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車載用ナビゲーション装置及びナビゲーション方法
説明

車載用ナビゲーション装置及びナビゲーション方法

【課題】必要最小限の情報に基づき、高架道路とそれに並走する高架下道路のいずれを走行中であるのかを正確に判定することのできる車載用ナビゲーション装置及びナビゲーション方法を提供する。
【解決手段】高架道路とそれに並走する高架下道路のいずれか一方を車両が走行する際、衛星電波受信手段14により受信したアルマナックデータに基づき、衛星電波を受信可能な人工衛星を判別するとともにその位置情報を取得し、走行方向検出手段17により検出した車両の走行方向に対して、車両の走行方向の一方の側にある衛星電波を受信可能な人工衛星からの衛星電波の受信レベルが所定レベル以下であれば、高架下道路を走行しているものと判定し、所定レベルよりも大きいときには、高架道路を走行しているものと判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用ナビゲーション装置及びナビゲーション方法に関し、特に、車両が高架道路とそれに並走する高架下道路のいずれの道路を走行中か判定して案内する車載用ナビゲーション装置及びナビゲーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System)に代表される全世界航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite Systems)を利用し、車両の現在位置を検出してドライバに走行路を案内する車載用ナビゲーション装置が知られている。
【0003】
この場合、人工衛星の配置のずれ、電離層や対流圏による電波の遅延、原子時計の誤差等に起因して、検出した車両の現在位置には10m程度の誤差が発生する。この誤差を補正することなく、ディスプレイの地図上に現在位置をそのまま表示しようとすると、道路のない場所等、不適切な位置に車両の現在位置が表示され、ユーザに違和感を与えてしまうおそれがある。このような不具合を回避するため、道路形状、車両の走行履歴等を参照して走行路を推定し、推定した走行路上に車両の現在位置を表示するマップマッチング技術が開発されている。
【0004】
しかしながら、例えば、首都圏のように、高速道路の下や高速道路脇に一般道路が並走している場合、高速道路を走行しているにも関わらず一般道路を走行路として推定し、あるいは、逆の推定を行ってしまうことがある。そこで、このような誤った走行路を推定しないようにする技術が種々提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1(特開2001−289653号公報)には、一般道路と有料道路とが並走している場所や、駐車場等の道路外を車両が走行している場合に、DSRC通信(専用狭域通信)によるETC料金収受の情報を利用して、車両の現在位置を高精度に算出するようにした現在位置算出装置が開示されている。
【0006】
また、特許文献2(特開2005−233779号公報)には、高架道路と上下に並走する道路を走行する場合において、道路地図データからY字分岐路を検出したとき、走行方向に対して左右の天空域のGPS衛星からの受信電波の受信感度の変化に基づいて、車両がY字分岐路でいずれの側の分岐路を走行しているかを判定するようにしたカーナビゲーションシステムと自車位置判定方法が開示されている。すなわち、車両がY字分岐路を通過して高架道路の下を並走する高架下道路を走行した場合、左右の一方のGPS衛星からの受信電波の受信感度が低下するため、低下した方と反対側の高架下道路を走行しているものと判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−289653号公報(段落[0039]、[0040])
【特許文献2】特開2005−233779号公報([請求項1]、[請求項2])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1の場合、車両の現在位置を高精度に算出するためには、ETC料金収受の情報を受信できることが条件である。従って、この情報を受信できない場所では、現在位置を高精度に推定することができない。
【0009】
また、特許文献2の場合、Y字分岐路の検出を条件としているため、分岐路データを取得できないときは、それまでの走行路が正しいものとしてマップマッチングを行うことになるため、結果的に誤った走行路を案内してしまうおそれがある。
【0010】
さらに、特許文献2では、例えば、走行方向の左側に高層ビル等、高架道路以外の構造物が存在する場合、左右の天空域のGPS衛星からの受信電波の受信感度の変化だけから走行路を判定しようとすると、高架下道路を走行しているものと誤判定してしまうおそれがある。
【0011】
本発明は、上記の問題点を解消することを課題とするものであり、必要最小限の情報に基づき、高架道路とそれに並走する高架下道路のいずれを走行中であるのかを正確に判定することのできる車載用ナビゲーション装置及びナビゲーション方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、複数の人工衛星からの衛星電波を受信する受信機と、前記衛星電波から得られる前記各人工衛星の位置情報及び時刻情報に基づき、前記受信機を搭載した車両の現在位置を算出する算出手段と、算出した前記現在位置と地図情報に基づき、前記車両の走行路を案内する案内手段とを備えた車載用ナビゲーション装置において、前記各人工衛星の位置情報と前記車両の現在位置とから、前記受信機により衛星電波を受信可能な人工衛星を判別する衛星判別手段と、前記車両の走行方向を検出する走行方向検出手段と、前記受信機により受信される衛星電波の受信レベルを検出する受信レベル検出手段と、前記車両の前記走行方向の一方の側であって、前記衛星電波を受信可能と判別された人工衛星からの衛星電波の受信レベルが所定レベル以下であるか否かを判定する受信レベル判定手段と、前記受信レベル判定手段による判定結果に基づき、前記車両が高架道路を走行中なのか、あるいは、高架下道路を走行中なのかを判定する走行路判定手段と、を備え、前記案内手段は、前記走行路判定手段による判定結果に基づいて前記車両の走行路を案内することを特徴とする。
【0013】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置において、前記走行方向検出手段は、前回算出された前記車両の現在位置と、今回算出された前記車両の現在位置とから求めた方位角より前記走行方向を検出することを特徴とする。
【0014】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の車載用ナビゲーション装置において、前記走行路判定手段は、前記受信レベル判定手段により前記車両の前記走行方向の一方の側であって、前記衛星電波を受信可能と判別された人工衛星からの衛星電波の受信レベルが所定レベル以下であると判別されたとき、前記車両が高架下道路を走行中であると判定することを特徴とする。
【0015】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の車載用ナビゲーション装置において、前記案内手段は、前記走行路判定手段の判定結果と前記算出された現在位置と前記地図情報とに基づき、マップマッチングにより前記車両の前記走行路を案内することを特徴とする。
【0016】
請求項5に係る発明は、複数の人工衛星からの衛星電波を受信し、前記衛星電波から得られる前記各人工衛星の位置情報及び時刻情報に基づいて車両の現在位置を算出し、算出した前記現在位置と地図情報に基づいて前記車両の前記走行路を案内するナビゲーション方法において、前記各人工衛星の位置情報と前記車両の現在位置とから、前記衛星電波を受信可能な人工衛星を判別するステップと、前記車両の走行方向を検出するステップと、前記衛星電波を受信可能と判別された前記人工衛星からの衛星電波の受信レベルを検出するステップと、前記車両の走行方向の一方の側であって、前記衛星電波を受信可能と判別された人工衛星からの衛星電波の受信レベルが所定レベル以下であるか否かを判定するステップと、前記受信レベルの判定結果に基づき、前記車両が高架道路を走行中なのか、あるいは、高架下道路を走行中なのかを判定するステップと、前記判定の結果に基づいて前記車両の前記走行路を案内するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明においては、この場合、走行路の判定に際して、車両の走行方向の一方の側の衛星から送信される衛星電波の受信状態に限定することにより、例えば、車両左側通行の地域において、走行方向左側に道路以外の高層ビル等の構造物が存在する場合であっても、その構造物を高架道路と誤検出してしまうおそれはない。従って、必要最小限の情報に基づき、高架道路とそれに並走する高架下道路のいずれを走行中であるのかを正確に判定することができる。
【0018】
請求項2に係る発明においては、請求項1に係る発明において、前記走行方向検出手段は、前回算出された前記車両の前記現在位置と、今回算出された前記車両の前記現在位置とから求めた方位角を前記走行方向として検出する。
【0019】
請求項3に係る発明においては、請求項1または2に係る発明において、前記走行路判定手段は、前記受信レベル判定手段により前記車両の前記走行方向の一方の側であって、前記衛星電波を受信可能と判別された人工衛星からの衛星電波の受信レベルが所定レベル以下であると判別されたとき、前記車両が高架下道路を走行中であると判定する。
【0020】
走行方向の一方の側にある人工衛星からの衛星電波は、高架道路によって遮断されるため、車両が高架下道路を走行中であると判定することができる。
【0021】
請求項4に係る発明においては、請求項1乃至3の何れか1項に係る発明において、前記案内手段は、前記走行路判定手段の判定結果と前記算出された現在位置と前記地図情報とに基づき、マップマッチングにより前記車両の前記走行路を案内する。
【0022】
マップマッチングを行う際、走行路判定手段により走行路が正確に判定されているため、車両の現在位置を間違えなく案内することができる。
【0023】
請求項5に係る発明においては、この場合、走行路の判定に際して、車両の走行方向の一方の側の衛星から送信される衛星電波の受信状態に限定することにより、例えば、車両左側通行の地域において、走行方向左側に道路以外の高層ビル等の構造物が存在する場合できあっても、その構造物を高架道路と誤検出してしまうおそれはない。従って、必要最小限の情報に基づき、高架道路とそれに並走する高架下道路のいずれを走行中であるのかを正確に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施例に係る車載用ナビゲーション装置の構成ブロック図である。
【図2】本発明の実施例に係る車載用ナビゲーション装置の処理フローチャートである。
【図3】高架道路に並走する高架下道路を走行する車両と人工衛星との位置関係の説明図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】人工衛星の方位角の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術的思想を具体化するための車載用ナビゲーション装置及びナビゲーション方法を例示するものであって、本発明をこの車載用ナビゲーション装置及びナビゲーション方法に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施例の車載用ナビゲーション装置及びナビゲーション方法にも等しく適応し得るものである。
【実施例】
【0026】
図1は、本発明の実施例に係る車載用ナビゲーション装置の構成ブロック図である。なお、以下の説明では、車両が左側通行の地域を走行するものとする。
【0027】
制御手段10は、CPU11、ROM12、RAM13からなるプロセッサで構成され、ROM12、RAM13に記録された制御プログラムに従って車載用ナビゲーション装置の各部の動作を制御するものである。
【0028】
衛星電波受信手段14は、地球上空を周回している複数の人工衛星から、各人工衛星の位置情報及び時刻情報を含む衛星電波を受信する受信機で構成される。衛星電波には、アルマナックデータ及びエフェメリスデータの2種類のデータが含まれる。アルマナックデータは、全人工衛星の軌道情報及び衛星時計の補正情報を含み、エフェメリスデータは、各人工衛星の詳細な位置情報及び衛星電波を発射した時刻情報を含む。
【0029】
現在位置算出手段15は、衛星電波受信手段14により受信されたアルマナックデータ及びエフェメリスデータに基づき、緯度情報及び経度情報からなる車両の現在位置を算出する。なお、算出された車両の現在位置には、衛星電波の伝達速度の変動、人工衛星の配置のずれ、マルチパス等に起因する誤差が含まれている。
【0030】
衛星判別手段16は、衛星電波受信手段14により受信されたアルマナックデータに基づいて、各人工衛星の位置情報を推定し、推定した各人工衛星の位置情報と、現在位置算出手段15により算出された車両の現在位置とから、衛星電波受信手段14が衛星電波を受信可能な人工衛星を判別する。なお、衛星電波を受信可能な人工衛星は、例えば、水平方向から見た人工衛星の仰角が20°〜90°の範囲内にある人工衛星とする。
【0031】
走行方向検出手段17は、北を0°として反時計方向を+とする車両の走行方向を検出するものであり、例えば、前回検出された車両の現在位置と、今回検出された車両の現在位置とから求めた方位角を走行方向として検出することができる。また、車両にジャイロセンサを搭載し、その出力から直接に走行方向を検出するようにしてもよい。
【0032】
受信レベル検出手段18は、衛星判別手段16によって受信可能と判別された人工衛星から送信された衛星電波の受信レベルを検出する。
【0033】
受信レベル判定手段19は、走行方向検出手段17により検出された車両の走行方向と、衛星判別手段16により受信可能と判別された人工衛星の位置情報と、受信レベル検出手段18により検出された衛星電波の受信レベルとから、車両の走行方向の右側に配置される人工衛星からの衛星電波の受信レベルが所定レベル以下であるか否かを判定する。
【0034】
走行路判定手段20は、受信レベル判定手段19による判定結果において、衛星電波の受信レベルが所定レベルよりも大きいとき、車両が少なくとも高架道路に並走する高架下道路を走行中でないと判定し、衛星電波の受信レベルが所定レベル以下のとき、車両が高架下道路を走行中であると判定する。なお、本願でいう高架下道路とは、高架道路の直下に設置された道路、高速道路脇に設置された側道など、高架道路に極近距離で並走する道路を総称するものである。
【0035】
入力手段21は、車両のドライバ等によって操作される各種キー、スイッチ、タッチパネル等から構成されるものであり、例えば、車載用ナビゲーション装置を用いて目的地までの経路案内を行う場合、出発地、目的地、経由地等を入力するためのものである。
【0036】
地図記憶手段22は、車両の走行路や目的地までの案内経路、目的地までの走行距離、走行時間を示すための地図情報を記憶する。具体的には、道路の分岐地点等の結節点をノードとする道路ノードデータと、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとした道路リンクデータとを含む地図情報を記憶する。道路ノードデータには、道路ノード番号、位置座標、接続リンク本数、分岐地点名称等が含まれる他、分岐地点から所定距離だけ離れた案内地点において、右左折、直進等の経路案内を行う経路案内データ及び案内地点の位置座標が記憶される。
【0037】
また、道路リンクデータには、始点及び終点となる道路ノード番号、道路種別、ノード間の距離情報であるリンク長(リンクコスト)、所要時間、車線数、車道幅などが含まれる。道路リンクデータには、さらに、リンク属性として橋、トンネル、踏切、料金所等のデータが付与される。道路種別とは、高架道路と高架下道路との別、高速道路や有料道路の別、国道や都道府県道等の別を含む情報である。
【0038】
さらに、地図記憶手段22には、海岸線、湖沼、河川形状などの水系データ、行政境界データ、駐車場をはじめとする施設位置、施設形状、施設名称を含む施設データからなる背景データが記憶されている。
【0039】
経路探索手段23は、ユーザが入力手段21を用いて目的地を入力すると、地図記憶手段22に記憶されている地図情報を参照し、現在位置又はドライバによって指定された出発地から目的地に至る最適な案内経路を探索するものである。
【0040】
案内経路の探索は、現在位置又は出発地に対応する道路ノードから目的地に対応する道路ノードまでに至るリンクとノードをダイクストラ法等の各種の手法によって探索し、リンク長(リンクコスト)や所要時間等を累積し、総リンク長(走行距離)又は総所要時間等が最短となる経路を案内経路とし、当該経路に属する道路ノードやリンクを案内経路データとして提供するものである。
【0041】
表示手段24は、地図画像や案内経路画像、車両の現在位置を示すマーク等を表示してユーザが視認できるようにするためのものであり、液晶ディスプレイなどで構成される。なお、この表示手段24は、タッチセンサを備えた入力手段21として機能させてもよい。この場合、ディスプレイ上に表示されたアイコンをユーザが触れることで選択入力が行われる。
【0042】
本実施例の車載用ナビゲーション装置は、基本的には以上のように構成される。次に、その動作について説明する。
【0043】
先ず、車載用ナビゲーション装置による経路案内について簡単に説明する。ユーザは、入力手段21を用いて目的地を入力する。経路探索手段23は、地図記憶手段22から読み出した地図情報と、衛星電波受信手段14により受信された衛星電波に基づいて現在位置算出手段15により算出された車両の現在位置と、入力された目的地とを用いて、最適な案内経路を探索する。表示手段24は、探索された案内経路を表示するとともに、地図上に車両の現在位置を表示する。ドライバは、表示された案内経路に従い、目的地までの走行を開始する。
【0044】
次に、図2のフローチャートに従い、表示手段24に車両の現在位置を表示させ、現在の走行路を案内する場合の処理について詳細に説明する。
【0045】
先ず、車両に搭載されている衛星電波受信手段14は、複数の人工衛星から衛星電波を受信する(ステップS101)。この衛星電波は、基本的には、地球上空を周回している全人工衛星の軌道情報を含むアルマナックデータと、各人工衛星の詳細な位置情報及び衛星電波を発射した時刻情報を含むエフェメリスデータとからなる。
【0046】
現在位置算出手段15は、エフェメリスデータに含まれる衛星電波を発射した時刻情報と、車載用ナビゲーション装置が持つ時計の時刻情報とに基づき、人工衛星から衛星電波が車両に到達するまでの時間を算出し、この時間に光の速度を掛けることで、人工衛星と車両との間の距離を算出する。そして、3基以上の人工衛星と車両との間の距離から、三角交差法により車両の現在位置(緯度情報及び経度情報)を算出する(ステップS102)。
【0047】
次に、制御手段10は、算出された車両の現在位置を含む地図情報を地図記憶手段22より取得し(ステップS103)、地図情報に含まれる道路種別の情報に基づき、車両が現在走行している道路が、高速道路のような高架道路と高架下道路とが並走している道路であるか否かを判定する(ステップS104)。車両が高架道路と高架下道路とが並走する道路を走行していない場合(ステップS104でNの場合)、現在位置に従った走行路を確定してステップS101からの処理を繰り返し、衛星電波を受信して車両の現在位置を算出する処理を継続する。
【0048】
車両が高架道路と高架下道路とが並走する道路を走行している場合(ステップS104でYの場合)、地図情報に含まれる道路種別の情報に基づき、高架下道路間を高架道路が並走しているか否かを判定する(ステップS105)。車両が高架下道路間を高架道路が並走する道路を走行していない場合(ステップS105でNの場合)、現在位置に従った走行路を確定してステップS101からの処理を繰り返し、衛星電波を受信して車両の現在位置を算出する処理を継続する。
【0049】
一方、図3及び図4に示すように、高架道路25と高架下道路26a、26bとが並走している道路であって(ステップS104でYの場合)、高架下道路26a、26b間を高架道路25が並走している道路を車両27が走行している場合(ステップS105でYの場合)、車両27が高架道路25に接近して走行しているため、複数の人工衛星28a〜28dの中、車両27の走行方向に対して右側に位置する人工衛星28dからの衛星電波29が高架道路25によって遮られることになる。なお、図3及び図4では、説明の便宜上、4基の人工衛星28a〜28dの中、1基の人工衛星28dからの衛星電波29が高架道路25によって遮られるものとして説明しているが、衛星電波29を受信可能な人工衛星28a〜28cの数、及び、衛星電波29を受信できない人工衛星28d数は、これに限られるものではない。
【0050】
そこで、車両27が図3及び図4に示す道路を走行している場合、衛星判別手段16は、衛星電波29のアルマナックデータに含まれる全人工衛星の軌道情報と、車載用ナビゲーション装置が持つ時計の時刻情報と、現在位置算出手段15により算出された現在位置とに基づき、現在位置における全人工衛星の位置情報(仰角及び方位角)を算出する(ステップS106)。なお、算出された人工衛星の位置情報は、軌道情報に基づくものであり、衛星電波29を受信できないものを含む推定情報である。次いで、衛星判別手段16は、算出した全人工衛星の位置情報と、ステップS102で算出した車両27の現在位置とから、衛星電波受信手段14が衛星電波29を受信可能な人工衛星を判別する(ステップS107)。この場合、衛星判別手段16は、水平方向を0°、天頂を90°として、車両27から見た人工衛星28a〜28dの仰角が20°〜90°の範囲にある人工衛星28a〜28dを、衛星電波29の受信可能な人工衛星として抽出する。車両27の周囲に障害物がない場合、衛星電波受信手段14は、抽出された全ての人工衛星28a〜28dから発射された衛星電波29を受信することができる。
【0051】
一方、走行方向検出手段17は、前回算出された車両27の現在位置と、今回算出された車両27の現在位置とから、車両27の走行方向30(図4参照)を検出する(ステップS108)。この場合、走行方向30は、例えば、図6に示すように、北(N)を0°とし反時計方向を+とした方位角として検出するものとする。なお、走行方向30は、車両27に搭載したジャイロセンサを用いて直接検出することもできる。
【0052】
受信レベル検出手段18は、衛星判別手段16により衛星電波29が受信可能と判別された人工衛星28a〜28dから送信される衛星電波29の受信レベルを検出する(ステップS109)。
【0053】
受信レベル判定手段19は、走行方向検出手段17により検出された車両27の走行方向30と、衛星判別手段16により受信可能と判別された人工衛星28a〜28dの方位角と、受信レベル検出手段18により検出された衛星電波29の受信レベルとから、車両27の走行方向30の右側の人工衛星であって、衛星電波29の受信レベルが所定レベル以下であるか否かを判定する(ステップS110)。なお、衛星電波29の受信レベルを判定する人工衛星28a〜28dを車両27の走行方向の右側に限定することにより、車両27の左側にある高層ビル等の構造物を高架道路25と誤検出する事態を回避することができる。また、ここで、例えば、図5に示すように、走行方向30が北に対して反時計方向に30°であった場合に、走行方向の右側の人工衛星とは、現在位置に対する人工衛星の方位角が20°〜−140°の間の人工衛星である。
【0054】
車両27の走行方向30の右側にあると判定された人工衛星28dからの衛星電波29の受信レベルが所定レベル以下であるとき(ステップS110でYの場合)、人工衛星28dからの衛星電波29は、高架道路25によって遮断され、あるいは、受信レベルが大きく低下しているため、走行路判定手段20は、車両27が高架道路25の左下の高架下道路26aを走行しているものと判定する。この判定結果に従い、制御手段10は、マップマッチング処理により車両27の現在位置を示すマークを高架下道路26a上に設定し(ステップS111)、その画像を表示手段24に表示する。
【0055】
一方、車両27の走行方向30の右側にあると判定された人工衛星28dからの衛星電波29の受信レベルが所定レベルよりも大きい場合(ステップS110でNの場合)、人工衛星28dからの衛星電波29が高架道路25によって遮られていないと推定されるため、走行路判定手段20は、車両27が高架道路25を走行しているものと判定する。この判定結果に従い、制御手段10は、マップマッチング処理により車両27の現在位置を示すマークを高架道路25上に設定し(ステップS112)、その画像を表示手段24に表示する。
【0056】
以上、詳細に説明したように、本実施例の車載用ナビゲーション装置及びナビゲーション方法によれば、左側通行の地域において、高架道路25と高架下道路26a、26bとが並走し、且つ、高架下道路26a、26b間を高架道路25が並走する場所を車両27が走行しているとき、車両27の走行方向30に対して右側に位置する人工衛星28a〜28dからの衛星電波の受信レベルに基づき、構造ビル等の構造物の影響を受けることなく、いずれの道路を車両27が走行しているのかを正確に判定することができる。
【0057】
なお、以上、説明した実施例においては、車両が左側通行である地域においては、高架道路が右側にあるため、車両の走行方向の右側にある衛星電波を受信可能な人工衛星からの衛星電波の受信レベルを判別するようにしたが、車両右側通行の地域においては、車両の走行方向の左側にある衛星電波を受信可能な人工衛星からの衛星電波の受信レベルを判別するように構成すればよい。また、高架道路と高架下道路との位置関係が左側通行や右側通行の原則と異なる位置関係にある場合には、それぞれの道路の位置関係と進行方向から、適切な側にある衛星電波を受信可能な人工衛星からの衛星電波の受信レベルを判別するように構成すればよい。
【符号の説明】
【0058】
10・・・制御手段
11・・・CPU
12・・・ROM
13・・・RAM
14・・・衛星電波受信手段
15・・・現在位置算出手段
16・・・衛星判別手段
17・・・走行方向検出手段
18・・・受信レベル検出手段
19・・・受信レベル判定手段
20・・・走行路判定手段
21・・・入力手段
22・・・地図記憶手段
23・・・経路探索手段
24・・・表示手段
25・・・高架道路
26a、26b・・・高架下道路
27・・・車両
28a〜28d・・・人工衛星
29・・・衛星電波
30・・・走行方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の人工衛星からの衛星電波を受信する受信機と、前記衛星電波から得られる前記各人工衛星の位置情報及び時刻情報に基づき、前記受信機を搭載した車両の現在位置を算出する算出手段と、算出した前記現在位置と地図情報に基づき、前記車両の走行路を案内する案内手段とを備えた車載用ナビゲーション装置において、
前記各人工衛星の位置情報と前記車両の現在位置とから、前記受信機により衛星電波を受信可能な人工衛星を判別する衛星判別手段と、
前記車両の走行方向を検出する走行方向検出手段と、
前記受信機により受信される衛星電波の受信レベルを検出する受信レベル検出手段と、
前記車両の前記走行方向の一方の側であって、前記衛星電波を受信可能と判別された人工衛星からの衛星電波の受信レベルが所定レベル以下であるか否かを判定する受信レベル判定手段と、
前記受信レベル判定手段による判定結果に基づき、前記車両が高架道路を走行中なのか、あるいは、高架下道路を走行中なのかを判定する走行路判定手段と、
を備え、前記案内手段は、前記走行路判定手段による判定結果に基づいて前記車両の走行路を案内することを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記走行方向検出手段は、前回算出された前記車両の現在位置と、今回算出された前記車両の現在位置とから求めた方位角より前記走行方向を検出することを特徴とする請求項1記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記走行路判定手段は、前記受信レベル判定手段により前記車両の前記走行方向の一方の側であって、前記衛星電波を受信可能と判別された人工衛星からの衛星電波の受信レベルが所定レベル以下であると判別されたとき、前記車両が高架下道路を走行中であると判定することを特徴とする請求項1または2に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記案内手段は、前記走行路判定手段の判定結果と前記算出された現在位置と前記地図情報とに基づき、マップマッチングにより前記車両の前記走行路を案内することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項5】
複数の人工衛星からの衛星電波を受信し、前記衛星電波から得られる前記各人工衛星の位置情報及び時刻情報に基づいて車両の現在位置を算出し、算出した前記現在位置と地図情報に基づいて前記車両の前記走行路を案内するナビゲーション方法において、
前記各人工衛星の位置情報と前記車両の現在位置とから、前記衛星電波を受信可能な人工衛星を判別するステップと、
前記車両の走行方向を検出するステップと、
前記衛星電波を受信可能と判別された前記人工衛星からの衛星電波の受信レベルを検出するステップと、
前記車両の走行方向の一方の側であって、前記衛星電波を受信可能と判別された人工衛星からの衛星電波の受信レベルが所定レベル以下であるか否かを判定するステップと、
前記受信レベルの判定結果に基づき、前記車両が高架道路を走行中なのか、あるいは、高架下道路を走行中なのかを判定するステップと、
前記判定の結果に基づいて前記車両の前記走行路を案内するステップと、
を含むことを特徴とするナビゲーション方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−95141(P2011−95141A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250270(P2009−250270)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】