説明

車載用ナビゲーション装置及びランドマーク表示方法

【課題】馴染みのない施設であってもその施設の名称及び種別を瞬時に判断可能とする機能を備えた「車載用ナビゲーション装置及びランドマーク表示方法」を提供すること。
【解決手段】車載用ナビゲーション装置は、表示手段と、自車位置検出手段と、施設のデータを含む地図データが格納された記憶手段と、国内全域を所定の単位で分割し、分割された各地域に存在する施設の数を施設毎に算出し、各地域間の施設の数の割合が所定の値より小さい施設のランドマークを検出して特定ランドマークとして記憶手段に格納する制御手段と、を有する。制御手段は、自車両の現在位置周辺の地図を表示手段の表示画面に表示するとともに、自車両の現在位置周辺に存在する特定ランドマークを記憶手段から抽出し、特定ランドマークに対応する施設のブランドを示すアイコンとジャンルを示すアイコンとの交互表示をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用ナビゲーション装置に係り、特に、施設等の案内表示の視認性を向上させるように適応された車載用ナビゲーション装置及びランドマーク表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の典型的な車載用ナビゲーション装置は、ナビゲーションに係る一切の処理を制御するCPU等の制御装置、地図データを予め記憶させたDVD(Digital Versatile Disk)−ROMやICメモリカード等の記憶装置、表示装置、GPS(Global Positioning System)受信機、ジャイロや車速センサ等の車両の現在位置及び現在方位を検出する検出装置等を有している。そして、制御装置により、車両の現在位置を含む地図データを記憶装置から読み出し、該地図データに基づいて車両位置の周囲の地図画像を表示装置の画面に表示すると共に、自車の現在位置を指示する車両位置マークを地図画像に重ね合わせて表示し、車両の移動に応じて地図画像をスクロール表示したり、地図画像を画面に固定し車両位置マークを移動させたりして、車両が現在どこを走行しているのかを一目で判るようにしている。
【0003】
また、車載用ナビゲーション装置には、通常、ユーザが目的地に向けて道路を間違うことなく容易に走行できるように案内する機能(経路案内機能)が搭載されている。この経路案内機能によれば、CPUにより、地図データを用いて出発地(典型的には自車の現在位置)から目的地までを結ぶ最適な経路を、横型探索法やダイクストラ法等のシミュレーション計算を行って探索し、その探索した経路を誘導経路として記憶しておき、走行中、地図画像上にその誘導経路を他の道路とは識別可能に(例えば、色を変えたり、線幅を太くして)表示したり、また、自車が案内経路上で進路を変更すべき交差点まで所定距離に近づいたときに地図画像上にその交差点の案内図(交差点拡大図、該交差点での進行方向を示す矢印、該交差点までの距離、交差点名など)を表示したりすることで、いずれの道路を走行すればよいか、また、交差点でどの方向に進んだらよいかをユーザが把握できるようになっている。
【0004】
このような経路案内機能に基づいて経路案内が行われているときに、自車位置周辺に存在する施設(ランドマーク)等も同時に表示されている。ランドマークが地図画面に表示されることにより、例えば走行中の経路沿いにコンビニエンスストアが存在することを認識でき、休憩場所等をユーザが決定する際に簡単に利用することができる。
【0005】
しかし、地図画面に表示されるランドマークは銀行やスーパー、ファミリーレストラン等の様々な種別(ジャンル)が存在し、その種別毎に店舗(ブランド)も多数存在している。これらのすべてのランドマークを地図画面上に表示させると、店舗の分布状況にも依存するが、多数のランドマークが存在するときには重なって表示されたりするため、視認性が悪くなり、ランドマークが表示されていても何のランドマークかを判別することが困難となってしまう。
【0006】
これに対して、ランドマークを見やすくするための技術が種々検討され、実用化されている。これに関連する技術として、特許文献1には、すべてのランドマークを表示する表示状態や、個別のジャンルのランドマークを表示する表示状態等の異なる表示状態を切り換えて表示する機能が記載されている。
【特許文献1】特開2007−33300号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、地図画面上に多数のランドマークを表示する際には、各ランドマークが識別可能なように表示され、ユーザにとって走行経路の周辺にどんな施設が存在するかを容易に知ることが可能となっている。特に、自宅から離れた場所や旅行途中の道路等のユーザに馴染みのない場所を走行しているときに、ランドマークを頼りに休憩などをとることができ、安心して走行することができる。
【0008】
しかし、ランドマークが見やすく表示されていても、表示されているランドマークが全国的に知られている施設を示すランドマークであれば一目で何の施設かが判定できるが、特定の地域の人には知られていても他の地域の人にはランドマークが何を示しているかが分からない場合がある。この場合、ランドマーク表示に注意をとられ、走行の安全性を損ねる危険性もある。
【0009】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑みなされたものであり、馴染みのない施設のランドマークであってもその施設の名称及び種別を瞬時に判断可能とする機能を備えた車載用ナビゲーション装置及びランドマーク表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した従来技術の課題を解決するため、本発明の基本形態によれば、表示手段と、自車両の現在位置を検出する自車位置検出手段と、施設のデータを含む地図データが格納された記憶手段と、国内全域を所定の単位で分割し、当該分割された各地域に存在する施設の数を施設毎に算出し、前記各地域間の施設の数の割合が所定の値より小さい施設のランドマークを検出して特定ランドマークとして前記記憶手段に格納する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記自車両の現在位置周辺の地図を前記表示手段の表示画面に表示するとともに、当該自車両の現在位置周辺に存在する前記特定ランドマークを前記記憶手段から抽出し、当該特定ランドマークに対応する施設のブランドを示すアイコンとジャンルを示すアイコンとの交互表示をすることを特徴とする車載用ナビゲーション装置が提供される。
【0011】
この形態に係る車載用ナビゲーション装置において、前記制御手段は、前記自車両の現在位置を中心とした所定の範囲内か、前記自車両の現在位置の前方の所定の範囲内か、又は目的地までの誘導経路の周辺の所定の範囲内のいずれかに含まれている前記特定ランドマークを前記記憶手段から抽出するようにしてもよく、前記制御手段は、前記特定ランドマークに対してすべて同時に前記交互表示をするか、又は所定の順番で前記交互表示をするようにしてもよく、前記制御手段は、前記特定ランドマークの前記ブランドを示すアイコンと前記ジャンルを示すアイコンとを、点滅させる態様か、一方をフェードアウトさせて他方をフェードインさせる態様か、又は一方をスライドインさせて他方をスライドアウトさせる態様のいずれかで交互に表示させるようにしてもよい。
【0012】
また、この形態に係る車載用ナビゲーション装置において、前記特定ランドマークの表示を車両が停車しているときに行うか、又は車両が低速走行しているときに行うようにしてもよい。
【0013】
本発明の車載用ナビゲーション装置によれば、全国的に周知ではない施設のランドマークを特定のランドマークとし、特定のランドマークを地図上に表示する際に、その施設の
種別である「ジャンル」を示すアイコンと施設の名称である「ブランド」を示すアイコンとを交互に表示している。地図上の表示対象とするランドマークは表示する範囲、表示する時期等の設定された条件によって表示される。また、「ジャンル」を示すアイコンと「ブランド」を示すアイコンとを交互に表示する方法は、両者を点滅させたり、一方のアイコンをフェードアウトさせた後に他方のアイコンをフェードインさせる操作を繰り返して表示したり、両者をスライドさせて連続的に表示するようにしている。これにより、ユーザにあまり馴染みのないランドマークであっても、どのようなジャンルの施設であるかを瞬時に把握することが可能となる。
【0014】
また、本発明の他の形態によれば、国内全域を所定の単位で分割し、当該分割された各地域に存在する施設の数を施設毎に算出し、前記各地域間の施設の数の割合が所定の値より小さい施設のランドマークを検出して特定ランドマークとして記憶手段に格納するステップと、前記特定ランドマークから表示対象とする特定ランドマークを選択するステップと、前記表示対象とする特定ランドマークを表示する範囲を決定するステップと、前記選択された表示対象とする特定ランドマークに対応する施設のブランドを示すアイコンとジャンルを示すアイコンとの交互表示をするステップと、を有することを特徴とするランドマーク表示方法が提供される。
【0015】
この形態に係るランドマーク表示方法において、前記表示対象とする特定ランドマークを表示する範囲は、自車両の現在位置を中心とした所定の範囲内か、前記自車両の現在位置の前方の所定の範囲内か、又は目的地までの誘導経路の周辺の所定の範囲内のいずれかであるようにしてもよい。
【0016】
また、この形態に係るランドマーク表示方法において、前記ブランドを示すアイコンとジャンルを示すアイコンとの交互表示をするステップの前に、前記特定ランドマークのすべてに対して同時に前記交互表示をするか、又は所定の順番で前記交互表示をするかを決定するステップを有するようにしてもよく、前記ブランドを示すアイコンとジャンルを示すアイコンとの交互表示をするステップの前に、前記特定ランドマークのブランドを示すアイコンとジャンルを示すアイコンとを、点滅させる態様か、一方をフェードアウトさせて他方をフェードインさせる態様か、又は一方をスライドインさせて他方をスライドアウトさせる態様かを決定するステップを有するようにしてもよい。
【0017】
本発明のランドマーク表示方法では、全国的に周知ではない施設を判別して、その施設のランドマークを特定ランドマークとし、特定ランドマークを地図上に表示する際には、特定ランドマークに対応する施設のジャンルを示すアイコンとブランドを示すアイコンとを交互に表示するようにしている。これにより、ユーザにとって馴染みのないランドマークであっても、そのランドマークに対応する施設のジャンルを瞬時に判断することが可能となる。
【0018】
また、特定ランドマークは、国内全域を所定の単位で分割した地域を求め、その各地域に存在する施設の数を施設毎に算出し、地域間の施設の数の割合が所定の値より小さい施設を検出することによって決定している。これにより、全国的に周知ではない施設のランドマークの選定を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0020】
(車載用ナビゲーション装置の構成)
図1は本発明の実施形態に係る車載用ナビゲーション装置100の構成を示すブロック図である。
【0021】
図中、1はDVD−ROMドライブであり、1aは地図データその他の案内データが記憶されている記憶媒体である。本実施形態では、このようなデータを記憶する記憶媒体としてDVD−ROM1aを使用しているが、ハードディスク又はその他の記憶媒体を使用してもよい。ここに格納されている地図は、1/12500、1/25000、1/50000、1/100000等の各縮尺レベルに応じて適当な大きさの経度幅及び緯度幅に区切られており、この地図に含まれる道路、建築物、施設その他の各種物件は、経度及び緯度で表現された点(ノード)の座標集合として記憶されている。地図データは、(1)道路リスト、ノードテーブル、交差点構成ノードリスト等からなる道路レイヤ、(2)地図画像上に道路、建築物、公園、河川等を表示するための背景レイヤ、(3)市町村名などの行政区画名、道路名、交差点名などを指示する文字や地図記号等を表示するための文字・記号レイヤなどから構成されている。
【0022】
また、DVD‐ROM1aには、マップマッチングで使用される道路の形状を表現した道路データが記憶されている。この道路データは道路の形状に応じてノード間の距離が異なるシェープノードとシェープノード間のリンクで構成されている。
【0023】
また、2はナビゲーション装置本体10を操作するための操作ボタン等が設けられた操作部である。本実施形態では、操作部2にリモコン送信機が含まれており、ユーザは手元のリモコン送信機でナビゲーション装置本体10を操作することもできる。
【0024】
また、3は複数のGPS衛星から送られてくるGPS信号を受信して車両の現在位置の経度、緯度、PDOP(Position DOP)値及びHDOP(Horizontal DOP)値等のGPSデータを生成して出力するGPS受信機を示す。4は自立航法センサを示す。この自立航法センサ4は、車両回転角度を検出するジャイロ等の角度センサと、一定の走行距離毎にパルスを発生する走行距離センサとにより構成されている。
【0025】
また、5は各種のサービスセンターと通信するための車載電話機等の通信機、6は電波ビーコン又は光ビーコンから送られてくるVICS(道路交通情報通信システム)情報を受信するVICS受信機を示す。これらのビーコンは路側に設置され、警察署、道路管理者及び統合センターに接続され、周辺の渋滞情報等を提供する。
【0026】
また、7は液晶パネル等の表示部であり、ナビゲーション装置本体10は、この表示部7に車両の現在位置の周囲の地図を表示したり、出発地から目的地までの誘導経路や車両マーク及びその他の案内情報を表示する。表示部7はその画面上にタッチパネルが設けられ、表示画面の表示内容と対になった各種のボタンが構成される。また、タッチパネルはこれら各種のボタンで示されるメニュー等を選択するための入力装置となる。8は音声によりユーザに案内情報を提供するためのスピーカーである。
【0027】
ナビゲーション装置本体10は以下のものから構成されている。11はDVD−ROMドライブ1を介してDVD−ROM1aから読み出された地図データを一時的に格納するバッファメモリを示す。
【0028】
12はマイクロコンピュータにより構成される制御部を示す。制御部12は、ナビゲーション用のプログラムを内蔵しており、このプログラムに従い、GPS受信機3から出力される信号や、自立航法センサ4から出力される信号に基づいて自車の現在位置を算出したり、表示させたい地図のデータを、DVD−ROMドライブ1を介してDVD−ROM1aからバッファメモリ11に読み出したり、バッファメモリ11に読み出された地図データを用いて設定された探索条件で出発地から目的地までの誘導径路を探索するなど、種々の処理を実行する。また、後述するように、ある地域には知られているものの全国的には周知ではない施設のランドマークを判別して記憶部17に記憶したり、このランドマークから地図画面に表示させるランドマークを選択し、種々の態様でランドマークを表示させる処理を行う。
【0029】
13はバッファメモリ11に読み出された地図データを用いて地図画像を生成する地図描画部、14は動作状況に応じた各種メニュー画面(操作画面)や車両位置マーク及びカーソル等の各種マークを生成する操作画面・マーク発生部である。
【0030】
15は制御部12で探索した誘導経路を記憶する誘導経路記憶部、16は誘導経路を描画する誘導経路描画部を示す。誘導経路記憶部15には、制御部12によって探索された誘導経路の全ノードが出発地から目的地まで記憶される。誘導経路描画部16は、地図を表示する際に、誘導経路記憶部15から誘導経路情報を読み出して、誘導経路を他の道路とは異なる色及び線幅で描画する。
【0031】
17はハードディスク等で構成される記憶部を示し、地図画像上に表示される施設のデータや、これらの施設のうち全国的に周知ではない施設の情報が格納されている。また、施設のランドマークを表示する際の表示態様等の表示条件も格納される。
【0032】
18は音声出力部を示し、制御部12からの信号に基づいて音声信号をスピーカー8に供給する。19は画像合成部を示し、地図描画部13で描画された地図画像に、操作画面・マーク発生部14で生成した各種マークや操作画面、誘導経路描画部16で描画した誘導経路などを重ね合わせて表示部7に表示させる。
【0033】
このように構成された車載用ナビゲーション装置100における、施設のランドマーク表示について、図2から図6を参照しながら説明する。図2から図5は、選択されたランドマークの表示を説明する図であり、図6は、表示されるランドマークのアイコンの態様について説明する図である。なお、図2〜図6において、施設Xの「ブランド」を示すアイコンをXa、施設Xの「ジャンル」を示すアイコンをXbと表記している。また、本実施形態では、「ブランド」とは、チェーン店の名称など、施設が所属する主体の名称のことであり、「ジャンル」とは、コンビニやファミレス等を示す施設の種別のことである。
【0034】
図2は、表示画面21に自車位置マークCM、自車位置周辺の地図、及び、地図の表示範囲内に含まれる施設のランドマークが表示されている。図2に表示されているランドマークは、全国的に周知な施設のランドマークと、全国的には周知ではないものの、特定の地域の人にはよく知られた施設を示すランドマークが含まれている。この全国的に周知でないランドマークを特定ランドマークと呼ぶ。図2において、アイコン27は、全国的に周知の施設のランドマークアイコンであり、ブランドを示すアイコン22a〜26a及びジャンルを示すアイコン22b〜26bは、全国的に周知ではない施設22〜26のランドマークアイコンを示している。このようなブランドを示すアイコンとジャンルを示すアイコンに関するデータは、予め施設毎に作成されて、記憶部17に格納されている。
【0035】
車載用ナビゲーション装置100の制御部12は、自車が走行中に、指定された縮尺の地図を画面に表示するとともに、これらのランドマークアイコンも地図上のそれぞれの場所を示す位置に表示するが、全国的に周知ではない施設のランドマークアイコンについては、その施設のジャンルを示すアイコンと、その施設のブランドを示すアイコンとを交互に表示するようにしている。図2(a)は、全国的に周知ではない施設に対して、そのブランドを示すアイコンを表示している状態であり、図2(b)は、ジャンルを示すアイコンを表示している状態である。例えば、図2において、施設22〜24は、ジャンルが「スーパー」であり、施設25,26は、ジャンルが「ファミレス」であることを示している。
【0036】
このように、ジャンルを示すアイコンとブランドを示すアイコンとを交互に表示することにより、全国的に周知ではない施設であっても、その施設がどのジャンルに属するものであるかがユーザにとって瞬時に判断することが可能となる。これにより、ユーザが慣れない場所を走行している場合であっても、表示されているランドマークの情報を容易に把握することができ、ランドマーク情報を有効に利用することが可能となる。
【0037】
なお、全国的に周知ではない施設は、全国を所定の地域に分割したとき、ランドマークの地域毎の分布状況を基にして決定される。所定の地域の分割単位は、例えば、都道府県のような行政区画単位や、都道府県をさらに細かくした地域等である。この分割された地域において、ある地域には存在せず、他の地域には存在するような施設があれば、その施設は全国的に周知ではないと判断している。また、施設毎に各地域に存在する数を検出し、地域間の施設の数の割合が所定の値より小さければ、その施設も全国的に周知ではないと判断している。例えば、ある地域には100件存在するが、別のある地域では数件しか存在しないような施設も周知ではないと判断する。
【0038】
次に、図3から図6を参照しながら、施設のジャンルを示すアイコン(ジャンルアイコン)とブランドを示すアイコン(ブランドアイコン)との交互表示について、詳細に説明する。
【0039】
図2では、地図上に表示されるランドマークの数が6つの場合であったが、実際には地図に表示されるランドマーク数が多く、すべてが表示されると見づらくなるおそれもある。そこで、特定ランドマークの表示条件を予め決定する。
【0040】
特定ランドマークの表示条件としては、(1)画面上のどの範囲の特定ランドマークを表示するか、(2)特定ランドマークの表示の順序をどのようにするか、(3)特定ランドマークの表示態様をどのようにするか、さらに(4)特定ランドマークをいつの時点で表示するか、の4種類の条件が考慮される。
【0041】
まず、画面上のどの範囲の特定ランドマークを表示するかについて説明する。
【0042】
図3は、自車位置CMを中心とした所定の範囲内(自車位置周辺)に存在する特定ランドマークだけを表示した例を示している。図3では、特定ランドマークとして、施設22及び施設24が表示され、周知な施設27も表示されている状態である。この場合も図2と同様に、図3(a)と図3(b)とが所定の時間毎に交互に表示される。これにより、自車位置から遠い位置にあるランドマークの表示を制限し、自車位置に近い施設に注意を集中でき、しかも施設のジャンルが瞬時に判断できることになる。
【0043】
図4は、自車位置の前方に存在する特定ランドマークだけを表示した例を示している。図4では、特定ランドマークとして、施設22及び施設23が表示され、周知な施設27も表示されている。この場合も図2と同様に、図4(a)と図4(b)とが所定の時間毎に交互に表示される。これにより、自車が既に走行した範囲のランドマークの表示を制限し、自車の進行方向前方に存在する施設情報に集中でき、しかも施設のジャンルが瞬時に判断できることになる。
【0044】
なお、自車位置の前方は、自車位置を通る水平方向のラインよりも上方に存在する施設を対象としてもよく、自車位置から斜め上方に2本のラインを引いたときそのラインのなす角度が所定の角度のときのライン間に存在する施設を表示対象とするようにしてもよい。
【0045】
図5は、予め目的地を指定して探索された誘導経路28の周辺に存在する特定ランドマークを表示した例を示している。図5では、特定ランドマークとして、施設22,23、及び26が表示され、周知な施設27も表示されている状態を示している。この場合も図2と同様に、図5(a)と図5(b)とが所定の時間毎に交互に表示される。これにより、誘導経路28の周辺以外の範囲の特定ランドマークの表示を制限し、誘導経路沿いに存在する施設情報に集中でき、施設のジャンルを瞬時に判断できることになる。
【0046】
以上例示した表示範囲は、予め、表示条件を設定する設定画面(不図示)を用意して、その画面上で表示条件を設定するようにしてもよいし、地図が表示されている状態で表示条件を切り換えるメニュー(不図示)を用意して、表示条件を変えるようにしてもよい。
【0047】
次に、特定ランドマークの表示条件のうちの表示順序について説明する。図2から図5の地図表示画面において、それぞれ特定ランドマークのブランドアイコンとジャンルアイコンとを交互に表示している。
【0048】
図2に示すように、すべての特定ランドマーク及び周知ランドマークが表示されると、煩雑になりランドマークの情報を認識することが困難になるおそれがある。そこで、すべての特定ランドマークのブランドアイコンとジャンルアイコンとの交互表示を同時に行うのではなく、交互表示を行うランドマークの順序を決めて、その順序に従って交互表示を行うようにして煩雑さを解消している。
【0049】
図2では、ジャンルが「スーパー」と「ファミレス」の2種類の施設が存在し、ジャンルアイコンとブランドアイコンとを交互に表示するようにしている。これに対して、施設の情報をジャンル毎に順番に表示するようにする。例えば、初めにジャンルが「スーパー」の施設に対してジャンルアイコンとブランドアイコンとを交互表示し、次にジャンルが「ファミレス」の施設に対してジャンルアイコンとブランドアイコンとを交互表示する。図2では、2種類のジャンルであったが、3種類以上のジャンルの施設が存在する場合も同様に、ジャンル毎に順番にジャンルアイコンとブランドアイコンとを交互表示する。
【0050】
また、他の例として、自車位置CMに近い順番に施設のジャンルアイコンとブランドアイコンとの交互表示を行うようにしてもよい。例えば、自車位置CMから各施設までの距離を地図データを参照して検出し、自車位置CMから近い順番を決定する。この場合、図2では、施設22、施設24、施設23、施設25、施設26の順にブランドアイコンとジャンルアイコンとが交互に表示される。また、例えば、自車位置CMを通る水平方向のラインを基準にして上下方向に距離を測定して、順番を決定するようにしてもよい。この場合、図2では、施設24、施設25、施設22、施設26、施設23の順にブランドアイコンとジャンルアイコンとが交互表示される。
【0051】
また、自車位置CMに近いジャンル毎に施設のジャンルアイコンとブランドアイコンとの交互表示を行うようにしてもよい。例えば、図2では自車位置CMから施設22が一番近いと検出されれば、施設22のジャンルである「スーパー」が一番目の表示対象ジャンルとなり、施設22と施設23に対してブランドアイコンとジャンルアイコンとの交互表示が行われ、その後、施設24、施設25、施設26に対してブランドアイコンとジャンルアイコンとの交互表示が行われる。
【0052】
図3は、自車位置CMを中心とした所定の範囲の特定ランドマークを表示の対象とした場合であり、表示の煩雑さはすべての特定ランドマークを同時に表示する図2に比べて解消しているが、この場合であっても表示順序を指定するようにしてもよい。例えば、ジャンル毎に順番に表示することが指定されていれば、施設22に対してブランドアイコンとジャンルアイコンとの交互表示をした後、施設24に対してブランドアイコンとジャンルアイコンとの交互表示を行う。
【0053】
また、自車位置CMに近い順からの表示が指定されていれば、施設22に対してブランドアイコンとジャンルアイコンとの交互表示をした後、施設24に対してブランドアイコンとジャンルアイコンとの交互表示を行う。
【0054】
図4は、自車位置CMの前方の所定の範囲の特定ランドマークを表示の対象とした場合であり、この場合もすべての特定ランドマークを同時に表示する図2に比べて表示の煩雑さは解消しているが、この場合であっても表示順序を指定するようにしてもよい。図4の場合は、ジャンルが1種類であるためジャンル毎に順番に表示することが指定されていてもその指定がない場合と同様である。また、自車位置CMに近い順からの表示が指定されていれば、施設22に対してブランドアイコンとジャンルアイコンとの交互表示をした後、施設23に対してブランドアイコンとジャンルアイコンとの交互表示を行う。
【0055】
図5は、誘導経路の周辺の特定ランドマークを表示の対象とした場合であり、この場合もすべての特定ランドマークを同時に表示する図2に比べて表示の煩雑さは解消されるが、この場合であっても表示順序を指定するようにしてもよい。ジャンル毎に順番に表示することが指定されていれば、例えば、施設22及び施設23に対してブランドアイコンとジャンルアイコンとの交互表示を行った後、施設26に対してブランドアイコンとジャンルアイコンとの交互表示を行う。また、自車位置CMに近い順からの表示が指定されていれば、施設22、施設23、施設26の順に、ブランドアイコンとジャンルアイコンとの交互表示を行う。
【0056】
このように、ジャンル毎に順番に施設のブランドアイコンとジャンルアイコンとの交互表示を行うことにより、施設表示の煩雑さが解消されるとともに、同一ジャンルの施設がどのあたりにどの程度存在するかを瞬時に認識することが可能となる。また、自車位置CMに近い施設の順にブランドアイコンとジャンルアイコンとの交互表示を行うことにより、施設表示の煩雑さが解消されて施設のジャンルが容易に分かるとともに、近い施設を容易に選択することが可能になる。
【0057】
次に、特定ランドマークの表示条件のうちの、表示態様について説明する。図2から図5の地図表示画面において、それぞれブランドアイコンとジャンルアイコンとを交互に表示している。基本的にはブランドアイコンを所定時間表示させ、ブランドアイコンの表示状態を終了させると同時にジャンルアイコンを所定時間表示させる。これを繰り返し実行することによりブランドアイコンとジャンルアイコンとを点滅させている。
【0058】
図6は、その他のブランドアイコンとジャンルアイコンの交互表示態様を示している。図6(a)はブランドアイコン61aとジャンルアイコン61fとを交互表示する一態様を示している。ブランドアイコン61aとジャンルアイコン61fとをそのまま点滅させるのではなく、徐々に変化させていく態様である。ブランドアイコン61aから61cに示すように、アイコンの大きさを徐々に小さくしていき、その後、ブランドアイコンに対応するジャンルアイコンを61dから61fに示すように徐々に大きくしていく。ジャンルアイコン61fが表示された後は、逆にジャンルアイコン61fから61dに示すように小さくし、その後ブランドアイコンを61cから61aに示すように徐々に大きくしていく。このようにブランドアイコンとジャンルアイコンの一方をフェードアウトさせた後他方をフェードインさせるように表示を繰り返すことにより、ブランドアイコンに対するジャンルアイコンを表示するようにしている。図6(b)はジャンルが「ファミレス」の例であり、図6(a)と同様に、ブランドアイコン62aとジャンルアイコン62fの一方をフェードアウトさせた後他方をフェードインさせるように表示する。
【0059】
図6(c)及び図6(d)は、さらに別の表示態様の一例を示している。図6(c)はジャンルが「スーパー」の場合の交互表示を示している。図6(c)に示すように、ブランドアイコン63aからそれに対応するジャンルアイコン63eを表示するまで、アイコン表示の範囲内において、ブランドアイコンを右方向にずらすとともに、左方向からジャンルアイコンを挿入し、表示比率をブランドアイコンからジャンルアイコンが高くなるように移動する。全体がジャンル表示になると、同様の方向にジャンルアイコン及びブランドアイコンを移動して表示比率をジャンルアイコンからブランドアイコンが高くなるようにする。このように、ブランドアイコンとジャンルアイコンを交互にスライドイン・スライドアウトさせるように表示を繰り返すことにより、ブランドに対するジャンルを表示するようにしている。図6(d)はジャンルが「ファミレス」の例であり、図6(c)と同様に、ブランドアイコン64aとジャンルアイコン64eとを交互にスライドイン・スライドアウトさせるように表示する。
【0060】
なお、スライドイン・スライドアウトさせる方向は、右方向に限らず、左方向でもよいし、上方向又は下方向でもよい。また、右方向にスライドさせてジャンルアイコンを表示させたあと、左方向にスライドさせてブランドアイコンを表示させるようにしてもよい。
【0061】
上記したような特定ランドマークの表示範囲や表示態様の指示に従って、地図が表示されているときに特定ランドマークのジャンルアイコンとブランドアイコンの交互表示が行われる。これにより、ユーザは瞬時に施設のジャンルを把握できる効果を有するものの、車両走行中は、安全走行のために地図画面を注視することは望ましくない。よって、上記した特定ブランドマークのジャンルアイコンとブランドアイコンとの交互表示は、車両が停車しているときや、低速走行をして、画面を見ても危険度が低いときに行うよう、表示時期の制限を設けるようにしてもよい。
【0062】
このように本実施形態の車載用ナビゲーション装置によれば、全国的に周知ではない施設のランドマークを特定のランドマークとし、特定のランドマークを地図上に表示する際に、その施設の種別である「ジャンル」を示すアイコンと施設の名称である「ブランド」を示すアイコンとを交互に表示している。地図画像上の表示対象とするランドマークは表示する範囲、表示する時期等の設定された条件によって表示される。また、「ジャンル」を示すアイコンと「ブランド」を示すアイコンとを交互に表示する方法は、両者を点滅させたり、一方のアイコンをフェードアウトさせた後に他方のアイコンをフェードインさせる操作を繰り返して表示したり、両者をスライドさせて連続的に表示するようにしている。これにより、ユーザにあまり馴染みのないランドマークであっても、どのようなジャンルの施設であるかを瞬時に把握することが可能となる。
【0063】
なお、上記説明では、ブランドアイコンとジャンルアイコンとの交互表示について、予め判別された特定ランドマークを対象としていたが、この特定ランドマークのうち、ユーザの指示によって地図画像上に表示させる特定ランドマークを選択させるようにしてもよい。この場合、すべての特定ランドマークを表示対象とする場合に比較して、ユーザにとって必要のない特定ランドマークの表示がされないため、表示の煩雑さが軽減され、地図画像を見やすくすることが可能になる。
【0064】
また、各施設に対するジャンルアイコンとブランドアイコンは、予めすべての施設に対して用意して記憶部17に格納してもよいし、予め特定ランドマークの判別を行い、特定ランドマークに対応する施設に対してジャンルアイコンとブランドアイコンを用意するようにしてもよい。
【0065】
次に、車載用ナビゲーション装置が行う特定ランドマークのジャンルアイコンとブランドアイコンの交互表示処理について、図7から図9のフローチャートを用いて説明する。なお、図2から図5の表示画面も適宜参照する。
【0066】
図7は、特定ランドマーク表示処理の概要を示すフローチャートであり、図8は、特定ランドマークの判別処理の一例を示すフローチャートである。また、図9は、表示対象とする特定ランドマークを選択する処理の一例を示すフローチャートである。
【0067】
まず、図7のステップS11において、特定ランドマークの判別処理を行う。特定ランドマークは、地図上に表示される施設を示すランドマークのうち、全国的に周知ではなく、一部の地域の人にはよく知られているものの他のある地域ではその施設が存在しないか、又は数が少ないために、その地域の人には知られていない施設を示すランドマークである。ここで、特定ランドマークの判別処理について図8のフローチャートを参照しながら説明する。なお、地図画像上に表示される施設のランドマークに関する情報は、予め記憶部17に格納されているものとする。
【0068】
図8のステップS21において、初期設定を行う。初期設定としては、地図に表示される施設をカウントするカウンタcを1とおく。
【0069】
次のステップS22において、地図に表示される施設を記憶部17から抽出し、各施設をF1〜Fnに対応付ける。
【0070】
次のステップS23において、国内全域を所定の地域に分割する。例えば、地域の分割単位としては、全国を、北海道、東北、関東、北陸、中部、近畿、中国、四国、九州、及び沖縄の10の地域に分割する。また、地域の分割単位を都道府県のように行政区画単位にしてもよいし、各都道府県をさらに細かく地方に分割した地域(例えば、福島県であれば、浜通り地方、中通り地方、会津地方)にしてもよい。
【0071】
次のステップS24において、ステップS22で抽出した施設Fcについて、ステップS21で分割された各地域に存在する数をカウントする。
【0072】
次のステップS25において、ステップS23で分割した地域のうち、施設Fcが存在しない地域があるか否かを判定し、施設Fcが存在しない地域があればステップS29に移行し、すべての地域において施設Fcが存在していれば、ステップS26に移行する。
【0073】
次のステップS26において、施設Fcについて、他の地域と比較して数が少ない地域があるか否かを判定する。すなわち、施設Fcについて、地域間の施設の数の割合が所定の値より小さいか否かを判定する。地域間の施設の数の割合が所定の値より小さければ、ステップS29に移行し、所定の値より小さくなければステップS27に移行する。
【0074】
次のステップS27において、カウンタcをカウントアップし、次のステップS28においてカウンタcと施設の数nとを比較する。c>nでなければ、すなわち、地図に表示されるすべての施設に対して地域毎の件数算出処理が終了していなければ、ステップS25に戻り、次の施設に対して件数算出処理を行い、すべての施設に対して件数算出処理が終了していれば、本特定ランドマーク判別処理が終了する。
【0075】
ステップS29では、ステップS25において施設Fcを示すランドマークを特定ランドマークとして、その情報を記憶部17に格納する。
【0076】
図7に戻り、ステップS12において、表示対象とする特定ランドマークを選択する。例えば、記憶部に格納された特定ランドマークを基にして、地域分割毎に特定ランドマークと判別されたランドマークのブランドやジャンルを表示した設定画面を用意し、設定画面から表示させたいランドマークを選択する。
【0077】
また、設定画面による選択ではなく、車両の位置を基にして表示対象ランドマークを選択するようにしてもよい。図9は表示対象ランドマークを選択する処理の一例を示したフローチャートである。
【0078】
ステップS31において、自車位置を検出して、自宅からの距離を算出する。
【0079】
次のステップS32において、自宅からの距離が所定の距離よりも離れているか否かを判定する。所定の距離よりも離れているときは、ステップS33に移行し、所定の距離よりも離れてなく、自宅に近い場所であるときは、特定ランドマークを選択しないで本処理を終了する。この場合は、特定ランドマーク表示は行わず、通常のランドマーク表示を行う。
【0080】
次のステップS33において、自宅が含まれる地域を記憶部17から抽出し、その地域に存在していない特定ランドマークを抽出して表示対象とする特定ランドマークとする。
【0081】
以上の処理により、表示対象とする特定ランドマークを選択する。
【0082】
図7に戻り、ステップS13において、表示対象とする特定ランドマークの表示条件を決定する。特定ランドマークの表示条件としては、上記したように、(1)画面上のどの範囲の特定ランドマークを表示するか、(2)特定ランドマークの表示態様をどのようにするか、(3)特定ランドマークの表示順序をどのようにするか、さらに、(4)特定ランドマークをいつの時点で表示するか、の4種類が考慮される。これらの表示条件を選択する設定画面を用意して、予め表示条件を決定し、記憶部17に格納しておく。
【0083】
例えば、図2〜図5は、画面上のどの範囲の特定ランドマークを表示するかの表示条件に応じた表示画面を示している。図2は、画面上の全範囲に特定ランドマークを表示することを選択した画面であり、図3は、自車位置の周辺の所定範囲だけの特定ランドマークを表示することを選択した画面である。又、図4は、自車位置の前方の所定範囲だけの特定ランドマークを表示することを選択した画面であり、図5は、目的地までの誘導経路沿いに特定ランドマークを表示することを選択した画面である。
【0084】
また、図2〜図5に示したような表示対象となる特定ランドマークに対して、ランドマークの表示順序が指定される。例えば、ジャンル種別毎にブランドアイコンとジャンルアイコンとの交互表示を行うか、自車位置から近い順に交互表示を行うかが指定される。
【0085】
また、図2〜図5に示したような表示対象となる特定ランドマークに対して、ランドマークの表示態様が指定される。例えば、ブランドアイコンとジャンルアイコンとを点滅させる態様で表示するか、図6に示したように、ブランドアイコンとジャンルアイコンとを相互にフェードイン・フェードアウトを繰り返す態様で表示するか、ブランドアイコンとジャンルアイコンとを一方がスライドインし他方がスライドアウトする態様で表示するかが指定される。
【0086】
また、図2〜図5に示したような表示対象となる特定ランドマークに対して、表示時期が指定される。例えば、地図が表示されているときに常に交互表示を行うか、車両が停車中に交互表示を行うか、又は、車両が低速走行中に交互表示を行うかが指定される。
【0087】
これらの表示条件の指定は、所定の表示条件設定画面(不図示)を用意して予め設定する。
【0088】
次のステップS14において、ステップS13で決定された表示条件に従って、特定ランドマークのブランドアイコンとジャンルアイコンとの交互表示を行い、本特定ランドマーク表示処理は終了する。
【0089】
以上、図7から図9を参照して説明したように、本実施形態のランドマーク表示方法では、全国的に周知ではない施設を判別して、その施設のランドマークを特定ランドマークとし、特定ランドマークを地図上に表示する際には、特定ランドマークに対応する施設のジャンルアイコンとブランドアイコンとを交互に表示するようにしている。これにより、ユーザにとって馴染みのないランドマークであっても、そのランドマークに対応する施設のジャンルを瞬時に判断することが可能となる。
【0090】
また、特定ランドマークは、国内全域を所定の単位で分割した地域を求め、その各地域に存在する施設の数を施設毎に算出し、地域間の施設の数の割合が所定の値より小さい施設を検出することによって決定している。これにより、全国的に周知ではない施設のランドマークの選定を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の一実施形態に係る車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】すべての特定ランドマークのブランドアイコンとジャンルアイコンとの交互表示の一例を示す図である。
【図3】自車位置周辺の特定ランドマークのブランドアイコンとジャンルアイコンとの交互表示の一例を示す図である。
【図4】自車位置前方の特定ランドマークのブランドアイコンとジャンルアイコンとの交互表示の一例を示す図である。
【図5】誘導経路沿いの特定ランドマークのブランドアイコンとジャンルアイコンとの交互表示の一例を示す図である。
【図6】交互表示するブランドアイコンとジャンルアイコンとの表示態様の一例を説明する図である。
【図7】特定ランドマーク表示処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】特定ランドマーク判別処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】表示対象とする特定ランドマークを決定する処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0092】
100…車載用ナビゲーション装置、
1a…DVD−ROM、
2…操作部、
3…GPS受信機、
4…自立航法センサ、
7…表示部、
10…ナビゲーション装置本体、
12…制御部、
16…誘導経路描画部、
17…記憶部、
21…地図表示画面、
22a〜26a…ブランドアイコン、
22b〜26b…ジャンルアイコン、
28…誘導経路、
CM…自車位置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
自車両の現在位置を検出する自車位置検出手段と、
施設のデータを含む地図データが格納された記憶手段と、
国内全域を所定の単位で分割し、当該分割された各地域に存在する施設の数を施設毎に算出し、前記各地域間の施設の数の割合が所定の値より小さい施設のランドマークを検出して特定ランドマークとして前記記憶手段に格納する制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記自車両の現在位置周辺の地図を前記表示手段の表示画面に表示するとともに、当該自車両の現在位置周辺に存在する前記特定ランドマークを前記記憶手段から抽出し、当該特定ランドマークに対応する施設のブランドを示すアイコンとジャンルを示すアイコンとの交互表示をすることを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記自車両の現在位置を中心とした所定の範囲内か、前記自車両の現在位置の前方の所定の範囲内か、又は目的地までの誘導経路の周辺の所定の範囲内のいずれかに含まれている前記特定ランドマークを前記記憶手段から抽出することを特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記特定ランドマークに対してすべて同時に前記交互表示をするか、又は所定の順番で前記交互表示をすることを特徴とする請求項2に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記所定の順番は、所定のジャンル毎、又は前記自車両の現在位置に近い順であることを特徴とする請求項3に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記特定ランドマークの前記ブランドを示すアイコンと前記ジャンルを示すアイコンとを、点滅させる態様か、一方をフェードアウトさせて他方をフェードインさせる態様か、又は一方をスライドインさせて他方をスライドアウトさせる態様のいずれかで交互に表示させることを特徴とする請求項3に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記特定ランドマークの表示を車両が停車しているときに行うか、又は車両が低速走行しているときに行うことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項7】
ユーザが指示する情報を入力する情報入力手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記情報入力手段を介して選択された範囲の前記特定ランドマークを表示することを特徴とする請求項2に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項8】
ユーザが指示する情報を入力する情報入力手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記情報入力手段を介して選択された表示順序で前記特定ランドマークを表示することを特徴とする請求項3に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項9】
ユーザが指示する情報を入力する情報入力手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記情報入力手段を介して選択された表示態様で前記特定ランドマークを表示することを特徴とする請求項5に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項10】
ユーザが指示する情報を入力する情報入力手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記情報入力手段を介して前記特定ランドマークのうち指定された特定ランドマークに対して前記交互表示をすることを特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項11】
国内全域を所定の単位で分割し、当該分割された各地域に存在する施設の数を施設毎に算出し、前記各地域間の施設の数の割合が所定の値より小さい施設のランドマークを検出して特定ランドマークとして記憶手段に格納するステップと、
前記特定ランドマークから表示対象とする特定ランドマークを選択するステップと、
前記表示対象とする特定ランドマークを表示する範囲を決定するステップと、
前記選択された表示対象とする特定ランドマークに対応する施設のブランドを示すアイコンとジャンルを示すアイコンとの交互表示をするステップと、
を有することを特徴とするランドマーク表示方法。
【請求項12】
前記表示対象とする特定ランドマークを表示する範囲は、自車両の現在位置を中心とした所定の範囲内か、前記自車両の現在位置の前方の所定の範囲内か、又は目的地までの誘導経路の周辺の所定の範囲内のいずれかであることを特徴とする請求項11に記載のランドマーク表示方法。
【請求項13】
前記ブランドを示すアイコンとジャンルを示すアイコンとの交互表示をするステップの前に、
前記特定ランドマークのすべてに対して同時に前記交互表示をするか、又は所定の順番で前記交互表示をするかを決定するステップを有することを特徴とする請求項12に記載のランドマーク表示方法。
【請求項14】
前記所定の順番は、所定のジャンル毎、又は前記自車両の現在位置に近い順であることを特徴とする請求項13に記載のランドマーク表示方法。
【請求項15】
前記ブランドを示すアイコンとジャンルを示すアイコンとの交互表示をするステップの前に、
前記特定ランドマークのブランドを示すアイコンとジャンルを示すアイコンとを、点滅させる態様か、一方をフェードアウトさせて他方をフェードインさせる態様か、又は一方をスライドインさせて他方をスライドアウトさせる態様かを決定するステップを有することを特徴とする請求項13に記載のランドマーク表示方法。
【請求項16】
前記特定ランドマークの表示は、車両が停車しているときに行うか、又は車両が低速走行しているときに行うことを特徴とする請求項11から請求項15のいずれか一項に記載のランドマーク表示方法。
【請求項17】
前記特定ランドマークを表示する範囲を決定するステップは、ユーザが指示する情報を入力する情報入力手段を介して選択されることを特徴とする請求項12に記載のランドマーク表示方法。
【請求項18】
前記特定ランドマークの表示順序は、ユーザが指示する情報を入力する情報入力手段を介して指示されることを特徴とする請求項13に記載のランドマーク表示方法。
【請求項19】
前記特定ランドマークの表示態様は、ユーザが指示する情報を入力する情報入力手段を介して指示されることを特徴とする請求項15に記載のランドマーク表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−96699(P2010−96699A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−269621(P2008−269621)
【出願日】平成20年10月20日(2008.10.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】