説明

車載機

【課題】 アプリケーションが外部機器から確実に情報を取得することができる車載機を提供する。
【解決手段】 車載機にはナビ情報プラットフォームマネージャを有したプラットフォーム13が搭載されていると共に、ナビアプリ10、運転技術評価アプリ11、安全運転情報提供アプリ12が搭載されている。ナビ情報プラットフォームマネージャ13a及び車両情報プラットフォームマネージャ13bは、ナビアプリ10、運転技術評価アプリ11、安全運転情報提供アプリ12から情報要求を受けたときは、要求を受付け、要求情報を判定する。判定の結果に応じて対応するAPIをコールし、カーナビゲーション装置15或いは車両制御用ECU18から情報を取得し、アプリからの要求に応答する。これにより、各アプリは、カーナビゲーション装置15或いは車両制御用ECU18の存在を意識することなく情報を取得することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部機器から取得した情報を処理する複数のアプリケーションが搭載された車載機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車の安全運転のために、運転者の運転技術を把握し、それに見合った警告や制御を行なうことが検討されている。特許文献1のものでは、運転者に対して車両が置かれている現在の状況や、車両が将来置かれる状況に基づいて、時系列的に運転者の運転を支援すると共に、運転者の運転技量の変化に応じて運転者に対する支援の内容を再構成することが記載されている。
【特許文献1】特開2004−334283号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、特許文献1のものでは、次のような課題が残されている。
現在、運転技量を収集するための車載ECU(電子制御ユニット)は異なったメーカが製作、販売し、車両メーカやディーラ、ショップなどで装着されており、運転技量を把握するためには、それらの種々のメーカのECUからデータの収集と解析を、従来の車載走行制御用ECUにメモリと解析用ソフトを設けて行なう必要があるが、個別のECUの処理能力は限られていることと、大きなメモリは搭載されていないため、運転技量を把握するためには、車載走行制御用ECUとは別体の車載機に運転技量データを作成するためのハード及びアプリケーションを搭載するのが望ましい。
【0004】
ここで、運転技量データを作成するためのアプリケーションは、ユーザの操作(ブレーキ、ステアリング、アクセル、操作スイッチなど)と走行制御ECU(ブレーキシステム、エンジン・モータ制御システム、サスペンションシステム)や車両の走行状態を計測するGセンサ、速度センサ、位置を測定するGPSなどのセンサのデータを、時間遅れなく確実に収集することが必要である。
しかしながら、車両に搭載されている複数のECUは、メーカが異なっているのが通常であり、運転技量データを作成するアプリケーションがそれらの機器にアクセスして情報を取得できない虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、アプリケーションが外部機器から確実に情報を取得することができる車載機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明によれば、アプリケーションが外部機器から情報取得を要求した場合は、プラットフォームは、対応するAPIを通じて外部機器にアクセスすることにより情報を取得し、その情報を取得の要求を出したアプリケーションに引き渡す。これにより、アプリケーションは、接続された外部機器の存在を意識することなく外部機器から所望の情報を取得することができる。
【0006】
請求項2の発明によれば、プラットフォームは、外部機器が接続されたときは、その外部機器にアクセス可能となるように設定する。これにより、アプリケーションは、接続された外部機器からプラットフォームを通じて情報を取得することができる。
【0007】
請求項3の発明によれば、プラットフォームは、複数のアプリケーションが情報取得を同時に要求したときは、外部機器の負担を軽減するように外部機器に対するアクセスを制御する。これにより、プリケーションは、外部機器に効率よくアクセスすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。本実施例の車載機には、経路案内システムに加えて運転技量評価システム及び安全運転情報提供システムなどが搭載されている。尚、以下においては、説明の簡単化のために安全運転情報提供システムの説明を省略する。
【0009】
図2は、経路案内システムを実施する場合のハード構成を示すブロック図である。また、図3は、運転技術評価システムを実施する場合のハード構成を示すブロック図である。これらの図2及び図3から分るように、通信制御器1、位置計測器2、ディスプレイ3、オーディオ4、描画システム5、地図データベース(以下、DB)6、カメラシステム7、HMI(Human Machine Interface)制御器8は、各システムに重複したハード構成であることから、本車載機では、それらの重複する装置を同一のハードモジュールで構成し、そのハードモジュール内にナビデータ処理システムの機能を制御するアプリケーションと運転データ処理システムの機能を制御するアプリケーションとを搭載することにより、ハード構成の効率化を図るようにした。
【0010】
図1は、車載機に経路案内システムと運転データ処理システムとを同一のハードモジュールで構成した際のソフトウェア構成のブロック図を概略的に示している。この図1において、車載機9には、各システムのアプリケーションとして、経路案内ナビアプリケーション(以下、ナビアプリ)10、運転技術評価アプリケーション(以下、運転技術評価アプリ)11、安全運転情報提供アプリケーション(以下、安全運転情報提供アプリ)12という3つのソフトウェアの下に、各アプリケーション(以下、アプリ)からのリクエストを分類して、対応するリクエストに応じた応答を返すマネージャ層(以下、この階層をプラットフォームと呼ぶ)13を構成した。図1では、プラットフォーム13は、ナビ情報を取り扱うためのナビ情報プラットフォームマネージャ13a、車両情報プラットフォームマネージャ13bに加えて、HMIプラットフォームマネージャ13c、追加機器マネージャ13d、通信制御マネージャ13eなどの各種マネージャを含んで構成されている。
【0011】
各マネージャ13a〜13eは、専門分野のリクエストを処理するためのAPI(Application Program Interface)群を管理する。つまり、アプリからリクエストされると、対応するマネージャがそのリクエストを受け取り、各マネージャに対応して設けられたAPIライブラリのうちから必要なAPIを起動して、リクエストに応じた動作を行ない、リクエストに対する回答を作成する。例えば、アプリから現在位置を教えてほしいというリクエストがくると、そのリクエストは、ナビ情報プラットフォームマネージャ13aが受け取り、ナビ情報プラットフォームマネージャ13aは、位置情報取得APIを使って位置情報を獲得してアプリに返す。
【0012】
APIライブラリとしては、ナビ情報プラットフォームマネージャ13aに対応してナビゲーション情報収集APIライブラリ14が設けられている。このナビゲーション情報収集APIライブラリ14は、位置情報取得API14a、カーブ角度取得API14b、交差点角度取得API14c、車両速度取得API14d、交差点接近情報取得API14e、カーブ接近情報取得API14fから構成されており、カーナビゲーション装置(外部機器に相当)15からの情報を通信制御ECU16の制御により取得するようになっている。
【0013】
また、車両情報プラットフォームマネージャ13bに対応して車両操作情報APIライブラリ17が設けられている。この車両操作情報APIライブラリ17は、ステアリング角API17a、車両挙動センサAPI17b、ブレーキ操作情報API17c、アクセル開度API17dから構成されており、車両制御用ECU(外部機器に相当)18からの情報を通信制御ECU16の制御により取得するようになっている。
【0014】
一方、HMIプラットフォームマネージャ13cは、スイッチ操作API19a、表示API19b、音声発生API19c、音声収集API19dを通じてユーザによるスイッチ操作、ディスプレイ表示、マイクからの音声入力、オーディオ制御などを実行する。
また、車両に追加機器20が搭載されると、追加機器マネージャ13d及び通信制御マネージャ13eが追加機器20との通信を行ない、追加機器20に必要なプログラムを通信などで獲得して、機器を使用できるようにする。また、追加機能において、各プラットフォームマネージャに対応する機能を持つ場合は、それぞれに新たなAPIを追加する。
【0015】
この場合、プラットフォーム13が、位置精度の高い機器のデータが得られるAPIを使えるように設定すれば、高性能な機器が追加されるとほぼ同時に、アプリの機能アップを行なうことができる。例えば通常のGPSをRTKGPSに変更すると、位置情報は新しい位置情報取得APIで得られる情報に変わる。
【0016】
また、位置情報取得APIにアプリからは見えない優先度データを付加することにより、位置によっては高精度の機器が使えない場合であっても、プラットフォームマネージャが、そのとき使える中精度の機器のデータを返すことができ、アプリが停止してしまうという不具合を回避することが可能となる。
【0017】
図4は、車載機9に搭載されたアプリのうち、運転技術評価アプリ11に関するソフト構成を示すブロック図である。この図4において、運転技術評価アプリ11は、プラットフォーム13が提供する各APIライブラリを利用してカーナビゲーション装置15からナビ関連情報、車両制御用ECU18から車両情報を取得するようになっている。つまり、運転技術評価アプリ11は、ナビ情報を取得する場合は、そのことをナビ情報プラットフォームマネージャ13aにリクエストし、車両情報を取得する場合は、そのことを車両情報プラットフォームマネージャ13bにリクエストするのである。
そして、運転技術評価アプリ11は、取得したナビ情報及び車両情報を解析して運転者の運転技量を評価する。
【0018】
図5は、運転技術評価アプリ11による運転技量の評価方法を説明するための図である。この図5に示すように、カーブ進入時は、ナビ情報のうちカーブ接近情報、カーブ角度情報、車両速度情報から、カーブ進入速度に応じた理想的なステアリング角、アクセル開度、ブレーキ操作、車両挙動を算出し、取得した車両情報と比較して、その差異を運転評価とする。
【0019】
また、交差点進入時は、ナビ情報のうち交差点接近情報、交差点角度情報、車両速度情報から、交差点進入速度に応じた理想的なステアリング角、アクセル開度、ブレーキ操作、車両挙動を算出し、取得した車両情報と比較して、その差異を運転評価とする。
そして、以上の運転評価に基づいて運転評価結果表を作成する。
【0020】
さて、車載機9に搭載された運転技術評価アプリ11が運転者の運転技量を評価する具体的な方法について図6を参照して説明する。
[ステップS1]運転技量コースの設定
運転者の運転技量を評価するには、まず、運転技量コースの設定を行なう。この運転技量コースとしては、運転者が任意に選んでもよいし、運転データ処理システムが自動的に設定するようにしてもよい。
【0021】
運転者が任意に選ぶ場合は、カーナビゲーション装置15に対して評価開始ポイントと評価終了ポイントと走行経路を設定し、設定した経路にしたがって走行することになる。
運転技術評価アプリ11が運転技量コースを設定する場合は、運転技術評価アプリ11は、現在位置の計測をカーナビゲーション装置15から取得し、カーナビゲーション装置15の経路計算結果を呼び出して目的地までの経路計算結果を参照する。つまり、カーナビゲーション装置15の経路計算結果を呼び出す。
【0022】
次に、カーナビゲーション装置15から呼び出した経路内で、運転技量計測に適する場所を地図DBから検索する。運転技量が必要な場所を経路上から探すために、経路の形状データ(曲がり、のぼり、くだり、速度規制)、障害物などの有無情報を地図DBから検索する。それぞれのコースは、経路の形状、障害物などの有無によって難易度を表す評価ポイントが付けられる。つまり、経路の形状が複雑であったり、経路を一定速度で走行することが困難であったりした場合は、難易度の評価ポイントが高くなる。
【0023】
運転データ処理システムは、運転者による車両の操作回数(運転回数)を参照する。運転者がその車両の運転に慣れていない(設定運転回数よりも少ない)ことを確認した場合は、簡単な評価コースを選べるようにする。或いは、自動的に選択できるようにしてもよい。通常は、運転データ処理システムは、運転者の運転回数に応じた経路選択を行なう。つまり、運転者が未熟者の場合は、通常の経路であっても運転が困難であり、正しい評価が困難となるからである。
【0024】
[ステップS2]運転操作の推奨パターンの計算
次に、運転技術評価アプリ11は、運転操作の推奨パターンを計算する。この推奨パターンとは、安全運転を想定した上手な運転のための操作を計算して記憶するのである。
運転データ処理システムは、上述したステップS1で選択された経路を安全運転で走行する場合の運転操作推奨パターンを計算する。つまり、評価コースの開始地点の車両速度、途中の道路形状に応じたステアリング操作のパターン、ブレーキの使用(位置、頻度、制動時の加速度)などを、走行パターンのデータベースに基づいて推定し、その推定結果を記録する。この場合、車両の大きさ、重量に応じて各操作機器の操作とその走行結果が異なるため、車両ごとに大きさと重さを運転データ処理システムに登録しておき、その値を用いて推奨パターンの計算を行なう。
【0025】
[ステップS3]運転技量評価コースに入ることを通知
次に、運転技術評価アプリ11は、運転技量評価コースに入る前に、運転者に運転技量評価コースに入ることを通知する。つまり、運転データ処理システムは、車両の現在位置を測定し、車両が運転技量評価コースに入る直前になると、ディスプレイ、オーディオを用いて、運転者のその旨を伝達する。このとき、音声や表示でカウントダウンを行なうようにしてもよい。
【0026】
[ステップS4]運転技量評価の開始を案内
運転データ処理システムは、運転技量の評価中であることを運転者にディスプレイ、オーディオを用いて報知する。この場合、運転者に応じて、緊張を和らげたり、逆に緊張を高めるBGMなどを流したりするようにしてもよい。運転技量コース内でのハンドル、ステアリング、ブレーキ、操作スイッチなどの操作と、車両位置を計測(車両位置は中央線の撮影画像や、高精度GPS(RTKGPS)を使用)してメモリに記憶する。
【0027】
[ステップS5]運転技量評価、データ計測、記録
車両の位置、運転者の操作、時刻、車両の動き(振動、速度、加速度)を計測し、結果を記録する。運転技量評価コース内で危険運転をしていると判定された場合、オーディオ機能などで警報を出す。
【0028】
[ステップS6]運転技量評価の終了を案内
運転データ処理システムは、位置計測器を使って位置を測定し、車両が運転技量の評価完了地点に達すると、運転技量評価が完了したことを運転者にディスプレイ、オーディオを用いて報知する。データの記録を停止し、評価データファイルとして保存する。
運転データ処理システムは、運転技量の評価結果をステップS2で計算した運転操作推奨パターンと比較し、どの位置で運転操作推奨パターンとどの程度の違いがあるかを定量的に計算する。
【0029】
[ステップS7]運転技量の結果を表示
運転者が運転技量の確認リクエストを指令すると、運転技量の結果を表示する。
以下、運転技術評価アプリ11、ナビ情報プラットフォームマネージャ13a、車両情報プラットフォームマネージャ13bの情報の受け渡し動作について説明する。
【0030】
図7は、運転技術評価アプリ11の動作を示すフローチャートである。この図7において、運転技術評価アプリ11は、ナビ情報プラットフォームマネージャ13aにカーブ・交差点接近情報の要求を出しておく(C1)。これらの要求は、1度出しておけば、カーブ・交差点が接近する度にナビ情報プラットフォームマネージャ13aから情報があがってくる。
【0031】
ナビ情報プラットフォームマネージャ13aから接近情報を取得したときは、まず、カーブか交差点かを判断する(C2)。カーブであれば(C2:カーブ)、カーブ角度情報要求をナビ情報プラットフォームマネージャ13aに出し(C3)、カーブ角度情報を取得する(C4)。一方、交差点であれば(C2:交差点)、交差点角度情報要求をナビ情報プラットフォームマネージャ13aに出し(C8)、交差点角度情報を取得する(C9)。
【0032】
次に、車両速度要求をナビ情報プラットフォームマネージャ13aに出し(C5)、車両速度を取得する(C6)。それと同時に、車両情報(ステアリング角情報、アクセル開度情報、ブレーキ操作情報、車両挙動情報)を車両情報プラットフォームマネージャ13bに要求し(C10)、それぞれ取得する(C11)。
【0033】
最後に、ナビ情報プラットフォームマネージャ13aから取得した情報(カーブ角度情報または交差点角度情報、速度情報)から、そのカーブ(または交差点)に対する車両の理想データ(ステアリング角情報、アクセル開度情報、ブレーキ操作情報、車両挙動情報)を生成する(C7)。そして、その生成したデータと実際に取得した車両データを比較して(C12)、運転者の運転技量を評価する(C13)。
以上の一連の動作を、車両がカーブ、交差点に進入する毎に実行する。
【0034】
図8は、ナビ情報プラットフォームマネージャ13aの動作を示すフローチャートである。この図8において、車載機9に搭載されたナビアプリ10、運転技術評価アプリ11、安全運転情報提供アプリ12は、独自のタイミングでプラットフォーム13に情報要求をリクエストする。ナビ情報プラットフォームマネージャ13aは、アプリからの情報要求を受け取り(A1)、アプリからの要求情報を判定する(A2)。要求情報判定の結果、アプリからの要求が「カーブ接近情報要求」のときは(A3:YES)、カーブ接近情報取得API14fをコールし(A10)、「交差点接近情報要求」のときは(A4:YES)、交差点接近情報取得API14eをコールし(A11)、「カーブ角度要求」のときは(A5:YES)、カーブ角度取得APIをコールし(A12)、「交差点角度要求」のときは(A6:YES)、交差点角度取得API14cをコールし(A13)、「車両速度情報要求」のときは(A7:YES)、車両速度取得API14dをコールする(A14)。また、その他の要求のときは(A7:NO)、対応するAPIをコールする(A8)。
上述のように各種情報要求がリクエストされたAPIを通じてカーナビゲーション装置15に対して情報を要求した結果、情報を取得したときは(A9)、取得した情報を要求したアプリに対して情報を引き渡す(A15)。
【0035】
図9は、車両情報プラットフォームマネージャ13bの動作を示すフローチャートである。この図9に示すように、車両情報プラットフォームマネージャ13bは、上述したナビ情報プラットフォームマネージャ13aと同様に、各アプリからの情報要求を受けたときは(B1)、要求情報を判定し(B2)、その判定結果に基づいて所定のAPIコールを実行することにより車両制御用ECU18から情報を取得して(B8)、取得した情報を要求したアプリに引き渡す(B13)。
【0036】
図10は、車両が右カーブに進入する場合の一例を示している。この図10において、車両がカーブに進入する場合は、そのカーブへの進入に先立って車両の理想データを作成する。この例では、一点鎖線で示す走行軌跡で走行するのが理想であるが、実際の走行軌跡は鎖線であったことを示しており、両方の走行軌跡のずれ量に基づいて評価する。また、各評価ポイントで、運転者による操作を判断する。つまり、ナビ情報に基づいて車両が図10に示す最初の評価ポイントPO1に位置したときに、制限速度30Kmを守って警笛を鳴らしたかを判断し、次のポイントPO2に位置したときに、制限速度40Kmを守って対向車線にはみ出さないことを判断し、次のPO3に位置したときに、坂道を登るためにアクセルを開いたかを判断する。このような判断により、運転評価結果であるポイントを計算し、そのポイントを表示する。
従って、運転者は、表示されたポイントに基づいて自分の運転技能レベルを知ることができる。
【0037】
このような実施例によれば、車載機9にプラットフォーム13を設け、車載機9に搭載された複数のアプリケーションがカーナビゲーション装置15或いは車両制御用ECU18などの外部機器に対して情報の取得を要求した場合は、プラットフォーム13のAPIライブラリを通じて外部機器から所定の情報を取得してアプリケーションに引き渡すようにしたので、アプリケーションは、外部機器の接続を意識することなく所望の情報を取得することができる。
しかも、車載機9に新規の外部機器を接続した場合は、プラットフォーム13が外部機器との接続を管理するようになるので、アプリケーションは、外部機器の接続状態を意識することなく、外部機器から所望の情報を取得することができる。
【0038】
また、プラットフォーム13が外部機器に対する情報取得を一括して制御するようになっているので、複数のアプリがプラットフォームに対して情報取得の同時に要求を出すにしても、プラットフォーム13がアプリからの要求に対して外部機器に負荷を掛けないようにアクセスを制御することができ、所定の機器から効率よく情報を取得してリアルタイム性を損なうことなく情報を取得することができる。
【0039】
本発明は、上記実施例に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
カーナビゲーション装置15にプラットフォーム13を搭載し、ナビ情報をカーナビソフトから取得するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施例における全体のソフト構成を示す図
【図2】経路案内システムのハード構成を示すブロック図
【図3】運転技術評価システムのハード構成を示すブロック図
【図4】運転技術評価アプリに関するソフト構成を示すブロック図
【図5】運転技術評価アプリによる運転技量の評価方法を説明するための図
【図6】運転技術評価アプリの評価手順を示すフローチャート
【図7】運転技術評価アプリの動作を示すフローチャート
【図8】ナビ情報プラットフォームマネージャの動作を示すフローチャート
【図9】車両情報プラットフォームマネージャの動作を示すフローチャート
【図10】運転技術評価を説明するための図
【符号の説明】
【0041】
図面中、9は車載機、10は経路案内ナビアプリケーション、11は運転技術評価アプリケーション、12は安全運転情報提供アプリケーション、13はプラットフォーム、14はナビゲーション情報収集APIライブラリ、15はカーナビゲーション装置(外部機器)、17は車両操作情報APIライブラリ、18は車両制御用ECU(外部機器)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器から取得した情報を処理する複数のアプリケーションと、
前記外部機器にアクセスして情報を取得するためのAPIライブラリを有したプラットフォームとを備え、
前記プラットフォームは、前記アプリケーションが前記外部機器からの情報取得を要求したときは、対応するAPIを通じて前記外部機器にアクセスすることにより情報を取得して前記アプリケーションに引き渡すことを特徴とする車載機。
【請求項2】
前記プラットフォームは、前記外部機器が接続されたときは、当該外部機器にアクセス可能となるように設定することを特徴とする請求項1記載の車載機。
【請求項3】
前記プラットフォームは、複数の前記アプリケーションから情報の取得を同時に要求されたときは、前記外部機器の負担を軽減するように前記外部機器に対するアクセスを制御することを特徴とする請求項1または2記載の車載機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−90951(P2007−90951A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−280253(P2005−280253)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】