説明

車載用サイレン装置

【課題】防犯性を高めることが可能な車載用サイレン装置を提供する。
【解決手段】車両に加えられた振動を検出する振動センサ1と、サイレン2と、異常信号を車両に取り付けられた外部装置に送信可能な送信部3と、振動センサ1、サイレン2および送信部3を制御する制御部4とを備える。制御部4は、振動センサ1により検出された振動の振幅値が、車両が異常状態であるか否かの判定を開始するために予め設定されたしきい値以上で、且つ、振動の振動数が、ドリルによる振動か否かを判定するために予め設定された所定範囲内である場合に、サイレン2を鳴動させるとともに、送信部3から異常信号を上記外部装置へ送信させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用サイレン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、駐車中の車両内への不審者の侵入や駐車中の車両の傾きなどを検出した場合に、不審者を威嚇する車載用サイレン装置が知られている。
【0003】
この種の車載用サイレン装置としては、例えば、車両に加えられた振動を検知する振動センサを含む異常検知手段によって車両の異常状態を検知して、警告を発する異常検知装置が提案されている(特許文献1)。特許文献1に開示された異常検知装置は、車両に異常が発生すると、車両のホーンや灯火器などを作動させて警告を発する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−208380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、近年、不審者が、車載用サイレン装置をドリル等で破壊した後に、車両内に侵入したり、車両のタイヤを盗んだりする問題が増えてきている。
【0006】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、防犯性を高めることが可能な車載用サイレン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の車載用サイレン装置は、車両に加えられた振動を検出する振動センサと、サイレンと、異常信号を前記車両に取り付けられた外部装置に送信可能な送信部と、前記振動センサ、前記サイレンおよび前記送信部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記振動センサにより検出された前記振動の振幅値が、前記車両が異常状態であるか否かの判定を開始するために予め設定されたしきい値以上で、且つ、前記振動の振動数が、ドリルによる振動か否かを判定するために予め設定された所定範囲内である場合に、前記サイレンを鳴動させるとともに、前記送信部から前記異常信号を前記外部装置へ送信させることを特徴とする。
【0008】
この車載用サイレン装置において、前記制御部は、前記振動数が時間の経過とともに増加し、且つ、前記振動数が前記所定範囲内に収束した場合に、前記サイレンを鳴動させるとともに、前記送信部から前記異常信号を前記外部装置へ送信させることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の車載用サイレン装置においては、防犯性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態の車載用サイレン装置を示す概略構成図である。
【図2】同上の車載用サイレン装置において、(a)は使用例を示す説明図、(b)は概略斜視図である。
【図3】同上の車載用サイレン装置において、振動センサからの出力信号を示す説明図である。
【図4】同上の車載用サイレン装置の動作を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施形態の車載用サイレン装置について、図1〜図4を参照しながら説明する。
【0012】
本実施形態の車載用サイレン装置10は、車両20(図2参照)に取り付けられ、駐車中の車両20に異常が発生した場合に不審者を威嚇するものである。この車載用サイレン装置10は、車両20に加えられた振動を検出する振動センサ1と、サイレン2と、車両20が異常状態であることを示す異常信号を車両20に取り付けられたセキュリティ用の電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)23に送信可能な通信部3とを備えている。なお、本実施形態の車載用サイレン装置10では、通信部3が送信部を構成している。
【0013】
また、車載用サイレン装置10は、振動センサ1、サイレン2および通信部3を制御する制御部4と、車両20に取り付けられた図示しないバッテリ(直流電源)から制御部4に電源を供給する電源回路部5とを備えている。さらに、車載用サイレン装置10は、バッテリからの直流電圧Vbを検出する電圧検出部6と、非常用の直流電源であるバックアップ電池7と、サイレン2を動作させるための動作電源をバッテリとバックアップ電池7との一方に切り替える電源切替部8とを備えている。また、車載用サイレン装置10は、クロック信号を制御部4へ出力する発振回路部11と、バックアップ電池7からの直流電圧を、サイレン2を動作可能な直流電圧に昇圧する昇圧回路部9とを備えている。ここにおいて、車両20には、検知エリア21(図2(a)参照)内への不審者の侵入を検出する侵入センサ22と、車両20の各ドアや各ボンネットの開閉状態を検出する複数の開閉センサ(図示せず)とが取り付けられている。侵入センサ22は、例えば、超音波を送波および受波する超音波センサにより構成することができるが、特に限定するものではない。また、侵入センサ22は、車両20のフロント側の天井に取り付けられている。
【0014】
また、車載用サイレン装置10は、振動センサ1、サイレン2、通信部3、制御部4、電源回路部5、電圧検出部6、バックアップ電池7、電源切替部8、発振回路部11および昇圧回路部9を収納可能なハウジング10a(図2(b)参照)を有している。ハウジング10aには、このハウジング10aを車両20に取り付けるための取付ねじ(図示せず)を挿抜可能な取付孔10cを有する取付部10bが、複数箇所(図示例では、2箇所)に設けられている。なお、本実施形態の車載用サイレン装置10では、ハウジング10aを、例えば、車両20の後方に取り付けている。
【0015】
振動センサ1は、例えば、固定電極(図示せず)と可動電極(図示せず)との間の静電容量の変化を検出することで車両20に加えられた振動を検出可能な静電容量型の加速度センサを用いることができる。また、振動センサ1は、車両20に加えられた振動を検出し、検出した振動に対応する出力信号(図3参照)を制御部4へ出力する。なお、図3(a)は、外乱による車両20の振動に対応する出力信号を表し、図3(b)は、ドリルによる車両20の振動に対応する出力信号を表している。
【0016】
また、振動センサ1は、車両20の加速度(重力加速度)を検出することで車両20の傾斜を検出する傾斜センサとしての機能を有する。
【0017】
ここにおいて、本実施形態の車載用サイレン装置10では、振動センサ1として、静電容量型の加速度センサを用いているが、これに限らず、例えば、ピエゾ抵抗型の加速度センサなどを用いてもよい。また、振動センサ1は、2軸または3軸のいずれの加速度センサを採用してもよいが、車両20の異常状態を検出するという観点から3軸の加速度センサを採用することが好ましい。
【0018】
サイレン2は、鳴動部2aと、鳴動部2aを駆動する駆動回路部2bとを有している。鳴動部2aは、例えば、圧電スピーカまたはダイナミックスピーカなどで構成すればよい。駆動回路部2bは、バッテリからの直流電圧Vbと昇圧回路部9により昇圧された直流電圧との一方の直流電圧によって、鳴動部2aを駆動することができる。
【0019】
制御部4は、例えば、マイクロコンピュータに適宜の第1プログラムを搭載することにより構成することができる。
【0020】
また、制御部4は、サイレン2の動作電源をバッテリとバックアップ電池7との一方からサイレン2へ供給するように電源切替部8を制御する。ここにおいて、本実施形態の車載用サイレン装置10では、ユーザがこの車載用サイレン装置10の電源をオンした場合、ECU23が、規定時間(例えば、10秒)後に、車載用サイレン装置10の電源がオンされたことを示すオン信号を通信部3へ出力する。通信部3は、ECU23から出力されたオン信号を受信すると、このオン信号を制御部4へ出力する。また、本実施形態では、ユーザがこの車載用サイレン装置10の電源をオフした場合、ECU23が、直ちに、車載用サイレン装置10の電源がオフされたことを示すオフ信号を通信部3へ出力する。通信部3は、ECU23から出力されたオフ信号を受信すると、このオフ信号を制御部4へ出力する。なお、車載用サイレン装置10の電源をオンまたはオフする方法としては、例えば、車両20の鍵(エンジンキー)により車両20の各ドアを閉状態または開状態とする動作に連動させる方法がある。
【0021】
また、制御部4は、通信部3から出力されたオン信号が入力されると、サイレン2の動作電源をバッテリから供給するように電源切替部8を制御する。
【0022】
電源回路部5は、バッテリからの直流電圧Vbを入力する入力回路5aと、入力回路5aに入力された直流電圧Vbを所定の直流電圧に変換する定電圧回路5bとを有している。定電圧回路5bは、変換した所定の直流電圧を制御部4へ出力する。
【0023】
電圧検出部6は、電源回路部5の入力回路5aに入力された直流電圧Vbを検出する。ここにおいて、本実施形態の車載用サイレン装置10では、制御部4に、電圧検出部6による検出電圧(電圧検出部6により検出された直流電圧Vb)の低下を検出するための規定値が予め設定されている。また、制御部4は、電圧検出部6による検出電圧が予め設定された規定値以下の場合に、サイレン2の動作電源をバックアップ電池7からサイレン2に供給するように電源切替部8を制御する。
【0024】
バックアップ電池7は、1次電池(例えば、リチウム1次電池など)や2次電池(例えば、リチウムイオン電池など)で構成することができる。
【0025】
電源切替部8は、バッテリからサイレン2に動作電源を供給可能な第1のスイッチ部8aと、バックアップ電池7からサイレン2に動作電源を供給可能な第2のスイッチ部8bとを有している。
【0026】
第1のスイッチ部8aおよび第2のスイッチ部8bの各々は、例えば、パワーMOSFETやIGBTなどからなるスイッチング素子により構成することができ、制御部4からの制御に応じてオンオフする。つまり、制御部4は、第1のスイッチ部8aをオンすることで、バッテリからサイレン2に動作電源を供給することができる。また、制御部4は、第2のスイッチ部8bをオンすることで、バックアップ電池7からサイレン2に動作電源を供給することができる。
【0027】
以下、本実施形態の車載用サイレン装置10に関して、制御部4が電源切替部8を制御する動作について説明する。
【0028】
制御部4は、ユーザが車載用サイレン装置10の電源をオンした場合に、電源切替部8の第1のスッチ部8aをオンすることで、サイレン2の動作電源をバッテリからサイレン2へ供給する。ここで、電源切替部8の第2のスイッチ部8bは、オフ状態である。そして、制御部4は、電圧検出部6による検出電圧が予め設定された規定値以下の場合に、サイレン2の動作電源をバックアップ電池7からサイレン2へ供給するように電源切替部8を制御する。具体的に説明すると、制御部4は、電圧検出部6による検出電圧が予め設定された規定値以下の場合に、第1のスイッチ部8aをオフするとともに第2のスイッチ部8bをオンすることで、サイレン2の動作電源をバックアップ電池7からサイレン2へ供給する。ここにおいて、制御部4は、通信部3から出力されたオフ信号が入力されると、第1のスイッチ部8aおよび第2のスイッチ部8bの各々を、オフ状態とする。これにより、本実施形態の車載用サイレン装置10では、消費電力を低減することが可能となる。
【0029】
ところで、制御部4は、振動センサ1により検出された振動の振幅値を求める演算手段(図示せず)を有している。また、この演算手段は、振動センサ1により検出された振動の振動数を求める。本実施形態の車載用サイレン装置10では、上述の演算手段を、制御部4を構成するマイクロコンピュータに搭載された適宜の第2プログラムにより構成している。
【0030】
また、制御部4は、車両20が異常状態であるか否かの判定を開始するか否かを判定する判定部(図示せず)を有している。また、この判定部は、振動センサ1により検出された振動がドリルによる振動か否かを判定する。ここにおいて、本実施形態の車載用サイレン装置10では、制御部4に、演算手段により求めた振幅値に基づいて車両20が異常状態であるか否かの判定を開始するためのしきい値が予め設定されている。また、本実施形態では、制御部4に、演算手段により求めた振動数に基づいてドリルによる振動か否かを判定するための所定範囲が予め設定されている。具体的には、制御部4に、演算手段により求めた振動数(周波数)に基づいてドリルによる一定の周波数からなる振動か否かを判定するための所定範囲が予め設定されている。
【0031】
本実施形態の車載用サイレン装置10において制御部4は、まず、演算手段により求めた振幅値が予め設定されたしきい値以上の場合に、車両20が異常状態であるか否かの判定を開始すると判定部により判定する。また、制御部4は、判定部により車両20が異常状態であるか否かの判定を開始すると判定した後に、振動センサ1により検出された振動の振動数(周波数)を演算手段により求める。次に、制御部4は、演算手段により求めた振動の振動数(周波数)が予め設定された所定範囲内である場合に、ドリルによる振動であると判定部により判定する。そして、制御部4は、判定部によりドリルによる振動であると判定した場合、サイレン2を鳴動させるとともに、通信部3から異常信号をECU23へ送信させる。要するに、制御部4は、振動センサ1により検出された振動の振幅値が、車両20が異常状態であるか否かの判定を開始するために予め設定されたしきい値以上で、且つ、この振動の振動数が、ドリルによる振動か否かを判定するために予め設定された所定範囲内である場合に、サイレン2を鳴動させるとともに、通信部(送信部)3から異常信号をECU23へ送信させる。ECU23は、通信部3から送信された異常信号が入力されると、車両20のホーン(図示せず)やハザードランプ24(図2参照)を作動させ(ホーンを鳴動させたりハザードランプ24を点滅させたりして)不審者を威嚇する。これにより、本実施形態の車載用サイレン装置10では、防犯性を高めることが可能となる。
【0032】
また、制御部4は、振動センサ1により検出された振動の振動数(周波数)が時間の経過とともに増加し、且つ、この振動の振動数(周波数)が上記所定範囲内に収束した場合に、サイレン2を鳴動させるとともに、通信部3から異常信号をECU23へ送信させることが好ましい。本実施形態の車載用サイレン装置10では、例えば、ドリルで破壊される場合、車両20の車体に押し付けられたドリルは、最初、ドリルの回転数が少なく、時間が経過するとともに、ドリルの回転数が所定の回転数となる(振動センサ1からの出力信号は、図3(b)に示すような出力波形となる)。したがって、本実施形態の車載用サイレン装置10では、振動センサ1により検出された振動の振動数(周波数)が時間の経過とともに増加し、且つ、この振動の振動数(周波数)が上記所定範囲内に収束した場合に、サイレン2を鳴動させるとともに、通信部(送信部)3から異常信号をECU23へ送信させることによって、ドリルによる振動の検出精度を高めることが可能となる。
【0033】
また、本実施形態の車載用サイレン装置10において制御部4は、通信部3を介して、車両20に取り付けられた侵入センサ22および各開閉センサの各々と通信可能となっている。
【0034】
侵入センサ22は、車両20の検知エリア21内に不審者が侵入すると、検知エリア21内に不審者が存在することを示す第1の検知信号を通信部3へ出力する。通信部3は、侵入センサ22から出力された第1の検知信号を受信すると、この第1の検知信号を制御部4へ出力する。制御部4は、通信部3から出力された第1の検知信号が入力されると、サイレン2を鳴動させるとともに、通信部3から異常信号をECU23へ送信させる。ECU23は、通信部3から送信された異常信号が入力されると、車両20のホーンやハザードランプ24を作動させ不審者を威嚇する。これにより、本実施形態の車載用サイレン装置10では、不審者を威嚇することが可能となる。
【0035】
各開閉センサは、車両20の各ドアや各ボンネットが開状態であると、車両20の各ドアや各ボンネットが開状態であることを示す第2の検知信号を通信部3へ出力する。通信部3は、各開閉センサから出力された第2の検知信号を受信すると、この第2の検知信号を制御部4へ出力する。制御部4は、通信部3から出力された第2の検知信号が入力されると、サイレン2を鳴動させるとともに、通信部3から異常信号をECU23へ送信させる。ECU23は、通信部3から送信された異常信号が入力されると、車両20のホーンやハザードランプ24を作動させ不審者を威嚇する。これにより、本実施形態の車載用サイレン装置10では、不審者を威嚇することが可能となる。
【0036】
また、制御部4は、振動センサ1により検出された加速度(重力加速度)に基づいて車両20の傾斜の有無を判別する。また、制御部4は、車両20が傾斜していると判別すると、サイレン2を鳴動させるとともに、通信部3から異常信号をECU23へ送信させる。ECU23は、通信部3から送信された異常信号が入力されると、車両20のホーンやハザードランプ24を作動させ不審者を威嚇する。これにより、本実施形態の車載用サイレン装置10では、不審者を威嚇することが可能となる。
【0037】
以下、本実施形態の車載用サイレン装置10の動作について、図4に基づいて説明する。
【0038】
本実施形態の車載用サイレン装置10では、ユーザがこの車載用サイレン装置10の電源をオンした場合(S1)、制御部4が、ECU23から出力されるオン信号が入力されたか否かを判別する(S2)。
【0039】
制御部4は、オン信号が入力されない場合、再び、オン信号が入力されたか否かを判別する(S2)。一方、制御部4は、オン信号が入力された場合、侵入センサ22から出力される第1の検知信号が入力されたか否かを判別する(S3)。ここで、制御部4は、第1の検知信号が入力された場合、サイレン2を鳴動させる(S7)。そして、制御部4は、通信部3から異常信号をECU23へ送信する(S8)。本実施形態の車載用サイレン装置10では、制御部4が、サイレン2を所定時間(例えば、30秒間)だけ鳴動させる。また、本実施形態では、ECU23が、車両20のホーンやハザードランプ24を上記所定時間だけ作動させる。一方、制御部4は、第1の検知信号が入力されない場合、各開閉センサから出力される第2の検知信号が入力されたか否かを判別する(S4)。制御部4は、第2の検知信号が入力された場合、サイレン2を鳴動させる(S7)とともに、通信部3から異常信号をECU23へ送信する(S8)。一方、制御部4は、第2の検知信号が入力されない場合、振動センサ1により検出された加速度(重力加速度)に基づいて車両20の傾斜の有無を判別する(S5)。制御部4は、車両20が傾斜していると判別すると、サイレン2を鳴動させる(S7)とともに、通信部3から異常信号をECU23へ送信する(S8)。一方、制御部4は、車両20が傾斜していないと判別すると、振動センサ1により検出された振動の振幅値が予め設定されたしきい値以上で、且つ、この振動の振動数が予め設定された上記所定範囲内であるか否かを判定部により判定して、ドリルによる振動か否かを判別する(S6)。制御部4は、ドリルによる振動であると判別した場合、サイレン2を鳴動させる(S7)とともに、通信部3から異常信号をECU23へ送信する(S8)。一方、制御部4は、ドリルによる振動でないと判別した場合、ECU23から出力されるオフ信号が入力されたか否かを判別する(S9)。また、本実施形態の車載用サイレン装置10では、制御部4がサイレン2を上記所定時間だけ鳴動させるとともに、ECU23が車両20のホーンやハザードランプ24を上記所定時間だけ作動させた後、制御部4は、ECU23から出力されるオフ信号が入力されたか否かを判別する(S9)。制御部4は、オフ信号が入力されない場合、侵入センサ22から出力される第1の検知信号が入力されたか否かを判別する(S3)。一方、制御部4は、オフ信号が入力された場合、ECU23から出力されるオン信号が入力されたか否かを判別する(S2)。
【0040】
以上説明した本実施形態の車載用サイレン装置10では、制御部4が、振動センサ1により検出された振動の振幅値が、車両20が異常状態であるか否かの判定を開始するために予め設定されたしきい値以上で、且つ、この振動の振動数が、ドリルによる振動か否かを判定するために予め設定された所定範囲内である場合に、サイレン2を鳴動させるとともに、通信部(送信部)3から異常信号をECU23へ送信させるので、防犯性を高めることが可能となる。
【符号の説明】
【0041】
1 振動センサ
2 サイレン
3 通信部(送信部)
4 制御部
10 車載用サイレン装置
20 車両
23 ECU(外部装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に加えられた振動を検出する振動センサと、サイレンと、異常信号を前記車両に取り付けられた外部装置に送信可能な送信部と、前記振動センサ、前記サイレンおよび前記送信部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記振動センサにより検出された前記振動の振幅値が、前記車両が異常状態であるか否かの判定を開始するために予め設定されたしきい値以上で、且つ、前記振動の振動数が、ドリルによる振動か否かを判定するために予め設定された所定範囲内である場合に、前記サイレンを鳴動させるとともに、前記送信部から前記異常信号を前記外部装置へ送信させることを特徴とする車載用サイレン装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記振動数が時間の経過とともに増加し、且つ、前記振動数が前記所定範囲内に収束した場合に、前記サイレンを鳴動させるとともに、前記送信部から前記異常信号を前記外部装置へ送信させることを特徴とする請求項1記載の車載用サイレン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−107481(P2013−107481A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253566(P2011−253566)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)