説明

車載用ディスク装置

【課題】 斜めの姿勢にしてもドライブユニットを安定して支持でき、且つ少ない部品で構成できる「車載用ディスク装置」を提供することを目的とする。
【解決手段】 ドライブベース11のばね掛け部11dと、ドライブベースを拘束する切換え機構を構成する連結部材46のばね掛け部46cとの間に引張りコイルばね100が掛けられている。ドライブユニット10の拘束が解除されると、引張りコイルばね100の引張り力の作用線Fが中心線Oとほぼ平行になり、引張りコイルばね100によりドライブユニット10がY1方向に引かれる。そのため、前面板1aが上に向く傾斜姿勢になっても、ドライブユニット10を安定して弾性支持できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転駆動部を搭載したドライブベースが、筐体内においてダンパーで弾性支持された車載用ディスク装置に係り、特に、挿入口を有する前部が上向きに設置されたときに、ドライブベースを適正な姿勢で支持することができる車載用ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の特許文献1に記載のように、車載用のディスク装置は、筐体の前方に挿入口が設けられている。挿入口から挿入されたディスクは、筐体内に設けられたドライブユニットに搬入され、ドライブユニットに搭載された回転駆動部に設けられたターンテーブルにディスクの中心部がクランプされる。
【0003】
車載用のディスク装置は、ターンテーブルにディスクをクランプして回転し、光ヘッドでデータの再生や記録を行う再生動作や記録動作の際に、ドライブユニットをダンパーで弾性支持することが必要である。
【0004】
しかし、車載用のディスク装置は自動車の室内において、挿入口を有する前部が上を向く斜めの姿勢で設置されることが多く、そのため、再生動作や記録動作の際にダンパーで弾性支持されているドライブユニットが、重力の作用によって筐体の後方へ移動した姿勢となりやすい。ドライブユニットが筐体の内部で後方へ移動した姿勢で弾性支持されていると、車体振動がドライブユニットに作用したときに、ドライブユニットが筐体の後端部などに当たるおそれがある。そのため、筐体の前後方向の寸法を小さくできず、ディスク装置の小型化に支障をきたすことになる。
【0005】
前記問題を解決するために、筐体内においてドライブユニットを前方へ向けて引き上げるばね部材を設けることが好ましい。ただし、ドライブユニットを前方へ引っ張る目的のみでばね部材を新たに設けると、部品点数の増加につながる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−35142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、筐体の前部が上向きとなるように車体の内部に設置されたときに、ダンパーで支持されているドライブユニットの姿勢を適切な状態に保つことができ、しかも部品点数の増加を抑制できる車載用ディスク装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、筐体内に、ドライブベースがダンパーを介して支持されており、前記ドライブベースに、ターンテーブルと前記ターンテーブルを回転させるスピンドルモータが搭載され、前記筐体の前方に形成された挿入口から挿入されたディスクが、前記ターンテーブル上に搬送されてクランプされる車載用ディスク装置において、
前記筐体に、前記ドライブベースを拘束する拘束モードと、前記拘束モードを解除して前記ドライブベースを前記ダンパーで支持する弾性支持モードとに切換える切換え機構が設けられており、
前記切換え機構を構成する移動部材と前記ドライブベースとの間にばね部材が設けられ、前記切換え機構が前記弾性支持モードに切換えられたときに、前記ばね部材によって前記ドライブベースに対して前方への引っ張り力が与えられ、且つ前記ばね部材の付勢力によって、前記移動部材の移動のがたつきが防止されることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の車載用ディスク装置では、ダンパーで支持されているドライブベースを前方へ付勢するばね部材が設けられているため、車体の内部で、筐体が、挿入口が上に向く斜めの姿勢で設置されたとしても、ドライブベースが重力によって後方へ移動した姿勢となることを防止できる。また、ばね部材は、ドライブベースを前方へ引っ張る機能だけでなく、切換え機構のがたつきを防止する機能も発揮できるため、筐体内に設けられる部品数の削減も実現できる。
【0010】
本発明は、前記ドライブベースと前記ばね部材の連結部と、前記移動部材と前記ばね部材の連結部を結ぶ線を作用線とし、ディスクの挿入方向に延びる線を中心線としたときに、前記作用線と前記中心線との成す角度は、前記切換え機構が前記拘束モードのときよりも前記弾性支持モードのときの方が小さくなるものが好ましい。
【0011】
上記構成では、ばね部材が連結された移動部材が移動したとしても、ばね部材からドライブベースに対して前方へ向く付勢力を与えやすくなる。
【0012】
例えば、本発明は、前記切換え機構は、筐体の左右両側部に、前記ドライブベースを拘束する切換え部材が設けられ、前記ドライブベースの前方に両側の切換え部材を同期して移動させる連結部材が設けられており、この連結部材が前記移動部材である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の車載用ディスク装置では、挿入口を有する前部が上に向くように斜めの姿勢で設置されたとしても、ドライブユニットの姿勢を適正に維持できる。また、ばね部材で切換え機構のがたつきを吸収でき、切換え機構のがたつき音の発生を防止できる。さらに、ばね部材を、ドライブユニットを前方へ引っ張る機能と切換え機構のがたつきを防止する機能の2つの機能に使用しているため、部品点数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ディスクの挿入を待機している拘束モードでの車載用ディスク装置を示す平面図、
【図2】拘束モードの車載用ディスク装置のドライブユニットを示す部分側面図、
【図3】ディスクを回転駆動している弾性支持モードでの車載用ディスク装置を示す平面図、
【図4】弾性支持モードの車載用ディスク装置のドライブユニットを示す部分側面図、
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1ないし図4において、X1側が右方向、X2側が左方向、Y1側が前方、Y2側が後方、Z1側が上方、Z2側が下方である。
【0016】
図1ないし図4に示すディスク装置は車載用であり、自動車の室内において、前方(Y1側)が上向きとなるように斜めの姿勢で設置されるものであり、DVD(デジタルバーサタイルディスク)やCD(コンパクトディスク)などの直径が12cmのディスクDが挿入口から挿入されて装填され、回転駆動されるものである。
【0017】
図1と図3に示すように、ディスク装置は筐体1を有している。筐体1は、金属板で形成されている。車載用のディスク装置は、筐体1の大きさが、例えば1DINサイズであり、筐体1は自動車の車室内のインストルメントパネルに埋設して設置される。
【0018】
筐体1は、そのY1側に前面板1aを有しており、前面板1aに挿入口が開口している。図示を省略するが、前面板1aの前方に、合成樹脂で形成された化粧ノーズが取り付けられており、この化粧ノーズの前面に各種操作部材や表示装置が設けられているとともに、ノーズ部挿入口が開口している。ディスクDは、ノーズ部挿入口と筐体1に開口する挿入口を経て、ディスクDが筐体1の内部に向けて挿入される。
【0019】
筐体1の内部に、図1と図3に示すドライブユニット10が収納されている。図2と図4に示すように、ドライブユニット10は底部側にドライブベース11を有し、上部側にクランプベース12を有している。ドライブベース11とクランプベース12は共に金属板を折り曲げて形成されている。ドライブベース11には、Y2側においてX1方向とX2方向へ延びる連結軸13,13が設けられ、クランプベース12のY2側の端部が連結軸13,13に回動自在に支持されている。
【0020】
図1と図3に示すように、筐体1の右側板1bの内側にはダンパー15aが固定され、筐体1の左側板1cの内側にはダンパー15bが固定され、筐体1の底板1dにはダンパー15cが設けられている。これらダンパー15a,15b,15cは、弾性体の袋の内部にオイルが封入されている。ドライブベース11に固定された支持軸がそれぞれのダンパー15a,15b,15cに支持されている。図1と図2に示すように、ディスクDの挿入を待機しているときは、ドライブユニット10が拘束された拘束モードである。ディスクDがドライブユニット10に装填されると、図3と図4に示すように、拘束モードが解除されて弾性支持モードとなり、ドライブベース11はダンパー15a,15b,15cで弾性支持された状態となる。弾性支持状態のドライブベース11でディスクDが回転駆動される。
【0021】
ドライブベース11には回転駆動部20が設けられている。回転駆動部20は、ドライブベース11の上に固定されたスピンドルモータと、スピンドルモータの回転軸に固定された合成樹脂製のターンテーブル23を有している。
【0022】
クランプベース12には、合成樹脂製のクランパ27が回動自在に支持されているとともに、クランパ27の回転軸を下方(Z2方向)へ押圧する板ばね26が設けられている。
【0023】
ドライブベース11のY2側の端部にはX1方向へ突出する突出片11aが一体に形成され、この突出片11aに、トーションコイルばね17が取り付けられている。トーションコイルばね17の一方の腕部は、ドライブベース11に掛けられ、他方の腕部がクランプベース12に掛けられて、クランプベース12は、連結軸13,13を支点として、反時計方向へ常に付勢されている。すなわち、クランプベース12は、クランパ27がターンテーブル23に押圧されるように常に回動付勢されている。
【0024】
図2と図4に示すように、ドライブベース11のY1側とY2側には右方向(X1側)に突出する拘束片11bと拘束片11cが一体に設けられている。また、ドライブベース11の前端には、前方(Y1)側に突出するばね掛け部11dが一体に形成されている。
【0025】
図1と図3に示すように、筐体1の右側板1bの内側に右側切換え部材30aが設けられ、筐体1の左側板1cの内側に左側切換え部材30bが設けられている。図2と図4に示すように、右側切換え部材30aには、前後方向(Y1−Y2方向)に延びる案内長穴31が2箇所に形成されている(図では片方の案内長穴31のみが示されている)。筐体1の右側板1bの内側に案内軸(図示せず)が固定され、案内長穴31が案内軸を摺動することで、右側切換え部材30aが右側板1bの内側でY1−Y2方向へ往復移動可能である。同様に、左側切換え部材30bも、筐体1の左側板1cの内側でY1−Y2方向へ往復移動可能に支持されている。
【0026】
図1と図3に示すように、筐体1の後方の左側板1cの内側にモータMが固定されている。このモータMの動力は、その出力軸に固定されたウォーム歯車M1から動力伝達部Hに伝達される。
【0027】
図1と図3に示すように、筐体1の後側板1eの内側には、検知レバー14が回転自在に設けられている。検知レバー14は、筐体1の天井板の内側に回転自在に支持されている。挿入口から挿入されたディスクDが搬送ローラ41の回転力でY2方向へ回転搬送されて、ディスクDの中心部がターンテーブル23の回転中心に一致すると、ディスクDの外周縁で検知レバー14がY2方向へ押される。このとき、モータMの出力軸に設けられたウォーム歯車M1の回転力を切換える切換え機構が動作し、ウォーム歯車M1の動力が動力伝達部Hに与えられる。
【0028】
動力伝達部Hを構成する歯車群などは、筐体1の底板1d上に回転自在に支持されている。ウォーム歯車M1の動力は中間歯車43から扇形歯車44に伝達され、扇形歯車44がa1方向へ回転し、扇形歯車44に固定された駆動ピン44aの回転力が、左側切換え部材30bに形成された伝達穴37aに与えられて、左側切換え部材30bがY1方向へ移動させられる。
【0029】
また、扇形歯車44のa1方向の回転力は、連結駆動ピン44bから連結部材46に設けられた連結穴46aに与えられる。連結部材46は、ドライブユニット10よりも前方において、筐体1の底板1dに左右方向(X1−X2方向)へ移動自在に支持されている。扇形歯車44の回転力で連結部材46がX1方向へ移動させられると、連結部材46の右側の駆動穴46bによって反転ピン47aがX1方向へ押される。反転ピン47aは、底板1dに回転自在に支持された反転部材47に固定されており、連結部材46のX1方向への移動力によって反転部材47がb1方向へ回転させられる。反転部材47には連結ピン47bが固定され、この連結ピン47bが、右側切換え部材30aに形成された連結駆動穴37bに伝達されて、右側切換え部材30aがY1方向へ移動させられる。
【0030】
すなわち、図1と図2に示す待機状態からディスクDが搬入され、ディスクDの中心穴がターンテーブル23の中心部に一致すると、検知レバー14が回動させられて、ディスクDの装填完了が検知される。そして、モータMの動力によって、左側切換え部材30bと右側切換え部材30aが同期して一緒にY1方向へ移動させられる。
【0031】
この実施の形態では、モータMと動力伝達部H、左側切換え部材30b、右側切換え部材30a、連結部材46および反転部材47によって、切換え機構が構成されている。また、これら切換え機構を構成している前記各部材は、筐体1の内側に支持されており、ドライブユニット10に搭載されていない。また、搬送ローラ41は、動力伝達部Hとは別の経路に設けられた動力伝達機構を介してモータMの駆動力によって駆動される。
【0032】
連結部材46は移動部材として機能するが、この連結部材46には上方(Z1側)に折り曲げられたばね掛け部46cが一体に形成されており、このばね掛け部46cとドライブベース11に形成されているばね掛け部11dとの間に、ばね部材として引張りコイルばね100が掛けられている。
【0033】
図2と図4には、右側切換え部材30aが示されているが、右側切換え部材30aと左側切換え部材30bは同じ機能を発揮するものであり、左側切換え部材30bの形状および構造は右側切換え部材30aと同じである。
【0034】
図2と図4に示すように、右側切換え部材30aに拘束カム部33が設けられている。この拘束カム部33は、前後方向に延びる拘束長穴33aと、拘束長穴33aのY2側に連続する大きな直径の逃げ穴部33bとを有している。拘束カム部33よりも後方には、前後方向に延びる拘束溝34aが形成されている。拘束溝34aの後方は開放部34bとなっている。
【0035】
図1と図2に示すように、ディスクDの挿入を待機しているときは、右側切換え部材30aがY2方向へ移動し、ドライブベース11の拘束片11bが拘束長穴33aに保持され、拘束片11cが拘束溝34aに保持される。このとき、ドライブベース11は、筐体1の内側において動くことなく保持された拘束モードに設定されている。拘束モードでは、挿入口から搬入されたディスクDが、ターンテーブル23と、ターンテーブル23から離れているクランパ27との間の隙間内に移動しやすくなる。図1と図2では、同様にして左側切換え部材30bによってもドライブベース11が拘束されている。
【0036】
図2に示すように、拘束モードでは、右側切換え部材30aの上部に形成されているクランプ制御部35によって、クランプベース12と一体の押し上げ部16が持ち上げられ、クランパ27がターンテーブル23から上方へ離れており、ターンテーブル23とクランパ27との間に、ディスクDを搬入することが可能となっている。
【0037】
搬送ローラ41で搬送されたディスクDの中心部がターンテーブル23の中心部に一致し、ディスクDの外周縁で検知レバー14が押され、動力伝達部Hを伝達した動力によって、右側切換え部材30aがY1方向へ移動させられると、クランプ制御部35が押し上げ部16から外れ、クランプベース12がトーションコイルばね17の弾性力で反時計方向へ回動させられ、ターンテーブル23とクランパ27とでディスクDの中心部がクランプされる。
【0038】
また、右側切換え部材30aに設けられた拘束長穴33aがドライブベース11の拘束片11bから外れ、拘束片11bが逃げ穴部33bに移動する。また、右側切換え部材30aに設けられた拘束溝34aがドライブベース11の拘束片11cから外れ、拘束片11cが開放部34bに移動する。よって、ドライブベース11は、右側切換え部材30aの拘束から外れ、同様に、左側切換え部材30bの拘束からも外れて、ドライブベース11は筐体1の内部でダンパー15a,15b,15cによって弾性支持された弾性支持モードに設定される。
【0039】
ターンテーブル23にクランプされたディスクDが回転駆動される間に、外部振動がダンパー15a,15b,15cの振動として吸収されやすくなり、ドライブユニット10に直接に影響を及ぼすことが防止される。
【0040】
図1と図3に示すように、ドライブベース11の前端のばね掛け部11dと、切換え機構を構成する連結部材46に設けられたばね掛け部46cとの間には、引張りコイルばね100が掛けられているが、この引張りコイルばね100は、図1に示す拘束モードと、図3に示す弾性支持モードの両方のモードにおいて、ばね自由長よりも長く設定されて、ドライブベース11に対して引張り付勢力が与えられている。そのため、図1に示す拘束モードと、図3に示す弾性支持モードの双方において、連結部材46に弾性力が作用しており、連結部材46にがたつきを生じることを防止できる。
【0041】
特に、図1に示すように、装置が停止し、ディスクDの挿入を待機しているときは、ばね掛け部11dとばね掛け部46cを結ぶ作用線Fが、ディスクDの挿入方向に向く中心線Oに対して斜めの向きとなるため、引張りコイルばね100の引張り付勢力のうち、連結部材46をX1方向へ付勢する分力が大きくなる。連結部材46に作用するX1方向への付勢力の分力が大きくなると、連結部材46の扇形歯車44との連結部のがたつきや、連結部材46と反転部材47との連結部のがたつきが吸収され、ディスク装置が停止しているときに、車体振動が作用しても機構のがたつき音を低減できる。
【0042】
図3に示すように、ドライブユニット10にディスクDが装填され、弾性支持モードになると、作用線Fと中心線Oとの成す角度が小さくなり、作用線と中心線Oとがほぼ平行になる。このとき、ドライブベース11はダンパー15a,15b,15cによる弾性支持状態にあるが、ドライブベース11には、引張りコイルばね100によって、Y1方向へ向く引張り力が作用している。そのため、筐体1の前面板1aが上に向く斜めの姿勢で設置されていても、引張りコイルばね100が重力の作用方向と対抗する向きに作用するようになり、斜め姿勢で弾性支持されたドライブユニット10が後方(Y方向)へずれることを防止できるようになる。
【0043】
そのため、外部振動によってドライブユニット10が筐体1の内部で動いたとしても、ディスクDやドライブユニット10が、筐体1の後側板1eに当たりにくくなる。
【符号の説明】
【0044】
11 ドライブベース
11b,11c 拘束片
11d ばね掛け部
12 クランプベース
15a,15b,15c ダンパー
20 回転駆動部
23 ターンテーブル
27 クランパ
30a 右側切換え部材
30b 左側切換え部材
33a 拘束長穴
34a 拘束溝
41 搬送ローラ
46 連結部材
46c ばね掛け部
100 引張りコイルばね(ばね部材)
M モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に、ドライブベースがダンパーを介して支持されており、前記ドライブベースに、ターンテーブルと前記ターンテーブルを回転させるスピンドルモータが搭載され、前記筐体の前方に形成された挿入口から挿入されたディスクが、前記ターンテーブル上に搬送されてクランプされる車載用ディスク装置において、
前記筐体に、前記ドライブベースを拘束する拘束モードと、前記拘束モードを解除して前記ドライブベースを前記ダンパーで支持する弾性支持モードとに切換える切換え機構が設けられており、
前記切換え機構を構成する移動部材と前記ドライブベースとの間にばね部材が設けられ、前記切換え機構が前記弾性支持モードに切換えられたときに、前記ばね部材によって前記ドライブベースに対して前方への引っ張り力が与えられ、且つ前記ばね部材の付勢力によって、前記移動部材の移動のがたつきが防止されることを特徴とする車載用ディスク装置。
【請求項2】
前記ドライブベースと前記ばね部材の連結部と、前記移動部材と前記ばね部材の連結部を結ぶ線を作用線とし、ディスクの挿入方向に延びる線を中心線としたときに、前記作用線と前記中心線との成す角度は、前記切換え機構が前記拘束モードのときよりも前記弾性支持モードのときの方が小さくなる請求項1記載の車載用ディスク装置。
【請求項3】
前記切換え機構は、筐体の左右両側部に、前記ドライブベースを拘束する切換え部材が設けられ、前記ドライブベースの前方に両側の切換え部材を同期して移動させる連結部材が設けられており、この連結部材が前記移動部材である請求項1または2記載の車載用ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−218593(P2010−218593A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−60837(P2009−60837)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】