車載機器
【課題】目的地までの走行中における日当たりに関する有益な情報をユーザーに提供可能な車載機器を提供する。
【解決手段】車載ナビゲーション1は、目的地に至るまでの車両5の走行の状況を予測し、予測した車両5の走行の状況に基づいて、目的地までの経路を車両5で走行した場合における車両5の座席ごとの日当たりの状況を検出する。
【解決手段】車載ナビゲーション1は、目的地に至るまでの車両5の走行の状況を予測し、予測した車両5の走行の状況に基づいて、目的地までの経路を車両5で走行した場合における車両5の座席ごとの日当たりの状況を検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地までの経路を検索する機能を有する車載機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載機器において、目的地までの経路を検索し、得られた経路と、ジャイロスコープや車速パルスを用いた自立航法及びGPSやFM多重を用いた電波航法から推定した自車位置とをマップマッチングして、表示画面上に表示し経路誘導するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−85794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両の走行中における、車両の各座席の日当たりの状況(例えば、座席に対して日光が照射される時間)は異なる。ここで、医学的な理由や、健康上の理由等を含む各理由により、車両に搭乗する際、できるだけ日が当たることを避けたいと考える人間も存在する。このため、上述したような目的地までの経路を検索する機能を有する車載機器では、目的地までの走行中における日当たりに関する有益な情報をユーザーに提供したいとするニーズがあった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、目的地までの走行中における日当たりに関する有益な情報をユーザーに提供可能な車載機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は目的地までの経路を検索する機能を有する車載機器において、目的地に至るまでの車両の走行の状況を予測し、予測した前記車両の走行の状況に基づいて、目的地までの経路を前記車両で走行した場合における前記車両の座席ごとの日当たりの状況を算出することを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、上記発明の車載機器において、目的地までの経路を、現在位置から目的地に向かう連続したリンクとして検出し、各前記リンクを走行した場合における車両の走行の状況に基づいて、各リンクにおける各前記座席の日当たりの状況を算出することにより、目的地までの経路を前記車両で走行した場合における前記車両の前記座席ごとの日当たりの状況を算出することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上記発明の車載機器において、前記リンクごとに、前記車両が各前記リンクを走行した場合における前記車両の進行方向の方角を対応づけて記憶し、目的地へ向かって前記車両が走行した場合に、前記車両が各前記リンクに至るときの日時を予測すると共に、当該予測に基づいて、各前記リンクに前記車両が至ったときの太陽の方角を検出し、各前記リンクを走行した場合における車両の進行方向の方角と、各前記リンクの走行時における太陽の方角とに基づいて、前記リンクごとに、各前記リンクを走行した場合における前記座席ごとの日当たりの状況を算出することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記発明の車載機器において、前記車両の進行方向の方角、及び、前記太陽の方角の関係と、前記座席ごとの日当たりの状況と、を対応づけて記憶し、記憶した情報を利用して、各前記リンクを走行した場合における前記車両の進行方向の方角と、各前記リンクの走行時における太陽の方角とに基づいて、各前記リンクを走行した場合における前記座席ごとの日当たりの状況を算出することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記発明の車載機器において、各種情報を表示可能な表示部を備え、前記表示部に、前記座席のそれぞれを明示すると共に、明示された前記座席のそれぞれに対応づけて、各前記座席の日当たりの状況を示す情報を表示することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明の車載機器において、日当たりの状況として、目的地に至るまで前記車両を走行した場合における前記座席ごとの日の当たる度合を算出し、前記表示部に、明示された前記座席のそれぞれと対応づけて、算出した前記座席のそれぞれの日の当たる度合に係る情報を表示することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明の車載機器において、日当たりの状況として、目的地に至るまで前記車両を走行した場合における前記座席ごとの日の当たる度合の高さの順序を算出し、前記表示部に、明示された前記座席のそれぞれと対応づけて、算出した前記座席のそれぞれの日の当たる度合の高さの順序を示す情報を表示することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明の車載機器において、前記表示部に、明示された前記座席のそれぞれと対応づけて、一端が現在位置を示し、他端が目的地を示すバーを表示すると共に、前記バーを、現在位置から目的地への距離に応じて複数の領域に区分けし、各領域に対応する道路を走行した場合における各座席の日当たりの状況に対応させて、各領域の表示態様を変更することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明の車載機器において、前記表示部に、明示された前記座席のそれぞれと対応づけて、一端が現在位置を示し、他端が目的地を示すバーを表示すると共に、前記バーを、現在位置から目的地へ至る経路上の所定の地点ごとに、前記所定の地点のそれぞれに至ると予測される日時に応じて複数の領域に区分けし、各領域に対応する道路を走行した場合における各座席の日当たりの状況に対応させて、各領域の表示態様を変更することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明の車載機器において、目的地までの経路に、高速道路又はバイパス道路を含む所定の直線道路が含まれているか否かを判別し、含まれている場合は、目的地までの経路を前記車両で走行した場合における前記車両の座席ごとの日当たりの状況を算出することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記発明の車載機器において、目的地までの経路を前記車両で走行した場合における前記車両の前記座席ごとの日当たりの状況の算出に当たり、少なくとも、目的地までの経路に含まれる道路の各道路長、各道路の渋滞度、各道路を走行時の天気、及び、各道路沿いに高い建物が存在するか否か、のいずれかの情報を加味して、前記車両の前記座席ごとの日当たりの状況の算出することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記発明の車載機器において、前記車両の走行履歴に関する情報を記憶し、目的地が設定されていない場合は、前記車両の走行履歴に関する情報に基づいて、複数の目的地の候補を設定し、設定した目的地の候補のそれぞれについて、各目的地の候補に向かって車両を走行した場合における走行の状況を予測し、予測した前記車両の走行の状況に基づいて、目的地の候補までの経路を前記車両で走行した場合における前記車両の座席ごとの日当たりの状況を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、目的地までの走行中における日当たりに関する有益な情報をユーザーに提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態に係る車載ナビゲーションの機能的構成を示すブロック図である。
【図2】車両の方角を説明するための図である。
【図3】車載ナビゲーションの動作を示すフローチャートである。
【図4】車両の座席の状態を模式的に示す図である。
【図5】太陽の方角を説明するための図である。
【図6】太陽位置角度を説明するための図である。
【図7】位置関係パターンのそれぞれを示す図である。
【図8】日光ポイントテーブルを示す図である。
【図9】リンクパターンテーブルを示す図である。
【図10】メイン画面を示す図である。
【図11】前部右座席情報バーを拡大して示す図である。
【図12】現在位置から目的地に至るまでの推奨経路を構成する一連のリンクの一例を模式的に示す図である。
【図13】リンクパターンテーブルの一例を示す図である。
【図14】到着時刻テーブルを示す図である。
【図15】第2実施形態に係る車載ナビゲーションの動作を示すフローチャートである。
【図16】第3実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図である。
【図17】係数テーブルを示す図である。
【図18】補正リンクパターンテーブルを示す図である。
【図19】第4実施形態に係る座席別情報表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る車載ナビゲーション装置1(車載機器)の機能的構成を示すブロック図である。
車載ナビゲーション装置1は、車両5に設けられた装置であり、後述するように、指定された目的地までの推奨経路を検索する経路検索機能、及び、検索した推奨経路を車両5が走行するように経路誘導する経路誘導機能を備えている。
【0020】
図1に示すように、車載ナビゲーション装置1は、制御部10と、絶対位置検出部11と、相対方位検出部12と、表示部13と、入力部14と、記憶部15とを備えている。
制御部10は、車載ナビゲーション装置1の各部を中枢的に制御するものであり、CPUやROM、RAM、その他周辺回路を備えている。制御部10は、RTC(不図示)に接続されており、RTCからの入力値に基づいて、現在の日時(日付、時刻)を計時可能である。
絶対位置検出部11は、GPS衛星から送られてくるGPS電波をGPSアンテナやレシーバーなどで受信し、GPS電波に重畳されたGPS信号から、車両5の絶対的な位置を算出し、制御部10に出力する。
相対方位検出部12は、ジャイロセンサー等を使って、車両5の相対的な方位を検出し、制御部10に出力する。
表示部13は、液晶表示パネル等の表示パネル13aを備え、制御部10の制御の下、表示パネル13aにナビゲーションのための地図等の各種情報を表示する。
入力部14は、車載ナビゲーション装置1に設けられた操作スイッチ14aと、表示部13の表示パネル13aに重ねて配設されたタッチパネル14bとを備え、ユーザーの操作スイッチ14aや、タッチパネル14bに対する操作を検出し、制御部10に出力する。
記憶部15は、ハードディスクや、フラッシュメモリー等の不揮発性メモリーを備え、各種データを書き換え可能に記憶する。記憶部15には、地図データベース20と、経路検索用データ21とが記憶されている。
【0021】
地図データベース20は、地図に関するデータであり、車両5の現在位置を表示する際や、後述する経路誘導時に表示部13の表示パネル13aに表示される表示用の地図に係るデータや、地図上の道路や施設等の情報に関するデータ等を含んでいる。
【0022】
経路検索用データ21は、所定単位で区分された区間経路(リンク)に関するリンクデータ、及び、交差点(ノード)に関するノードデータを備えている。
リンクデータには、各リンクに対応する道路の道路種別や、道路幅、道路長、車線数、一方通行か否か、制限速度等に関する情報や、各リンクのリンクコストを示す情報が含まれている。各リンクのリンクコストは、リンク長やリンクの種別、平均旅行時間などから算出される。
また、経路検索用データ21には、各リンクについて、リンクに対応する道路の位置情報(少なくとも、リンクに対応する道路の入口地点の位置を含む情報)が含まれている。
また、経路検索用データ21には、各リンクについて、各リンクに対応する道路が、高速道路、又は、バイパス道路であるか否かを示す情報が含まれている。
さらに、本実施形態では、経路検索用データ21には、リンクのそれぞれについて、車両5が各リンクに対応する道路を走行した場合における車両5の方角を示すデータが含まれている。本実施形態における「車両5の方角」とは、北を基準とした車両5の進行方向の角度(より具体的には、方位(東西南北)が規定された仮想平面に、車両5を仮想的に配置した場合において、車両5を端点として北方向へ延びる仮想的な半直線に対する、車両5を端点として進行方向へ延びる半直線の時計回りの角度)であるものとする。
【0023】
図2は、車両5の方角を説明するために、東西南北が規定された平面上に車両5を仮想的に配置した様子を模式的に示す図であり、(A)は一の例を、(B)は他の例を示している。
図2(A)を参照し、車両5を端点として北方向へ延びる仮想的な半直線X1と、車両5を端点として進行方向へ延びる半直線Y1との関係が、図2(A)に示す状態であるものとすると、半直線X1に対する半直線Y1の時計回りの角度α1が、車両5の方角に該当する。
また、図2(B)を参照し、車両5を端点として北方向へ延びる仮想的な半直線X2と、車両5を端点として進行方向へ延びる半直線Y2との関係が、図2(B)に示す状態であるものとすると、半直線X2に対する半直線Y2の時計回りの角度α2が、車両5の方角に該当する。
【0024】
この経路検索用データ21は、経路検索機能の実行時に利用される。
経路検索機能は、ユーザーにより、入力部14の操作スイッチ14aやタッチパネル14bによって目的地が指定された上で、当該目的地までの経路の検索が指示されたことをトリガーとして実行される。
経路検索機能の実行時、制御部10は、経路検索用データ21に基づいて、現在位置から目的地に至るまでの連続したリンクにおいて、各リンクのリンクコストの総和が最小になるような経路を推奨経路として検索する。
さらに、制御部10は、推奨経路の検索後、表示部13の表示パネル13aに表示された地図上に、車両5の現在位置、及び、車両5が走行すべき経路を明示し、車両5の運転手に対して経路誘導を行う。経路誘導中、制御部10は、相対方位検出部12の検出値に基づいて自律航法により算出した自車位置を、絶対位置検出部11により検出された自車位置により補正するハイブリッド航法により、高精度に求めた自車位置を算出し、算出した自車位置に基づいて、車両5の現在位置を地図上に明示しつつ、経路誘導を行う。
なお、本実施形態では、制御部10は、経路検索用データ21のリンクデータに基づいて、車両5が、現在位置から所定の経路を経由して所定の位置に至った場合に、当該所定の位置に車両5が到着する時刻を予測することが可能である。
【0025】
ところで、車両5の走行中、車両5の走行方向と、太陽の位置との関係で、車両5の各座席の日当たりの状況(例えば、座席に対して日光が照射される時間の累計)は異なる。ここで、医学的な理由や、健康上の理由等を含む理由により、車両5に搭乗する際、できるだけ日が当たることを避けたいと考える人間も存在する。
これを踏まえ、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1は、目的地までの走行中における座席ごとの日当たりに関する有益な情報(以下、単に「日当たり情報」という)を表示部13の表示パネル13aに表示することによって、日当たり情報をユーザーに提供し、これにより、ユーザーの利便性を向上している。
以下、車載ナビゲーション装置1の動作について詳述する。
【0026】
図3は、日当たり情報を表示部13の表示パネル13aに表示する際の車載ナビゲーション装置1の動作を示すフローチャートである。
なお、図3のフローチャートが示す動作の前提として、ユーザーが、所定の目的地を指示した上で、当該目的地までの推奨経路の検索を指示しているものとする。
また、本実施形態では、車載ナビゲーション装置1が搭載された車両5には、以下のように座席が設けられているものとする。
【0027】
図4は、車載ナビゲーション装置1が搭載された車両5の座席の態様を模式的に示す図である。
図4に示すように、車両5の内部には、前部座席の右部に設けられた前部右座席FR(本実施形態では、運転席に該当)と、前部座席の左部に設けられた前部左座席FL(助手席に該当)と、後部座席の右部に設けられた後部右座席RRと、後部座席の左部に設けられた後部左座席RLと、がそれぞれ設けられている。
また、車両5において、前部座席の前方にはフロントガラス25が、前部右座席FRの右方には前部右サイドガラス26が、前部左座席FLの左方には前部左サイドガラス27が、後部右座席RRの右方には後部右サイドガラス28が、後部左座席RLの左方には後部左サイドガラス29が、前部座席の後方にはリアガラス30がそれぞれ設けられており、これらガラスを介して車両5の各座席に日が当たる構成となっている。
なお、車両5の向きと、太陽の位置との関係によっては、日が当たる座席と、日が当たらない座席とが現出する。
【0028】
図3を参照し、まず、車載ナビゲーション装置1の制御部10は、ユーザーによって、日当たり情報の表示が指示されたか否かを監視する(ステップSA1)。
本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1は、日当たり情報の表示を指示するためのタッチパネル14bを利用したユーザーインターフェースが設けられており、ユーザーは、当該ユーザーインターフェースを利用して、当該指示を実行可能である。なお、車載ナビゲーション装置1に、当該指示を行うための操作スイッチ14aを設ける構成としてもよい。
日当たり情報の表示が指示された場合(ステップSA1:YES)、制御部10は、推奨経路の検索が終了しているか否かを判別する(ステップSA2)。
推奨経路の検索が終了している場合(ステップSA2:YES)、制御部10は、以下の初期設定を行う(ステップSA3)。
【0029】
まず、変数hfr、変数hfl、変数hrr、及び、変数hrlのそれぞれに、「0」を格納する。これら変数は、以下の値を格納することを目的としてプログラム上に定義された変数を、説明の便宜を考慮して概念的に表現するものである。
変数hfrは、前部右座席FRに付与される日光ポイントを格納する変数である。この日光ポイントは、詳細は後述するが、各座席に対する日の当たる度合を数値化したポイントであり、付与された日光ポイントが高い座席ほど、日の当たる度合が高く、一方、付与された日光ポイントが低い座席ほど、日の当たる度合が低い。「日の当たる度合」とは、目的地まで車両5が走行した場合に、日が当たっている時間の長さの度合(正確な時間の長さに基づくものではなく、後述するが、ある程度の客観的な正確性を持って算出される時間の長さに基づくもの)を概念的に表現したものである。
同様に、変数hfl、変数hrr、及び、変数hrlは、それぞれ、前部左座席FL、後部右座席RR、及び、後部左座席RLに付与される日光ポイントを格納する変数である。
【0030】
また、ステップSA3において、制御部10は、変数nに、推奨経路に含まれるリンクの総数を示す値を格納する。上述したように、推奨経路は、車両5の現在位置から目的地に至る連続したリンクによって形成された経路であり、制御部10は、検索した推奨経路に含まれるリンクの総数をカウントし、カウントしたリンクの総数を示す値を変数nに格納する。
【0031】
また、ステップSA3において、制御部10は、変数iに「0」を格納する。
ここで、以下の説明において、推奨経路に含まれるリンクを、適宜、リンク(i)として表現する。なお、リンクの総数を示す値が変数nに格納されているため、変数iは、「0」〜「n−1」までの値をとる。そして、車両5の現在位置に最も近いリンクがリンク(0)であり、目的地に向かって順に、リンク(1)、リンク(2)と、変数iの値が「1」ずつ増えていき、目的地に最も近いリンクは、リンク(n−1)である。
【0032】
以上のような初期設定を行った後、制御部10は、リンク(i)を以下のステップSA4〜ステップSA13に係る処理を実行するべき処理対象のリンクとして特定する(ステップSA4)。すなわち、以下のステップSA4〜ステップSA13の処理は、推奨経路に含まれるリンク(0)〜リンク(n−1)のそれぞれに対して実行される。
以下の説明において、ステップSA4で処理対象のリンクとして特定されたリンクを、適宜、「処理対象リンク」と表現することがあるものとする。
【0033】
次いで、制御部10は、経路検索用データ21を参照し(ステップSA5)、車両5が処理対象リンクに対応する道路を走行した場合における車両5の方角を取得する(ステップSA6)。上述したように、経路検索用データ21には、リンクのそれぞれについて、車両5が各リンクに対応する道路を走行した場合における車両5の方角を示すデータが含まれている。
次いで、制御部10は、経路検索用データ21を参照し、車両5が目的地に向かって走行した場合に、処理対象リンクに対応する道路に到着する日時(以下、「処理対象リンク到着日時」という)を算出する(ステップSA7)。なお、ステップSA7で算出する処理対象リンク到着日時は、処理対象リンクに対応する道路の入口地点に到着する日時でもよいが、例えば、処理対象リンクに対応する道路の中間地点に到着する日時としてもよい。
【0034】
次いで、制御部10は、車両5が処理対象リンクに対応する道路に到着したときにおける太陽の方角を算出する(ステップSA8)。
本実施形態における「太陽の方角」とは、北を基準とした太陽の2次元的な方角(より詳細には、方位(東西南北)が規定された仮想平面に、車両5、及び、太陽を仮想的に配置した場合において、車両5を端点として北方向へ延びる仮想的な半直線に対する、車両5を端点として太陽へ向かって延びる仮想的な半直線の時計回りの角度)のことである。
【0035】
図5は、太陽の方角を説明するために、東西南北が規定された平面上に、車両5、及び、太陽を仮想的に配置した様子を模式的に示す図であり、(A)は一の例を、(B)は他の例を示している。
図5(A)を参照し、車両5を端点として北方向へ延びる仮想的な半直線X3と、車両5を端点として太陽へ向かって延びる半直線Y3との関係が、図5(A)に示す状態であるものとすると、半直線X3に対する半直線Y3の時計回りの角度α3が、車両5の方角に該当する。
また、図5(B)を参照し、車両5を端点として北方向へ延びる仮想的な半直線X4と、車両5を端点として太陽へ向かって延びる半直線Y4との関係が、図5(B)に示す状態であるものとすると、半直線X4に対する半直線Y4の時計回りの角度α4が、車両の方角に該当する。
なお、地球上の1の地点における太陽の方角は、当該1の地点の位置(緯度、経度)、及び、日時(日付、時刻)により、一意に定まる。これを踏まえ、本実施形態では、位置情報と、日時とに基づいて、太陽の方角を算出するアルゴリズムを有するプログラムがROMに記憶されている。そして、ステップSA8では、制御部10は、経路検索用データ21を参照し、処理対象リンクに対応する道路の位置(道路の入口地点の位置)を取得した上で、取得した道路の位置を示す情報と、ステップSA7で算出した処理対象リンク到着日時とに基づいて、当該プログラムを利用して、太陽の方角を算出する。
【0036】
次いで、制御部10は、ステップSA6で取得した車両5の方角と、ステップSA8で算出した太陽の方角とに基づいて、車両5が処理対象リンクに対応する道路に至った場合における太陽位置角度を算出する(ステップSA9)。
【0037】
図6は、太陽位置角度について説明するための図であり、(A)は、車両5と太陽とを同一平面上に配置した様子を模式的に示した一の例であり、(B)は他の例である。
太陽位置角度とは、車両5の進行方向に対する、太陽の位置の相対的な角度のことであり、より具体的には、方位(東西南北)が規定された仮想平面に、車両5、及び、太陽を仮想的に配置した場合において、車両5を端点として進行方向へ延びる仮想的な半直線に対する、車両5を端点として太陽へ向かって延びる仮想的な半直線の時計回りの角度のことである。
図6(A)を参照し、車両5を端点として進行方向へ延びる仮想的な半直線X5と、車両5を端点として太陽へ向かって延びる半直線Y5との関係が、図6(A)に示す状態であるものとすると、半直線X5に対する半直線Y5の時計回りの角度α5が、太陽位置角度に該当する。
また、図6(B)を参照し、車両5を端点として進行方向へ延びる仮想的な半直線X6と、車両5を端点として太陽へ向かって延びる半直線Y6との関係が、図6(B)に示す状態であるものとすると、半直線X6に対する半直線Y6の時計回りの角度α6が、太陽位置角度に該当する。
このように、太陽位置角度は、車両5を端点として進行方向へ延びる仮想的な半直線に対する、車両5を端点として太陽へ向かって延びる仮想的な半直線の時計回りの角度のことであるため、太陽位置角度が0°、及び、360°付近のときは、太陽は車両5の略前方に位置し、太陽位置角度が0°〜180°のときは、太陽は車両5の進行方向に向かって右側に位置し、太陽位置角度が180°付近のときは、太陽は車両5の略後方に位置し、太陽位置角度が180°〜360°のときは、太陽は車両5の進行方向に向かって左側に位置することとなる。
【0038】
さて、前掲図3を参照し、ステップSA9において太陽位置角度を算出した後、制御部10は、算出した太陽位置角度に基づいて、位置関係パターンP1〜P8のうち、処理対象リンクにおける車両5と太陽との位置関係とがいずれのパターンに該当するのかを特定する(ステップSA10)
【0039】
図7は、位置関係パターンP1〜P8における車両5と、太陽との位置関係を模式的に示す図であり、(A)は位置関係パターンP1を、(B)は位置関係パターンP2を、(C)は位置関係パターンP3を、(D)は位置関係パターンP4を、(E)は位置関係パターンP5を、(F)は位置関係パターンP6を、(G)は位置関係パターンP7を、(H)は位置関係パターンP8を、それぞれ示している。
【0040】
図7(A)に示すように、位置関係パターンP1は、太陽が、車両5の略前方(進行方向)に位置するような、太陽と、車両5との位置関係を示している。ステップSA10では、制御部10は、太陽位置角度が0°〜22.5°又は337.5°〜360°の範囲にある場合に、処理対象リンクにおける車両5と太陽との位置関係が、位置関係パターンP1に該当すると特定する。
また、図7(B)に示すように、位置関係パターンP2は、太陽が、車両5の進行方向に向かって左斜め前に位置するような、太陽と、車両5との位置関係を示している。ステップSA10では、制御部10は、太陽位置角度が292.5°〜337.5°の範囲にある場合に、処理対象リンクにおける車両5と太陽との位置関係が、位置関係パターンP2に該当すると特定する。
また、図7(C)に示すように、位置関係パターンP3は、太陽が、車両5の略左に位置するような、太陽と、車両5との位置関係を示している。ステップSA10では、制御部10は、太陽位置角度が247.5°〜292.5°の範囲にある場合に、処理対象リンクにおける車両5と太陽との位置関係が、位置関係パターンP3に該当すると特定する。
また、図7(D)に示すように、位置関係パターンP4は、太陽が、車両5の進行方向に向かって左斜め後ろに位置するような、太陽と、車両5との位置関係を示している。ステップSA10では、制御部10は、太陽位置角度が202.5°〜247.5°の範囲にある場合に、処理対象リンクにおける車両5と太陽との位置関係が、位置関係パターンP4に該当すると特定する。
また、図7(E)に示すように、位置関係パターンP5は、太陽が、車両5の略後方(進行方向と逆方向)に位置するような、太陽と、車両5との位置関係を示している。ステップSA10では、制御部10は、太陽位置角度が157.5°〜202.5°の範囲にある場合に、処理対象リンクにおける車両5と太陽との位置関係が、位置関係パターンP5に該当すると特定する。
また、図7(F)に示すように、位置関係パターンP6は、太陽が、車両5の進行方向に向かって右斜め後ろに位置するような、太陽と、車両5との位置関係を示している。ステップSA10では、制御部10は、太陽位置角度が112.5°〜157.5°の範囲にある場合に、処理対象リンクにおける車両5と太陽との位置関係が、位置関係パターンP6に該当すると特定する。
また、図7(G)に示すように、位置関係パターンP7は、太陽が、車両5の略右に位置するような、太陽と、車両5との位置関係を示している。ステップSA10では、制御部10は、太陽位置角度が67.5°〜112.5°の範囲にある場合に、処理対象リンクにおける車両5と太陽との位置関係が、位置関係パターンP7に該当すると特定する。
また、図7(H)に示すように、位置関係パターンP8は、太陽が、車両5の進行方向に向かって右斜め前に位置するような、太陽と、車両5との位置関係を示している。ステップSA10では、制御部10は、太陽位置角度が22.5°〜67.5°の範囲にある場合に、処理対象リンクにおける車両5と太陽との位置関係が、位置関係パターンP8に該当すると特定する。
【0041】
さて、前掲図3を参照し、ステップSA10において処理対象リンクにおける車両5と太陽との位置関係を示す位置関係パターンPを特定した後、制御部10は、日光ポイントテーブル35を参照する(ステップSA11)。
【0042】
図8は、日光ポイントテーブル35を示す図である。
日光ポイントテーブル35は、位置関係パターンPのそれぞれについて、処理対象リンクにおける車両5と太陽との位置関係が位置関係パターンPである場合に、前部右座席FR、前部左座席FL、後部右座席RR、及び、後部左座席RLのそれぞれに付与される日光ポイントが記憶されるテーブルである。
【0043】
図8を参照し、本実施形態では、処理対象リンクにおける車両5と太陽との位置関係が、位置関係パターンP1である場合、前部右座席FRに対して「1」の日光ポイントが付与され、前部左座席FLに対して「1」の日光ポイントが付与され、後部右座席RRに対して「0」の日光ポイントが付与され、後部左座席RLに対して「0」の日光ポイントが付与される。
ここで、図4、及び、図7(A)を参照し、上述したように、位置関係パターンP1では、車両5の略前方に太陽が位置している。そして、本実施形態では、車両5と太陽とがこのような位置関係にある場合、フロントガラス25を介して、前部右座席FR及び前部左座席FLに対して日が当たる一方、後部右座席RR及び後部左座席RLに対しては限定的にしか日が当たらない。
これを踏まえ、処理対象リンクにおける位置関係パターンPが、位置関係パターンP1である場合には、当該処理対象リンクに対応する道路を車両5が走行した場合、車両5の走行中、前部右座席FR及び前部左座席FLに対しては日が当たり、一方、後部右座席RR及び後部左座席RLに対しては限定的にしか日が当たらないとして、前部右座席FR及び前部左座席FLに対して「1」の日光ポイントを付与する一方、後部右座席RR及び後部左座席RLに対して「0」の日光ポイントを付与する。
【0044】
同様に、図4、図7(B)、及び、図8を参照し、処理対象リンクにおける位置関係パターンPが位置関係パターンP2の場合には、当該処理対象リンクに対応する道路を車両5が走行した場合、車両5の走行中、前部右座席FR、前部左座席FL、及び、後部左座席RLに対しては、フロントガラス25、前部左サイドガラス27、及び、後部左サイドガラス29を介して日が当たり、一方、後部右座席RRに対しては限定的にしか日が当たらないとして、前部右座席FR、前部左座席FL、及び、後部左座席RLに対して「1」の日光ポイントを付与する一方、後部右座席RRに対して「0」の日光ポイントを付与する。
また、図4、図7(C)、及び、図8を参照し、処理対象リンクにおける位置関係パターンPが位置関係パターンP3の場合には、当該処理対象リンクに対応する道路を車両が走行した場合、車両5の走行中、前部左座席FL、及び、後部左座席RLに対しては、前部左サイドガラス27、及び、後部左サイドガラス29を介して日が当たり、一方、前部右座席FR、及び、後部右座席RRに対しては限定的にしか日が当たらないとして、前部左座席FL、及び、後部左座席RLに対して「1」の日光ポイントを付与する一方、前部右座席FR、及び、後部右座席RRに対して「0」の日光ポイントを付与する。
また、図4、図7(D)、及び、図8を参照し、処理対象リンクにおける位置関係パターンPが位置関係パターンP4の場合には、当該処理対象リンクに対応する道路を車両5が走行した場合、車両5の走行中、前部左座席FL、後部左座席RL、及び、後部右座席RRに対しては、前部左サイドガラス27、後部左サイドガラス29、及び、リアガラス30を介して日が当たり、一方、前部右座席FRに対しては限定的にしか日が当たらないとして、前部左座席FL、後部左座席RL、及び、後部右座席RRに対して「1」の日光ポイントを付与する一方、前部右座席FRに対して「0」の日光ポイントを付与する。
また、図4、図7(E)、及び、図8を参照し、処理対象リンクにおける位置関係パターンPが位置関係パターンP5の場合には、当該処理対象リンクに対応する道路を車両5が走行した場合、車両5の走行中、後部左座席RL、及び、後部右座席RRに対しては、リアガラス30を介して日が当たり、一方、前部右座席FR、及び、前部左座席FLに対しては限定的にしか日が当たらないとして、後部左座席RL、及び、後部右座席RRに対して「1」の日光ポイントを付与する一方、前部右座席FR、及び、前部左座席FLに対して「0」の日光ポイントを付与する。
また、図4、図7(F)、及び、図8を参照し、処理対象リンクにおける位置関係パターンPが位置関係パターンP6の場合には、当該処理対象リンクに対応する道路を車両5が走行した場合、車両5の走行中、前部右座席FR、後部左座席RL、及び、後部右座席RRに対しては、前部右サイドガラス26、後部右サイドガラス28、及び、リアガラス30を介して日が当たり、一方、前部左座席FLに対しては限定的にしか日が当たらないとして、前部右座席FR、後部左座席RL、及び、後部右座席RRに対して「1」の日光ポイントを付与する一方、前部左座席FLに対して「0」の日光ポイントを付与する。
また、図4、図7(G)、及び、図8を参照し、処理対象リンクにおける位置関係パターンPが位置関係パターンP7の場合には、当該処理対象リンクに対応する道路を車両5が走行した場合、車両5の走行中、前部右座席FR、及び、後部右座席RRに対しては、前部右サイドガラス26、及び、後部右サイドガラス28を介して日が当たり、一方、前部左座席FL、及び、後部左座席RLに対しては限定的にしか日が当たらないとして、前部右座席FR、及び、後部右座席RRに対して「1」の日光ポイントを付与する一方、前部左座席FL、及び、後部左座席RLに対して「0」の日光ポイントを付与する。
また、図4、図7(H)、及び、図8を参照し、処理対象リンクにおける位置関係パターンPが位置関係パターンP8の場合には、当該処理対象リンクに対応する道路を車両5が走行した場合、車両5の走行中、前部右座席FR、前部左座席FL、及び、後部右座席RRに対しては、フロントガラス25、前部右サイドガラス26、及び、後部右サイドガラス28を介して日が当たり、一方、後部左座席RLに対しては限定的にしか日が当たらないとして、前部右座席FR、前部左座席FL、及び、後部右座席RRに対して「1」の日光ポイントを付与する一方、後部左座席RLに対して「0」の日光ポイントを付与する。
【0045】
なお、位置関係パターンPと、日光ポイントが付与される座席との関係は、車両5の構造、形状を踏まえて、適宜設定される。
例えば、車両5の構造によっては、車両5の後方に太陽が位置している場合に、全ての座席に対して太陽が当たらない場合もある。この場合は、位置関係パターンP5の場合に、全ての座席に対して「0」の日光ポイントが付与されるように、位置関係パターンと、日光ポイントが付与される座席との関係が設定される。
【0046】
さて、前掲図3を参照し、ステップSA11において日光ポイントテーブル35を参照した後、制御部10は、日光ポイントテーブル35に基づいて、変数hfr、変数hfl、変数hrr、及び、変数hrlに格納された値に、日光ポイントを加算する(ステップSA12)。
すなわち、制御部10は、日光ポイントテーブル35を参照することにより、ステップSA10で特定した位置関係パターンPにおいて各座席に付与すべき日光ポイントを取得する。そして、制御部10は、変数hfrに格納された値に、前部右座席FRに付与すべき日光ポイントを加算した値を、変数hfrに格納し、また、変数hflに格納された値に、前部左座席FLに付与すべき日光ポイントを加算した値を変数hflに格納し、また、変数hrrに格納された値に、後部右座席RRに付与すべき日光ポイントを加算した値を変数hrrに格納し、また、変数hrlに格納された値に、後部左座席RLに付与すべき日光ポイントを加算した値を変数hrlに格納する。
【0047】
次いで、制御部10は、リンクパターンテーブル36の1件のレコードを生成する(ステップSA13)。
【0048】
図9は、リンクパターンテーブル36を模式的に示す図である。
リンクパターンテーブル36は、リンク(i)のそれぞれと、各リンク(i)の位置関係パターンPと、当該位置関係パターンPにおいて各座席に付与される日光ポイントと、を対応づけて記憶するテーブルである。
ステップSA13では、制御部10は、処理対象リンクについて、当該処理対象リンクと、当該処理対象リンクについてステップSA10で特定された位置関係パターンPと、当該位置関係パターンPにおいて各座席に付与される日光ポイントとを対応づけた1件のレコードを生成し、リンクパターンテーブル36に記憶する。
なお、推奨経路に含まれるリンク(0)〜リンク(n−1)の全てについて、ステップSA4〜ステップSA13の処理が終了した場合、リンクパターンテーブル36は、リンク(0)〜リンク(n−1)のそれぞれに対応したレコードが生成された状態となる。
【0049】
次いで、制御部10は、変数iに格納された値と、変数nに格納された値から1を減算した値とを比較する(ステップSA14)。このステップでは、推奨経路に含まれるリンク(0)〜リンク(n−1)の全てについて、ステップSA4〜ステップSA13の処理が終了したか否かの判別が行われている。
変数iに格納された値と、変数nに格納された値から1を減算した値と、が等しくない場合、換言すれば、推奨経路に含まれるリンク(0)〜リンク(n−1)の全てについて、ステップSA4〜ステップSA13の処理が終了していない場合(ステップSA14:NO)、制御部10は、変数iをインクリメントし(ステップSA15)、処理手順をステップSA4に戻す。
一方、変数iに格納された値と、変数nに格納された値から1を減算した値と、が等しい場合、換言すれば、推奨経路に含まれるリンク(0)〜リンク(n−1)の全てについて、ステップSA4〜ステップSA13の処理が終了した場合(ステップSA14:YES)、制御部10は、表示処理を実行する(ステップSA16)。
以下、ステップSA16における表示処理について詳述する。
【0050】
図10は、ステップSA16において、まず、表示パネル13aに表示されるメイン画面40を示す図である。
図10に示すように、メイン画面40では、車両5の中の様子が模式的に表現された車両マーク41が描画され、この車両マーク41内で、前部右座席FRに対応する前部右座席マーク42、前部左座席FLに対応する前部左座席マーク43、後部右座席RRに対応する後部右座席マーク44、及び、後部左座席RLに対応する後部左座席マーク45がそれぞれ描画されている。
【0051】
前部右座席マーク42、前部左座席マーク43、後部右座席マーク44、及び、後部左座席マーク45のそれぞれの中には、順位情報47、及び、割合情報48が表示される。
【0052】
順位情報47は、車両5が目的地まで走行した場合において、日の当たる度合が高い順(日光ポイントが大きい順)に各座席を順位付けした場合における、各座席の順位を示す情報である。すなわち、順位情報47が示す順位が高い座席ほど、日の当たる度合が高く、一方、順位情報47が示す順位が低い座席ほど、日の当たる度合が低い。
順位付けは以下のようにして行われる。
【0053】
すなわち、制御部10は、変数hfr(前部右座席FRに対応する変数)、変数hfl(前部左座席FLに対応する変数)、変数hrr(後部右座席RRに対応する変数)、及び、変数hrl(後部左座席RLに対応する変数)のそれぞれの値を取得し、変数に格納された値が大きいほど順位が高くなるように、対応する座席の順位付けを行う。
ここで、日光ポイントは、推奨経路に含まれるリンクのそれぞれについて、各リンクに対応する道路を走行した場合に日が当たる座席に対して「1」を付与し、限定的にしか日が当たらない座席に対して「0」を付与することによって、算出されたポイントである。従って、日光ポイントが高い座席ほど、日の当たる度合が高く、一方、日光ポイントが低い座席ほど、日の当たる度合が低いと言える。これを踏まえ、本実施形態では、算出した日光ポイントを利用して、日光ポイントの高さに応じて、各座席を順位付けする。このため、日の当たる度合が高い順に、適切に、各座席を順位付けすることができる。
また、本実施形態では、日の当たる度合が高い順に各座席が順位付けされた結果が、メイン画面40に表示されるため、ユーザーは、容易、かつ、直感的に、日の当たる度合が高い座席や、低い座席を認識できる。
【0054】
また、割合情報48は、車両5が目的地まで走行した場合において、各座席について、目的地に至るまでの全走行距離のうち、日が当たった状態で走行した距離の累計が占める割合の「目安」を示す情報である。
本実施形態では、割合情報48が示す値は、以下のようにして算出される。
すなわち、制御部10は、各座席について、「対応する変数hに格納された値/変数nに格納された値×100」を算出し、算出した値を、割合情報48が示す値とする。なお、対応する変数hとは、変数hfr、変数hfl、変数hrr、及び、変数hrlのうち、処理対象となっている座席に対応する変数のことを指す。
【0055】
ここで、「対応する変数hに格納された値/変数nに格納された値×100」によって算出される値について考える。
本実施形態では、変数hに格納された値は、推奨経路に含まれるリンクのそれぞれについて、各リンクに対応する道路を走行した場合に日が当たる座席に対して「1」を付与し、限定的にしか日が当たらない座席に対して「0」を付与することによって、算出された値である。従って、1の座席について「対応する変数hに格納された値/変数nに格納された値」により算出される値は、推奨経路に含まれるリンクの総数に対する、当該座席に日が当たると判別されたリンクの個数の割合を示す値である。
なお、上述したように、変数hのそれぞれの値は、日光ポイントテーブル35の各レコードを利用して算出される。
そして、「推奨経路に含まれるリンクの総数に対する、当該座席に日が当たると判別されたリンクの個数の割合」と、「目的地に至るまでの全走行距離のうち、日が当たった状態で走行した距離の累計が占める割合」との間には、正の相関関係があると言える。このため、「対応する変数hに格納された値/変数nに格納された値×100」により算出される値を、割合情報48が示す値とすることにより、ユーザーに対して、適切に、各座席について、目的地に至るまでの全走行距離のうち、日が当たった状態で走行した距離の累計が占める割合の「目安」を示す情報を提供できる。
【0056】
また、図10に示すように、前部右座席マーク42の右方には前部右座席情報バー50が描画され、前部左座席マーク43の左方には前部左座席情報バー51が描画され、後部右座席マーク44の右方には後部右座席情報バー52が描画され、後部左座席マーク45の左方には後部左座席情報バー53が描画されている。さらに、これらバーのそれぞれに対応して、距離スイッチ55と、時間スイッチ56とが表示されている。
以下、距離スイッチ55がタッチ操作された場合における各情報バーの表示内容、及び、時間スイッチ56がタッチ操作された場合における各バーの表示内容について詳述する。
まず、距離スイッチ55がタッチ操作された場合における各情報バーの表示内容について説明する。
【0057】
図11は、距離スイッチ55がタッチ操作された場合における各情報バーの表示内容を説明するために、情報バーの一つである前部右座席情報バー50を拡大して示す図である。
図12は、現在位置から目的地に至るまでの推奨経路(図3のステップSA2において検索が終了していると判別された推奨経路)を構成する一連のリンクの一例を模式的に示す図である。この図12の例では、現在位置から目的地に至るまでの推奨経路に、リンク(0)、リンク(1)、及び、リンク(2)の3つのリンクが存在している。そして、リンク(0)の道路長はR0(km)であり、位置関係パターンPは位置関係パターンP1(図7(A))である。また、リンク(1)の道路長はR1(km)であり、位置関係パターンPは位置関係パターンP2(図7(B))である。また、リンク(2)の道路長はR2(km)であり、位置関係パターンPは位置関係パターンP3(図7(C))である。上述したように、各リンクに対応する道路の道路長に関する情報は、経路検索用データ21に含まれている。
図13は、推奨経路を構成する各リンクが、図12に示す例のときに、上述した図3のフローチャートのステップSA13で生成されるリンクパターンテーブル36を示す図である。
以下、図11、図12、及び、図13を用いて、推奨経路に含まれるリンクの態様が図12に示すような態様である場合における前部右座席情報バー50の表示内容を一例として、距離スイッチ55がタッチ操作された場合における各情報バーの表示内容について説明する。
【0058】
前部右座席情報バー50に対応する距離スイッチ55がタッチ操作された場合、制御部10は、経路検索用データ21に含まれるリンクデータを参照し、推奨経路に含まれるリンク(0)〜リンク(2)のそれぞれの道路長を取得する。
次いで、制御部10は、前部右座席情報バー50の領域を、リンク(0)〜リンク(2)のそれぞれの道路長に応じて、区分する。
より具体的には、図11を参照し、前部右座席情報バー50の上端であるスタート対応上端60から、下端であるエンド対応下端61に向かって、リンク(0)、リンク(1)、及び、リンク(2)の順に、これらリンクの道路長の比に応じて、前部右座席情報バー50を区分けする。これにより、前部右座席情報バー50において、リンク(0)に対応する領域A0、リンク(1)に対応する領域A1、及び、リンク(2)に対応する領域A2の3つの領域Aが形成される。
【0059】
次いで、制御部10は、リンクパターンテーブル36(図13)の対応するフィールドである前部右座席付与ポイントフィールド91を参照し、前部右座席FRに対応する変数hfrに関し、リンク(0)〜リンク(2)のそれぞれについて、日光ポイントが付与されているか否かを検出する。具体的には、図13を参照し、制御部10は、リンク(0)においては、変数hfrに対して日光ポイントが付与されており、リンク(1)においては、変数hfr対して日光ポイントが付与されており、リンク(2)においては、変数hfrに対して日光ポイントが付与されていないことを検出する。上述したように、あるリンクにおいて、ある座席に対応する変数に対して日光ポイントが付与された場合、当該変数に対応する座席には、日が当たる一方、日光ポイントが付与されない場合、当該変数に対応する座席には、限定的にしか日が当たらない。
そして、制御部10は、前部右座席情報バー50の表示にあたり、前部右座席情報バー50を区分して形成された領域Aのうち、日光ポイントが付与されたリンクに対応する領域Aに対しては白色以外の色(本実施形態では、一例として、青色であるものとする)を付して表示すると共に、日光ポイントが付与されていないリンクに対応する領域Aに対しては、白色を付して表示する。より具体的には、図11を参照し、リンク(0)に対応する領域A0は、青色を用いて表示し、リンク(1)に対応する領域A1は、青色を用いて表示し、リンク(2)に対応する領域A2は、白色を用いて表示する。
このように、距離スイッチ55がタッチ操作された場合、前部右座席情報バー50が、上端たるスタート対応上端60から下端たるエンド対応下端61に向かって、リンクの距離に応じて、領域Aごとに区分けされ、かつ、それぞれの領域Aについて、現在位置から目的へ至るまでに車両5を走行させた場合に、前部右座席FRに日が当たるリンク(道路)に対応する領域Aに関しては、青色で表示され、一方、前部右座席FRに限定的にしか日が当たらないリンク(道路)に対応する領域Aに関しては、白色で表示される。
このため、ユーザーは、距離スイッチ55がタッチ操作された後の、前部右座席情報バー50を参照することにより、現在位置から目的へ至るまでに車両5を走行させた場合に、どの程度走行したときに、日が当たり、また、日が当たらないかを、直感的、かつ、容易に認識できる。この認識に基づいて、例えば、日が当たることを避けたいと考えるユーザーは、車両5の走行中、できるだけ日があたらないように座席移動する等の計画を立てることが可能となる。
【0060】
さらに、図11を参照して、前部右座席情報バー50の左方には、現在位置マーク63が表示される。
この現在位置マーク63は、車両5の現在位置を明示するためのマークである。
制御部10は、絶対位置検出部11の検出値に基づいて、車両5の位置を、随時、検出する。そして、制御部10は、車両5の現在位置と、経路検索用データ21のリンクデータに基づいて、車両5が走行中の道路に対応するリンクを検出し、当該リンクの入口位置、及び、車両5の現在位置の距離と、当該リンクの出口位置(=当該リンクの次のリンクの入口位置)、及び、車両5の現在位置の距離と、の割合を算出し、算出した割合に応じて、当該リンクに対応する領域Aの適切な位置を指し示すように、現在位置マーク63を表示する。
【0061】
以上、前部右座席情報バー50を例にして、距離スイッチ55がタッチ操作された場合における表示内容を説明したが、他の情報バーについても、表示内容は同様である。
【0062】
次いで、時間スイッチ56がタッチ操作された場合における前部右座席情報バー50の表示内容について説明する。
なお、以下の説明では、図11、図12、及び、図13を援用し、前部右座席情報バー50を拡大した図が図11に示すものであり、現在位置から目的地に至るまでの推奨経路を構成する一連のリンクの構成が図12に示すものであり、かつ、リンクパターンテーブル36が図13に示すものである場合を例にして説明する。
まず、制御部10は、RTCの入力値と、車両5の現在位置と、経路検索用データ21のリンクデータに基づいて、現在時刻、リンク(1)に対応する道路の入口地点への到着時刻、リンク(2)に対応する道路の入口地点への到着時刻、及び、目的地への到着時刻を算出し、算出した値に基づいて、到着時刻テーブル65を生成し、記憶部15に記憶する。
【0063】
図14は、到着時刻テーブル65の構成を示す図である。
図14に示すように、到着時刻テーブル65では、現在時刻、リンク(1)に対応する道路の入口地点への到着時刻、リンク(2)に対応する道路の入口地点への到着時刻、及び、目的地への到着時刻が記憶される。図14の例では、現在時刻が「13:00」であり、リンク(1)に対応する道路への入口地点への到着時刻が「15:00」であり、リンク(2)に対応する道路への入口地点への到着時刻が「16:30」であり、目的地への到着時刻が「18:00」である。この場合、現在位置から目的地まで走行した場合、車両5は、リンク(0)を2時間(「13:00」と、「15:00」との差分)走行し、リンク(1)を1時間30分(「15:00」と「16:30」との差分)走行し、リンク(2)を1時間30分(「16:30」と「18:00」との差分)走行することとなる。
なお、以下の説明では、車両5が1のリンクを走行する時間のことを、適宜、「走行時間」というものとする。
【0064】
次いで、制御部10は、前部右座席情報バー50を、リンク(0)〜リンク(2)のそれぞれの走行時間に応じて、領域Aごとに区分する。
より具体的には、図11を参照し、前部右座席情報バー50の上端であるスタート対応上端60から、下端であるエンド対応下端61に向かって、リンク(0)、リンク(1)、及び、リンク(2)の順に、これらリンクに対応する道路を走行した場合における走行時間に応じて、前部右座席情報バー50を区分けする。これにより、前部右座席情報バー50において、リンク(0)の走行時間に対応する領域A0、リンク(1)の走行時間に対応する領域A1、及び、リンク(2)の走行時間に対応する領域A2の3つの領域Aが形成される。
【0065】
次いで、制御部10は、リンクパターンテーブル36(図13)の前部右座席付与ポイントフィールド91を参照し、前部右座席FRに対応する変数hfrに関し、リンク(0)〜リンク(2)のそれぞれについて、日光ポイントが付与されているか否かを検出する。具体的には、図13を参照し、制御部10は、リンク(0)においては、変数hfrに対して日光ポイントが付与されており、リンク(1)においては、変数hfr対して日光ポイントが付与されており、リンク(2)においては、変数hfrに対して日光ポイントが付与されていないことを検出する。上述したように、ある1のリンクにおいて、ある座席に対応する変数に対して日光ポイントが付与された場合、当該変数に対応する座席には、日が当たる一方、日光ポイントが付与されない場合、当該変数に対応する座席には、限定的にしか日が当たらない。
そして、制御部10は、前部右座席情報バー50の表示にあたり、前部右座席情報バー50を区分して形成された領域Aのうち、日光ポイントが付与されたリンクに対応する領域Aに対しては白色以外の色(本実施形態では、一例として、青色であるものとする)を付して表示すると共に、日光ポイントが付与されていないリンクに対応する領域Aに対しては、白色を付して表示する。より具体的には、図11を参照し、リンク(0)に対応する領域A0は、青色を用いて表示し、リンク(1)に対応する領域A1は、青色を用いて表示し、リンク(2)に対応する領域A2は、白色を用いて表示する。
このように、時間スイッチ56がタッチ操作された場合、前部右座席情報バー50が、上端たるスタート対応上端60から下端たるエンド対応下端61に向かって、リンクの走行時間に応じて、領域Aごとに区分けされ、かつ、それぞれの領域Aについて、現在位置から目的へ至るまでに車両5を走行させた場合に、前部右座席FRに日が当たるリンク(道路)に対応する領域Aに関しては、青色で表示され、一方、前部右座席FRに限定的にしか日が当たらないリンク(道路)に対応する領域Aに関しては、白色で表示される。
このため、ユーザーは、時間スイッチ56がタッチ操作された後の、前部右座席情報バー50を参照することにより、現在位置から目的へ至るまでに車両5を走行させた場合に、どの程度の「時間」走行したときに、日が当たり、また、日が当たらないかを、直感的、かつ、容易に認識できる。この認識に基づいて、例えば、日が当たることを避けたいと考えるユーザーは、車両5の走行中、できるだけ日があたらないように座席移動する等の計画を立てることが可能となる。
【0066】
さらに、本実施形態では、前部右座席マーク42、前部左座席マーク43、後部右座席マーク44、及び、後部左座席マーク45のそれぞれは、順位情報47が示す順位に応じて、その色が変わる構成となっている。具体的には、順位情報47が示す順位が高い座席(=日の当たる度合が高い座席)に対応する座席マークほど、濃い色(例えば、濃い青色)で表示し、順位が低い座席(=日の当たる度合が低い座席)に対応する座席マークほど、薄い色(例えば、薄い青色)で表示する。このような構成とすることにより、ユーザーは、各座席マークを視認することにより、直感的、かつ、容易に、日の当たる度合が高い座席、低い座席について認識できる。
なお、例えば、割合情報48が示す割合に応じて、割合が高いほど、色を濃くし、一方、割合が低いほど、色を薄くするようにしてもよい。
【0067】
以上説明したように、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1は、目的地に至るまでの車両5の走行の状況(車両5の進行方向の方角や、車両5と太陽との位置関係、太陽位置角度等)を予測し、予測した車両5の走行の状況に基づいて、目的地までの経路を車両5で走行した場合における車両5の座席ごとの日当たりの状況(例えば、座席ごとの日当たりの度合の目安や、日当たりの度合の順序)を算出する。
これによれば、車両5の走行の状況に応じて、適切に、車両5の座席ごとの日当たりの状況を算出できると共に、算出した日当たりの状況を利用して、ユーザーに対して、座席ごとの日当たりに関する有益な情報を提供可能である。
【0068】
また、本実施形態では、目的地までの経路を、現在位置から目的地に向かう連続したリンク(i)として検出し、各リンク(i)を走行した場合における車両5の走行の状況に基づいて、各リンク(i)における各座席の日当たりの状況を算出することにより、目的地までの経路を車両5で走行した場合における車両5の座席ごとの日当たりの状況を算出する。
ここで、上述したように、推奨経路は、車両5の現在位置から目的地に至る連続したリンクによって形成された経路であり、リンクごとに、車両5の走行状況(例えば、車両5の進行方向の方角や、リンクに対応する道路を走行する車両5と太陽との位置関係)は、異なる。
これを踏まえ、上記によれば、各リンク(i)を走行した場合における車両5の走行の状況に基づいて、各リンク(i)における各座席の日当たりの状況を算出することにより、効率よく、かつ、実態に即した、各座席の日当たりの状況を算出できる。
【0069】
また、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1は、経路検索用データ21において、リンクごとに、車両5が各リンクを走行した場合における車両5の進行方向の方角を対応づけて記憶する。そして、車載ナビゲーション装置1は、目的地へ向かって車両5が走行した場合に、車両5が各リンクに至るときの日時を予測すると共に、当該予測に基づいて、各リンクに車両5が至ったときの太陽の方角を検出し、各リンクを走行した場合における車両5の進行方向の方角と、各リンクの走行時における太陽の方角とに基づいて、リンクごとに、各リンクを走行した場合における座席ごとの日当たりの状況(座席に日が当たるか、それとも、限定的にしか日が当たらないか等)を算出する。
ここで、車両5の各座席に日が当たるか、又は、限定的にしか日があたらないかは、車両5の進行方向の方角と、太陽の方角によって、ある程度定まる。そして、上記によれば、車両5の進行方向の方角と、太陽の方角とを利用して、適切に、リンクを走行した場合における座席ごとの日当たりの状況を算出できる。
【0070】
また、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1では、日光ポイントテーブル35において、車両5の進行方向の方角、及び、太陽の方角の関係(位置関係パターンP)と、座席ごとの日当たりの状況(各座席に日が当たるか、又は、限定的にしか日が当たらないかを示す情報)と、を対応づけて記憶する。そして、制御部10は、日光ポイントテーブル35を利用して、各リンクを走行した場合における車両5の進行方向の方角と、各リンクの走行時における太陽の方角とによって規定される位置関係パターンPに基づいて、各リンクを走行した場合における座席ごとの日当たりの状況(各座席に日が当たるか、又は、限定的にしか日が当たらないか)を検出する。
これによれば、日光ポイントテーブル35を利用して、確実、かつ、容易にリンクごとに、各座席の日当たりの状況を検出可能である。
【0071】
また、本実施形態では、メイン画面40において、座席のそれぞれが、前部右座席マーク42、前部左座席マーク43、後部右座席マーク44、及び、後部左座席マーク45によって明示されると共に、各マークに対応づけて、各前記座席の日当たりの状況を示す情報(順位情報47や、割合情報48等)が表示される。
これによれば、ユーザーは、メイン画面40を視認することにより、直感的、かつ、容易に、それぞれの座席の日当たりの状況について認識することができる。
【0072】
また、本実施形態では、制御部10は、日当たりの状況として、目的地に至るまで車両5を走行した場合における座席ごとの日の当たる度合を算出し、メイン画面40において、座席マークのそれぞれと対応づけて、算出した座席のそれぞれの日の当たる度合に係る情報、具体的には、割合情報48を表示する。
これによれば、ユーザーは、メイン画面40を視認することにより、直感的、かつ、容易に、それぞれの座席の日当たる度合に係る情報を認識することができる。
【0073】
また、本実施形態では、制御部10は、日当たりの状況として、目的地に至るまで車両5を走行した場合における座席ごとの日の当たる度合の高さの順序を算出し、メイン画面40において、座席マークのそれぞれと対応づけて、算出した座席のそれぞれの日の当たる度合の高さの順序を示す情報、具体的には、順位情報47を表示する。
これによれば、ユーザーは、メイン画面40を視認することにより、直感的、かつ、容易に、それぞれの座席の日当たる度合の高さの順序を示す情報を認識することができる。
【0074】
また、本実施形態では、制御部10は、メイン画面40において、前部右座席情報バー50、前部左座席情報バー51、後部右座席情報バー52、及び、後部左座席情報バー53の各情報バーを表示する。
そして、上述したように、各情報バーに対応する距離スイッチ55がタッチ操作された場合、各リンクに対応する道路の道路長に応じて領域Aが形成されると共に、日が当たるか否かに応じて、領域Aの色を異ならせている。
これによれば、ユーザーは、距離スイッチ55がタッチ操作された後の、各情報バーを視認することにより、現在位置から目的へ至るまでに車両5を走行させた場合に、どの程度走行したときに、日が当たり、また、日が当たらないかを、直感的、かつ、容易に認識できる。この認識に基づいて、例えば、日が当たることを避けたいと考えるユーザーは、車両5の走行中、できるだけ日があたらないように座席移動する等の計画を立てることが可能となる。
【0075】
また、本実施形態では、上述したように、各情報バーに対応する時間スイッチ56がタッチ操作された場合、各リンクに対応する道路の走行時間に応じて領域Aが形成されると共に、日が当たるか否かに応じて、領域Aの色を異ならせている。
これによれば、ユーザーは、時間スイッチ56がタッチ操作された後の、前部右座席情報バー50を参照することにより、現在位置から目的へ至るまでに車両5を走行させた場合に、どの程度の「時間」走行したときに、日が当たり、また、日が当たらないかを、直感的、かつ、容易に認識できる。この認識に基づいて、例えば、日が当たることを避けたいと考えるユーザーは、車両5の走行中、できるだけ日があたらないように座席移動する等の計画を立てることが可能となる。
【0076】
<第2実施形態>
次いで、第2実施形態について説明する。
【0077】
図15は、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1の動作を示すフローチャートである。
本実施形態では、車載ナビゲーション装置1の制御部10は、日当たり情報の表示が指示された場合、推奨経路中に、高速道路、又は、バイパス道路が含まれているか否かを判別し、これら道路のいずれかが含まれているか否かに応じて、処理を変更する。
具体的に、図15を参照し、車載ナビゲーション装置1の制御部10は、ユーザーによって、日当たり情報の表示が指示されたか否かを監視する(ステップSB1)。
日当たり情報の表示が指示された場合(ステップSB1:YES)、制御部10は、推奨経路の検索が終了しているか否かを判別する(ステップSB2)。
推奨経路の検索が終了している場合(ステップSB2:YES)、制御部10は、推奨経路中に、高速道路、又は、バイパス道路が含まれているか否かを判別する(ステップSB3)。
高速道路、又は、バイパス道路が含まれている場合(ステップSB3:YES)、制御部10は、日当たり情報の表示に係る処理(図3のステップSA3〜ステップSA16と同様の処理)を実行する(ステップSB4)。
一方、推奨経路中に、高速道路、又は、バイパス道路が含まれていない場合(ステップSB3:NO)、制御部10は、表示部13を制御して、高速道路、又は、バイパス道路が含まれていないため、日当たり情報の表示に係る処理を表示しない旨、表示パネル13aに表示する(ステップSB5)。
【0078】
このように、本実施形態では、推奨経路中に、高速道路、又は、バイパス道路が含まれている場合には、日当たり情報の表示を行い、一方、含まれていない場合は、日当たり情報の表示を行わない。これは、以下の理由による。
すなわち、高速道路や、バイパス道路は、直線状の道路が多く存在するため、これら道路を走行した場合、他の座席と比較して、日の当たる度合が非常に高い座席が現出する場合がある。従って、目的地に至る経路に、高速道路、又は、バイパス道路が含まれている場合こそ、ユーザーは、日当たり情報を知りたいと考えるものと想定される。
これを踏まえ、本実施形態では、推奨経路中に、高速道路、又は、バイパス道路が含まれている場合に、日当たり情報の表示を行う構成とし、ユーザーに、必要な情報を重点的に提供する構成となっている。
なお、ステップSA5において、日当たり情報の表示に係る処理を表示しない旨、表示パネル13aに表示した後、さらに、日当たり情報の表示を行うか否かをユーザーに問い合わせ、表示を行う旨の指示があった場合は、日当たり情報の表示を行い、一方、表示を行わない旨の指示があった場合は、日当たり情報の表示を行わないようにしてもよい。この構成により、最終的に、日当たり情報を表示するか否かをユーザーが判断することとなり、ユーザーの利便性が向上する。
また、本実施形態では、高速道路、又は、バイパス道路が含まれているか否かを判別していたが、例えば、所定の長さより長い直線状の道路(直線道路)が含まれているか否かを判別するようにしてもよい。すなわち、ステップSB3では、直線状の道路が存在することに起因して、他の座席と比較して、日の当たる度合が非常に高い座席が現出するか否かが判別できればよい。
【0079】
以上説明したように、本実施形態では、推奨経路中に、高速道路、又は、バイパス道路が含まれている場合には、日当たり情報の表示を行い、一方、含まれていない場合は、日当たり情報の表示を行わない。
ここで、高速道路や、バイパス道路は、直線状の道路が多く存在するため、これら道路を走行した場合、他の座席と比較して、日の当たる度合が非常に高い座席が現出する場合がある。従って、目的地に至る経路に、高速道路、又は、バイパス道路が含まれている場合こそ、ユーザーは、日当たり情報を知りたいと考えるものと想定される。
これを踏まえ、本実施形態によれば、ユーザーに、必要な情報を重点的に提供できる。
【0080】
<第3実施形態>
次いで、第3実施形態について説明する。
【0081】
図16は、本実施形態に係る情報処理システム70の構成を示す図である。
図16に示すように、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1は、車両5に持ち込まれた携帯電話71との間で、所定の近距離無線通信規格に準拠した無線通信可能に構成されている。携帯電話71は、無線基地局72を介してインターネットや、移動通信網等の通信ネットワーク73に接続可能であり、車載ナビゲーション装置1は、携帯電話71、及び、通信ネットワーク73を介して、天気情報提供サーバー74と各種データの送受信が可能である。
【0082】
天気情報提供サーバー74は、少なくとも、現在から将来に向かう所定の期間の、各エリアにおける時間帯ごとの天気を示す情報(以下、「天気情報」という)を記憶するサーバー装置であり、車載ナビゲーション装置1は、天気情報提供サーバー74との間で所定のプロトコルに準拠した通信を行い、天気情報提供サーバー74から天気情報を取得可能である。
【0083】
また、本実施形態に係る経路検索用データ21のリンクデータには、リンク毎に、時間帯と、各時間帯におけるリンクに対応する道路の渋滞度とが対応づけて記憶されている。
より具体的には、渋滞度として、1のリンクに対応する道路を車両5がスムーズに走行できない状態であることを示す「渋滞」、1のリンクに対応する道路において渋滞には至っていないものの、当該リンクに対応する道路が空いている状態ではないことを示す「混雑」、及び、1のリンクに対応する道路が渋滞、及び、混雑しておらず、車両5がスムーズに走行できる状態であることを示す「順調」の3つの情報が存在している。そして、リンクデータでは、リンクのそれぞれについて、所定の時間帯(例えば、1日を6時間ごとに4つに分けて形成した時間帯)ごとに、各リンクに対応する道路が「渋滞」「混雑」、及び、「順調」のいずれの状態であるのかを対応づけて記憶している。
さらに、本実施形態に係る経路検索用データ21のリンクデータには、リンク毎に、各リンクに対応する道路沿いに、所定の高さ以上の建物が存在しているか否かを示す情報が含まれている。ここで、高さの高い建物が道路沿いに存在している場合、当該建物が、車両5の各座席への日当たりを遮る場合がある。
【0084】
本実施形態では、図3のフローチャートにおいて、ステップSA14で、変数iに格納された値と、変数nに格納された値から1を減算した値とを比較した結果、変数iに格納された値と、変数nに格納された値から1を減算した値とが等しい場合(ステップSA14:YES)、換言すれば、ステップSA14において、推奨経路に含まれるリンク(0)〜リンク(n−1)の全てについて、ステップSA4〜ステップSA13の処理が終了したと判別された場合(ステップSA14:YES)、ステップSA16に係る処理を実行する前に、「補正リンクパターンテーブル生成処理」を実行する点で、上述した第1実施形態と異なっている。さらに、ステップSA16の表示処理において、補正リンクパターンテーブル生成処理により生成された補正リンクパターンテーブル90(図18)を用いて各種表示処理を実行する点で、上述した第1実施形態と異なっている。
まず、補正リンクパターンテーブル生成処理について説明する。
【0085】
図17は、係数テーブル76の一例を示す図である。
なお、以下の説明では、現在位置から目的地に至るまでの推奨経路を構成する一連のリンクの構成が図12に示すものであり、かつ、リンクパターンテーブル36が図13に示すものであるものとする。
補正リンクパターンテーブル生成処理において、まず、制御部10は、推奨経路に含まれるリンク(i)ごとに、係数テーブル76のレコードを生成し、各レコードの各フィールドに対応するデータを格納することにより、係数テーブル76を生成する。
詳述すると、制御部10は、経路検索用データ21のリンクデータを参照し、リンク(i)のそれぞれについて、各リンクに対応する道路の道路長を取得し、道路長を示すデータを、対応するレコードの道路長フィールド77に格納する。
次いで、制御部10は、リンク(i)のそれぞれについて、道路長を、基準道路長eで除算することにより道路長係数を算出し、算出した道路長係数を示すデータを、対応するレコードの道路長係数フィールド78に格納する。ここで、基準道路長eとは、リンクに対応する道路の長短を判断する基準として定められた基準値である。従って、道路長係数は、各リンクに対応する道路が、基準道路長eに対してどれだけの割合分長く、また、基準道路長eに対してどれだけの割合分短いかを示す値である。図17の例では、リンク(0)に対応するレコードの道路長係数は、「1.2」であり、リンク(1)に対応するレコードの道路長係数は、「0.8」であり、リンク(2)に対応するレコードの道路長係数は、「1.5」である。
【0086】
次いで、制御部10は、経路検索用データ21のリンクデータを参照し、車両5が現在位置から目的地まで走行した場合に、各リンク(i)の入口地点に車両5が到着する予想時刻を算出する。次いで、制御部10は、経路検索用データ21のリンクデータを参照し、リンク(i)のそれぞれについて、車両5が各リンク(i)に至ると予測される時間における各リンク(i)の渋滞度を取得する。次いで、制御部10は、対応するレコードの渋滞度フィールド79に、対応するリンクの渋滞度を示すデータを格納する。図17の例では、リンク(0)に対応するレコードの渋滞度フィールド79には、「渋滞」を示すデータが格納され、リンク(1)に対応するレコードの渋滞度フィールド79には、「混雑」を示すデータが格納され、リンク(2)に対応するレコードの渋滞度フィールド79には、「順調」を示すデータが格納される。
次いで、制御部10は、各レコードについて、対応する渋滞度に応じた渋滞度係数を取得し、取得した渋滞度係数を示すデータを渋滞度係数フィールド80に格納する。ここで、本実施形態では、予め、渋滞度のそれぞれと、渋滞度に対応する渋滞度係数とが対応づけて記憶されている。具体的には、渋滞度が「渋滞」の場合、渋滞度係数は、「2」であり、渋滞度が「混雑」の場合、渋滞度係数は、「1.2」であり、渋滞度が「順調」の場合、渋滞度係数は、「1」である。すなわち、あるリンクに対応する道路について、当該道路が渋滞していればいるほど、渋滞度係数は高く、一方、渋滞していなければいないほど、渋滞度係数は低い。
【0087】
次いで、制御部10は、天気情報提供サーバー74にアクセスし、リンク(i)のそれぞれについて、車両5が各リンク(i)に至ると予測される時間における各リンク(i)が在圏するエリアの天気を取得する。なお、本実施形態では、天気として、「晴れ」、「曇り」、及び、「雨」が存在するものとする。
次いで、制御部10は、対応するレコードの天気フィールド81に、対応するリンクの天気を示すデータを格納する。図17の例では、リンク(0)に対応するレコードの天気フィールド81には、「雨」を示すデータが格納され、リンク(1)に対応するレコードの天気フィールド81には、「曇り」を示すデータが格納され、リンク(2)に対応するレコードの天気フィールド81には、「晴れ」を示すデータが格納される。
次いで、制御部10は、各レコードについて、対応する天気に応じた天気係数を取得し、取得した天気係数を示すデータを天気係数フィールド82に格納する。ここで、本実施形態では、予め、天気のそれぞれと、天気に対応する天気係数とが対応づけて記憶されている。具体的には、天気が「晴れ」の場合、天気係数は、「1.2」であり、天気が「曇り」の場合、天気係数は、「0.8」であり、天気が「雨」の場合、天気係数は、「0.5」である。すなわち、あるリンクに対応する道路について、天気が晴れていればいるほど、天気係数は高く、一方、晴れていないほど、天気係数は低い。
【0088】
次いで、制御部10は、経路検索用データ21のリンクデータを参照し、リンク(i)のそれぞれについて、対応する道路沿いに、所定の高さ以上の建物が存在しているか否かを判別し、存在している場合は、対応する建物フィールド83に、存在していることを示すデータ(図17の例では、「あり」と表現)を格納し、一方、存在していない場合は、対応する建物フィールド83に、存在していないことを示すデータ(図17の例では、「なし」と表現)を格納する。図17の例では、リンク(0)に対応するレコードの建物フィールド83には、存在していないことを示すデータ(「なし」)が格納され、リンク(1)、及び、リンク(2)に対応するレコードの建物フィールド83には、存在していることを示すデータ(「あり」)が格納される。
次いで、制御部10は、道路沿いに所定の高さ以上の建物が存在するか否かに応じて、建物係数を取得し、取得した建物係数を示すデータを建物係数フィールド84に格納する。ここで、本実施形態では、予め、道路沿いに所定の高さ以上の建物が存在するか否かに応じて、建物係数が定められ、記憶されている。具体的には、道路沿いに所定の高さ以上の建物が存在する場合は、建物係数は、「0.9」であり、道路沿いに所定の高さ以上の建物が存在しない場合は、建物係数は、「1」である。すなわち、あるリンクに対応する道路について、道路沿いに所定の高さ以上の建物が存在する場合の方が、そうでない場合よりも、建物係数の値が小さい。
【0089】
以上のようにして、補正リンクパターンテーブル生成処理において、係数テーブル76を生成した後、制御部10は、生成した係数テーブル76、及び、リンクパターンテーブル36に基づいて、補正リンクパターンテーブル90を生成する。
【0090】
図18は、補正リンクパターンテーブル90の一例を示す図である。
制御部10は、リンクパターンテーブル36(図13)の、前部右座席付与ポイントフィールド91、前部左座席付与ポイントフィールド92、後部右座席付与ポイントフィールド93、及び、後部左座席付与ポイントフィールド94に格納された各データが示す値を、上述した、道路長係数、渋滞度係数、天気係数、及び、建物係数によって補正することにより、補正リンクパターンテーブル90を生成する。
図13のリンクパターンテーブル36のリンク(0)に対応するレコードR1に対する補正を例にして説明すると、制御部10は、まず、係数テーブル76(図17)を参照し、リンク(0)に対応する道路長係数(「1.2」)、渋滞度係数(「2」)、天気係数(「0.5」)、及び、建物係数(「1」)を取得する。次いで、制御部10は、レコードR1の前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値(「1」)に対して、取得した道路長係数、渋滞度係数、天気係数、及び、建物係数のそれぞれを乗算した値を求め、当該値を示すデータを前部右座席付与ポイントフィールド91に格納する。ここで算出された値は、「1.2」である。同様にして、制御部10は、レコードR1の前部左座席付与ポイントフィールド92、後部右座席付与ポイントフィールド93、及び、後部左座席付与ポイントフィールド94に格納されたそれぞれのデータに対して、道路長係数、渋滞度係数、天気係数、及び、建物係数のそれぞれを乗算することにより、これらデータを補正する。
このようにして、制御部10は、リンクパターンテーブル36(図13)の全てのレコードについて、前部右座席付与ポイントフィールド91、前部左座席付与ポイントフィールド92、後部右座席付与ポイントフィールド93、及び、後部左座席付与ポイントフィールド94に格納された各データが示す値に、道路長係数、渋滞度係数、天気係数、及び、建物係数を乗算することにより、当該値を補正して、補正リンクパターンテーブル90(図18)を生成する。
【0091】
道路長係数、渋滞度係数、天気係数、及び、建物係数について説明する。
まず、道路長係数について説明する。
ここで、1のリンクに対応する道路を車両5が走行した場合、当該道路の道路長が長ければ長いほど、当該道路を走行する時間が長くなる傾向があり、従って、日が当たる座席については、日が当たる時間が長くなる傾向がある。
そして、上述したように、1のリンクに対応する道路長係数の値は、当該1のリンクに対応する道路の道路長が、基準道路長よりも長ければ長いほど大きな値となり、一方、当該道路長が、基準道路長よりも短ければ短いほど小さな値となる。
従って、1のリンクにおいて、各座席に付与された日光ポイントに対して道路長係数を乗算した場合、この道路長係数は、当該1のリンクに対応する道路の道路長が基準道路長よりも長ければ長いほど、各座席に付与された日光ポイントの値を大きくし、一方、当該1のリンクに対応する道路の道路長が基準道路長よりも短ければ短いほど、各座席に付与された日光ポイントの値を小さくする「重み」として機能する。このように、1のリンクにおいて、各座席に対して付与された日光ポイントに対して、上記重みとして機能する道路長係数を乗算し、当該日光ポイントを補正することにより、補正後の日光ポイントの値を、当該1のリンクに対応する道路の道路長が適切に反映された値とすることができる。
【0092】
次いで、渋滞度係数について説明する。
ここで、1のリンクに対応する道路を車両5が走行した場合、当該道路が渋滞していればいるほど、当該道路を走行する時間が長くなる傾向があり、従って、日が当たる座席については、日が当たる時間が長くなる傾向がある。
そして、上述したように、1のリンクに対応する渋滞度係数の値は、当該1のリンクに対応する道路が渋滞していればいるほど大きな値となり、一方、渋滞していないほど小さな値となる。
従って、1のリンクにおいて、各座席に対して付与された日光ポイントに対して渋滞度係数を乗算した場合、この渋滞度係数は、当該1のリンクに対応する道路が渋滞していればいるほど、渋滞していない場合よりも、各座席に付与された日光ポイントの値を大きくする「重み」として機能する。このように、1のリンクにおいて各座席に対して付与された日光ポイントに対して、上記重みとして機能する渋滞度係数を乗算し、当該日光ポイントを補正することにより、補正後の当該日光ポイントの値を、当該1のリンクに対応する道路の渋滞度が適切に反映された値とすることができる。
【0093】
次いで、天気係数について説明する。
ここで、1のリンクに対応する道路を車両5が走行した場合、走行中の天気が良い(=「晴れ」、「曇り」、「雨」の順に天気が良いものとする)ほど、日が当たる座席については、より強く日が当たる傾向がある。
そして、上述したように、1のリンクに対応する天気係数の値は、当該1のリンクに対応する道路を走行するときの天気が良いほど大きな値となり、一方、天気が悪いほど小さな値となる。
従って、1のリンクにおいて、各座席に対して付与された日光ポイントに対して天気係数を乗算した場合、この天気係数は、当該1のリンクに対応する道路を走行するときの天気がいいほど、天気が悪い場合よりも、付与された日光ポイントの値を大きくする「重み」として機能する。このように、1のリンクにおいて、各座席に対して付与された日光ポイントに対して、上記重みとして機能する天気係数を乗算し、当該日光ポイントを補正することにより、補正後の当該日光ポイントの値を、当該1のリンクに対応する道路を走行するときの天気が適切に反映された値とすることができる。
【0094】
次いで、建物係数について説明する。
ここで、1のリンクに対応する道路を車両5が走行した場合、道路沿いに高さの高い建物が存在する場合、この建物が車両5にあたる日光を遮る場合がある。
そして、上述したように、1のリンクに対応する建物係数の値は、当該1のリンクに対応する道路沿いに所定の高さ以上の建物が存在する場合、存在しない場合よりも大きな値となる。
従って、1のリンクにおいて、各座席に付与された日光ポイントに対して建物係数を乗算した場合、この建物係数は、当該1のリンクに対応する道路沿いに所定の高さ以上の建物が存在する場合、存在しない場合よりも、各座席に付与された日光ポイントの値を大きくする「重み」として機能する。このように、1のリンクにおいて、各座席に対して付与された日光ポイントに対して、上記重みとして機能する建物係数を乗算し、当該日光ポイントを補正することにより、補正後の当該日光ポイントの値を、当該1のリンクに対応する道路沿いに所定の高さ以上の建物が存在するか否かが適切に反映された値とすることができる。
【0095】
なお、上記の説明では、各座席に付与された日光ポイントに、道路長係数、渋滞度係数、天気係数、及び、建物係数を乗算することにより、日光ポイントを補正していたが、補正の方法は、これに限らない。
例えば、道路長係数、渋滞度係数、天気係数、及び、建物係数を足すことによって、日光ポイントを補正してもよく、また、これら係数を平均したものを足すようにしてもよく、また、その他の統計学的手法を用いて日光ポイントを補正するようにしてもよい。すなわち、道路長、渋滞度、天気、及び、所定以上の高さの建物の有無に応じて、補正後の日光ポイントの値が適切に補正されればよい。なお、補正の方法に応じて、道路長係数、渋滞度係数、天気係数、及び、建物係数を適切な値とすることが必要である。
また、上記の説明では、道路長係数、渋滞度係数、天気係数、及び、建物係数の全ての係数を利用して、日光ポイントを補正していたが、必ずしも全てを利用する必要はなく、目的に応じて、一部の係数のみを利用して、日光ポイントを補正するようにしてもよい。
【0096】
以上のようにして生成された補正リンクパターンテーブル90は、図3のステップSA16の表示処理において、以下のように利用される。
例えば、制御部10は、順位情報47(図10)の表示の前提となる各座席の順位付けに際し、補正リンクパターンテーブル90を以下のように利用する。
すなわち、制御部10は、補正リンクパターンテーブル90を参照し、全てのレコードの前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値を合計した値を算出する。図18の例で言えば、リンク(0)に対応するレコードの前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値(「1.2」)と、リンク(1)に対応するレコードの前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値(「0.6912」)と、リンク(2)に対応するレコードの前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値(「0」)と、を合計した値(「1.8912」)を算出する。以下の説明では、ここで算出した値を、「前部右座席合計値」という。
同様にして、制御部10は、補正リンクパターンテーブル90を参照し、全てのレコードの前部左座席付与ポイントフィールド92に格納されたデータが示す値を合計した値(以下、「前部左座席合計値」という)を算出し、また、全てのレコードの後部右座席付与ポイントフィールド93に格納されたデータが示す値を合計した値(以下、「後部右座席合計値」という)を算出し、全てのレコードの後部左座席付与ポイントフィールド94に格納されたデータが示す値を合計した値(以下、「後部左座席合計値」という)を算出する。
次いで、制御部10は、前部右座席合計値、前部左座席合計値、後部右座席合計値、及び、後部左座席合計値を比較し、値が大きいほど順位が高くなるように、対応する座席の順位付けを行う。
【0097】
ここで、補正リンクパターンテーブル90において、各レコードの、前部右座席付与ポイントフィールド91、前部左座席付与ポイントフィールド92、後部右座席付与ポイントフィールド93、及び、後部左座席付与ポイントフィールド94に格納されたデータが示す値のそれぞれは、道路長係数、渋滞度係数、天気係数、及び、建物係数が利用されて補正された値である。従って、前部右座席合計値、前部左座席合計値、後部右座席合計値、及び、後部左座席合計値のそれぞれは、目的地に至るまでの各道路の道路長、各道路の渋滞度、各道路の走行時の天気、及び、各道路沿いにおける所定以上の高さの建物の有無が反映され値であって、かつ、日の当たる度合が高いほど高く、一方、日の当たる度合が低いほど低い値である。
従って、順位情報47の表示の前提となる各座席の順位付けに際し、補正リンクパターンテーブル90を利用して、各座席の日の当たる度合の順位付けを行うことにより、目的地に至るまでの各道路の道路長、各道路の渋滞度、各道路の走行時の天気、及び、各道路沿いにおける所定以上の高さの建物の有無を反映して、適切に順位付けを行うことができる。
【0098】
また例えば、制御部10は、割合情報48(図10)が示す値の算出に際し、補正リンクパターンテーブル90を以下のように利用する。
前部右座席FRを例にして説明すると、制御部10は、補正リンクパターンテーブル90の前部右座席付与ポイントフィールド91を参照し、前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値が、所定の閾値を超えているか否かをレコードごとに判別し、当該値が所定の閾値を超えているレコードの数を取得する。図18の例において、所定の閾値が「1」であるものとすると、リンク(0)〜リンク(2)に対応する3つのレコードのうち、リンク(0)に対応するレコードの前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値(「1.2」)が、所定の閾値(「1」)を超えているため、制御部10は、レコードの数として「1」を取得する。
次いで、制御部10は、補正リンクパターンテーブル90のレコードの総数に対する、上記で取得したレコードの数の割合を、算出する。ここで算出した値が、前部右座席FRに対応する割合情報48が示す値に該当する。
【0099】
ここで、所定の閾値は、1の前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値が、当該所定の閾値を上回る場合、対応するリンク(i)の走行時に前部右座席FRに日が当たり、一方、当該所定の閾値を下回る場合、対応するリンク(i)の走行時に前部右座席FRに限定的にしか日があたらないような値とされる。
従って、補正リンクパターンテーブル90のレコードの総数に対する、前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値が所定の閾値を超えているレコードの数の割合を求めることにより、前部右座席FRについて、目的地に至るまでの全走行距離のうち、日が当たった状態で走行した距離の累計が占める割合の「目安」を求めることができる。
特に、補正リンクパターンテーブル90の前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値は、道路長係数、渋滞度係数、天気係数、及び、建物係数が利用されて補正された値であるため、上記算出方法によって、割合情報48が示すべき値を求めることにより、目的地に至るまでの各道路の道路長、各道路の渋滞度、各道路の走行時の天気、及び、各道路沿いにおける所定以上の高さの建物の有無を反映して、適切に、割合情報48が示すべき値を求めることができる。
以上、前部右座席FRを例にして説明したが、他の座席についても同様である。
【0100】
また例えば、制御部10は、前部右座席情報バー50、前部左座席情報バー51、後部右座席情報バー52、及び、後部左座席情報バー53の表示に際し、補正リンクパターンテーブル90を以下のように利用する。
距離スイッチ55、又は時間スイッチ56がタッチ操作された場合における前部右座席情報バー50を例にして説明すると、制御部10は、前部右座席情報バー50を区分して形成された領域Aのうち、修正後の日光ポイント(対応する前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値)が所定の閾値を上回っているリンク(i)に対応する領域Aについては、青色を付し、一方、修正後の日光ポイントが所定の閾値を下回っているリンク(i)に対応する領域Aについては、白色を付す。
ここで、所定の閾値は、1の前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値が、当該所定の閾値を上回る場合、対応するリンク(i)の走行時に前部右座席FRに日が当たり、一方、当該所定の閾値を下回る場合、対応するリンク(i)の走行時に前部右座席FRに限定的にしか日があたらないような値とされる。
従って、上記のようにして、各領域Aに付す色を決定することにより、日が当たるか否かに応じて、適切に各領域Aに色を付すことができる。
特に、補正リンクパターンテーブル90の前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値は、道路長係数、渋滞度係数、天気係数、及び、建物係数が利用されて補正された値であるため、上記のようにして、各領域Aに付す色を決定することにより、目的地に至るまでの各道路の道路長、各道路の渋滞度、各道路の走行時の天気、及び、各道路沿いにおける所定以上の高さの建物の有無を反映して、適切に各領域Aに色を付すことができる。
なお、上記の例では、前部右座席情報バー50を例にして説明したが、他の情報バーについても同様である。
【0101】
以上説明したように、本実施形態では、制御部10は、目的地までの経路を車両5で走行した場合における車両5の座席ごとの日当たりの状況の算出に当たり、目的地までの経路に含まれる道路の各道路長、各道路の渋滞度、各道路を走行時の天気、及び、各道路沿いに高い建物が存在するか否か、のいずれかの情報を加味して、車両5の座席ごとの日当たりの状況を検出する。
ここで、上述したように、目的地までの経路に含まれる道路の各道路長、各道路の渋滞度、各道路を走行時の天気、及び、各道路沿いに高い建物が存在するか否かは、各座席の日当たりの状況に対して影響を与える。
これを踏まえ、上記構成によれば、道路の各道路長、各道路の渋滞度、各道路を走行時の天気、及び、各道路沿いに高い建物が存在するか否かを反映して、適切に、車両5の座席ごとの日当たりの状況を検出できる。
【0102】
<第4実施形態>
次いで、第4実施形態について説明する。
本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1は、ユーザーによって目的地が定められていない場合において、日当たり関する有益な情報をユーザーに提供する機能を有している。
なお、本実施形態では、制御部10は、過去に目的地として設定された施設を示す情報を記憶部15に記憶し、かつ、施設ごとに、目的地として設定された回数を記憶しているものとする。ここで、記憶されたデータが、車両5の走行履歴に関する情報に該当する。
【0103】
図19は、座席別情報表示画面96、特に、前部右座席FRに係る座席別情報表示画面96の一例を示す図である。
座席別情報表示画面96は、目的地を設定していない状況において、ユーザーが、4つの座席のうちのいずれかの座席を指定した上で、当該画面を表示することを指示した場合に、表示パネル13aに表示される画面である。以下の説明では、ユーザーは、前部右座席FRを指定した上で、座席別情報表示画面96を表示することを指示したものとする。
前部右座席FRが指定された上で、座席別情報表示画面96の表示が指示された場合、制御部10は、記憶部15に記憶された車両5の走行履歴に関する情報に基づいて、目的地として設定された回数が多い上位6つの施設に係る情報を取得する。
次いで、制御部10は、座席別情報表示画面96中に、6つの施設のそれぞれを示す施設マーク97を表示すると共に、各施設マーク97の内部に、割合情報98を表示する。
この割合情報98は、車両5が、対応する施設まで走行した場合において、前部右座席FRについて、目的地に至るまでの全走行距離のうち、日が当たった状態で走行した距離の累計が占める割合の「目安」を示す情報である。割合情報98の値の算出方法は、上述した第1実施形態における割合情報48の値の算出方法と同様であるため、その説明を省略する。
【0104】
さらに、制御部10は、各施設マーク97の左方に、施設別情報バー99を表示すると共に、各施設別情報バー99に対応させて、距離スイッチ100と時間スイッチ101とを表示する。
施設別情報バー99は、上述した第1実施形態で説明した前部右座席情報バー50と同様のバーであり、車両5が対応する施設まで走行した場合に応じた表示内容となっている。施設別情報バー99の表示内容や、距離スイッチ100がタッチ操作された場合と、時間スイッチ101がタッチ操作された場合との、表示内容の相違については、上述した第1実施形態で説明したため省略する。
【0105】
このように、本実施形態では、目的地を設定していない状況において、ユーザーが、4つの座席のうちのいずれかの座席を指定した上で、当該画面を表示することを指示した場合、指定された座席に係る座席別情報表示画面96が表示される。
そして、座席別情報表示画面96では、目的地として設定された回数が多い上位6つの施設のそれぞれについて、割合情報98と、施設別情報バー99とが表示される。これにより、ユーザーは、目的地を設定していない状況下において、自身が目的地として設定する可能性がある施設のそれぞれについて、各施設まで走行した場合における各座席の日当たりに関する有益な情報を取得することができる。
なお、上述した例では、座席別情報表示画面96では、目的地として設定された回数が多い上位6つの施設について、日当たり情報を表示していたが、例えば、目的地として設定された日時が、現在日時から近い順に6つの施設について、日当たり情報を表示するようにしてもよい。また、座席別情報表示画面96において日当たり情報が表示される施設は、6つに限らない。
【0106】
以上説明したように、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1は、車両5の走行履歴に関する情報(過去に目的地として設定された施設を示す情報、及び、施設ごとの、目的地として設定された回数)を記憶する。そして、ユーザーが、目的地が設定されていない場合状況において、4つの座席のうちのいずれかの座席を指定した上で、当該画面を表示することを指示した場合、指定された座席に係る座席別情報表示画面96が表示される。制御部10は、この座席別情報表示画面96において、車両5の走行履歴に関する情報に基づいて、複数の目的地の候補を設定し、設定した目的地の候補のそれぞれについて、各目的地の候補に向かって車両5を走行した場合における走行の状況を予測し、予測した車両5の走行の状況に基づいて、目的地の候補までの経路を車両5で走行した場合における車両5の座席ごとの日当たりの状況(割合情報98)を検出する。
これによれば、ユーザーは、目的地を設定していない状況下において、自身が目的地として設定する可能性がある施設のそれぞれについて、各施設まで走行した場合における各座席の日当たりに関する有益な情報を取得することができる。
【0107】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、車載ナビゲーション装置1を、現在位置から経由地を経由して目的地に至までの推奨経路を検索可能に構成するとともに、現在位置から経由地に至るまでの経路、及び、経由地から目的地に至までの経路のそれぞれについて、メイン画面40を表示できるようにしてもよい。これによれば、例えば、日が当たることを望まないユーザーは、現在位置から経由地までの経路に対応するメイン画面40を視認することにより、現在位置から経由地までの経路を走行した場合に、最も日の当たる度合が低い座席を認識し、さらに、経由地から目的地までの経路に対応するメイン画面40を視認することにより、経由地から目的地までの経路を走行した場合に、最も日の当たる度合が低い座席を認識し、これら認識に基づいて、現在位置から経由地までの経路においては、当該経路において最も日の当たる度合が低い座席に着座すると共に、経由地において、経由地から目的地までの経路を走行した場合に最も日の当たる度合が低い座席に移動する、といったことが可能となる。
【符号の説明】
【0108】
1 車載ナビゲーション装置(車載機器)
5 車両
13 表示部
13a 表示パネル(表示部)
47 順位情報(日の当たる度合の高さの順序を示す情報)
48 割合情報(日の当たる度合に係る情報)
50 前部右座席情報バー(バー)
51 前部左座席情報バー(バー)
52 後部右座席情報バー(バー)
53 後部左座席情報バー(バー)
60 スタート対応上端(一端)
61 エンド対応下端(他端)
A 領域
FL 前部左座席(座席)
FR 前部右座席(座席)
RL 後部左座席(座席)
RR 後部右座席(座席)
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地までの経路を検索する機能を有する車載機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載機器において、目的地までの経路を検索し、得られた経路と、ジャイロスコープや車速パルスを用いた自立航法及びGPSやFM多重を用いた電波航法から推定した自車位置とをマップマッチングして、表示画面上に表示し経路誘導するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−85794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両の走行中における、車両の各座席の日当たりの状況(例えば、座席に対して日光が照射される時間)は異なる。ここで、医学的な理由や、健康上の理由等を含む各理由により、車両に搭乗する際、できるだけ日が当たることを避けたいと考える人間も存在する。このため、上述したような目的地までの経路を検索する機能を有する車載機器では、目的地までの走行中における日当たりに関する有益な情報をユーザーに提供したいとするニーズがあった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、目的地までの走行中における日当たりに関する有益な情報をユーザーに提供可能な車載機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は目的地までの経路を検索する機能を有する車載機器において、目的地に至るまでの車両の走行の状況を予測し、予測した前記車両の走行の状況に基づいて、目的地までの経路を前記車両で走行した場合における前記車両の座席ごとの日当たりの状況を算出することを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、上記発明の車載機器において、目的地までの経路を、現在位置から目的地に向かう連続したリンクとして検出し、各前記リンクを走行した場合における車両の走行の状況に基づいて、各リンクにおける各前記座席の日当たりの状況を算出することにより、目的地までの経路を前記車両で走行した場合における前記車両の前記座席ごとの日当たりの状況を算出することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上記発明の車載機器において、前記リンクごとに、前記車両が各前記リンクを走行した場合における前記車両の進行方向の方角を対応づけて記憶し、目的地へ向かって前記車両が走行した場合に、前記車両が各前記リンクに至るときの日時を予測すると共に、当該予測に基づいて、各前記リンクに前記車両が至ったときの太陽の方角を検出し、各前記リンクを走行した場合における車両の進行方向の方角と、各前記リンクの走行時における太陽の方角とに基づいて、前記リンクごとに、各前記リンクを走行した場合における前記座席ごとの日当たりの状況を算出することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記発明の車載機器において、前記車両の進行方向の方角、及び、前記太陽の方角の関係と、前記座席ごとの日当たりの状況と、を対応づけて記憶し、記憶した情報を利用して、各前記リンクを走行した場合における前記車両の進行方向の方角と、各前記リンクの走行時における太陽の方角とに基づいて、各前記リンクを走行した場合における前記座席ごとの日当たりの状況を算出することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記発明の車載機器において、各種情報を表示可能な表示部を備え、前記表示部に、前記座席のそれぞれを明示すると共に、明示された前記座席のそれぞれに対応づけて、各前記座席の日当たりの状況を示す情報を表示することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明の車載機器において、日当たりの状況として、目的地に至るまで前記車両を走行した場合における前記座席ごとの日の当たる度合を算出し、前記表示部に、明示された前記座席のそれぞれと対応づけて、算出した前記座席のそれぞれの日の当たる度合に係る情報を表示することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明の車載機器において、日当たりの状況として、目的地に至るまで前記車両を走行した場合における前記座席ごとの日の当たる度合の高さの順序を算出し、前記表示部に、明示された前記座席のそれぞれと対応づけて、算出した前記座席のそれぞれの日の当たる度合の高さの順序を示す情報を表示することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明の車載機器において、前記表示部に、明示された前記座席のそれぞれと対応づけて、一端が現在位置を示し、他端が目的地を示すバーを表示すると共に、前記バーを、現在位置から目的地への距離に応じて複数の領域に区分けし、各領域に対応する道路を走行した場合における各座席の日当たりの状況に対応させて、各領域の表示態様を変更することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明の車載機器において、前記表示部に、明示された前記座席のそれぞれと対応づけて、一端が現在位置を示し、他端が目的地を示すバーを表示すると共に、前記バーを、現在位置から目的地へ至る経路上の所定の地点ごとに、前記所定の地点のそれぞれに至ると予測される日時に応じて複数の領域に区分けし、各領域に対応する道路を走行した場合における各座席の日当たりの状況に対応させて、各領域の表示態様を変更することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明の車載機器において、目的地までの経路に、高速道路又はバイパス道路を含む所定の直線道路が含まれているか否かを判別し、含まれている場合は、目的地までの経路を前記車両で走行した場合における前記車両の座席ごとの日当たりの状況を算出することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記発明の車載機器において、目的地までの経路を前記車両で走行した場合における前記車両の前記座席ごとの日当たりの状況の算出に当たり、少なくとも、目的地までの経路に含まれる道路の各道路長、各道路の渋滞度、各道路を走行時の天気、及び、各道路沿いに高い建物が存在するか否か、のいずれかの情報を加味して、前記車両の前記座席ごとの日当たりの状況の算出することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記発明の車載機器において、前記車両の走行履歴に関する情報を記憶し、目的地が設定されていない場合は、前記車両の走行履歴に関する情報に基づいて、複数の目的地の候補を設定し、設定した目的地の候補のそれぞれについて、各目的地の候補に向かって車両を走行した場合における走行の状況を予測し、予測した前記車両の走行の状況に基づいて、目的地の候補までの経路を前記車両で走行した場合における前記車両の座席ごとの日当たりの状況を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、目的地までの走行中における日当たりに関する有益な情報をユーザーに提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態に係る車載ナビゲーションの機能的構成を示すブロック図である。
【図2】車両の方角を説明するための図である。
【図3】車載ナビゲーションの動作を示すフローチャートである。
【図4】車両の座席の状態を模式的に示す図である。
【図5】太陽の方角を説明するための図である。
【図6】太陽位置角度を説明するための図である。
【図7】位置関係パターンのそれぞれを示す図である。
【図8】日光ポイントテーブルを示す図である。
【図9】リンクパターンテーブルを示す図である。
【図10】メイン画面を示す図である。
【図11】前部右座席情報バーを拡大して示す図である。
【図12】現在位置から目的地に至るまでの推奨経路を構成する一連のリンクの一例を模式的に示す図である。
【図13】リンクパターンテーブルの一例を示す図である。
【図14】到着時刻テーブルを示す図である。
【図15】第2実施形態に係る車載ナビゲーションの動作を示すフローチャートである。
【図16】第3実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図である。
【図17】係数テーブルを示す図である。
【図18】補正リンクパターンテーブルを示す図である。
【図19】第4実施形態に係る座席別情報表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る車載ナビゲーション装置1(車載機器)の機能的構成を示すブロック図である。
車載ナビゲーション装置1は、車両5に設けられた装置であり、後述するように、指定された目的地までの推奨経路を検索する経路検索機能、及び、検索した推奨経路を車両5が走行するように経路誘導する経路誘導機能を備えている。
【0020】
図1に示すように、車載ナビゲーション装置1は、制御部10と、絶対位置検出部11と、相対方位検出部12と、表示部13と、入力部14と、記憶部15とを備えている。
制御部10は、車載ナビゲーション装置1の各部を中枢的に制御するものであり、CPUやROM、RAM、その他周辺回路を備えている。制御部10は、RTC(不図示)に接続されており、RTCからの入力値に基づいて、現在の日時(日付、時刻)を計時可能である。
絶対位置検出部11は、GPS衛星から送られてくるGPS電波をGPSアンテナやレシーバーなどで受信し、GPS電波に重畳されたGPS信号から、車両5の絶対的な位置を算出し、制御部10に出力する。
相対方位検出部12は、ジャイロセンサー等を使って、車両5の相対的な方位を検出し、制御部10に出力する。
表示部13は、液晶表示パネル等の表示パネル13aを備え、制御部10の制御の下、表示パネル13aにナビゲーションのための地図等の各種情報を表示する。
入力部14は、車載ナビゲーション装置1に設けられた操作スイッチ14aと、表示部13の表示パネル13aに重ねて配設されたタッチパネル14bとを備え、ユーザーの操作スイッチ14aや、タッチパネル14bに対する操作を検出し、制御部10に出力する。
記憶部15は、ハードディスクや、フラッシュメモリー等の不揮発性メモリーを備え、各種データを書き換え可能に記憶する。記憶部15には、地図データベース20と、経路検索用データ21とが記憶されている。
【0021】
地図データベース20は、地図に関するデータであり、車両5の現在位置を表示する際や、後述する経路誘導時に表示部13の表示パネル13aに表示される表示用の地図に係るデータや、地図上の道路や施設等の情報に関するデータ等を含んでいる。
【0022】
経路検索用データ21は、所定単位で区分された区間経路(リンク)に関するリンクデータ、及び、交差点(ノード)に関するノードデータを備えている。
リンクデータには、各リンクに対応する道路の道路種別や、道路幅、道路長、車線数、一方通行か否か、制限速度等に関する情報や、各リンクのリンクコストを示す情報が含まれている。各リンクのリンクコストは、リンク長やリンクの種別、平均旅行時間などから算出される。
また、経路検索用データ21には、各リンクについて、リンクに対応する道路の位置情報(少なくとも、リンクに対応する道路の入口地点の位置を含む情報)が含まれている。
また、経路検索用データ21には、各リンクについて、各リンクに対応する道路が、高速道路、又は、バイパス道路であるか否かを示す情報が含まれている。
さらに、本実施形態では、経路検索用データ21には、リンクのそれぞれについて、車両5が各リンクに対応する道路を走行した場合における車両5の方角を示すデータが含まれている。本実施形態における「車両5の方角」とは、北を基準とした車両5の進行方向の角度(より具体的には、方位(東西南北)が規定された仮想平面に、車両5を仮想的に配置した場合において、車両5を端点として北方向へ延びる仮想的な半直線に対する、車両5を端点として進行方向へ延びる半直線の時計回りの角度)であるものとする。
【0023】
図2は、車両5の方角を説明するために、東西南北が規定された平面上に車両5を仮想的に配置した様子を模式的に示す図であり、(A)は一の例を、(B)は他の例を示している。
図2(A)を参照し、車両5を端点として北方向へ延びる仮想的な半直線X1と、車両5を端点として進行方向へ延びる半直線Y1との関係が、図2(A)に示す状態であるものとすると、半直線X1に対する半直線Y1の時計回りの角度α1が、車両5の方角に該当する。
また、図2(B)を参照し、車両5を端点として北方向へ延びる仮想的な半直線X2と、車両5を端点として進行方向へ延びる半直線Y2との関係が、図2(B)に示す状態であるものとすると、半直線X2に対する半直線Y2の時計回りの角度α2が、車両5の方角に該当する。
【0024】
この経路検索用データ21は、経路検索機能の実行時に利用される。
経路検索機能は、ユーザーにより、入力部14の操作スイッチ14aやタッチパネル14bによって目的地が指定された上で、当該目的地までの経路の検索が指示されたことをトリガーとして実行される。
経路検索機能の実行時、制御部10は、経路検索用データ21に基づいて、現在位置から目的地に至るまでの連続したリンクにおいて、各リンクのリンクコストの総和が最小になるような経路を推奨経路として検索する。
さらに、制御部10は、推奨経路の検索後、表示部13の表示パネル13aに表示された地図上に、車両5の現在位置、及び、車両5が走行すべき経路を明示し、車両5の運転手に対して経路誘導を行う。経路誘導中、制御部10は、相対方位検出部12の検出値に基づいて自律航法により算出した自車位置を、絶対位置検出部11により検出された自車位置により補正するハイブリッド航法により、高精度に求めた自車位置を算出し、算出した自車位置に基づいて、車両5の現在位置を地図上に明示しつつ、経路誘導を行う。
なお、本実施形態では、制御部10は、経路検索用データ21のリンクデータに基づいて、車両5が、現在位置から所定の経路を経由して所定の位置に至った場合に、当該所定の位置に車両5が到着する時刻を予測することが可能である。
【0025】
ところで、車両5の走行中、車両5の走行方向と、太陽の位置との関係で、車両5の各座席の日当たりの状況(例えば、座席に対して日光が照射される時間の累計)は異なる。ここで、医学的な理由や、健康上の理由等を含む理由により、車両5に搭乗する際、できるだけ日が当たることを避けたいと考える人間も存在する。
これを踏まえ、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1は、目的地までの走行中における座席ごとの日当たりに関する有益な情報(以下、単に「日当たり情報」という)を表示部13の表示パネル13aに表示することによって、日当たり情報をユーザーに提供し、これにより、ユーザーの利便性を向上している。
以下、車載ナビゲーション装置1の動作について詳述する。
【0026】
図3は、日当たり情報を表示部13の表示パネル13aに表示する際の車載ナビゲーション装置1の動作を示すフローチャートである。
なお、図3のフローチャートが示す動作の前提として、ユーザーが、所定の目的地を指示した上で、当該目的地までの推奨経路の検索を指示しているものとする。
また、本実施形態では、車載ナビゲーション装置1が搭載された車両5には、以下のように座席が設けられているものとする。
【0027】
図4は、車載ナビゲーション装置1が搭載された車両5の座席の態様を模式的に示す図である。
図4に示すように、車両5の内部には、前部座席の右部に設けられた前部右座席FR(本実施形態では、運転席に該当)と、前部座席の左部に設けられた前部左座席FL(助手席に該当)と、後部座席の右部に設けられた後部右座席RRと、後部座席の左部に設けられた後部左座席RLと、がそれぞれ設けられている。
また、車両5において、前部座席の前方にはフロントガラス25が、前部右座席FRの右方には前部右サイドガラス26が、前部左座席FLの左方には前部左サイドガラス27が、後部右座席RRの右方には後部右サイドガラス28が、後部左座席RLの左方には後部左サイドガラス29が、前部座席の後方にはリアガラス30がそれぞれ設けられており、これらガラスを介して車両5の各座席に日が当たる構成となっている。
なお、車両5の向きと、太陽の位置との関係によっては、日が当たる座席と、日が当たらない座席とが現出する。
【0028】
図3を参照し、まず、車載ナビゲーション装置1の制御部10は、ユーザーによって、日当たり情報の表示が指示されたか否かを監視する(ステップSA1)。
本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1は、日当たり情報の表示を指示するためのタッチパネル14bを利用したユーザーインターフェースが設けられており、ユーザーは、当該ユーザーインターフェースを利用して、当該指示を実行可能である。なお、車載ナビゲーション装置1に、当該指示を行うための操作スイッチ14aを設ける構成としてもよい。
日当たり情報の表示が指示された場合(ステップSA1:YES)、制御部10は、推奨経路の検索が終了しているか否かを判別する(ステップSA2)。
推奨経路の検索が終了している場合(ステップSA2:YES)、制御部10は、以下の初期設定を行う(ステップSA3)。
【0029】
まず、変数hfr、変数hfl、変数hrr、及び、変数hrlのそれぞれに、「0」を格納する。これら変数は、以下の値を格納することを目的としてプログラム上に定義された変数を、説明の便宜を考慮して概念的に表現するものである。
変数hfrは、前部右座席FRに付与される日光ポイントを格納する変数である。この日光ポイントは、詳細は後述するが、各座席に対する日の当たる度合を数値化したポイントであり、付与された日光ポイントが高い座席ほど、日の当たる度合が高く、一方、付与された日光ポイントが低い座席ほど、日の当たる度合が低い。「日の当たる度合」とは、目的地まで車両5が走行した場合に、日が当たっている時間の長さの度合(正確な時間の長さに基づくものではなく、後述するが、ある程度の客観的な正確性を持って算出される時間の長さに基づくもの)を概念的に表現したものである。
同様に、変数hfl、変数hrr、及び、変数hrlは、それぞれ、前部左座席FL、後部右座席RR、及び、後部左座席RLに付与される日光ポイントを格納する変数である。
【0030】
また、ステップSA3において、制御部10は、変数nに、推奨経路に含まれるリンクの総数を示す値を格納する。上述したように、推奨経路は、車両5の現在位置から目的地に至る連続したリンクによって形成された経路であり、制御部10は、検索した推奨経路に含まれるリンクの総数をカウントし、カウントしたリンクの総数を示す値を変数nに格納する。
【0031】
また、ステップSA3において、制御部10は、変数iに「0」を格納する。
ここで、以下の説明において、推奨経路に含まれるリンクを、適宜、リンク(i)として表現する。なお、リンクの総数を示す値が変数nに格納されているため、変数iは、「0」〜「n−1」までの値をとる。そして、車両5の現在位置に最も近いリンクがリンク(0)であり、目的地に向かって順に、リンク(1)、リンク(2)と、変数iの値が「1」ずつ増えていき、目的地に最も近いリンクは、リンク(n−1)である。
【0032】
以上のような初期設定を行った後、制御部10は、リンク(i)を以下のステップSA4〜ステップSA13に係る処理を実行するべき処理対象のリンクとして特定する(ステップSA4)。すなわち、以下のステップSA4〜ステップSA13の処理は、推奨経路に含まれるリンク(0)〜リンク(n−1)のそれぞれに対して実行される。
以下の説明において、ステップSA4で処理対象のリンクとして特定されたリンクを、適宜、「処理対象リンク」と表現することがあるものとする。
【0033】
次いで、制御部10は、経路検索用データ21を参照し(ステップSA5)、車両5が処理対象リンクに対応する道路を走行した場合における車両5の方角を取得する(ステップSA6)。上述したように、経路検索用データ21には、リンクのそれぞれについて、車両5が各リンクに対応する道路を走行した場合における車両5の方角を示すデータが含まれている。
次いで、制御部10は、経路検索用データ21を参照し、車両5が目的地に向かって走行した場合に、処理対象リンクに対応する道路に到着する日時(以下、「処理対象リンク到着日時」という)を算出する(ステップSA7)。なお、ステップSA7で算出する処理対象リンク到着日時は、処理対象リンクに対応する道路の入口地点に到着する日時でもよいが、例えば、処理対象リンクに対応する道路の中間地点に到着する日時としてもよい。
【0034】
次いで、制御部10は、車両5が処理対象リンクに対応する道路に到着したときにおける太陽の方角を算出する(ステップSA8)。
本実施形態における「太陽の方角」とは、北を基準とした太陽の2次元的な方角(より詳細には、方位(東西南北)が規定された仮想平面に、車両5、及び、太陽を仮想的に配置した場合において、車両5を端点として北方向へ延びる仮想的な半直線に対する、車両5を端点として太陽へ向かって延びる仮想的な半直線の時計回りの角度)のことである。
【0035】
図5は、太陽の方角を説明するために、東西南北が規定された平面上に、車両5、及び、太陽を仮想的に配置した様子を模式的に示す図であり、(A)は一の例を、(B)は他の例を示している。
図5(A)を参照し、車両5を端点として北方向へ延びる仮想的な半直線X3と、車両5を端点として太陽へ向かって延びる半直線Y3との関係が、図5(A)に示す状態であるものとすると、半直線X3に対する半直線Y3の時計回りの角度α3が、車両5の方角に該当する。
また、図5(B)を参照し、車両5を端点として北方向へ延びる仮想的な半直線X4と、車両5を端点として太陽へ向かって延びる半直線Y4との関係が、図5(B)に示す状態であるものとすると、半直線X4に対する半直線Y4の時計回りの角度α4が、車両の方角に該当する。
なお、地球上の1の地点における太陽の方角は、当該1の地点の位置(緯度、経度)、及び、日時(日付、時刻)により、一意に定まる。これを踏まえ、本実施形態では、位置情報と、日時とに基づいて、太陽の方角を算出するアルゴリズムを有するプログラムがROMに記憶されている。そして、ステップSA8では、制御部10は、経路検索用データ21を参照し、処理対象リンクに対応する道路の位置(道路の入口地点の位置)を取得した上で、取得した道路の位置を示す情報と、ステップSA7で算出した処理対象リンク到着日時とに基づいて、当該プログラムを利用して、太陽の方角を算出する。
【0036】
次いで、制御部10は、ステップSA6で取得した車両5の方角と、ステップSA8で算出した太陽の方角とに基づいて、車両5が処理対象リンクに対応する道路に至った場合における太陽位置角度を算出する(ステップSA9)。
【0037】
図6は、太陽位置角度について説明するための図であり、(A)は、車両5と太陽とを同一平面上に配置した様子を模式的に示した一の例であり、(B)は他の例である。
太陽位置角度とは、車両5の進行方向に対する、太陽の位置の相対的な角度のことであり、より具体的には、方位(東西南北)が規定された仮想平面に、車両5、及び、太陽を仮想的に配置した場合において、車両5を端点として進行方向へ延びる仮想的な半直線に対する、車両5を端点として太陽へ向かって延びる仮想的な半直線の時計回りの角度のことである。
図6(A)を参照し、車両5を端点として進行方向へ延びる仮想的な半直線X5と、車両5を端点として太陽へ向かって延びる半直線Y5との関係が、図6(A)に示す状態であるものとすると、半直線X5に対する半直線Y5の時計回りの角度α5が、太陽位置角度に該当する。
また、図6(B)を参照し、車両5を端点として進行方向へ延びる仮想的な半直線X6と、車両5を端点として太陽へ向かって延びる半直線Y6との関係が、図6(B)に示す状態であるものとすると、半直線X6に対する半直線Y6の時計回りの角度α6が、太陽位置角度に該当する。
このように、太陽位置角度は、車両5を端点として進行方向へ延びる仮想的な半直線に対する、車両5を端点として太陽へ向かって延びる仮想的な半直線の時計回りの角度のことであるため、太陽位置角度が0°、及び、360°付近のときは、太陽は車両5の略前方に位置し、太陽位置角度が0°〜180°のときは、太陽は車両5の進行方向に向かって右側に位置し、太陽位置角度が180°付近のときは、太陽は車両5の略後方に位置し、太陽位置角度が180°〜360°のときは、太陽は車両5の進行方向に向かって左側に位置することとなる。
【0038】
さて、前掲図3を参照し、ステップSA9において太陽位置角度を算出した後、制御部10は、算出した太陽位置角度に基づいて、位置関係パターンP1〜P8のうち、処理対象リンクにおける車両5と太陽との位置関係とがいずれのパターンに該当するのかを特定する(ステップSA10)
【0039】
図7は、位置関係パターンP1〜P8における車両5と、太陽との位置関係を模式的に示す図であり、(A)は位置関係パターンP1を、(B)は位置関係パターンP2を、(C)は位置関係パターンP3を、(D)は位置関係パターンP4を、(E)は位置関係パターンP5を、(F)は位置関係パターンP6を、(G)は位置関係パターンP7を、(H)は位置関係パターンP8を、それぞれ示している。
【0040】
図7(A)に示すように、位置関係パターンP1は、太陽が、車両5の略前方(進行方向)に位置するような、太陽と、車両5との位置関係を示している。ステップSA10では、制御部10は、太陽位置角度が0°〜22.5°又は337.5°〜360°の範囲にある場合に、処理対象リンクにおける車両5と太陽との位置関係が、位置関係パターンP1に該当すると特定する。
また、図7(B)に示すように、位置関係パターンP2は、太陽が、車両5の進行方向に向かって左斜め前に位置するような、太陽と、車両5との位置関係を示している。ステップSA10では、制御部10は、太陽位置角度が292.5°〜337.5°の範囲にある場合に、処理対象リンクにおける車両5と太陽との位置関係が、位置関係パターンP2に該当すると特定する。
また、図7(C)に示すように、位置関係パターンP3は、太陽が、車両5の略左に位置するような、太陽と、車両5との位置関係を示している。ステップSA10では、制御部10は、太陽位置角度が247.5°〜292.5°の範囲にある場合に、処理対象リンクにおける車両5と太陽との位置関係が、位置関係パターンP3に該当すると特定する。
また、図7(D)に示すように、位置関係パターンP4は、太陽が、車両5の進行方向に向かって左斜め後ろに位置するような、太陽と、車両5との位置関係を示している。ステップSA10では、制御部10は、太陽位置角度が202.5°〜247.5°の範囲にある場合に、処理対象リンクにおける車両5と太陽との位置関係が、位置関係パターンP4に該当すると特定する。
また、図7(E)に示すように、位置関係パターンP5は、太陽が、車両5の略後方(進行方向と逆方向)に位置するような、太陽と、車両5との位置関係を示している。ステップSA10では、制御部10は、太陽位置角度が157.5°〜202.5°の範囲にある場合に、処理対象リンクにおける車両5と太陽との位置関係が、位置関係パターンP5に該当すると特定する。
また、図7(F)に示すように、位置関係パターンP6は、太陽が、車両5の進行方向に向かって右斜め後ろに位置するような、太陽と、車両5との位置関係を示している。ステップSA10では、制御部10は、太陽位置角度が112.5°〜157.5°の範囲にある場合に、処理対象リンクにおける車両5と太陽との位置関係が、位置関係パターンP6に該当すると特定する。
また、図7(G)に示すように、位置関係パターンP7は、太陽が、車両5の略右に位置するような、太陽と、車両5との位置関係を示している。ステップSA10では、制御部10は、太陽位置角度が67.5°〜112.5°の範囲にある場合に、処理対象リンクにおける車両5と太陽との位置関係が、位置関係パターンP7に該当すると特定する。
また、図7(H)に示すように、位置関係パターンP8は、太陽が、車両5の進行方向に向かって右斜め前に位置するような、太陽と、車両5との位置関係を示している。ステップSA10では、制御部10は、太陽位置角度が22.5°〜67.5°の範囲にある場合に、処理対象リンクにおける車両5と太陽との位置関係が、位置関係パターンP8に該当すると特定する。
【0041】
さて、前掲図3を参照し、ステップSA10において処理対象リンクにおける車両5と太陽との位置関係を示す位置関係パターンPを特定した後、制御部10は、日光ポイントテーブル35を参照する(ステップSA11)。
【0042】
図8は、日光ポイントテーブル35を示す図である。
日光ポイントテーブル35は、位置関係パターンPのそれぞれについて、処理対象リンクにおける車両5と太陽との位置関係が位置関係パターンPである場合に、前部右座席FR、前部左座席FL、後部右座席RR、及び、後部左座席RLのそれぞれに付与される日光ポイントが記憶されるテーブルである。
【0043】
図8を参照し、本実施形態では、処理対象リンクにおける車両5と太陽との位置関係が、位置関係パターンP1である場合、前部右座席FRに対して「1」の日光ポイントが付与され、前部左座席FLに対して「1」の日光ポイントが付与され、後部右座席RRに対して「0」の日光ポイントが付与され、後部左座席RLに対して「0」の日光ポイントが付与される。
ここで、図4、及び、図7(A)を参照し、上述したように、位置関係パターンP1では、車両5の略前方に太陽が位置している。そして、本実施形態では、車両5と太陽とがこのような位置関係にある場合、フロントガラス25を介して、前部右座席FR及び前部左座席FLに対して日が当たる一方、後部右座席RR及び後部左座席RLに対しては限定的にしか日が当たらない。
これを踏まえ、処理対象リンクにおける位置関係パターンPが、位置関係パターンP1である場合には、当該処理対象リンクに対応する道路を車両5が走行した場合、車両5の走行中、前部右座席FR及び前部左座席FLに対しては日が当たり、一方、後部右座席RR及び後部左座席RLに対しては限定的にしか日が当たらないとして、前部右座席FR及び前部左座席FLに対して「1」の日光ポイントを付与する一方、後部右座席RR及び後部左座席RLに対して「0」の日光ポイントを付与する。
【0044】
同様に、図4、図7(B)、及び、図8を参照し、処理対象リンクにおける位置関係パターンPが位置関係パターンP2の場合には、当該処理対象リンクに対応する道路を車両5が走行した場合、車両5の走行中、前部右座席FR、前部左座席FL、及び、後部左座席RLに対しては、フロントガラス25、前部左サイドガラス27、及び、後部左サイドガラス29を介して日が当たり、一方、後部右座席RRに対しては限定的にしか日が当たらないとして、前部右座席FR、前部左座席FL、及び、後部左座席RLに対して「1」の日光ポイントを付与する一方、後部右座席RRに対して「0」の日光ポイントを付与する。
また、図4、図7(C)、及び、図8を参照し、処理対象リンクにおける位置関係パターンPが位置関係パターンP3の場合には、当該処理対象リンクに対応する道路を車両が走行した場合、車両5の走行中、前部左座席FL、及び、後部左座席RLに対しては、前部左サイドガラス27、及び、後部左サイドガラス29を介して日が当たり、一方、前部右座席FR、及び、後部右座席RRに対しては限定的にしか日が当たらないとして、前部左座席FL、及び、後部左座席RLに対して「1」の日光ポイントを付与する一方、前部右座席FR、及び、後部右座席RRに対して「0」の日光ポイントを付与する。
また、図4、図7(D)、及び、図8を参照し、処理対象リンクにおける位置関係パターンPが位置関係パターンP4の場合には、当該処理対象リンクに対応する道路を車両5が走行した場合、車両5の走行中、前部左座席FL、後部左座席RL、及び、後部右座席RRに対しては、前部左サイドガラス27、後部左サイドガラス29、及び、リアガラス30を介して日が当たり、一方、前部右座席FRに対しては限定的にしか日が当たらないとして、前部左座席FL、後部左座席RL、及び、後部右座席RRに対して「1」の日光ポイントを付与する一方、前部右座席FRに対して「0」の日光ポイントを付与する。
また、図4、図7(E)、及び、図8を参照し、処理対象リンクにおける位置関係パターンPが位置関係パターンP5の場合には、当該処理対象リンクに対応する道路を車両5が走行した場合、車両5の走行中、後部左座席RL、及び、後部右座席RRに対しては、リアガラス30を介して日が当たり、一方、前部右座席FR、及び、前部左座席FLに対しては限定的にしか日が当たらないとして、後部左座席RL、及び、後部右座席RRに対して「1」の日光ポイントを付与する一方、前部右座席FR、及び、前部左座席FLに対して「0」の日光ポイントを付与する。
また、図4、図7(F)、及び、図8を参照し、処理対象リンクにおける位置関係パターンPが位置関係パターンP6の場合には、当該処理対象リンクに対応する道路を車両5が走行した場合、車両5の走行中、前部右座席FR、後部左座席RL、及び、後部右座席RRに対しては、前部右サイドガラス26、後部右サイドガラス28、及び、リアガラス30を介して日が当たり、一方、前部左座席FLに対しては限定的にしか日が当たらないとして、前部右座席FR、後部左座席RL、及び、後部右座席RRに対して「1」の日光ポイントを付与する一方、前部左座席FLに対して「0」の日光ポイントを付与する。
また、図4、図7(G)、及び、図8を参照し、処理対象リンクにおける位置関係パターンPが位置関係パターンP7の場合には、当該処理対象リンクに対応する道路を車両5が走行した場合、車両5の走行中、前部右座席FR、及び、後部右座席RRに対しては、前部右サイドガラス26、及び、後部右サイドガラス28を介して日が当たり、一方、前部左座席FL、及び、後部左座席RLに対しては限定的にしか日が当たらないとして、前部右座席FR、及び、後部右座席RRに対して「1」の日光ポイントを付与する一方、前部左座席FL、及び、後部左座席RLに対して「0」の日光ポイントを付与する。
また、図4、図7(H)、及び、図8を参照し、処理対象リンクにおける位置関係パターンPが位置関係パターンP8の場合には、当該処理対象リンクに対応する道路を車両5が走行した場合、車両5の走行中、前部右座席FR、前部左座席FL、及び、後部右座席RRに対しては、フロントガラス25、前部右サイドガラス26、及び、後部右サイドガラス28を介して日が当たり、一方、後部左座席RLに対しては限定的にしか日が当たらないとして、前部右座席FR、前部左座席FL、及び、後部右座席RRに対して「1」の日光ポイントを付与する一方、後部左座席RLに対して「0」の日光ポイントを付与する。
【0045】
なお、位置関係パターンPと、日光ポイントが付与される座席との関係は、車両5の構造、形状を踏まえて、適宜設定される。
例えば、車両5の構造によっては、車両5の後方に太陽が位置している場合に、全ての座席に対して太陽が当たらない場合もある。この場合は、位置関係パターンP5の場合に、全ての座席に対して「0」の日光ポイントが付与されるように、位置関係パターンと、日光ポイントが付与される座席との関係が設定される。
【0046】
さて、前掲図3を参照し、ステップSA11において日光ポイントテーブル35を参照した後、制御部10は、日光ポイントテーブル35に基づいて、変数hfr、変数hfl、変数hrr、及び、変数hrlに格納された値に、日光ポイントを加算する(ステップSA12)。
すなわち、制御部10は、日光ポイントテーブル35を参照することにより、ステップSA10で特定した位置関係パターンPにおいて各座席に付与すべき日光ポイントを取得する。そして、制御部10は、変数hfrに格納された値に、前部右座席FRに付与すべき日光ポイントを加算した値を、変数hfrに格納し、また、変数hflに格納された値に、前部左座席FLに付与すべき日光ポイントを加算した値を変数hflに格納し、また、変数hrrに格納された値に、後部右座席RRに付与すべき日光ポイントを加算した値を変数hrrに格納し、また、変数hrlに格納された値に、後部左座席RLに付与すべき日光ポイントを加算した値を変数hrlに格納する。
【0047】
次いで、制御部10は、リンクパターンテーブル36の1件のレコードを生成する(ステップSA13)。
【0048】
図9は、リンクパターンテーブル36を模式的に示す図である。
リンクパターンテーブル36は、リンク(i)のそれぞれと、各リンク(i)の位置関係パターンPと、当該位置関係パターンPにおいて各座席に付与される日光ポイントと、を対応づけて記憶するテーブルである。
ステップSA13では、制御部10は、処理対象リンクについて、当該処理対象リンクと、当該処理対象リンクについてステップSA10で特定された位置関係パターンPと、当該位置関係パターンPにおいて各座席に付与される日光ポイントとを対応づけた1件のレコードを生成し、リンクパターンテーブル36に記憶する。
なお、推奨経路に含まれるリンク(0)〜リンク(n−1)の全てについて、ステップSA4〜ステップSA13の処理が終了した場合、リンクパターンテーブル36は、リンク(0)〜リンク(n−1)のそれぞれに対応したレコードが生成された状態となる。
【0049】
次いで、制御部10は、変数iに格納された値と、変数nに格納された値から1を減算した値とを比較する(ステップSA14)。このステップでは、推奨経路に含まれるリンク(0)〜リンク(n−1)の全てについて、ステップSA4〜ステップSA13の処理が終了したか否かの判別が行われている。
変数iに格納された値と、変数nに格納された値から1を減算した値と、が等しくない場合、換言すれば、推奨経路に含まれるリンク(0)〜リンク(n−1)の全てについて、ステップSA4〜ステップSA13の処理が終了していない場合(ステップSA14:NO)、制御部10は、変数iをインクリメントし(ステップSA15)、処理手順をステップSA4に戻す。
一方、変数iに格納された値と、変数nに格納された値から1を減算した値と、が等しい場合、換言すれば、推奨経路に含まれるリンク(0)〜リンク(n−1)の全てについて、ステップSA4〜ステップSA13の処理が終了した場合(ステップSA14:YES)、制御部10は、表示処理を実行する(ステップSA16)。
以下、ステップSA16における表示処理について詳述する。
【0050】
図10は、ステップSA16において、まず、表示パネル13aに表示されるメイン画面40を示す図である。
図10に示すように、メイン画面40では、車両5の中の様子が模式的に表現された車両マーク41が描画され、この車両マーク41内で、前部右座席FRに対応する前部右座席マーク42、前部左座席FLに対応する前部左座席マーク43、後部右座席RRに対応する後部右座席マーク44、及び、後部左座席RLに対応する後部左座席マーク45がそれぞれ描画されている。
【0051】
前部右座席マーク42、前部左座席マーク43、後部右座席マーク44、及び、後部左座席マーク45のそれぞれの中には、順位情報47、及び、割合情報48が表示される。
【0052】
順位情報47は、車両5が目的地まで走行した場合において、日の当たる度合が高い順(日光ポイントが大きい順)に各座席を順位付けした場合における、各座席の順位を示す情報である。すなわち、順位情報47が示す順位が高い座席ほど、日の当たる度合が高く、一方、順位情報47が示す順位が低い座席ほど、日の当たる度合が低い。
順位付けは以下のようにして行われる。
【0053】
すなわち、制御部10は、変数hfr(前部右座席FRに対応する変数)、変数hfl(前部左座席FLに対応する変数)、変数hrr(後部右座席RRに対応する変数)、及び、変数hrl(後部左座席RLに対応する変数)のそれぞれの値を取得し、変数に格納された値が大きいほど順位が高くなるように、対応する座席の順位付けを行う。
ここで、日光ポイントは、推奨経路に含まれるリンクのそれぞれについて、各リンクに対応する道路を走行した場合に日が当たる座席に対して「1」を付与し、限定的にしか日が当たらない座席に対して「0」を付与することによって、算出されたポイントである。従って、日光ポイントが高い座席ほど、日の当たる度合が高く、一方、日光ポイントが低い座席ほど、日の当たる度合が低いと言える。これを踏まえ、本実施形態では、算出した日光ポイントを利用して、日光ポイントの高さに応じて、各座席を順位付けする。このため、日の当たる度合が高い順に、適切に、各座席を順位付けすることができる。
また、本実施形態では、日の当たる度合が高い順に各座席が順位付けされた結果が、メイン画面40に表示されるため、ユーザーは、容易、かつ、直感的に、日の当たる度合が高い座席や、低い座席を認識できる。
【0054】
また、割合情報48は、車両5が目的地まで走行した場合において、各座席について、目的地に至るまでの全走行距離のうち、日が当たった状態で走行した距離の累計が占める割合の「目安」を示す情報である。
本実施形態では、割合情報48が示す値は、以下のようにして算出される。
すなわち、制御部10は、各座席について、「対応する変数hに格納された値/変数nに格納された値×100」を算出し、算出した値を、割合情報48が示す値とする。なお、対応する変数hとは、変数hfr、変数hfl、変数hrr、及び、変数hrlのうち、処理対象となっている座席に対応する変数のことを指す。
【0055】
ここで、「対応する変数hに格納された値/変数nに格納された値×100」によって算出される値について考える。
本実施形態では、変数hに格納された値は、推奨経路に含まれるリンクのそれぞれについて、各リンクに対応する道路を走行した場合に日が当たる座席に対して「1」を付与し、限定的にしか日が当たらない座席に対して「0」を付与することによって、算出された値である。従って、1の座席について「対応する変数hに格納された値/変数nに格納された値」により算出される値は、推奨経路に含まれるリンクの総数に対する、当該座席に日が当たると判別されたリンクの個数の割合を示す値である。
なお、上述したように、変数hのそれぞれの値は、日光ポイントテーブル35の各レコードを利用して算出される。
そして、「推奨経路に含まれるリンクの総数に対する、当該座席に日が当たると判別されたリンクの個数の割合」と、「目的地に至るまでの全走行距離のうち、日が当たった状態で走行した距離の累計が占める割合」との間には、正の相関関係があると言える。このため、「対応する変数hに格納された値/変数nに格納された値×100」により算出される値を、割合情報48が示す値とすることにより、ユーザーに対して、適切に、各座席について、目的地に至るまでの全走行距離のうち、日が当たった状態で走行した距離の累計が占める割合の「目安」を示す情報を提供できる。
【0056】
また、図10に示すように、前部右座席マーク42の右方には前部右座席情報バー50が描画され、前部左座席マーク43の左方には前部左座席情報バー51が描画され、後部右座席マーク44の右方には後部右座席情報バー52が描画され、後部左座席マーク45の左方には後部左座席情報バー53が描画されている。さらに、これらバーのそれぞれに対応して、距離スイッチ55と、時間スイッチ56とが表示されている。
以下、距離スイッチ55がタッチ操作された場合における各情報バーの表示内容、及び、時間スイッチ56がタッチ操作された場合における各バーの表示内容について詳述する。
まず、距離スイッチ55がタッチ操作された場合における各情報バーの表示内容について説明する。
【0057】
図11は、距離スイッチ55がタッチ操作された場合における各情報バーの表示内容を説明するために、情報バーの一つである前部右座席情報バー50を拡大して示す図である。
図12は、現在位置から目的地に至るまでの推奨経路(図3のステップSA2において検索が終了していると判別された推奨経路)を構成する一連のリンクの一例を模式的に示す図である。この図12の例では、現在位置から目的地に至るまでの推奨経路に、リンク(0)、リンク(1)、及び、リンク(2)の3つのリンクが存在している。そして、リンク(0)の道路長はR0(km)であり、位置関係パターンPは位置関係パターンP1(図7(A))である。また、リンク(1)の道路長はR1(km)であり、位置関係パターンPは位置関係パターンP2(図7(B))である。また、リンク(2)の道路長はR2(km)であり、位置関係パターンPは位置関係パターンP3(図7(C))である。上述したように、各リンクに対応する道路の道路長に関する情報は、経路検索用データ21に含まれている。
図13は、推奨経路を構成する各リンクが、図12に示す例のときに、上述した図3のフローチャートのステップSA13で生成されるリンクパターンテーブル36を示す図である。
以下、図11、図12、及び、図13を用いて、推奨経路に含まれるリンクの態様が図12に示すような態様である場合における前部右座席情報バー50の表示内容を一例として、距離スイッチ55がタッチ操作された場合における各情報バーの表示内容について説明する。
【0058】
前部右座席情報バー50に対応する距離スイッチ55がタッチ操作された場合、制御部10は、経路検索用データ21に含まれるリンクデータを参照し、推奨経路に含まれるリンク(0)〜リンク(2)のそれぞれの道路長を取得する。
次いで、制御部10は、前部右座席情報バー50の領域を、リンク(0)〜リンク(2)のそれぞれの道路長に応じて、区分する。
より具体的には、図11を参照し、前部右座席情報バー50の上端であるスタート対応上端60から、下端であるエンド対応下端61に向かって、リンク(0)、リンク(1)、及び、リンク(2)の順に、これらリンクの道路長の比に応じて、前部右座席情報バー50を区分けする。これにより、前部右座席情報バー50において、リンク(0)に対応する領域A0、リンク(1)に対応する領域A1、及び、リンク(2)に対応する領域A2の3つの領域Aが形成される。
【0059】
次いで、制御部10は、リンクパターンテーブル36(図13)の対応するフィールドである前部右座席付与ポイントフィールド91を参照し、前部右座席FRに対応する変数hfrに関し、リンク(0)〜リンク(2)のそれぞれについて、日光ポイントが付与されているか否かを検出する。具体的には、図13を参照し、制御部10は、リンク(0)においては、変数hfrに対して日光ポイントが付与されており、リンク(1)においては、変数hfr対して日光ポイントが付与されており、リンク(2)においては、変数hfrに対して日光ポイントが付与されていないことを検出する。上述したように、あるリンクにおいて、ある座席に対応する変数に対して日光ポイントが付与された場合、当該変数に対応する座席には、日が当たる一方、日光ポイントが付与されない場合、当該変数に対応する座席には、限定的にしか日が当たらない。
そして、制御部10は、前部右座席情報バー50の表示にあたり、前部右座席情報バー50を区分して形成された領域Aのうち、日光ポイントが付与されたリンクに対応する領域Aに対しては白色以外の色(本実施形態では、一例として、青色であるものとする)を付して表示すると共に、日光ポイントが付与されていないリンクに対応する領域Aに対しては、白色を付して表示する。より具体的には、図11を参照し、リンク(0)に対応する領域A0は、青色を用いて表示し、リンク(1)に対応する領域A1は、青色を用いて表示し、リンク(2)に対応する領域A2は、白色を用いて表示する。
このように、距離スイッチ55がタッチ操作された場合、前部右座席情報バー50が、上端たるスタート対応上端60から下端たるエンド対応下端61に向かって、リンクの距離に応じて、領域Aごとに区分けされ、かつ、それぞれの領域Aについて、現在位置から目的へ至るまでに車両5を走行させた場合に、前部右座席FRに日が当たるリンク(道路)に対応する領域Aに関しては、青色で表示され、一方、前部右座席FRに限定的にしか日が当たらないリンク(道路)に対応する領域Aに関しては、白色で表示される。
このため、ユーザーは、距離スイッチ55がタッチ操作された後の、前部右座席情報バー50を参照することにより、現在位置から目的へ至るまでに車両5を走行させた場合に、どの程度走行したときに、日が当たり、また、日が当たらないかを、直感的、かつ、容易に認識できる。この認識に基づいて、例えば、日が当たることを避けたいと考えるユーザーは、車両5の走行中、できるだけ日があたらないように座席移動する等の計画を立てることが可能となる。
【0060】
さらに、図11を参照して、前部右座席情報バー50の左方には、現在位置マーク63が表示される。
この現在位置マーク63は、車両5の現在位置を明示するためのマークである。
制御部10は、絶対位置検出部11の検出値に基づいて、車両5の位置を、随時、検出する。そして、制御部10は、車両5の現在位置と、経路検索用データ21のリンクデータに基づいて、車両5が走行中の道路に対応するリンクを検出し、当該リンクの入口位置、及び、車両5の現在位置の距離と、当該リンクの出口位置(=当該リンクの次のリンクの入口位置)、及び、車両5の現在位置の距離と、の割合を算出し、算出した割合に応じて、当該リンクに対応する領域Aの適切な位置を指し示すように、現在位置マーク63を表示する。
【0061】
以上、前部右座席情報バー50を例にして、距離スイッチ55がタッチ操作された場合における表示内容を説明したが、他の情報バーについても、表示内容は同様である。
【0062】
次いで、時間スイッチ56がタッチ操作された場合における前部右座席情報バー50の表示内容について説明する。
なお、以下の説明では、図11、図12、及び、図13を援用し、前部右座席情報バー50を拡大した図が図11に示すものであり、現在位置から目的地に至るまでの推奨経路を構成する一連のリンクの構成が図12に示すものであり、かつ、リンクパターンテーブル36が図13に示すものである場合を例にして説明する。
まず、制御部10は、RTCの入力値と、車両5の現在位置と、経路検索用データ21のリンクデータに基づいて、現在時刻、リンク(1)に対応する道路の入口地点への到着時刻、リンク(2)に対応する道路の入口地点への到着時刻、及び、目的地への到着時刻を算出し、算出した値に基づいて、到着時刻テーブル65を生成し、記憶部15に記憶する。
【0063】
図14は、到着時刻テーブル65の構成を示す図である。
図14に示すように、到着時刻テーブル65では、現在時刻、リンク(1)に対応する道路の入口地点への到着時刻、リンク(2)に対応する道路の入口地点への到着時刻、及び、目的地への到着時刻が記憶される。図14の例では、現在時刻が「13:00」であり、リンク(1)に対応する道路への入口地点への到着時刻が「15:00」であり、リンク(2)に対応する道路への入口地点への到着時刻が「16:30」であり、目的地への到着時刻が「18:00」である。この場合、現在位置から目的地まで走行した場合、車両5は、リンク(0)を2時間(「13:00」と、「15:00」との差分)走行し、リンク(1)を1時間30分(「15:00」と「16:30」との差分)走行し、リンク(2)を1時間30分(「16:30」と「18:00」との差分)走行することとなる。
なお、以下の説明では、車両5が1のリンクを走行する時間のことを、適宜、「走行時間」というものとする。
【0064】
次いで、制御部10は、前部右座席情報バー50を、リンク(0)〜リンク(2)のそれぞれの走行時間に応じて、領域Aごとに区分する。
より具体的には、図11を参照し、前部右座席情報バー50の上端であるスタート対応上端60から、下端であるエンド対応下端61に向かって、リンク(0)、リンク(1)、及び、リンク(2)の順に、これらリンクに対応する道路を走行した場合における走行時間に応じて、前部右座席情報バー50を区分けする。これにより、前部右座席情報バー50において、リンク(0)の走行時間に対応する領域A0、リンク(1)の走行時間に対応する領域A1、及び、リンク(2)の走行時間に対応する領域A2の3つの領域Aが形成される。
【0065】
次いで、制御部10は、リンクパターンテーブル36(図13)の前部右座席付与ポイントフィールド91を参照し、前部右座席FRに対応する変数hfrに関し、リンク(0)〜リンク(2)のそれぞれについて、日光ポイントが付与されているか否かを検出する。具体的には、図13を参照し、制御部10は、リンク(0)においては、変数hfrに対して日光ポイントが付与されており、リンク(1)においては、変数hfr対して日光ポイントが付与されており、リンク(2)においては、変数hfrに対して日光ポイントが付与されていないことを検出する。上述したように、ある1のリンクにおいて、ある座席に対応する変数に対して日光ポイントが付与された場合、当該変数に対応する座席には、日が当たる一方、日光ポイントが付与されない場合、当該変数に対応する座席には、限定的にしか日が当たらない。
そして、制御部10は、前部右座席情報バー50の表示にあたり、前部右座席情報バー50を区分して形成された領域Aのうち、日光ポイントが付与されたリンクに対応する領域Aに対しては白色以外の色(本実施形態では、一例として、青色であるものとする)を付して表示すると共に、日光ポイントが付与されていないリンクに対応する領域Aに対しては、白色を付して表示する。より具体的には、図11を参照し、リンク(0)に対応する領域A0は、青色を用いて表示し、リンク(1)に対応する領域A1は、青色を用いて表示し、リンク(2)に対応する領域A2は、白色を用いて表示する。
このように、時間スイッチ56がタッチ操作された場合、前部右座席情報バー50が、上端たるスタート対応上端60から下端たるエンド対応下端61に向かって、リンクの走行時間に応じて、領域Aごとに区分けされ、かつ、それぞれの領域Aについて、現在位置から目的へ至るまでに車両5を走行させた場合に、前部右座席FRに日が当たるリンク(道路)に対応する領域Aに関しては、青色で表示され、一方、前部右座席FRに限定的にしか日が当たらないリンク(道路)に対応する領域Aに関しては、白色で表示される。
このため、ユーザーは、時間スイッチ56がタッチ操作された後の、前部右座席情報バー50を参照することにより、現在位置から目的へ至るまでに車両5を走行させた場合に、どの程度の「時間」走行したときに、日が当たり、また、日が当たらないかを、直感的、かつ、容易に認識できる。この認識に基づいて、例えば、日が当たることを避けたいと考えるユーザーは、車両5の走行中、できるだけ日があたらないように座席移動する等の計画を立てることが可能となる。
【0066】
さらに、本実施形態では、前部右座席マーク42、前部左座席マーク43、後部右座席マーク44、及び、後部左座席マーク45のそれぞれは、順位情報47が示す順位に応じて、その色が変わる構成となっている。具体的には、順位情報47が示す順位が高い座席(=日の当たる度合が高い座席)に対応する座席マークほど、濃い色(例えば、濃い青色)で表示し、順位が低い座席(=日の当たる度合が低い座席)に対応する座席マークほど、薄い色(例えば、薄い青色)で表示する。このような構成とすることにより、ユーザーは、各座席マークを視認することにより、直感的、かつ、容易に、日の当たる度合が高い座席、低い座席について認識できる。
なお、例えば、割合情報48が示す割合に応じて、割合が高いほど、色を濃くし、一方、割合が低いほど、色を薄くするようにしてもよい。
【0067】
以上説明したように、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1は、目的地に至るまでの車両5の走行の状況(車両5の進行方向の方角や、車両5と太陽との位置関係、太陽位置角度等)を予測し、予測した車両5の走行の状況に基づいて、目的地までの経路を車両5で走行した場合における車両5の座席ごとの日当たりの状況(例えば、座席ごとの日当たりの度合の目安や、日当たりの度合の順序)を算出する。
これによれば、車両5の走行の状況に応じて、適切に、車両5の座席ごとの日当たりの状況を算出できると共に、算出した日当たりの状況を利用して、ユーザーに対して、座席ごとの日当たりに関する有益な情報を提供可能である。
【0068】
また、本実施形態では、目的地までの経路を、現在位置から目的地に向かう連続したリンク(i)として検出し、各リンク(i)を走行した場合における車両5の走行の状況に基づいて、各リンク(i)における各座席の日当たりの状況を算出することにより、目的地までの経路を車両5で走行した場合における車両5の座席ごとの日当たりの状況を算出する。
ここで、上述したように、推奨経路は、車両5の現在位置から目的地に至る連続したリンクによって形成された経路であり、リンクごとに、車両5の走行状況(例えば、車両5の進行方向の方角や、リンクに対応する道路を走行する車両5と太陽との位置関係)は、異なる。
これを踏まえ、上記によれば、各リンク(i)を走行した場合における車両5の走行の状況に基づいて、各リンク(i)における各座席の日当たりの状況を算出することにより、効率よく、かつ、実態に即した、各座席の日当たりの状況を算出できる。
【0069】
また、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1は、経路検索用データ21において、リンクごとに、車両5が各リンクを走行した場合における車両5の進行方向の方角を対応づけて記憶する。そして、車載ナビゲーション装置1は、目的地へ向かって車両5が走行した場合に、車両5が各リンクに至るときの日時を予測すると共に、当該予測に基づいて、各リンクに車両5が至ったときの太陽の方角を検出し、各リンクを走行した場合における車両5の進行方向の方角と、各リンクの走行時における太陽の方角とに基づいて、リンクごとに、各リンクを走行した場合における座席ごとの日当たりの状況(座席に日が当たるか、それとも、限定的にしか日が当たらないか等)を算出する。
ここで、車両5の各座席に日が当たるか、又は、限定的にしか日があたらないかは、車両5の進行方向の方角と、太陽の方角によって、ある程度定まる。そして、上記によれば、車両5の進行方向の方角と、太陽の方角とを利用して、適切に、リンクを走行した場合における座席ごとの日当たりの状況を算出できる。
【0070】
また、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1では、日光ポイントテーブル35において、車両5の進行方向の方角、及び、太陽の方角の関係(位置関係パターンP)と、座席ごとの日当たりの状況(各座席に日が当たるか、又は、限定的にしか日が当たらないかを示す情報)と、を対応づけて記憶する。そして、制御部10は、日光ポイントテーブル35を利用して、各リンクを走行した場合における車両5の進行方向の方角と、各リンクの走行時における太陽の方角とによって規定される位置関係パターンPに基づいて、各リンクを走行した場合における座席ごとの日当たりの状況(各座席に日が当たるか、又は、限定的にしか日が当たらないか)を検出する。
これによれば、日光ポイントテーブル35を利用して、確実、かつ、容易にリンクごとに、各座席の日当たりの状況を検出可能である。
【0071】
また、本実施形態では、メイン画面40において、座席のそれぞれが、前部右座席マーク42、前部左座席マーク43、後部右座席マーク44、及び、後部左座席マーク45によって明示されると共に、各マークに対応づけて、各前記座席の日当たりの状況を示す情報(順位情報47や、割合情報48等)が表示される。
これによれば、ユーザーは、メイン画面40を視認することにより、直感的、かつ、容易に、それぞれの座席の日当たりの状況について認識することができる。
【0072】
また、本実施形態では、制御部10は、日当たりの状況として、目的地に至るまで車両5を走行した場合における座席ごとの日の当たる度合を算出し、メイン画面40において、座席マークのそれぞれと対応づけて、算出した座席のそれぞれの日の当たる度合に係る情報、具体的には、割合情報48を表示する。
これによれば、ユーザーは、メイン画面40を視認することにより、直感的、かつ、容易に、それぞれの座席の日当たる度合に係る情報を認識することができる。
【0073】
また、本実施形態では、制御部10は、日当たりの状況として、目的地に至るまで車両5を走行した場合における座席ごとの日の当たる度合の高さの順序を算出し、メイン画面40において、座席マークのそれぞれと対応づけて、算出した座席のそれぞれの日の当たる度合の高さの順序を示す情報、具体的には、順位情報47を表示する。
これによれば、ユーザーは、メイン画面40を視認することにより、直感的、かつ、容易に、それぞれの座席の日当たる度合の高さの順序を示す情報を認識することができる。
【0074】
また、本実施形態では、制御部10は、メイン画面40において、前部右座席情報バー50、前部左座席情報バー51、後部右座席情報バー52、及び、後部左座席情報バー53の各情報バーを表示する。
そして、上述したように、各情報バーに対応する距離スイッチ55がタッチ操作された場合、各リンクに対応する道路の道路長に応じて領域Aが形成されると共に、日が当たるか否かに応じて、領域Aの色を異ならせている。
これによれば、ユーザーは、距離スイッチ55がタッチ操作された後の、各情報バーを視認することにより、現在位置から目的へ至るまでに車両5を走行させた場合に、どの程度走行したときに、日が当たり、また、日が当たらないかを、直感的、かつ、容易に認識できる。この認識に基づいて、例えば、日が当たることを避けたいと考えるユーザーは、車両5の走行中、できるだけ日があたらないように座席移動する等の計画を立てることが可能となる。
【0075】
また、本実施形態では、上述したように、各情報バーに対応する時間スイッチ56がタッチ操作された場合、各リンクに対応する道路の走行時間に応じて領域Aが形成されると共に、日が当たるか否かに応じて、領域Aの色を異ならせている。
これによれば、ユーザーは、時間スイッチ56がタッチ操作された後の、前部右座席情報バー50を参照することにより、現在位置から目的へ至るまでに車両5を走行させた場合に、どの程度の「時間」走行したときに、日が当たり、また、日が当たらないかを、直感的、かつ、容易に認識できる。この認識に基づいて、例えば、日が当たることを避けたいと考えるユーザーは、車両5の走行中、できるだけ日があたらないように座席移動する等の計画を立てることが可能となる。
【0076】
<第2実施形態>
次いで、第2実施形態について説明する。
【0077】
図15は、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1の動作を示すフローチャートである。
本実施形態では、車載ナビゲーション装置1の制御部10は、日当たり情報の表示が指示された場合、推奨経路中に、高速道路、又は、バイパス道路が含まれているか否かを判別し、これら道路のいずれかが含まれているか否かに応じて、処理を変更する。
具体的に、図15を参照し、車載ナビゲーション装置1の制御部10は、ユーザーによって、日当たり情報の表示が指示されたか否かを監視する(ステップSB1)。
日当たり情報の表示が指示された場合(ステップSB1:YES)、制御部10は、推奨経路の検索が終了しているか否かを判別する(ステップSB2)。
推奨経路の検索が終了している場合(ステップSB2:YES)、制御部10は、推奨経路中に、高速道路、又は、バイパス道路が含まれているか否かを判別する(ステップSB3)。
高速道路、又は、バイパス道路が含まれている場合(ステップSB3:YES)、制御部10は、日当たり情報の表示に係る処理(図3のステップSA3〜ステップSA16と同様の処理)を実行する(ステップSB4)。
一方、推奨経路中に、高速道路、又は、バイパス道路が含まれていない場合(ステップSB3:NO)、制御部10は、表示部13を制御して、高速道路、又は、バイパス道路が含まれていないため、日当たり情報の表示に係る処理を表示しない旨、表示パネル13aに表示する(ステップSB5)。
【0078】
このように、本実施形態では、推奨経路中に、高速道路、又は、バイパス道路が含まれている場合には、日当たり情報の表示を行い、一方、含まれていない場合は、日当たり情報の表示を行わない。これは、以下の理由による。
すなわち、高速道路や、バイパス道路は、直線状の道路が多く存在するため、これら道路を走行した場合、他の座席と比較して、日の当たる度合が非常に高い座席が現出する場合がある。従って、目的地に至る経路に、高速道路、又は、バイパス道路が含まれている場合こそ、ユーザーは、日当たり情報を知りたいと考えるものと想定される。
これを踏まえ、本実施形態では、推奨経路中に、高速道路、又は、バイパス道路が含まれている場合に、日当たり情報の表示を行う構成とし、ユーザーに、必要な情報を重点的に提供する構成となっている。
なお、ステップSA5において、日当たり情報の表示に係る処理を表示しない旨、表示パネル13aに表示した後、さらに、日当たり情報の表示を行うか否かをユーザーに問い合わせ、表示を行う旨の指示があった場合は、日当たり情報の表示を行い、一方、表示を行わない旨の指示があった場合は、日当たり情報の表示を行わないようにしてもよい。この構成により、最終的に、日当たり情報を表示するか否かをユーザーが判断することとなり、ユーザーの利便性が向上する。
また、本実施形態では、高速道路、又は、バイパス道路が含まれているか否かを判別していたが、例えば、所定の長さより長い直線状の道路(直線道路)が含まれているか否かを判別するようにしてもよい。すなわち、ステップSB3では、直線状の道路が存在することに起因して、他の座席と比較して、日の当たる度合が非常に高い座席が現出するか否かが判別できればよい。
【0079】
以上説明したように、本実施形態では、推奨経路中に、高速道路、又は、バイパス道路が含まれている場合には、日当たり情報の表示を行い、一方、含まれていない場合は、日当たり情報の表示を行わない。
ここで、高速道路や、バイパス道路は、直線状の道路が多く存在するため、これら道路を走行した場合、他の座席と比較して、日の当たる度合が非常に高い座席が現出する場合がある。従って、目的地に至る経路に、高速道路、又は、バイパス道路が含まれている場合こそ、ユーザーは、日当たり情報を知りたいと考えるものと想定される。
これを踏まえ、本実施形態によれば、ユーザーに、必要な情報を重点的に提供できる。
【0080】
<第3実施形態>
次いで、第3実施形態について説明する。
【0081】
図16は、本実施形態に係る情報処理システム70の構成を示す図である。
図16に示すように、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1は、車両5に持ち込まれた携帯電話71との間で、所定の近距離無線通信規格に準拠した無線通信可能に構成されている。携帯電話71は、無線基地局72を介してインターネットや、移動通信網等の通信ネットワーク73に接続可能であり、車載ナビゲーション装置1は、携帯電話71、及び、通信ネットワーク73を介して、天気情報提供サーバー74と各種データの送受信が可能である。
【0082】
天気情報提供サーバー74は、少なくとも、現在から将来に向かう所定の期間の、各エリアにおける時間帯ごとの天気を示す情報(以下、「天気情報」という)を記憶するサーバー装置であり、車載ナビゲーション装置1は、天気情報提供サーバー74との間で所定のプロトコルに準拠した通信を行い、天気情報提供サーバー74から天気情報を取得可能である。
【0083】
また、本実施形態に係る経路検索用データ21のリンクデータには、リンク毎に、時間帯と、各時間帯におけるリンクに対応する道路の渋滞度とが対応づけて記憶されている。
より具体的には、渋滞度として、1のリンクに対応する道路を車両5がスムーズに走行できない状態であることを示す「渋滞」、1のリンクに対応する道路において渋滞には至っていないものの、当該リンクに対応する道路が空いている状態ではないことを示す「混雑」、及び、1のリンクに対応する道路が渋滞、及び、混雑しておらず、車両5がスムーズに走行できる状態であることを示す「順調」の3つの情報が存在している。そして、リンクデータでは、リンクのそれぞれについて、所定の時間帯(例えば、1日を6時間ごとに4つに分けて形成した時間帯)ごとに、各リンクに対応する道路が「渋滞」「混雑」、及び、「順調」のいずれの状態であるのかを対応づけて記憶している。
さらに、本実施形態に係る経路検索用データ21のリンクデータには、リンク毎に、各リンクに対応する道路沿いに、所定の高さ以上の建物が存在しているか否かを示す情報が含まれている。ここで、高さの高い建物が道路沿いに存在している場合、当該建物が、車両5の各座席への日当たりを遮る場合がある。
【0084】
本実施形態では、図3のフローチャートにおいて、ステップSA14で、変数iに格納された値と、変数nに格納された値から1を減算した値とを比較した結果、変数iに格納された値と、変数nに格納された値から1を減算した値とが等しい場合(ステップSA14:YES)、換言すれば、ステップSA14において、推奨経路に含まれるリンク(0)〜リンク(n−1)の全てについて、ステップSA4〜ステップSA13の処理が終了したと判別された場合(ステップSA14:YES)、ステップSA16に係る処理を実行する前に、「補正リンクパターンテーブル生成処理」を実行する点で、上述した第1実施形態と異なっている。さらに、ステップSA16の表示処理において、補正リンクパターンテーブル生成処理により生成された補正リンクパターンテーブル90(図18)を用いて各種表示処理を実行する点で、上述した第1実施形態と異なっている。
まず、補正リンクパターンテーブル生成処理について説明する。
【0085】
図17は、係数テーブル76の一例を示す図である。
なお、以下の説明では、現在位置から目的地に至るまでの推奨経路を構成する一連のリンクの構成が図12に示すものであり、かつ、リンクパターンテーブル36が図13に示すものであるものとする。
補正リンクパターンテーブル生成処理において、まず、制御部10は、推奨経路に含まれるリンク(i)ごとに、係数テーブル76のレコードを生成し、各レコードの各フィールドに対応するデータを格納することにより、係数テーブル76を生成する。
詳述すると、制御部10は、経路検索用データ21のリンクデータを参照し、リンク(i)のそれぞれについて、各リンクに対応する道路の道路長を取得し、道路長を示すデータを、対応するレコードの道路長フィールド77に格納する。
次いで、制御部10は、リンク(i)のそれぞれについて、道路長を、基準道路長eで除算することにより道路長係数を算出し、算出した道路長係数を示すデータを、対応するレコードの道路長係数フィールド78に格納する。ここで、基準道路長eとは、リンクに対応する道路の長短を判断する基準として定められた基準値である。従って、道路長係数は、各リンクに対応する道路が、基準道路長eに対してどれだけの割合分長く、また、基準道路長eに対してどれだけの割合分短いかを示す値である。図17の例では、リンク(0)に対応するレコードの道路長係数は、「1.2」であり、リンク(1)に対応するレコードの道路長係数は、「0.8」であり、リンク(2)に対応するレコードの道路長係数は、「1.5」である。
【0086】
次いで、制御部10は、経路検索用データ21のリンクデータを参照し、車両5が現在位置から目的地まで走行した場合に、各リンク(i)の入口地点に車両5が到着する予想時刻を算出する。次いで、制御部10は、経路検索用データ21のリンクデータを参照し、リンク(i)のそれぞれについて、車両5が各リンク(i)に至ると予測される時間における各リンク(i)の渋滞度を取得する。次いで、制御部10は、対応するレコードの渋滞度フィールド79に、対応するリンクの渋滞度を示すデータを格納する。図17の例では、リンク(0)に対応するレコードの渋滞度フィールド79には、「渋滞」を示すデータが格納され、リンク(1)に対応するレコードの渋滞度フィールド79には、「混雑」を示すデータが格納され、リンク(2)に対応するレコードの渋滞度フィールド79には、「順調」を示すデータが格納される。
次いで、制御部10は、各レコードについて、対応する渋滞度に応じた渋滞度係数を取得し、取得した渋滞度係数を示すデータを渋滞度係数フィールド80に格納する。ここで、本実施形態では、予め、渋滞度のそれぞれと、渋滞度に対応する渋滞度係数とが対応づけて記憶されている。具体的には、渋滞度が「渋滞」の場合、渋滞度係数は、「2」であり、渋滞度が「混雑」の場合、渋滞度係数は、「1.2」であり、渋滞度が「順調」の場合、渋滞度係数は、「1」である。すなわち、あるリンクに対応する道路について、当該道路が渋滞していればいるほど、渋滞度係数は高く、一方、渋滞していなければいないほど、渋滞度係数は低い。
【0087】
次いで、制御部10は、天気情報提供サーバー74にアクセスし、リンク(i)のそれぞれについて、車両5が各リンク(i)に至ると予測される時間における各リンク(i)が在圏するエリアの天気を取得する。なお、本実施形態では、天気として、「晴れ」、「曇り」、及び、「雨」が存在するものとする。
次いで、制御部10は、対応するレコードの天気フィールド81に、対応するリンクの天気を示すデータを格納する。図17の例では、リンク(0)に対応するレコードの天気フィールド81には、「雨」を示すデータが格納され、リンク(1)に対応するレコードの天気フィールド81には、「曇り」を示すデータが格納され、リンク(2)に対応するレコードの天気フィールド81には、「晴れ」を示すデータが格納される。
次いで、制御部10は、各レコードについて、対応する天気に応じた天気係数を取得し、取得した天気係数を示すデータを天気係数フィールド82に格納する。ここで、本実施形態では、予め、天気のそれぞれと、天気に対応する天気係数とが対応づけて記憶されている。具体的には、天気が「晴れ」の場合、天気係数は、「1.2」であり、天気が「曇り」の場合、天気係数は、「0.8」であり、天気が「雨」の場合、天気係数は、「0.5」である。すなわち、あるリンクに対応する道路について、天気が晴れていればいるほど、天気係数は高く、一方、晴れていないほど、天気係数は低い。
【0088】
次いで、制御部10は、経路検索用データ21のリンクデータを参照し、リンク(i)のそれぞれについて、対応する道路沿いに、所定の高さ以上の建物が存在しているか否かを判別し、存在している場合は、対応する建物フィールド83に、存在していることを示すデータ(図17の例では、「あり」と表現)を格納し、一方、存在していない場合は、対応する建物フィールド83に、存在していないことを示すデータ(図17の例では、「なし」と表現)を格納する。図17の例では、リンク(0)に対応するレコードの建物フィールド83には、存在していないことを示すデータ(「なし」)が格納され、リンク(1)、及び、リンク(2)に対応するレコードの建物フィールド83には、存在していることを示すデータ(「あり」)が格納される。
次いで、制御部10は、道路沿いに所定の高さ以上の建物が存在するか否かに応じて、建物係数を取得し、取得した建物係数を示すデータを建物係数フィールド84に格納する。ここで、本実施形態では、予め、道路沿いに所定の高さ以上の建物が存在するか否かに応じて、建物係数が定められ、記憶されている。具体的には、道路沿いに所定の高さ以上の建物が存在する場合は、建物係数は、「0.9」であり、道路沿いに所定の高さ以上の建物が存在しない場合は、建物係数は、「1」である。すなわち、あるリンクに対応する道路について、道路沿いに所定の高さ以上の建物が存在する場合の方が、そうでない場合よりも、建物係数の値が小さい。
【0089】
以上のようにして、補正リンクパターンテーブル生成処理において、係数テーブル76を生成した後、制御部10は、生成した係数テーブル76、及び、リンクパターンテーブル36に基づいて、補正リンクパターンテーブル90を生成する。
【0090】
図18は、補正リンクパターンテーブル90の一例を示す図である。
制御部10は、リンクパターンテーブル36(図13)の、前部右座席付与ポイントフィールド91、前部左座席付与ポイントフィールド92、後部右座席付与ポイントフィールド93、及び、後部左座席付与ポイントフィールド94に格納された各データが示す値を、上述した、道路長係数、渋滞度係数、天気係数、及び、建物係数によって補正することにより、補正リンクパターンテーブル90を生成する。
図13のリンクパターンテーブル36のリンク(0)に対応するレコードR1に対する補正を例にして説明すると、制御部10は、まず、係数テーブル76(図17)を参照し、リンク(0)に対応する道路長係数(「1.2」)、渋滞度係数(「2」)、天気係数(「0.5」)、及び、建物係数(「1」)を取得する。次いで、制御部10は、レコードR1の前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値(「1」)に対して、取得した道路長係数、渋滞度係数、天気係数、及び、建物係数のそれぞれを乗算した値を求め、当該値を示すデータを前部右座席付与ポイントフィールド91に格納する。ここで算出された値は、「1.2」である。同様にして、制御部10は、レコードR1の前部左座席付与ポイントフィールド92、後部右座席付与ポイントフィールド93、及び、後部左座席付与ポイントフィールド94に格納されたそれぞれのデータに対して、道路長係数、渋滞度係数、天気係数、及び、建物係数のそれぞれを乗算することにより、これらデータを補正する。
このようにして、制御部10は、リンクパターンテーブル36(図13)の全てのレコードについて、前部右座席付与ポイントフィールド91、前部左座席付与ポイントフィールド92、後部右座席付与ポイントフィールド93、及び、後部左座席付与ポイントフィールド94に格納された各データが示す値に、道路長係数、渋滞度係数、天気係数、及び、建物係数を乗算することにより、当該値を補正して、補正リンクパターンテーブル90(図18)を生成する。
【0091】
道路長係数、渋滞度係数、天気係数、及び、建物係数について説明する。
まず、道路長係数について説明する。
ここで、1のリンクに対応する道路を車両5が走行した場合、当該道路の道路長が長ければ長いほど、当該道路を走行する時間が長くなる傾向があり、従って、日が当たる座席については、日が当たる時間が長くなる傾向がある。
そして、上述したように、1のリンクに対応する道路長係数の値は、当該1のリンクに対応する道路の道路長が、基準道路長よりも長ければ長いほど大きな値となり、一方、当該道路長が、基準道路長よりも短ければ短いほど小さな値となる。
従って、1のリンクにおいて、各座席に付与された日光ポイントに対して道路長係数を乗算した場合、この道路長係数は、当該1のリンクに対応する道路の道路長が基準道路長よりも長ければ長いほど、各座席に付与された日光ポイントの値を大きくし、一方、当該1のリンクに対応する道路の道路長が基準道路長よりも短ければ短いほど、各座席に付与された日光ポイントの値を小さくする「重み」として機能する。このように、1のリンクにおいて、各座席に対して付与された日光ポイントに対して、上記重みとして機能する道路長係数を乗算し、当該日光ポイントを補正することにより、補正後の日光ポイントの値を、当該1のリンクに対応する道路の道路長が適切に反映された値とすることができる。
【0092】
次いで、渋滞度係数について説明する。
ここで、1のリンクに対応する道路を車両5が走行した場合、当該道路が渋滞していればいるほど、当該道路を走行する時間が長くなる傾向があり、従って、日が当たる座席については、日が当たる時間が長くなる傾向がある。
そして、上述したように、1のリンクに対応する渋滞度係数の値は、当該1のリンクに対応する道路が渋滞していればいるほど大きな値となり、一方、渋滞していないほど小さな値となる。
従って、1のリンクにおいて、各座席に対して付与された日光ポイントに対して渋滞度係数を乗算した場合、この渋滞度係数は、当該1のリンクに対応する道路が渋滞していればいるほど、渋滞していない場合よりも、各座席に付与された日光ポイントの値を大きくする「重み」として機能する。このように、1のリンクにおいて各座席に対して付与された日光ポイントに対して、上記重みとして機能する渋滞度係数を乗算し、当該日光ポイントを補正することにより、補正後の当該日光ポイントの値を、当該1のリンクに対応する道路の渋滞度が適切に反映された値とすることができる。
【0093】
次いで、天気係数について説明する。
ここで、1のリンクに対応する道路を車両5が走行した場合、走行中の天気が良い(=「晴れ」、「曇り」、「雨」の順に天気が良いものとする)ほど、日が当たる座席については、より強く日が当たる傾向がある。
そして、上述したように、1のリンクに対応する天気係数の値は、当該1のリンクに対応する道路を走行するときの天気が良いほど大きな値となり、一方、天気が悪いほど小さな値となる。
従って、1のリンクにおいて、各座席に対して付与された日光ポイントに対して天気係数を乗算した場合、この天気係数は、当該1のリンクに対応する道路を走行するときの天気がいいほど、天気が悪い場合よりも、付与された日光ポイントの値を大きくする「重み」として機能する。このように、1のリンクにおいて、各座席に対して付与された日光ポイントに対して、上記重みとして機能する天気係数を乗算し、当該日光ポイントを補正することにより、補正後の当該日光ポイントの値を、当該1のリンクに対応する道路を走行するときの天気が適切に反映された値とすることができる。
【0094】
次いで、建物係数について説明する。
ここで、1のリンクに対応する道路を車両5が走行した場合、道路沿いに高さの高い建物が存在する場合、この建物が車両5にあたる日光を遮る場合がある。
そして、上述したように、1のリンクに対応する建物係数の値は、当該1のリンクに対応する道路沿いに所定の高さ以上の建物が存在する場合、存在しない場合よりも大きな値となる。
従って、1のリンクにおいて、各座席に付与された日光ポイントに対して建物係数を乗算した場合、この建物係数は、当該1のリンクに対応する道路沿いに所定の高さ以上の建物が存在する場合、存在しない場合よりも、各座席に付与された日光ポイントの値を大きくする「重み」として機能する。このように、1のリンクにおいて、各座席に対して付与された日光ポイントに対して、上記重みとして機能する建物係数を乗算し、当該日光ポイントを補正することにより、補正後の当該日光ポイントの値を、当該1のリンクに対応する道路沿いに所定の高さ以上の建物が存在するか否かが適切に反映された値とすることができる。
【0095】
なお、上記の説明では、各座席に付与された日光ポイントに、道路長係数、渋滞度係数、天気係数、及び、建物係数を乗算することにより、日光ポイントを補正していたが、補正の方法は、これに限らない。
例えば、道路長係数、渋滞度係数、天気係数、及び、建物係数を足すことによって、日光ポイントを補正してもよく、また、これら係数を平均したものを足すようにしてもよく、また、その他の統計学的手法を用いて日光ポイントを補正するようにしてもよい。すなわち、道路長、渋滞度、天気、及び、所定以上の高さの建物の有無に応じて、補正後の日光ポイントの値が適切に補正されればよい。なお、補正の方法に応じて、道路長係数、渋滞度係数、天気係数、及び、建物係数を適切な値とすることが必要である。
また、上記の説明では、道路長係数、渋滞度係数、天気係数、及び、建物係数の全ての係数を利用して、日光ポイントを補正していたが、必ずしも全てを利用する必要はなく、目的に応じて、一部の係数のみを利用して、日光ポイントを補正するようにしてもよい。
【0096】
以上のようにして生成された補正リンクパターンテーブル90は、図3のステップSA16の表示処理において、以下のように利用される。
例えば、制御部10は、順位情報47(図10)の表示の前提となる各座席の順位付けに際し、補正リンクパターンテーブル90を以下のように利用する。
すなわち、制御部10は、補正リンクパターンテーブル90を参照し、全てのレコードの前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値を合計した値を算出する。図18の例で言えば、リンク(0)に対応するレコードの前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値(「1.2」)と、リンク(1)に対応するレコードの前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値(「0.6912」)と、リンク(2)に対応するレコードの前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値(「0」)と、を合計した値(「1.8912」)を算出する。以下の説明では、ここで算出した値を、「前部右座席合計値」という。
同様にして、制御部10は、補正リンクパターンテーブル90を参照し、全てのレコードの前部左座席付与ポイントフィールド92に格納されたデータが示す値を合計した値(以下、「前部左座席合計値」という)を算出し、また、全てのレコードの後部右座席付与ポイントフィールド93に格納されたデータが示す値を合計した値(以下、「後部右座席合計値」という)を算出し、全てのレコードの後部左座席付与ポイントフィールド94に格納されたデータが示す値を合計した値(以下、「後部左座席合計値」という)を算出する。
次いで、制御部10は、前部右座席合計値、前部左座席合計値、後部右座席合計値、及び、後部左座席合計値を比較し、値が大きいほど順位が高くなるように、対応する座席の順位付けを行う。
【0097】
ここで、補正リンクパターンテーブル90において、各レコードの、前部右座席付与ポイントフィールド91、前部左座席付与ポイントフィールド92、後部右座席付与ポイントフィールド93、及び、後部左座席付与ポイントフィールド94に格納されたデータが示す値のそれぞれは、道路長係数、渋滞度係数、天気係数、及び、建物係数が利用されて補正された値である。従って、前部右座席合計値、前部左座席合計値、後部右座席合計値、及び、後部左座席合計値のそれぞれは、目的地に至るまでの各道路の道路長、各道路の渋滞度、各道路の走行時の天気、及び、各道路沿いにおける所定以上の高さの建物の有無が反映され値であって、かつ、日の当たる度合が高いほど高く、一方、日の当たる度合が低いほど低い値である。
従って、順位情報47の表示の前提となる各座席の順位付けに際し、補正リンクパターンテーブル90を利用して、各座席の日の当たる度合の順位付けを行うことにより、目的地に至るまでの各道路の道路長、各道路の渋滞度、各道路の走行時の天気、及び、各道路沿いにおける所定以上の高さの建物の有無を反映して、適切に順位付けを行うことができる。
【0098】
また例えば、制御部10は、割合情報48(図10)が示す値の算出に際し、補正リンクパターンテーブル90を以下のように利用する。
前部右座席FRを例にして説明すると、制御部10は、補正リンクパターンテーブル90の前部右座席付与ポイントフィールド91を参照し、前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値が、所定の閾値を超えているか否かをレコードごとに判別し、当該値が所定の閾値を超えているレコードの数を取得する。図18の例において、所定の閾値が「1」であるものとすると、リンク(0)〜リンク(2)に対応する3つのレコードのうち、リンク(0)に対応するレコードの前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値(「1.2」)が、所定の閾値(「1」)を超えているため、制御部10は、レコードの数として「1」を取得する。
次いで、制御部10は、補正リンクパターンテーブル90のレコードの総数に対する、上記で取得したレコードの数の割合を、算出する。ここで算出した値が、前部右座席FRに対応する割合情報48が示す値に該当する。
【0099】
ここで、所定の閾値は、1の前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値が、当該所定の閾値を上回る場合、対応するリンク(i)の走行時に前部右座席FRに日が当たり、一方、当該所定の閾値を下回る場合、対応するリンク(i)の走行時に前部右座席FRに限定的にしか日があたらないような値とされる。
従って、補正リンクパターンテーブル90のレコードの総数に対する、前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値が所定の閾値を超えているレコードの数の割合を求めることにより、前部右座席FRについて、目的地に至るまでの全走行距離のうち、日が当たった状態で走行した距離の累計が占める割合の「目安」を求めることができる。
特に、補正リンクパターンテーブル90の前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値は、道路長係数、渋滞度係数、天気係数、及び、建物係数が利用されて補正された値であるため、上記算出方法によって、割合情報48が示すべき値を求めることにより、目的地に至るまでの各道路の道路長、各道路の渋滞度、各道路の走行時の天気、及び、各道路沿いにおける所定以上の高さの建物の有無を反映して、適切に、割合情報48が示すべき値を求めることができる。
以上、前部右座席FRを例にして説明したが、他の座席についても同様である。
【0100】
また例えば、制御部10は、前部右座席情報バー50、前部左座席情報バー51、後部右座席情報バー52、及び、後部左座席情報バー53の表示に際し、補正リンクパターンテーブル90を以下のように利用する。
距離スイッチ55、又は時間スイッチ56がタッチ操作された場合における前部右座席情報バー50を例にして説明すると、制御部10は、前部右座席情報バー50を区分して形成された領域Aのうち、修正後の日光ポイント(対応する前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値)が所定の閾値を上回っているリンク(i)に対応する領域Aについては、青色を付し、一方、修正後の日光ポイントが所定の閾値を下回っているリンク(i)に対応する領域Aについては、白色を付す。
ここで、所定の閾値は、1の前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値が、当該所定の閾値を上回る場合、対応するリンク(i)の走行時に前部右座席FRに日が当たり、一方、当該所定の閾値を下回る場合、対応するリンク(i)の走行時に前部右座席FRに限定的にしか日があたらないような値とされる。
従って、上記のようにして、各領域Aに付す色を決定することにより、日が当たるか否かに応じて、適切に各領域Aに色を付すことができる。
特に、補正リンクパターンテーブル90の前部右座席付与ポイントフィールド91に格納されたデータが示す値は、道路長係数、渋滞度係数、天気係数、及び、建物係数が利用されて補正された値であるため、上記のようにして、各領域Aに付す色を決定することにより、目的地に至るまでの各道路の道路長、各道路の渋滞度、各道路の走行時の天気、及び、各道路沿いにおける所定以上の高さの建物の有無を反映して、適切に各領域Aに色を付すことができる。
なお、上記の例では、前部右座席情報バー50を例にして説明したが、他の情報バーについても同様である。
【0101】
以上説明したように、本実施形態では、制御部10は、目的地までの経路を車両5で走行した場合における車両5の座席ごとの日当たりの状況の算出に当たり、目的地までの経路に含まれる道路の各道路長、各道路の渋滞度、各道路を走行時の天気、及び、各道路沿いに高い建物が存在するか否か、のいずれかの情報を加味して、車両5の座席ごとの日当たりの状況を検出する。
ここで、上述したように、目的地までの経路に含まれる道路の各道路長、各道路の渋滞度、各道路を走行時の天気、及び、各道路沿いに高い建物が存在するか否かは、各座席の日当たりの状況に対して影響を与える。
これを踏まえ、上記構成によれば、道路の各道路長、各道路の渋滞度、各道路を走行時の天気、及び、各道路沿いに高い建物が存在するか否かを反映して、適切に、車両5の座席ごとの日当たりの状況を検出できる。
【0102】
<第4実施形態>
次いで、第4実施形態について説明する。
本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1は、ユーザーによって目的地が定められていない場合において、日当たり関する有益な情報をユーザーに提供する機能を有している。
なお、本実施形態では、制御部10は、過去に目的地として設定された施設を示す情報を記憶部15に記憶し、かつ、施設ごとに、目的地として設定された回数を記憶しているものとする。ここで、記憶されたデータが、車両5の走行履歴に関する情報に該当する。
【0103】
図19は、座席別情報表示画面96、特に、前部右座席FRに係る座席別情報表示画面96の一例を示す図である。
座席別情報表示画面96は、目的地を設定していない状況において、ユーザーが、4つの座席のうちのいずれかの座席を指定した上で、当該画面を表示することを指示した場合に、表示パネル13aに表示される画面である。以下の説明では、ユーザーは、前部右座席FRを指定した上で、座席別情報表示画面96を表示することを指示したものとする。
前部右座席FRが指定された上で、座席別情報表示画面96の表示が指示された場合、制御部10は、記憶部15に記憶された車両5の走行履歴に関する情報に基づいて、目的地として設定された回数が多い上位6つの施設に係る情報を取得する。
次いで、制御部10は、座席別情報表示画面96中に、6つの施設のそれぞれを示す施設マーク97を表示すると共に、各施設マーク97の内部に、割合情報98を表示する。
この割合情報98は、車両5が、対応する施設まで走行した場合において、前部右座席FRについて、目的地に至るまでの全走行距離のうち、日が当たった状態で走行した距離の累計が占める割合の「目安」を示す情報である。割合情報98の値の算出方法は、上述した第1実施形態における割合情報48の値の算出方法と同様であるため、その説明を省略する。
【0104】
さらに、制御部10は、各施設マーク97の左方に、施設別情報バー99を表示すると共に、各施設別情報バー99に対応させて、距離スイッチ100と時間スイッチ101とを表示する。
施設別情報バー99は、上述した第1実施形態で説明した前部右座席情報バー50と同様のバーであり、車両5が対応する施設まで走行した場合に応じた表示内容となっている。施設別情報バー99の表示内容や、距離スイッチ100がタッチ操作された場合と、時間スイッチ101がタッチ操作された場合との、表示内容の相違については、上述した第1実施形態で説明したため省略する。
【0105】
このように、本実施形態では、目的地を設定していない状況において、ユーザーが、4つの座席のうちのいずれかの座席を指定した上で、当該画面を表示することを指示した場合、指定された座席に係る座席別情報表示画面96が表示される。
そして、座席別情報表示画面96では、目的地として設定された回数が多い上位6つの施設のそれぞれについて、割合情報98と、施設別情報バー99とが表示される。これにより、ユーザーは、目的地を設定していない状況下において、自身が目的地として設定する可能性がある施設のそれぞれについて、各施設まで走行した場合における各座席の日当たりに関する有益な情報を取得することができる。
なお、上述した例では、座席別情報表示画面96では、目的地として設定された回数が多い上位6つの施設について、日当たり情報を表示していたが、例えば、目的地として設定された日時が、現在日時から近い順に6つの施設について、日当たり情報を表示するようにしてもよい。また、座席別情報表示画面96において日当たり情報が表示される施設は、6つに限らない。
【0106】
以上説明したように、本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1は、車両5の走行履歴に関する情報(過去に目的地として設定された施設を示す情報、及び、施設ごとの、目的地として設定された回数)を記憶する。そして、ユーザーが、目的地が設定されていない場合状況において、4つの座席のうちのいずれかの座席を指定した上で、当該画面を表示することを指示した場合、指定された座席に係る座席別情報表示画面96が表示される。制御部10は、この座席別情報表示画面96において、車両5の走行履歴に関する情報に基づいて、複数の目的地の候補を設定し、設定した目的地の候補のそれぞれについて、各目的地の候補に向かって車両5を走行した場合における走行の状況を予測し、予測した車両5の走行の状況に基づいて、目的地の候補までの経路を車両5で走行した場合における車両5の座席ごとの日当たりの状況(割合情報98)を検出する。
これによれば、ユーザーは、目的地を設定していない状況下において、自身が目的地として設定する可能性がある施設のそれぞれについて、各施設まで走行した場合における各座席の日当たりに関する有益な情報を取得することができる。
【0107】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、車載ナビゲーション装置1を、現在位置から経由地を経由して目的地に至までの推奨経路を検索可能に構成するとともに、現在位置から経由地に至るまでの経路、及び、経由地から目的地に至までの経路のそれぞれについて、メイン画面40を表示できるようにしてもよい。これによれば、例えば、日が当たることを望まないユーザーは、現在位置から経由地までの経路に対応するメイン画面40を視認することにより、現在位置から経由地までの経路を走行した場合に、最も日の当たる度合が低い座席を認識し、さらに、経由地から目的地までの経路に対応するメイン画面40を視認することにより、経由地から目的地までの経路を走行した場合に、最も日の当たる度合が低い座席を認識し、これら認識に基づいて、現在位置から経由地までの経路においては、当該経路において最も日の当たる度合が低い座席に着座すると共に、経由地において、経由地から目的地までの経路を走行した場合に最も日の当たる度合が低い座席に移動する、といったことが可能となる。
【符号の説明】
【0108】
1 車載ナビゲーション装置(車載機器)
5 車両
13 表示部
13a 表示パネル(表示部)
47 順位情報(日の当たる度合の高さの順序を示す情報)
48 割合情報(日の当たる度合に係る情報)
50 前部右座席情報バー(バー)
51 前部左座席情報バー(バー)
52 後部右座席情報バー(バー)
53 後部左座席情報バー(バー)
60 スタート対応上端(一端)
61 エンド対応下端(他端)
A 領域
FL 前部左座席(座席)
FR 前部右座席(座席)
RL 後部左座席(座席)
RR 後部右座席(座席)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの経路を検索する機能を有する車載機器において、
目的地に至るまでの車両の走行の状況を予測し、予測した前記車両の走行の状況に基づいて、目的地までの経路を前記車両で走行した場合における前記車両の座席ごとの日当たりの状況を検出することを特徴とする車載機器。
【請求項2】
目的地までの経路を、現在位置から目的地に向かう連続したリンクとして検出し、
各前記リンクを走行した場合における車両の走行の状況に基づいて、各リンクにおける各前記座席の日当たりの状況を検出することにより、目的地までの経路を前記車両で走行した場合における前記車両の前記座席ごとの日当たりの状況を検出することを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項3】
前記リンクごとに、前記車両が各前記リンクを走行した場合における前記車両の進行方向の方角を対応づけて記憶し、
目的地へ向かって前記車両が走行した場合に、前記車両が各前記リンクに至るときの日時を予測すると共に、当該予測に基づいて、各前記リンクに前記車両が至ったときの太陽の方角を検出し、
各前記リンクを走行した場合における車両の進行方向の方角と、各前記リンクの走行時における太陽の方角とに基づいて、前記リンクごとに、各前記リンクを走行した場合における前記座席ごとの日当たりの状況を検出することを特徴とする請求項2に記載の車載機器。
【請求項4】
前記車両の進行方向の方角、及び、前記太陽の方角の関係と、前記座席ごとの日当たりの状況と、を対応づけて記憶し、記憶した情報を利用して、各前記リンクを走行した場合における前記車両の進行方向の方角と、各前記リンクの走行時における太陽の方角とに基づいて、各前記リンクを走行した場合における前記座席ごとの日当たりの状況を検出することを特徴とする請求項3に記載の車載機器。
【請求項5】
各種情報を表示可能な表示部を備え、
前記表示部に、前記座席のそれぞれを明示すると共に、明示された前記座席のそれぞれに対応づけて、各前記座席の日当たりの状況を示す情報を表示することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車載機器。
【請求項6】
日当たりの状況として、目的地に至るまで前記車両を走行した場合における前記座席ごとの日の当たる度合を検出し、
前記表示部に、
明示された前記座席のそれぞれと対応づけて、検出した前記座席のそれぞれの日の当たる度合に係る情報を表示することを特徴とする請求項5に記載の車載機器。
【請求項7】
日当たりの状況として、目的地に至るまで前記車両を走行した場合における前記座席ごとの日の当たる度合の高さの順序を検出し、
前記表示部に、
明示された前記座席のそれぞれと対応づけて、検出した前記座席のそれぞれの日の当たる度合の高さの順序を示す情報を表示することを特徴とする請求項5又は6に記載の車載機器。
【請求項8】
前記表示部に、
明示された前記座席のそれぞれと対応づけて、一端が現在位置を示し、他端が目的地を示すバーを表示すると共に、前記バーを、現在位置から目的地への距離に応じて複数の領域に区分けし、
各領域に対応する道路を走行した場合における各座席の日当たりの状況に対応させて、各領域の表示態様を変更することを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の車載機器。
【請求項9】
前記表示部に、
明示された前記座席のそれぞれと対応づけて、一端が現在位置を示し、他端が目的地を示すバーを表示すると共に、前記バーを、現在位置から目的地へ至る経路上の所定の地点ごとに、前記所定の地点のそれぞれに至ると予測される日時に応じて複数の領域に区分けし、
各領域に対応する道路を走行した場合における各座席の日当たりの状況に対応させて、各領域の表示態様を変更することを特徴とする請求項5ないし8のいずれかに記載の車載機器。
【請求項10】
目的地までの経路に、高速道路又はバイパス道路を含む所定の直線道路が含まれているか否かを判別し、
含まれている場合は、目的地までの経路を前記車両で走行した場合における前記車両の座席ごとの日当たりの状況を検出することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の車載機器。
【請求項11】
目的地までの経路を前記車両で走行した場合における前記車両の前記座席ごとの日当たりの状況の検出に当たり、少なくとも、目的地までの経路に含まれる道路の各道路長、各道路の渋滞度、各道路を走行時の天気、及び、各道路沿いに高い建物が存在するか否か、のいずれかの情報を加味して、前記車両の前記座席ごとの日当たりの状況の検出することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の車載機器。
【請求項12】
前記車両の走行履歴に関する情報を記憶し、
目的地が設定されていない場合は、前記車両の走行履歴に関する情報に基づいて、複数の目的地の候補を設定し、設定した目的地の候補のそれぞれについて、各目的地の候補に向かって車両を走行した場合における走行の状況を予測し、予測した前記車両の走行の状況に基づいて、目的地の候補までの経路を前記車両で走行した場合における前記車両の座席ごとの日当たりの状況を検出することを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の車載機器。
【請求項1】
目的地までの経路を検索する機能を有する車載機器において、
目的地に至るまでの車両の走行の状況を予測し、予測した前記車両の走行の状況に基づいて、目的地までの経路を前記車両で走行した場合における前記車両の座席ごとの日当たりの状況を検出することを特徴とする車載機器。
【請求項2】
目的地までの経路を、現在位置から目的地に向かう連続したリンクとして検出し、
各前記リンクを走行した場合における車両の走行の状況に基づいて、各リンクにおける各前記座席の日当たりの状況を検出することにより、目的地までの経路を前記車両で走行した場合における前記車両の前記座席ごとの日当たりの状況を検出することを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項3】
前記リンクごとに、前記車両が各前記リンクを走行した場合における前記車両の進行方向の方角を対応づけて記憶し、
目的地へ向かって前記車両が走行した場合に、前記車両が各前記リンクに至るときの日時を予測すると共に、当該予測に基づいて、各前記リンクに前記車両が至ったときの太陽の方角を検出し、
各前記リンクを走行した場合における車両の進行方向の方角と、各前記リンクの走行時における太陽の方角とに基づいて、前記リンクごとに、各前記リンクを走行した場合における前記座席ごとの日当たりの状況を検出することを特徴とする請求項2に記載の車載機器。
【請求項4】
前記車両の進行方向の方角、及び、前記太陽の方角の関係と、前記座席ごとの日当たりの状況と、を対応づけて記憶し、記憶した情報を利用して、各前記リンクを走行した場合における前記車両の進行方向の方角と、各前記リンクの走行時における太陽の方角とに基づいて、各前記リンクを走行した場合における前記座席ごとの日当たりの状況を検出することを特徴とする請求項3に記載の車載機器。
【請求項5】
各種情報を表示可能な表示部を備え、
前記表示部に、前記座席のそれぞれを明示すると共に、明示された前記座席のそれぞれに対応づけて、各前記座席の日当たりの状況を示す情報を表示することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車載機器。
【請求項6】
日当たりの状況として、目的地に至るまで前記車両を走行した場合における前記座席ごとの日の当たる度合を検出し、
前記表示部に、
明示された前記座席のそれぞれと対応づけて、検出した前記座席のそれぞれの日の当たる度合に係る情報を表示することを特徴とする請求項5に記載の車載機器。
【請求項7】
日当たりの状況として、目的地に至るまで前記車両を走行した場合における前記座席ごとの日の当たる度合の高さの順序を検出し、
前記表示部に、
明示された前記座席のそれぞれと対応づけて、検出した前記座席のそれぞれの日の当たる度合の高さの順序を示す情報を表示することを特徴とする請求項5又は6に記載の車載機器。
【請求項8】
前記表示部に、
明示された前記座席のそれぞれと対応づけて、一端が現在位置を示し、他端が目的地を示すバーを表示すると共に、前記バーを、現在位置から目的地への距離に応じて複数の領域に区分けし、
各領域に対応する道路を走行した場合における各座席の日当たりの状況に対応させて、各領域の表示態様を変更することを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の車載機器。
【請求項9】
前記表示部に、
明示された前記座席のそれぞれと対応づけて、一端が現在位置を示し、他端が目的地を示すバーを表示すると共に、前記バーを、現在位置から目的地へ至る経路上の所定の地点ごとに、前記所定の地点のそれぞれに至ると予測される日時に応じて複数の領域に区分けし、
各領域に対応する道路を走行した場合における各座席の日当たりの状況に対応させて、各領域の表示態様を変更することを特徴とする請求項5ないし8のいずれかに記載の車載機器。
【請求項10】
目的地までの経路に、高速道路又はバイパス道路を含む所定の直線道路が含まれているか否かを判別し、
含まれている場合は、目的地までの経路を前記車両で走行した場合における前記車両の座席ごとの日当たりの状況を検出することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の車載機器。
【請求項11】
目的地までの経路を前記車両で走行した場合における前記車両の前記座席ごとの日当たりの状況の検出に当たり、少なくとも、目的地までの経路に含まれる道路の各道路長、各道路の渋滞度、各道路を走行時の天気、及び、各道路沿いに高い建物が存在するか否か、のいずれかの情報を加味して、前記車両の前記座席ごとの日当たりの状況の検出することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の車載機器。
【請求項12】
前記車両の走行履歴に関する情報を記憶し、
目的地が設定されていない場合は、前記車両の走行履歴に関する情報に基づいて、複数の目的地の候補を設定し、設定した目的地の候補のそれぞれについて、各目的地の候補に向かって車両を走行した場合における走行の状況を予測し、予測した前記車両の走行の状況に基づいて、目的地の候補までの経路を前記車両で走行した場合における前記車両の座席ごとの日当たりの状況を検出することを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の車載機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−68040(P2012−68040A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−210703(P2010−210703)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]