説明

車載機能制御装置

【課題】車両に備わる複数の機能を効果的に調整することが可能な車載機能制御装置を提供する。
【解決手段】HMI管理装置が実行するモード設定処理では、機能単位で構成された複数の機能プログラムを実行する各ECUから送られてくる入力情報に基づいて、車両の運転者の余裕度を推定し(S211)、その余裕度に応じてモード設定を行う。具体的には、車両の運転にとって付加的な機能に対応する全ての付加的機能プログラムの実行を許可するモードを通常モード、一部の付加的機能プログラムの実行を制限するモードを限定モードとして、余裕度が高レベルである場合には(S230;YES)、通常モードに設定し(S235)、余裕度が中レベルまたは低レベルである場合には、限定モードに設定する(S236,S237)。そして、ここで設定したモードにて付加的機能プログラムを実行させるための制御指令を各ECUに送信する(S240)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に備わる複数の機能を調整する車載機能制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転者に各種情報を効果的に伝えるために、運転者の意識と潜在意識との境界領域より下に刺激を与える程度に情報内容の画像表示や音声出力を繰り返し行ったうえで、明示的に情報内容を一度だけ報知する報知制御処理を行う装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この装置では、報知制御処理によって、情報内容の画像表示や音声出力を、明示的に繰り返し行う代わりにサブリミナル的に繰り返し行うことにより、運転者にとって情報過多による煩わしさを低減しつつ、情報内容に対する認識レベルを高めることが期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−214750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、車両技術の進歩に伴い、運転の安全性や快適性を高めるための多数の機能が車両に備わるようになり、車両に搭載される電子制御装置の数も増加傾向にある。また、一般的に、これら各電子制御装置が、個々に割り当てられた機能を実現するためのプログラムに基づいて、報知制御処理を実行している。
【0006】
しかし、複数の電子制御装置を備える車両制御システムにおいて、単に従来の報知制御処理を実行するだけでは、複数の電子制御装置によって、各機能を実現するための複数のプログラムが並列的に実行されることから、各プログラムによって生成された多くの情報が同時多発的に運転者に報知され、運転者の状態によっては煩わしさを感じさせてしまう可能性があった。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するために、そもそも車両に備わる複数の機能が、基本的には運転者にとって便利に感じるはずであるものの、運転者の状態によってはかえって不要と感じる場合が存在することに着目してなされたものであり、車両に備わる複数の機能を効果的に調整することが可能な車載機能制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた発明である請求項1に記載の車載機能制御装置は、車両に搭載される装置であって、当該車載機能制御装置に接続された各電子制御装置から送られてくる入力情報に基づいて、車両の運転に対する運転者の余裕度を推定する余裕度推定手段を備える。なお、各電子制御装置は、機能単位で構成された複数の機能プログラムを実行するように構成されている。また、入力情報には、運転者の生体状態を表す情報、及び、運転操作に影響を与える要因(外部環境や運転操作以外の操作等)を表す情報の少なくとも一つが含まれてもよい。
【0009】
そして、モード設定手段が、複数の機能プログラムのうち車両の運転にとって付加的な機能に対応する全ての付加的機能プログラムの実行を許可するモードを通常モード、一部の付加的機能プログラムの実行を制限するモードを限定モードとして、余裕度推定手段にて推定した余裕度に応じたモードを設定する。具体的には、余裕度推定手段にて推定した余裕度が、予め設定された閾値余裕度以上である場合には通常モードに、閾値余裕度を下回る場合には限定モードにそれぞれ設定する。さらには、制御指令送信手段が、モード設定手段にて設定したモードにて付加的機能プログラムを実行させるための制御指令を各電子制御装置に送信するように構成した。
【0010】
このように構成された車載機能制御装置では、運転者の余裕度が比較的大きい場合には、車両に備わる全ての付加的機能プログラムが実行され、運転者の余裕度が比較的小さい場合には、一部の付加的機能プログラムの実行範囲が制限されるので、車両の運転にとって必須の機能に影響を及ぼさない範囲内において、運転者の状態に応じて機能の選択と集中を行うことが可能となる。
【0011】
したがって、本発明の車載機能制御装置によれば、運転者の状態によってはかえって不要と感じる機能を一時的に制限することで煩わしさを軽減することができ、ひいては、車両に備わる複数の機能を効果的に調整することができる。
【0012】
このように、運転者の煩わしさを軽減するだけでなく、安全面を重視した場合、請求項2に記載のように、限定モードは、付加的機能プログラムの実行時において運転者による目視を必要とする操作を入力するインターフェース(操作インターフェース)からの読み込みを禁止するモードであることが望ましい。
【0013】
この場合、運転者の余裕度が比較的大きい場合には、各種の操作インターフェースを使用可能な状態になるので利便性が確保され、運転者の余裕度が比較的小さい場合には、運転者の視線を操作インターフェースに向けさせることを抑制することが可能となるので、運転者の状態に応じて安全性を効果的に強化することができる。
【0014】
また、請求項3に記載のように、限定モードは、付加的機能プログラムの実行において運転者に報知するための報知情報を出力する情報出力装置に対する報知情報の出力指令を制限するモードであってもよい。
【0015】
この場合、運転者の余裕度が比較的大きい場合には、多くの情報が運転者に報知されることになるので利便性が確保され、運転者の余裕度が比較的小さい場合には、運転者の注意を車両の運転以外に向けさせることを抑制することが可能となるので、同様に運転者の状態に応じて安全性を効果的に強化することができる。
【0016】
具体的には、本発明の車載機能制御装置は、請求項4に記載のように、各電子制御装置から、付加的機能プログラムの実行時に出力される情報であって、報知情報に対応する出力情報を受信する情報受信手段を備え、その出力情報には、機能プログラムに対応する重要度が含まれる構成において、制御指令送信手段が、モード設定手段にて限定モードを設定した場合、下記のように制御指令を送信するとよい。即ち、情報受信手段にて受信した出力情報に基づき、その出力情報に含まれている重要度が予め設定された閾値重要度以上である場合に限り、その報知情報に関する情報出力装置への出力指令を許可する指令を制御指令として送信する。
【0017】
このような構成によれば、運転者の余裕度が比較的小さい場合には、重要度が高い情報だけが運転者に報知されることになるので、余裕度が比較的高い場合に比べて運転者に報知する情報量を低減しつつ、必要な情報を効率よく運転者に提供することができる。
【0018】
さらには、請求項5に記載のように、制御指令送信手段は、重要度が高い順に報知情報を情報出力装置に出力させる指令を制御指令として送信するとよい。この場合、重要度が高い情報から順に運転者に報知されることになるので、必要な情報をより効率的に運転者に提供することができる。
【0019】
ところで、運転者にとっては不意に普段は使用可能な機能が制限されてしまうと、不安を感じてしまうことになりかねないので、以下のように構成してもよい。
つまり、請求項6に記載のように、入力情報には、車両の現在地から目的地までの走行環境を表す環境情報が含まれており、余裕度推定手段が、この環境情報に基づいて運転者の余裕度を時系列に沿って推定してなる予測余裕度群を生成する。そして、制御指令送信手段は、余裕度推定手段にて生成した予測余裕度群に基づいて、その余裕度が閾値余裕度を下回る時点よりも予め設定された準備時間前に、通常モードから限定モードに移行する旨を情報出力装置に出力させる指令を制御指令として送信する。
【0020】
このような構成によれば、現在から先の余裕度を推定してモードが切り替わる前に予め運転者に報知することにより、運転者にとって不意に使用可能な機能が制限されることを防止するとともに、運転者に自身の状態を客観的に認識させることができ、その結果、運転に注意を向けさせることができる。
【0021】
なお、請求項7に記載のように、入力情報には、車両の現在地が予め登録された運転者の生活圏内であるか否かを表す現在地情報が含まれており、余裕度推定手段は、現在地情報に基づいて、車両が生活圏外を走行中である場合には、車両が生活圏内を走行中の場合よりも小さくなるように余裕度を推定してもよい。
【0022】
つまり、車両の現在地が生活圏内であれば、運転者にとって運転に対する心理的障壁が下がるので余裕度を大きくし、逆に生活圏外であれば心理的障壁が上がるので余裕度を小さくすることにより、車両の現在地によって簡易に運転者の余裕度を推定することができる。
【0023】
また、余裕度については、上記のように車両の外部環境に基づいて推定してもよいし、その他の情報に基づいて推定してもよい。例えば、請求項8に記載のように、入力情報には、運転者の年齢を含む属性を表す属性情報が含まれており、余裕度推定手段は、属性情報に基づいて、運転者の年齢層に応じて異なるように余裕度を推定してもよい。
【0024】
つまり、運転者の年齢層と運転に対する技能との相関関係を用いることによって簡易に運転者の余裕度を推定することができる。ちなみに、上記の他には、車両の速度や、車両の現在地における道路形状、渋滞状況、市街地または郊外地、天候、車外の照度など各種の情報によって余裕度を推定するとよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明が適用された車両制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の車両のECUのソフトウェア構成を示すブロック図である。
【図3】HMI管理装置の構成を詳細に示すブロック図である。
【図4】機能重要度情報および装置優先度情報を説明するための概略図である。
【図5】モード指令情報を説明するための概略図である。
【図6】HMI管理装置のCPUが実行する報知制御処理を示すフローチャートである。
【図7】HMI管理装置のCPUが実行するモード設定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明の実施形態について説明する。
[全体構成]
図1は、本発明が適用された車両制御システム1の概略構成を示すブロック図である。
【0027】
図1に示すように、この車両制御システム1は、車両の内部に設置されてその車両の運転者に報知する情報、これら情報の表示形態、及び運転者による入力操作に係る操作形態を管理するHMI(ヒューマンマシンインターフェース)管理装置3を備えている。また、HMI管理装置3は、LAN通信バス(ネットワーク)を介して、エンジン電子制御装置(以下、「エンジンECU」)30、ブレーキ電子制御装置(以下、「ブレーキECU」)32、走行制御電子制御装置(以下、「走行制御ECU」)34、メータ電子制御装置(以下、「メータECU」)36、故障診断電子制御装置(以下、「故障診断ECU」)38、ナビゲーション電子制御装置(以下、「ナビECU」)40、オーディオビジュアル電子制御装置(以下、「AVECU」)42、車外通信電子制御装置(以下、「車外通信ECU」)44、ライト電子制御装置(以下、「ライトECU」)46、運転者診断電子制御装置(以下、「運転診断ECU」)48などの各種ECUと接続されている。
【0028】
なお、各ECUは、いずれも周知のマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」)を中心に構成され、少なくともLAN通信バスを介して通信を実施するためのバスコントローラを備えている。また、各ECUのマイコンは、図2に示すようなアプリA、アプリB、制御部、…といったソフトウェア構成を有する。
【0029】
ここで、アプリA、アプリBは、車両制御のために当該ECUに割り当てられた2種類の機能プログラム(換言すれば、アプリケーションプログラム)を表している。また、制御部は、各アプリA、Bがネットワーク上の他の装置と交換する信号をフィルタリングしたり、アプリA、Bの実行/停止、及び実行の制限を切り換えたりするための制御プログラムを表している。
【0030】
そして、当該ECUは、アプリA、Bの実行時に、運転者に報知するための報知情報、または運転者により入力された操作内容を表す操作情報を生成すると、これらの情報にアプリA、Bに対応する機能が識別可能な機能ID、期限情報および設定情報を付加し、HMI管理装置3に送信するように構成されている。なお、実際には、アプリA,Bという2種類のアプリケーションプログラム(アプリ)だけではなく、3種類以上の複数のアプリが存在し、これらのアプリが車載制御における機能単位に分けて予め作成され、当該ECUに実装されている。
【0031】
ちなみに、機能IDと共に出力情報に付加される情報のうち、期限情報は、これらアプリによる報知情報の送信時(ひいてはHMI管理装置3の受信時)から運転者に報知されるまでに要する最大の有効期間を表す情報であり、設定情報は、運転者への報知開始時から報知終了時までに必要な報知期間を表す情報である。
【0032】
また、当該ECUは、アプリA、Bの実行時に、期限情報を管理し、報知情報の時間的価値が失われるまで、あるいは制御部によってアプリA、Bの実行を停止または制限されるまで、その報知情報を運転者へ報知するための許可要求(後述する)をHMI管理装置3に送信する。
【0033】
[各装置の構成]
HMI管理装置3は、各ECUからネットワークを介して各種情報を受信すると、これらのうち報知情報をどのような順で運転者に報知するかを決定し、その決定事項が反映された第1の指令情報を所定のECUに送信する。なお、第1の指令情報には、上記の出力情報を運転者に報知することを許可する旨が少なくとも書き込まれ、この第1の指令情報を受信したECUは、その受信したタイミングで報知情報に基づく情報内容を報知するようになっている。
【0034】
また、HMI管理装置3は、車両の運転にとって、必須の機能に対応するアプリを必須機能アプリ、付加的な機能に対応するアプリを付加的機能アプリとして、全ての付加的機能アプリの実行を許可する通常モードと、一部の付加的機能アプリの実行を制限または停止する限定モードとのいずれかを設定し、その設定事項が反映された第2の指令情報を所定のECUに送信する。なお、第2の指令情報には、運転者の入力操作を受け付ける各操作インターフェースと、運転者に各種情報を報知するための各情報出力装置とに対する作動を禁止または許可する旨が少なくとも書き込まれ、この第2の指令情報を受信したECUは、その受信内容によって規定される範囲内で被制御対象機器(例えば、操作インターフェース、情報出力装置)の制御を行う。
【0035】
ブレーキECU32は、図示しないステアリングセンサ、ヨーレートセンサからの検出情報(操舵角、ヨーレート)に加え、図示しないM/Cセンサからの情報に基づいて判断したブレーキペダル状態を走行制御ECU34等に送信すると共に、走行制御ECU34からは目標加速度、ブレーキ要求等を受信し、これら受信した情報や判断したブレーキ状態に従って、ブレーキ油圧回路に備えられた増圧制御弁・減圧制御弁を開閉するブレーキアクチュエータを駆動することでブレーキ力を制御するための各種の必須機能アプリを実行する。また、車両の発進時にパーキングブレーキ(PKB)やサイドブレーキがオン状態であることを検出すると、その状態を運転者に報知するためのPKB警告情報をHMI管理装置3等に送信する付加的機能アプリを実行するように構成されている。
【0036】
エンジンECU30は、図示しない車速センサ、スロットル開度センサ、アクセルペダル開度センサからの検出情報(車速、エンジン制御状態、アクセル操作状態)を走行制御ECU34等に送信すると共に、走行制御ECU34からは目標加速度、フューエルカット要求等を受信し、これら受信した情報から特定される運転状態に応じて、内燃機関のスロットル開度を調整するスロットルアクチュエータ等に対して駆動命令を出力することで、内燃機関の駆動力を制御するための各種の必須機能アプリを実行するように構成されている。
【0037】
走行制御ECU34は、以下の必須機能アプリを実行する。即ち、図示しないレーダ装置や車外カメラ等から車両や路側物等の物体、走行道路形状等、エンジンECU30から車速やエンジン制御状態、ブレーキECU32から操舵角、ヨーレート、ブレーキ制御状態等を受信する。また、図示しないクルーズコントロールスイッチ、レーンキーピングアシスト(LKA)スイッチなどによる設定値に従って、先行車両との車間距離を適切な距離に調節するための制御指令や、走行車線を逸脱しないようにするための制御指令として、エンジンECU30に対しては、目標加速度、フューエルカット要求等を送信し、ブレーキECU32に対しては、目標加速度、ブレーキ要求等を送信する。さらには、上記各スイッチによって例えばLKAが設定されたことを表すLKA設定情報や、車両が走行車線を逸脱する可能性が高いと判断した場合にその旨を表すLKA警告情報をHMI管理装置3等に送信する。
【0038】
また、走行制御ECU34は、ヘッドアップディスプレイ341(情報出力装置の一つ)が接続され、HMI管理装置3から受信した各種情報を表示する付加的機能アプリを実行するように構成されている。
【0039】
メータECU36は、スピードメータ、タコメータ、ターニングライト及び各種警告灯の表示器等が組み合わされたコンビネーションメータ361(情報出力装置の一つ)が接続され、各ECUからの受信情報に基づいて現車速やエンジン回転数、走行距離、走行燃費を、図示しないドアECUからの受信情報に基づいてドアやパワーウインドウの開状態を示す警告灯を、コンビネーションメータ361に表示する必須機能アプリを実行する。なお、コンビネーションメータ361にはHMI領域が設けられており、メータECU36は、HMI管理装置3から受信した各種情報をHMI領域に表示する付加的機能アプリを実行する。
【0040】
故障診断ECU38は、図示しない燃料センサや空気圧センサ、バッテリセンサ等から燃料タンクの残量、タイヤの空気圧、バッテリの残量の検出情報を受信し、燃料タンクの残量が所定量を下回るとその旨を表す燃料警告情報を、燃料タンクの残量がゼロになるとその旨を表す燃料切れ情報を、タイヤの空気圧が所定圧を下回るとその旨を表す空気圧警報情報を、バッテリの残量がゼロ(オーバーヒート)になるとその旨を表すバッテリ切れ情報をHMI管理装置3に送信する必須機能アプリを実行する。また、ネットワーク上の他のECUから受信した各種情報に基づいて、制御対象機器あるいはECU自体の故障を診断し、故障があると判定した場合にはその故障箇所を表す故障情報をHMI管理装置3に送信する。さらには、例えば給油中にエンジンを始動させるといった運転者の不適切な操作を検出すると、その旨を表す不適切操作情報をHMI管理装置3に送信する付加的機能アプリを実行する。
【0041】
ナビECU40は、図示しない地図データ等を入力するための地図データ入力器や、車両の位置,方位,移動距離などを算出するための各種の検出信号を出力する位置検出器の他、ユーザの各種操作を受け付けるメカ式のスイッチ(以下、「メカ式SW」)401、ユーザの各種操作を受け付けると共に各種情報を表示するタッチパネル装置402、各種音声を出力するための音声出力装置403などが接続されている。
【0042】
また、ナビECU40は、運転者が発話する音声(発話音声)を集音して周知の音声認識処理を行う音声認識装置404が接続され、この音声認識装置404を介して音声による運転者の入力操作を受け付けるように構成されている。なお、音声認識装置404は、例えば入力音声の波形をFFT(高速フーリエ変換)することにより周波数スペクトルを求め、その入力音声の特徴を抽出し、予め登録された音声データと比較して最も尤度(類似度)が高い語彙データを選択して、その語彙データに対応する操作指令を制御部に入力するものである。
【0043】
そして、ナビECU40は、以下の付加的機能アプリを実行する。即ち、位置検出器からの検出信号に基づき、座標および進行方向の組として対象車両の現在位置を算出し、地図データ入力器を介して読み込んだ現在位置付近の地図画像を表す現在地情報や、現在地から目的地までの最適な経路を求める経路計算結果を表す経路案内情報、現在地あるいは目的地周辺の情報を表す周辺情報等を出力する処理を実行する前に、その情報の報知に対する許可要求をHMI管理装置3に送信する。次に、HMI管理装置3から指令情報を受信すると、その指令情報に対応する情報(現在地情報、経路案内情報、周辺情報など)を、タッチパネル装置402および音声出力装置403を介して出力する。また、実行中の処理に非対応のユーザ操作を、メカ式SW401を介して入力した場合には、不明な操作を検出したことを表す不明操作情報をHMI管理装置3に送信する。
【0044】
また、ナビECU40は、現在地情報、経路案内情報、及び、周辺情報の他、車外通信ECU44から運転者が利用可能な施設やイベントに関する情報(以下「施設等情報」)を取得し、その情報の報知に対する許可要求をHMI管理装置3に送信するように構成されている。なお、この許可要求には、施設等情報が、当該車両の駐車時間が所定時間以上である滞在場所を全て包含する集合エリアとして予め登録された運転者の(生活圏)内の情報であるか、この生活圏外の情報であるかを表す圏情報や、運転者の年齢や性別といった属性を表す属性情報が付加されている。ちなみに、ナビECU40からHMI管理装置3に送信される現在地情報にも圏情報および属性情報が含まれている。
【0045】
さらに、ナビECU40は、車外通信ECU44から後述する道路交通情報を取得し、前述の経路計算結果に経路内の渋滞状況を反映させた経路案内情報を、車両の現在地から目的地までの走行環境を表す環境情報としてHMI管理装置3に送信するように構成されている。
【0046】
AVECU42は、図示しないテレビやAM・FMラジオのチューナ、CD・DVD等のメディアを再生するプレーヤ、ユーザの各種操作を受け付けるメカ式のスイッチ(以下、「メカ式SW」)421、ナビECU40と兼用するタッチパネル装置402、音声出力装置403、音声認識装置404などが接続されている。
【0047】
そして、AVECU42は、以下の付加的機能アプリを実行する。即ち、チューナ・プレーヤから入力した画像や音声等を出力する処理を行う前に、その情報の報知に対する許可要求をHMI管理装置3に送信する。そして、HMI管理装置3から指令情報を受信すると、その指令情報に対応する情報(テレビ、ラジオ、映像、音楽等)を、タッチパネル装置402および音声出力装置403を介して出力するように構成されている。また、実行中の処理に非対応のユーザ操作を、メカ式SW421を介して入力した場合には、不明な操作を検出したことを表す不明操作情報をHMI管理装置3に送信する。
【0048】
車外通信ECU44は、渋滞や交通規制等の道路交通情報、各地の天候や災害等の天災情報、スーパーやデパート等のセール情報を含む施設等情報などを受信する情報受信機や、ETCカード(ICカード)を挿入するETCインターフェース、料金所ゲートに設置された路側機との間で通信を行うためのETC通信機、携帯電話機に接続する携帯インターフェース、ユーザの各種操作を受け付けるメカ式のスイッチ(以下、「メカ式SW」)441、ナビECU40と兼用するタッチパネル装置402、音声出力装置403、音声認識装置404などが接続されている。
【0049】
そして、車外通信ECU44は、以下の付加的機能アプリを実行する。即ち、情報受信機やETC通信機、上記インターフェースから入力した画像や音声等を出力する処理を行う前に、その情報の報知に対する許可要求をHMI管理装置3に送信し、HMI管理装置3から指令情報を受信すると、その指令情報に対応する情報(道路交通情報、天災情報、施設等情報、ETCカード非挿入情報、電話やメールの通知情報、電話の通話情報等)を、タッチパネル装置402および音声出力装置403を介して出力するように構成されている。また、実行中の処理に非対応のユーザ操作を、メカ式SW441を介して入力した場合には、不明な操作を検出したことを表す不明操作情報をHMI管理装置3に送信する。
【0050】
ライトECU46は、車両のステアリングホイール近傍に設けられたコンビネーションスイッチや、インストルメントパネル上に設けられたハザードスイッチ、車外の明るさ(照度)を検知する照度センサ等が接続され、これらスイッチ・センサ類からの入力信号や、ブレーキECU32等から送信される制御データに基づいて、各種ライト類を作動させる必須機能アプリを実行する。また、ライトECU46は、照度センサにて検知した車外の照度を表す照度情報をHMI管理装置3に送信する付加的機能アプリを実行する。
【0051】
運転診断ECU48は、運転者の心電値や心拍数などをそれぞれ検出する各生体センサや、運転者の目が瞬きする回数(瞬目回数)、瞳孔の大きさ、視線の向きをそれぞれ検出するための画像センサが接続されている。なお、生体センサは、ステアリングホイールの周方向に沿って設置された一対の電極にユーザの左右の手がそれぞれ接触することによって発生する電位差に基づいて心電値を検出したり、ステアリングホイールの表面内側の所定位置に設置された光電素子にユーザの指先が接触することによって生じる受光量の変化に基づいて脈拍数から心拍数を検出したりする。また、生体センサには、例えばユーザの鼻または口付近に装着してユーザの呼吸数を検出するセンサが含まれている。
【0052】
そして、運転診断ECU48は、これらセンサからの入力情報に基づいて、運転者の健康状態や疲労度合を判定し、その判定結果を表す診断情報をHMI管理装置3に送信する付加的機能アプリを実行する。
【0053】
つまり、原則的に、タッチパネル装置402や音声出力装置403、コンビネーションメータ361といった情報出力装置を有するECU36,40,42,44は、機能単位で構成されたアプリケーションプログラムの実行時に、運転者に報知するための情報(以下、「報知情報」)を生成すると、その出力許可を要求するための要求情報をHMI管理装置3に送信する。一方、上記の情報出力装置を有さないECU30,32,34,38,46,48は、報知情報自体をHMI管理装置3に送信する。
【0054】
そして、HMI管理装置3からECU36,40,42,44に送信される第1の指令情報には、報知情報の出力を許可する制御指令(許可指令)や報知情報自体、あるいは報知情報以外のメッセージ情報(後述する)が含まれており、ECU36,40,42,44が、HMI管理装置3から受信した第1の指令情報に基づく情報(報知情報、メッセージ情報)を、情報出力装置を介して出力するようになっている。
【0055】
なお、第1の指令情報には、情報出力装置を介して出力中の報知情報を停止させるための制御指令(停止指令)や、停止中の報知情報を記憶させるための制御指令(記憶指令)、情報出力装置を介して記憶内容を出力(再生)させるための制御指令(再生指令)が含まれる場合もあり、ECU36,40,42,44が、HMI管理装置3から受信した第1の指令情報に従って情報出力装置の出力制御を行うようになっている。
【0056】
また、HMI管理装置3から、メカ式SW401,421,441やタッチパネル装置402、音声認識装置404といった操作インターフェース及び上記の情報出力装置の少なくとも一方を有するECU36,40,42,44に送信される第2の指令情報には、前述の通常モードまたは限定モードのいずれかを指示する制御指令(モード指令)が含まれている。そして、ECU36,40,42,44が、HMI管理装置3から受信した第2の指令情報によって示される範囲内で付加的機能アプリを実行するようになっている。
【0057】
なお、本実施形態の限定モードは2段階に分かれており、付加的機能アプリの実行に係る制限範囲が比較的小さい第1の限定モードと、この制限範囲が比較的大きい第2の制限モードとが存在する。
【0058】
[HMI管理装置の構成]
ここで、HMI管理装置3の詳細な構成について説明する。
図3に示すように、HMI管理装置3は、制御用の各種プログラムやデータを格納する記憶装置11(ROM,RAM,フラッシュメモリ等)、この記憶装置11に記憶されたプログラムを実行するCPU13、各種信号を入出力するためのIOポート15、計時用タイマー17等を有するマイコン20と、IOポート15に接続されたバスコントローラ19とを備えている。
【0059】
このうち、バスコントローラ19は、ネットワーク上のECUから各種の情報を受信すると、IOポート15を介してマイコン20にその受信情報を入力し、さらには、マイコン20からIOポート15を介して各種の指令情報(第1の指令情報、第2の指令情報)を入力すると、その指令情報をマイコン20にて指定されたECUに送信するように構成されている。
【0060】
記憶装置11は、少なくとも後述する報知制御処理およびモード設定処理を実行するためのプログラムやそのプログラムに必要な制御データが記憶されたプログラムデータ領域の他、バスコントローラ19から入力される報知情報および要求情報(つまり、出力情報)を一時記憶するための第1のバッファと、後述する余裕度を推定するために必要な情報(以下、「入力情報」)を一時記憶するための第2のバッファとを有して構成されている。
【0061】
なお、入力情報には、例えば、運転診断ECU48からの診断情報や、ライトECU46からの照度情報、車外通信ECU44からの天災情報、ナビECU40からの現在地情報(圏情報、属性情報を含む)および環境情報などが含まれている。
【0062】
そして、プログラムデータ領域には、上記の制御データとして、ネットワーク上のECUから受信する情報(出力情報)について、前述の機能ID(アプリ毎に対応する機能が識別可能なID)に予め設定された重要度が対応づけられた機能重要度情報と、各種情報の送信元であるECUに予め設定された優先度が対応づけられた装置優先度情報とが少なくとも格納されている。
【0063】
図4に示すように、機能重要度情報は、互いに異なる複数の機能IDからなる機能ID群21毎に重要度が設定されており、ネットワーク上のECUが実行するアプリ(機能)について、安全確保のために車両の停止を促す種類の情報を出力する機能の集合体(停止報知機能群)の重要度が最も高く、以下、操作報知機能群、状態報知機能群、周辺報知機能群、環境報知機能群、関連報知機能群の順に重要度が低くなるように設定されている。
【0064】
関連報知機能群は、車両の走行に対して関連性が薄い種類の情報を出力する機能の集合体である。この出力情報には、例えば、運転者等の人に起因して開始するアプリによって出力される情報として、ブレーキECU32からのPKB警告情報、車外通信ECU44からのETCカード非挿入情報、セール情報、電話やメールに関する情報(通知情報、通話情報)、ナビECU40からの周辺情報、AVECU42からの各種情報(テレビ、ラジオ、映像、音楽等)などが含まれる。
【0065】
環境報知機能群は、運転者の走行計画に必要な外部環境を示す情報を出力する機能の集合体であり、この出力情報には、例えば、車両や外部等に起因して開始するアプリによって出力される情報として、車外通信ECU44からの天災情報や道路交通情報などが含まれる。
【0066】
周辺報知機能群は、問題発生を予防するために必要な車両周辺の情報を出力する機能の集合体であり、この出力情報には、例えば、運転者等の人に起因して開始するアプリによって出力される情報として、ナビECU40からの経路案内情報や現在地情報などが含まれる。
【0067】
状態報知機能群は、走行維持のために車両状態の回復を促す種類の情報を出力する機能の集合体であり、この出力情報には、例えば、車両や外部等に起因して開始するアプリによって出力される情報として、故障診断ECU38からの空気圧警報情報や燃料警告情報、故障情報などが含まれる。
【0068】
操作報知機能群は、不適切な操作を正すために車載装置の操作学習を促す種類の情報を出力する機能の集合体であり、この出力情報には、例えば、運転者等の人に起因して開始するアプリによって出力される情報として、故障診断ECU38からの不適切操作情報、ナビECU40,AVECU42,車外通信ECU44からの不明操作情報などが含まれる。
【0069】
また、停止報知機能群に属するアプリによる出力情報には、例えば、車両や外部等に起因して開始するアプリによって出力される情報として、故障診断ECU38からの燃料切れ情報やバッテリ切れ情報(その他、タイヤパンク情報や灯火類切れ情報等)、車外通信ECU44からの緊急時情報(故障検出時に外部センタから送られてくる情報等)などが含まれる。
【0070】
このように、機能重要度情報では、互いに異なる複数の機能IDからなる機能ID群21毎に重要度が設定されており、同一の機能ID群21における各アプリによって出力される情報には、重要度の優劣がつかないように予め設定されている。
【0071】
一方、装置優先度情報では、ECU毎または複数のECUからなるECU群毎に優先度が設定されており、同一の機能ID群21における各アプリによって出力される情報であっても、その出力情報の送信元であるECUが異なる場合には、優先度によって重要度の優劣がつくようにされている。なお、本実施形態では、エンジンECU30、ブレーキECU32、及び、故障診断ECU38に対応する機能の優先度が最も高く、以下、ナビECU40、AVECU42、車外通信ECU44の順に重要度が低くなるように設定されている。
【0072】
ちなみに、メータECU36による検出情報(車速,燃費情報)、及び、走行制御ECU34からのLKA設定情報等には、重要度ならびに優先度が上記のようにカテゴライズされていないので、コンビネーションメータ361等に常時出力されるようになっている。
【0073】
また、プログラムデータ領域には、上記の制御データとして、ネットワーク上のECUが実行する各付加的機能アプリについて、モード指令の内容が記述されたモード指令情報が格納されている。なお、このモード指令情報については、ネットワーク上の各ECUにもそれぞれ自身が実行する付加的機能アプリに対応する情報が記憶されており、これらECUは、HMI管理装置3によって通常モード、第1の限定モード、または第2の限定モードのいずれかが設定されると、そのモード指令情報にて規定される範囲内で付加的機能アプリを実行することになる。
【0074】
図5(a)及び図5(b)に示すように、モード指令情報は、情報出力装置(コンビネーションメータ361、タッチパネル装置402、ヘッドアップディスプレイ341、音声出力装置403)と操作インターフェース(メカ式SW401,421,441、タッチパネル装置402、音声認識装置404)とについて、機能ID毎に各モードにおける使用可否が規定されている。
【0075】
例えば、アプリAに対応する情報出力装置については、通常モードでは全ての装置に対する報知情報の出力指令を許可し(つまり、使用可)、第1の限定モードではタッチパネル装置402に対する出力指令を禁止し(つまり、使用不可)、第2の限定モードではコンビネーションメータ361以外の装置による出力を使用不可とするようにされている。
【0076】
また、アプリBに対応する操作インターフェースについては、通常モードでは全てのインターフェースによる入力操作の読み込みを許可し(つまり、使用可)、第1の限定モードではタッチパネル装置402による入力操作の読み込みを禁止し(つまり、使用不可)、第2の限定モードでは音声認識装置404以外のインターフェースによる入力操作を使用不可とするようにされている。
【0077】
[報知制御処理]
ここで、CPU13が実行する報知制御処理を、図6に示すフローチャートに沿って詳しく説明する。なお、本処理は、例えば車両のイグニッションスイッチ(IGスイッチ)がオンされると起動し、IGスイッチがオフされるまで繰り返し実行される。
【0078】
まず、本処理が開始されると、S110では、記憶装置11の第1のバッファにECUから受信した出力情報が記憶されているか否か判断し、記憶されている場合には、S130に移行し、記憶されていない場合には、S120に移行する。
【0079】
S120では、バスコントローラ19(及びIOポート15)を介してECUからの出力情報を新たに受信したか否かを判断し、新たに出力情報を受信した場合には、計時用タイマー17を作動させることにより、その出力情報の受信時からの経過時間を計測する(S121)と共に、その経過時間と出力情報とを対応づけて記憶装置11の第1のバッファに記憶して、S130に移行する。また、S121にて新たな受信がない場合には、S110に戻る。
【0080】
S130では、記憶装置11の第1のバッファに出力情報が複数格納されているか否かを判断し、複数格納されている場合には、S140に移行し、一つだけ格納されている場合には、S180に移行して、後述するモード条件を満たす場合に、その出力情報に基づく情報内容を運転者に報知するための指令情報を該当するECUに送信する。そして、その出力情報の情報内容が報知中であることを識別するために報知フラグを設定したり、その出力情報の送信時刻からの経過時間を計測することにより、その経過時間と出力情報に付加されている設定情報が示す報知期間との差分を表す残り時間(つまり、出力情報の情報内容の報知が終了するまでの残り時間)を測定したりする。
【0081】
S140では、記憶装置11のプログラムデータ領域に記憶されている機能重要度情報に基づいて、記憶装置11の第1のバッファに格納されている出力情報を重要度が高い順に並べ替える。具体的には、各出力情報に含まれている個々の機能IDについて、停止報知機能群、操作報知機能群、状態報知機能群、周辺報知機能群、環境報知機能群、関連報知機能群のいずれに属するかを判断し、これらの機能ID群21を比較して重要度の優劣を全ての出力情報に対して判定することにより、より重要度の高い出力情報が第1のバッファの先頭側に格納されるように並べ替えを行う。
【0082】
続くS150では、S140にて並べ替えを行う際に、機能ID群21が同一(つまり、重要度が同一)の出力情報が存在するか否かを判断し、存在しない場合には、S160に移行し、存在する場合には、重要度が同一の複数の出力情報からなるグループについて、記憶装置11のプログラムデータ領域に記憶されている装置優先度情報に基づき、優先度が高い順に出力情報を並べ替える(S151)。具体的には、重要度が同一である場合、これら各出力情報の送信元(ECU)を特定し、これらのECUを比較して優先度の優劣を判定していくことにより、重要度が同一のグループ内においてより優先度の高い出力情報が第1のバッファの先頭側に格納されるように並べ替えを行う。そして、優先度によっても優劣がつかない場合には(S152;YES)、その優先度が同一のグループ内において、S120にて受信した順に出力情報が第1のバッファの先頭側に格納されるように並べ替えを行う(S153)。
【0083】
続くS160では、第1のバッファに格納されている各出力情報について、個々の出力情報に付加されている期限情報が示す有効期間と、S121にて計測されている経過時間とに基づいて、経過時間が有効期間を上回る出力情報が存在するか否かを判断し、存在する場合には(S160;YES)、その出力情報を第1のバッファから削除(破棄)して(S161)、S170に移行する。一方、このような出力情報が存在しない場合には、S161を省略して、S170に移行する。
【0084】
続くS170では、報知フラグの設定に基づいて、運転者に報知中の出力情報(以下、「現在出力情報」)が存在するか否かを判断し、現在出力情報が存在しない場合には、S180に移行し、現在出力情報が存在する場合には、その現在出力情報の機能IDと、第1のバッファの先頭に記憶されている出力情報の機能IDとを比較して、後者の出力情報の重要度が高いか否かを判断する(S171)。そして、S171にて肯定的に判断した場合には、重要度が高い機能IDを含む出力情報(以下、「高重要度情報」)に付加されている期限情報が示す有効期間と、現在出力情報における報知終了時までの残り時間とを比較して、高重要度情報の有効期間が現在出力情報の残り時間よりも長いか否かを判断する(S172)。
【0085】
ここで、現在出力情報の残り時間が高重要度情報の有効期間以上である場合には(S172;NO)、現在出力情報(報知情報)を一時停止させるための停止指令、及び、停止中の報知情報を記憶させるための停止指令を含む指令情報を、該当するECUに送信する(S173)。なお、この指令情報を受信したECUは、報知装置を介して出力中の報知情報のうち残り時間に相当する部分(未出力の部分)を自身の記憶装置(メモリ)に記憶することになる。
【0086】
そして、現在出力情報の報知を停止する旨を表すメッセージ情報を、該当するECUに送信する(S174)。これにより、このメッセージ情報を受信したECUは、報知装置を介してメッセージ情報に基づく情報内容を出力することになる。さらに、高重要度情報の有効期間の経過後にメモリに記憶した未出力の部分を再生させるための再生指令を含む指令情報を、該当するECUに送信して(S175)、S180に移行する。なお、この指令情報を受信したECUは、一時停止していた報知情報を再生する旨を示す情報内容を出力してもよいし、音楽等であれば徐々に音量を上げながら指定の音量に到達するフェードインの手法を取り入れて報知情報を再生してもよい。
【0087】
S180では、後述するモード設定処理にて設定されたモードと、記憶装置11における第1のバッファの先頭に格納されている出力情報(報知情報または要求情報)に対応する重要度とに基づいて、所定のモード条件を満たすか否かを判断し、ここで肯定判断した場合には、S181に移行し、否定判断した場合には、S110に戻る。
【0088】
なお、ここでのモード条件は、通常モードに設定されている場合には重要度にかかわらず成立し、限定モードに設定されている場合には、出力情報に対応する重要度が、限定モード(第1の限定モード、第2の減手モード)毎に予め設定された閾値重要度以上である場合に限り成立する条件をいう。
【0089】
S181では、記憶装置11における第1のバッファの先頭に格納されている出力情報(報知情報または要求情報)に基づく報知内容(つまり、報知情報)を出力させるための第1の指令情報を、IOポート15(及びバスコントローラ19)を介して、該当するECUに送信する。なお、該当するECUとは、出力情報に応じて予め設定されており、本実施形態では、メータECU36、ナビECU40、AVECU42、及び、車外通信ECU44の少なくとも一つをいう。つまり、第1の指令情報を受信したECUは、コンビネーションメータ361、タッチパネル装置402、及び、音声出力装置403の少なくとも一つを介して、報知情報を出力することになる。そして、記憶装置11における第1のバッファの先頭に格納されている出力情報に報知フラグを設定すると共に(S182)、その出力情報の送信時からの経過時間を計測することにより、その経過時間と出力情報に付加されている設定情報が示す報知期間との差分を表す残り時間を測定する(S183)。さらに、S182にて測定している残り時間がゼロになると、記憶装置11における第1のバッファの先頭に格納されている出力情報を消去し(S184)、S110に戻る。
【0090】
[モード設定処理]
ここで、CPU13が実行するモード設定処理を、図7に示すフローチャートに沿って詳しく説明する。なお、本処理は、例えば前述の報知制御処理が開始されると起動し、報知制御処理が終了するまで繰り返し実行される。
【0091】
まず、本処理が開始されると、S210では、ネットワーク上のECUから受信した入力情報を、記憶装置11の第2のバッファから読み出す。そして、この入力情報のうち、前述の診断情報、照度情報、現在地情報、及び、天災情報に基づいて、車両の運転に対する運転者の余裕度を推定する余裕度推定処理を行う(S211)。
【0092】
なお、余裕度推定処理では、例えば、診断情報によって運転者の疲労度合が小さい場合には、その疲労度合に応じて余裕度をインクリメントし、運転者の疲労度合が大きい場合には、その疲労度合に応じて余裕度をデクリメントする。また、同様に、照度情報によって車外の照度が大きい(明るい)場合には、その照度に応じて余裕度をインクリメントし、照度が小さい(暗い)場合には、その照度に応じて余裕度をデクリメントする。さらには、現在地情報および天災情報によって、車両の現在地における気候が晴れを表す場合には、余裕度をインクリメントし、雨を表す場合には、余裕度をデクリメントする。このように、各種の入力情報を用いて余裕度を数値化していく。
【0093】
続くS220では、S210にて読み出した入力情報のうち、前述の現在地情報に付加されている圏情報および属性情報に基づいて、S211にて推定した余裕度を補正する余裕度補正処理を行う。具体的には、圏情報によって車両が運転者の生活圏内を走行中である場合には、比較的大きい値によって余裕度をインクリメントし、車両が運転者の生活圏外を走行中である場合には、比較的大きい値によって余裕度をデクリメントする。また、属性情報によって運転者が壮年層(例えば35〜50歳)である場合には、余裕度をインクリメントし、運転者が若年層(例えば18〜24歳)または高齢層(例えば65歳以上)である場合には、余裕度をデクリメントする。
【0094】
続くS230では、S220にて補正した余裕度が、各レベルに応じて予め設定された余裕閾値度のうち、高レベルである指標として予め設定された第1余裕閾値度以上であるか否かを判断し、ここで肯定判断した場合には、前述の通常モードに設定する(S235)。一方、S230にて否定判断した場合には、S220にて補正した余裕度が、中レベルである指標として予め設定された第2余裕閾値度以上であるか否かを判断し(S231)、ここで肯定判断した場合には、前述の第1の限定モードに設定し(S236)、否定判断した場合には、余裕度が小レベルであるとみなし、前述の第2の限定モードに設定する(S237)。
【0095】
続くS240では、先のS235〜S237のいずれかにて設定したモードを指示するモード指令を含む第2の指令情報を、IOポート15(及びバスコントローラ19)を介して、該当するECUに送信する。なお、該当するECUとは、前述の情報出力装置および操作インターフェースの少なくとも一方を有するECU34,36,40,42,44をいう。ちなみに、この第2の指令情報を受信したECUは、前述のモード指令情報のうち各自に割り当てられた情報に基づく範囲内で付加的機能アプリを実行することになる。
【0096】
続くS250では、現在のモード設定が通常モードであるか否かを判断し、ここで否定判断した場合には、S210に戻る。一方、現在のモード設定が通常モードである場合には、S210にて読み出した入力情報のうち、前述の環境情報に基づいて、現在の余裕度から所定時間後の余裕度までを時系列に沿って推定してなる予測余裕度群を生成する処理を行う(S251)。
【0097】
なお、この処理では、車両の現在地から目的地までの走行経路上の各ポイントとそのポイントに到達するまでに必要な到達予測時間とを対応づけて記憶装置11に記憶し、各ポイントの道路の形状や渋滞状況などに応じて、ポイント毎の現在の余裕度からの推移を算出する。例えば、道路の形状が直線であるポイントでは、余裕度をインクリメントし、カーブ形状であるポイントでは、そのカーブの曲率に応じて余裕度をデクリメントする。また、渋滞していないポイントでは、余裕度をインクリメントし、渋滞しているポイントでは、その渋滞の度合に応じて余裕度をデクリメントする。このようにして、各ポイントの余裕度と到達予測時間とを対応づけてなる情報(予測余裕度群)を生成する。
【0098】
続くS260では、S251にて生成した予測余裕度群から、余裕度が第1余裕閾値度を下回るポイントの到達予測時間を抽出することにより、モード設定が通常モードから第1の限定モードに切り替わる時点(モード切替タイミング)を記憶装置11に記憶する。そして、現在時間がこのモード切替タイミングよりも予め設定された準備時間前に達するまで待機し(S261)、この準備時間前に達すると、モード設定が通常モードから第1の限定モードに切り替る旨を表すメッセージ情報を、該当するECUに送信して(S262)、S210に戻る。これにより、このメッセージ情報を受信したECUは、報知装置を介してメッセージ情報に基づく情報内容を出力することになる。
【0099】
[動作例]
このように構成された車両制御システム1では、車速や燃費情報、LKA設定情報等の常時出力が必要な必須情報に対して、常時出力する必要のない情報を報知情報として、各アプリによって生成される個々の報知情報を同時に出力することなく、各アプリの重要度(及び優先度)に従って一つずつ順に運転者に報知することになる。
【0100】
例えば、車外通信ECU44のアプリAによってETCカード非挿入情報が生成され、故障診断ECU38のアプリBによって燃料警告情報が生成された場合、重要度の高い燃料警告情報を、コンビネーションメータ361のHMI領域に大きく表示するとともに、音声出力装置403を介してその情報内容を音声出力し、その後に、重要度の低いETCカード非挿入情報を同様に報知することになる。
【0101】
また、AVECU42のアプリAによってCDの音楽を流しているときに、車外通信ECU44のアプリBによって天災情報が生成された場合、CDの音楽を一時停止するとともに、メッセージ情報が報知されてから、より重要度の高い天災情報を、タッチパネル装置402に表示し、その表示終了後に、CDの音楽が一時停止したところからフェードインしながら再生される。
【0102】
さらに、ナビECU40のアプリAによって目的地等の周辺情報を報知しているときに、車外通信ECUのアプリBによって道路交通情報が生成された場合、その道路交通情報の有効期限が周辺情報の報知終了時までの残り時間よりも長い場合には、先に周辺情報を最後まで報知した後に、道路交通情報に基づく情報内容を報知することになる。
【0103】
また、このように構成された車両制御システム1では、車両の運転に対する運転者の余裕度を判定し、余裕度が小さくなるに従って、運転者が操作可能な操作インターフェースの使用範囲と、運転者に対する報知情報の出力形態とが段階的に制限されることになる。
【0104】
例えば、運転者の余裕度が大きい場合には、運転者による全ての操作インターフェースの使用を許可し、運転者の余裕度が小さくなると、まず、運転者によるタッチパネル装置402の使用を禁止する。そして、さらに運転者の余裕度が小さくなると、運転者による音声認識装置404以外の操作インターフェースの使用を禁止することになる。
【0105】
また、運転者の余裕度が大きい場合には、前述のようにアプリの重要度(及び優先度)に従って一つずつ順に運転者に報知するので、順番が回ってくると比較的重要度が小さい報知情報も出力されることになるが、運転者の余裕度が小さい場合には、比較的重要度が大きい報知情報だけが出力されることになる。例えば、運転者の余裕度が小さい場合には、車外通信ECU44に接続された携帯電話に関する機能が使用不可となる。
【0106】
さらには、運転者の余裕度が大きい場合には、アプリAによって予め規定されている全ての情報出力装置を介して報知情報が出力され、運転者の余裕度が小さくなると、まず、タッチパネル装置402の使用が禁止されるので、アプリAによって予め規定されているコンビネーションメータ361、ヘッドアップディスプレイ341、及び、音声出力装置403の少なくとも一つを介して報知情報が出力される。そして、さらに運転者の余裕度が小さくなると、アプリAによって予め規定されているコンビネーションメータ361だけを介して報知情報が出力されることになる。なお、アプリBでは、コンビネーションメータ361に限らず、例えばヘッドアップディスプレイ341や音声出力装置403の出力に制限されることになる。
【0107】
[効果]
以上説明したように、本実施形態の車両制御システム1では、車両が備える多機能による利便性と運転者や乗員等を含む車両の安全性とを、運転者の余裕度という尺度を用いて比較衡量し、運転者の余裕度が比較的大きい場合には、多機能による利便性を運転者に提供し、運転者の余裕度が比較的小さい場合には、付加的な機能を絞ることによって車両の運転に集中させるようにしている。
【0108】
したがって、本実施形態の車両制御システム1によれば、利便性と安全性との調和を図ることにより、車両に備わる複数の機能を効果的に調整することができる。
また、車両制御システム1では、アプリケーションプログラム毎にモード設定によって規定される制御対象機器の使用範囲が割り当てられているため、一律に使用範囲を規定する場合と比較して、運転者の状態により適した機能の選択と集中を行うことができる。
【0109】
また、車両制御システム1では、報知情報が複数存在する場合、HMI管理装置3が、機能ID群21毎に予め重要度が設定された機能重要度情報に基づいて、重要度が高い順に報知情報の内容を運転者に伝えるので、運転者に重要な情報から一つずつ確実に知得させることができ、ひいては必要な情報を効果的に伝えることができる。
【0110】
また、車両制御システム1では、重要度が同一の報知情報が複数存在する場合、HMI管理装置が、ECU毎に予め優先度が設定された装置優先度情報に基づいて、優先度が高い順に報知情報の内容を運転者に伝えるので、重要度が同一のグループ内において制御対象の観点で優先すべき情報から運転者に知得させることができる。
【0111】
また、車両制御システム1では、報知中の情報よりも重要度が高い報知情報が存在する場合、HMI管理装置が、報知中の情報が終了するまでの残り時間と、重要度が高い報知情報の有効期限とを比較衡量して、いずれを優先させるか判定するため、むやみに報知中の情報を遮断することなく、重要な情報を確実に運転者に伝えることができる。
【0112】
[本実施形態と特許請求の範囲との対応関係]
なお、本実施形態において、モード設定処理におけるS210〜S220が余裕度推定手段、S230〜S237がモード設定手段、S240〜S262が制御指令送信手段に相当する。
【0113】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
【0114】
例えば、上記実施形態の報知情報処理では、限定モードに設定されている場合に、重要度が高い情報だけを運転者に報知しているが、これに限定されるものではなく、重要度以外の指標を用いて運転者に報知する情報を選択するようにしてもよい。例えば、施設等情報を報知する際に、通常モード設定時には、費用コスト面を重視した情報(セール情報等)を選択し、限定モード設定時には、時間コスト面を重視した情報(近距離の情報)を選択するようにしてもよい。
【0115】
また、上記実施形態のモード設定処理では、運転者の余裕度に応じて、3段階に異なるモード設定を行うようにしているが、これに限定されるものではなく、2段階であってもよいし、4段階以上であってもよい。
【0116】
また、上記実施形態のモード設定処理では、モード設定が通常モードから限定モードに切り替わる際にメッセージ情報を運転者に報知するようにしているが、これに限定されるものではなく、限定モードから通常モードに切り替わる際や、第1の限定モードと第2の限定モードとが切り替わる際にもメッセージ情報を運転者に報知してもよい。
【0117】
また、上記実施形態のモード設定処理では、各種の入力情報に基づいて、余裕度をインクリメントしたりデクリメントしたりしているが、この手法はあくまでも一実施形態にすぎず、例えば各種の入力情報をパラメータとして余裕度が出力される計算式やマップを用いるようにしてもよい。
【0118】
なお、上記実施形態の車両制御システム1では、故障診断ECU38からHMI管理装置3に、燃料タンクの残量、タイヤ空気圧、バッテリの残量の検出情報が送信されるようにしているが、これに限定されるものではなく、これら各検出情報を検出する燃料センサ、空気圧センサ、及びバッテリセンサに直接接続されたECU(メータECU、タイヤ空気圧制御ECU、電力マネジメントECU)からHMI管理装置3に検出情報が送信されてもよい。
【符号の説明】
【0119】
1…車両制御システム、3…HMI管理装置、11…記憶装置、13…CPU、15…IOポート、17…計時用タイマー、19…バスコントローラ、20…マイコン、30…エンジンECU、32…ブレーキECU、34…走行制御ECU、36…メータECU、38…故障診断ECU、40…ナビECU、44…車外通信ECU、46…ライトECU、48…運転診断ECU、341…ヘッドアップディスプレイ、361…コンビネーションメータ、402…タッチパネル装置、403…音声出力装置、404…音声認識装置、401,421,441…メカ式SW。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車載機能制御装置であって、
当該車載機能制御装置に接続され、機能単位で構成された複数の機能プログラムを実行する各電子制御装置から送られてくる入力情報に基づいて、前記車両の運転に対する運転者の余裕度を推定する余裕度推定手段と、
前記複数の機能プログラムのうち前記車両の運転にとって付加的な機能に対応する全ての付加的機能プログラムの実行を許可するモードを通常モード、一部の前記付加的機能プログラムの実行を制限するモードを限定モードとして、
前記余裕度推定手段にて推定した余裕度が、予め設定された閾値余裕度以上である場合には前記通常モードに、前記閾値余裕度を下回る場合には前記限定モードに設定するモード設定手段と、
前記モード設定手段にて設定したモードにて前記付加的機能プログラムを実行させるための制御指令を前記各電子制御装置に送信する制御指令送信手段と、
を備えることを特徴とする車載機能制御装置。
【請求項2】
前記限定モードは、前記付加的機能プログラムの実行時において前記運転者による目視を必要とする操作を入力するインターフェースからの入力操作の読み込みを禁止するモードであることを特徴とする請求項1に記載の車載機能制御装置。
【請求項3】
前記限定モードは、前記付加的機能プログラムの実行時において前記運転者に報知するための報知情報を出力する情報出力装置に対する前記報知情報の出力指令を制限するモードであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載機能制御装置。
【請求項4】
前記各電子制御装置から、前記機能プログラムの実行時に出力される情報であって、前記報知情報に対応する出力情報を受信する情報受信手段を備え、
前記出力情報には、前記機能プログラムに対応する重要度が含まれており、
前記制御指令送信手段は、前記モード設定手段にて前記限定モードを設定した場合、前記情報受信手段にて受信した出力情報に基づき、該出力情報に含まれている重要度が予め設定された閾値重要度以上である場合に限り、前記報知情報に関する前記情報出力装置への出力指令を許可する指令を前記制御指令として送信することを特徴とする請求項3に記載の車載機能制御装置。
【請求項5】
前記制御指令送信手段は、前記重要度が高い順に前記報知情報を前記情報出力装置に出力させる指令を前記制御指令として送信することを特徴とする請求項4に記載の車載機能制御装置。
【請求項6】
前記入力情報には、前記車両の現在地から目的地までの走行環境を表す環境情報が含まれており、
前記余裕度推定手段は、前記環境情報に基づいて前記余裕度を時系列に沿って推定してなる予測余裕度群を生成し、
前記制御指令送信手段は、前記余裕度推定手段にて生成した予測余裕度群に基づいて、該余裕度が前記閾値余裕度を下回る時点よりも予め設定された準備時間前に、前記通常モードから前記限定モードに移行する旨を前記情報出力装置に出力させる指令を前記制御指令として送信することを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載の車載機能制御装置。
【請求項7】
前記入力情報には、前記車両の現在地が予め登録された前記運転者の生活圏内であるか否かを表す現在地情報が含まれており、
前記余裕度推定手段は、前記現在地情報に基づいて、前記車両が前記生活圏外を走行中である場合には、前記車両が前記生活圏内を走行中の場合よりも小さくなるように前記余裕度を推定することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の車載機能制御装置。
【請求項8】
前記入力情報には、前記運転者の年齢を含む属性を表す属性情報が含まれており、
前記余裕度推定手段は、前記属性情報に基づいて、前記運転者の年齢層に応じて異なるように前記余裕度を推定することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の車載機能制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−198052(P2012−198052A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60928(P2011−60928)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】