説明

車載用ナビゲーション装置及び地図表示方法

【課題】目的地までの走行途中で車両を駐車又は停車してACCをオフ状態にした後、再びACCをオン状態にする際に、誘導経路の全体表示を含む走行状況を提示することが可能な「車載用ナビゲーション装置及び地図表示方法」を提供すること。
【解決手段】目的地までの誘導経路を探索し、誘導経路に沿って車両を誘導する機能を備えた車載用ナビゲーション装置は、表示手段と、地図データが格納された記憶手段と、自車位置検出手段と、走行途中でACCがオフ状態になった後、再びACCがオン状態になったことを検出したときから所定の期間、出発地から目的地までの誘導経路全体を含む地図画像を表示手段の画面に表示させる制御手段とを有する。制御手段は、地図を表示する際に、運転状況の評価を基に作成したエコドライブ情報案内若しくは運転警告地点情報案内、又は、現在位置情報を基に作成した走行情報案内を表示するようにしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導経路に従って車両を目的地まで案内する車載用ナビゲーション装置及び地図表示方法に関し、特に、目的地に到達する前に再出発する際に、有益な走行情報を表示するように適応された車載用ナビゲーション装置及び地図表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の典型的な車載用ナビゲーション装置は、ナビゲーションに係る一切の処理を制御するCPU等の制御装置、地図データを予め記憶させたDVD(Digital Versatile Disk)−ROMやICメモリカード等の記憶装置、表示装置、GPS(Global Positioning System)受信機、ジャイロや車速センサ等の車両の現在位置及び現在方位を検出する検出装置等を有している。そして、制御装置により、車両の現在位置を含む地図データを記憶装置から読み出し、該地図データに基づいて車両位置の周囲の地図画像を表示装置の画面に表示すると共に、自車の現在位置を指示する車両位置マークを地図画像に重ね合わせて表示し、車両の移動に応じて地図画像をスクロール表示したり、地図画像を画面に固定し車両位置マークを移動させたりして、車両が現在どこを走行しているのかを一目で判るようにしている。
【0003】
また、車載用ナビゲーション装置には、通常、ユーザが目的地に向けて道路を間違うことなく容易に走行できるように案内する機能(経路案内機能)が搭載されている。この経路案内機能によれば、CPUにより、地図データを用いて出発地(典型的には自車の現在位置)から目的地までを結ぶ最適な経路を、横型探索法やダイクストラ法等のシミュレーション計算を行って探索し、その探索した経路を誘導経路として記憶しておき、走行中、地図画像上にその誘導経路を他の道路とは識別可能に(例えば、色を変えたり、線幅を太くして)表示したり、また、自車が案内経路上で進路を変更すべき交差点まで所定距離に近づいたときに地図画像上にその交差点の案内図(交差点拡大図、該交差点での進行方向を示す矢印、該交差点までの距離、交差点名など)を表示したりすることで、いずれの道路を走行すればよいか、また、交差点でどの方向に進んだらよいかをユーザが把握できるようになっている。
【0004】
このようなナビゲーション装置において、指定された縮尺で自車両の現在位置の周辺の地図とともに誘導経路が表示されている。そのため、経路案内中は自車両の周辺が分かりやすく表示されるものの、この状態では全体の誘導経路に対して現在地がどのあたりかを把握することができない。
【0005】
これに対し、出発地と目的地等の地点を指定し、それらの地点を含む地図を表示する技術が検討され実用化されている。
【0006】
これに関する技術として、特許文献1では、設定された経路を表示するのに必要となる領域を基本描画地図データと基本描画地図データを分割した複数領域の拡大描画地図データから選択し、設定された経路をはみ出すことなく地図上に表示するナビゲーション装置が記載されている。
【0007】
また、特許文献2では、記述が最も詳細な地図の縮尺により目的地と自車位置とを一画面内に表示可能とする地図表示方法が記載されている。
【特許文献1】特許第2905491号公報
【特許文献2】特開平02−140788号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、自車位置と目的地とを含んだ地図表示を最適な縮尺により表示することが可能となる。また、誘導経路を設定した時点で目的地を指定すれば、出発地と目的地とを含む誘導経路の全体を表示することが可能である。
【0009】
しかし、車両が走行を開始した後では、通常は自車位置周辺の拡大地図を表示して経路案内を行い、目的地を含む地図を表示させるためには所定の操作を行うことが必要となる。さらに、誘導経路が探索されて、誘導経路に従って走行しているときに、誘導経路の出発地から目的地までの全体を表示させるためには、表示させたい地点を指定したり、誘導経路の全体を表示するための操作ボタンを操作することが必要となり、ユーザにとって面倒であり、安全走行に支障をきたすおそれがある。
【0010】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑みなされたものであり、目的地までの走行途中で車両を駐車又は停車してACCをオフ状態にした後、再びACCをオン状態にする際に、誘導経路の全体表示を含む走行状況を提示することが可能な車載用ナビゲーション装置及び地図表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した従来技術の課題を解決するため、本発明の基本形態によれば、目的地までの誘導経路を探索し、当該誘導経路に沿って車両を誘導する機能を備えた車載用ナビゲーション装置であって、表示手段と、地図データが格納された記憶手段と、自車両の現在位置を検出する自車位置検出手段と、誘導経路の案内に沿った走行途中でACCがオフ状態になった後、再びACCがオン状態になったことを検出したときから所定の期間、前記自車両の現在位置とともに前記地図データを基に作成した前記誘導経路の出発地から目的地までの誘導経路全体を含む地図画像を前記表示手段の画面に表示させる制御手段と、を有することを特徴とする車載用ナビゲーション装置が提供される。
【0012】
この形態に係る車載用ナビゲーション装置において、前記制御手段は、前記誘導経路全体を含む地図を表示する際に、前記出発地から現在位置までの車両の運転状況の評価を基に作成したエコドライブ情報案内若しくは運転警告地点情報案内、又は、前記誘導経路全行程に対する現在位置の情報を基に作成した走行情報案内を合わせて表示するようにしてもよく、前記制御手段は、前記所定の期間が経過したとき、現在の自車位置から目的地までの誘導経路をACCがオンの状態になる前に指定された縮尺で前記表示手段の画面に表示するようにしてもよい。
【0013】
また、この形態に係る車載用ナビゲーション装置において、前記制御手段は、出発地から現在位置までの走行距離、出発地から現在位置までの走行時間、現在位置から目的地までの残距離、及び目的地までの到着予想時刻を算出して、前記走行情報案内に表示するようにしてもよく、前記制御手段は、前記走行情報案内が表示されている状態で、ユーザの指示に応じて、目的地周辺の地図を表示するか、誘導経路の工程ガイドを表示するか、経由地を追加するか、又は、周辺施設の検索をするようにしてもよい。
【0014】
さらに、この形態に係る車載用ナビゲーション装置において、前記制御手段は、出発地から現在地点までのうちのACCがオフされた地点間の燃費を算出して、前記エコドライブ情報案内に表示するようにしてもよく、更に、車両の加速度を検出する加速度センサを備え、前記制御手段は、出発地から現在地点までの走行中に記録した車両の加速度を基に算出したエコドライブ評価を前記エコドライブ情報案内に表示するようにしてもよく、前記エコドライブ評価は、車両の加速度の値により予め決められた点数を所定の基準点から減点した所定区間毎の点数を基にグラフ表示されるようにしてもよく、更に、操舵角を検出する操舵角センサを備え、前記制御手段は、所定の加速度を超える加速度、又は所定の操舵角を超える操舵角を検出したときに危険運転と判断し、当該危険運転と判断した地点を記録し、当該地点を前記地図上に表示するとともに、当該危険運転の内容を表示するようにしてもよい。
【0015】
本発明の車載用ナビゲーション装置によれば、誘導経路が設定され、その誘導経路の案内に従って走行している途中でACCがオフになり、ACCがオフの状態からACCをオンにしたときに、誘導経路の出発地及び目的地を含む誘導経路の全体が表示される縮尺に調整して地図画像を表示している。この誘導経路上に自車位置を表示するとともに、出発地から自車位置までの経路と自車位置から目的地までの経路とを異なる態様で表示するようにしている。これにより、自車が目的地までの経路のうちのどの程度まで走行したかが一目で分かるようになり、運転者にとって有益である。また、運転者が出発時に誘導経路の全体を表示させる操作を省くことができ、安全走行に寄与することが可能になる。
【0016】
また、本発明の他の形態によれば、上記の形態に係る車載用ナビゲーション装置において実施される地図表示方法が提供される。その一形態に係る地図表示方法は、目的地までの誘導経路を探索し、当該誘導経路に沿って車両を誘導する機能を備えた車載用ナビゲーション装置において実施される地図表示方法であって、自車両の現在位置を検出するステップと、ACCがオフの状態から再びACCがオンの状態になったことを検出するステップと、誘導経路の全行程を取得するステップと、前記誘導経路の全行程を含む地図画像を作成するステップと、前記ACCがオンの状態になったことを検出した後、前記自車両の現在位置とともに前記誘導経路の全行程を含む地図画像を表示手段の画面に表示するステップと、前記ACCがオンの状態になってから所定の期間が経過した後、前記表示手段の画面を前記ACCがオンの状態の前の縮尺で前記現在位置から目的地までの誘導経路を前記表示手段の画面に表示するステップと、を有することを特徴とする。
【0017】
この形態にかかる地図表示方法において、前記誘導経路の全行程を含む地図画像を表示手段の画面に表示するステップの前に、出発地から現在位置までの車両の運転状況を評価するステップと、前記評価の結果に基づいて、エコドライブ情報案内及び運転警告地点情報案内を作成するステップと、を有し、前記誘導経路の全行程を含む地図画像を表示手段の画面に表示するステップは、前記エコドライブ情報案内又は運転警告地点情報案内の表示を含むようにしてもよく、前記誘導経路の全行程を含む地図画像を表示手段の画面に表示するステップの前に、出発地から現在位置までの走行距離を検出するステップと、出発地から現在位置までの走行時間を検出するステップと、現在位置から目的地までの残距離を算出するステップと、目的地までの到着予想時刻を算出するステップと、前記走行距離、走行時間、残距離、及び到着予想時刻を含む走行情報案内を作成するステップと、を有し、前記誘導経路の全行程を含む地図画像を表示手段の画面に表示するステップは、前記走行情報案内画面の表示を含むようにしてもよい。
【0018】
また、この形態に係る地図表示方法において、前記エコドライブ案内情報及び運転警告地点案内情報を作成するステップは、出発地から現在地点までのうちのACCがオフになった地点間の平均燃費を算出するステップと、出発地から現在地点までのうちの各ACCがオフになった地点までの平均燃費を算出するステップと、を含むようにしてもよく、前記エコドライブ案内情報及び運転警告地点案内情報を作成するステップは、出発地から現在地点までの走行中に記録されている車両の加速度を基に、車両の加速度の値により予め決められた点数を所定の基準点から減点した所定区間毎の点数を算出するステップと、前記所定区間毎に算出した前記評価点数を基にして評価グラフを作成するステップと、を含むようにしてもよく、前記エコドライブ案内情報及び運転警告地点案内情報を作成するステップは、所定の加速度を超える加速度、又は所定の操舵角を超える操舵角を検出した地点を抽出するステップと、当該地点における運転評価を作成するステップと、を含み、前記誘導経路の全行程を含む地図画像を表示手段の画面に表示するステップは、当該地点を表示するステップを含むようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0020】
(車載用ナビゲーション装置の構成)
図1は本発明の実施形態に係る車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【0021】
図中、1はDVD−ROMドライブであり、1aは地図データその他の案内データが記憶されている記憶媒体である。本実施形態では、このようなデータを記憶する記憶媒体としてDVD−ROM1aを使用しているが、ハードディスク又はその他の記憶媒体を使用してもよい。ここに格納されている地図は、1/12500、1/25000、1/50000、1/100000等の各縮尺レベルに応じて適当な大きさの経度幅及び緯度幅に区切られており、この地図に含まれる道路、建築物、施設その他の各種物件は、経度及び緯度で表現された点(ノード)の座標集合として記憶されている。地図データは、(1)道路リスト、ノードテーブル、交差点構成ノードリスト等からなる道路レイヤ、(2)地図画像上に道路、建築物、公園、河川等を表示するための背景レイヤ、(3)市町村名などの行政区画名、道路名、交差点名などを指示する文字や地図記号等を表示するための文字・記号レイヤなどから構成されている。
【0022】
また、DVD‐ROM1aには、マップマッチングで使用される道路の形状を表現した道路データが記憶されている。この道路データは道路の形状に応じてノード間の距離が異なるシェープノードとシェープノード間のリンクで構成されている。
【0023】
また、2はナビゲーション装置本体10を操作するための操作ボタン等が設けられた操作部である。本実施形態では、操作部2にリモコン送信機が含まれており、ユーザは手元のリモコン送信機でナビゲーション装置本体10を操作することもできる。
【0024】
また、3は複数のGPS衛星から送られてくるGPS信号を受信して車両の現在位置の経度、緯度、PDOP(Position DOP)値及びHDOP(Horizontal DOP)値等のGPSデータを生成して出力するGPS受信機を示す。
【0025】
4は各種センサであり、自立航法センサ、加速度センサ、操舵角センサが含まれる。自立航法センサは、車両回転角度を検出するジャイロ等の角度センサと、一定の走行距離毎にパルスを発生する走行距離センサとにより構成されている。加速度センサは、ブレーキの操作状態を検出するセンサであり、操舵角センサはハンドルの操作状態を検出するセンサである。
【0026】
また、5は各種のサービスセンタと通信するための車載電話機等の通信機、6は電波ビーコン又は光ビーコンから送られてくるVICS(道路交通情報通信システム)情報を受信するVICS受信機を示す。これらのビーコンは路側に設置され、警察署、道路管理者及び統合センターに接続され、周辺の渋滞情報等を提供する。
【0027】
また、7は液晶パネル等の表示部であり、ナビゲーション装置本体10は、この表示部7に車両の現在位置の周囲の地図を表示したり、出発地から目的地までの誘導経路や車両マーク及びその他の案内情報を表示する。表示部7はその画面上にタッチパネルが設けられ、表示画面の表示内容と対になった各種のボタンが構成される。また、タッチパネルはこれら各種のボタンで示されるメニュー等を選択するための入力装置となる。8は音声によりユーザに案内情報を提供するためのスピーカーである。
【0028】
ナビゲーション装置本体10は以下のものから構成されている。11はDVD−ROMドライブ1を介してDVD−ROM1aから読み出された地図データを一時的に格納するバッファメモリを示す。
【0029】
12はマイクロコンピュータにより構成される制御部を示す。制御部12は、ナビゲーション用のプログラムを内蔵しており、このプログラムに従い、GPS受信機3から出力される信号や、自立航法センサ4から出力される信号に基づいて自車の現在位置を算出したり、表示させたい地図のデータをDVD−ROMドライブ1を介してDVD−ROM1aからバッファメモリ11に読み出したり、バッファメモリ11に読み出された地図データを用いて設定された探索条件で出発地から目的地までの誘導径路を探索するなど、種々の処理を実行する。また、後述するように、車両が駐停車するなどによりACCがオフになった地点を記録したり、車両の加速度の値等の運転状況を走行中監視して記録したり、ACCがオフの後にACCがオンになったことを判定し、その際に誘導経路全体を含む地図を表示させる処理を行う。
【0030】
13はバッファメモリ11に読み出された地図データを用いて地図画像を生成する地図描画部、14は動作状況に応じた各種メニュー画面(操作画面)や車両位置マーク及びカーソル等の各種マークを生成する操作画面・マーク発生部である。
【0031】
15は制御部12で探索した誘導経路を記憶する誘導経路記憶部、16は誘導経路を描画する誘導経路描画部を示す。誘導経路記憶部15には、制御部12によって探索された誘導経路の全ノードが出発地から目的地まで記憶される。誘導経路描画部16は、地図を表示する際に、誘導経路記憶部15から誘導経路情報を読み出して、誘導経路を他の道路とは異なる色及び線幅で描画する。
【0032】
17はハードディスク等で構成される記憶部を示し、車両の運転状況や車両のACCがオフされた地点の情報が記憶される。また、車両が実際に走行した経路情報が記憶される。
【0033】
18は音声出力部を示し、制御部12からの信号に基づいて音声信号をスピーカー8に供給する。19は画像合成部を示し、地図描画部13で描画された地図画像に、操作画面・マーク発生部14で生成した各種マークや操作画面、誘導経路描画部22で描画した誘導経路などを重ね合わせて表示部7に表示させる。
【0034】
このように構成された車載用ナビゲーション装置100において、ACCがオフの状態からACCをオンにしたときの走行案内表示について、図2から図6を参照しながら説明する。図2から図6は、表示部7の画面に表示される案内画面を示している。図2は、誘導経路を含む地図画像21上に、走行情報が重ねて表示されている「走行情報案内画面」20であり、図3は、誘導経路を含む地図画像31上に、エコドライブ情報が重ねて表示されている「エコドライブ情報案内画面」30であり、図4は、誘導経路を含む地図画像41上に、運転注意点情報が重ねて表示されている「運転注意情報案内画面」40である。
【0035】
誘導経路が設定され、誘導経路の案内に従って走行中にACCをオフにし、その後ACCがオフの状態からACCをオンにすると、図2の走行情報案内画面20が表示される。また、図2から図4の案内画面は、相互に切り替えが可能である。
【0036】
車載用ナビゲーション装置100の制御部12は、自車両のACCがオンになり、再び車両を出発させる際、ACCがオフされる直前に表示されていた経路案内画像の縮尺で地図画像を表示させずに、誘導経路の出発地と目的地の両地点が含まれる誘導経路の全体が表示されるような縮尺に調整して表示する。
【0037】
図2は、誘導経路の出発地Sと目的地Dとを設定した後、誘導経路の案内に従って走行し、途中休憩等で車両エンジンを停止させた後、再び地点XでACCをオンにしたときに表示される走行情報案内画面20を示している。この走行情報案内画面20は地図画像21と地図画面21上に重ねて走行情報画像22が表示されている。地図画像21には誘導経路(28,29)が表示され、誘導経路(28,29)上に自車両の現在位置を示す自車位置マークCMが表示されている。誘導経路は出発地Sから目的地Dまでの全体の経路が表示され、出発地Sから自車位置マークCMまでの経路28と、自車位置マークCMから目的地までの経路29とは異なる態様(例えば、異なる色)で表示されている。誘導経路の案内に従って走行している場合は、走行経路が誘導経路と同一であるが、誘導経路と異なった経路を走行した場合は、実際に走行した経路を表示する。
【0038】
走行情報画像22は、出発地Sから現在地点Xまでの走行結果を基に、目的地Dまでの走行情報内容が表示される。走行情報としては、目的地24a、走行距離24b、走行時間24c、残距離24d、到着予想時刻24e、及び、走行概要24fが含まれている。このうち、目的地24aは誘導経路記憶部15から抽出し、走行距離24bは出発地Sから自車位置マークCMの地点までの距離であり地図データを基に算出する。また、自車位置マークCMの地点から目的地Dまでの距離(残距離24d)と走行速度から到着予想時刻24eを算出する。走行概要24fは、走行距離24bと残距離24dから、誘導経路全体に対してどの程度まで走行したかを示す表示や、走行途中でエンジンを停止させた回数を記録しておき、エンジン停止回数を休憩回数とみなして表示したりする。
【0039】
また、走行情報画像22には、経路に関連した種々の情報を取得するための関連メニューが選択できるようになっている。関連メニュー項目としては、目的地周辺の地図を表示するための「目的地表示」25a、誘導経路の工程ガイドを表示するための「ルート詳細」25b、目的地Dまでの間に、別の地点に立ち寄ることを指定するための「経由地設定」25c、及び、自車位置の周辺の施設を探すための「周辺検索」25dが用意されている。
【0040】
走行情報案内画面20上には、表示切替ボタン23a,23bが設けられており、このボタンを選択することにより別の案内画面に移行できる。
【0041】
図3は、ACCがオンされたときに表示される案内画面であり、図2とは別の「エコドライブ情報案内画面」30を示している。エコドライブ情報案内画面30は、地図画像31と、地図画像上に重ねて表示されるエコドライブ情報画像32とで構成されている。地図画像31は、図2の地図画像21と同様に、誘導経路の出発地S及び目的地Dを含めて誘導経路の全体が表示されている。エコドライブ情報案内画面30における地図画像31では、誘導経路が走行済みの経路(37,38)と未走行の経路29とを異なる態様で表示すると共に、走行済みの経路(37,38)において休憩地点が存在すれば、その休憩地点(35,36)を表示している。図3では、1回目の休憩地点35及び2回目の休憩地点36が表示されている。これらの休憩地点は、ACCがオフされてエンジンが停止された地点としている。
【0042】
エコドライブ情報画像32には、出発地Sから各休憩地点(35,36)までの平均燃費(33a,33b)、休憩地点の区間の平均燃費33c、エコドライブポイント34、及びエコドライブに関係するコメント39が含まれている。
【0043】
このうち、エコドライブポイント34は、アクセル操作やブレーキ操作等の燃費に関係する運転技術を点数化したものであり、図3のエコドライブ情報画像32には、エコドライブポイント34をグラフにして表示している。
【0044】
図3のエコドライブポイント34は、出発地Sから2回目の休憩地点36までの走行に対する評価がグラフ化されている。このように走行済みの全区間を一度に表示する代わりに、所定の区間を表示して、その前後をスクロールするように表示してもよい。
【0045】
ここで、エコドライブの点数計算方法について説明する。エコドライブがどの程度できているか、すなわち燃費向上にどれだけ貢献できる運転ができているか否かを、所定の基準点数から燃費向上に反する運転の度合に対応する点数を減点するようにして算出している。この点数は、所定の走行距離の区間ごとに算出される。つまり、所定の区間でエコドライブができていれば点数は所定の基準点数(例えば100点)である。
【0046】
急ブレーキや急発進のない走行であれば、危険度も小さく、環境にも優しい走行がされていると判定される。この判定の一方法として、車両の所定の速度における加速度又は減速度の値によって減点数を定義し、区間内において所定の時間毎に測定した減点数を基に区間内の評価点数を算出する。区間毎の点数を基にしてグラフ化する。
【0047】
例えば、速度が40〜60km/hにおいて、加速度αのときの減点数を100×α2とし、0.1Gで減点数が「1」となるようにする。また、速度が60〜80km/hにおいて、加速度αのときの減点数を(1600/9)×α2とし、0.075Gで減点数が「1」となるようにする。その他の速度範囲も規定し、それぞれの速度範囲においても同様な減点数算出式を定義して、速度に応じて減点数を算出するようにする。
【0048】
エコドライブ情報案内画面30上にも、表示切替ボタン23a,23bが設けられており、このボタンを選択することにより別の案内画面に移行できる。
【0049】
図4は、ACCがオンされたときに表示される案内画面であり、図2又は図3とは別の「運転警告地点案内画面」40を示している。運転警告地点案内画面40は、地図画像41と、地図画像上に重ねて表示される運転警告地点情報画像42とで構成されている。地図画像41は、図2又は図3の地図画像と同様に、誘導経路の出発地S及び目的地Dを含めて誘導経路の全体が表示されている。運転警告地点案内画面40における地図画像41では、誘導経路が走行済みの経路と未走行の経路とを異なる態様で表示すると共に、走行済みの経路において休憩地点が存在すれば、その休憩地点間の表示態様も異なるようにして表示している。さらに、運転操作が危険であると判定された地点(運転警告地点)がどこかを示すマークを表示している。図4では、3ヵ所の運転警告地点(46a,46b,46c)が表示されている。
【0050】
運転警告地点情報画像42には、運転警告地点(43a,43b,43c)とともに、それぞれの地点における運転評価が含まれている。図4の運転警告地点情報画像42では、運転警告地点43aに対して、「○○地点、アクセル操作が雑です」という運転評価44aが表示され、運転警告地点43bに対して、「○×地点、ハンドル操作が雑です」という運転評価44bが表示されている。また、運転警告地点43cに対して、「△△地点、急ブレーキが発生しました」という運転評価44cが表示されている。さらに、それぞれの運転警告地点に対して「詳細」ボタン45a〜45cが用意され、運転警告地点に対する詳細情報を表示するようになっている。
【0051】
この運転警告地点情報案内画面40上にも、切替ボタン23a,23bが用意されており、この切替ボタンを選択することにより図2の「走行情報案内画面」20又は図3の「エコドライブ情報案内画面」30に移行することができる。
【0052】
図4では、運転警告地点が3地点の場合を示しているが、その地点が多数ある場合、運転警告地点情報画像にスクロールボタンを表示し、スクロールボタンを選択することにより運転警告地点情報画像に表示されていない他の地点を参照するようにしてもよい。この地点は地図画像上にも連動して運転警告地点を示すように運転警告地点マークが表示される。
【0053】
なお、図4の運転警告地点案内画像においては、運転警告地点として判定される評価基準の値をより危険度の高い値に設定するようにしてもよい。この場合は、表示される運転警告地点の数が少なくなり、煩雑さを解消して広域の地図表示上に運転警告地点を表示することができる。
【0054】
図5は、図4の「運転警告地点情報案内画面」40に対して地図の縮尺を変更する指定をし、地図表示を詳細にした運転警告地点情報案内画面50を示している。この「運転警告地点情報案内画面」50も図4と同様に地図画像51と、地図画像上に重ねて表示される運転警告地点情報画像52とで構成されている。地図画像51は、図2から図4の地図画像とは異なり、誘導経路の一部が表示されている。また、図5では、運転警告地点を示すマークが4ヵ所(57a,57b,57c,57d)に表示されている。
【0055】
運転警告地点情報画像52には、運転警告地点(53a,53b,53c,53d)とともに、それぞれの地点における運転評価が含まれている。例えば、図5の運転警告地点情報画像52では、運転警告地点53cに対して、「△△地点、急ブレーキが発生しました」という運転評価が表示されている。さらに、それぞれの運転警告地点に対して「詳細」ボタンが用意され、運転警告地点に対する詳細情報を表示するようになっている。
【0056】
図5の運転警告地点情報案内50上にも切替ボタン58a,58bが用意されている。この切替ボタンを選択することにより図2の「走行情報案内画面」20又は図3の「エコドライブ情報案内画面」30に移行することができる。
【0057】
図5の運転警告地点情報画像においてもスクロールボタン(56a,56b)が用意されており、スクロールさせることにより、表示されている地図の範囲外のその他の運転警告地点を表示することができる。この運転警告地点の表示変更に連動して、運転警告地点画像に表示されている運転警告地点が表示されるように地図画像も移動して表示される。
【0058】
なお、図5のように狭い範囲の地図表示の場合には、評価基準値を危険度の高い値に設定すると、該当する地点が全く表示されないこともあるため、図4の広域の地図表示の場合よりも評価基準の値を危険度が低い値にするようにしてもよい。
【0059】
図6は、図4又は図5の運転警告地点案内画像において、運転警告地点の「詳細」ボタンが選択されたときに表示される詳細表示画像を示している。図6は、図5の運転警告地点情報画像52において警告地点53cの詳細ボタンが選択された場合の詳細表示画面である。この詳細表示画面では、地図画像61は図5の地図画像51と同様であり、その地図画像61上に詳細情報画像62が表示されている。詳細情報画像62は、選択された運転警告地点63と、運転警告地点内容64、及び、詳細情報65が表示されている。また、「休憩」ボタン67と「戻る」ボタン66とが用意されている。
【0060】
詳細情報65は、運転警告地点の詳細情報、及び、その地点における運転状況と運転に対するアドバイスが表示される。また、「休憩」ボタン67は図6の詳細情報画面60が表示されている時点における自車位置周辺の施設を探索するためのボタンである。図2における「周辺検索」と同様の機能を有しているが、運転に関する注意が表示されて休憩が必要と感じた時に即座に施設検索を可能にする。
【0061】
また、詳細情報画面60上には切替ボタン69a,69bが用意されている。この切替ボタンを選択することにより他の運転警告地点に関する詳細情報画面に移行することができる。
【0062】
以上、図2から図6を用いて説明したように、本実施形態の車載用ナビゲーション装置では、誘導経路が設定され、その誘導経路の案内に従って走行している途中でACCがオフになり、ACCがオフの状態からACCをオンにしたときに、誘導経路の出発地及び目的地を含む誘導経路の全体が表示される縮尺に調整して地図画像を表示している。この誘導経路上に自車位置を表示するとともに、出発地から自車位置までの経路と自車位置から目的地までの経路とを異なる態様で表示するようにしている。これにより、自車が目的地までの経路のうちのどの程度まで走行したかが一目で分かるようになり、運転者にとって有益である。また、運転者が出発時に誘導経路の全体を表示させる操作を省くことができ、安全走行に寄与することが可能になる。
【0063】
なお、誘導経路の出発地と目的地を含む誘導経路全体の表示はACCがオフからオンになったときに表示するだけでなく、車両走行中であっても操作手段を介したユーザの指示によっても図2に示すような誘導経路全体の地図表示を行うようにしてもよい。
【0064】
次に、本実施形態に係る車載用ナビゲーション装置100において行う地図表示方法について説明する。地図表示方法におけるACCオン時の案内表示処理を図7から図10のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
【0065】
図7は誘導経路に沿って走行中、途中ある地点に停車し、再び車両を出発させるときの再出発時案内処理の一例を示すフローチャートである。また、図8は、走行案内生成処理の一例を示すフローチャート、図9は、エコガイド生成処理の一例を示すフローチャート、図10は、運転警告地点案内生成処理の一例を示すフローチャートである。
【0066】
なお、再出発時案内処理において、目的地までの誘導経路のルート探索が行われ、出発地や目的地を含む誘導経路に関するデータは誘導経路記憶部15に格納され、設定された誘導経路の案内に従って車両走行中であるものとする。また、制御部12は車両が走行中の運転状況を常に監視し、急加速等を検出してその走行データを記憶部17に格納しているものとする。
【0067】
まず、図7のステップS11において、車両のACCがオフされたか否かを検出する。誘導経路案内に従って走行中、途中休憩等で車両を駐車させたとき等が該当する。ACCのオフが検出されるとステップS12に移行する。
【0068】
次のステップS12において、ACCがオフされた地点を検出してその情報を記憶部17に格納するとともに、出発地からACCがオフされた地点までに走行した運転状況を示す走行データを格納する。運転状況を示す走行データとしては、車両が所定の加速度以上の急ブレーキ又は急発進をして地点及びその値や、所定の値以上の操舵角を検出した地点及びその値がある。
【0069】
次のステップS13において、ACCが再びオンされたか否かを検出する。ACCがオンされたときはステップS14に移行する。
【0070】
次のステップS14において、出発地から目的地までの誘導経路全体を含む地図画像を生成する。誘導経路を探索した時点で出発地及び目的地を含んで表示される縮尺の地図画像を保存しておき、この地図画像を利用するようにしてもよい。また、出発地から誘導経路を外れて走行した場合は、実際に走行した経路データを記憶部17から抽出し、この経路及びACCがオンした地点から目的地までの誘導経路とが表示される縮尺に調整して地図画像を生成する。
【0071】
この地図画像に対して、ACCが再びオンされた地点(再出発地点)を検出して、出発地から再出発地点までの経路と、再出発地点から目的地までの経路とを異なる表示態様とする。
【0072】
次のステップS15において、記憶部17に格納されているACCオフの地点までの走行データを抽出し、この走行データを基にして、走行案内、エコガイド、運転警告地点案内の各種案内を作成する。各種案内の作成処理については後述する。
【0073】
次のステップS16において、ステップS14で生成された地図画像上にステップS15で作成された走行案内のいずれか一つ(例えば走行情報案内)を合成して表示画面に表示する。
【0074】
次のステップS17において、ACCがオンになってから所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間は例えば5秒程度としてもよいし、車両が走行するまでとしてもよい。所定時間が経過したときはステップS21に移行し、所定時間が経過していないときは、ステップS18に移行する。
【0075】
次のステップS18において、画面表示の切り替えの指示が有ったか否かを判定する。画面表示の切り替えは、例えば図2から図4の案内画面における表示切替ボタン(23a,23b)が選択された場合である。このような切替指示が有ったときはステップS22に移行し、切替指示がないときはステップS19に移行する。
【0076】
次のステップS19において、走行案内画面のメニュー選択が有ったか否かを判定する。走行案内画面のメニューは、例えば図2の走行情報画像22における関連メニューや、図4や図5の運転警告地点情報画像における詳細ボタンの選択が該当する。これらのメニュー選択があったときはステップS20に移行し、メニュー選択がないときはステップS17に移行して所定時間の経過を監視する。
【0077】
次のステップS20において、ステップS19で選択されたメニューに従った画面を表示して本処理は終了する。
【0078】
一方、ステップS18において画面表示の切替指示があったときはその指示に従って案内画面を切り換えて表示し、ステップS17に移行して所定時間の経過を監視する。
【0079】
また、ステップS17において所定時間が経過したときは、ステップS21に移行し、ACCがオフしたときの縮尺で自車両周辺の地図とともに現在地からの誘導経路を表示して、通常の経路案内を継続して本処理は終了する。
【0080】
次に、ステップS15における走行案内の作成処理について、図8から図10のフローチャートを参照しながら説明する。図8は、走行案内情報生成処理の一例を示すフローチャートであり、図9は、エコガイド情報生成処理の一例を示すフローチャートである。又、図10は、運転警告地点情報生成処理の一例を示すフローチャートである。
【0081】
まず、図8のステップS31において、ACCオフの地点を記憶部17から取得する。
【0082】
次のステップS32において、誘導経路の設定時の出発地を誘導経路記憶部15から取得し、その出発地からACCオフの地点までの走行距離を算出する。車両の走行が誘導経路に沿って走行していれば誘導経路記憶部に格納されている経路情報からACCオフの地点までの距離を算出するようにしてもよい。また、誘導経路から外れて走行している場合には、走行情報を記録して格納された記憶部から実際に走行した距離を算出するようにする。
【0083】
次のステップS33において、誘導経路の設定時の出発地からACCオフの地点までの走行時間を算出する。この走行時間は、出発地における出発時間とACCオフの時点の時間から算出する。
【0084】
次のステップS34において、目的地までの残距離、及び目的地への到着予想時刻を算出する。目的地までの残距離は、誘導経路記憶部15に格納されている経路情報を参照して、ACCオフの地点から目的地までの距離を算出する。また、目的地の到着予想時刻は、例えば、誘導経路の制限速度及び残距離を基にして算出する。
【0085】
次のステップS35において、ACCオフの地点までに休憩した回数を検出する。誘導経路の出発地から走行開始した後、車両を停車させるなどでACCをオフにした地点の記録を記憶部17から抽出して、その回数を検出する。
【0086】
次のステップS36において、上記の各データ(走行距離、走行時間、残距離、到着予想時刻、休憩回数)を含む走行案内画像を作成して、本処理は終了する。
【0087】
次に図9のフローチャートを参照して、エコガイド情報生成処理を説明する。
【0088】
まず図9のステップS41において、ACCオフの各地点を記憶部17から取得する。
【0089】
次のステップS42において、誘導経路設定時の出発地からACCがオフされた各地点までの平均燃費を算出する。
【0090】
次のステップS43において、ACCがオフされた地点間における平均燃費を算出する。
【0091】
次のステップS44において、エコドライブ評価グラフを作成する。記憶部17に記録されている車両の加速度等の値を基にして、所定区間毎にエコドライブの点数を算出し、その点数をグラフ化してエコドライブ評価グラフとする。なお、区間毎のエコドライブの点数は、所定の速度で走行しているときの加速度に応じた減点数を予め定めておき、基準となる点数から加速度に応じた点数を減点することによって算出している。
【0092】
次のステップS45において、上記の各ステップで算出した平均燃費、エコドライブ評価グラフを含むエコドライブ情報画像を生成して本処理は終了する。
【0093】
次に図10のフローチャートを参照して、運転警告地点情報生成処理を説明する。
【0094】
まず図10のステップS51において、エコドライブ評価点数の低い地点(運転警告地点)を抽出する。この運転警告地点は、急ブレーキや急発進または、急ハンドルが検出された地点が該当する。走行データとして記憶部17に記録されている加速度、減速度、又は操舵角度に対して、危険度を示す加速度、減速度、又は操舵角度の閾値を超えている値、及びその地点を抽出する。
【0095】
次のステップS52において、運転警告地点における運転評価を作成する。例えば、減速度が所定の閾値を超える場合、「急ブレーキが発生しました。」のような運転状況を作成する。
【0096】
次のステップS53において、運転警告地点、及び運転評価を含む運転警告地点情報画像を生成して本処理は終了する。
【0097】
以上説明したように、本実施形態の地図表示方法によれば、誘導経路が設定され、その誘導経路の案内に従って走行している途中でACCがオフになり、ACCがオフの状態からACCをオンにしたときに、誘導経路の出発地及び目的地を含む誘導経路の全体が表示される縮尺に調整して地図画像を表示している。この誘導経路上に自車位置を表示するとともに、出発地から自車位置までの経路と自車位置から目的地までの経路とを異なる態様で表示するようにしている。これにより、自車が目的地までの経路のうちのどの程度まで走行したかが一目で分かるようになり、運転者にとって有益である。
【0098】
さらに、ACCを再びオンにした地点までに発生した急ブレーキや急発進等の運転に関するデータを基に、エコドライブができているか、危険な運転操作をした地点がどこか等を示す案内画像を作成して地図画像とともに表示するようにしている。これにより、目的地までの残りの行程において、危険な運転を控えて環境にやさしい運転をするように促すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の一実施形態に係る車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に係る車載用ナビゲーション装置において、ACCをオフした後でACCをオンにしたときに表示される案内画面(走行情報案内画面)の一例を示す図である。
【図3】図1に係る車載用ナビゲーション装置において、ACCをオフした後でACCをオンにしたときに表示される案内画面(エコドライブ情報案内画面)の一例を示す図である。
【図4】図1に係る車載用ナビゲーション装置において、ACCをオフした後でACCをオンにしたときに表示される案内画面(運転警告案内画面)の一例を示す図である。
【図5】図4の運転警告案内画面の地図画像を詳細表示にしたときの一例を示す図である。
【図6】図4又は図5の運転警告案内画面にいて運転警告地点の詳細情報を示す画面の一例を示す図である。
【図7】図1に係る車載用ナビゲーション装置における再出発時案内処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】走行案内情報生成処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】エコガイド情報生成処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】運転警告地点情報生成処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0100】
100…車載用ナビゲーション装置、
1a…DVD−ROM(記憶手段)、
2…操作部(入力手段)、
3…GPS受信機(自車位置検出手段)、
7…表示部(表示手段)、
10…ナビゲーション装置本体、
11…バッファメモリ、
12…制御部(制御手段)、
15…誘導経路記憶部(記憶手段)、
17…記憶部(記憶手段)、
20,30,40,50,60…案内画面、
21,31,41,51,61…地図画像、
22…走行情報画像、
28,29…誘導経路、
32…エコドライブ情報画像、
42…運転警告地点情報画像。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの誘導経路を探索し、当該誘導経路に沿って車両を誘導する機能を備えた車載用ナビゲーション装置であって、
表示手段と、
地図データが格納された記憶手段と、
自車両の現在位置を検出する自車位置検出手段と、
誘導経路の案内に従った走行途中でACCがオフ状態になった後、再びACCがオン状態になったことを検出したときから所定の期間、前記自車両の現在位置とともに前記地図データを基に作成した前記誘導経路の出発地から目的地までの誘導経路全体を含む地図画像を前記表示手段の画面に表示させる制御手段と、
を有することを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項2】
更に、ユーザの指示を入力する入力手段を備え、
前記制御手段は、車両の走行中に誘導経路全体を表示する旨の指示を検出したとき、前記誘導経路全体を含む地図画像を前記表示手段の画面に表示させることを特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記誘導経路全体を含む地図を表示する際に、前記出発地から現在位置までの車両の運転状況の評価を基に作成したエコドライブ情報案内若しくは運転警告地点情報案内、又は、前記誘導経路全行程に対する現在位置の情報を基に作成した走行情報案内を合わせて表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記所定の期間が経過したとき、現在の自車位置から目的地までの誘導経路をACCがオンの状態になる前に指定された縮尺で前記表示手段の画面に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記制御手段は、出発地から現在位置までの走行距離、出発地から現在位置までの走行時間、現在位置から目的地までの残距離、及び目的地までの到着予想時刻を算出して、前記走行情報案内に表示することを特徴とする請求項3に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記走行情報案内が表示されている状態で、ユーザの指示に応じて、目的地周辺の地図を表示するか、誘導経路の工程ガイドを表示するか、経由地を追加するか、又は、周辺施設の検索をすることを特徴とする請求項3に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記地図表示画面において、ユーザの指示により前記走行情報案内、エコドライブ情報案内、又は運転警告地点情報案内を表示することを特徴とする請求項3に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項8】
前記制御手段は、出発地から現在地点までのうちのACCがオフされた地点間の燃費を算出して、前記エコドライブ情報案内に表示することを特徴とする請求項3に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項9】
更に、車両の加速度を検出する加速度センサを備え、
前記制御手段は、出発地から現在地点までの走行中に記録した車両の加速度を基に算出したエコドライブ評価を前記エコドライブ情報案内に表示することを特徴とする請求項3に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項10】
前記エコドライブ評価は、車両の加速度の値により予め決められた点数を所定の基準点から減点した所定区間毎の点数を基にグラフ表示されることを特徴とする請求項9に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項11】
更に、車両の加速度を検出する加速度センサと、
操舵角を検出する操舵角センサを備え、
前記制御手段は、所定の加速度を超える加速度、又は所定の操舵角を超える操舵角を検出したときに危険運転と判断し、当該危険運転と判断した地点を記録し、当該地点を前記地図上に表示するとともに、当該危険運転の内容を前記運転警告地点情報案内に表示することを特徴とする請求項3に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記出発地から前記自車位置までの走行経路と前記自車位置から前記目的地までの誘導経路とを異なる態様で表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項13】
目的地までの誘導経路を探索し、当該誘導経路に沿って車両を誘導する機能を備えた車載用ナビゲーション装置において実施される地図表示方法であって、
自車両の現在位置を検出するステップと、
ACCがオフの状態から再びACCがオンの状態になったことを検出するステップと、
誘導経路の全行程を取得するステップと、
前記誘導経路の全行程を含む地図画像を作成するステップと、
前記ACCがオンの状態になったことを検出した後、前記自車両の現在位置とともに前記誘導経路の全行程を含む地図画像を表示手段の画面に表示するステップと、
前記ACCがオンの状態になってから所定の期間が経過した後、前記表示手段の画面を前記ACCがオンの状態の前の縮尺で前記現在位置から目的地までの誘導経路を前記表示手段の画面に表示するステップと、
を有することを特徴とする地図表示方法。
【請求項14】
前記誘導経路の全行程を含む地図画像を表示手段の画面に表示するステップの前に、
出発地から現在位置までの車両の運転状況を評価するステップと、
前記評価の結果に基づいて、エコドライブ情報案内及び運転警告地点情報案内を作成するステップと、
を有し、
前記誘導経路の全行程を含む地図画像を表示手段の画面に表示するステップは、
前記エコドライブ情報案内又は運転警告地点情報案内の表示を含むことを特徴とする請求項13に記載の地図表示方法。
【請求項15】
前記誘導経路の全行程を含む地図画像を表示手段の画面に表示するステップの前に、
出発地から現在位置までの走行距離を検出するステップと、
出発地から現在位置までの走行時間を検出するステップと、
現在位置から目的地までの残距離を算出するステップと、
目的地までの到着予想時刻を算出するステップと、
前記走行距離、走行時間、残距離、及び到着予想時刻を含む走行情報案内を作成するステップと、
を有し、
前記誘導経路の全行程を含む地図画像を表示手段の画面に表示するステップは、
前記走行情報案内画面の表示を含むことを特徴とする請求項13に記載の地図表示方法。
【請求項16】
前記エコドライブ案内情報及び運転警告地点案内情報を作成するステップは、
出発地から現在地点までのうちのACCがオフになった地点間の平均燃費を算出するステップと、
出発地から現在地点までのうちの各ACCがオフになった地点までの平均燃費を算出するステップと、
を含むことを特徴とする請求項14に記載の地図表示方法。
【請求項17】
前記エコドライブ案内情報及び運転警告地点案内情報を作成するステップは、
出発地から現在地点までの走行中に記録されている車両の加速度を基に、車両の加速度の値により予め決められた点数を所定の基準点から減点した所定区間毎の点数を算出するステップと、
前記所定区間毎に算出した前記評価点数を基にして評価グラフを作成するステップと、
を含むことを特徴とする請求項14に記載の地図表示方法。
【請求項18】
前記エコドライブ案内情報及び運転警告地点案内情報を作成するステップは、
所定の加速度を超える加速度、又は所定の操舵角を超える操舵角を検出した地点を抽出するステップと、
当該地点における運転評価を作成するステップと、
を含み、
前記誘導経路の全行程を含む地図画像を表示手段の画面に表示するステップは、当該地点を表示するステップを含むことを特徴とする請求項14に記載の地図表示方法。
【請求項19】
前記誘導経路の全行程を含む地図画像を作成するステップは、
出発地から自車位置までの走行経路と自車位置から目的地までの走行経路とを異なる態様にするステップを含むことを特徴とする請求項13に記載の地図表示方法。
【請求項20】
前記走行情報案内を作成するステップは、
目的地周辺の地図を表示するか、誘導経路の工程ガイドを表示するか、経由地を追加するか、又は、周辺施設の検索を選択する選択キーの作成を含むことを特徴とする請求項15に記載の地図表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−101639(P2010−101639A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−270767(P2008−270767)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】