説明

車載用監視カメラ

【課題】簡易な構成を有し、取り付けが容易な車載用監視カメラを提供する。
【解決手段】装置本体11とカメラ12とからなる車載用監視カメラ10は、装置本体11に、制御回路13と受信回路14を有している。制御回路13は、時計13aと、受信回路14から入力された標準時刻に基づいて時計13aを修正する時刻修正手段13bとを有している。受信回路14が備える時間受信回路14aは、長波標準時刻をアンテナ14dで受信して、制御回路13に対して標準時刻を出力している。時刻修正手段13bでは、受信した標準時刻にしたがって、定期的にまたは車載用監視カメラ10の起動時に、時計13aの時刻を自動的に補正している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用監視カメラに関し、特に自動車の運行時にはドライブレコーダとして運行情報を記録し、該自動車の駐停車時には監視カメラとして車両周辺及び車内を記録する車載用監視カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の運行情報を記録する装置としてドライブレコーダが知られている。
該ドライブレコーダは、カメラで撮影した画像を電気的に変換して形成した画像データを一時的にキャッシュメモリ等へ順次記録し、予め定めた閾値よりも大きな衝撃を加速度センサで検知したとき、一時的に記録していた画像データのうち、該衝撃の直前から直後の画像データを抽出して、ハードディスク等の外部記録媒体へ記録保存している。
ここで、撮影した画像の一秒あたりのフレーム数を減らすと、コマ送りされる静止画で記録することができ、フレーム数を増やすと動画として記録することができる。
【0003】
また、特開2008−033846号公報に開示されている運転情報記録装置は、カーナビゲーションシステムのGPS装置と連動して、該GPS装置から取得した車両の位置情報及び時間情報を、カメラで撮影した画像に付加して画像データを形成している。
そして形成した画像データを車両の運行指示に利用するためにセンタへ送信し、また、当該画像データを装置本体に設けた外部記録装置へ記録保存している。
ここで、センタへ送信して記録保存した画像データと外部記録装置に保存した画像データとを照合することにより画像データの改竄が行われた否か判明するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−033846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のドライブレコーダは、車体への衝撃が閾値を越えたときの前後数秒間といった極めて短時間しか外部記録媒体に記録されない。そのため、当該事故に至るまでに車両がどのくらいの間、蛇行していたか等といった、より詳細な事故原因を解明するために必要な情報が記録されないおそれがある。
また、従来のドライブレコーダは、事故前後の数秒間といった断続的な記録しか残さず、当該記録に付加されている時間情報は、各ドライブレコーダに搭載された時計によってそれぞれ記録されていることから、事故の発生時刻がドライブレコーダ毎にまちまちであったので、証拠として採用され難い。
そこで、カーナビゲーションシステムと連動するように構成される上記の運転情報記録装置は、複数基のGPS衛星が互いに同期を取るためにGPS信号に重畳しているタイムコードを利用して、センタと各運転情報記録装置の時間を同期させている。
しかし、GPS衛星から送信されるGPS信号の時刻情報は、受信することができない場合があり、さらに、GPS信号は上空数千キロにある衛星から送信されることから当該時刻情報は遅延して到達することから、正確な標準時刻ではない。
【0006】
また、ドライブレコーダをカーナビゲーションシステムと連動させるためには、ドライブレコーダとカーナビゲーションシステムのそれぞれに搭載されているプログラムが互いに対応しているか否か、各メーカーのカーナビゲーションシステムごとに解析しなければならない。そのため、ドライブレコーダを別途取り付ける場合には、カーナビゲーションシステムとの互換性を解析する作業に手間がかかる。
【0007】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、簡易な構成を有し、取り付けが容易な車載用監視カメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の車載用監視カメラは、少なくとも一台のカメラと、時計を備えた装置本体とからなり、
前記カメラで撮像した画像を電気的に変換して画像データを形成し、前記時計で計時した時刻に基づいて時間データを形成し、前記画像データに前記時間データを埋め込んで形成した記録データを、外部記録媒体に順次記録する車載用監視カメラであって、前記装置本体に、時間情報を含んだ電波を受信する時間受信回路を備えた時刻修正手段を設け、該時刻修正手段が、定期的に受信した前記時間情報に基づいて前記時計の時刻を自動的に修正するようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の車載用監視カメラは、請求項1に記載の発明において、前記時間情報を含んだ電波が、長波標準電波であることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の車載用監視カメラは、請求項1若しくは請求項2に記載の発明において、前記装置本体の電源をオンにしたとき、前記時間情報を含んだ電波を前記時間受信回路で受信し、前記時刻修正手段で前記時計の時刻を自動的に修正するようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の車載用監視カメラは、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明において、前記装置本体に、前記記録データに埋め込まれた時間データに基づいて、該記録データを振り分ける記録データ分類手段と、該記録データ分類手段で振り分けられた前記記録データが格納されるメインフォルダを、前記外部記録媒体内に形成した主記憶領域上に、少なくとも一つ自動的に形成するフォルダ自動形成手段とを設けて、前記時間データに基づいて自動的に振り分けられた前記記録データを前記メインフォルダへ順次格納するようにしたことを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の車載用監視カメラは、請求項1に記載の発明において、前記装置本体に、複数基のGPS衛星から発信されているGPS電波を受信するGPS受信回路を有し、受信した前記GPS電波に基づいて緯度・経度情報を形成する測位手段と、形成した緯度・経度情報を補正する測位補正手段とを設け、前記測位手段で形成した前記緯度・経度情報を前記測位補正手段で補正して位置データを形成し、該位置データを前記記録データに埋め込むようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の車載用監視カメラは、請求項1若しくは請求項5のいずれかに記載の発明において、前記記録データに基づいて、撮像した画像を再生したとき、前記記録データに埋め込まれている前記時間データ及び/又は前記位置データにしたがって、前記時刻及び/又は前記緯度・経度情報が、再生した画像へ重合して表示されるようにしたことを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の車載用監視カメラは、請求項1に記載の発明において、前記装置本体に、車体に加えられた衝撃を検知する衝撃センサを有し、検知した衝撃が所定の閾値を超えたとき、当該衝撃の情報に基づいて衝撃データを形成する衝撃検知手段を設け、形成した該衝撃データを前記記録データに埋め込むようにしたことを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の車載用監視カメラは、請求項7に記載の発明において、前記装置本体に、前記衝撃データを備えた前記記録データを複写して、複写された衝撃データ付記録データの写しを抽出する衝撃データ付記録データ抽出手段と、該衝撃データ付記録データ抽出手段で抽出した前記記録データが格納される第1サブフォルダを、前記外部記録媒体内に形成した副記憶領域上に、少なくとも一つ自動的に形成する第1サブフォルダ自動形成手段とを設けて、前記衝撃データ付記録データを自動的に複写抽出して前記第1サブフォルダへ順次格納するようにしたことを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の車載用監視カメラは、請求項1に記載の発明において、前記装置本体に、手動で前記カメラを操作するための入力手段と、該入力手段による手動操作を検知する入力センサを有し、検知した手動操作の情報に基づいて手動操作データを形成する手動操作検知手段とを設け、該手動操作データを前記記録データに埋め込むようにしたことを特徴とする。
【0017】
請求項10に記載の車載用監視カメラは、請求項9に記載の発明において、前記装置本体に、前記手動操作データを備えた前記記録データを複写して、複写された手動操作データ付記録データの写しを抽出する手動操作データ付記録データ抽出手段と、該手動操作データ付記録データ抽出手段で抽出した前記記録データが格納される第2サブフォルダを、前記外部記録媒体内に形成した副記憶領域上に、少なくとも一つ自動的に形成する第2サブフォルダ自動形成手段とを設けて、前記手動操作データ付記録データを自動的に複写抽出して前記第2サブフォルダへ順次格納するようにしたことを特徴とする。
【0018】
請求項11に記載の車載用監視カメラは、請求項1に記載の発明において、前記装置本体にバッテリーを設け、車体側から供給される電源が遮断されたとき、前記装置本体の電源を前記バッテリーへ瞬時に切り替えるようにしたことを特徴とする。
【0019】
請求項12に記載の車載用監視カメラは、請求項1に記載の発明において、前記カメラと前記装置本体とを別体に形成し、前記カメラと前記装置本体とを有線又は無線の電気通信回線で接続したことを特徴とする。
【0020】
請求項13に記載の車載用監視カメラは、請求項1に記載の発明において、前記外部記録媒体が前記記録データで満たされたとき、前記記録データに含まれた時間データに基づいて、最も古い記録データに最新の記録データを上書き保存するようにしたことを特徴とする。
【0021】
請求項14に記載の車載用監視カメラは、請求項1に記載の発明において、複数台の前記カメラによって、車内及び車外の全周囲を撮影可能としたことを特徴とする。
【0022】
請求項15に記載の車載用監視カメラは、請求項1に記載の発明において、球面の一部を切除して形成した凸面鏡を設け、前記カメラが有するレンズの光軸と前記凸面鏡の光軸とが略同一直線上に位置するように、前記レンズと前記凸面鏡を対向配置して、車内及び車外の全周囲を撮影可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に記載の車載用監視カメラによれば、時間情報を含んだ電波を時間受信回路で定期的に受信した時刻修正手段が、装置本体に内蔵された時計の時刻を自動的に修正するようにした。これにより、標準時間に基づいた正確な時刻から形成した時間データを画像データに埋め込んで記録データを形成することができるので、当該画像データの生成時刻、すなわち、カメラで画像を撮影したときの撮影時刻を正確に記録することができる。
また、装置本体に時計が内蔵されているので、測位データにタイムデータを重畳して送信するGPS電波の受信装置、すなわち、カーナビゲーションシステムを搭載していない自動車であっても、形成した画像データに時間データを埋め込んで記録データを形成することができる。
さらには、カーナビゲーションシステムを搭載している自動車に取り付けた場合であっても、先に搭載していたカーナビゲーションシステムのプログラム等と時刻の同期を取る必要が無いので、プログラム解析等の手間を省くことができ、簡単に取り付けることができる。
【0024】
請求項2に記載の車載用監視カメラによれば、時間受信回路が受信する時間情報を含んだ電波を長波標準電波とした。これにより、GPS電波や、携帯電話用の電波が届かない場所であっても、日本国内であれば、受信した正確な標準時間に基づいて時間データを形成することができる。
【0025】
請求項3に記載の車載用監視カメラによれば、装置本体の電源をオンにしたとき、該装置本体の起動と共に、時刻修正手段を起動して、装置本体に内蔵された時計の時刻を自動的に修正するようにした。これにより、装置本体を起動したときから正確な時間データを画像データに埋め込んで記録データを形成することができる。
【0026】
請求項4に記載の車載用監視カメラによれば、記録データに含まれた時間データに基づいて、該記録データを分類すると共に、該記録データが格納されるメインフォルダを、前記外部記録媒体内に形成した主記憶領域上に、少なくとも一つ自動的に形成するようにした。
これにより、例えば、一時間単位、日単位、週単位といった任意の時系列毎にメインフォルダを形成して、当該時系列に属する時間データ毎に記録データを分類することができるので、撮影時間を基にした検索を容易に行うことができる。
【0027】
請求項5に記載の車載用監視カメラによれば、GPS電波に基づいて緯度・経度情報を形成する測位手段と、該緯度・経度情報を補正する測位補正手段とを設け、緯度・経度情報から位置データを形成して記録データに埋め込むようにした。
これにより、時間データを含んだ記録データに、位置データを埋め込むことができ、撮影時刻と撮影場所を記録することができる。
また、装置本体にGPS受信装置が内蔵されているので、カーナビゲーションシステムを搭載していない自動車であっても、位置データを埋め込んだ記録データを形成することができる。
さらには、カーナビゲーションシステムを搭載している自動車に取り付けた場合であっても、先に搭載していたカーナビゲーションシステムのプログラム等の同期を取る必要が無いので、プログラム解析等の手間を省くことができ、簡単に取り付けることができる。
【0028】
請求項6に記載の車載用監視カメラによれば、記録データに含まれた時間データ及び/又は位置データに基づいて、再生した画像の一部に撮影時刻及び/又は撮影場所が表示されるようにした。これにより車載用監視カメラで撮像した画像を再生したとき、当該画像が、いつ、どこで撮影されたものであるのか容易に確認することができる。
【0029】
請求項7に記載の車載用監視カメラによれば、衝撃センサから得られた衝撃の情報に基づいて形成した衝撃データを、時間データが含まれた記録データに埋め込むようにした。
これにより、衝撃センサが作動したときの時間を記録データから容易に確認することができる。
【0030】
請求項8に記載の車載用監視カメラによれば、衝撃データを備えた記録データを複写して、抽出すると共に、抽出した記録データが格納される第1サブフォルダを、前記外部記録媒体内に形成した副記憶領域上に、少なくとも一つ自動的に形成するようにした。
これにより、衝撃の大きさ毎に第1サブフォルダを形成して、当該衝撃の大きさを示す衝撃データを含んだ記録データを、主記憶領域に記録される記録データとは別に副記憶領域へ保存することができるので、事故等があったときの記録データを容易に取り出すことができる。
【0031】
請求項9に記載の車載用監視カメラによれば、カメラを手動で操作するための入力装置を装置本体に設け、該入力装置を使用した際の手動操作の情報に基づいて形成した手動操作データを、時間データが含まれた記録データに埋め込むようにした。
これにより、自動的に記録されている記録データのうち、手動操作によって撮影された部分をマーキングすることができるので、自動的に行なわれた撮影と手動で行った撮影との分類を容易にすることができる。
【0032】
請求項10に記載の車載用監視カメラによれば、手動操作データを備えた記録データを複写して、抽出すると共に、抽出した記録データが格納される第2サブフォルダを、外部記録媒体内に形成した副記憶領域上に、少なくとも一つ自動的に形成するようにした。
これにより、手動操作したときの記録データを主記憶領域とは別に副領域に形成した第2サブフォルダへ記録することができるので、手動によって撮影した部分を後から閲覧するときに、容易に当該記録データを取り出すことができる。
【0033】
請求項11に記載の車載用監視カメラによれば、車体側から電源の供給が遮断されたとき、装置本体に内蔵したバッテリーへ瞬時に切り替えて装置本体を駆動するようにした。
これにより、事故等によって装置本体が車体から外れた場合であっても、撮影を続行することができる。
【0034】
請求項12に記載の車載用監視カメラによれば、カメラと装置本体とを別体に形成し、該カメラと該装置本体とを有線又は無線の電気通信回線で接続した。
これにより、カメラを小型化することができるので、該カメラを車体の様々な場所に設置することができる。
【0035】
請求項13に記載の車載用監視カメラによれば、外部記録媒体の主記録領域が記録データで満たされたとき、最も古い時間データが含まれた記録データの上に、新しい時間データが含まれた記録データを順次上書き保存するようにした。
これにより、外部記録媒体の主記録領域へ常に最新の記録データを保存しておくことができる。
【0036】
請求項14に記載の車載用監視カメラによれば、複数台のカメラによって、車内及び車外の全周囲撮影を可能とした。
これにより、撮影時の死角を無くすことができる。
【0037】
請求項15に記載の車載用監視カメラによれば、球面を備えた凸面鏡の光軸と、カメラが有するレンズの光軸とが略同一直線上に位置するように、レンズと凸面鏡とを対向配置して、車内及び車外の全周囲を撮影可能とした。
これにより、撮影時の死角を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本実施例に係る車載用監視カメラの構成の概略を示すブロック図である。
【図2(a)】本実施例に係る車載用監視カメラを複数台用いた場合の構成の概略を示す平面図である。
【図2(b)】本実施例に係る車載用監視カメラを複数台用いた場合の設置の一例を車外側から見た場合の概略を示す説明図である。
【図2(c)】本実施例に係る車載用監視カメラを複数台用いた場合の設置例の一例を車内側から見た場合の概略を示す説明図である。
【図3】本実施例に係る車載用監視カメラと凸面鏡とを用いた設置例の概略を示す説明図である。
【図4】本実施例に係る車載用監視カメラの外部記録媒体内に形成されるフォルダの構成の概略を示すブロック図である。
【実施例1】
【0039】
本発明に係る実施例を添付した図面にしたがって説明する。
図1は、本実施例に係る車載用監視カメラの構成の概略を示すブロック図である。
【0040】
車載用監視カメラ10は、装置本体11とカメラ12とからなる。
装置本体11は、制御回路13と、受信回路14と、外部記録媒体15と、バッテリー16と、衝撃センサ17と、スイッチを備えた入力手段18とからなり、カメラ12は、レンズ20と、CCD又はCMOSからなる撮像素子21と、エンコード部22とアンテナ23からなる。
【0041】
制御回路13は、時計13aを有し、中央演算装置(以下「CPU」という)と、一次的にデータを記憶するキャッシュメモリ等を備え、カメラ12で撮像した画像を電気的な画像データへ変換し、当該画像データに、時間情報からなる時間データを埋め込んで、記録データを形成する制御を行っている。
記録データには他に、GPSシステムから得られる位置情報、衝撃センサ17から得られる衝撃の大きさ、入力手段18から得られる手動入力操作といった情報からなるデータを埋め込むことができる。
そして、時間データにしたがって記録データを時系列順に外部記録媒体15へ出力している。
【0042】
また、制御回路13は、受信回路14から入力された標準時刻に基づいて時計13aを修正する時刻修正手段13bと、受信回路14から入力されたGPS電波に基づいて緯度・経度情報を形成する測位手段13cと、当該緯度・経度情報を補正する測位補正手段13dと、受信回路14から入力された画像データに時間データと補正した緯度・経度情報からなる位置データとを埋め込んで記録データを形成して外部記録媒体15に出力する制御を行う記録データ制御手段13eとが設けられている。
【0043】
受信回路14は、時間受信回路14aと、位置受信回路14bと、画像受信回路14cとからなる。
時間受信回路14aはアンテナ14dを有し、位置受信回路14bはアンテナ14eを有し、画像受信回路はアンテナ14fを有している。
時間受信回路14aは、長波標準時刻をアンテナ14dで受信して、制御回路13に対して標準時刻を出力している。
ここで、長波標準時刻とは、長波標準電波に重畳して発信されている時刻をいう。長波標準電波とは、日本国においては、40kHz或いは60kHzの周波数で標準電波送信所1から発信されている電波である。当該長波標準電波はまた、電波時計に利用されている。
制御回路13に設けた時刻修正手段13bは、受信した標準時刻にしたがって、定期的に時計13aの時刻を自動的に補正する。
さらに、自動車のエンジンを始動させて車載用監視カメラ10を起動したとき、同時に起動する時間受信回路14aが受信した標準時刻に基づいて、時刻修正手段13bは時計13aの時刻を自動的に補正する。
これにより、車載用監視カメラ10が有する時計13aと標準時刻との誤差を極めて小さくすることができる。
また、車載用監視カメラ10の時計13aは、車載コンピュータや、カーナビゲーションシステム等の他の車載用電子機器に内蔵された時計に依拠することなく、独立して時刻が補正されるので、カーナビゲーションシステムとは別に取り付ける場合であっても、当該カーナビゲーションシステムのプログラム等と同期を取る必要が無いことから、容易に取り付けることができる。
【0044】
なお、本実施例では、時間受信回路14aを長波標準電波を受信する回路としたが、これに限らず標準時間に係るタイムコードを重畳して発信する電波を受信するものでも良い。
例えば、複数の衛星から到達する電波によって位置を測定するようにしたGPSシステムでは、複数の衛星の制御動作を同期するためにGPSシステムタイムがGPS電波に重畳して発信されているので、当該GPS電波を利用しても良い。
また、FM多重放送では、データ信号を周波数多重しているサブキャリア帯域にシステムタイムデータが多重されているので、当該FM放送波を利用しても良い。当該システムタイムデータは日本標準時に合わせられているFM放送局の時計と同期しているので、やはり、時計13aの誤差を極めて小さくすることができる。
さらに、携帯電話の基地局のシステムを互いに同期するために用いられているタイムサーバからタイムコードを含んだ電波を受信するようにしても良い。
また、上記のようなタイムコードを重畳した電波を複数受信する回路を設けて、長波標準時間が発信される基準局と車載用監視カメラ10との電波到達距離に基づく誤差を補正するようにしても良い。
【0045】
位置受信回路14bは、GPS衛星から発信されている測位電波をアンテナ14eで受信して制御回路13へ出力している。
制御回路13に設けた測位手段13cは、測位電波から緯度・経度情報を形成して、測位補正手段13dへ出力している。測位補正手段13dでは、入力された緯度・経度情報を補正して位置データを形成している。当該位置データは、記録データ制御手段13eに出力されている。
【0046】
画像受信回路14cは、カメラ12のアンテナ23から出力された画像データをアンテナ14fで受信し、該画像データを復号して制御回路13へ出力している。
復号された画像データに、時間データと位置データとを記録データ制御手段13eで埋め込んで記録データが形成される。
また、車載用監視カメラ10の設定によっては、記録データに、位置データを含まないようにすることもできる。
【0047】
外部記録媒体15は、制御回路13から出力された記録データが順次記録される主記憶領域と、事故等があったとき、又は手動操作が行われたときの記録データのコピーが記録される副記憶領域とを有している。
当該外部記録媒体15へ記録データを記録するため、制御回路13が有する記録データ制御手段13eは、記録データ分類手段、記録データ抽出手段、及びフォルダ自動形成手段を有している。
記録データ分類手段は、主記憶領域に記録される記録データに含まれる時間データに基づいて、記録データを時系列順に分類する。
記録データ抽出手段は、外部記録媒体15に入力される記録データ又は主記憶領域に記録された記録データから、後述する衝撃データ、手動操作データといったオプションデータを含んだ記録データを複写して抽出する。
フォルダ自動形成手段は、外部記録媒体15の主記憶領域へ時系列順に記録データを記録するためのメインフォルダを自動的に少なくとも一つ形成するメインフォルダに係るフォルダ自動形成手段と、外部記録媒体15の副記憶領域へオプションデータを含んだ記録データを記録するためのサブフォルダを自動的に少なくとも一つ形成するサブフォルダ自動形成手段とからなる。
このように、メインフォルダに時系列順に記録データを記録し、センサ等で変化を検知したときに形成されたオプションデータを含んだ記録データをコピーしてサブフォルダに記録するようにしたことにより、記録データの検索を容易にすることができる。
【0048】
バッテリー16は、車体側から電源の供給が遮断された場合に、制御回路13からの指令にしたがって装置本体11へ瞬時に電源を切り替えて供給するように構成されている。
このように、車載バッテリーから供給される電源と補助的に用いられる内臓のバッテリー16とを併用することにより、事故などの際に車体側から電源の供給が断たれた場合であっても、撮影を続けることができる。
また、大容量の車載バッテリーを通常時に用いることにより、駐停車時においても車載用監視カメラ10の撮影を続行することができるので、車載用監視カメラ10をドライブレコーダとして用いることに加えて、長時間周辺を監視する防犯カメラとしても用いることができる。
【0049】
衝撃センサ17は、装置本体の動きを加速度に変換して検知する加速度センサからなる。検知した加速度が所定の閾値を超えたとき、検知した加速度の大きさからなる衝撃データを制御回路13へ出力する。制御回路13へ入力された衝撃データは、時間データと位置データが含まれた記録データに記録データ制御手段13eで埋め込まれる。
記録データ制御手段13eが有する衝撃データ付記録データ抽出手段によって、主記憶領域のメインフォルダに記録される記録データが複写されるので、衝撃データ付の記録データは、主記憶領域のメインフォルダに記録される記録データと、当該記録データの写しが形成される。
写しの記録データは、記録データ制御手段13eが有する第1サブフォルダ自動形成手段によって副記憶領域内へ形成された第1サブフォルダに順次記録される。第1サブフォルダは衝撃データ付の記録データがコピーされたときの時刻や形成された順にフォルダ名が付けられているので、検索を容易にすることができる。
また、衝撃データ付の記録データには、時間データと位置データが含まれているので、第1サブフォルダに記録された衝撃データ付記録データ以前又は以後の記録データをメインフォルダから引用することができる。これにより、事故に至る過程を長時間に亘って閲覧することができるので、事故原因の解析を容易にすることができる。
【0050】
入力手段18は、例えば録画スイッチ等を含み、手動入力操作によって撮影を実現するものである。
当該入力手段18は、手動入力センサを有している。そのため、入力手段18が手動操作されたときに、手動操作情報を制御回路13へ出力する。制御回路13では受信した手動操作情報から手動操作データが形成され、当該手動操作データは時間データ及び位置データが含まれた記録データに記録制御手段13eで埋め込まれる。
記録データ制御手段13eが有する手動操作データ付記録データ抽出手段によって、主記憶領域のメインフォルダに記録される記録データが複写されるので、手動操作データ付の記録データは、主記憶領域のメインフォルダに記録される記録データと、当該記録データの写しが形成される。
写しの記録データは、記録データ制御手段13eが有する第2サブフォルダ自動形成手段によって副記憶領域内へ形成された第2サブフォルダに順次記録される。第2サブフォルダは手動操作データ付の記録データがコピーされたときの時刻や形成された順にフォルダ名が付けられているので、検索を容易にすることができる。
【0051】
次に、カメラ12が有するレンズ20を通して撮影された画像は、撮像素子21で電気的に画像データに変換され、エンコード部22で符号化されて、装置本体11の画像受信回路14cに向けてアンテナ23から出力される。
本実施例に係る車載用監視カメラ10は、カメラ12と装置本体11とを無線電気通信回線で接続し、カメラ12は装置本体とは別に電源が供給される。
なお、カメラ12へ車載バッテリーから直接電源を供給するようにしても良いし、車載オーディオの入力用に設けられているUSBコネクタを介して電源を供給するようにしても良い。
また、カメラ12と装置本体11とを有線接続している場合には、装置本体11から電源が供給されるようにしても良い。
【0052】
なお、本実施例に係るカメラ12の設置例を図2及び図3に示す。
本実施例に係るカメラ12は、例えば、図2(a)に示すように、レンズ20が車体の前後左右を指向するように、4台のカメラ12からなり、それぞれ混信しないようにチャンネルが設定されている。当該カメラ12を図2(b)及び図2(c)に示すように、ダッシュボード上に配置することにより、車内と、車外の全周囲を撮影することができる。
また他の設置例として、図3に示すように、球面を備えた凸面鏡25を車体天井に配し、当該凸面鏡の光軸とレンズ20の光軸とが一点鎖線26で示す略同一線上に位置するように、一台のカメラ12を凸面鏡25に対向配置する構成がある。この場合、レンズ12の画角で撮影可能な範囲と凸面鏡に映し出される鏡像によって、車内と車外の全周囲を撮影することができる。
なお、図3には、一台のカメラ12と凸面鏡25とを用いた設置例を示したが、カメラ12と凸面鏡25を対向配置するこのセットを車内に複数配置することにより、ドアやシート等によって生じる死角を無くすように構成しても良い。
【0053】
上記の構成を有する車載用監視カメラ10は、以下のように使用される。
車載用監視カメラ10は、接続が完了したとき、車載バッテリーから電源の供給を受けて起動する。当該起動時に時間受信回路14aが受信した長波標準時刻に基づいて、制御回路13が有する時計13aの時刻は、時刻補正手段13bによって補正される。
なお、車載用監視カメラ10に設けたスイッチ(図示略)を入れたとき、同様に標準時刻を受信して時計13aを補正するようにしても良い。
また、制御回路13の時計13aは、上記のように車載用監視カメラ10の起動時の時刻補正に加えて、定期的に時間受信回路14aから長波標準時刻を受信して、時刻補正手段13bによって自動的に補正される。
これにより、車載用監視カメラ10に内蔵されている時計13aと、標準時刻との誤差を極めて小さくすることができる。
【0054】
また、同時に、カメラ12で撮影が開始され、レンズ20を通して撮影された画像は、撮像素子21で電気的に画像データに変換され、さらにエンコード部22で符号化されて、画像受信回路14cに向けて、無線電気通信回線を介してアンテナ23から出力される。
【0055】
装置本体11の制御回路13では、時計13aの時刻から得られる時間情報に基づいて時間データが形成され、位置受信回路14bで受信した緯度・経度情報に基づいて、制御回路13に設けた位置補正手段13cで当該緯度・経度情報を補正して位置データが形成される。
形成された時間データと位置データを、記録データ制御手段13eで画像データに埋め込んで、記録データが形成される。
【0056】
一方、図4に示すように、予め記録データ制御手段13eに設けられたフォルダ自動形成手段及びサブフォルダ形成手段によって、外部記録媒体15内の主記憶領域にはメインフォルダが、時系列にしたがって自動的に形成され、外部記録媒体15内の副記憶領域には衝撃データ付記録データの写しを格納する第1サブフォルダと、手動操作データ付記録データの写しを格納する第2サブフォルダが形成されている。
【0057】
時系列に基づいて形成されるメインフォルダはさらに、月単位、週単位、日単位、数時間単位と階層状に形成されている。
そして、記録データは、含まれている時間データに基づいて、当該記録データが属する時系列のフォルダへ記録データ分類手段によって自動的に分類され格納される。
階層状に形成されたメインフォルダ内に記録データが自動的に分類されるので、後から記録データを容易に検索することができる。
また、メインフォルダに格納された記録データは時系列順に整理され、かつ、第1または第2サブフォルダに格納された記録データの写しに対する正本の記録データがメインフォルダに格納されていることから、例えば、衝撃データ付記録データの前数十分間の記録データを容易に取り出すことができ、事故原因の解析を容易にすることができる。
【0058】
ここで、外部記録媒体15の主記憶領域が記憶データで満たされたときは、例えば週単位に形成されたフォルダのうち、最も古い週単位メインフォルダに格納された記録データの上に、新たに外部記録媒体15に入力された記録データを格納した週単位メインフォルダが上書きされ形成される。
これにより、外部記録媒体15の主記憶領域に格納されている記録データのうち、閲覧の可能性が無くなった古い記録を自動的に整理することができる。
また、主記憶領域のメインフォルダに格納された記録データには、基本情報として、時間データと位置データが埋め込まれているので、記録データに含まれる画像データが、何時、何処で形成されたか、すなわち何時、何処で撮影されたか容易に確認することができる。
そして、記録データを再生したとき、例えば、当該時間データと位置データを再生画像の一部に、スーパーインポーズによって表示することにより、再生画像を閲覧しつつ、撮影時、撮影場所といった必要な情報を確認することができる。
さらに、以下に述べるように、記録データに含まれた衝撃データ或いは手動操作データを再生画像中へ同時に表示するようにしても良い。
【0059】
装置本体11は衝撃センサ17を有している。当該衝撃センサ17で検知した衝撃が所定の閾値以上であったとき、当該衝撃の大きさからなる衝撃データが制御回路13に出力され、記録データ制御手段13eで記録データに埋め込まれて衝撃データ付記録データが形成される。
形成された衝撃データ付記録データは、記録データ制御手段13eが有する衝撃データ付記録データ抽出手段によって、正本と副本が形成される。形成された正本データは、記録データ制御手段13eが有する記録データ分類手段によって、主記憶領域のメインフォルダへ時系列順に格納される。対して、形成された副本データは、副記憶領域に形成された第1サブフォルダのうちの一つへ格納される。
ここで、車体が検知した衝撃、例えば急発進や急制動、衝突事故といった衝撃を検知した時間や場所が衝撃データと共に副記憶領域の第1サブフォルダにそれぞれ格納されていることから、後から用意に検索することができる。
【0060】
装置本体11は録画スイッチ等の入力手段18を有している。当該入力手段18で手動操作が行われたとき、当該入力手段18が有する手動入力センサから手動操作データが制御回路13に出力され、記録データ制御手段13eで記録データに埋め込まれて手動操作データ付記録データが形成される。
形成された手動操作データ付記録データは、記録データ制御手段13eが有する手動操作データ付記録データ抽出手段によって、正本と副本が形成される。形成された正本データは、記録データ制御手段13eが有する記録データ分類手段によって、主記憶領域のメインフォルダへ時系列順に格納される。対して、形成された副本データは、副記憶領域に形成された第2サブフォルダのうちの一つへ格納される。
ここで、車載用監視カメラ10の自動録画中に敢えて手動操作して録画したときの手動操作データ付記録データが、第2サブフォルダにそれぞれ格納されていることから、後から用意に検索することができる。
【0061】
ここで、車載電源は、通常車載バッテリーからの電源と、オルタネータからの電源との2系統が形成されている。本実施例に係る車載用監視カメラは、車載バッテリーから直接電源の供給を受けるように構成されている。これにより、エンジンが動作していないときでも車載用監視カメラを作動させることができるので、例えば駐車時に当て逃げされたとしても、撮影を継続している車載用監視カメラ10によって、相手方を容易に特定することができる。
そして、例えば、事故や車両を窃盗するため等の不測の事態が発生し、装置本体11が外されて車載バッテリーから電源の供給が断たれた場合であっても、車載用監視カメラ10は、内蔵しているバッテリー16へ瞬時に切り替わるので、バッテリー16が電源を供給している間、撮影を続行することができる。
【0062】
本実施例に係る車載用監視カメラ10によれば、記録データに含まれている時間データを形成するための時計13aは、長波標準時刻にしたがって時刻修正手段13bで自動的に補正された標準時刻との誤差が極めて小さくすることができる。
これにより、事故や車両を窃盗するため等の不測の事態が発生したときの正確な時刻を記録することができ、有力な証拠とすることができる。
そして、記録データには基本情報として位置データも含まれているので、上記の正確な時刻に加えて、不測の事態が発生したときの撮影場所を確定することができる。
さらに、装置本体11の衝撃センサ17で検知した衝撃データや、敢えて手動操作で撮影したときの手動操作データが記録データに埋め込まれている場合には、より詳細に撮影時の情報を得ることができる。
【0063】
また、本実施例に係る車載用監視カメラ10は、標準時刻を長波によって受信するように構成したが、これに限定されるものではなく、世界各国でそれぞれ規定されている電波によって発信されている標準時刻を自動的に受信して、時計13aを自動的に補正するように構成するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
現在、自動車の動力機関は、エンジン等の内燃機関のみを用いたものから、当該内燃機関とモータとを組み合わせたハイブリット車を経て、電気自動車へ移行しつつあり、将来的には、多くの車に大容量のバッテリーが搭載されることが予想される。
さらに、従来回転体を備えたハードディスクドライブは大容量化を容易に図ることができるものの、衝撃に弱く、事故等で破損するおそれが高かったが、フラッシュメモリやソリッドステートドライブ等からなる外部記憶媒体のように回転体を有さず耐衝撃性に優れ、大きな記録容量を有するものが現れている。これ等の記録媒体は将来的にさらなる大容量化を期待することができる。
このとき、本発明に係る車載用監視カメラは、消費電力を小さくすることができるので、大容量のバッテリーと組み合わせることにより、車が停止している状態であっても長時間録画を続行することができる。
したがって、例えば、夜間、無人駐車場で当て逃げされた場合であっても、自車又は周囲の車のうちのいずれかが当て逃げした車を撮影している可能性が高くなる。
また、交差点で出会い頭の事故などが起きた場合に、当事者双方で食い違う証言に対し、第三者の車両が録画していた画像が証拠として提出されれば、事故等の解析を容易に行うことができる。
さらには、現在、商店街或いは住宅街において、普及し始めている監視カメラを補助するため、長時間録画可能な、本発明に係る車載用監視カメラを利用することができる。
このように、時間、さらに位置等の情報が同期した複数の監視カメラで、互いに監視しあうことにより、事故や犯罪の瞬間だけではなく、その事故や犯罪に至る過程を解析することが容易になるので、当該事故や犯罪等を効果的に防ぐための技術を容易に開発することができる。
【符号の説明】
【0065】
1…長波標準電波局、2…GPS衛星、
10…車載用監視カメラ、
11…装置本体、12…カメラ、
13…制御回路、13a…時計、
13b…時刻修正手段、13c…測位手段、13d…測位補正手段、13e…記録データ制御手段、
14…受信回路、14a…時間受信回路、14b…位置受信回路、14c…画像受信回路、
14d…時間受信回路のアンテナ、14e…位置受信回路のアンテナ、14f…画像受信回路のアンテナ、
15…外部記録媒体、16…バッテリー、17…衝撃センサ、18…手動入力装置、
20…レンズ、21…撮像素子、22…エンコード部、23…アンテナ、
25…凸面鏡。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一台のカメラと、時計を備えた装置本体とからなり、
前記カメラで撮像した画像を電気的に変換して画像データを形成し、
前記時計で計時した時刻に基づいて時間データを形成し、
前記画像データに前記時間データを埋め込んで形成した記録データを、外部記録媒体に順次記録する車載用監視カメラであって、
前記装置本体に、時間情報を含んだ電波を受信する時間受信回路を備えた時刻修正手段を設け、
該時刻修正手段が、定期的に受信した前記時間情報に基づいて前記時計の時刻を自動的に修正するようにしたことを特徴とする車載用監視カメラ。
【請求項2】
前記時間情報を含んだ電波が、長波標準電波であることを特徴とする請求項1に記載の車載用監視カメラ。
【請求項3】
前記装置本体の電源をオンにしたとき、前記時間情報を含んだ電波を前記時間受信回路で受信し、
前記時刻修正手段で前記時計の時刻を自動的に修正するようにしたことを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載の車載用監視カメラ。
【請求項4】
前記装置本体に、
前記記録データに埋め込まれた時間データに基づいて、該記録データを振り分ける記録データ分類手段と、
該記録データ分類手段で振り分けられた前記記録データが格納されるメインフォルダを、前記外部記録媒体内に形成した主記憶領域上に、少なくとも一つ自動的に形成するフォルダ自動形成手段とを設けて、
前記時間データに基づいて自動的に振り分けられた前記記録データを前記メインフォルダへ順次格納するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車載用監視カメラ。
【請求項5】
前記装置本体に、
複数基のGPS衛星から発信されているGPS電波を受信するGPS受信回路を有し、受信した前記GPS電波に基づいて緯度・経度情報を形成する測位手段と、
形成した緯度・経度情報を補正する測位補正手段とを設け、
前記測位手段で形成した前記緯度・経度情報を前記測位補正手段で補正して位置データを形成し、
該位置データを前記記録データに埋め込むようにしたことを特徴とする請求項1に記載の車載用監視カメラ。
【請求項6】
前記記録データに基づいて、撮像した画像を再生したとき、
前記記録データに埋め込まれている前記時間データ及び/又は前記位置データにしたがって、前記時刻及び/又は前記緯度・経度情報が、再生した画像へ重合して表示されるようにしたことを特徴とする請求項1若しくは請求項5のいずれかに記載の車載用監視カメラ。
【請求項7】
前記装置本体に、
車体に加えられた衝撃を検知する衝撃センサを有し、検知した衝撃が所定の閾値を超えたとき、当該衝撃の情報に基づいて衝撃データを形成する衝撃検知手段を設け、
形成した該衝撃データを前記記録データに埋め込むようにしたことを特徴とする請求項1に記載の車載用監視カメラ。
【請求項8】
前記装置本体に、
前記衝撃データを備えた前記記録データを複写して、複写された衝撃データ付記録データの写しを抽出する衝撃データ付記録データ抽出手段と、
該衝撃データ付記録データ抽出手段で抽出した前記記録データが格納される第1サブフォルダを、前記外部記録媒体内に形成した副記憶領域上に、少なくとも一つ自動的に形成する第1サブフォルダ自動形成手段とを設けて、
前記衝撃データ付記録データを自動的に複写抽出して前記第1サブフォルダへ順次格納するようにしたことを特徴とする請求項7に記載の車載用監視カメラ。
【請求項9】
前記装置本体に、
手動で前記カメラを操作するための入力手段と、
該入力手段による手動操作を検知する入力センサを有し、検知した手動操作の情報に基づいて手動操作データを形成する手動操作検知手段とを設け、
該手動操作データを前記記録データに埋め込むようにしたことを特徴とする請求項1に記載の車載用監視カメラ。
【請求項10】
前記装置本体に、
前記手動操作データを備えた前記記録データを複写して、複写された手動操作データ付記録データの写しを抽出する手動操作データ付記録データ抽出手段と、
該手動操作データ付記録データ抽出手段で抽出した前記記録データが格納される第2サブフォルダを、前記外部記録媒体内に形成した副記憶領域上に、少なくとも一つ自動的に形成する第2サブフォルダ自動形成手段とを設けて、
前記手動操作データ付記録データを自動的に複写抽出して前記第2サブフォルダへ順次格納するようにしたことを特徴とする請求項9に記載の車載用監視カメラ。
【請求項11】
前記装置本体にバッテリーを設け、
車体側から供給される電源が遮断されたとき、前記装置本体の電源を前記バッテリーへ瞬時に切り替えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の車載用監視カメラ。
【請求項12】
前記カメラと前記装置本体とを別体に形成し、
前記カメラと前記装置本体とを有線又は無線の電気通信回線で接続したことを特徴とする請求項1に記載の車載用監視カメラ。
【請求項13】
前記外部記録媒体が前記記録データで満たされたとき、
前記記録データが有する時間データに基づいて、最も古い記録データに最新の記録データを上書き保存するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の車載用監視カメラ。
【請求項14】
複数台の前記カメラによって、車内及び車外の全周囲を撮影可能としたことを特徴とする請求項1に記載の車載用監視カメラ。
【請求項15】
球面の一部を切除して形成した凸面鏡を設け、
前記カメラが有するレンズの光軸と前記凸面鏡の光軸とが略同一直線上に位置するように、前記レンズと前記凸面鏡を対向配置して、
車内及び車外の全周囲を撮影可能としたことを特徴とする請求項1に記載の車載用監視カメラ。

【図1】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図2(c)】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−159093(P2011−159093A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−19855(P2010−19855)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【出願人】(593079944)株式会社ビートソニック (37)
【Fターム(参考)】