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車載用スイッチ装置
説明

車載用スイッチ装置

【課題】スイッチオフ状態を常態化させるという仕様変更に容易かつ確実に応えることのできる車載用スイッチ装置を提供すること。
【解決手段】本来は操作時に操作ノブ5がスライダ8を介してゴム接点シート部材7の膨出部7aを押圧駆動することによってオン動作するように設計されている車載用スイッチ装置において、スイッチオフ状態を常態化させるという仕様変更に対応させた不動スライダ9を既存のスライダ8の代わりに組み込む構成とする。この不動スライダ9は、操作ノブ5に対する一方向への操作力と他方向への操作力が択一的に付与される2個の被押圧部9aと、各被押圧部9aの下端から垂下してゴム接点シート部材7上に搭載される2個のストッパ突起部9bと、ストッパ突起部9bおよび膨出部7aを包囲する環状に形成されてゴム接点シート部材7上に搭載されるストッパ側壁部9dと、膨出部7aの上方を切り欠いた形状の9eとを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のパワーウィンドウスイッチ等として好適な車載用スイッチ装置に係り、特に、一部(または全て)の窓の開閉機能を無効化したいというユーザの要望に容易に応えることのできる車載用スイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、自動車のドアの内壁部に装着される車載用スイッチ装置のうち、例えば運転席側のドアに装着される車載用スイッチ装置には、窓の開閉を行うためのパワーウィンドウスイッチを含む各種のスイッチ類が配設されている。また、助手席や後部座席のドアに装着される車載用スイッチ装置にも、少なくともパワーウィンドウスイッチは含まれている。
【0003】
このような車載用スイッチ装置に設けられるパワーウィンドウスイッチは、通常、筐体の上部開口を覆う操作ノブが該筐体に揺動操作可能に軸支されており、この操作ノブがスライダを介してゴム接点シート部材の膨出部を押圧駆動することによって、膨出部に内設された可動接点が配線基板の固定接点に接触してオン動作するようになっている。ゴム接点シート部材は筐体内において配線基板上に載置されており、操作ノブの一方向への揺動操作(例えばプッシュ操作)によって押圧駆動される第1の膨出部上に搭載された第1のスライダと、操作ノブの他方向への揺動操作(例えばプル操作)によって押圧駆動される第2の膨出部上に搭載された第2のスライダとが、それぞれ筐体に上下動可能に支持されている。そして、操作ノブが一方向へ揺動操作されると、この操作ノブに押下される第1のスライダが第1の膨出部を弾性的に座屈変形させて内部の可動接点が固定接点に接触し、所定のスイッチオン信号(例えば窓開け指令信号)が出力されるようになっている。また、操作ノブが他方向へ揺動操作されると、この操作ノブに押下される第2のスライダが第2の膨出部を弾性的に座屈変形させて内部の可動接点が固定接点に接触し、所定のスイッチオン信号(例えば窓閉め指令信号)が出力されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ところで、安全上等の理由から、自動車の一部(または全て)の窓の開閉機能を無効化したいという仕様変更がユーザから要望されることがある。例えば、後部座席の窓だけを開閉不能にするという仕様変更や、後部座席および助手席の窓を開閉不能にするという仕様変更である。こうした要望に応じる場合、開閉不能にしたい窓の近傍に装着されるパワーウィンドウスイッチの機能を無効化すると共に、各種のスイッチ類が併設されている運転席側の車載用スイッチ装置についても該当するパワーウィンドウスイッチの機能を無効化する必要がある。しかしながら、こうした要望の発生件数は概して少ないので、窓開閉機能の無効化に対するさまざまな要望に対処できるように予め車載用スイッチ装置のバラエティーを増やしておくことは、コスト面等を考慮すると現実的ではない。
【0005】
そこで、こうしたユーザの要望に容易に応えられるようにするため、例えば図7に示すように、ゴム接点シート部材50の膨出部50a上に搭載されている既存のスライダ51に代えて、このスライダ51の下端に突起部52を垂設した形状のストッパ部材を組み込むことが考えられる。すなわち、かかる形状のストッパ部材は、操作時に操作ノブ53によって上方から押圧される既存のスライダ51とほぼ同形状であるが、ストッパ部材の下端から垂下する突起部52をゴム接点シート部材50の平板部50b上に搭載しておけば、上方から操作ノブ53に押し込まれてもストッパ部材はほとんど下動しなくなる。それゆえ、スライダ51をストッパ部材に交換するだけで、操作ノブ53が不用意に操作されたときにも膨出部50aの座屈変形を防止することができ、スイッチオフ状態の常態化(窓開閉機能の無効化)が可能となる。
【0006】
なお、図7において、符号54は操作ノブ53を揺動可能に軸支している取付ケースであり、この取付ケース54の上部開口54aは操作ノブ53に覆われている。また、符号55は下ケースであり、この下ケース55と取付ケース54とを組み合わせて構成される筐体の内部に、ゴム接点シート部材50を載置した配線基板56が設置されている。そして、配線基板56の上面に配設された図示せぬ固定接点の上方に、膨出部50aに内設された図示せぬ可動接点が位置しており、膨出部50aが座屈変形すると該可動接点が該固定接点に接触するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−228525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、本発明者らが検討を重ねたところ、図7に示すように既存のスライダ51に代えて前記ストッパ部材を組み込んでも、操作ノブ53に過大な操作力が加えられて該ストッパ部材が上方から強く押し込まれたときには、応力が集中する突起部52がゴム接点シート部材50の平板部50bを押し潰してしまったり、突起部52が破損する危険性のあることか判明した。この場合、ストッパ部材が膨出部50aを押圧駆動してスイッチオン信号が出力されてしまう可能性が高まるため、結局、前記ストッパ部材を用いた仕様変更は不完全であり、ユーザの要望を満足させることは困難となる。
【0009】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、スイッチオフ状態を常態化させるという仕様変更に容易かつ確実に応えることのできる車載用スイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の車載用スイッチ装置は、上部開口を有する筐体と、この筐体に揺動可能に軸支されて前記上部開口を覆う操作ノブと、固定接点を有し前記筐体の内部に設置された配線基板と、前記固定接点に接離可能な可動接点を内設した上向きの膨出部を有し前記配線基板上に載置されたゴム接点シート部材と、前記膨出部上に搭載されて前記筐体に上下動可能に支持されたスライダとを備え、操作時に前記操作ノブが前記スライダを介して前記膨出部を押圧駆動することによってオン動作する車載用スイッチ装置に適用され、スイッチオフ状態を常態化させる仕様変更に対応させた不動スライダを前記スライダの代わりに組み込む構成とし、この不動スライダが、前記操作ノブによって押圧可能な被押圧部と、この被押圧部の下端から前記膨出部の近傍に垂下して前記ゴム接点シート部材上に搭載されるストッパ突起部と、前記膨出部の上方を切り欠いた形状の逃げ部とを有することとした。
【0011】
このような不動スライダを既存のスライダに代えて組み込んだ車載用スイッチ装置は、不動スライダのストッパ突起部が膨出部の近傍でゴム接点シート部材上に搭載されているため、不動スライダの被押圧部に上方から通常の操作力が加えられても該不動スライダはほとんど下動せず、それゆえ膨出部が押圧駆動されてしまうことはない。また、操作ノブに過大な操作力が加えられて不動スライダが上方から強く押し込まれた結果、ストッパ突起部がゴム接点シート部材の当接個所を押し潰したり、ストッパ突起部が破損する等して不動スライダが不所望に下動してしまったとしても、不動スライダは逃げ部内に膨出部を逃がすことができるため該膨出部が押圧駆動される虞はない。それゆえ、この車載用スイッチ装置は、不動スライダを組み込むことによって常にスイッチオフ状態に維持しておくことができる。また、この車載用スイッチ装置は、不動スライダに代えて既存のスライダを組み込みさえすれば本来のスイッチング動作を行わせることができる。
【0012】
上記の構成において、不動スライダが、ストッパ突起部と膨出部とを包囲するように延設されてゴム接点シート部材上に搭載されるストッパ側壁部を有していれば、操作ノブを介して上方から不動スライダに加えられる操作力がストッパ突起部の底面とストッパ側壁部の底面とに分散されるため、ゴム接点シート部材に対して過度な応力集中が起こらなくなると共に、不動スライダの機械的強度が高まる。それゆえ、不動スライダが上方から強く押し込まれたときに、ゴム接点シート部材が塑性変形するほど押し潰されたり不動スライダが破損してしまう等の不具合が起こりにくくなって好ましい。また、ストッパ突起部の周囲でストッパ側壁部がゴム接点シート部材上に搭載されることから、不動スライダの姿勢を安定させることもできる。
【0013】
また、上記の構成において、不動スライダが、操作ノブに対する一方向への操作力と他方向への操作力が択一的に付与される2個の被押圧部と、これら2個の被押圧部の下端から個別に垂下する2個のストッパ突起部と、これら2個のストッパ突起部および該ストッパ突起部に隣接する複数の膨出部を包囲する環状のストッパ側壁部とを有していれば、スイッチオフ状態を常態化させるという仕様変更に際して、操作ノブの一方向と他方向への揺動操作によって択一的に押圧される既存の2個のスライダに代えて1個の不動スライダを組み込むだけでよくなるため、部品点数の削減や組立作業性の向上が図れて好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の車載用スイッチ装置によれば、既存のスライダに代えて組み込んだ不動スライダのストッパ突起部が、可動接点を内設した膨出部の近傍でゴム接点シート部材上に搭載されているため、上方から通常の操作力が付与されても不動スライダはほとんど下動せず、よって膨出部が押圧駆動されてしまうことはない。また、不動スライダが上方から強く押し込まれたときには、ストッパ突起部がゴム接点シート部材の当接個所を押し潰したり、ストッパ突起部が破損する等して不動スライダが不所望に下動してしまう可能性があるが、その場合にも不動スライダは逃げ部内に膨出部を逃がすことができるため、該膨出部が押圧駆動される虞はない。それゆえ、この車載用スイッチ装置は、スイッチオフ状態を常態化させるという仕様変更に容易かつ確実に応えることができる。
【0015】
また、不動スライダが、ストッパ突起部と膨出部とを包囲するように延設されてゴム接点シート部材上に搭載されるストッパ側壁部を有していれば、ゴム接点シート部材に対して過度な応力集中が起こらなくなると共に、不動スライダの機械的強度が高まるため、不動スライダが上方から強く押し込まれたときにも、ゴム接点シートが塑性変形するほど押し潰されたり不動スライダが破損してしまう等の不具合が起こりにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態例に係る車載用スイッチ装置の断面図である。
【図2】図1に示す不動スライダの斜視図である。
【図3】該不動スライダの変形例を示す斜視図である。
【図4】該不動スライダの他の変形例を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態例に係る車載用スイッチ装置の外観図である。
【図6】第2実施形態例に係る車載用スイッチ装置の分解斜視図である。
【図7】従来提案を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明の実施の形態を図面を参照して説明すると、図1は本発明の第1実施形態例に係る車載用スイッチ装置の断面図、図2は図1に示す不動スライダの斜視図である。
【0018】
図1は、自動車の運転席側のドアの内壁部に装着される車載用スイッチ装置の一部を示す縦断面図であり、外装パネルを省略した状態で運転席の窓開閉用のパワーウィンドウスイッチ1と助手席の窓に対応するパワーウィンドウスイッチ10とを示している。ただし、図示左側のパワーウィンドウスイッチ10については、スイッチオフ状態を常態化させるという仕様変更がなされているため、助手席の窓の開閉機能は無効化されている。また、図示はしていないが、この車載用スイッチ装置には、後部座席の窓に対応するパワーウィンドウスイッチを含む各種のスイッチ類が配設されている。
【0019】
図1において図示右側のパワーウィンドウスイッチ1は、取付ケース3および下ケース4をスナップ結合等により一体化してなる筐体2と、取付ケース3の上部開口3aを覆う揺動操作可能な操作ノブ5と、筐体2の内部に略水平に設置された配線基板6と、複数個所にドーム形状の膨出部7aを有して配線基板6上に載置されたゴム接点シート部材7と、一対の膨出部7a上に搭載されて取付ケース3に上下動可能に支持されたスライダ8と、図示せぬ別の一対の膨出部上に搭載されて取付ケース3に上下動可能に支持された図示せぬ他のスライダとによって主に構成されている。ただし、筐体2や配線基板6やゴム接点シート部材7等は、図示左側のパワーウィンドウスイッチ10と共有化されている。
【0020】
パワーウィンドウスイッチ1は、ゴム接点シート部材7の平板部7bから上向きに膨出している膨出部7aに内設された図示せぬ可動接点が、配線基板6の上面に配設された図示せぬ固定接点に対して接離可能となっており、膨出部7aが弾性的に座屈変形すると、該可動接点が該固定接点に接触するようになっている。また、図示右側の操作ノブ5が取付ケース3に軸支されて図1の紙面と直交する方向へ揺動できるようになっており、該操作ノブ5が一方向へ揺動操作(例えばプッシュ操作)されると、その駆動部5aがスライダ8を押下し、このスライダ8の鍔部8aによって一対の膨出部7aが押圧駆動される。そして、押圧駆動された膨出部7aが座屈変形すると、内部の可動接点が対応する固定接点に接触して所定のスイッチオン信号(例えば窓開け指令信号)が出力されるようになっている。同様に、該操作ノブ5が他方向へ揺動操作(例えばプル操作)されると、図示せぬ駆動部が他のスライダを押下するため、該スライダに押圧駆動される図示せぬ膨出部が座屈変形して所定のスイッチオン信号(例えば窓閉め指令信号)が出力されるようになっている。
【0021】
なお、一対の膨出部7aは互いに異なる作動力で座屈変形するように形成されているため、操作ノブ5を介してスライダ8に加えられる操作力が軽い場合には、一方の膨出部7aだけが座屈変形し、操作力が重い場合には、両方の膨出部7aが座屈変形する。したがって、操作力の軽重に応じて2種類のスイッチオン信号を出力させることができる。
【0022】
図1において図示左側のパワーウィンドウスイッチ10は、既存の2個のスライダ(例えばスライダ8)に代えて1個の不動スライダ9(図2参照)を組み込んだ点を除いて、上記のパワーウィンドウスイッチ1と基本的に同等の構成になっている。この不動スライダ9は、図示左側の操作ノブ5に対する一方向への操作力と他方向への操作力が択一的に付与される2個の被押圧部9aと、これら2個の被押圧部9aの下端から個別に垂下してゴム接点シート部材7の平板部7b上に搭載される2個のストッパ突起部9b(一方だけ図示)と、被押圧部9aとストッパ突起部9bの連結部分を略水平に延在させた形状の上壁部9cと、2個のストッパ突起部9bおよび各ストッパ突起部9bに隣接する計4個の膨出部7a(2個だけ図示)を包囲する環状に形成されて平板部7b上に搭載されるストッパ側壁部9dとを有している。また、不動スライダ9の上壁部9cには、各膨出部7aの上方にそれぞれ貫通孔からなる逃げ部9eが形成されている。
【0023】
このように不動スライダ9を既存のスライダに代えて組み込んだパワーウィンドウスイッチ10は、不動スライダ9の各ストッパ突起部9bおよび環状のストッパ側壁部9dがゴム接点シート部材7の平板部7b上に搭載されているため、操作ノブ5を介して上方から通常の操作力がどちらの被押圧部9aに加えられても不動スライダ9はほとんど下動しない。すなわち、このパワーウィンドウスイッチ10は、操作ノブ5に通常の操作力が加えられても膨出部7aが押圧駆動されて座屈変形する虞がないため、通常の使用環境下でスイッチオン信号が出力されることはない。
【0024】
また、このパワーウィンドウスイッチ10は、操作ノブ5に過大な操作力が加えられて不動スライダ9が上方から強く押し込まれた場合にも、該操作力はストッパ突起部9bの底面とストッパ側壁部9dの底面とに分散されるため、ゴム接点シート7の平板部7bに対して過度な応力集中は起こらない。それゆえ、不動スライダ9が上方から強く押し込まれたとしても、ゴム接点シート部材7が塑性変形するほど押し潰されたり、不動スライダ9が破損してしまう等の不具合は起こりにくく、よって不動スライダ9が既存のスライダのように下動してしまう可能性はほとんでない。また、仮に極めて強い力が上方から作用して不動スライダ9が不所望に下動してしまったとしても、不動スライダ9は上壁部9cの逃げ部9e内に膨出部7aを逃がすことができるため、膨出部7aが押圧駆動されて座屈変形することはない。つまり、このパワーウィンドウスイッチ10は、通常の使用環境下だけでなく異常に大きな力が上方から加わったときにも、スイッチオン信号が出力される虞がないため常にスイッチオフ状態に維持されている。
【0025】
以上説明したように本実施形態例に係る車載用スイッチ装置のパワーウィンドウスイッチ10は、窓開閉機能を無効化するという仕様変更を実現するために既存のスライダに代えて不動スライダ9を組み込んでいる。この不動スライダ9は、ストッパ突起部9bおよびストッパ側壁部9dがゴム接点シート部材7の平板部7b上に搭載されているため、上方から通常の操作力が加えられても不動スライダ9はほとんど下動せず、よってゴム接点シート部材7の膨出部7aが押圧駆動されてしまうことはない。また、不動スライダ9が上方から極めて強い力で押し込まれて不所望に下動した場合にも、不動スライダ9は逃げ部9e内に膨出部7aを逃がすことができるため、やはり膨出部7aが押圧駆動されることはない。それゆえ、このパワーウィンドウスイッチ10は、スイッチオフ状態を常態化させるという仕様変更に容易かつ確実に応えることができる。
【0026】
しかも、かかるパワーウィンドウスイッチ10の仕様変更に際して、操作ノブ5の一方向と他方向への揺動操作によって択一的に押圧される既存の2個のスライダに代えて1個の不動スライダ9を組み込むだけでよいため、組立作業性が良好でコスト面での負担は少ない。また、この不動スライダ9は2個のストッパ突起部9bの周囲に環状に延在するストッパ側壁部9dを有しており、両ストッパ突起部9bおよびストッパ側壁部9dをゴム接点シート部材7の平板部7b上に搭載しているため、平板部7bに対する応力を分散できてゴム接点シート部材7の塑性変形が回避しやすくなっていると共に、不動スライダ9の機械的強度が高くて破損しにくくなっており、さらに、ゴム接点シート部材7上での不動スライダ9の姿勢も極めて安定したものになっている。
【0027】
なお、上記のパワーウィンドウスイッチ10は、不動スライダ9に代えて既存のスライダ(例えばスライダ8)を組み込みさえすれば、本来のスイッチング動作を行わせることができる。
【0028】
また、このパワーウィンドウスイッチ10では、操作ノブ5に対する一方向への操作力と他方向への操作力が択一的に付与される2個の被押圧部9aを並設した不動スライダ9を組み込んでいるが、図3に示すように、不動スライダ9を2分割したような形状の不動スライダ90を2個組み込むという構成にしてもよい。あるいは図4に示すように、不動スライダ90からストッパ側壁部9dを省略したような形状の不動スライダ91を2個組み込むという構成にすることも可能である。
【0029】
図5は本発明の第2実施形態例に係る車載用スイッチ装置の外観図、図6は該車載用スイッチ装置の分解斜視図であり、図1と図2と対応する部分には同一符号が付してあるため、重複する説明は適宜省略する。
【0030】
図5および図6に示す車載用スイッチ装置は、1個のパワーウィンドウスイッチ11を外装パネル12に取り付けて概略構成されており、自動車の後部座席側のドアの内壁部に装着されるというものである。このパワーウィンドウスイッチ11は、本来は該ドアの窓が開閉できるように設計されているが、本実施形態例では不動スライダ9を既存のスライダに代えて組み込むことにより、パワーウィンドウスイッチ11に対してスイッチオフ状態を常態化(窓開閉機能を無効化)させるという仕様変更がなされている。
【0031】
このパワーウィンドウスイッチ11は、取付ケース3および下ケース4をスナップ結合等により一体化してなる筐体2と、取付ケース3に揺動可能に軸支されて上部開口3aを覆う操作ノブ5と、筐体2の内部に略水平に設置された配線基板6と、4個所に膨出部7aを有して配線基板6上に載置されたゴム接点シート部材7と、膨出部7aの近傍でゴム接点シート部材7上に搭載された不動スライダ9とによって主に構成されている。取付ケース3の上端部には操作ノブ5の軸孔5bに挿通される支軸3bが一対突設されており、これら支軸3bが操作ノブ5の回動軸となっている。また、取付ケース3の外壁部には、外装パネル12の内壁部にスナップ結合される複数の係合突起3cが突設されている。さらに、配線基板6上には端子部6aや図示せぬ固定接点が配設されており、ゴム接点シート部材7には端子部6aを覆う膨出部7cが形成されている。
【0032】
外装パネル12の上面にはパワーウィンドウスイッチ11の操作ノブ5を露出させるための開口部12aが形成されており、この開口部12aの一辺端に目隠しパネル13が取り付けられる。パワーウィンドウスイッチ11は筐体2が外装パネル12に固定されて、開口部12aに露出する操作ノブ5が本来は揺動操作可能であるが、不動スライダ9によって操作ノブ5が揺動操作できないように仕様変更されているため、操作ノブ5に操作力が加えられても膨出部7aが座屈変形してスイッチオン信号が出力されることはない。
【0033】
なお、この第2実施形態例における不動スライダ9は、前述した第1実施形態例と同様のものである。すなわち、図6に示す不動スライダ9は、操作ノブ5に対する一方向への操作力と他方向への操作力が択一的に付与される2個の被押圧部9aと、これら2個の被押圧部9aの下端から個別に垂下してゴム接点シート部材7の平板部7b上に搭載される2個のストッパ突起部(図示せず)と、被押圧部9aとストッパ突起部の連結部分を略水平に延在させた形状の上壁部9cと、2個のストッパ突起部および4個の膨出部7aを包囲する環状に形成されて平板部7b上に搭載されるストッパ側壁部9dとを有しており、上壁部9cには各膨出部7aの上方にそれぞれ逃げ部9eが形成されている。
【符号の説明】
【0034】
1,10,11 パワーウィンドウスイッチ
2 筐体
3 取付ケース
3a 上部開口
4 下ケース
5 操作ノブ
6 配線基板
7 ゴム接点シート部材
7a 膨出部
7b 平板部
8 (既存の)スライダ
9,90,91 不動スライダ
9a 被押圧部
9b ストッパ突起部
9d ストッパ側壁部
9e 逃げ部
12 外装パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口を有する筐体と、この筐体に揺動可能に軸支されて前記上部開口を覆う操作ノブと、固定接点を有し前記筐体の内部に設置された配線基板と、前記固定接点に接離可能な可動接点を内設した上向きの膨出部を有し前記配線基板上に載置されたゴム接点シート部材と、前記膨出部上に搭載されて前記筐体に上下動可能に支持されたスライダとを備え、操作時に前記操作ノブが前記スライダを介して前記膨出部を押圧駆動することによってオン動作する車載用スイッチ装置に適用され、
スイッチオフ状態を常態化させる仕様変更に対応させた不動スライダを前記スライダの代わりに組み込む構成とし、この不動スライダが、前記操作ノブによって押圧可能な被押圧部と、この被押圧部の下端から前記膨出部の近傍に垂下して前記ゴム接点シート部材上に搭載されるストッパ突起部と、前記膨出部の上方を切り欠いた形状の逃げ部とを有することを特徴とする車載用スイッチ装置。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記不動スライダが、前記ストッパ突起部と前記膨出部とを包囲するように延設されて前記ゴム接点シート部材上に搭載されるストッパ側壁部を有することを特徴とする車載用スイッチ装置。
【請求項3】
請求項2の記載において、前記不動スライダが、前記操作ノブに対する一方向への操作力と他方向への操作力が択一的に付与される2個の前記被押圧部と、これら2個の被押圧部の下端から個別に垂下する2個の前記ストッパ突起部と、これら2個のストッパ突起部および該ストッパ突起部に隣接する複数の前記膨出部を包囲する環状の前記ストッパ側壁部とを有することを特徴とする車載用スイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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