアプリケーションとを外部機器200が備えている場合に、音楽の再生機能とナビゲーション地図上での現在地表示機能とを1つのハードキー101に割り当てるなどの態様が考えられる。このような場合にも、本発明を適用することが可能である。
【0145】
その他、上記第1〜第4の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0146】
100 車載機
101 ハードキー
102 タッチパネル
103 コマンド発行部
104 機能受付状態管理部
105 押下位置検出部
106 情報送信部
107 情報受信部
111,121,131,141 操作判定部
112 状態遷移部
142 表示位置演算部
143 表示位置記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載機に接続された外部機器の動作制御装置および動作制御方法に関し、特に、車載機のタッチパネルに表示されたソフトキーまたは車載機に備えられたハードキーの何れかの操作に応じて、車載機に接続された外部機器の動作を制御する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車載機に外部機器を接続して、外部機器が備える機能を車載機で利用可能にする技術が提供されている。例えば、外部機器として携帯型デジタル音楽プレイヤーを車載機に接続し、携帯型デジタル音楽プレイヤーに蓄積されている音楽を車載機にて再生可能にした技術が提供されている。また、携帯電話の機能と携帯情報端末(PDA)の機能とを融合させた携帯端末(いわゆるスマートフォン)を車載機に接続し、スマートフォンにインストールされたアプリケーションの機能を車載機にて利用可能にした技術も提供されている。
【0003】
このように、外部機器の機能を車載機で利用する場合、外部機器の動作を車載機側から制御することが可能になされている。例えば、外部機器に蓄積されている音楽を車載機にて再生する場合、音楽の再生開始、再生停止、一時停止などの動作を車載機側から制御することが可能である。その動作制御の指示は、車載機に備えられたハードキー(再生ボタン、停止ボタン、一時停止ボタン等)を操作することによって行うことが可能である。
【0004】
例えば、車載機の再生ボタンが押下されると、車載機は外部機器に再生開始コマンドを送信する。外部機器では、車載機から送られてきた再生開始コマンドに基づいて、音楽の再生動作を実行する。そして、再生された音楽の音声データが車載機に送信され、車載機のスピーカから再生音声が出力される。また、音楽の再生中に車載機の一時停止ボタンが押下されると、車載機は外部機器に一時停止コマンドを送信する。外部機器では、車載機から送られてきた一時停止コマンドに基づいて、音楽の一時停止動作を実行する。
【0005】
また、車載機のタッチパネル付き表示装置(以下、単にタッチパネルという)に再生開始、再生停止、一時停止などのソフトキーを表示させるようにした場合には、ハードキーまたはソフトキーの何れかの操作によって、車載機側から外部機器の動作制御の指示を行うことが可能である。なお、特許文献1には、ハードキーを用いて操作する第1のモードと、ソフトキーを用いて操作する第2のモードとを有し、第1のモード設定時におけるソフトキーの操作および第2のモード設定時におけるハードキーの操作を禁止する技術が開示されている。
【0006】
車載機のタッチパネルにソフトキーを表示させる方法として、当該ソフトキーを含む画像情報を外部機器から車載機に送信し、当該画像情報をタッチパネルに表示させる方法がある。この方法では、車載機ではタッチパネル上のどの位置にどのソフトキーが存在するのかを把握できない。すなわち、タッチパネルに表示された何れかのソフトキーが押下された場合、押下された位置は特定できるが、どのソフトキーが押下されたのかは特定できない。そのため車載機は、押下された位置を表す押下位置情報を外部機器に送信する。外部機器では、車載機から送られてきた押下位置情報に基づいて、どのソフトキーが押下されたのかを特定し、特定したソフトキーに対応する動作を実行する。
【0007】
ところで、車載機では、ハードキーの配置スペースを節約することなどを目的として、再生開始ボタンと一時停止ボタンとを1つのボタン(再生・一時停止ボタン)で兼用することが少なくない。この場合、再生・一時停止ボタンが押下されるたびに、再生開始および一時停止の動作が交互に実行される。また、その実行状態の変化に合わせて、再生・一時停止ボタンがどちらの動作を受付中かの状態も交互に遷移する。
【0008】
すなわち、初期状態では、車載機の再生・一時停止ボタンは再生開始受付中の状態にあり、この状態で再生・一時停止ボタンが押下されると、外部機器で音楽の再生が開始されるとともに、再生・一時停止ボタンは一時停止受付中の状態に遷移する。この状態で再生・一時停止ボタンが押下されると、外部機器で音楽の再生が一時停止されるとともに、再生・一時停止ボタンは再生開始受付中の状態に遷移する。以降、再生・一時停止ボタンが押下されるたびにこの動作が繰り返される。
【0009】
車載機のタッチパネルに表示されるソフトキーについても、ソフトキーの表示スペースを節約することなどを目的として、再生ボタンと一時停止ボタンとを同じ位置に交互に切り替えて表示することが少なくない。すなわち、初期状態では再生ボタンが表示され、当該再生ボタンが押下されると、外部機器で音楽の再生が開始されるとともに、再生ボタンの代わりに一時停止ボタンが表示される。この状態で一時停止ボタンが押下されると、外部機器で音楽の再生が一時停止されるとともに、一時停止ボタンの代わりに再生ボタンが表示される。以降、再生ボタンおよび一時停止ボタンが押下されるたびにこの動作が繰り返される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−52643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述したように、車載機のタッチパネルにソフトキーを表示させた場合、ハードキーまたはソフトキーのどちらを操作しても、車載機側から外部機器の動作制御の指示を行うことが可能である。しかしながら、ハードキーとして再生・一時停止ボタンを備えた車載機に対して、ソフトキーを含む画像情報を外部機器から送信することによってソフトキーをタッチパネルに表示させるようにした場合には、以下のような不具合が発生する問題があった。
【0012】
図11は、従来の不具合を説明するための図である。図11(a)は、車載機の再生・一時停止ボタン11が押下されて音楽を再生中の状態を示している。このとき、ハードキーとしての再生・一時停止ボタン11は、一時停止受付中の状態となっている。また、タッチパネル上のソフトキーの1つとして、一時停止ボタン12が表示されている。すなわち、外部機器が車載機から再生開始コマンドを受けて、一時停止ボタン12を含む画像情報を外部機器が生成し、当該画情報像を外部機器から車載機に送信した結果として、一時停止ボタン12が表示されている。
【0013】
この状態でソフトキーの一時停止ボタン12が押下されると、車載機は、押下された位置を表す押下位置情報を外部機器に送信する。外部機器では、車載機から送られてきた押下位置情報に基づいて、一時停止ボタン12が押下されたことを確認し、一時停止動作を実行する。また、外部機器は、ソフトキーの1つとして再生ボタン13を含む画像情報を生成し、当該画像情報を車載機に送信する。図11(b)は、外部機器から送られてきた画像情報を車載機のタッチパネルに表示した状態を示している。すなわち、タッチパネルにはソフトキーの1つとして、一時停止ボタン12の代わりに再生ボタン13が表示されている。
【0014】
図11(b)に示す音楽の一時停止中においては、ソフトキーとしては再生ボタン13が正しく表示されているものの、ハードキーとしての再生・一時停止ボタン11は、あいかわらず一時停止受付中の状態となっている。図11(a)の状態でタッチパネル上の一時停止ボタン12が押下されても、車載機では押下された位置を把握できるのみで、一時停止ボタン12が押下されたということまでは特定できないからである。
【0015】
そのため、図11(b)に示す一時停止中の状態で再生・一時停止ボタン11が押下されると、既に一時停止中の状態であるにもかかわらず車載機から外部機器に一時停止コマンドが送信されてしまう。この場合、再生・一時停止ボタン11を押下しているのに何ら動作状態が変化しないという異常が発生する。すなわち、ユーザが音楽再生を再開させるつもりで再生・一時停止ボタン11を押下したにもかかわらず、一時停止中のままで音楽再生が開始されず、図11(c)に示すようにソフトキーの表示も再生ボタン13の表示から何ら変化しないという問題があった。
【0016】
なお、このような問題が生じるのは、1つの再生・一時停止ボタン11で再生開始と一時停止とを切り替える場合に限らない。例えば、1つのミュートボタンでミュート機能のON/OFFを切り替える場合や、1つの電源ボタンで電源のON/OFFを切り替える場合など、1つのハードキーに複数の機能を割り当てて押下のたびに動作を切り替える場合には同様の問題が発生する。
【0017】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、1つのハードキーに複数の機能を割り当てるとともに、外部機器から送信される画像情報に基づいて複数の機能に対応するソフトキーを交互に切り替えてタッチパネル上に表示するようになされた車載機において、ハードキーを操作してもソフトキーを操作しても常に正しい動作を外部機器に実行させることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記した課題を解決するために、本発明では、外部機器から車載機に送信された画像情報に基づいてソフトキーが表示された状態のタッチパネルが押下されたときに、当該タッチパネルの押下が、1つのハードキーに割り当てられた複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作か否かを判定し、当該ソフトキーの操作に該当すると判定された場合に、1つのハードキーの機能受付状態を遷移させるようにしている。
【発明の効果】
【0019】
上記のように構成した本発明によれば、複数の機能が割り当てられた1つのハードキーが実際に操作されていなくても、当該1つのハードキーに対応するソフトキーが押下されると、そのことが操作判定部により検知され、1つのハードキーの機能受付状態が状態遷移部により遷移される。そのため、外部機器から車載機に送られてくる画像情報に基づいてソフトキーが表示されるために、タッチパネルの押下位置からソフトキーが操作されたか否かを直ちに把握できない場合であっても、1つのハードキーに対応するソフトキーが押下されたことを確実に検出して、当該1つのハードキーの機能受付状態を常に正しい状態に遷移させることができる。これにより、ハードキーを操作してもソフトキーを操作しても、常に正しい動作を外部機器に実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施形態による動作制御装置を備えたシステム全体の機能構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態によるソフトキーの表示状態およびハードキーの機能受付状態の遷移を示す図である。
【図3】第1の実施形態による動作制御装置を備えたシステムの動作例を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態による動作制御装置を備えたシステムの動作例を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態による動作制御装置を備えたシステム全体の機能構成例を示すブロック図である。
【図6】第2の実施形態による画像認識の対象とする画像情報の変形例を示す図である。
【図7】第3の実施形態による動作制御装置を備えたシステム全体の機能構成例を示すブロック図である。
【図8】第4の実施形態による動作制御装置を備えたシステム全体の機能構成例を示すブロック図である。
【図9】第4の実施形態による動作制御装置を備えたシステムの動作例を示すフローチャートである。
【図10】第4の実施形態による動作制御装置を備えたシステムの動作例を示すフローチャートである。
【図11】従来の不具合を説明するための図であり、ソフトキーの表示状態およびハードキーの機能受付状態の遷移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態による動作制御装置を備えたシステム全体の機能構成例を示すブロック図である。当該システムは、車載機100と外部機器200とを有線または無線により接続して成る。外部機器200は、例えば音楽再生機能を備えたスマートフォンであるとする。
【0022】
車載機100は、ハードキー101およびタッチパネル102を備えている。ハードキー101の1つとして、音楽の再生開始および一時停止を交互に指示するための再生・一時停止ボタン11が設けられている。すなわち、再生開始および一時停止といった複数の機能が1つの再生・一時停止ボタン11に割り当てられている。なお、ハードキー101には再生・一時停止ボタン11の他にも再生停止ボタンやスキップボタン等があるが、本実施形態の説明において特に関係があるのは再生・一時停止ボタン11である。
【0023】
タッチパネル102には、外部機器200から送信される画像情報に基づいてソフトキーが表示されるようになっている。ソフトキーには一時停止ボタン12や再生ボタン13があり、これらはボタンが押下されるごとに交互に切り替えて表示される。なお、ソフトキーには他に再生停止ボタンやスキップボタン等があるが、本実施形態の説明において特に関係があるのは一時停止ボタン12および再生ボタン13である。
【0024】
車載機100は、その機能構成として、コマンド発行部103、機能受付状態管理部104、押下位置検出部105、情報送信部106、情報受信部107、画像出力部108、音声出力部109、操作判定部111および状態遷移部112を備えている。これらの機能構成は、実際にはコンピュータのCPUあるいはMPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。
【0025】
また、外部機器200は、その機能構成として、情報受信部201、コマンド通知部202、コマンド発行部203、動作実行部204、画像生成部205および情報送信部206を備えている。これらの機能構成も、実際にはコンピュータのCPUあるいはMPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。
【0026】
なお、上記プログラムを記録する記録媒体としては、CD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光ディスク、光磁気ディスク、DVD、不揮発性メモリカード等を用いることができる。また、上記プログラムをインターネット等のネットワークを介して車載機100や外部機器200にダウンロードするようにしてもよい。
【0027】
本実施形態の動作制御装置は、車載機100に備えられ、ハードキー101またはタッチパネル102上のソフトキーの何れかの操作に応じて外部機器200の動作を制御するものである。図1に示す車載機100の機能構成のうち、情報送信部106、情報受信部107、操作判定部111および状態遷移部112により本実施形態の動作制御装置が構成される。
【0028】
車載機100のコマンド発行部103は、ユーザにより操作されたハードキー101が何であるかを判定し、操作されたハードキー101に対応する動作指示コマンドを発行する。例えば、ユーザにより再生・一時停止ボタン11が操作されたときは、再生開始コマンドまたは一時停止コマンドの何れかを発行する。どちらのコマンドを発行するかは、機能受付状態管理部104により管理されている現在の機能受付状態に基づいて判断する。
【0029】
機能受付状態管理部104は、初期状態では、再生・一時停止ボタン11を再生開始受付中の状態に設定している。この状態で再生・一時停止ボタン11が押下されると、コマンド発行部103は、機能受付状態管理部104にて管理されている現在の機能受付状態に基づいて、再生開始コマンドを発行する。このとき、機能受付状態管理部104は、再生・一時停止ボタン11が押下されたことを知らせる通知をコマンド発行部103から受けて、再生・一時停止ボタン11を一時停止受付中の状態に遷移させる。
【0030】
この状態でさらに再生・一時停止ボタン11が押下されると、コマンド発行部103は、機能受付状態管理部104にて管理されている現在の機能受付状態に基づいて、一時停止コマンドを発行する。このとき、機能受付状態管理部104は、再生・一時停止ボタン11が押下されたことを知らせる通知をコマンド発行部103から受けて、再生・一時停止ボタン11を再生開始受付中の状態に遷移させる。
【0031】
押下位置検出部105は、タッチパネル102が押下されたときに、押下されたタッチパネル102上の位置を検出する。さらに、押下位置検出部105は、検出したタッチパネル102上の押下位置情報を、タッチパネル102に表示されている画像中のどこが押下されたのかを示す押下位置情報に変換する。なお、押下位置検出部105は、タッチパネル102上の位置情報(座標情報)と画像上の位置情報(座標情報)との対応関係を示す情報をあらかじめ保持しており、この情報に基づいて押下位置情報の変換を行う。
【0032】
なお、押下位置検出部105がタッチパネル102上の押下位置情報を画像上の押下位置情報に変換するのは、外部機器200においてタッチパネル102上の位置情報(座標情報)と画像上の位置情報(座標情報)との対応関係を把握していないからである。仮に、この対応関係を示す情報を外部機器200に記憶させるようにすれば、押下位置検出部11による上述のような押下位置情報の変換は必須の処理ではなくなる。よって、特許請求の範囲の位置情報送信部が送信する押下位置情報は、タッチパネル102上の押下位置情報であってもよいし、画像上の押下位置情報であってもよい。
【0033】
情報送信部106は、コマンド発行部103により発行された動作指示コマンド(再生開始コマンドや一時停止コマンドなど)または押下位置検出部105により検出された押下位置情報を、外部機器200の動作を制御するための情報として外部機器200に送信する。この情報送信部106は、特許請求の範囲の位置情報送信部に相当する。
【0034】
外部機器200の情報受信部201は、車載機100の情報送信部106により送信された動作指示コマンドまたは押下位置情報を受信する。情報受信部201は、動作指示コマンドを受信した場合には、当該動作指示コマンドをコマンド通知部202に出力する。また、情報受信部201は、押下位置情報を受信した場合には、当該押下位置情報をコマンド発行部203に出力する。
【0035】
コマンド通知部202は、情報受信部201から供給された動作指示コマンドを動作実行部204に通知する。動作実行部204は、コマンド通知部202から通知された動作指示コマンドに従って、当該動作指示コマンドに応じた動作を実行する。すなわち、動作指示コマンドが再生開始コマンドであった場合、動作実行部204は音楽の再生動作を実行する。また、動作指示コマンドが一時停止コマンドであった場合、動作実行部204は音楽の一時停止動作を実行する。動作実行部204は、音楽の再生により生成した音声情報を情報送信部206に出力する。
【0036】
コマンド発行部203は、情報受信部201から供給された押下位置情報に基づいて、タッチパネル102の押下位置(画像上の押下位置)に対応する動作指示コマンドを発行し、動作実行部204に通知する。タッチパネル102に表示される画像情報(ソフトキーを含む)は外部機器200が生成しているので、画像上におけるソフトキーの位置は外部機器200にて把握できている。したがって、コマンド発行部203は、タッチパネル102の押下位置が分かれば、どのソフトキーが押下されたのかを特定することができ、特定したソフトキーに対応する動作指示コマンドを発行することができる。
【0037】
画像生成部205は、車載機100のタッチパネル102に表示すべき画像情報を生成する。そして、画像生成部205は、生成した画像情報を情報送信部206に出力する。画像生成部205が生成する画像情報には、一時停止ボタン12や再生ボタン13などのソフトキーが含まれる。なお、一時停止ボタン12と再生ボタン13は、動作実行部204による動作の実行状態に応じて交互に切り替えられる。
【0038】
すなわち、動作実行部204により音楽の再生動作が行われているときは、画像生成部205はソフトキーとして一時停止ボタン12を含む画像情報を生成する。また、動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、画像生成部205はソフトキーとして再生ボタン13を含む画像情報を生成する。なお、画像生成部205は、画像情報を常に生成している必要はなく、少なくとも、動作実行部204の動作状態が切り替わったときに生成すればよい。
【0039】
また、画像生成部205は、画像情報に含まれるソフトキーとその位置を示すソフトキー情報を生成し、コマンド発行部203に通知する。コマンド発行部203は、画像生成部205から通知されたソフトキー情報を、次に新たなソフトキー情報が通知されるまで保持しておく。コマンド発行部203は、情報受信部201から供給される押下位置情報と、画像生成部205から供給されて保持しておいたソフトキー情報とに基づいて、押下位置に対応するソフトキーを特定し、特定したソフトキーに対応する動作指示コマンドを発行する。
【0040】
情報送信部206は、動作実行部204から供給される音声情報および画像生成部205から供給される画像情報を車載機100に送信する。動作実行部204により音楽の再生が行われているときは、動作実行部204から情報送信部206に対して音声情報が常に供給されている。よって、情報送信部206は、その音声情報を常に車載機100に送信する。
【0041】
一方、画像情報については、動作実行部204の動作状態が音楽の再生から一時停止またはその逆へと切り替わったときに、ソフトキーを切り替えたものが画像生成部205により生成され、情報送信部206に供給される。よって、情報送信部206は、動作実行部204の動作状態が切り替わったときに、画像生成部205から供給される画像情報を車載機100に送信する。
【0042】
車載機100の情報受信部107は、外部機器200の情報送信部206により送信された音声情報および画像情報を受信する。情報受信部107は、受信した画像情報を画像出力部108に供給する。画像出力部108は、情報受信部107から供給された画像情報をタッチパネル102に出力することにより、ソフトキーを含む画像情報をタッチパネル102に表示させる。なお、画像出力部108は、タッチパネル102上の位置情報(座標情報)と画像上の位置情報(座標情報)との対応関係を示す情報をあらかじめ保持しており、この情報に基づいて画像情報をタッチパネル102の画面に展開して表示させる。
【0043】
また、情報受信部107は、受信した音声情報を音声出力部109および操作判定部111に供給する。音声出力部109は、情報受信部107から供給された音声情報をスピーカ110に出力することにより、音楽の再生音声をスピーカ110から放音させる。
【0044】
操作判定部111は、タッチパネル102の押下に応じて情報送信部106が押下位置情報を外部機器200に送信した結果として外部機器200から送られてくる音声情報の状態の変化に基づいて、タッチパネル102の押下が、再生・一時停止ボタン11という1つのハードキー101に割り当てられた複数の機能の1つ(再生開始機能または一時停止機能の何れか)を指定するためのソフトキー(一時停止ボタン12または再生ボタン13)の操作か否かを判定する。
【0045】
具体的には、操作判定部111は、音声情報が出力状態から停止状態に変化したとき、すなわち、情報受信部107が音声情報の受信状態から未受信状態に変化したときは、タッチパネル102の押下が、一時停止を指定するためのソフトキー(一時停止ボタン12)の操作であったと判定する。一方、操作判定部111は、音声情報が停止状態から出力状態に変化したとき、すなわち、情報受信部107が音声情報の未受信状態から受信状態に変化したときは、タッチパネル102の押下が、再生開始を指定するためのソフトキー(再生ボタン13)の操作であったと判定する。
【0046】
なお、ここでは、音声情報が出力状態から停止状態あるいは停止状態から出力状態へ変化したことを検出した場合に、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12あるいは再生ボタン13の操作であったと直ちに判定するようにしている。ただし、複数の音楽を連続再生する場合において音楽が切り替わる際にも、音声情報は出力状態から停止状態に切り替わり、ほんの短い時間後に出力状態に戻る。このような場合に一時停止ボタン12あるいは再生ボタン13の操作があったと誤判定することを防止するために、情報送信部106が押下位置情報を外部機器200に送信した場合にのみ(タッチパネル102が押下されたタイミングでのみ)、操作判定部111による判定を行うようにするのが好ましい。
【0047】
また、スキップボタンが押下された場合にも、音声情報は出力状態から停止状態に切り替わり、ほんの短い時間後に出力状態に戻る。したがって、このような場合に一時停止ボタン12あるいは再生ボタン13の操作があったと誤判定することを防止するための手段を講じるのが好ましい。そこで、音声情報が出力状態から停止状態あるいは停止状態から出力状態へ変化し、変化後の状態が所定時間継続したことを検出した場合に、一時停止ボタン12あるいは再生ボタン13の操作があったと判定するようにしてもよい。
【0048】
このようにすれば、スキップボタンが押下された場合だけでなく、連続再生される音楽が切り替わった場合における誤判定も防止することができる。なお、この場合の所定時間は、スキップ動作により次の音楽が再生されるまでにかかる無音時間や、連続再生時に次の音楽が再生されるまでにかかる無音時間よりも長い時間に設定する。
【0049】
なお、スキップボタンが長押しされた場合に、早送り動作または巻戻し動作を行うようにすることがある。この場合、スキップボタンが長押しされている間は音声情報が出力停止状態(無音状態)となる。そこで、操作判定部111の機能として、タッチパネル102上にソフトキーとして表示されたスキップボタンが長押しされている間は判定を行わないようにしてもよい。
【0050】
状態遷移部112は、タッチパネル102の押下がソフトキーの一時停止ボタン12あるいは再生ボタン13の操作であると操作判定部111により判定された場合に、1つのハードキーとして設けられた再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を遷移させる。
【0051】
すなわち、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12の操作であると操作判定部111により判定された場合、状態遷移部112は、機能受付状態管理部104にて管理されている再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を、一時停止受付中から再生開始受付中へと遷移させる。一方、タッチパネル102の押下が再生ボタン13の操作であると操作判定部111により判定された場合、状態遷移部112は、機能受付状態管理部104にて管理されている再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を、再生開始受付中から一時停止受付中へと遷移させる。
【0052】
図2は、第1の実施形態によるソフトキーの表示状態およびハードキーの機能受付状態の遷移を示す図である。図2(a)は、車載機100の再生・一時停止ボタン11が押下されて音楽を再生中の状態を示している。このとき、機能受付状態管理部104は、ハードキー101としての再生・一時停止ボタン11を一時停止受付中の状態に設定している。
【0053】
また、タッチパネル102上のソフトキーの1つとして、一時停止ボタン12が表示されている。すなわち、車載機100のコマンド発行部103により発行された再生開始コマンドを外部機器200が受けて、一時停止ボタン12を含む画像情報を画像生成部205が生成する。そして、当該画像情報を情報送信部206が車載機100に送信した結果として、ソフトキーの1つとして一時停止ボタン12を含む画像情報がタッチパネル102上に表示されている。
【0054】
この状態でソフトキーの一時停止ボタン12が押下されると、車載機100の情報送信部106は、押下された位置を表す押下位置情報を外部機器200に送信する。外部機器200では、コマンド発行部203が、車載機100から送られてきた押下位置情報に基づいて、一時停止ボタン12が押下されたことを確認し、一時停止コマンドを動作実行部204に発行する。そして、動作実行部204は、一時停止コマンドに従って一時停止動作を実行する。
【0055】
また、画像生成部205は、ソフトキーの1つとして再生ボタン13を含む画像情報を生成し、情報送信部206は当該画像情報を車載機100に送信する。図2(b)は、外部機器200から送られてきた画像情報を車載機100のタッチパネル102に表示した状態を示している。すなわち、タッチパネル102にはソフトキーの1つとして、一時停止ボタン12の代わりに再生ボタン13が表示されている。
【0056】
動作実行部204が一時停止動作を実行することにより、外部機器200の情報送信部206は音声情報を出力しない状態となり、車載機100の情報受信部107は音声情報の受信状態から未受信状態に変化する。操作判定部111は、この音声情報の状態の変化に基づいて、ソフトキーとしての一時停止ボタン12が押下されたと判定し、そのことを状態遷移部112に通知する。この通知を受けて状態遷移部112は、機能受付状態管理部104にて管理されている再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を、一時停止受付中から再生開始受付中へと遷移させる。
【0057】
その結果、図2(b)に示す一時停止中の状態で再生・一時停止ボタン11が押下されたときに、コマンド発行部103は外部機器200に対して正しい再生開始コマンドを送信することができる。これにより、外部機器200では動作実行部204が一時停止状態から動作状態へと正しく変化し、音楽の再生が開始される。また、図2(c)に示すように、ソフトキーの表示も再生ボタン13の表示から一時停止ボタン12の表示へと正しく変化する。
【0058】
図3および図4は、第1の実施形態による動作制御装置を備えたシステムの動作例を示すフローチャートである。なお、図3に示すフローチャートは、車載機100と外部機器200とを接続して、外部機器200での音楽再生を行うことを車載機100から指示したとき(例えば、音楽再生のためのアプリケーションを起動したとき)に開始する。図3に示す処理の開始時点において、機能受付状態管理部104は、再生・一時停止ボタン11を再生開始受付中の状態に初期設定しているものとする。
【0059】
図3において、まず外部機器200の画像生成部205は、ソフトキーの1つとして再生ボタン13を含む初期画像情報を生成する(ステップS1)。情報送信部206は、この初期画像情報を車載機100に送信する(ステップS2)。車載機100では、外部機器200から送られてくる初期画像情報を情報受信部107が受信し、画像出力部108がタッチパネル102に表示させる(ステップS3)。
【0060】
初期画像情報がタッチパネル102に表示された状態で、コマンド発行部103は、ハードキー101がユーザにより操作されたか否かを判定する(ステップS4)。コマンド発行部103は、ユーザによりハードキー101が操作されたと判断した場合、操作されたハードキー101に対応する動作指示コマンドを発行し、情報送信部106に供給する(ステップS5)。
【0061】
操作されたハードキー101が再生・一時停止ボタン11である場合、コマンド発行部103は、機能受付状態管理部104にて管理されている現在の機能受付状態に基づいて、再生開始コマンドまたは一時停止コマンドの何れかを発行する。なお、初期画像情報が表示されている状態で再生・一時停止ボタン11が操作された場合は、機能受付状態管理部104は再生開始受付中の状態に設定されているので、コマンド発行部103は再生開始コマンドを発行する。
【0062】
また、コマンド発行部103は、再生・一時停止ボタン11が押下されたことを機能受付状態管理部104に通知する。この通知を受けて機能受付状態管理部104は、再生・一時停止ボタン11を再生開始受付中または一時停止受付中の状態に遷移させる(ステップS6)。なお、初期画像情報が表示されている状態で再生・一時停止ボタン11が操作された場合は、機能受付状態管理部104は、再生・一時停止ボタン11を再生開始受付中から一時停止受付中の状態に遷移させる。
【0063】
次に、情報送信部106は、コマンド発行部103から供給された動作指示コマンドを外部機器200に送信する(ステップS7)。外部機器200では、情報受信部201が車載機100から動作指示コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS8)。ここで、情報受信部201にて動作指示コマンドを受信していない場合、外部機器200の処理は図4のステップS20に進む。一方、情報受信部201にて動作指示コマンドを受信した場合、コマンド通知部202はその動作指示コマンドを動作実行部204に通知する(ステップS9)。
【0064】
動作実行部204は、コマンド通知部202から通知された動作指示コマンドに従って、当該動作指示コマンドに応じた動作(音楽の再生または一時停止などの動作)を実行する(ステップS10)。動作実行部204は、音楽の再生動作を実行した場合は、その音楽再生により生成した音声情報を情報送信部206に出力する。
【0065】
画像生成部205は、車載機100のタッチパネル102に表示すべき画像情報を生成する(ステップS11)。ここで、動作実行部204により音楽の再生動作が行われているときは、画像生成部205はソフトキーとして一時停止ボタン12を含む画像情報を生成する。また、動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、画像生成部205はソフトキーとして再生ボタン13を含む画像情報を生成する。そして、画像生成部205は、生成した画像情報を情報送信部206に出力する。
【0066】
情報送信部206は、動作実行部204から供給される音声情報および画像生成部205から供給される画像情報を車載機100に送信する(ステップS12)。ここで、動作実行部204により音楽の再生動作が行われているときは、情報送信部206は音声情報および画像情報を車載機100に送信する。一方、動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、情報送信部206は画像情報だけを車載機100に送信する。なお、画像情報については、画像生成部205により生成されたタイミングで車載機100に送信する。
【0067】
次に、動作実行部204は、音楽の再生が終了したか否かを判定する(ステップS13)。音楽の再生が終了した場合は、図3に示すフローチャートの処理を終了する。一方、音楽の再生がまだ終了していない場合、処理はステップS8に戻る。
【0068】
上記ステップS7で情報送信部106が動作指示コマンドを外部機器200に送信した後、車載機100では、外部機器200から送られてくる音声情報および画像情報を情報受信部107にて受信する(ステップS14)。なお、外部機器200の動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、情報受信部107は画像情報だけを受信する。
【0069】
画像出力部108は、情報受信部107により受信された画像情報をタッチパネル102に表示させる(ステップS15)。また、音声出力部109は、情報受信部107により音声情報が受信された場合は、その音声情報をスピーカ110に出力する(ステップS16)。その後、処理はステップS4に戻る。
【0070】
ステップS4において、ユーザによりハードキー101が操作されていないとコマンド発行部103にて判断した場合、押下位置検出部105は、タッチパネル102がユーザにより押下されたか否かを判定する(ステップS17)。ここで、タッチパネル102が押下されていないと判断した場合、処理はステップS4に戻る。一方、タッチパネル102が押下されたと判断した場合、車載機100の処理は図4のステップS18に進む。
【0071】
ステップS18において、押下位置検出部105は、押下されたタッチパネル102上の位置を検出する。さらに、押下位置検出部105は、検出したタッチパネル102上の押下位置情報を、タッチパネル102に表示されている画像上の押下位置情報に変換する。そして、情報送信部106は、押下位置検出部105により検出された押下位置情報を外部機器200に送信する(ステップS19)。
【0072】
外部機器200では、情報受信部201が車載機100から押下位置情報を受信したか否かを判定する(ステップS20)。ここで、情報受信部201にて押下位置情報を受信していない場合、外部機器200の処理は図3のステップS8に戻る。一方、情報受信部201にて押下位置情報を受信した場合、情報受信部201はその押下位置情報をコマンド発行部203に供給する。
【0073】
コマンド発行部203は、情報受信部201から供給された押下位置情報に基づいて、タッチパネル102の押下位置(画像上の押下位置)に対応する動作指示コマンドを発行し、動作実行部204に通知する(ステップS21)。動作実行部204は、コマンド発行部203から通知された動作指示コマンドに従って、当該動作指示コマンドに応じた動作を実行する(ステップS22)。動作実行部204は、音楽の再生動作を実行した場合は、その音楽再生により生成した音声情報を情報送信部206に出力する。
【0074】
画像生成部205は、車載機100のタッチパネル102に表示すべき画像情報を生成する(ステップS23)。ここで、動作実行部204により音楽の再生動作が行われているときは、画像生成部205はソフトキーとして一時停止ボタン12を含む画像情報を生成する。また、動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、画像生成部205はソフトキーとして再生ボタン13を含む画像情報を生成する。そして、画像生成部205は、生成した画像情報を情報送信部206に出力する。
【0075】
情報送信部206は、動作実行部204から供給される音声情報および画像生成部205から供給される画像情報を車載機100に送信する(ステップS24)。ここで、動作実行部204により音楽の再生動作が行われているときは、情報送信部206は音声情報および画像情報を車載機100に送信する。一方、動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、情報送信部206は画像情報だけを車載機100に送信する。なお、画像情報については、画像生成部205により生成されたタイミングで車載機100に送信する。
【0076】
次に、動作実行部204は、音楽の再生が終了したか否かを判定する(ステップS25)。音楽の再生が終了した場合は、図4に示すフローチャートの処理を終了する。一方、音楽の再生がまだ終了していない場合、処理は図3のステップS8に戻る。
【0077】
上記ステップS19で情報送信部106が押下位置情報を外部機器200に送信した後、車載機100では、外部機器200から送られてくる音声情報および画像情報を情報受信部107にて受信する(ステップS26)。なお、外部機器200の動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、情報受信部107は画像情報だけを受信する。
【0078】
画像出力部108は、情報受信部107により受信された画像情報をタッチパネル102に表示させる(ステップS27)。また、音声出力部109は、情報受信部107により音声情報が受信された場合は、その音声情報をスピーカ110に出力する(ステップS28)。
【0079】
続いて、操作判定部111は、情報受信部107にて受信される音声情報の状態の変化に基づいて、タッチパネル102の押下が、一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作であったか否かを判定する(ステップS29)。すなわち、操作判定部111は、情報受信部107が音声情報の受信状態から未受信状態に変化したときは、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12の操作であったと判定する。一方、操作判定部111は、情報受信部107が音声情報の未受信状態から受信状態に変化したときは、タッチパネル102の押下が再生ボタン13の操作であったと判定する。
【0080】
状態遷移部112は、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12あるいは再生ボタン13の操作であると操作判定部111により判定された場合に、再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を遷移させる(ステップS30)。すなわち、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12の操作であると操作判定部111により判定された場合、状態遷移部112は、機能受付状態管理部104にて管理されている再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を、一時停止受付中から再生開始受付中へと遷移させる。一方、タッチパネル102の押下が再生ボタン13の操作であると操作判定部111により判定された場合、状態遷移部112は、機能受付状態管理部104にて管理されている再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を、再生開始受付中から一時停止受付中へと遷移させる。その後、車載機100の処理は図3のステップS4に戻る。
【0081】
以上詳しく説明したように、第1の実施形態では、外部機器200から車載機100に送信される画像情報に基づいてソフトキーが表示された状態のタッチパネル102が押下されたときに、その押下に応じて外部機器200から車載機100に送信される音声情報の出力状態の変化に基づいて、当該タッチパネル102の押下が、ソフトキーの一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作であるか否かを判定する。そして、一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作に該当すると判定された場合に、ハードキー101である再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を再生開始受付中または一時停止受付中の状態に遷移させるようにしている。
【0082】
このように構成した第1の実施形態によれば、音楽の再生開始および一時停止という複数の機能が割り当てられた1つのハードキー101(再生・一時停止ボタン11)が実際に操作されていなくても、当該再生・一時停止ボタン11に対応するソフトキー(一時停止ボタン12または再生ボタン13)が押下されると、そのことが操作判定部111により検知され、再生・一時停止ボタン11の機能受付状態が状態遷移部112により遷移される。
【0083】
そのため、外部機器200から車載機100に送られてくる画像情報に基づいてソフトキーが表示されるために、タッチパネル102の押下位置からソフトキーが操作されたか否かを直ちに把握できない場合であっても、再生・一時停止ボタン11に対応するソフトキーが押下されたことを確実に検出して、当該再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を常に正しい状態に遷移させることができる。これにより、ハードキー(再生・一時停止ボタン11)を操作してもソフトキー(一時停止ボタン12または再生ボタン13)を操作しても、常に正しい動作を外部機器200に実行させることができる。
【0084】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。図5は、第2の実施形態による動作制御装置を備えたシステム全体の機能構成例を示すブロック図である。なお、この図5において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0085】
図5に示すように、第2の実施形態では、車載機100は操作判定部111の代わりに操作判定部121を備えている。操作判定部121は、タッチパネル102の押下に応じて情報送信部106が押下位置情報を外部機器200に送信した結果として外部機器200から送られてくる画像情報に基づいて、当該タッチパネル102の押下が、一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作か否かを判定する。
【0086】
例えば、操作判定部121は、外部機器200から送られてくる画像情報に含まれるソフトキーを画像認識することにより、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作か否かを判定する。ここで、画像情報に含まれるソフトキーが一時停止ボタン12であることを画像認識した場合、操作判定部121は、タッチパネル102の押下が再生ボタン13の操作であったと判定する。一方、画像情報に含まれるソフトキーが再生ボタン13であることを画像認識した場合、操作判定部121は、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12の操作であったと判定する。
【0087】
すなわち、タッチパネル102上に表示された再生ボタン13が押下されると、そのときの押下位置情報が外部機器200に送信され、動作実行部204により音楽の再生動作が実行されるとともに、画像生成部205により一時停止ボタン12を含む画像情報が生成される。そして、その画像情報が外部機器200から車載機100に送られてくる。したがって、操作判定部121は、この画像情報に含まれるソフトキーが一時停止ボタン12であることを画像認識により確認すれば、タッチパネル102の押下が再生ボタン13の操作であったと判定することができる。
【0088】
また、タッチパネル102上に表示された一時停止ボタン12が押下されると、そのときの押下位置情報が外部機器200に送信され、動作実行部204により音楽の一時停止動作が実行されるとともに、画像生成部205により再生ボタン13を含む画像情報が生成される。そして、その画像情報が外部機器200から車載機100に送られてくる。したがって、操作判定部121は、この画像情報に含まれるソフトキーが再生ボタン13であることを画像認識により確認すれば、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12の操作であったと判定することができる。
【0089】
なお、第2の実施形態で画像認識する対象は、画像情報内のソフトキーに限定されない。例えば、操作判定部121は、外部機器200から送られてくる画像情報に含まれる時間情報を画像認識して当該時間情報が変化しているか否かを確認することにより、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作か否かを判定するようにしてもよい。この場合、外部機器200の画像生成部205は、車載機100から動作指示コマンドまたは押下位置情報が送信されてきたタイミング(動作実行部204の動作状態が変化したタイミング)だけでなく、画像情報を随時生成して情報送信部206に供給するものとする。
【0090】
図6は、第2の実施形態による画像認識の対象とする画像情報の変形例を示す図である。図6に示すように、音楽の再生時間を表すカウンタ情報21あるいはタイムバー22などの時間情報が画像情報内に含まれている場合がある。音楽の再生中であれば、この時間情報は常に変化している。一方、一時停止中であれば、この時間情報は変化しない。したがって、操作判定部121は、画像認識によって時間情報が変化しているか否かを確認することにより、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作か否かを判定することができる。
【0091】
すなわち、タッチパネル102上に表示された再生ボタン13が押下されると、そのときの押下位置情報が外部機器200に送信され、動作実行部204により音楽の再生動作が実行されるとともに、画像生成部205により時間情報を含む画像情報が生成される。そして、その画像情報が外部機器200から車載機100に送られてくる。音楽の再生中であれば、時間情報を更新した画像情報が随時生成され、車載機100に送信される。したがって、操作判定部121は、この画像情報に含まれる時間情報が変化していることを画像認識により確認すれば、タッチパネル102の押下が再生ボタン13の操作であったと判定することができる。
【0092】
また、タッチパネル102上に表示された一時停止ボタン12が押下されると、そのときの押下位置情報が外部機器200に送信され、動作実行部204により音楽の一時停止動作が実行されるとともに、画像生成部205により時間情報を含む画像情報が生成される。そして、その画像情報が外部機器200から車載機100に送られてくる。ただし、音楽が一時停止中の場合は、この時間情報は変化せず固定である。したがって、操作判定部121は、この画像情報に含まれる時間情報が変化していないことを画像認識により確認すれば、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12の操作であったと判定することができる。
【0093】
なお、音楽が一時停止中の場合に、画像生成部205は、ソフトキーを一時停止ボタン12から再生ボタン13に更新した画像情報を生成した後、次に音楽の再生動作が再開されるまでの間は画像情報を生成しないようにすることもできる。この場合、音楽が再生中の場合は情報受信部107にて画像情報(時間情報が更新されたもの)を随時受信する一方、音楽が一時停止中の場合は、ソフトキーが更新されたタイミング以外では情報受信部107にて画像情報を受信しない。そこで、操作判定部121は、情報受信部107にて画像情報を随時受信しているか否かを確認することにより、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作か否かを判定するようにしてもよい。
【0094】
以上詳しく説明したように、第2の実施形態では、外部機器200から車載機100に送信される画像情報に基づいてソフトキーが表示された状態のタッチパネル102が押下されたときに、その押下に応じて外部機器200から車載機100に送信される画像情報に基づいて、当該タッチパネル102の押下が、ソフトキーの一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作であるか否かを判定する。そして、一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作に該当すると判定された場合に、ハードキー101である再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を再生開始受付中または一時停止受付中の状態に遷移させるようにしている。
【0095】
このように構成した第2の実施形態においても第1の実施形態と同様に、音楽の再生開始および一時停止という複数の機能が割り当てられた1つのハードキー101(再生・一時停止ボタン11)が実際に操作されていなくても、当該再生・一時停止ボタン11に対応するソフトキー(一時停止ボタン12または再生ボタン13)が押下されると、そのことが操作判定部121により検知され、再生・一時停止ボタン11の機能受付状態が状態遷移部112により遷移される。
【0096】
そのため、外部機器200から車載機100に送られてくる画像情報に基づいてソフトキーが表示されるために、タッチパネル102の押下位置からソフトキーが操作されたか否かを直ちに把握できない場合であっても、再生・一時停止ボタン11に対応するソフトキーが押下されたことを確実に検出して、当該再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を常に正しい状態に遷移させることができる。これにより、ハードキー(再生・一時停止ボタン11)を操作してもソフトキー(一時停止ボタン12または再生ボタン13)を操作しても、常に正しい動作を外部機器200に実行させることができる。
【0097】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図面に基づいて説明する。図7は、第3の実施形態による動作制御装置を備えたシステム全体の機能構成例を示すブロック図である。なお、この図7において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0098】
図7に示すように、第3の実施形態では、外部機器200は動作状態情報生成部207を更に備えている。また、車載機100は操作判定部111の代わりに操作判定部131を備えている。
【0099】
動作状態情報生成部207は、動作実行部204の動作状態(音楽の再生動作中または一時停止中)を表す動作状態情報を生成し、情報送信部206に供給する。情報送信部206は、動作実行部204から供給される音声情報および画像生成部205から供給される画像情報に加えて、動作状態情報生成部207から供給される動作状態情報を車載機100に送信する。
【0100】
車載機100の操作判定部131は、情報送信部206が押下位置情報を外部機器200に送信した結果として外部機器200から送られてくる動作状態情報に基づいて、タッチパネル102の押下が、一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作か否かを判定する。
【0101】
すなわち、外部機器200から送られてくる動作状態情報により、音楽の再生動作中であることが示されている場合、操作判定部131は、タッチパネル102の押下が再生ボタン13の操作であったと判定する。一方、外部機器200から送られてくる動作状態情報により、音楽の一時停止中であることが示されている場合、操作判定部131は、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12の操作であったと判定する。
【0102】
以上詳しく説明したように、第3の実施形態では、外部機器200から車載機100に送信される画像情報に基づいてソフトキーが表示された状態のタッチパネル102が押下されたときに、その押下に応じて外部機器200から車載機100に送信される動作状態情報に基づいて、当該タッチパネル102の押下が、ソフトキーの一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作であるか否かを判定する。そして、一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作に該当すると判定された場合に、ハードキー101である再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を再生開始受付中または一時停止受付中の状態に遷移させるようにしている。
【0103】
このように構成した第3の実施形態においても第1の実施形態と同様に、音楽の再生開始および一時停止という複数の機能が割り当てられた1つのハードキー101(再生・一時停止ボタン11)が実際に操作されていなくても、当該再生・一時停止ボタン11に対応するソフトキー(一時停止ボタン12または再生ボタン13)が押下されると、そのことが操作判定部131により検知され、再生・一時停止ボタン11の機能受付状態が状態遷移部112により遷移される。
【0104】
そのため、外部機器200から車載機100に送られてくる画像情報に基づいてソフトキーが表示されるために、タッチパネル102の押下位置からソフトキーが操作されたか否かを直ちに把握できない場合であっても、再生・一時停止ボタン11に対応するソフトキーが押下されたことを確実に検出して、当該再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を常に正しい状態に遷移させることができる。これにより、ハードキー(再生・一時停止ボタン11)を操作してもソフトキー(一時停止ボタン12または再生ボタン13)を操作しても、常に正しい動作を外部機器200に実行させることができる。
【0105】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態を図面に基づいて説明する。図8は、第4の実施形態による動作制御装置を備えたシステム全体の機能構成例を示すブロック図である。なお、この図8において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0106】
図8に示すように、第4の実施形態では、車載機100は操作判定部111の代わりに操作判定部141を備えている。また、第4の実施形態では、車載機100は表示位置演算部142および表示位置記憶部143を更に備えている。また、外部機器200は画像生成部205の代わりに画像生成部215を備えている。
【0107】
画像生成部215は、車載機100のタッチパネル102に表示すべき画像情報を生成して情報送信部206に供給する。また、画像生成部215は、生成した画像情報に含まれるソフトキーとその位置を示すソフトキー情報をコマンド発行部203に出力するとともに、ソフトキー位置情報を情報送信部206に出力する。情報送信部206は、動作実行部204から供給される音声情報と、画像生成部205から供給される画像情報およびソフトキー位置情報とを車載機100に送信する。
【0108】
車載機100の情報受信部107は、外部機器200から送信される音声情報および画像情報に加え、ソフトキー位置情報を受信する。表示位置演算部142は、情報受信部107で受信されるソフトキー位置情報(座標情報)を、一時停止ボタン12または再生ボタン13のソフトキーが表示されるタッチパネル102上の位置を示す表示位置情報(座標情報)に変換して表示位置記憶部143に記憶させる。
【0109】
ここで、表示位置演算部142は、画像上の位置情報(座標情報)とタッチパネル102上の位置情報(座標情報)との対応関係を示す情報をあらかじめ保持しており、この情報に基づいてソフトキー位置情報から表示位置情報への演算を行う。なお、上述したように、画像出力部108は、画像上の位置情報(座標情報)とタッチパネル102上の位置情報(座標情報)との対応関係を示す情報をあらかじめ保持している。表示位置演算部142は、この情報を参照して表示位置情報の演算を行うようにしてもよい。
【0110】
操作判定部141は、表示位置記憶部143に記憶されている表示位置情報および押下位置検出部105により検出された押下位置情報(情報送信部106が外部機器200に送信した押下位置情報)に基づいて、タッチパネル102の押下が、一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作か否かを判定する。
【0111】
すなわち、操作判定部141は、押下位置検出部105により検出された押下位置情報により示されるタッチパネル102の押下位置が、表示位置記憶部143に記憶されている表示位置情報により示されるタッチパネル102上におけるソフトキー(一時停止ボタン12または再生ボタン13)の表示位置に該当する場合に、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作であると判定する。
【0112】
図9および図10は、第4の実施形態による動作制御装置を備えたシステムの動作例を示すフローチャートである。なお、図9に示すフローチャートは、車載機100と外部機器200とを接続して、外部機器200での音楽再生を行うことを車載機100から指示したとき(例えば、音楽再生のためのアプリケーションを起動したとき)に開始する。図9に示す処理の開始時点において、機能受付状態管理部104は、再生・一時停止ボタン11を再生開始受付中の状態に初期設定しているものとする。
【0113】
図9において、まず外部機器200の画像生成部215は、ソフトキーの1つとして再生ボタン13を含む初期画像情報およびソフトキー位置情報を生成する(ステップS31)。情報送信部206は、この初期画像情報およびソフトキー位置情報を車載機100に送信する(ステップS32)。車載機100では、外部機器200から送られてくる初期画像情報を情報受信部107が受信し、画像出力部108がタッチパネル102に表示させる(ステップS33)。
【0114】
また、表示位置演算部142は、情報受信部107で受信されたソフトキー位置情報を、一時停止ボタン12または再生ボタン13のソフトキーが表示されるタッチパネル102上の位置を示す表示位置情報に変換し(ステップS34)、当該表示位置情報を表示位置記憶部143に記憶させる(ステップS35)。
【0115】
初期画像情報がタッチパネル102に表示された状態で、コマンド発行部103は、ハードキー101がユーザにより操作されたか否かを判定する(ステップS36)。コマンド発行部103は、ユーザによりハードキー101が操作されたと判断した場合、操作されたハードキー101に対応する動作指示コマンドを発行し、情報送信部106に供給する(ステップS37)。
【0116】
操作されたハードキー101が再生・一時停止ボタン11である場合、コマンド発行部103は、機能受付状態管理部104にて管理されている現在の機能受付状態に基づいて、再生開始コマンドまたは一時停止コマンドの何れかを発行する。なお、初期画像情報が表示されている状態で再生・一時停止ボタン11が操作された場合は、機能受付状態管理部104は再生開始受付中の状態に設定されているので、コマンド発行部103は再生開始コマンドを発行する。
【0117】
また、コマンド発行部103は、再生・一時停止ボタン11が押下されたことを機能受付状態管理部104に通知する。この通知を受けて機能受付状態管理部104は、再生・一時停止ボタン11を再生開始受付中または一時停止受付中の状態に遷移させる(ステップS38)。なお、初期画像情報が表示されている状態で再生・一時停止ボタン11が操作された場合は、機能受付状態管理部104は、再生・一時停止ボタン11を再生開始受付中から一時停止受付中の状態に遷移させる。
【0118】
次に、情報送信部106は、コマンド発行部103から供給された動作指示コマンドを外部機器200に送信する(ステップS39)。外部機器200では、情報受信部201が車載機100から動作指示コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS40)。ここで、情報受信部201にて動作指示コマンドを受信していない場合、外部機器200の処理は図10のステップS54に進む。一方、情報受信部201で動作指示コマンドを受信した場合、コマンド通知部202はその動作指示コマンドを動作実行部204に通知する(ステップS41)。
【0119】
動作実行部204は、コマンド通知部202から通知された動作指示コマンドに従って、当該動作指示コマンドに応じた動作(音楽の再生または一時停止などの動作)を実行する(ステップS42)。動作実行部204は、音楽の再生動作を実行した場合は、その音楽再生により生成した音声情報を情報送信部206に出力する。
【0120】
画像生成部215は、車載機100のタッチパネル102に表示すべき画像情報を生成する(ステップS43)。ここで、動作実行部204により音楽の再生動作が行われているときは、画像生成部215はソフトキーとして一時停止ボタン12を含む画像情報を生成する。また、動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、画像生成部215はソフトキーとして再生ボタン13を含む画像情報を生成する。そして、画像生成部215は、生成した画像情報を情報送信部206に出力する。
【0121】
情報送信部206は、動作実行部204から供給される音声情報および画像生成部215から供給される画像情報を車載機100に送信する(ステップS44)。ここで、動作実行部204により音楽の再生動作が行われているときは、情報送信部206は音声情報および画像情報を車載機100に送信する。一方、動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、情報送信部206は画像情報だけを車載機100に送信する。なお、画像情報については、画像生成部215により生成されたタイミングで車載機100に送信する。
【0122】
次に、動作実行部204は、音楽の再生が終了したか否かを判定する(ステップS45)。音楽の再生が終了した場合は、図9に示すフローチャートの処理を終了する。一方、音楽の再生がまだ終了していない場合、外部機器200の処理はステップS40に戻る。
【0123】
上記ステップS39で情報送信部106が動作指示コマンドを外部機器200に送信した後、車載機100では、外部機器200から送られてくる音声情報および画像情報を情報受信部107にて受信する(ステップS46)。なお、外部機器200の動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、情報受信部107は画像情報だけを受信する。
【0124】
画像出力部108は、情報受信部107により受信された画像情報をタッチパネル102に表示させる(ステップS47)。また、音声出力部109は、情報受信部107により音声情報が受信された場合は、その音声情報をスピーカ110に出力する(ステップS48)。その後、車載機100の処理はステップS36に戻る。
【0125】
ステップS36において、ユーザによりハードキー101が操作されていないとコマンド発行部103にて判断した場合、押下位置検出部105は、タッチパネル102がユーザにより押下されたか否かを判定する(ステップS49)。ここで、タッチパネル102が押下されていないと判断した場合、車載機100の処理はステップS36に戻る。一方、タッチパネル102が押下されたと判断した場合、車載機100の処理は図10のステップS50に進む。
【0126】
ステップS50において、押下位置検出部105は、押下されたタッチパネル102上の位置を検出する。さらに、押下位置検出部105は、検出したタッチパネル102上の押下位置情報を、タッチパネル102に表示されている画像上の押下位置情報に変換する。そして、押下位置検出部105は、このようにして生成した画像上の押下位置情報を情報送信部106に供給するとともに、タッチパネル20上の押下位置情報を操作判定部141に供給する。
【0127】
操作判定部141は、図9のステップS35で表示位置記憶部143に記憶された表示位置情報および、図10のステップS50で押下位置検出部105により検出された押下位置情報に基づいて、タッチパネル102の押下が、一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作か否かを判定する(ステップS51)。
【0128】
状態遷移部112は、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12あるいは再生ボタン13の操作であると操作判定部141により判定された場合に、再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を遷移させる(ステップS52)。すなわち、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12の操作であると操作判定部141により判定された場合、状態遷移部112は、機能受付状態管理部104にて管理されている再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を、一時停止受付中から再生開始受付中へと遷移させる。一方、タッチパネル102の押下が再生ボタン13の操作であると操作判定部141により判定された場合、状態遷移部112は、機能受付状態管理部104にて管理されている再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を、再生開始受付中から一時停止受付中へと遷移させる。
【0129】
その後、情報送信部106は、押下位置検出部105により検出された押下位置情報を外部機器200に送信する(ステップS53)。外部機器200では、情報受信部201が車載機100から押下位置情報を受信したか否かを判定する(ステップS54)。ここで、情報受信部201にて押下位置情報を受信していない場合、外部機器200の処理は図9のステップS40に戻る。一方、情報受信部201にて押下位置情報を受信した場合、情報受信部201はその押下位置情報をコマンド発行部203に供給する。
【0130】
コマンド発行部203は、情報受信部201から供給された押下位置情報に基づいて、タッチパネル102の押下位置(画像上の押下位置)に対応する動作指示コマンドを発行し、動作実行部204に通知する(ステップS55)。動作実行部204は、コマンド発行部203から通知された動作指示コマンドに従って、当該動作指示コマンドに応じた動作を実行する(ステップS56)。動作実行部204は、音楽の再生動作を実行した場合は、その音楽再生により生成した音声情報を情報送信部206に出力する。
【0131】
画像生成部215は、車載機100のタッチパネル102に表示すべき画像情報を生成する(ステップS57)。ここで、動作実行部204により音楽の再生動作が行われているときは、画像生成部215はソフトキーとして一時停止ボタン12を含む画像情報を生成する。また、動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、画像生成部215はソフトキーとして再生ボタン13を含む画像情報を生成する。そして、画像生成部215は、生成した画像情報を情報送信部206に出力する。
【0132】
情報送信部206は、動作実行部204から供給される音声情報および画像生成部215から供給される画像情報を車載機100に送信する(ステップS58)。ここで、動作実行部204により音楽の再生動作が行われているときは、情報送信部206は音声情報および画像情報を車載機100に送信する。一方、動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、情報送信部206は画像情報だけを車載機100に送信する。なお、画像情報については、画像生成部215により生成されたタイミングで車載機100に送信する。
【0133】
次に、動作実行部204は、音楽の再生が終了したか否かを判定する(ステップS59)。音楽の再生が終了した場合は、図10に示すフローチャートの処理を終了する。一方、音楽の再生がまだ終了していない場合、外部機器200の処理は図9のステップS40に戻る。
【0134】
上記ステップS53で情報送信部106が押下位置情報を外部機器200に送信した後、車載機100では、外部機器200から送られてくる音声情報および画像情報を情報受信部107にて受信する(ステップS60)。なお、外部機器200の動作実行部204により音楽の一時停止動作が行われているときは、情報受信部107は画像情報だけを受信する。
【0135】
画像出力部108は、情報受信部107により受信された画像情報をタッチパネル102に表示させる(ステップS61)。また、音声出力部109は、情報受信部107により音声情報が受信された場合は、その音声情報をスピーカ110に出力する(ステップS62)。
【0136】
なお、以上のフローチャートでは、外部機器200にて初期画像情報を生成して車載機100に送信する最初のタイミングにおいてのみ、画像情報とともにソフトキー位置情報を車載機100に送信し、車載機100においてタッチパネル102の表示位置情報に変換して表示位置記憶部143に記憶させている。これは、一時停止ボタン12および再生ボタン13が、画像情報内の全く同じ位置に交互に切り替えて表示されるため、ソフトキー位置情報が固定でよいからである。
【0137】
仮に、一時停止ボタン12の位置と再生ボタン13の位置とを異ならせた画像情報を生成するのであれば、画像生成部215にて画像情報を生成するたびにソフトキー位置情報も車載機100に送信し、車載機100にてソフトキー位置情報から生成した表示位置情報を表示位置記憶部143に都度記憶させるようにすればよい。
【0138】
以上詳しく説明したように、第4の実施形態では、ソフトキーとしての一時停止ボタン12および再生ボタン13がタッチパネル102上で表示される位置を表す表示位置情報をあらかじめ車載機100の表示位置記憶部143に記憶しておく。そして、押下位置検出部105により検出されたタッチパネル102の押下位置が、表示位置記憶部143に記憶されているタッチパネル102上のソフトキーの表示位置に該当する場合に、タッチパネル102の押下が一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作であると判定する。そして、一時停止ボタン12または再生ボタン13の操作に該当すると判定された場合に、再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を再生開始受付中または一時停止受付中の状態に遷移させるようにしている。
【0139】
このように構成した第4の実施形態においても第1の実施形態と同様に、音楽の再生開始および一時停止という複数の機能が割り当てられた1つのハードキー101(再生・一時停止ボタン11)が実際に操作されていなくても、当該再生・一時停止ボタン11に対応するソフトキー(一時停止ボタン12または再生ボタン13)が押下されると、そのことが操作判定部141により検知され、再生・一時停止ボタン11の機能受付状態が状態遷移部112により遷移される。
【0140】
そのため、外部機器200から車載機100に送られてくる画像情報に基づいてソフトキーが表示されるために、タッチパネル102の押下位置からソフトキーが操作されたか否かを直ちに把握できない場合であっても、再生・一時停止ボタン11に対応するソフトキーが押下されたことを確実に検出して、当該再生・一時停止ボタン11の機能受付状態を常に正しい状態に遷移させることができる。これにより、ハードキー(再生・一時停止ボタン11)を操作してもソフトキー(一時停止ボタン12または再生ボタン13)を操作しても、常に正しい動作を外部機器200に実行させることができる。
【0141】
また、第4の実施形態では、外部機器200で画像情報を生成したときに、その画像情報に含まれるソフトキーの位置を表すソフトキー位置情報を車載機100に送信している。そして、車載機100において、ソフトキー位置情報をタッチパネル102上の表示位置情報に変換して表示位置記憶部143に記憶させるようにしている。これにより、車載機100に接続する外部機器200によって、画像情報内に配置されるソフトキー(一時停止ボタン12または再生ボタン13)の位置が異なっていても、当該ソフトキーが操作されたことを正しく検出することができる。
【0142】
なお、上記第1〜第4の実施形態では、複数の機能が割り当てられた1つのハードキー101の例として再生・一時停止ボタン11を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、1つのミュートボタンでミュート機能のON/OFFを切り替える場合や、1つの電源ボタンで電源のON/OFFを切り替える場合などにも本発明を適用することが可能である。
【0143】
例えば、ハードキー101としては1つのミュートボタンが備えられているのに対し、ソフトキーとしてはミュートONボタンとミュートOFFボタンとが交互に切り替えて表示される場合に本発明を適用することが可能である。第1の実施形態を適用する場合、操作判定部111は、音声情報が出力状態から停止状態に変化したときは、タッチパネル102の押下はミュートONボタンの操作であると判定する。一方、音声情報が停止状態から出力状態に変化したときは、タッチパネル102の押下はミュートOFFボタンの操作であると判定する。
【0144】
また、上記第1〜第4の実施形態では、1つのアプリケーションの中で使われる複数の機能を1つのハードキー101に割り当てる場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、複数のアプリケーションの中で使われる複数の機能を1つのハードキー101に割り当てる場合にも本発明を適用することが可能である。例えば、上記第1〜第4の実施形態で説明した音楽再生用のアプリケーションと、ルート案内を行うナビゲーション用のアプリケーションとを外部機器200が備えている場合に、音楽の再生機能とナビゲーション地図上での現在地表示機能とを1つのハードキー101に割り当てるなどの態様が考えられる。このような場合にも、本発明を適用することが可能である。
【0145】
その他、上記第1〜第4の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0146】
100 車載機
101 ハードキー
102 タッチパネル
103 コマンド発行部
104 機能受付状態管理部
105 押下位置検出部
106 情報送信部
107 情報受信部
111,121,131,141 操作判定部
112 状態遷移部
142 表示位置演算部
143 表示位置記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つのハードキーに複数の機能を割り当てるとともに、外部機器から送信される画像情報に基づいてタッチパネルにソフトキーを表示するようになされた車載機に備えられ、上記ハードキーまたは上記ソフトキーの何れかの操作に応じて上記外部機器の動作を制御する動作制御装置であって、
上記タッチパネルが押下されたときに、上記外部機器の動作を制御するための情報として、押下されたタッチパネル上の位置を示す押下位置情報を上記外部機器に送信する位置情報送信部と、
上記タッチパネルの押下が、上記1つのハードキーに割り当てられた上記複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作であるか否かを判定する操作判定部と、
上記操作判定部により上記複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作であると判定された場合に、上記1つのハードキーの機能受付状態を遷移させる状態遷移部とを備えたことを特徴とする車載機に接続された外部機器の動作制御装置。
【請求項2】
上記操作判定部は、上記位置情報送信部が上記押下位置情報を上記外部機器に送信した結果として上記外部機器から送られてくる情報に基づいて、上記タッチパネルの押下が、上記1つのハードキーに割り当てられた上記複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作か否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の車載機に接続された外部機器の動作制御装置。
【請求項3】
上記操作判定部は、上記位置情報送信部が上記押下位置情報を上記外部機器に送信した結果として上記外部機器から送られてくる音声情報の状態の変化に基づいて、上記タッチパネルの押下が、上記1つのハードキーに割り当てられた上記複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作か否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の車載機に接続された外部機器の動作制御装置。
【請求項4】
上記操作判定部は、上記音声情報が出力状態から停止状態に変化したときは一時停止を指定するためのソフトキーの操作であると判定し、上記音声情報が停止状態から出力状態に変化したときは再生開始を指定するためのソフトキーの操作であると判定することを特徴とする請求項3に記載の車載機に接続された外部機器の動作制御装置。
【請求項5】
上記操作判定部は、上記音声情報が出力状態から停止状態に変化したときはミュート機能オンを指定するためのソフトキーの操作であると判定し、上記音声情報が停止状態から出力状態に変化したときはミュート機能オフを指定するためのソフトキーの操作であると判定することを特徴とする請求項3に記載の車載機に接続された外部機器の動作制御装置。
【請求項6】
上記操作判定部は、上記音声情報が出力状態から停止状態あるいは停止状態から出力状態へ変化し、変化後の状態が所定時間継続したことを検出した場合に、上記タッチパネルの押下が、上記1つのハードキーに割り当てられた上記複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作であると判定することを特徴とする請求項3に記載の車載機に接続された外部機器の動作制御装置。
【請求項7】
上記操作判定部は、上記位置情報送信部が上記押下位置情報を上記外部機器に送信した結果として上記外部機器から送られてくる画像情報に基づいて、上記タッチパネルの押下が、上記1つのハードキーに割り当てられた上記複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作か否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の車載機に接続された外部機器の動作制御装置。
【請求項8】
上記操作判定部は、上記外部機器から送られてくる画像情報に含まれるソフトキーを画像認識することにより、上記タッチパネルの押下が、上記1つのハードキーに割り当てられた上記複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作か否かを判定することを特徴とする請求項7に記載の車載機に接続された外部機器の動作制御装置。
【請求項9】
上記操作判定部は、上記外部機器から送られてくる画像情報に含まれる時間情報を画像認識して当該時間情報が変化しているか否かを確認することにより、上記タッチパネルの押下が、上記1つのハードキーに割り当てられた上記複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作か否かを判定することを特徴とする請求項7に記載の車載機に接続された外部機器の動作制御装置。
【請求項10】
上記操作判定部は、上記位置情報送信部が上記押下位置情報を上記外部機器に送信した結果として上記外部機器から送られてくる動作状態情報に基づいて、上記タッチパネルの押下が、上記1つのハードキーに割り当てられた上記複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作か否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の車載機に接続された外部機器の動作制御装置。
【請求項11】
上記1つのハードキーに対応するソフトキーが表示される上記タッチパネル上の位置を示す表示位置情報を記憶する表示位置記憶部を更に備え、
上記操作判定部は、上記表示位置記憶部に記憶されている上記表示位置情報および上記タッチパネルの押下位置情報に基づいて、上記タッチパネルの押下が、上記1つのハードキーに割り当てられた上記複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作か否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の車載機に接続された外部機器の動作制御装置。
【請求項12】
上記外部機器から送信される画像情報内における上記1つのハードキーに対応するソフトキーの位置を示すソフトキー位置情報を上記外部機器から受信し、当該ソフトキー位置情報に基づいて、当該ソフトキーが表示される上記タッチパネル上の位置を示す上記表示位置情報を演算して上記表示位置記憶部に記憶させる表示位置演算部を更に備えたことを特徴とする請求項11に記載の車載機に接続された外部機器の動作制御装置。
【請求項13】
1つのハードキーに複数の機能を割り当てるとともに、外部機器から送信される画像に基づいてタッチパネルにソフトキーを表示するようになされた車載機において、上記ハードキーまたは上記ソフトキーの何れかの操作に応じて上記外部機器の動作を制御する動作制御方法であって、
上記タッチパネルが押下されたときに、上記外部機器の動作を制御するための情報として、押下されたタッチパネル上の位置を示す押下位置情報を上記外部機器に送信する第1のステップと、
上記タッチパネルの押下が、上記1つのハードキーに割り当てられた上記複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作か否かを判定する第2のステップと、
上記第2のステップで上記複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作であると判定された場合に、上記1つのハードキーの機能受付状態を遷移させる第3のステップとを有することを特徴とする車載機に接続された外部機器の動作制御方法。
【請求項1】
1つのハードキーに複数の機能を割り当てるとともに、外部機器から送信される画像情報に基づいてタッチパネルにソフトキーを表示するようになされた車載機に備えられ、上記ハードキーまたは上記ソフトキーの何れかの操作に応じて上記外部機器の動作を制御する動作制御装置であって、
上記タッチパネルが押下されたときに、上記外部機器の動作を制御するための情報として、押下されたタッチパネル上の位置を示す押下位置情報を上記外部機器に送信する位置情報送信部と、
上記タッチパネルの押下が、上記1つのハードキーに割り当てられた上記複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作であるか否かを判定する操作判定部と、
上記操作判定部により上記複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作であると判定された場合に、上記1つのハードキーの機能受付状態を遷移させる状態遷移部とを備えたことを特徴とする車載機に接続された外部機器の動作制御装置。
【請求項2】
上記操作判定部は、上記位置情報送信部が上記押下位置情報を上記外部機器に送信した結果として上記外部機器から送られてくる情報に基づいて、上記タッチパネルの押下が、上記1つのハードキーに割り当てられた上記複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作か否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の車載機に接続された外部機器の動作制御装置。
【請求項3】
上記操作判定部は、上記位置情報送信部が上記押下位置情報を上記外部機器に送信した結果として上記外部機器から送られてくる音声情報の状態の変化に基づいて、上記タッチパネルの押下が、上記1つのハードキーに割り当てられた上記複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作か否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の車載機に接続された外部機器の動作制御装置。
【請求項4】
上記操作判定部は、上記音声情報が出力状態から停止状態に変化したときは一時停止を指定するためのソフトキーの操作であると判定し、上記音声情報が停止状態から出力状態に変化したときは再生開始を指定するためのソフトキーの操作であると判定することを特徴とする請求項3に記載の車載機に接続された外部機器の動作制御装置。
【請求項5】
上記操作判定部は、上記音声情報が出力状態から停止状態に変化したときはミュート機能オンを指定するためのソフトキーの操作であると判定し、上記音声情報が停止状態から出力状態に変化したときはミュート機能オフを指定するためのソフトキーの操作であると判定することを特徴とする請求項3に記載の車載機に接続された外部機器の動作制御装置。
【請求項6】
上記操作判定部は、上記音声情報が出力状態から停止状態あるいは停止状態から出力状態へ変化し、変化後の状態が所定時間継続したことを検出した場合に、上記タッチパネルの押下が、上記1つのハードキーに割り当てられた上記複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作であると判定することを特徴とする請求項3に記載の車載機に接続された外部機器の動作制御装置。
【請求項7】
上記操作判定部は、上記位置情報送信部が上記押下位置情報を上記外部機器に送信した結果として上記外部機器から送られてくる画像情報に基づいて、上記タッチパネルの押下が、上記1つのハードキーに割り当てられた上記複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作か否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の車載機に接続された外部機器の動作制御装置。
【請求項8】
上記操作判定部は、上記外部機器から送られてくる画像情報に含まれるソフトキーを画像認識することにより、上記タッチパネルの押下が、上記1つのハードキーに割り当てられた上記複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作か否かを判定することを特徴とする請求項7に記載の車載機に接続された外部機器の動作制御装置。
【請求項9】
上記操作判定部は、上記外部機器から送られてくる画像情報に含まれる時間情報を画像認識して当該時間情報が変化しているか否かを確認することにより、上記タッチパネルの押下が、上記1つのハードキーに割り当てられた上記複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作か否かを判定することを特徴とする請求項7に記載の車載機に接続された外部機器の動作制御装置。
【請求項10】
上記操作判定部は、上記位置情報送信部が上記押下位置情報を上記外部機器に送信した結果として上記外部機器から送られてくる動作状態情報に基づいて、上記タッチパネルの押下が、上記1つのハードキーに割り当てられた上記複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作か否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の車載機に接続された外部機器の動作制御装置。
【請求項11】
上記1つのハードキーに対応するソフトキーが表示される上記タッチパネル上の位置を示す表示位置情報を記憶する表示位置記憶部を更に備え、
上記操作判定部は、上記表示位置記憶部に記憶されている上記表示位置情報および上記タッチパネルの押下位置情報に基づいて、上記タッチパネルの押下が、上記1つのハードキーに割り当てられた上記複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作か否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の車載機に接続された外部機器の動作制御装置。
【請求項12】
上記外部機器から送信される画像情報内における上記1つのハードキーに対応するソフトキーの位置を示すソフトキー位置情報を上記外部機器から受信し、当該ソフトキー位置情報に基づいて、当該ソフトキーが表示される上記タッチパネル上の位置を示す上記表示位置情報を演算して上記表示位置記憶部に記憶させる表示位置演算部を更に備えたことを特徴とする請求項11に記載の車載機に接続された外部機器の動作制御装置。
【請求項13】
1つのハードキーに複数の機能を割り当てるとともに、外部機器から送信される画像に基づいてタッチパネルにソフトキーを表示するようになされた車載機において、上記ハードキーまたは上記ソフトキーの何れかの操作に応じて上記外部機器の動作を制御する動作制御方法であって、
上記タッチパネルが押下されたときに、上記外部機器の動作を制御するための情報として、押下されたタッチパネル上の位置を示す押下位置情報を上記外部機器に送信する第1のステップと、
上記タッチパネルの押下が、上記1つのハードキーに割り当てられた上記複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作か否かを判定する第2のステップと、
上記第2のステップで上記複数の機能の1つを指定するためのソフトキーの操作であると判定された場合に、上記1つのハードキーの機能受付状態を遷移させる第3のステップとを有することを特徴とする車載機に接続された外部機器の動作制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−75610(P2013−75610A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216644(P2011−216644)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】
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