説明

車載機器の操作支援装置、操作支援方法

【課題】タッチパネルによって車載機器を操作するとき、ディスプレイと操作対象の物との間で視線を頻繁に移動させなければならず、使い勝手が悪いことががあった。
【解決手段】車両に搭載された複数の操作対象からいずれかの操作対象を選択する選択指示を受け付け、前記選択指示を受け付けたときに、前記操作対象を操作するための複数のアイコンを前記車両に搭載されたタッチパネルディスプレイの表示領域に表示させ、前記選択された操作対象を操作する際に前記操作対象を目視確認する必要があるか否かを示す情報を取得し、前記選択された操作対象が目視確認必要な操作対象であるとき、前記アイコン間にタッチ操作を受け付けない不感領域を設定し、前記不感領域以外の前記表示領域へのタッチ操作を受け付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載機器の操作支援装置および操作支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載機器の高機能化や多機能化に伴いこれを操作するためのスイッチの個数が増加する傾向にあった。そのためかえって、ユーザは所望のスイッチを見つけることに手間どったり、押し間違えたりするという問題があった。特許文献1には、運転席側のドアに設置されたタッチパネルディスプレイを、シートやミラーなどの様々な車載機器の操作のための共用の操作装置として用いる構成が記載されている。
【特許文献1】特開2005−153684号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで車載機器の中には、ディスプレイの画面を見ながら操作すれば事足りる場合もあるが、例えばドアミラーのように調整具合を確認しながら、すなわち操作対象自体を見ながら操作する必要があるものもある。後者の場合、従来のようにディスプレイに表示される内容が詳細であったりボタン同士が接近していると、操作者は所望のボタンの位置の確認と、操作対象自体の確認のために、ディスプレイと操作対象の物との間で視線を頻繁に移動させなければならず、使い勝手が悪いという問題があった。また、操作者が意図しないボタンを誤操作する可能性があった。
【0004】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、車載機器を容易に操作することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明においては、車両に搭載された複数の操作対象からいずれかの操作対象を選択する選択指示を受け付け、選択指示を受け付けたときに、操作対象を操作するための複数のアイコンをタッチパネルディスプレイに表示させ、選択された操作対象を操作する際に操作対象を目視確認する必要があるか否かを示す情報を取得し、選択された操作対象が目視確認必要な操作対象であるとき、アイコン間にタッチ操作を受け付けない不感領域を設定する構成を採用している。
【0006】
機械的なスイッチは手探りで操作するときスイッチの凹凸などから個々のスイッチの位置を把握することができるが、タッチパネルを用いた構成で個々のスイッチ(アイコン)の位置を手探りで把握することは難しい。上記の構成を採用すると、ディスプレイではなくて操作対象の物の方を目視しながら操作しなければならない場合、アイコンとアイコンの間に不感領域が設けられているので、個々のアイコンの位置を把握することができ、ブラインド操作する場合の誤操作を抑制できる。
【0007】
選択指示受付手段は、車両に搭載された複数の操作対象からいずれかの操作対象を選択する選択指示を受け付けることができればよく、種々の構成を採用可能である。タッチパネルディスプレイへのタッチ操作によって受け付けてもよいし、音声によって受け付けてもよいし、その他の入力機構によって受け付けてもよい。操作対象とは、車両に搭載されている種々の機器そのものや、それらの機器の特定の部位や、それらの機器に関する操作項目を指す。例えば、エアコン(温度・風向き調整)、オーディオシステム(音量調整)、ミラー(角度・位置調整)、シート(各部位の角度・位置・ヒータ調整)、ステアリング(角度・位置調整)、ガラス(結露防止機能オン・オフ、ウィンドウ開閉)などである。
【0008】
目視確認情報取得手段は、操作対象が目視確認必要な操作対象であるか否かを示す情報を取得することができればよく種々の構成を採用可能である。例えば、操作対象ごとに目視確認が必要か不要かが予め設定され記憶媒体に記憶されており、それを参照する。目視確認必要な操作対象とは、操作対象の物の位置や角度を変動させる操作であって、その操作による操作結果は主に視覚によって操作者に確認される操作対象を指す。例えば、ドアミラーやフェンダーミラー(角度・位置調整)、操作者が着座しているシート以外のシート(各部位の角度・位置調整)などである。目視確認不要な操作対象とは、操作対象の操作結果は主に視覚以外の感覚によって操作者に確認される操作対象を指す。例えば、エアコン(温度・風向き調整)、オーディオシステム(音量調整)、操作者が着座しているシート(角度・位置・ヒータ調整)などである。
【0009】
本発明において、領域設定手段は、選択された操作対象が目視確認不要であるとき、アイコン間に不感領域を設定しなくてもよい。操作対象を目視確認不要な場合は、ディスプレイを見ながら操作する方が自然である。そのため、ディスプレイを見ないで操作されることを考慮した不感領域を設ける必要はない。すなわち、同一のアイコン配置であっても、目視確認の要不要の情報によって不感領域の設定が異なる。なお、不感領域は操作対象が目視確認不要のときにも設けられていてもよいが、少なくとも目視確認必要な場合に設定される位置以外の位置に設定される。
【0010】
本発明において、表示制御手段は、操作対象に関する操作を示すM個(Mは2以上の整数)のアイコンを、表示領域を仮想的にM分割することによって得られるM個の分割領域のそれぞれに表示させ、領域設定手段は、分割領域の境界線の少なくとも一部を含む領域を前記不感領域として設定してもよい。すなわち、タッチパネルディスプレイの画面全体をM分割したM個の分割領域のそれぞれにアイコンを配置し、その境界線の少なくとも一部を含む領域を不感領域として設定し、不感領域以外の表示領域に対するタッチ操作を受け付ける構成であることにより、アイコンのみに対するタッチ操作を受け付ける構成と比較して、タッチ操作を受け付ける領域の面積が広いためブラインド操作の容易性が向上する。また、上記のように設定された不感領域により分割領域の境界を操作者は把握することができる。
【0011】
また、本発明において、表示制御手段は、操作対象に関する相反する操作を行うための少なくとも一組のアイコンを、前記表示領域の中央を基準として対称の位置に表示させ、領域設定手段は、選択された操作対象が目視確認必要な操作対象であるとき、表示領域の中央に不感領域を設定してもよい。ブラインド操作の工程の一例として、タッチパネルの検出面にタッチする前にまずタッチパネルディスプレイの縁を触り、当該縁を基準として検出面にタッチするという工程が考えられる。縁のうちの一辺(例えば左辺)を触り、左辺から右方向に指を移動させて中央の不感領域に到達したことを操作者が認識すると、それ以降はその不感領域(相反する操作を行うための対のアイコンの間)の位置の記憶を元に操作することができる。
【0012】
また、本発明において、タッチ操作受付手段は、不感領域以外の表示領域のうち不感領域に近い位置ほど、受け付けたタッチ操作に対応する操作対象の操作量を小さく設定してもよい。不感領域に近づくほど、操作対象の操作量が小さいので、操作者は自身の指が不感領域方向に近づいてきていることを操作対象を見ながら認識することができる。すなわち、画面内での自身の指の位置を画面を見ずとも認識することができる。なお、受け付けたタッチ操作に対応する操作量とは、例えば数回に分けてタッチする場合は一回のタッチ操作あたりの操作量を指し、長い間タッチし続ける場合は単位時間あたりの操作量を指す。
【0013】
なお、本発明のように、車両に搭載された複数の操作対象からいずれかの操作対象を選択する選択指示を受け付け、前記選択指示を受け付けたときに、前記操作対象を操作するための複数のアイコンを前記車両に搭載されたタッチパネルディスプレイの表示領域に表示させ、前記選択された操作対象を操作する際に前記操作対象を目視確認する必要があるか否かを示す情報を取得し、前記選択された操作対象が目視確認必要な操作対象であるとき、前記アイコン間にタッチ操作を受け付けない不感領域を設定し、前記不感領域以外の前記表示領域へのタッチ操作を受け付ける手法は、この操作支援を行うプログラムや方法としても適用可能である。また、以上のような操作支援および方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、操作支援装置を制御するプログラムやそのプログラムを記録する記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)操作支援装置の構成:
(2)操作支援処理:
(3)他の実施形態:
【0015】
(1)操作支援装置の構成:
図1は、本発明にかかる車載機器の操作支援装置11の構成を示すブロック図である。本実施形態における操作支援装置11は、タッチパネルディスプレイ40とナビゲーション装置10とを備えている。
【0016】
タッチパネルディスプレイ40は、画面に対する指の接触によって指示操作を受け付ける機能を備える表示装置である。本実施形態では、タッチパネルディスプレイ40は、インストルメントパネル中央部に設置されている。タッチパネルディスプレイ40とナビゲーション装置10とは、図示しないインタフェースで電気的に接続され、相互にデータのやりとりが可能である。
【0017】
ナビゲーション装置10は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部20と記憶媒体30とを備えており、記憶媒体30やROMに記憶された種々のプログラムを制御部20で実行することができる。本実施形態においては、このプログラムの一つとして操作支援プログラム21を実施することができる。
【0018】
選択指示受付部21aは、車両に搭載された複数の操作対象からいずれかの操作対象を選択する選択指示を受け付けるモジュールである。本実施形態ではタッチパネルディスプレイ40への所定のタッチ操作にて受け付ける。操作対象とは、車両に搭載されている種々の機器そのものや、それらの機器の特定の部位や、それらの機器に関する操作項目を指す。例えば、エアコン(温度・風向き調整)、オーディオシステム(音量調整)、ミラー(角度・位置調整)、シート(各部位の角度・位置・ヒータ調整)、ステアリング(角度・位置調整)、ガラス(結露防止機能オン・オフ、ウィンドウ開閉)などである。なお、タッチパネルディスプレイ40に限らず選択指示受付部21aは選択操作を、音声によって受け付けてもよいし、その他の入力機構によって受け付けてもよい。
【0019】
表示制御部21bは、タッチパネルディスプレイ40の表示領域に、各種のメニュー画面や、操作対象の車載機器を操作するための複数のアイコンを表示させるモジュールである。もちろん、アイコン以外にも文字や記号も表示することができる。そのための描画データは、ROMや記憶媒体30に予め記憶されている。
【0020】
目視確認情報取得部21cは、タッチパネルディスプレイ40によって操作対象を操作する際に操作対象を目視する必要があるか否かを示す目視確認情報30aを記憶媒体30から取得するモジュールである。操作対象ごとに目視確認が必要か不要かが設定されている目視確認情報30aは、記憶媒体30に予め記憶されている。目視確認必要な操作対象とは、操作対象の物の位置や角度を変動させる操作であって、その操作による操作結果は主に視覚によって操作者に確認される操作対象を指す。例えば、ドアミラーやフェンダーミラー(角度・位置調整)、操作者が着座しているシート以外のシート(各部位の角度・位置調整)などである。目視確認不要な操作対象とは、操作対象の操作結果は主に視覚以外の感覚によって操作者に確認される操作対象を指す。例えば、エアコン(温度・風向き調整)、オーディオシステム(音量調整)、操作者が着座しているシート(角度・位置・ヒータ調整)などである。
【0021】
領域設定部21dは、タッチパネルディスプレイ40の表示領域に、目視確認情報30aに基づいて不感領域を設定するモジュールである。なお、選択された操作対象が目視確認不要であるとき、アイコン間に不感領域を設定しない。不感領域については後述する。
【0022】
タッチ操作受付部21eは、タッチパネルディスプレイ40が検出した指のタッチ位置を示す情報を取得し、当該タッチ位置を示す情報と、表示制御部21bによってそのときタッチパネルディスプレイ40に表示されている内容と、領域設定部21dによってそのとき設定されている不感領域を示す情報と、に基づいてタッチ操作を受け付けるモジュールである。不感領域がタッチされた場合は、タッチ操作受付部21eはそのタッチ操作を無効とする。不感領域以外の表示領域がタッチされた場合は、そのタッチ操作を有効としそのタッチ位置に応じた操作を操作対象に対して実行させる。
以上、操作支援装置11の構成を説明した。
【0023】
(2)操作支援処理:
次に、以上の構成において本実施形態にかかる操作支援装置11が実施する操作支援処理について説明する。図2は、本実施形態における操作支援処理を示すフローチャートである。この処理は、選択指示受付部21aが車両に搭載された複数の操作対象からいずれかの操作対象を選択する選択指示を受け付けとき、起動される。具体的に、図3に示すドライビングポジション設定画面400がタッチパネルディスプレイ40に表示されている状態で、操作対象として右のドアミラーが選択された(Rアイコン454がタッチされた)場合を例にして、以降説明する。
【0024】
ところで、ドアミラーのように調整具合を確認しながら、すなわち操作対象を目視しながら操作する必要があるものの場合、ドライビングポジション設定画面400のように、ディスプレイに表示される内容が詳細であったりアイコン同士が接近していたりすると、操作者は所望のボタンの位置の確認と、操作対象自体の確認のために、ディスプレイと操作対象の物との間で視線を頻繁に移動させなければならない。また、操作者が意図しないボタンを誤操作する可能性もある。
【0025】
そこで、まずはじめに、表示制御部21bは、簡易操作画面をタッチパネルディスプレイ40に表示させる(ステップS100)。具体的には例えば、図4Aに示す簡易操作画面500を表示させる。図4Aおよび図4Bに示すように、簡易操作画面500には、タッチパネルディスプレイ40の表示領域の中心を基準として対称の位置に上下左右4方向を示すアイコン(相反する操作を行うための2組のアイコン)555a・555b・555c・555dが配置されている。また、4つのアイコンは表示領域を仮想的に4分割することによって得られる4つの分割領域のそれぞれに配置されている。
【0026】
なお、簡易操作画面において、いずれかの分割領域内に上下左右のアイコンとは別の例外的な操作を示すアイコン(例えば、設定を有効にするための「OK」アイコンや、前画面に戻るための「戻る」アイコンなど)やその他の図柄が表示されていてもよい。
【0027】
次に、目視確認情報取得部21cは、目視確認情報30aを記憶媒体30から取得する(ステップS105)。
次に、領域設定部21dは、選択された操作対象は目視確認必要であるかを目視確認情報30aに基づいて判定し(ステップS110)、目視確認必要であるときは不感領域を設定する(ステップS115)。
【0028】
不感領域は、例えば図4Cに示すように、表示領域の中央に設定される。ブラインド操作の工程の一例として、タッチパネルの検出面にタッチする前にまずタッチパネルディスプレイの縁を触り、当該縁を基準として検出面にタッチするという工程が考えられる。縁のうちの一辺(例えば左辺)を触り、左辺から右方向に指を移動させて中央の不感領域に到達したことを操作者が認識すると、それ以降はその不感領域(相反する操作を行うための対のアイコンの間)の位置の記憶を元に操作することができる。
【0029】
また、不感領域は、例えば図4Dに示すように各分割領域の境界線を含む領域に設定されてもよい。
図4Cおよび図4Dのように、画面全体をM(Mは2以上の整数)分割したM個の分割領域のそれぞれにアイコンを配置し、その境界線の少なくとも一部を含む領域を不感領域として設定し、不感領域以外の表示領域に対するタッチ操作を受け付ける構成では、アイコンのみに対するタッチ操作を受け付ける構成と比較して、タッチ操作を受け付ける領域の面積が広いためブラインド操作の容易性が向上する。また、上記のように設定された不感領域により分割領域の境界を操作者は把握することができる。
【0030】
また、図4Cおよび図4Dにおいて、各分割領域はそれぞれタッチパネルディスプレイ40の縁(表示領域の外周)に接している。前述したブラインド操作の工程を操作者が経る場合、分割領域の少なくとも一部が表示領域の縁に接していると、縁部から指を大きく移動させることなくいずれかの分割領域(非不感領域)をタッチすることができる。
【0031】
ところで、本実施形態ではタッチ操作受付部21eは、不感領域以外の表示領域のうち不感領域に近い位置ほど、受け付けたタッチ操作に対応する操作対象の操作量を小さく設定する。不感領域に近づくほど、操作対象の操作量が小さいので、操作者は自身の指が不感領域方向に近づいてきていることを操作対象を見ながら認識することができる。すなわち、画面内での自身の指の位置を画面を見ずとも認識することができる。なお、受け付けたタッチ操作に対応する操作量とは、例えば数回に分けてタッチする場合は一回のタッチ操作あたりの操作量を指し、長い間タッチし続ける場合は単位時間あたりの操作量を指す。
【0032】
以上、目視確認必要な操作対象が選択された例を説明した。次に目視確認が必要でない操作対象が選択された場合を説明する。例えば、エアコンの風向き調整が目視確認必要ない操作として目視確認情報30aに設定されているとする。そして、エアコンの風向きは上下左右に調整可能であるとする。操作支援処理が起動されるとき選択されているのがエアコンの風向き調整であるとき、表示領域には前述のドアミラー調整と同様に画面500(図4A)が表示される。この場合、ステップS110では目視確認必要ないと判定して不感領域を設定しない(図4B)。操作対象を目視確認不要な場合は、ディスプレイを見ながら操作する方が自然である。そのため、ディスプレイを見ないで操作されることを考慮した不感領域を設ける必要はない。すなわち、同一のアイコン配置であっても、目視確認の要不要の情報によって不感領域の設定が異なる。なお、不感領域は操作対象が目視確認不要のときにも設けられていてもよいが、少なくとも目視確認必要な場合に設定される位置以外の位置に設定される。
【0033】
以上、操作支援処理と不感領域の設定例を説明した。機械的なスイッチは手探りで操作するときスイッチの凹凸などから個々のスイッチの位置を把握することができるが、タッチパネルを用いた構成で個々のスイッチ(アイコン)の位置を手探りで把握することは難しい。しかしこの操作支援装置11によると、ディスプレイではなくて操作対象の物の方を目視しながら操作しなければならない場合、アイコンとアイコンの間に不感領域が設けられているので、個々のアイコンの位置を把握することができ、ブラインド操作する場合の誤操作を抑制できる。
【0034】
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は、本発明を実施するための一例であり、選択された操作対象が目視確認必要な操作対象であるとき、アイコン間にタッチ操作を受け付けない不感領域を設定し、不感領域以外の表示領域へのタッチ操作を受け付ける限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。
【0035】
例えば、シート全体を前後にスライドさせたいとき、図5Aに示す簡易操作画面600をタッチパネルディスプレイ40に表示させる。操作対象が運転席である場合(操作者は運転席に着座している場合)は、シートの位置は自身で体感して決定するものであるのでシートを見るのではなく画面を目視しながら操作するのが自然である。その場合、図5Bに示すように、不感領域は設定されなくてよい。操作対象が助手席や後部席である場合、シートの前後方向の移動具合はシート自体を目視しないと操作者は把握できない。このようなときは、図5Cに示すように、境界線を含む領域を不感領域として設定する。なお、不感領域はアイコンと一部重なって設定されてもよい。
【0036】
また、分割領域の境界線を含む領域を不感領域として設定する他の例として、図6Aに示すように画面全体を12分割してテンキーマトリクスが表示されるとき、一点鎖線で示すように不感領域が設定されてもよい。
また、図4Aのように相反する操作を行うための少なくとも2組のアイコンが表示領域の中央を基準として対称の位置に表示されているとき、図6Bに示すように不感領域が設定されていてもよい。すなわち、表示領域の中央以外にも不感領域が設定されてもよい。
【0037】
なお、車両が走行中であるか否かを示す情報を取得する車両情報取得手段を設け、領域設定手段は、車両が走行中であるときに不感領域を設定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】操作支援装置のブロック図である。
【図2】操作支援処理を示すフローチャートである。
【図3】操作対象を選択するための画面の一例を示す図である。
【図4】(4A)は簡易操作画面を示す図、(4B)・(4C)・(4D)はアイコンの配置と不感領域の設定位置を説明するための図である。
【図5】(5A)は簡易操作画面を示す図、(5B)・(5C)はアイコンの配置と不感領域の設定位置を説明するための図である。
【図6】(6A)および(6B)は他の実施形態としての、アイコンの配置と不感領域の設定位置の例を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
10:ナビゲーション装置、11:操作支援装置、20:制御部、21:操作支援プログラム、21a:選択指示受付部、21b:表示制御部、21c:目視確認情報取得部、21d:領域設定部、21e:タッチ操作受付部、30:記憶媒体、30a:目視確認情報、40:タッチパネルディスプレイ、400:ドライビングポジション設定画面、500:簡易操作画面、600:簡易操作画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されたタッチパネルディスプレイと、
前記車両に搭載された複数の操作対象からいずれかの操作対象を選択する選択指示を受け付ける選択指示受付手段と、
前記選択指示を受け付けたときに、前記操作対象を操作するための複数のアイコンを前記タッチパネルディスプレイの表示領域に表示させる表示制御手段と、
前記選択された操作対象を操作する際に前記操作対象を目視確認する必要があるか否かを示す情報を取得する目視確認情報取得手段と、
前記選択された操作対象が目視確認必要な操作対象であるとき、前記アイコン間にタッチ操作を受け付けない不感領域を設定する領域設定手段と、
前記不感領域以外の前記表示領域へのタッチ操作を受け付けるタッチ操作受付手段と、
を備える操作支援装置。
【請求項2】
前記領域設定手段は、前記選択された操作対象が目視確認不要であるとき、前記アイコン間に不感領域を設定しない、
請求項1に記載の操作支援装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記操作対象に関する操作を示すM個(Mは2以上の整数)のアイコンを、前記表示領域を仮想的にM分割することによって得られるM個の分割領域のそれぞれに表示させ、
前記領域設定手段は、前記分割領域の境界線の少なくとも一部を含む領域を前記不感領域として設定する、
請求項1または2に記載の操作支援装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記操作対象に関する相反する操作を行うための少なくとも一組のアイコンを、前記表示領域の中央を基準として対称の位置に表示させ、
前記領域設定手段は、前記選択された操作対象が目視確認必要な操作対象であるとき、前記表示領域の中央に前記不感領域を設定する、
請求項1〜3のいずれかに記載の操作支援装置。
【請求項5】
前記タッチ操作受付手段は、前記不感領域以外の前記表示領域のうち前記不感領域に近い位置ほど、受け付けた前記タッチ操作に対応する前記操作対象の操作量を小さく設定する、
請求項1〜4のいずれかに記載の操作支援装置。
【請求項6】
車両に搭載された複数の操作対象からいずれかの操作対象を選択する選択指示を受け付ける選択指示受付工程と、
前記選択指示を受け付けたときに、前記操作対象を操作するための複数のアイコンを前記車両に搭載されたタッチパネルディスプレイの表示領域に表示させる表示制御工程と、
前記選択された操作対象を操作する際に前記操作対象を目視確認する必要があるか否かを示す情報を取得する目視確認情報取得工程と、
前記選択された操作対象が目視確認必要な操作対象であるとき、前記アイコン間にタッチ操作を受け付けない不感領域を設定する領域設定工程と、
前記不感領域以外の前記表示領域へのタッチ操作を受け付けるタッチ操作受付工程と、
を含む操作支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−195141(P2008−195141A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−30431(P2007−30431)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】